JPH08108508A - 積層二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

積層二軸配向ポリエステルフイルム

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JPH08108508A
JPH08108508A JP24597794A JP24597794A JPH08108508A JP H08108508 A JPH08108508 A JP H08108508A JP 24597794 A JP24597794 A JP 24597794A JP 24597794 A JP24597794 A JP 24597794A JP H08108508 A JPH08108508 A JP H08108508A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行耐久性、耐スクラッチ性、スリット性、
耐削れ性及び平坦性に優れ、特に磁気記録媒体用ベース
フイルムとして有用な積層二軸配向ポリエステルフイル
ムを提供する。 【構成】 ポリエステル層Bの少なくとも片面に滑剤粒
子を含有するポリエステル層Aが最外層として積層され
ている積層二軸配向ポリエステルフイルムであって、ポ
リエステル層A表面の平均空気層厚みPが0.8〜2.
5μmであり、ポリエステル層Aの滑剤硬度指数Hが1
0〜25であり、そして積層フイルム全体の滑剤硬度指
数Gが100以下であることを特徴とする積層二軸配向
ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層二軸配向ポリエステ
ルフイルムに関し、更に詳しくは走行耐久性、耐スクラ
ッチ性、スリット性、耐削れ性及び平坦性(例えば磁気
テープとしたときの電磁変換特性)に優れ、特に磁気記
録媒体用ベースフイルムとして有用な積層二軸配向ポリ
エステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】汎用ビデオカセットテープでは、コスト
低減の点から、通常走行面側にバックコート層は設けら
れていない。一方、ビデオ用テープの中でも比較的高品
質のテープであるS―VHS方式や8m/m方式のテー
プでは、大きなコストアップを招くのを承知の上で、品
質維持の為に、バックコート層が設けられている場合が
殆んどである。
【0003】バックコート層を設けない磁気テープの最
大の問題は、ベース面が直接硬いSUS製ガイドポスト
と接触する為、ベース表面が削り取られて擦傷(スクラ
ッチ)および削れ粉が発生し、繰返し使用することによ
ってベースフイルム表面が平坦になって摩擦係数が大き
くなり、ついには走行ストップを招くこと、及び削れ粉
自体がドロップアウトの原因となることである。
【0004】繰返し走行耐久性を改良する手段として、
フイルム中に不活性な微粒子を存在させてフイルム表面
を適度に粗面化する方法が従来から数多く提案されてい
るが、必ずしも十分な結果は得られていない。一般に、
ベースフィルムの表面を粗化すればする程繰返し走行耐
久性は向上するが、一方で高品質のビデオテープに要求
されるベースフイルムの平坦性は損なわれてしまい、電
磁変換特性は悪化する傾向にある。
【0005】この相反する走行耐久性と平坦性を同時に
解決する方法の1つとして、表面粗さが表裏で異なるよ
うな積層二軸配向ポリエステルフイルムが提案されてい
る。しかしながら、上記のような積層二軸配向ポリエス
テルフイルムを用いたとしても、バックコート層を設け
ない場合テープを製造する際の磁性層塗布後のキュアリ
ング工程において、粗い走行面側のベースフイルムの突
起が磁性層表面に転写して凹凸を作り、電磁変換特性を
悪化する、いわゆる裏写り現象が発生するという問題が
ある。
【0006】一方、ベースフイルム中に硬質で微細な粒
子を含有させることで、基材との接触によってベース表
面が傷つけられるのを防止するという提案もある。例え
ば、特開昭63―230741号公報ではアルミナ粒子
を添加する方法が提案されているし、特開平6―139
551号公報ではアルミナ粒子と特定の合成炭酸カルシ
ウム粒子を用いる方法が提案されている。しかし、アル
ミナ粒子のような硬質で微細な粒子のみを用いた場合に
は、ベース表面が平坦になりすぎて基材との接触面積が
大きくなり、摩擦係数が高くなるという弊害が生じる
し、また特定の合成炭酸カルシウム粒子を併用したとし
ても後述するようにカレンダーでの削れの問題がある。
さらに、この硬質で微細な粒子を添加する方法において
は、他の粒子の併用の有無を問わず、ベース表面のスク
ラッチや削れ粉を抑制するためには比較的高価なアルミ
ナ粒子を多量に使用しなければならないので、かえって
コストアップを招くという問題がある。さらに、アルミ
ナ粒子を含有するフイルムではスリットする際のスリッ
ト刃の損傷の度合いが大きく、劣化した刃で切断するこ
とで発生する切粉がドロップアウトの原因物となった
り、刃を頻繁に交換しなければならないために生産性が
著しく低下するという新たな問題が生じてしまう。
【0007】この問題を解決するために、例えば特開平
6―150291号公報や特開平5―62158号公報
では、フイルムを積層構造とし、その最外層のみにアル
ミナ等の硬質微細粒子を存在させる方法が提案されてい
る。しかしながら、この提案では、フイルムの大部分を
占める硬質微細粒子を含有しない層についての規定はな
く、また硬質微細粒子を含有する層における、アルミナ
粒子以外の粒子について特に触れられておらず、これだ
けではスリット性の改良効果は不十分である。
【0008】さらに、バックコートを設けない磁気テー
プのベースフイルムに要求される重要な品質として、上
記の他に耐カレンダー削れ性が挙げられる。カレンダー
削れとは、磁性粉をベースフイルムに塗布した後磁性面
を平滑に仕上げる為のカレンダー工程において、高温の
カレンダーロールが高圧力でベースフイルムと接触する
際、ベース表面の突起が削られてカレンダーロール表面
に付着してしまう現象である。
【0009】一般にベースフイルムに含有されている添
加粒子の粒径、硬度、添加量が大きい程カレンダーで削
られやすい。また、メタル塗布型8m/mテープなどの
場合、磁性メタル粒子の充填度を上げる必要があるた
め、磁性粉として酸化鉄を用いる場合よりもカレンダー
ロールの圧力は高い傾向にあり、ベースフイルムにとっ
ては過酷な使用条件となる。そこで、特開平6―143
520号公報では、走行耐久性およびスリット性を改良
するために特定の合成炭酸カルシウム粒子とアルミナ粒
子をベースフイルムの走行面側に添加した積層フイルム
を提案している。しかし、この場合も高い突起を形成す
る炭酸カルシウム粒子は、アルミナ粒子よりは軟質では
あるが、比較的硬い粒子であるために、カレンダー工程
で衝撃により脱落しやすいという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上述のバ
ックコート層を設けない磁気テープにおけるベースフイ
ルムの諸問題(走行耐久性、平坦性、耐スクラッチ性、
スリット性、耐カレンダー削れ性等)を同時に解決しう
るフイルムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、積層二
軸配向ポリエステルフイルムをベースとし、その走行面
側に相当する最外層の表面性及びこの最外層に含有され
る粒子の粒子硬度、平均粒径、添加量を特定の値にする
ことによって走行耐久性、平坦性、耐スクラッチ性およ
び耐カレンダー削れ性を同時に満足しうること、さらに
積層フイルム全体での添加粒子の粒子硬度、平均粒径、
添加量及び各層の厚みを特定することで、上記特性を変
化させることなくスリット性も改良できることを見出
し、本発明に到達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はポリ
エステル層Bの少なくとも片面に滑剤粒子を含有するポ
リエステル層Aが最外層として積層されている積層二軸
配向ポリエステルフイルムであって、ポリエステル層A
表面の平均空気層厚みPが0.8〜2.5μmであり、
ポリエステル層Aの下記式(1)で表わされる滑剤硬度
指数Hが10〜25であり、そして積層フイルム全体の
下記式(2)で表わされる滑剤硬度指数Gが100以下
であることを特徴とする積層二軸配向ポリエステルフイ
ルムである。
【0012】
【数3】H=Σ(EAj×dAj×wAj) ……(1) ここで、H :層Aの滑剤硬度指数 EAj:層Aに含まれる滑剤粒子jの硬度(kg/mm2 ) dAj:層Aに含まれる滑剤粒子jの平均粒径(μm) wAj:層Aに含まれる滑剤粒子jの量(重量%) である。
【0013】
【数4】 G=Σ(Eij×dij×wij×ti ) ……(2) ここで、G :積層フイルム全体の滑剤硬度指数 Eij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子jの硬度
(kg/mm2 ) dij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子jの平均粒
径(μm) wij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子jの量(重
量%) ti :ポリエステル層iの厚み(μm) である。
【0014】本発明におけるポリエステルとは、芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルである。かか
るポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム
形成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳
香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ールあるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等を挙げることができる。
【0015】本発明において、ポリエステルとしてはア
ルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレンナフタ
レートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられ
る。
【0016】かかるポリエステルのうちでも特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタ
レートはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の
80モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6―ナ
フタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80
モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好ま
しい。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸
および/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の上
記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばア
ジピン酸、セバチン酸等の如き脂環族ジカルボン酸;シ
クロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジカ
ルボン酸等であることができる。また全グリコール成分
の20モル%以下はエチレングリコール以外の上記グリ
コールであることができ、また例えばハイドロキノン、
レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)
プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4―ジヒドロキ
シジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオー
ル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキ
レングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)等
であることもできる。
【0017】また、本発明におけるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分および
オキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共
重合あるいは結合するものも包含される。
【0018】さらに本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポ
リヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエ
リスリトール等を共重合したものも包含される。
【0019】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0020】上記ポリエステルとしては、o―クロロフ
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が0.4〜0.9のものが好ましく、0.5〜0.7
のものがさらに好ましく、0.55〜0.65のものが
特に好ましい。
【0021】本発明における積層二軸配向ポリエステル
フイルムは、少なくとも2層より構成される。2層のポ
リエステルは同じものでも違ったものでもよいが、同じ
ものが好ましい。
【0022】本発明における積層二軸配向ポリエステル
フイルムは、少なくともポリエステル層Aとポリエステ
ル層Bを積層した構造をとる。積層形態としては、層A
/層Bの2層構造または層A/層B/層Aの3層構造も
しくは、ポリエステル層Bの層Aを積層したのと反対側
にポリエステル層Cを積層した層A/層B/層Cの3層
構造であって、最外層の少なくとも一つとして層Aが積
層されている必要がある。
【0023】前記積層二軸配向ポリエステルフイルム
は、先ずポリエステル層Aの表面の平均空気層厚みPが
0.8〜2.5μmである必要がある。ここで、平均空
気層厚みPとは、フイルムをガラスプリズムに一定圧力
で押しつけ、プリズム側から光を入射させたときの光学
接触率Fを種々の波長(λi)において下記式(3)で
求め、光の波長によって光学接触率が下記式(4)のよ
うに変化するとして最小二乗法によりk、F0 を求め、
下記式(5)によって計算される値である。
【0024】
【数5】
【0025】ここで、F(λi):波長(λi)での光
学接触率 Φ0 (λi):波長(λi)での入射光量 Φ(λi):波長(λi)での全反射光量
【0026】
【数6】
【0027】
【数7】
【0028】ポリエステル層Aの表面の平均空気層厚み
Pが0.8μmよりも小さい場合、フイルム表面がガイ
ドポスト等に接触する面積が大きくなりすぎ、繰り返し
使用時に摩擦係数が大きくなってしまう。一方、2.5
μmを超える場合、積層フイルムが層A/層B/層Aの
3層構造のとき(層Aが磁性層塗布面となるとき)には
磁性層表面が平坦にならない為に電磁変換特性が悪化
し、また層A/層Bの2層構造または層A/層B/層C
の3層構造で層Aが磁性層塗布面とは反対側になるとき
においても、キュアリング時の裏写り現象によって電磁
変換特性が悪化してしまうので好ましくない。ポリエス
テル層Aの平均空気層厚みPは好ましくは0.9〜2.
4μm、特に好ましくは1.1〜2.2μmである。
【0029】前記積層二軸配向ポリエステルフイルム
は、さらにポリエステル層Aの下記式(1)で表わされ
る滑剤硬度指数Hが10〜25である必要がある。
【0030】
【数8】H=Σ(EAj×dAj×wAj) ……(1) ここで、EAj:ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子j
の硬度(kg/mm2 ) dAj:ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子jの平均粒
径(μm) wAj:ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子jの量(重
量%) である。
【0031】この指数Hが10未満であると耐スクラッ
チ性が不足なので、擦り傷ずおよび削れ粉が発生しやす
くなり、削れ粉がドロップアウトの原因となったりす
る。一方、この指数Hが25を超えると、カレンダー工
程における削れが増大するので好ましくない。滑剤硬度
指数Hの値は好ましくは11〜22、さらに好ましくは
12〜20である。
【0032】前記積層二軸配向ポリエステルフイルム
は、さらに積層フイルム全体の下記式(2)で表わされ
る滑剤硬度指数Gが100以下である必要がある。
【0033】
【数9】 G=Σ(Eij×dij×wij×ti ) ……(2) ここで、Eij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子j
の硬度(kg/mm2 ) dij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子jの平均粒
径(μm) wij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子jの量(重
量%) ti :ポリエステル層iの厚み(μm) である。
【0034】この指数Gが0であることは滑剤粒子を実
質的に含有していないことを意味し、この場合フイルム
/フイルム間の滑り性が極端に悪く、製造工程に於て巻
取ることが不可能となる。一方、この指数Gが100を
超えると、スリット刃が摩耗しやすくなるため、劣化し
た刃で切断することで発生する切粉がドロップアウトの
原因物となったり、刃を頻繁に交換しなければならない
ために生産性が著しく低下するという問題が生じる。こ
の滑剤硬度指数Gは、好ましくは4〜96、さらに好ま
しくは8〜92である。
【0035】前記積層二軸配向ポリエステルフイルムに
おいて、ポリエステル層Aの厚みは0.5〜25μmで
あることが好ましい。層Aの厚みが0.5μm未満であ
ると粒子の脱落が生じやすくなり、一方25μmを超え
るとスリット性が悪化するので好ましくない。また、前
記ポリエステル層Aの三次元中心面平均粗さSRaA
7〜40nmであることが好ましい。この値が7mm未
満であると、ガイドポスト等と接触する際の面積が大き
くなりすぎ、走行摩擦係数が高くなり、一方40nmを
超えると、上記積層ポリエステルフイルムが層A/層B
/層Aの3層構造のとき(層Aが磁性層塗布面となると
き)には磁性層表面が平坦にならない為に電磁変換特性
が悪化し、また層A/層Bの2層構造または層A/層B
/層Cの3層構造で層Aが磁性層塗布面とは反対側にな
るときにおいても、キュアリング時の裏写り現象によっ
て電磁変換特性が悪化してしまうので好ましくない。よ
り好ましいポリエステル層Aの三次元中心面平均粗さS
RaA は8〜35nmであり、さらに好ましくは9〜3
0nmである。
【0036】本発明において、積層二軸配向ポリエステ
ルフイルムが層A/層Bの2層構造をとり、露出するも
う一方の表層(最外層)が層Bであるとき、この表面の
三次元中心面平均粗さSRaB は3〜34nmであるこ
とが好ましい。積層二軸配向ポリエステルフイルムが層
A/層B/層Cの3層構造をとるとき、ポリエステル層
Cの表面の三次元中心面平均粗さSRaC は3〜24n
mであることが好ましい。これらの値が3nm未満であ
ると磁性層塗布後の磁性層表面が平坦になりすぎてしま
い、磁気ヘッドとの接触により削れやすくなるので好ま
しくない。一方、24nmを超えると磁性層表面が粗く
なりすぎて電磁変換特性が悪化するので好ましくない。
【0037】本発明において、ポリエステル層Aの上記
表面特性は、ポリエステルに滑剤粒子(不活性粒子)を
分散含有させ、この平均粒径、添加量等を調整すること
で達成されるのが、特に粒子硬度が300〜500kg
/mm2 で平均粒径が0.05〜0.3μm小粒径不活
性粒子を0.05〜0.5重量%と、粒子硬度が10〜
80kg/mm2 で平均粒径が0.4〜0.8μmの中
粒径不活性粒子を0.01〜0.5重量%含有させるこ
とが好ましい。ポリエステル層Aに含有される小粒径不
活性粒子は前記の特性を満足するものである限り、その
種類は特に限定はされないが、硬質で微細な一次粒子が
凝集してなる粒子(凝集粒子)が好ましい。具体例とし
ては例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、二酸化ケ
イ素、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、ムライトなど
が挙げられる。
【0038】これらの中、比表面積が50〜120m2
/gのθ型酸化アルミニウム粒子及びアモルファス酸化
チタン粒子から選ばれる少なくとも一種が、本発明の効
果が一層顕著となるので好ましい。
【0039】また、ポリエステル層Aに含有される中粒
径不活性粒子は、前記の特性を満足するものである限
り、その種類は特に限定はされないが、比較的軟質で球
状の粒子が望ましい。特に架橋高分子粒子が望ましく、
具体的には架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン
粒子、メラミン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子などが
好ましく挙げられる。これらのうち、架橋ポリスチレン
粒子及び架橋シリコーン樹脂粒子より選ばれる少なくと
も一種が、本発明の効果が一層顕著となるので好まし
い。
【0040】さらに、ポリエステル層Aには、上記小粒
径不活性粒子、中粒径不活性粒子の他に粒子硬度が30
〜80kg/mm2 、平均粒径が1.0〜2.0μmの
大粒径不活性粒子が0.0005〜0.05重量%分散
含有されていると、繰返し走行摩擦係数の上昇を抑制す
る上で一層効果的であるので好ましい。上記大粒径不活
性粒子は、前記の特性を満足する限りその種類は特に限
定されないが、架橋高分子粒子が好ましく用いられ、特
に架橋ポリスチレン粒子及び架橋シリコーン樹脂粒子よ
り選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0041】本発明において、積層二軸配向ポリエステ
ルフイルムが層A/層Bの2層構造をとり、露出するも
う一方の表層(最外層)がポリエステル層Bである場
合、ポリエステル層Bには滑剤粒子を含有させることが
好ましく、特に粒子硬度が10〜80kg/mm2 で平
均粒径が0.01〜0.3μmである架橋高分子粒子を
0.01〜0.5重量%含有させることが好ましい。こ
の架橋高分子粒子の種類は、上記特性を満足する限り特
に限定はされないが、架橋ポリスチレン粒子及び架橋シ
リコーン樹脂粒子から選ばれる少なくとも一種であるこ
とが特に好ましい。
【0042】また、前記積層二軸ポリエステルフイルム
が層A/層B/層Aまたは層A/層B/層Cの3層構造
である場合、ポリエステル層Bは不活性粒子を含有して
いなくてもよいが、積層フイルム全体の滑剤硬度指数G
が上記の範囲内となるのであれば、不活性粒子を含有し
てもよい。
【0043】本発明において、積層二軸配向ポリエステ
ルフイルムが層A/層B/層Cの3層構造をとる場合、
ポリエステル層Cには滑剤粒子を滑剤硬度指数Gが上記
の範囲内となる割合で分散含有させることが好ましい。
滑剤粒子は特に限定されず、無機不活性粒子でも有機不
活性粒子でもよい。これら粒子の具体例としては層Aや
層Bに含有させる粒子として例示したものを挙げること
ができる。これらの中架橋高分子粒子が好ましい。さら
に該架橋高分子粒子は無機粒子と併用することが好まし
い。この場合中粒径〜大粒径の粒子として架橋高分子特
に架橋ポリチレン粒子及び/または架橋シリコーン樹脂
粒子を用い、小粒径粒子として無機粒子特にアルミナ粒
子を用いることが好ましい。
【0044】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、その全体の厚みが5〜80μmであることが好ま
しい。
【0045】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積さ
れている方法で製造することができる。例えば、先ず未
配向積層フイルムを製造し、次いで該フイルムを二軸配
向させることで得ることができる。この未配向積層フイ
ルムは、従来から蓄積された積層フイルムの製造法で製
造することができる。例えば、表面を形成するフイルム
層と、反対面又は芯層を形成するフイルム層とを、ポリ
エステルの溶融状態又は冷却固化された状態で積層する
方法を用いることができる。さらに具体的には、例えば
共押出・エクストルージョンラミネート等の方法で製造
できる。上述の方法で積層されたフイルムは、更に従来
から蓄積された二軸配向フイルムの製造法に準じて行な
い、二軸配向フイルムとすることができる。例えば、融
点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度でポリエ
ステルを溶融・共押出して未延伸積層フイルムを得、該
未延伸積層フイルムを一軸方向(縦方向又は横方向)に
(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、T
g:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5倍以上、
好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延伸方
向と直角方向にTg〜(Tg+70)℃の温度で2.5
倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸するのが好ま
しい。さらに必要に応じて縦方向及び/又は横方向に再
度延伸してもよい。このようにして全延伸倍率は、面積
延伸倍率として9倍以上が好ましく、12〜35倍がさ
らに好ましく、15〜25倍が特に好ましい。さらにま
た、二軸配向フイルムは、(Tg+70)℃〜(Tm−
10)℃の温度で熱固定することができ、例えば180
〜250℃で熱固定するのが好ましい。熱固定時間は1
〜60秒が好ましい。
【0046】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、表面性及び含有滑剤粒子の粒子硬度、平均粒径、
添加量を特定の範囲に調整したポリエステル層Aを最外
層に積層し、層Aを含めた積層ポリエステルフイルム全
体レベルでの各層の厚み、含有粒子の粒子硬度、平均粒
径、添加量を特定範囲に調整している為、走行耐久性、
平坦性、耐スクラッチ性、スリット性、耐カレンダー削
れ性の点ですぐれた性能を示し、特にバックコート層を
設けない磁気記録媒体用として極めて有用である。
【0047】なお、本発明における種々の物性値及び特
性は、以下の如く測定されたものであり、かつ定義され
る。
【0048】(1)粒子の平均粒径(DP) 島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティ
クル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle S
ize Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲
線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲
線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取
り、この値を上記平均粒径とする(Book「粒度測定技
術」日刊工業新聞発行、1975年、頁242〜247
参照)。
【0049】(2)粒子硬度 島津製作所(株)製超微小圧縮試験機MCTM―201
を用いてダイヤモンド圧子を一定負荷速度(58mgf
/秒)で降下させ、粒子1個に外力をかける。そして、
粒子が破壊されたときの荷重P(kgf)、粒子が破壊
されたときの圧子の変位Z(mm)、粒子の粒径d(m
m)から下記式に従って見掛けのヤング率Yを求め、同
様の操作を20回行ない、20回の平均値をもって粒子
硬度とする。
【0050】
【数10】Y=2.8P/πdZ
【0051】(3)層厚み フイルムの小片をエポキシ樹脂にて固定成形し、ミクロ
トームにて約600オングストロームの厚みの超薄切片
(フイルムの流れ方向に平行に切断する)を作成する。
この試料を透過型電子顕微鏡(日立製作所製:H―80
0型)にて観察し、各層の境界面を捜して各層の層厚み
を求める。
【0052】(4)平均空気層厚みP フイルムを1/2インチ巾にスリットし、測定面側を下
にして東洋精機製マイクロトポグラフにセットし、波長
を変えて光学接触率を測定し、これより平均空気層厚み
を計算する。用いた光の波長は0.5、0.9、1.
3、1.7μmである。同一試料について10回測定
し、大きい方から3番目までのデータを除いた残り7つ
のデータの平均値で表示する。
【0053】(5)三次元中心面平均粗さ SRa (株)小坂研究所製 表面粗さ測定機(SPA―11)
を用い、触針の先端半径2μm、サンプリングピッチ2
μm、カットオフ0.25mm、縦倍率20000倍、
走査本数100本の条件で測定し、粗さ曲面からその中
心面上に、面積SM の部分を抜き取り、抜き取り部分の
中心面上に直交座標系X軸、Y軸を置き、中心面に直交
する軸をZ軸で表すと、SRa値は次式により求められ
る。
【0054】
【数11】
【0055】ただし、上記式中LX・LY=SM であ
る。
【0056】(6)走行摩擦係数 図1に示した装置を用いて下記のようにして測定する。
図1中、1は巻出しリール、2はテンションコントロー
ラ、3、5、6、8、9及び11はフリーローラ、4は
テンション検出機(入口)、7はステンレス鋼SUS3
04製の固定棒(外径5mmφ、表面粗さRa=20n
m)、10はテンション検出機(出口)、12はガイド
ローラ、13は巻取りリールをそれぞれ示す。
【0057】温度20℃、湿度60%の環境で、巾1/
2インチに裁断したフイルムの層Aを7の固定棒にθ=
(90/180)πラジアン(90°)で接触させて、
2m/分の速度で2m走行させ、12m/分の速度で巻
き戻し、再び走行させることを50回実施する。入口テ
ンションT1 は50gとする。50回目に走行したとき
の出口テンションT2 を出口テンション検出機で検出
し、次式で走行摩擦係数を算出する。
【0058】
【数12】
【0059】(7)耐スクラッチ性 上記走行摩擦係数測定後のサンプルのピンと接触した側
のベースの表面の擦り傷の状態を肉眼で観察し、耐スク
ラッチ性を評価する。 <判定> ◎:擦り傷が全く認められないか、あってもごくわず
か。 ○:擦り傷が少数認められる。 ×:擦り傷が多数認められる。
【0060】(8)カレンダー削れ性 ポリエステル系樹脂の弾性ロールを持つ3段式ミニスー
パーカレンダー装置(由利ロール株式会社製)にて加熱
ロール温度80℃、線圧300kg/cm、速度80m
/分で150mm巾にスリットしたフイルムを1000
0m走行させ、これを計5回繰り返した後、弾性ロール
上の汚れ状況で削れ性を評価する。 <判定> ◎:弾性ロール表面に汚れが認められない。 ○:弾性ロール表面の光沢度が若干低下するも、削れ粉
の付着は認められない。 ×:弾性ロール表面に削れ粉の付着が認められる。
【0061】(9)静摩擦係数 重ね合せた2枚のフイルムの下側に固定したガラスを置
き、重ね合せたフイルムの下側(ガラス板と接している
フイルム)のフイルムを定速ロールにて引取り(約10
cm/分)、上側のフイルムの一端(下側フイルムの引
取り方向と逆端)に検出器を固定してフイルム/フイル
ム間の引張力(F)を検出する。なお、その時に用いる
上側のフイルムの上に載せてあるスレッドは下側面積が
50cm 2 (80mm×62.5mm)であり、フイル
ムに接する面は80°のネオプレンゴムであり、その重
さ(W)は1.2kgとする。
【0062】静摩擦係数は下記式で算出される。
【0063】
【数13】
【0064】(10)スリット刃摩耗性 フイルム製造工程中、ミルロールを巻取る手前にステン
レス製カッター刃をセットし、クリップ把部分をカット
する。フイルムが100000m通過した後刃を取り出
し、走査型電子顕微鏡により刃の真上から先端の状況を
観察し、最も広い巾の部分の長さを計測し、下記式によ
り摩耗した刃の高さを算出し、下記の判定を行なう。
【0065】
【数14】
【0066】<判定> ◎:摩耗高さが0〜5μm ○:摩耗高さが6〜10μm ×:摩耗高さが11μm以上
【0067】(11)電磁変換特性 シバソク(株)製ノイズメーターを使用してビデオ用磁
気テープのS/N比を測定し、表2に示す比較例1のテ
ープに対するS/N比の差を求める。使用するVTRは
ソニー(株)EDV―6000である。
【0068】なお、磁気テープの製造は、以下のとおり
行なう。
【0069】下記に示す組成物をボールミルに入れ、1
6時間混練、分散した後、イソシアネート化合物(バイ
エル社製のデスモジュールL)5重量部を加え、1時間
高速剪断分散して磁性塗料とする。
【0070】磁性塗料の組成: 針状Fe粒子 100重量部 塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体 15重量部 (積水化学製エスレック7A) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部 酸化クロム 5重量部 カーボンブラック 5重量部 レシチン 2重量部 脂肪酸エステル 1重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0071】この磁性塗料を積層二軸配向ポリエステル
フイルムの片面(層Aまたは層B)に、塗布厚3μmと
なるように塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中
で配向処理を行ない、100℃で加熱乾燥後、スーパー
カレンダー処理(線圧300kg/cm、温度80℃)
を行ない、巻き取る。この巻き取ったロールを55℃の
オーブン中に3日間放置した後、1/2インチ巾に裁断
して磁気テープを得る。
【0072】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0073】[実施例1〜3、比較例1〜3]ジメチル
テレフタレートとエチレングリコールとを、エステル交
換触媒として酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化ア
ンチモンを、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表
1、表3に示す添加粒子を添加して常法により重合し、
固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62
の層A用及び層B用ポリエチレンテレフタレート(PE
T)を得た。
【0074】これらポリエチレンテレフタレートのペレ
ットを170℃で3時間乾燥後2台の押出機ホッパーに
供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、マルチマ
ニホールド型共押出ダイを用いて層Bの両側に層Aを積
層させ、表面仕上げ0.3s程度、表面温度20の回転
冷却ドラム上に押出し、厚み230μmの未延伸積層フ
イルムを得た。
【0075】このようにして得られた未延伸フイルムを
78℃にて予熱し、更に低速、高速のロール間で15m
m上方より850℃の表面温度のIRヒーターにて加熱
して2.3倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供
給し100℃にて横方向に4.0倍に延伸した。
【0076】さらに引き続いて、110℃にて予熱し、
低速・高速のロール間で2.3倍に縦方向に延伸した。
得られた二軸延伸フイルムを220℃の熱風で4秒間熱
固定し、厚み11μmの積層二軸配向ポリエステルフイ
ルムを得た。
【0077】各層の厚みについては、2台の押出機の吐
出量を変えることにより調整した。このフイルムのヤン
グ率は縦方向830kg/mm2 、横方向460kg/
mm 2 であった。
【0078】[実施例4〜8、比較例4〜6]表1〜4
に示す粒子を使用し、層Bの片側のみに層Aを積層する
他は実施例1と同様にして厚み11μmの積層二軸配向
ポリエステルフイルムを得た。
【0079】[実施例9、10]実施例2、5の粒子を
使用し、ジメチルテレフタレートの代りにジメチル―
2,6―ナフタレートを使用した以外は実施例2、5と
同様の方法で、ポリエステル層A、層B用のポリエチレ
ン―2,6―ナフタレート(PEN)を得た。
【0080】このポリエチレン―2,6―ナフタレート
のペレットを170℃で5時間乾燥後、実施例1と同様
にして未延伸フイルムを得た。(但し、回転冷却ドラム
の表面温度を60℃とする。) このようにして得られた未延伸フイルムを120℃に予
熱し、更に低速、高速のロール間で15mm上方より9
00℃の表面温度のIRヒーターにて加熱して5.2倍
に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し140℃
にて横方向に4.2倍に延伸した。得られた二軸延伸フ
イルムを210℃の熱風で4秒間熱固定し、厚み7.5
μmの積層二軸配向ポリエステルフイルムを得た。これ
らのフイルムのヤング率は縦方向910kg/mm2
横方向600kg/mm2 であった。
【0081】[比較例7、8]表4に示す粒子を含有し
たポリエチレンテレフタレートを使用し、通常の単層の
ダイで押出する以外は実施例1と同様の方法で単層の二
軸配向ポリエステルフイルムを得た。
【0082】このようにして得られたフイルムの特性を
表1〜4に示す。表1〜4から明らかなように、本発明
によるものは優れた電磁変換特性を示しつつ、走行耐久
性に優れ、擦り傷およびカレンダー削れが少なく、また
スリット刃の摩耗も良好であり、極めて優れた特性を有
している。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【発明の効果】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイ
ルムは、バックコート層を設けないテープに特に要求さ
れる走行耐久性、耐スクラッチ性、カレンダー削れ性に
優れ、耐スクラッチ性付与の弊害としてのスリット刃摩
耗特性も良好であり、汎用から高級ビデオまでの広い範
囲に適用可能な表面平坦性を有しており、磁気記録媒体
として優れた特性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行摩擦係数測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1 巻出しリール 2 テンションコントローラ 3,5,6,8,9,11 フリーローラ 4 テンション検出機(入口) 7 固定棒 10 テンション検出機(出口) 12 ガイトローラ 13 巻取りリール

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル層Bの少なくとも片面に滑
    剤粒子を含有するポリエステル層Aが最外層として積層
    されている積層二軸配向ポリエステルフイルムであっ
    て、ポリエステル層A表面の平均空気層厚みPが0.8
    〜2.5μmであり、ポリエステル層Aの下記式(1)
    で表わされる滑剤硬度指数Hが10〜25であり、そし
    て積層フイルム全体の下記式(2)で表わされる滑剤硬
    度指数Gが100以下であることを特徴とする積層二軸
    配向ポリエステルフイルム。 【数1】H=Σ(EAj×dAj×wAj) ……(1) ここで、H :層Aの滑剤硬度指数 EAj:層Aに含まれる滑剤粒子jの硬度(kg/mm2 ) dAj:層Aに含まれる滑剤粒子jの平均粒径(μm) wAj:層Aに含まれる滑剤粒子jの量(重量%) である。 【数2】 G=Σ(Eij×dij×wij×ti ) ……(2) ここで、G :積層フイルム全体の滑剤硬度指数 Eij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子jの硬度
    (kg/mm2 ) dij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子jの平均粒
    径(μm) wij:ポリエステル層iに含まれる滑剤粒子jの量(重
    量%) ti :ポリエステル層iの厚み(μm) である。
  2. 【請求項2】 ポリエステル層Aの厚みが0.5〜25
    μmである請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフ
    イルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステル層Aの表面の三次元中心面
    平均粗差SRaA が7〜40μmである請求項1記載の
    積層二軸配向ポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子
    が、粒子硬度が300〜500kg/mm2 で平均粒径
    が0.05〜0.3μmの小粒径不活性粒子0.05〜
    0.5重量%と、粒子硬度が10〜80kg/mm2
    平均粒径が0.4〜0.8μmの中粒径不活性粒子0.
    01〜0.5重量%からなる請求項1又は3記載の積層
    二軸配向ポリエステルフイルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステル層Aに、滑剤粒子として、
    粒子硬度が10〜80kg/mm2 で平均粒径が1.0
    〜2.0μmの大粒径不活性粒子が0.0005〜0.
    05重量%含まれている請求項1、3又は4記載の積層
    二軸配向ポリエステルフイルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステル層Aに含まれる小粒径不活
    性粒子が比表面積50〜120m2 /gのθ型酸化アル
    ミニウム及びアモルファス酸化チタンから選ばれる少な
    くとも一種である請求項4記載の積層二軸配向ポリエス
    テルフイルム。
  7. 【請求項7】 ポリエステル層Aに含まれる中粒径不活
    性粒子が架橋ポリスチレン粒子及び架橋シリコーン樹脂
    粒子から選ばれる少なくとも一種である請求項4記載の
    積層二軸配向ポリエステルフイルム。
  8. 【請求項8】 ポリエステル層Aに含まれる大粒径不活
    性粒子が架橋ポリスチレン粒子及び架橋シリコーン樹脂
    粒子から選ばれる少なくとも一種である請求項5記載の
    積層二軸配向ポリエステルフイルム。
  9. 【請求項9】 ポリエステル層Bが露出してもう一方の
    最外層を形成し、この表面の三次元中心面平均粗さSR
    B が3〜34nmである請求項1記載の積層二軸配向
    ポリエステルフイルム。
  10. 【請求項10】 ポリエステル層Bに、滑剤粒子とし
    て、粒子硬度が10〜80kg/mm2 で平均粒径が
    0.01〜0.3μmの架橋高分子粒子が0.01〜
    0.5重量%含まれている請求項9記載の積層二軸配向
    ポリエステルフイルム。
  11. 【請求項11】 積層フイルムの全体の厚みが8〜80
    μmである請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフ
    イルム。
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