JP3027268B2 - 磁気記録媒体用積層二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents
磁気記録媒体用積層二軸配向ポリエステルフイルムInfo
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- JP3027268B2 JP3027268B2 JP16094492A JP16094492A JP3027268B2 JP 3027268 B2 JP3027268 B2 JP 3027268B2 JP 16094492 A JP16094492 A JP 16094492A JP 16094492 A JP16094492 A JP 16094492A JP 3027268 B2 JP3027268 B2 JP 3027268B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用積層二軸
配向ポリエステルフイルムに関し、更に詳しくは3層か
らなる積層二軸配向ポリエステルフイルムであって、フ
イルムに添加された微細な不活性粒子によって形成され
るフイルム表面の微細突起によって付与される表面粗
さ、滑り性、耐削れ性、耐スクラッチ性等の表面特性を
維持しつつ、安価にかつ省資源に役立つ磁気記録媒体用
積層二軸配向ポリエステルフイルムに関する。
配向ポリエステルフイルムに関し、更に詳しくは3層か
らなる積層二軸配向ポリエステルフイルムであって、フ
イルムに添加された微細な不活性粒子によって形成され
るフイルム表面の微細突起によって付与される表面粗
さ、滑り性、耐削れ性、耐スクラッチ性等の表面特性を
維持しつつ、安価にかつ省資源に役立つ磁気記録媒体用
積層二軸配向ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフイルムに
代表される二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れ
た物理的、化学的特性の故に、磁気記録媒体例えば磁気
テープ、フロッピーディスク等のベースフイルムとして
広く用いられている。
代表される二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れ
た物理的、化学的特性の故に、磁気記録媒体例えば磁気
テープ、フロッピーディスク等のベースフイルムとして
広く用いられている。
【0003】かかる二軸配向ポリエステルフイルムにお
いては、その滑り性や耐削れ性がフイルムの製造工程お
よび各種用途における加工工程の作業性の良否、さらに
はその製品品質の良否を左右する大きな要因となってい
る。これらが不足すると、例えばポリエステルフイルム
表面に磁性層を塗布し、磁気テープとして用いる場合に
は、磁性層塗布時におけるコーティングロールとフイル
ム表面との摩擦が激しく、またこれによるフイルム表面
の摩耗も激しく、極端な場合にはフイルム表面へのし
わ、擦り傷等が発生する。また磁性層塗布後のフイルム
をスリットしてオーディオ、ビデオまたはコンピュータ
ー用テープ等に加工した後でも、リールやカセット等か
らの引き出し、巻き上げその他の操作の際に多くのガイ
ド部、再生ヘッド等との間で摩耗が著しく生じ、擦り
傷、歪の発生、さらにはポリエステルフイルム表面削れ
等による白粉発生の結果、磁気記録信号の欠落、即ちド
ロップアウトの大きな原因となることが多い。
いては、その滑り性や耐削れ性がフイルムの製造工程お
よび各種用途における加工工程の作業性の良否、さらに
はその製品品質の良否を左右する大きな要因となってい
る。これらが不足すると、例えばポリエステルフイルム
表面に磁性層を塗布し、磁気テープとして用いる場合に
は、磁性層塗布時におけるコーティングロールとフイル
ム表面との摩擦が激しく、またこれによるフイルム表面
の摩耗も激しく、極端な場合にはフイルム表面へのし
わ、擦り傷等が発生する。また磁性層塗布後のフイルム
をスリットしてオーディオ、ビデオまたはコンピュータ
ー用テープ等に加工した後でも、リールやカセット等か
らの引き出し、巻き上げその他の操作の際に多くのガイ
ド部、再生ヘッド等との間で摩耗が著しく生じ、擦り
傷、歪の発生、さらにはポリエステルフイルム表面削れ
等による白粉発生の結果、磁気記録信号の欠落、即ちド
ロップアウトの大きな原因となることが多い。
【0004】一般に、ポリエステルフイルムの滑り性の
改良には、(i) 原料ポリマー中にその製造過程で触媒残
渣から不活性の微粒子を析出せしめる方法や、(ii)不活
性の微粒子を添加せしめる方法等によってフイルム表面
に凹凸を付与し、ガイドロール等との間の接触面積を減
少せしめる方法が採用されている。これらフイルム中の
微粒子は、その大きさが大きい程、滑り性の改良が大き
いのが一般的である。
改良には、(i) 原料ポリマー中にその製造過程で触媒残
渣から不活性の微粒子を析出せしめる方法や、(ii)不活
性の微粒子を添加せしめる方法等によってフイルム表面
に凹凸を付与し、ガイドロール等との間の接触面積を減
少せしめる方法が採用されている。これらフイルム中の
微粒子は、その大きさが大きい程、滑り性の改良が大き
いのが一般的である。
【0005】一方、磁気記録媒体用のベースフイルムに
おいては、電磁変換特性向上の点より、ベースフイルム
の表面はできるだけ平坦であることが求められている。
おいては、電磁変換特性向上の点より、ベースフイルム
の表面はできるだけ平坦であることが求められている。
【0006】この滑り性の改良と電磁変換特性の向上と
いう相反する要求に対しては、例えば添加する微粒子中
に存在する粗大粒子に起因するフイルム上の粗大突起が
削れ粉の原因になったり、磁性層塗布後にも磁性面に突
き出して電磁変換特性の悪化要因になっている点に着眼
し、微粒子の分級強化や、もともと粒径分布のシャープ
な合成粒子を用いる等の改良が種々提案されている。
いう相反する要求に対しては、例えば添加する微粒子中
に存在する粗大粒子に起因するフイルム上の粗大突起が
削れ粉の原因になったり、磁性層塗布後にも磁性面に突
き出して電磁変換特性の悪化要因になっている点に着眼
し、微粒子の分級強化や、もともと粒径分布のシャープ
な合成粒子を用いる等の改良が種々提案されている。
【0007】しかるに、かかる方法はフイルムに優れた
特性を付与しているが、コストを著しく高める要因にも
なっている。即ち、微粒子の分級強化では分級カットさ
れた部分は使用不可となり総コストをあげる。また、も
ともと粒径分布のシャープな合成粒子の場合は、その合
成出発原料の純度が高いがゆえに粒径がそろってくるの
が一般的であり、極めて高価な粒子であることが多い。
特性を付与しているが、コストを著しく高める要因にも
なっている。即ち、微粒子の分級強化では分級カットさ
れた部分は使用不可となり総コストをあげる。また、も
ともと粒径分布のシャープな合成粒子の場合は、その合
成出発原料の純度が高いがゆえに粒径がそろってくるの
が一般的であり、極めて高価な粒子であることが多い。
【0008】この対策としてフイルムの表面に突起を形
成させる添加粒子をフイルムの表面にのみ偏在させる方
法、即ち積層フイルムが提案されている。この方法は粒
子を含まない芯層の外側に粒子を含有する薄層を形成す
ることにより、単層と同様のフイルム表面形成を達成し
つつ、フイルム全体としては添加粒子の量を減少させる
ことができ、この点ではフイルム製造コストの削減につ
ながるものである。しかるに、一般に二軸配向ポリエス
テルフイルムの製造方法では、シート状に押出された溶
融ポリエステルを冷却固化し未延伸フイルムを得、しか
る後同時二軸延伸や逐次二軸延伸を実施することによっ
て所望の機械的特性を得ている。この時フイルムを横方
向に延伸するためにはフイルムのエッジ部をチャックで
つかみ所定温度下で逐次幅が拡大するように設置された
レール上を動かして実施するのが普通であり、延伸中に
チャック部での破断を防止するために中央部分の厚みに
比べエッジ部の厚みを厚くして実施するのが通例であ
る。このエッジ部は最終製品にはなりえず廃棄され、省
資源の点より問題となっている。
成させる添加粒子をフイルムの表面にのみ偏在させる方
法、即ち積層フイルムが提案されている。この方法は粒
子を含まない芯層の外側に粒子を含有する薄層を形成す
ることにより、単層と同様のフイルム表面形成を達成し
つつ、フイルム全体としては添加粒子の量を減少させる
ことができ、この点ではフイルム製造コストの削減につ
ながるものである。しかるに、一般に二軸配向ポリエス
テルフイルムの製造方法では、シート状に押出された溶
融ポリエステルを冷却固化し未延伸フイルムを得、しか
る後同時二軸延伸や逐次二軸延伸を実施することによっ
て所望の機械的特性を得ている。この時フイルムを横方
向に延伸するためにはフイルムのエッジ部をチャックで
つかみ所定温度下で逐次幅が拡大するように設置された
レール上を動かして実施するのが普通であり、延伸中に
チャック部での破断を防止するために中央部分の厚みに
比べエッジ部の厚みを厚くして実施するのが通例であ
る。このエッジ部は最終製品にはなりえず廃棄され、省
資源の点より問題となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、前述の
問題、即ち、フイルム表面の滑り性改良と電磁変換特性
の向上という相反する要求を満足し、安価に且つ省資源
に役立つようにするためにはいかにすべきかについて研
究を進めた結果、芯層中に粒子が含まれていても、その
粒子の粒径と表層の厚み及び表層中に含まれる粒子の粒
径及び添加量を適正範囲にすれば、安価に且つ省資源に
役立つ形で滑り性、耐削れ性に優れ、磁気記録媒体用と
して用いた時電磁変換特性に優れ、ドロップアウトの少
ない製品を作ることができる積層二軸配向ポリエステル
フイルムの得られることを見出し、本発明に到達した。
問題、即ち、フイルム表面の滑り性改良と電磁変換特性
の向上という相反する要求を満足し、安価に且つ省資源
に役立つようにするためにはいかにすべきかについて研
究を進めた結果、芯層中に粒子が含まれていても、その
粒子の粒径と表層の厚み及び表層中に含まれる粒子の粒
径及び添加量を適正範囲にすれば、安価に且つ省資源に
役立つ形で滑り性、耐削れ性に優れ、磁気記録媒体用と
して用いた時電磁変換特性に優れ、ドロップアウトの少
ない製品を作ることができる積層二軸配向ポリエステル
フイルムの得られることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、3
層からなる積層二軸配向ポリエステルフイルムであっ
て、芯層が平均粒径1.0μm以下の不活性微粒子を含
有し、表層が平均粒径0.3〜1.0μmの不活性微粒
子Aの1種以上、及び比表面積50〜120m2/g、
全細孔容積0.5〜1.0ml/gかつ平均粒径0.02
〜0.3μmの不活性微粒子Bを0.05〜1.0重量
%含有し、そして表層の厚みが芯層に含まれる不活性微
粒子の平均粒径以上であることを特徴とするる磁気記録
媒体用積層二軸配向ポリエステルフイルムである。
層からなる積層二軸配向ポリエステルフイルムであっ
て、芯層が平均粒径1.0μm以下の不活性微粒子を含
有し、表層が平均粒径0.3〜1.0μmの不活性微粒
子Aの1種以上、及び比表面積50〜120m2/g、
全細孔容積0.5〜1.0ml/gかつ平均粒径0.02
〜0.3μmの不活性微粒子Bを0.05〜1.0重量
%含有し、そして表層の厚みが芯層に含まれる不活性微
粒子の平均粒径以上であることを特徴とするる磁気記録
媒体用積層二軸配向ポリエステルフイルムである。
【0011】本発明におけるポリエステルとは、芳香族
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルである。かか
るポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム
形成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳
香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ールあるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等を挙げることができる。
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルである。かか
るポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム
形成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳
香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ールあるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等を挙げることができる。
【0012】本発明において、ポリエステルとしてはア
ルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレンナフタ
レートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられ
る。
ルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレンナフタ
レートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられ
る。
【0013】かかるポリエステルのうちでも特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタ
レートをはじめとして、例えば全ジカルボン酸成分の8
0モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6―ナフ
タレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モ
ル%以上がエチレングリコールである共重合体が好まし
い。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸お
よび/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の前記
芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジ
ピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シク
ロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジカル
ボン酸等であることができる。そして、全グリコール成
分の20モル%以下は、エチレングリコール以外の前記
グリコールであることができ、また例えばハイドロキノ
ン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4―ジヒド
ロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジ
オール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリア
ルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコー
ル)等であることもできる。
チレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタ
レートをはじめとして、例えば全ジカルボン酸成分の8
0モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6―ナフ
タレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モ
ル%以上がエチレングリコールである共重合体が好まし
い。その際全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸お
よび/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の前記
芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジ
ピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シク
ロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジカル
ボン酸等であることができる。そして、全グリコール成
分の20モル%以下は、エチレングリコール以外の前記
グリコールであることができ、また例えばハイドロキノ
ン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4―ジヒド
ロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジ
オール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリア
ルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコー
ル)等であることもできる。
【0014】また、本発明におけるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分および
オキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共
重合あるいは結合するものも包含される。
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分および
オキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共
重合あるいは結合するものも包含される。
【0015】さらに本発明におけるポリエステルには、
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポ
リヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエ
リスリトール等を共重合したものも包含される。
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポ
リヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエ
リスリトール等を共重合したものも包含される。
【0016】前記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
前記ポリエステルとしては、o―クロロフェノール中の
溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が約0.4
〜約0.9のものが好ましい。
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
前記ポリエステルとしては、o―クロロフェノール中の
溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が約0.4
〜約0.9のものが好ましい。
【0017】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムにおいて各層を構成するポリエステルは上記ポリエス
テルからなるが、各層のポリマーは同じものであって
も、異なったものでもよい。その中同じものであるのが
好ましい。
ムにおいて各層を構成するポリエステルは上記ポリエス
テルからなるが、各層のポリマーは同じものであって
も、異なったものでもよい。その中同じものであるのが
好ましい。
【0018】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは3層からなり、各層すなわち芯層及び両表層は不活
性微粒子を含有する。この不活性微粒子としては、例え
ば(1)二酸化ケイ素(水和物、ケイ砂、石英等を含
む);(2)各種結晶形態のアルミナ;(3)SiO2
分を30重量%以上含有するケイ酸塩(例えば非晶質あ
るいは結晶質の粘土鉱物、アルミノシリケート(焼成物
や水和物を含む)、温石綿、フライアッシュ等);
(4)Mg、Zn、Zr、及びTiの酸化物;(5)C
a、及びBaの硫酸塩;(6)Li、Ba、及びCaの
リン酸塩(1水素塩や2水素塩を含む):(7)Li、
Na、及びKの安息香酸塩;(8)Ca、Ba、Zn、
及びMnのテレフタル酸塩;(9)Mg、Ca、Ba、
Zn、Cd、Pb、Sr、Mn、Fe、Co、及びNi
のチタン酸塩;(10)Ba、及びPbのクロム酸塩;
(11)炭素(例えばカーボンブラック、グラファイト
等);(12)ガラス(例えばガラス粉、ガラスビーズ
等);(13)Ca、及びMgの炭酸塩;(14)ホタ
ル石;(15)ZnS;(16)耐熱性高分子粒子(例
えばシリコーン樹脂粒子、架橋アクリル粒子、架橋ポリ
スチレン粒子、架橋スチレン―アクリル粒子、架橋ポリ
エステル粒子、テフロン粒子、ポリイミド粒子、ポリイ
ミド―アミド粒子、メラミン樹脂粒子等)などが好まし
く挙げられる。
ムは3層からなり、各層すなわち芯層及び両表層は不活
性微粒子を含有する。この不活性微粒子としては、例え
ば(1)二酸化ケイ素(水和物、ケイ砂、石英等を含
む);(2)各種結晶形態のアルミナ;(3)SiO2
分を30重量%以上含有するケイ酸塩(例えば非晶質あ
るいは結晶質の粘土鉱物、アルミノシリケート(焼成物
や水和物を含む)、温石綿、フライアッシュ等);
(4)Mg、Zn、Zr、及びTiの酸化物;(5)C
a、及びBaの硫酸塩;(6)Li、Ba、及びCaの
リン酸塩(1水素塩や2水素塩を含む):(7)Li、
Na、及びKの安息香酸塩;(8)Ca、Ba、Zn、
及びMnのテレフタル酸塩;(9)Mg、Ca、Ba、
Zn、Cd、Pb、Sr、Mn、Fe、Co、及びNi
のチタン酸塩;(10)Ba、及びPbのクロム酸塩;
(11)炭素(例えばカーボンブラック、グラファイト
等);(12)ガラス(例えばガラス粉、ガラスビーズ
等);(13)Ca、及びMgの炭酸塩;(14)ホタ
ル石;(15)ZnS;(16)耐熱性高分子粒子(例
えばシリコーン樹脂粒子、架橋アクリル粒子、架橋ポリ
スチレン粒子、架橋スチレン―アクリル粒子、架橋ポリ
エステル粒子、テフロン粒子、ポリイミド粒子、ポリイ
ミド―アミド粒子、メラミン樹脂粒子等)などが好まし
く挙げられる。
【0019】本発明において前記芯層に含有させる不活
性微粒子は平均粒径が1.0μm以下の微粒子である。
この平均粒径が1.0μmをこえると、該微粒子による
フイルム表面への突出しが表層を通して大きく出現し、
フイルム表面の均質性を得ることが困難になり、好まし
くない。
性微粒子は平均粒径が1.0μm以下の微粒子である。
この平均粒径が1.0μmをこえると、該微粒子による
フイルム表面への突出しが表層を通して大きく出現し、
フイルム表面の均質性を得ることが困難になり、好まし
くない。
【0020】本発明において前記表層は、平均粒径が
0.3〜1.0μmの不活性微粒子Aの1種以上、及び
比表面積が50〜120m2 /gであり、全細孔容積が
0.5〜1.0ml/gであり、さらに平均粒径が0.0
2〜0.3μmである不活性微粒子Bを0.05〜1.
0重量%含有し、且つ表層の厚みが芯層に含まれる不活
性微粒子の平均粒径以上であることが肝要である。
0.3〜1.0μmの不活性微粒子Aの1種以上、及び
比表面積が50〜120m2 /gであり、全細孔容積が
0.5〜1.0ml/gであり、さらに平均粒径が0.0
2〜0.3μmである不活性微粒子Bを0.05〜1.
0重量%含有し、且つ表層の厚みが芯層に含まれる不活
性微粒子の平均粒径以上であることが肝要である。
【0021】表層に含有される不活性微粒子A,Bはフ
イルム表面の突起を主に構成し、磁気記録媒体としたと
きの電磁変換特性にかかわるフイルムの平坦性、滑り
性、削れ性、耐スクラッチ性等に大きく関係する。
イルム表面の突起を主に構成し、磁気記録媒体としたと
きの電磁変換特性にかかわるフイルムの平坦性、滑り
性、削れ性、耐スクラッチ性等に大きく関係する。
【0022】表層に含有される不活性微粒子のうち、大
突起を形成する不活性微粒子Aは主にフイルムの滑り性
に寄与するが、この平均粒径が0.3μm未満では、そ
の効果が不十分で好ましくない。また、不活性微粒子A
の平均粒径が1.0μmを越えると、フイルム表面に形
成される突起が大きくなりすぎ、磁気記録媒体としたと
き電磁変換特性が劣り、好ましくない。
突起を形成する不活性微粒子Aは主にフイルムの滑り性
に寄与するが、この平均粒径が0.3μm未満では、そ
の効果が不十分で好ましくない。また、不活性微粒子A
の平均粒径が1.0μmを越えると、フイルム表面に形
成される突起が大きくなりすぎ、磁気記録媒体としたと
き電磁変換特性が劣り、好ましくない。
【0023】表層に含有される不活性微粒子Bは前記不
活性微粒子Aによって形成される突起の間に微細な突起
を形成し、主にフイルムの削れ性や耐スクラッチ性に寄
与する。この不活性微粒子Bはその比表面積が50m2
/g以上120m2 /g以下であり、全細孔容積が0.
5ml/g以上1.0ml/g以下であり、さらに平均粒径
が0.02μm以上0.3μm以下であるものを0.0
5〜1.0重量%含有させる必要があり、このときフイ
ルムの削れ性や耐スクラッチ性が優れたものとなる。不
活性微粒子Bの比表面積が50m2 /g未満であった
り、全細孔容積が0.5ml/g未満のときには、粒子が
硬くなりすぎ、削れ性が低下する。また比表面積が12
0m2 /gを越えたり、全細孔容積が1.0ml/gを越
えたりすると、粒子がもろくなり耐スクラッチ性が低下
する。そして不活性微粒子Bの含有量が0.05重量%
未満では、形成される突起数が少なく、削れ性や耐スク
ラッチ性の改良効果がない。またこの含有量が1.0重
量%を越えると、フイルム表面性を悪化させ、磁気記録
媒体としたとき電磁変換特性が劣り、好ましくない。
活性微粒子Aによって形成される突起の間に微細な突起
を形成し、主にフイルムの削れ性や耐スクラッチ性に寄
与する。この不活性微粒子Bはその比表面積が50m2
/g以上120m2 /g以下であり、全細孔容積が0.
5ml/g以上1.0ml/g以下であり、さらに平均粒径
が0.02μm以上0.3μm以下であるものを0.0
5〜1.0重量%含有させる必要があり、このときフイ
ルムの削れ性や耐スクラッチ性が優れたものとなる。不
活性微粒子Bの比表面積が50m2 /g未満であった
り、全細孔容積が0.5ml/g未満のときには、粒子が
硬くなりすぎ、削れ性が低下する。また比表面積が12
0m2 /gを越えたり、全細孔容積が1.0ml/gを越
えたりすると、粒子がもろくなり耐スクラッチ性が低下
する。そして不活性微粒子Bの含有量が0.05重量%
未満では、形成される突起数が少なく、削れ性や耐スク
ラッチ性の改良効果がない。またこの含有量が1.0重
量%を越えると、フイルム表面性を悪化させ、磁気記録
媒体としたとき電磁変換特性が劣り、好ましくない。
【0024】また表層の厚みが芯層に含まれる不活性微
粒子の平均粒径未満では芯層に含有される粒子による突
起が表層に影響し、フイルム表面を粗くしてしまい、好
ましくない。
粒子の平均粒径未満では芯層に含有される粒子による突
起が表層に影響し、フイルム表面を粗くしてしまい、好
ましくない。
【0025】本発明において表層に含まれる不活性微粒
子A及びBの合計の含有量は、芯層に含まれる不活性微
粒子の含有量より多く、且つ、0.1〜1.5重量%で
あることが好ましい。表層に含まれる不活性微粒子の含
有量が芯層に含まれる不活性微粒子の含有量以下の場合
には、表層の厚みにもよるが、芯層粒子によるフイルム
表面の粗面化が生じたり、本発明の安価に且つ省資源に
役立つ形で優れた特性を有するフイルムを提供するとい
う目的の達成が難しくなる。
子A及びBの合計の含有量は、芯層に含まれる不活性微
粒子の含有量より多く、且つ、0.1〜1.5重量%で
あることが好ましい。表層に含まれる不活性微粒子の含
有量が芯層に含まれる不活性微粒子の含有量以下の場合
には、表層の厚みにもよるが、芯層粒子によるフイルム
表面の粗面化が生じたり、本発明の安価に且つ省資源に
役立つ形で優れた特性を有するフイルムを提供するとい
う目的の達成が難しくなる。
【0026】本発明において表層に含まれる不活性微粒
子Bとしては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チ
タンが好ましく、特に酸化アルミニウムで結晶形態が
α,θ,γ型のものが好ましい。この中でもθ型結晶形
態の酸化アルミニウムが特に好ましい。
子Bとしては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チ
タンが好ましく、特に酸化アルミニウムで結晶形態が
α,θ,γ型のものが好ましい。この中でもθ型結晶形
態の酸化アルミニウムが特に好ましい。
【0027】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、その厚みが10〜25μmであることが好まし
い。
ムは、その厚みが10〜25μmであることが好まし
い。
【0028】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積さ
れている方法で得ることができる。例えば、先ず積層未
延伸フイルムを製造し、次いで該フイルムを二軸配向さ
せることで得ることができる。この積層未延伸フイルム
は、従来から蓄積された積層フイルムの製造法で製造す
ることができる。例えば、表面を形成するフイルム層
と、芯層を形成するフイルム層とを、溶融状態または冷
却固化された状態で積層する方法を用いることができ
る。さらに具体的には、例えば共押出、エクストルージ
ョンラミネート等の方法で製造できる。
ムは、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積さ
れている方法で得ることができる。例えば、先ず積層未
延伸フイルムを製造し、次いで該フイルムを二軸配向さ
せることで得ることができる。この積層未延伸フイルム
は、従来から蓄積された積層フイルムの製造法で製造す
ることができる。例えば、表面を形成するフイルム層
と、芯層を形成するフイルム層とを、溶融状態または冷
却固化された状態で積層する方法を用いることができ
る。さらに具体的には、例えば共押出、エクストルージ
ョンラミネート等の方法で製造できる。
【0029】上述の方法で積層された未延伸フイルム
は、更に従来から蓄積された二軸配向フイルムの製造法
に準じて、二軸配向フイルムとすることができる。例え
ば、積層未延伸フイルムを一軸方向(縦方向又は横方
向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但
し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5〜
5.0倍の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方
向(一段目延伸が縦方向の場合には、二段目延伸は横方
向となる)にTg(℃)−(Tg+70)℃の温度で
2.5〜5.0倍の倍率で延伸することで製造できる。
この場合、面積延伸倍率は9〜22倍、更には12〜2
2倍にするのが好ましい。延伸手段は同時二軸延伸、逐
次二軸延伸のいずれでも良い。更に、二軸配向フイルム
は、(Tg+70)℃〜Tm(℃)の温度で熱固定する
ことができる。例えば積層ポリエチレンテレフタレート
フイルムについては190〜230℃で熱固定すること
が好ましい。熱固定時間は例えば1〜60秒である。
は、更に従来から蓄積された二軸配向フイルムの製造法
に準じて、二軸配向フイルムとすることができる。例え
ば、積層未延伸フイルムを一軸方向(縦方向又は横方
向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但
し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5〜
5.0倍の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方
向(一段目延伸が縦方向の場合には、二段目延伸は横方
向となる)にTg(℃)−(Tg+70)℃の温度で
2.5〜5.0倍の倍率で延伸することで製造できる。
この場合、面積延伸倍率は9〜22倍、更には12〜2
2倍にするのが好ましい。延伸手段は同時二軸延伸、逐
次二軸延伸のいずれでも良い。更に、二軸配向フイルム
は、(Tg+70)℃〜Tm(℃)の温度で熱固定する
ことができる。例えば積層ポリエチレンテレフタレート
フイルムについては190〜230℃で熱固定すること
が好ましい。熱固定時間は例えば1〜60秒である。
【0030】本発明の積層二軸配向ポリエステルフイル
ムは、前述した条件を満足さえすれば従来最終製品とな
りえず廃棄されていた二軸延伸フイルムのエッジ部分等
を簡単な装置で芯層用ポリマーとして再利用することを
可能とし、結果として優れた表面性即ち、滑り性と耐削
れ性に優れかつ磁気テープとしたとき優れた電磁変換特
性を有しうる積層二軸配向ポリエステルフイルムを安価
に供給することができるという特徴をもっている。
ムは、前述した条件を満足さえすれば従来最終製品とな
りえず廃棄されていた二軸延伸フイルムのエッジ部分等
を簡単な装置で芯層用ポリマーとして再利用することを
可能とし、結果として優れた表面性即ち、滑り性と耐削
れ性に優れかつ磁気テープとしたとき優れた電磁変換特
性を有しうる積層二軸配向ポリエステルフイルムを安価
に供給することができるという特徴をもっている。
【0031】なお、本発明における種々の物性値および
特性は、以下の如く測定されたものであり、かつ定義さ
れる。
特性は、以下の如く測定されたものであり、かつ定義さ
れる。
【0032】(1)粒子の平均粒径(DP) 島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティ
クル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle S
ize Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲
線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲
線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取
り、この値を上記平均粒径とする(Book「粒度測定技
術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242 〜247 参
照)。
クル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle S
ize Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲
線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲
線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取
り、この値を上記平均粒径とする(Book「粒度測定技
術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242 〜247 参
照)。
【0033】(2)粉体の比表面積、全細孔容積 カンタクローム社製、オートソーブ―1を使用し、BE
T法により比表面積および全細孔容積を測定する。
T法により比表面積および全細孔容積を測定する。
【0034】(3)フイルムの走行摩擦係数(μk) 図1に示した装置を用いて下記のようにして測定する。
図1中、1は巻出しリール、2はテンションコントロー
ラ、3,5,6,8,9及び11はフリーローラー、4
はテンション検出機(入口)、7はステンレス鋼SUS
304製の固定棒(外径5mmφ、表面粗Ra=0.02
μm)、10はテンション検出機(出口)、12はガイ
ドローラー、13は巻取りリールをそれぞれ示す。
図1中、1は巻出しリール、2はテンションコントロー
ラ、3,5,6,8,9及び11はフリーローラー、4
はテンション検出機(入口)、7はステンレス鋼SUS
304製の固定棒(外径5mmφ、表面粗Ra=0.02
μm)、10はテンション検出機(出口)、12はガイ
ドローラー、13は巻取りリールをそれぞれ示す。
【0035】温度20℃、湿度60%の環境で、巾1/
2インチに裁断したフイルムを7の固定棒に角度θ=
(152/180)πラジアン(152°)で接触させ
て毎分200cmの速さで移動(摩擦)させる。入口テン
ションT1 が35gとなるようにテンションコントロー
ラー2を調整した時の出口テンション(T2 :g)をフ
イルムが90m走行したのちに出口テンション検出機で
検出し、次式で走行摩擦係数μkを算出する。
2インチに裁断したフイルムを7の固定棒に角度θ=
(152/180)πラジアン(152°)で接触させ
て毎分200cmの速さで移動(摩擦)させる。入口テン
ションT1 が35gとなるようにテンションコントロー
ラー2を調整した時の出口テンション(T2 :g)をフ
イルムが90m走行したのちに出口テンション検出機で
検出し、次式で走行摩擦係数μkを算出する。
【0036】
【数1】 μk=(2.303/θ)log(T2 /T1 ) =0.868log(T2 /35)
【0037】(4)フイルム表面の平坦性 Ra(中心線平均粗さ)をJIS B 0601に準じ
て測定する。東京精密社(株)製の触針式表面粗さ計
(SURFCOM3B )を用いて、針の半径2μm、荷重0.0
7gの条件下にチャート(フイルム表面粗さ曲線)をか
かせ、得られるフイルム表面粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分
の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸として、粗さ
曲線Y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられる
値(Ra:μm)をフイルム表面の平坦性として定義す
る。
て測定する。東京精密社(株)製の触針式表面粗さ計
(SURFCOM3B )を用いて、針の半径2μm、荷重0.0
7gの条件下にチャート(フイルム表面粗さ曲線)をか
かせ、得られるフイルム表面粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分
の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸として、粗さ
曲線Y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられる
値(Ra:μm)をフイルム表面の平坦性として定義す
る。
【0038】
【数2】
【0039】本発明では、基準長を0.25mmとして8
個測定し、値の大きい方から3個除いた5個の平均値と
してRaを表わす。
個測定し、値の大きい方から3個除いた5個の平均値と
してRaを表わす。
【0040】(5)高速スクラッチ性、削れ性 走行摩擦係数μkの測定に使用した図1と同様の装置に
おいて固定棒7をSUS焼結板を円柱形に曲げた表面粗
さRaが0.15μmのテープガイドに替え、巻き付け
角度を30度として毎分300mの速さで入口張力が5
0gとなるようにして200m走行させる。走行後にテ
ープガイドに付着した削れ粉および走行後テープのスク
ラッチを評価する。
おいて固定棒7をSUS焼結板を円柱形に曲げた表面粗
さRaが0.15μmのテープガイドに替え、巻き付け
角度を30度として毎分300mの速さで入口張力が5
0gとなるようにして200m走行させる。走行後にテ
ープガイドに付着した削れ粉および走行後テープのスク
ラッチを評価する。
【0041】<削れ粉判定> ◎ 削れ粉が全く見られない。 ○ うっすらと削れ粉が見られる。 △ 削れ粉の存在が一見して判る。 × 削れ粉がひどく付着している。
【0042】<スクラッチ判定> ◎ スクラッチが全く見られない。 ○ 1〜5本のスクラッチが見られる。 △ 6〜15本のスクラッチが見られる。 × 16本以上のスクラッチが見られる。
【0043】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
る。
【0044】
【比較例1】ジメチルテレフタレートとエチレングリコ
ールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重
合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸
を、更に滑剤として平均粒径0.60μmの炭酸カルシ
ウム微粒子を添加して常法により重合し、固有粘度(オ
ルソクロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレ
ンテレフタレートを得た。なお、炭酸カルシウム微粒子
の添加量は0.3重量%になるよう調整した。
ールとを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、重
合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐酸
を、更に滑剤として平均粒径0.60μmの炭酸カルシ
ウム微粒子を添加して常法により重合し、固有粘度(オ
ルソクロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレ
ンテレフタレートを得た。なお、炭酸カルシウム微粒子
の添加量は0.3重量%になるよう調整した。
【0045】得られたポリエチレンテレフタレートを1
70℃で3時間乾燥後、押出し機に供給し、ダイからシ
ート状に押出し、冷却して未延伸フイルムを得た。
70℃で3時間乾燥後、押出し機に供給し、ダイからシ
ート状に押出し、冷却して未延伸フイルムを得た。
【0046】このようにして得られた未延伸フイルムを
75℃にて予熱し、更に低速、高速のロール間で15mm
上方より900℃の表面温度のIRヒーター1本にて加
熱して3.6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに
供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得
られた二軸配向フイルムを205℃の温度で5秒間熱固
定し、中央部分で厚み15μmの熱固定二軸配向フイル
ムを得た。
75℃にて予熱し、更に低速、高速のロール間で15mm
上方より900℃の表面温度のIRヒーター1本にて加
熱して3.6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに
供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得
られた二軸配向フイルムを205℃の温度で5秒間熱固
定し、中央部分で厚み15μmの熱固定二軸配向フイル
ムを得た。
【0047】次いでステンタークリップでつかまれた厚
みの異なる部分(両端部分)をレザー刃で切り取り、中
央部分は製品フイルムとして巻き取り、両端部は未使用
部分として別に巻き取った。未使用部分の重量は、製品
フイルムの重量に対して、32%であった。中央部分の
製品フイルムの特性を表1に示す。
みの異なる部分(両端部分)をレザー刃で切り取り、中
央部分は製品フイルムとして巻き取り、両端部は未使用
部分として別に巻き取った。未使用部分の重量は、製品
フイルムの重量に対して、32%であった。中央部分の
製品フイルムの特性を表1に示す。
【0048】
【比較例2】滑剤として平均粒径0.60μmの炭酸カ
ルシウム微粒子0.3重量%に加えて、比表面積80m
2 /gで全細孔容積が0.75ml/gのθ型結晶酸化ア
ルミニウムでサンドグラインダー処理により平均粒径を
0.15μmに調整したものを0.25重量%添加した
以外は、比較例1と同様にして重合してポリエチレンテ
レフタレートを得た。
ルシウム微粒子0.3重量%に加えて、比表面積80m
2 /gで全細孔容積が0.75ml/gのθ型結晶酸化ア
ルミニウムでサンドグラインダー処理により平均粒径を
0.15μmに調整したものを0.25重量%添加した
以外は、比較例1と同様にして重合してポリエチレンテ
レフタレートを得た。
【0049】更に比較例1と同様にして乾燥、押出し、
延伸を行ない厚み15μmの熱固定二軸配向フイルムを
得た。得られた製品フイルムの特性を表1に併せて示
す。
延伸を行ない厚み15μmの熱固定二軸配向フイルムを
得た。得られた製品フイルムの特性を表1に併せて示
す。
【0050】
【実施例1及び比較例3】比較例1で未使用部分として
巻取った両端部を粉砕機を用いてフレークス化した。得
られたフレークスを押出し機にて溶融し、ストランド状
に押出した後、ペレット状にカットして回収ペレットを
作った。
巻取った両端部を粉砕機を用いてフレークス化した。得
られたフレークスを押出し機にて溶融し、ストランド状
に押出した後、ペレット状にカットして回収ペレットを
作った。
【0051】3層の積層二軸配向ポリエステルフイルム
を作るにあたって、芯層用ポリエステルとしては前述の
回収ペレットと不活性微粒子を全く含まないポリエチレ
ンテレフタレートを半々に混合したものを用い、表層用
ポリエステルとしては比較例2で重合したポリエチレン
テレフタレートを使用した。
を作るにあたって、芯層用ポリエステルとしては前述の
回収ペレットと不活性微粒子を全く含まないポリエチレ
ンテレフタレートを半々に混合したものを用い、表層用
ポリエステルとしては比較例2で重合したポリエチレン
テレフタレートを使用した。
【0052】芯層用ポリエステル、表層用ポリエステル
とも比較例1と同様に170℃で3時間乾燥後、共押出
し製膜機の別々の押出し機に供給し、表層/芯層/表層
の厚み比が実施例1では1.0/13/1.0、比較例
3では0.5/14/0.5となるように3層ダイから
押出し、冷却して積層未延伸フイルムを得た。続いて比
較例1と同様にして延伸、巻取りをして製品フイルムを
得た。得られた中央部の製品フイルムの特性を表1に併
せて示す。
とも比較例1と同様に170℃で3時間乾燥後、共押出
し製膜機の別々の押出し機に供給し、表層/芯層/表層
の厚み比が実施例1では1.0/13/1.0、比較例
3では0.5/14/0.5となるように3層ダイから
押出し、冷却して積層未延伸フイルムを得た。続いて比
較例1と同様にして延伸、巻取りをして製品フイルムを
得た。得られた中央部の製品フイルムの特性を表1に併
せて示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1から明らかなように、本発明によるも
のは芯層に従来未使用であった二軸延伸工程での両端部
のフイルムを簡単な工程を通すことにより芯層成分とし
て使用しているにもかかわらず、単層フイルムと同等の
表面特性を示している(比較例2と実施例1の比較)。
また表層の厚みが本発明の条件を満さない比較例3のフ
イルムは、芯層成分によって積層二軸配向ポリエステル
フイルムの表面が粗面化して磁気記録媒体として用いた
とき、電磁変換特性の低下が懸念されるものとなってい
る。
のは芯層に従来未使用であった二軸延伸工程での両端部
のフイルムを簡単な工程を通すことにより芯層成分とし
て使用しているにもかかわらず、単層フイルムと同等の
表面特性を示している(比較例2と実施例1の比較)。
また表層の厚みが本発明の条件を満さない比較例3のフ
イルムは、芯層成分によって積層二軸配向ポリエステル
フイルムの表面が粗面化して磁気記録媒体として用いた
とき、電磁変換特性の低下が懸念されるものとなってい
る。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、表面性、滑り性、耐削
れ性及び耐スクラッチ性に優れた積層二軸配向ポリエス
テルフイルムを安価にかつ省資源に役立つ形で提供する
ことができる。
れ性及び耐スクラッチ性に優れた積層二軸配向ポリエス
テルフイルムを安価にかつ省資源に役立つ形で提供する
ことができる。
【図1】フイルム走行性を評価するため動摩擦係数を測
定する装置の模式図である。
定する装置の模式図である。
【符号の説明】 1 繰出しリール 2 テンションコントローラー 3,5,6,8,9,11 フリーローラー 4 テンション検出器(入口) 7 固定ピン 10 テンション検出器(出側) 12 ガイドローラー 13 巻取りリール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 7:00 9:00
Claims (4)
- 【請求項1】 3層からなる積層二軸配向ポリエステル
フイルムであって、芯層が平均粒径1.0μm以下の不
活性微粒子を含有し、表層が平均粒径0.3〜1.0μ
mの不活性微粒子Aの1種以上、及び比表面積50〜1
20m2 /g、全細孔容積0.5〜1.0ml/gかつ平
均粒径0.02〜0.3μmの不活性微粒子Bを0.0
5〜1.0重量%含有し、そして表層の厚みが芯層に含
まれる不活性微粒子の平均粒径以上であることを特徴と
する磁気記録媒体用積層二軸配向ポリエステルフイル
ム。 - 【請求項2】 表層に含まれる不活性微粒子A,Bの合
計量が、芯層に含まれる不活性微粒子の量より多く、か
つ0.1〜1.5重量%である請求項1記載の磁気記録
媒体用積層二軸配向ポリエステルフイルム。 - 【請求項3】 不活性微粒子Bが酸化アルミニウム、酸
化ケイ素及び酸化チタンから選ばれる1種以上である請
求項1又は2記載の磁気記録媒体用積層二軸配向ポリエ
ステルフイルム。 - 【請求項4】 酸化アルミニウムが結晶形態としてα,
θ,γ型から選ばれる少なくとも1種の結晶形態をとっ
ている請求項3記載の磁気記録媒体用積層二軸配向ポリ
エステルフイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16094492A JP3027268B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 磁気記録媒体用積層二軸配向ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16094492A JP3027268B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 磁気記録媒体用積層二軸配向ポリエステルフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06929A JPH06929A (ja) | 1994-01-11 |
JP3027268B2 true JP3027268B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=15725598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16094492A Expired - Fee Related JP3027268B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 磁気記録媒体用積層二軸配向ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3027268B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4951953A (en) * | 1990-02-15 | 1990-08-28 | Kim Dong S T | Golf club |
US5556691A (en) * | 1993-01-27 | 1996-09-17 | Teijin Limited | Biaxially oriented laminated polyester film and magnetic recording medium having the same as base film |
-
1992
- 1992-06-19 JP JP16094492A patent/JP3027268B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06929A (ja) | 1994-01-11 |
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