JPH08109109A - マメ科植物用微生物製剤 - Google Patents

マメ科植物用微生物製剤

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JPH08109109A
JPH08109109A JP6246315A JP24631594A JPH08109109A JP H08109109 A JPH08109109 A JP H08109109A JP 6246315 A JP6246315 A JP 6246315A JP 24631594 A JP24631594 A JP 24631594A JP H08109109 A JPH08109109 A JP H08109109A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マメ科植物に対し優れた成長促進効果及び収
量増加効果を有する微生物製剤及び生育促進・収量増加
方法を提供する。 【構成】 細胞数の比が0.1〜10のアゾスピリラム
ブラジレンスNI−10株と、リゾビウム属細菌、ブ
ラジリゾビウム属細菌あるいはアゾリゾビウム属細菌等
の根粒菌とを、ダイズ等のマメ科植物に接種する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マメ科植物用微生物製
剤に関し、詳しくは、ダイズ等のマメ科植物の成長を促
進させ、収量を増加させるための微生物製剤、及び生育
促進・収量増加方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マメ科植物は、リゾビウム(Rhizobiu
m)属細菌、ブラジリゾビウム(Bradyrhizobium)属細
菌、アゾリゾビウム(Azorhizobium)属細菌などの根粒
菌類の感染により共生的に根粒を形成する。根粒中に形
成されたバクテロイドが空中窒素固定を行うことによ
り、マメ科植物は他の作物の収穫が期待できないような
土地においても生産を行うことができる。現在、根粒菌
の純粋培養物をマメ科植物に人工接種することにより、
収量増加が図られている(Moawad, H. et al., Biol.Fe
rtil. Soils, 6, 174-177 (1988))。
【0003】一方、アゾスピリラム(Azospirillum)属
細菌(以下、「アゾスピリラム菌」という)は、植物に
緩やかに共生し植物の生育促進を行うことが知られてい
る植物成長促進根圏細菌の一種である。このアゾスピリ
ラム属細菌においても、純粋培養物をコムギ、トウモロ
コシ、イネ等の単子葉植物に接種することにより収量を
増加させようという試みが行われている(Singh, C. S.
et al., Plant Soil,53, 387 (1979))。例えば、コム
ギの水耕栽培に対するアゾスピリラム ブラジレンス
(Azospirillum brasilense) ATCC29710等の
効果については、種子に接種して葉の重量が約50%増
加したという報告(Soil Biol. Biochem., 18, 297-301
(1988))。しかし、根粒菌、アゾスピリラム菌をそれ
ぞれ単独で圃場に接種した場合には、安定した効果が得
られにくいという問題があった。
【0004】上記問題に対し、アゾスピリラム菌を根粒
菌と同時にマメ科植物に接種し、更なる収量増加を求め
る試みがなされている(蒲生卓磨、 「農業と園芸」、第
64巻、第7号、第889〜895頁、1989年;仁
王以智夫、「微生物と資源」、第6巻、第35〜42頁、
1981年)が、実際に圃場で効果が示されてはいな
い。
【0005】また、根粒菌と光合成細菌とを混合するこ
とにより根粒菌の保存中の失活を防ぐ方法が開示されて
いる(特公昭59−50311号公報)が、根粒菌の持
つ植物成長促進作用を増強することを目的としたもので
はない。
【0006】以上のことから、マメ科植物に対し、優れ
た成長促進効果及び収量増加効果を有する、実用的な微
生物製剤が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、マメ科植物に対し優れた成長促
進効果及び収量増加効果を有する微生物製剤及び生育促
進・収量増加方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、特定のアゾスピ
リラム菌と根粒菌とを併用することにより、マメ科植物
に対し優れた成長促進効果及び収量増加効果が得られる
ことを見い出し、本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、アゾスピリラム ブラ
ジレンスNI−10株と根粒菌とを含有するマメ科植物
用微生物製剤である。本発明はさらに、アゾスピリラム
ブラジレンスNI−10株と根粒菌とをマメ科植物に
接種することを特徴とするマメ科植物の生育促進及び収
量増加方法を提供する。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるアゾスピリラム ブラジレンス(Azospirillum b
rasilense)NI−10は、本発明者により、溶液栽培
トマトに対する植物成長促進効果を有する微生物として
分離された菌株である。具体的には、本菌株は、土耕栽
培されたキュウリ、コマツナの根から窒素固定能を指標
として選択され、さらに養液栽培トマトに接種したとき
に高い生育促進効果を有するものとして選択されたもの
である。このアゾスピリラム ブラジレンスNI−10
は、工業技術院生命工学工業技術研究所に、FERM
P−13588として寄託されている。 本菌株の分離
については文献(Soil Sci. Plant. Nutr., 37(3), 455
-461, (1991))に記載されているが、根粒菌と共にマメ
科植物に対して優れた生育促進作用を有することは、本
発明で初めて明らかにされた。
【0011】一方、本発明に用いる根粒菌としては、マ
メ科植物の根に感染して根粒を形成するグラム陰性細菌
であり、マメ科植物に対して生育促進作用を有するもの
であれば特に制限されず、具体的にはリゾビウム(Rhiz
obium)属、ブラジリゾビウム(Bradyrhizobium)属、
アゾリゾビウム(Azorhizobium)属に属する微生物が挙
げられる。さらに具体的には、リゾビウム メリロッテ
イ(Rhizobium meliloti)、リゾビウム トリフォリイ
(R. trifolii)、リゾビウム レグミノサルム(R. le
guminosarum)、リゾビウム ファゼオリイ(R. phaseo
li)、リゾビウム ルピニ(R. lupini)、リゾビウム
フレデイ(R. fredii)、リゾビウムロッテイ(R. lo
ti)、ブラジリゾビウム ジャポニクム(Bradyrhizobi
um japonicum)、アゾリゾビウム カウリノダンス(Az
orhizobium caulinodans)が挙げられる。
【0012】上記根粒菌及びアゾスピリラム ブラジレ
ンスNI−10株の培養に用いる培地は、これらの微生
物の増殖に適した培地であれば特に制限されないが、液
体培地が好ましい。尚、アゾスピリラムブラジレンスN
I−10株については、DL−リンゴ酸を培地に添加す
ると培地中の菌数を高めることができる。具体的には、
アゾスピリラム菌の培養には、RC培地(DL−リンゴ
酸:5g/L、KOH:4.8g/L、酵母エキス:
0.5g/L、KH2PO4:0.5g/L、MgSO4
・7H2O:0.2g/L、NaCl:0.1g/L、
FeCl3・6H2O:0.015g/L、pH7.0)
が挙げられる。また、根粒菌の培養には、以下の組成を
有する培地が挙げられる。マニトール:10g/L、酵
母エキス:0.4g/L、KH2PO4:0.5g/L、
MgSO4・7H2O:0.2g/L、NaCl:0.1
g/L。これらの培地に、上記根粒菌あるいはアゾスピ
リラム菌を108個細胞/Lの割合で接種後、30℃で
24時間、毎分180回の振盪培養を行い、遠心分離機
で集菌し、菌体を得ることができる。
【0013】上記アゾスピリラム ブラジレンスNI−
10株と根粒菌とをマメ科植物に接種すると、優れた成
長促進効果及び収量増加効果が得られる。本発明が適用
されるマメ科植物としては、ダイズ、エンドウ、インゲ
ン、ソラマメ、ラッカセイ、アズキ等マメ科の植物であ
れば何れでもよいが、これらの中ではダイズ、エンド
ウ、インゲンが好適である。尚、根粒菌は通常、宿主特
異性を有しているので、マメ科植物の種類に応じて菌種
を選択すればよい。例えば、ダイズにはブラジリゾビウ
ム ジャポニクムが、エンドウにはリゾビウム レグミ
ノサルムが、インゲンにはリゾビウム ファゼオリイが
各々好適である。
【0014】アゾスピリラム ブラジレンスNI−10
株と根粒菌とを、例えば栽培土壌に接種するには、これ
らの微生物を育苗培土へ散布する方法、あるいは播種部
位へ接種する方法等が挙げられる。育苗培土は、畑土、
水田土壌、人工培土などいずれでもよく、適用するマメ
科植物に応じて適宜設定すればよい。例えば、エダマメ
には砂や人工培土が好ましい。また、植物を栽培する際
に、苗床から本圃に移植する場合には、苗床及び本圃の
いずれに上記微生物を接種使用してもよく、両方に接種
してもよい。これらの微生物の接種量としては、土壌1
g当たり105〜108個細胞づつが好ましい。また、ア
ゾスピリラム ブラジレンスNI−10株と根粒菌との
接種量の比率は、細胞数として0.1〜10の範囲が好
ましい。
【0015】アゾスピリラム ブラジレンスNI−10
株と根粒菌とを製剤化しておくと、使用に際し簡便であ
り、保存上好適である。このような製剤としては、担体
にこれらの微生物を担持させたものが挙げられる。担体
としては、有機質及び無機質のいずれのものも使用で
き、有機質及び無機質の両方を含むものでもよい。具体
的には、例えば、赤玉土、焼成赤玉土、鹿沼土、黒ボク
土、バーミキュライト、パーライト、ゼオライト等の無
機質、または、ピートモス、木炭、パルプ、藁、バガ
ス、油かす、魚かす、骨粉、血粉、貝化石、カニがら等
の有機物あるいはそれらの混合物が挙げられる。微生物
の保存安定性の観点からは、これらのうちでは有機質の
担体が好ましい。
【0016】担体に上記微生物を担持させるには、担体
と微生物又はその懸濁液を混合すればよい。混合物の水
分含量は特に制限されないが、5〜97%が好ましい。
また、製剤中の微生物の保存性の点からは、水分含量は
製剤全量に対して50〜90重量%が好ましい。
【0017】微生物の配合量としては、特に制限されな
いが、全量に対しアゾスピリラムブラジレンスNI−1
0株の湿菌体が10-5〜50重量%、根粒菌の湿菌体が
10-5〜50重量%であることが好ましい。また、細胞
としては、アゾスピリラムブラジレンスNI−10株及
び根粒菌共に、製剤1g当たり105〜1012個が好ま
しい。
【0018】また、製剤中のアゾスピリラム ブラジレ
ンスNI−10株と根粒菌との細胞数の比率は、0.1
〜10の範囲が好ましい。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0020】
【実施例1】 アゾスピリラム ブラジレンスNI−1
0の分離 <1>アゾスピリラム属菌の検索 つくば市の農業生物資源研究所圃場で採取した土壌を用
いて、同所温室内で土耕栽培したキュウリ、コマツナの
根を採取し、水洗後5〜8mm程度の大きさに切り刻
み、8mlの窒素を含まない半流動リンゴ酸培地(App
l. Environ. Microbiol., 33, 85-88, 1977を参照、シ
クロヘキシミド100ppm添加:以下、「NFb培
地」という)を入れた10ml用セラムチューブに移
し、32℃で培養した。
【0021】3日間培養後、ダブルキャップで密栓し、
セラムチューブに1mlのアセチレンを入れて32℃に
1時間おいた後、窒素固定の指標としてニトロゲナーゼ
活性を測定した。ニトロゲナーゼ活性は、アセチレンを
エチレンに還元する反応を利用したアセチレン還元法に
より測定した。セラムチューブ中のエチレン量を、80
〜100メッシュのポラパック−Q((株)ガスクロ工
業)を充填した1mmφのステンレスカラムを用いたガ
スクロマトグラフィーにより測定した。エチレンの検出
は、FIDを用いて行った。
【0022】高いアセチレン還元能が認められたセラム
チューブから、新鮮なNFb培地を入れたセラムチュー
ブへ菌を移植し、32℃で3日間培養し、培地の表面下
にペリクル(pellicle)を形成した細菌を、酵母エキス
とコンゴレッドを含む固体NFb培地(コンゴレッド培
地:Appl. Environ. Microbiol., 44, 990-991, 1982を
参照)に塗布して7日間培養した。
【0023】形成されたコロニーのうち、赤色のコロニ
ーを半流動NFb培地に移植し、32℃で3日間培養
後、アセチレン還元能を測定し、高いアセチレン還元能
を示した菌株をBMS寒天培地に塗布して、32℃で5
日間培養した。生じた黄色コロニーを単離してNFb培
地に生育させて保存した。
【0024】<2>菌株の同定 バージェイのマニュアルに記載の方法に従って、形態、
各種培地における生育状況、生理学的性質等を調べた。
結果を表1〜4(表1:形態、表2:各培地における生
育状況、表3:生理学的性質、表4:その他の諸性質)
に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】表に示された通り、NI−10株は、微好
気的条件下で窒素固定可能であり、桿状、湾曲桿状、コ
ンマ状の極鞭毛を有するグラム陰性細菌であり、らせん
状(Corkscrew-like)の運動性を示す。また、各種培地
でピンク色の色素を生成し、グルコースを炭素源として
利用する。カタラーゼ、オキシダーゼ陽性で、PHBを
蓄積する。分離源は植物根園である。これらの結果よ
り、アゾスピリラム属細菌と同定された。
【0030】種レベルの同定は、バージェイのマニュア
ルに記載の方法に従って、公知菌であるアゾスピリラム
ブラジレンスATCC29710、ATCC2914
5及びアゾスピリラム リボフィラムATCC2970
7を対照として実施した。結果は表5に示す通りであ
る。
【0031】
【表5】
【0032】尚、表中、ATCC29707株はアゾス
ピリラム リポフェラム、ATCC29145及びAT
CC29710株はアゾスピリラム ブラジレンスであ
る。上記の結果から明らかなように、検討した全ての性
質が対照菌のアゾスピリラム ブラジレンスと一致し
た。また、GC含量を熱変性温度より求めた結果、検討
した全ての菌株がGC含量70%であった。しかしなが
ら、本菌株は、トマトの養液栽培に用いたときに、公知
菌株であるATCC29710及びATCC29729
株と比較して高い生育促進効果が認められたこと、さら
に、後述するように、ATCC29145と比較して、
根粒菌と併用したときにマメ科植物に対する高い生育促
進効果及び収量増加効果が認められたことから、新規菌
株であると考えた。このアゾスピリラム ブラジレンス
NI−10は、工業技術院生命工学工業技術研究所に、
FERM P−13588として寄託されている。
【0033】
【実施例2】 アゾスピリラム ブラジレンス NI−
10及び根粒菌のエダマメに対する生育促進効果 <1>アゾスピリラム菌及び根粒菌の培養 アゾスピリラム ブラジレンス NI−10は、RC培
地(DL−リンゴ酸:5g/L、KOH:4.8g/
L、酵母エキス:0.5g/L、KH2PO4:0.5g
/L、MgSO4・7H2O:0.2g/L、NaCl:
0.1g/L、FeCl3・6H2O:0.015g/
L、pH7.0)を用い、500mL坂口フラスコに1
00mLづつ培地を分注後、別に液体培養した種菌をフ
ラスコ1本に107個細胞づつ接種して、これを毎分1
80回振盪する振盪培養機の中で32℃、24時間培養
後、遠心分離により集菌した。また、コントロールとし
てアゾスピリラム ブラジレンス ATCC29145
を同様に培養して集菌した。
【0034】一方、根粒菌(ブラジリゾビウム ジャポ
ニカム ATCC10324)は、マニトール:10g
/L、酵母エキス:0.4g/L、KH2PO4:0.5
g/L、MgSO4・7H2O:0.2g/L、NaC
l:0.1g/L を含む培地を用い、その他の条件は
アゾスピリラム菌と同じ条件で培養後、遠心分離により
集菌した。
【0035】<2>エダマメに対する生育促進効果 径9cmの黒色ビニールポットに赤玉土を、ポットの上
部2cmの隙間を残して加え、エダマメ(品種:サッポ
ロミドリ)の種子を2粒づつ播種した。この様なポット
を、下記に示す試験例1及び比較例1、2のそれぞれに
つき20ポットづつ作成した。
【0036】比較例1には何も接種せず、比較例2には
アゾスピリラム ブラジレンス ATCC29145株
を1ポット当たり107個接種し、試験例1には根粒菌
とアゾスピリラム ブラジレンス NI−10株を、そ
れぞれ1ポット当たり107個体接種した。
【0037】これらのポットは、種子が発芽してから1
ポット当たり1本になるように間引きを行い、1日1回
潅水し、1か月生育させた。生育1か月の時点で苗を全
て引き抜き、根に付いた土を水洗し、地上部と根部を切
り分けた後、茎長を測定した。その後、試料と地上部と
根とを別々に110℃で3日間乾燥させ、各々の重量を
測定した。それらの結果を表6に示す。表中の各数値
は、比較例9の値を100とした相対値で示したもので
ある。また、T/R率は、根重に対する地上重の比であ
る。
【0038】
【表6】
【0039】この結果から、アゾスピリラム ブラジレ
ンス NI−10株と根粒菌を接種することにより、エ
ダマメに対して顕著な成長促進効果が得られることが明
らかである。
【0040】<3>エダマメに対する収量増加効果 エダマメ(品種:サッポロミドリ)を、関東ローム層の
畑で栽培した。栽培期間は1994年4月25日〜7月
20日であった。まず、底部が網目になっている30c
m×40cmのプラスチックバットに人工培土(呉羽化
学社製 クレハ園芸培土)を4L入れ、種子を1バット
当たり60粒播種した。本葉2枚になるまでバットで生
育させ、畑に移植した。その際、比較例3は、苗をその
まま植え付け、比較例4は苗の植え付け穴にアゾスピリ
ラム ブラジレンス ATCC29145株と根粒菌を
それぞれ1穴当たり107個づつ接種した。試験例2
は、苗の植え付け穴にアゾスピリラム ブラジレンス
NI−10株と根粒菌をそれぞれ1穴当たり107個づ
つ接種した。比較例3、4、試験例2共に、1区40本
づつ3反復とした。
【0041】その後、通常の管理により栽培を行い7月
20日に収穫した。収穫時に各区ごとに、果実を全て取
り、その果実の総重量を測定後、莢中に種子が1粒入っ
ているものと2、3粒入っているものに分け、それぞれ
の重さを測定した。その結果を示したのが表7である。
ここで各数値は比較例3での値を100とした相対値で
示してある。
【0042】
【表7】
【0043】この結果から明らかなように、アゾスピリ
ラム ブラジレンス NI−10株と根粒菌とを接種す
ることにより、エダマメに対して顕著な収量増加効果が
得られる。
【0044】
【発明の効果】本発明のマメ科植物用微生物製剤は、マ
メ科植物に対し優れた成長促進効果及び収量増加効果を
有する。また、本発明の方法により、マメ科植物に対
し、生育促進及び収量増加が図ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アゾスピリラム ブラジレンスNI−1
    0株と根粒菌とを含有するマメ科植物用微生物製剤。
  2. 【請求項2】 担体を、全量に対して0.2〜99.8
    重量%含有する請求項1記載のマメ科植物用微生物製
    剤。
  3. 【請求項3】 アゾスピリラム ブラジレンスNI−1
    0株と根粒菌の細胞数の比が、0.1〜10である請求
    項1または2記載のマメ科植物用微生物製剤。
  4. 【請求項4】 アゾスピリラム ブラジレンスNI−1
    0株と根粒菌の配合量が、製剤全量に対し、各々10-5
    〜50重量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載
    のマメ科植物用微生物製剤。
  5. 【請求項5】 アゾスピリラム ブラジレンスNI−1
    0株及び根粒菌共に、製剤1g当たり105〜1012
    含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のマメ科植物用
    微生物製剤。
  6. 【請求項6】 全量に対し、5〜97重量%の水分を含
    有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のマメ科植物
    用微生物製剤。
  7. 【請求項7】 アゾスピリラム ブラジレンスNI−1
    0株と根粒菌とをマメ科植物に接種することを特徴とす
    るマメ科植物の生育促進及び収量増加方法。
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