JPH08107727A - 液体散布装置の散液頭部 - Google Patents

液体散布装置の散液頭部

Info

Publication number
JPH08107727A
JPH08107727A JP24815994A JP24815994A JPH08107727A JP H08107727 A JPH08107727 A JP H08107727A JP 24815994 A JP24815994 A JP 24815994A JP 24815994 A JP24815994 A JP 24815994A JP H08107727 A JPH08107727 A JP H08107727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
holes
head
sprinkling
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24815994A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ota
宏 太田
Toshiharu Matsumura
俊治 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP24815994A priority Critical patent/JPH08107727A/ja
Priority to HU9403151A priority patent/HUT77321A/hu
Publication of JPH08107727A publication Critical patent/JPH08107727A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Special Spraying Apparatus (AREA)
  • Nozzles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 散水頭部1は、半球部1aが上に凸な略半球
状に形成されると共に、半球面上に複数個の孔2…を有
している。孔2…は、半球部1aの中心に対する仰角が
27°以下であり、かつ、半球面の頂部3から半球面に
沿って略放射状に延びる複数本の仮想線4…上に位置す
ると共に、同一仮想線4…上にあっては、頂部3から離
れるに従いその直径が小さくなるように穿設されてい
る。さらに、仰角が同一である孔2…の総開口面積は、
仰角が小さくなるに従い小さくなっている。 【効果】 これにより、任意の形状および大きさの散水
領域の全面にわたってほぼ均一に隈無く散水することが
できると共に、例えば、いわゆる高さ制限のある果樹園
やビニルハウス等に好適に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体を散布する液体散
布装置の散液頭部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、各種野菜や草花等を露地
栽培する畑や蔬菜園、ビニルハウス、果樹園、芝生や草
花等が植えられた公園や庭園等の灌水、或いは道路等の
散水等に用いられる散水装置としてスプリンクラーが知
られている。
【0003】一般に、スプリンクラーは、散水を所望す
る散水領域の中心部に立設され、回転自在に設けられた
スプリンクラー頭部(以下、ヘッドと称する)に形成さ
れたノズル(孔)から水を噴射すると共に、上記ヘッド
に取り付けられた羽根にノズルから噴射された水を当
て、その衝撃力で該ヘッドを一定方向に回転させながら
同心円状に広範囲に散水するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の散水装置であるスプリンクラーのヘッドでは、散水
領域がスプリンクラーを中心とした同心円状(ドーナツ
型)になる。従って、例えば散水を所望する散水領域が
長方形や正方形等の矩形の場合には、これら領域の隅部
に散水することができない。また、スプリンクラーは、
広範囲に散水可能ではあるが、スプリンクラー近傍に散
水できないという問題点を有している。尚、散水されな
い領域が生じないようにするためには、散水領域の一部
が互いに重なるようにして複数のスプリンクラーを設置
しなければならないので、スプリンクラーを効率的に設
置できないという別の問題点を生じる。
【0005】また、スプリンクラーを果樹園の散水装置
として用いると、ノズルから噴射されて羽根に当たった
水がヘッド上方に飛び散るので、水滴が果実に付着し、
該果実が常時濡れた状態となる。このため、果実にカビ
が生えたり、病原菌が繁殖する等、いわゆる病虫害が発
生し易くなる。即ち、果実の品質および収量の低下を引
き起こすという問題点が生じる。
【0006】さらに、スプリンクラーをビニルハウスの
散水装置として用いる場合には、ノズルから噴射される
水がビニルハウスの天井部分に当たらないように(いわ
ゆる、高さ制限)、ノズルの角度を下向きに調節しなけ
ればならない。このため、ノズルから噴射される水によ
って土壌等の表面が受ける衝撃が大きくなると共に、水
滴の跳ね返り等が生じ、穏やかに散水することが難しく
なる。つまり、いわゆる高さ制限に関係なく散水するこ
とができないという問題点が生じる。
【0007】従って、任意の形状および大きさの散布領
域の全面にわたって液体を散布することができると共
に、例えば、いわゆる高さ制限のある果樹園やビニルハ
ウス等に好適に使用することができるヘッド、即ち、液
体散布装置の散液頭部が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1に記載の液体散布装置の散液頭
部は、液体散布装置の立ち上がり管に設けられた散液頭
部であって、上記散液頭部は、上に凸な略半球状を成す
と共に、液体を散布するための複数個の孔を有してお
り、上記孔は、上記半球の中心に対する仰角が27°以
下であり、かつ、略半球面の頂部から該半球面に沿って
略放射状に延びる複数本の仮想線上に位置すると共に、
同一仮想線上にあっては上記頂部から離れるに従いその
直径が小さくなるように穿設されていることを特徴とし
ている。
【0009】また、本発明の請求項2に記載の液体散布
装置の散液頭部は、請求項1に記載の液体散布装置の散
液頭部において、仰角が同一である孔の総開口面積が、
該仰角が小さくなるに従い小さくなることを特徴として
いる。
【0010】
【作用】請求項1の構成によれば、散液頭部には、液体
を散布するための孔が複数個設けられている。そして、
それぞれの孔は、半球の中心に対する仰角が27°以下
であり、かつ、半球面の頂部から該半球面に沿って略放
射状に延びる複数本の仮想線上に配されている。一般
に、孔から散布される液体の飛距離は、孔の仰角が27
°のときに最も長くなり、上記仰角が大きく、あるい
は、小さくなるに従い短くなることがわかっている。こ
のため、液体の飛距離を、仰角が27°以下の範囲にお
ける孔の穿設位置で自在に設定することができると共
に、例えば、半球面上における上記複数本の仮想線の形
成パターンを適宜変更することにより、散布領域の形状
や大きさに応じて液体を散布することが可能となる。ま
た、仰角が27°を越える範囲においては、孔が設けら
れていないことから、液体が散液頭部の上方へ向かって
散布されることがない。さらに、同一仮想線上にあって
は、頂部から離れるに従い、孔の直径が小さくなるよう
に穿設されている。このため、散布領域の全面にわたっ
て液体をほぼ均一に隈無く散布することが可能となる。
【0011】これにより、任意の形状および大きさの散
布領域の全面にわたって液体をほぼ均一に隈無く散布す
ることができると共に、例えば、いわゆる高さ制限のあ
る果樹園やビニルハウス等に好適に使用することができ
る。つまり、例えば、液体散布装置を果樹園の散水装置
として用いた場合においては、水が散液頭部上方に飛び
散らないので、水滴が果実に付着せず、該果実が常時乾
いた状態に保たれる。このため、いわゆる病虫害が発生
し難くなり、果実の品質および収量が維持される。ま
た、例えば、液体散布装置をビニルハウスの散水装置と
して用いた場合においては、水が散液頭部上方に飛び散
らないので、水がビニルハウスの天井部分に当たること
はない。このため、いわゆる高さ制限に関係なく散水す
ることができる。
【0012】請求項2の構成によれば、仰角が同一であ
る孔の総開口面積は、仰角が小さくなるにつれて、小さ
くなる。これにより、飛距離が比較的短い範囲、つま
り、液体散布装置近傍での液体の散布量と、飛距離が比
較的長い範囲での液体の散布量とを均一にすることがで
きるので、散布領域全体により一層均一に液体を散布す
ることができる。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図7に
基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、以下の説
明においては、液体散布装置によって散布される液体が
水である場合、即ち、液体散布装置を散水装置として使
用する場合を例に挙げることとする。
【0014】本実施例にかかる液体散布装置としての散
水装置は、図3に示すように、通水管10より導水され
る立ち上がり管11を備えている。上記の立ち上がり管
11は、散水を所望する土壌等(散布領域)の任意の位
置に立設されている。立ち上がり管11の上端部には、
取り付け治具12を介して散水頭部(散液頭部)1が着
脱自在に取り付けられている。尚、取り付け治具12
は、散水頭部1のネジ部1b(後述する)に対応する図
示しないネジ部(雌ネジ)を有している。
【0015】図1および図2に示すように、散水頭部1
は、上に凸な略半球状に形成された半球部1aと、取り
付け治具12に取り付けるためのネジ部(雄ネジ)1b
と、これら半球部1aおよびネジ部1bを連設する連設
部1cとからなっている。尚、本発明において略半球状
とは、半球部1aの縦断面(図1において紙面に垂直な
方向の切断面)の形状が、略半円弧状若しくは略半楕円
の弧状であることを示すものとする。
【0016】連設部1cは、散水頭部1本体を取り付け
治具12に着脱し易いように、散水頭部1を上方から見
たとき(図1)の形状が例えば正八角形となるように形
成されている。半球部1aには、土壌等に散水可能な複
数の孔2…が形成されている。尚、孔2…の個数は、特
に限定されるものではない。また、散水頭部1の大きさ
は、特に限定されるものではない。
【0017】上記の孔2…は、半球部1aの中心に対す
る仰角が27°以下となるように形成されている。ま
た、孔2…は、半球面の頂部3から周縁部に向かって該
半球面に沿って略放射状に延びる複数本の仮想線4…上
にあり、さらに、同一仮想線4…上においては、頂部3
から離れるにつれて孔2…の直径が小さくなるように穿
設されている。
【0018】尚、図1に示す散水頭部1における仮想線
4…のパターン、即ち、孔2…の穿設パターンは、散水
を所望する土壌等の形状が正方形である場合の一例を示
している。従って、孔2…の穿設パターンは、図1に例
示したパターンにのみ限定されるものではない。また、
孔2…の直径を上記のように設定する理由については後
述する。
【0019】散水頭部1の材質は、特に限定されるもの
ではないが、耐候性や耐衝撃性、耐薬品性等に優れた材
質が好ましく、例えば、金属や合成樹脂、合成ゴムが好
適である。金属としては、例えば、ステンレスが挙げら
れる。合成樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレ
ン、中低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン樹脂(A
BS樹脂)等、或いは、エンジニアリングプラスチッ
ク、各種強化プラスチック等が挙げられる。これら材質
は、例えば、散水頭部1、即ち、散水装置の用途等に応
じて適宜選択される。
【0020】散水頭部1の製造方法は、特に限定される
ものではないが、安価で量産性に優れた方法が好まし
く、例えば、材質が金属の場合にはプレス加工法が好適
であり、また、材質が合成樹脂や合成ゴムの場合には射
出成形法が好適である。
【0021】上記孔2…の穿設方法は、特に限定される
ものではないが、安価で量産性に優れた方法が好まし
く、例えば、いわゆるレーザ穿孔やドリル穿孔が好適で
ある。
【0022】上記の立ち上がり管11は土壌等の任意の
位置に固定可能であるが、上記孔2…の半球部1aにお
ける穿設位置や、孔2…の穿設パターンが容易となるよ
うに、土壌等の中央部若しくは隅部等に固定することが
好ましい。
【0023】孔2から散水される水滴は、水圧および孔
2の直径が一定の場合、孔2の仰角を27°に設定した
ときに最も遠くまで飛ぶ。また、上記の仰角が27°よ
りも小さくなると、水滴の飛距離は短くなる。そして、
水滴は、飛距離が大きくなるに従い拡散するので、その
散水面積が広がる。即ち、水圧および孔2の直径が一定
の場合、孔2の仰角が27°よりも小さくなるに従い散
水面積が狭くなるので、単位面積当たりの散水量が多く
なる。従って、単位面積当たりの散水量を散水領域全体
でほぼ一定とするためには、上記仰角がより大きい孔2
…の総開口面積よりも、仰角がより小さい孔2…の総開
口面積の方を小さくする必要がある。
【0024】上記孔2…の直径は、特に限定されるもの
ではないが、 0.1mm以上、2mm以下に形成することが好
ましい。孔2…の直径を上記の大きさに形成することに
より、孔2…から散水される水滴が小さくなると共に、
上記水滴によって土壌等の表面が受ける衝撃が小さくな
る。従って、水滴の跳ね返り等を生じることなく、穏や
かに散水することが可能となる。孔2…の直径が 0.1mm
よりも小さいと、孔2…から散水される水滴が小さくな
り過ぎ、霧状となる割合が大きくなるので遠くに飛ばな
くなる。また、単位面積あたりの散水量が小さくなり過
ぎるので、土壌等に充分に散水することができなくな
る。一方、孔2…の直径が2mmよりも大きいと、水滴が
極端に大きくなり過ぎ、上記水滴によって土壌等の表面
が受ける衝撃が大きくなると共に、水滴の跳ね返り等が
生じ、穏やかに散水することが難しくなる。
【0025】本実施例においては、散水頭部1の孔2…
の直径は、例えば、以下のように設定されている。ま
ず、45°の角度で互いに交わる2本の仮想線4a・4
fによって挟まれる半球面部分について述べる。また、
仮想線4aと、仮想線4b〜4kとが成す角度を扇角と
称することとする。図1および表1に示すように、半球
部1aには、仰角が27°または15°の孔2…が穿設
されている。そして、上記の扇角に応じて13個の孔2
…が設けられている。つまり、仰角が27°である各孔
2の直径は、仮想線4a上に位置する孔α1(扇角0
°)が0.4 mm、仮想線4b上に位置する孔α2(扇角9
°)が0.5 mm、仮想線4c上に位置する孔α3(扇角1
8°)が0.6 mm、仮想線4d上に位置する孔α4(扇角
27°)が0.7 mm、仮想線4e上に位置する孔α5(扇
角36°)が0.7 mm、仮想線4f上に位置する孔α6
(扇角45°)が0.8 mmとなっている。また、仰角が1
5°である各孔2の直径は、仮想線4a上に位置する孔
β1(扇角0°)が0.2 mm、仮想線4g上に位置する孔
β2(扇角6°)が0.2 mm、仮想線4h上に位置する孔
β3(扇角12°)が0.2 mm、仮想線4i上に位置する
孔β4(扇角20°)が0.3 mm、仮想線4j上に位置す
る孔β5(扇角28°)が0.3 mm、仮想線4k上に位置
する孔β6(扇角36°)が0.3 mm、仮想線4f上に位
置する孔β7(扇角45°)が0.4 mmとなっている。従
って、散水頭部1全体においては、同一のパターンが繰
り返されているので、孔α1は4個、孔α2は8個、孔
α3は8個、孔α4は8個、孔α5は8個、孔α6は4
個、孔β1は4個、孔β2は8個、孔β3は8個、孔β
4は8個、孔β5は8個、孔β6は8個、孔β7は4個
穿設されている。尚、孔2…の穿設パターンや、各々の
孔2…の直径は、上記例示の穿設パターンや直径に限定
されるものではない。
【0026】
【表1】
【0027】尚、散水頭部1、即ち、孔2…にかかる水
圧は、特に限定されるものではない。例えば、通水管1
0を一般の水道管に直結した場合には、上記水圧は凡そ
1kg/cm2〜2kg/cm2程度になる。また、水圧を所定範囲
内、例えば1kg/cm2〜5kg/cm2、好ましくは1kg/cm2
2kg/cm2の範囲内で任意に変更させることが可能なポン
プ、減圧弁、止水栓等を用いることにより、孔2…にか
かる水圧を適宜調節してもよい。
【0028】次に、上述したように穿孔された散水頭部
1を用いて土壌に散水を行なった具体例について説明す
る。図4に示すように、散水を所望する領域を一辺が1
0mの正方形の土壌6とし、この土壌6の中心部に立ち
上がり管11、つまり散水頭部1を立設した。そして、
散水頭部1の半球部1aの直径を5cm、水量を約11L/
min.、孔2…にかかる水圧を約2kg/cm2とした。
【0029】散水の結果を図式的に表すと、孔α1〜α
6により散水される領域は、領域6α(便宜上、ハッチ
ングで示す)となり、孔β1〜β7により散水される領
域は、領域6β(便宜上、ハッチングで示す)となっ
た。つまり、散水頭部1を用いて、散水を所望する土壌
6の形状通り、つまり、正方形状に散水を実施すること
ができた。
【0030】また、散水量については、以下に示すよう
な結果となった。散水量は、土壌に升形状の測定箱を並
べ、散水頭部1から一時間散水した後、上記各測定箱に
溜まった水の量を測定した。上記の条件にて測定した散
水量を、図5に示すように、横軸を立ち上がり管11か
らの距離、縦軸を散水量としてグラフに示した。散水頭
部1の散水量は、曲線aとなった。
【0031】一方、比較用散水頭部を作成し、この比較
用散水頭部についても散水量を測定した。上記の比較用
散水頭部は、従来の散水装置であるスプリンクラーのヘ
ッドを用いた。つまり、散水のための孔が一個だけ設け
られており、この孔の仰角を27°または15°に設定
したものをそれぞれ用いた。また、比較用散水頭部の孔
の開口面積は、散水頭部1の孔2…の総開口面積と等し
くなるように設定した。尚、散水の条件は、本実施例の
散水頭部1と同一とした。比較用散水頭部の散水量は、
孔の仰角が27°である場合が曲線b、仰角が15°で
ある場合が曲線cとなった。
【0032】上記のグラフから明らかなように、散水頭
部1は、散水領域の全面にわたってほぼ均一に隈無く散
水可能であることがわかる。これに対し、比較用散水頭
部は、立ち上がり管11からの距離に応じて散水量が変
化している。つまり、散水量が不均一となっており、し
かも、散水されない領域が生じている。このため、比較
用散水頭部は、均一な散水が不可能であることがわか
る。
【0033】次に、散水頭部1の孔2…から放出される
水の最高高度について、図6および表2を参照しなが
ら、以下に説明する。
【0034】図6に示すように、地面からの高さが0.33
mの位置に一つの孔を有する散水頭部1’を、立ち上が
り管11に取り付け、その孔から水圧2kg/cm2 で散水
を行なった。そして、そのときの、孔の仰角と、孔の直
径と、孔から放出された水の最高高度(h)と、立ち上
がり管11から上記最高高度地点までの距離(x)と、
水の総流量との関係を測定した結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように、孔の直径が等し
い場合においては、仰角が27°と60°とで、最高高
度hが大きく異なっている。つまり、最高高度hは、孔
の仰角が27°である場合、直径が0.4 mmのとき1.65m
であり、直径が0.6 mmのとき1.8 mであり、直径が0.8
mmのとき1.8 mである。これに対し、孔の仰角が60°
である場合、最高高度hは直径が0.4 mmのとき3.6 mで
あり、直径が0.6 mmのとき4.2 mであり、直径が0.8 mm
のとき4.6 m、である。従って、仰角が27°場合と6
0°の場合とで、最高高度hの値に倍以上の開きがある
ことがわかる。
【0037】本実施例にかかる散水頭部1においては、
孔2…の仰角が27°以下に設定されている。このた
め、孔2…から放出される水は、その最高高度が凡そ1.
8 m程度となっている。従って、例えば、図3に示すよ
うに、いわゆる高さ制限のある果樹園に散水装置を用い
た場合においても、水滴が果実に付着することはない。
一方、図7に示すように、孔の仰角が、例えば60°に
設定されている比較用の散水頭部1”を果樹園に用いた
場合には、水滴が果実に付着してしまう。すなわち、本
実施例にかかる散水頭部1は、孔2…の仰角が27°以
下に設定されているので、果樹園に好適に使用すること
ができる。
【0038】以上のように、本実施例における散水装置
の散水頭部1は、半球部1aが上に凸な略半球状に形成
されると共に、半球面上に複数個の孔2…を有してお
り、孔2…は、半球部1aの中心に対する仰角が27°
以下であり、かつ、半球面の頂部3から半球面に沿って
略放射状に延びる複数本の仮想線4…上に設けられてい
る。このため、水滴の飛距離を、仰角が27°以下の範
囲における孔2…の穿設位置で自在に設定することがで
きると共に、例えば、半球面上における上記複数本の仮
想線4…の形成パターンを適宜変更することにより、散
水領域の形状や大きさに応じて散水することが可能とな
る。また、仰角が27°を越える範囲においては、孔2
…が設けられていないことから、散水頭部1の上方へ向
かって散水されることがない。さらに、同一仮想線4…
上にあっては、頂部3から離れるに従い、孔2…の直径
が小さくなるように穿設されている。このため、散水領
域の全面にわたってほぼ均一に隈無く散水することが可
能となる。
【0039】これにより、任意の形状および大きさの散
水領域の全面にわたってほぼ均一に隈無く散水すること
ができると共に、例えば、いわゆる高さ制限のある果樹
園やビニルハウス等に好適に使用することができる。つ
まり、例えば、散水装置を果樹園に用いた場合において
は、水が散水頭部1上方に飛び散らないので、水滴が果
実に付着せず、該果実が常時乾いた状態に保たれる。こ
のため、いわゆる病虫害が発生し難くなり、果実の品質
および収量が維持される。また、例えば、散水装置をビ
ニルハウスに用いた場合においては、水が散水頭部1上
方に飛び散らないので、水がビニルハウスの天井部分に
当たることはない。このため、いわゆる高さ制限に関係
なく散水することができる。
【0040】さらに、仰角が同一である孔2…の総開口
面積は、仰角が小さくなるにつれて、小さくなる。これ
により、飛距離が比較的短い範囲、つまり、立ち上がり
管11近傍での散水量と、飛距離が比較的長い範囲での
散水量とを均一にすることができるので、散水領域全体
により一層均一に散水することができる。
【0041】尚、本実施例においては、正方形の土壌に
隈無く散水することが可能な散水頭部1を例に挙げた
が、散水頭部1によって散水可能な土壌の形状は、勿
論、上記例示の正方形に限定されるものではなく、例え
ば、長方形やその他の多角形、円形、楕円形等、任意の
形状とすることができる。また、散水可能な土壌の大き
さも任意の大きさとすることができる。孔2…の穿設パ
ターンと直径との組み合わせは、土壌の形状や散水量等
に応じて適宜変更すればよい。
【0042】上記構成の散水頭部1を備えた散水装置
は、ビニルハウスや果樹園のほか、例えば各種野菜や草
花等を露地栽培する畑や蔬菜園、芝生や草花等が植えら
れた公園や庭園等の灌水、或いは道路等の散水等に好適
に用いられる。
【0043】尚、上記の実施例においては、液体散布装
置を散水装置として使用する場合を例に挙げて説明した
が、本発明にかかる液体散布装置により散布される液体
は、勿論、上記の水に限定されるものではない。例え
ば、液体散布装置を農業や施設園芸等に供することによ
り、殺虫剤や殺菌剤等の農薬、液体肥料等を好適に散布
することができる。また、散水することにより液体散布
装置を、塩害の防除設備や、茶園等の凍霜害の防除設備
としても使用可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に記載
の液体散布装置の散液頭部は、液体散布装置の立ち上が
り管に設けられた散液頭部であって、上記散液頭部は、
上に凸な略半球状を成すと共に、液体を散布するための
複数個の孔を有しており、上記孔は、上記半球の中心に
対する仰角が27°以下であり、かつ、略半球面の頂部
から該半球面に沿って略放射状に延びる複数本の仮想線
上に位置すると共に、同一仮想線上にあっては上記頂部
から離れるに従いその直径が小さくなるように穿設され
ている構成である。
【0045】これにより、任意の形状および大きさの散
布領域の全面にわたって液体をほぼ均一に隈無く散布す
ることができると共に、例えば、いわゆる高さ制限のあ
る果樹園やビニルハウス等に好適に使用することができ
る。つまり、例えば、液体散布装置を果樹園の散水装置
として用いた場合においては、水が散液頭部上方に飛び
散らないので、水滴が果実に付着せず、該果実が常時乾
いた状態に保たれる。このため、いわゆる病虫害が発生
し難くなり、果実の品質および収量が維持される。ま
た、例えば、液体散布装置をビニルハウスの散水装置と
して用いた場合においては、水が散液頭部上方に飛び散
らないので、水がビニルハウスの天井部分に当たること
はない。このため、いわゆる高さ制限に関係なく散水す
ることができるという効果を奏する。
【0046】また、本発明の請求項2に記載の液体散布
装置の散液頭部は、請求項1の発明の液体散布装置の散
液頭部において、仰角が同一である孔の総開口面積が、
該仰角が小さくなるに従い小さくなる構成である。
【0047】これにより、散布領域全体にほぼ均一に液
体を散布することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における散液頭部としての散
水頭部の平面図である。
【図2】上記散水頭部の正面図である。
【図3】上記散水頭部を備えた液体散布装置としての散
水装置を、その設置例と共に示す概略の正面図である。
【図4】上記散水装置の散水領域を示す平面図である。
【図5】上記散水頭部および比較用散水頭部の散水量を
示すグラフである。
【図6】散水頭部の孔の仰角と散水された水の最高高度
との関係を説明する説明図である。
【図7】比較用散水頭部を備えた散水装置を、その設置
例と共に示す概略の正面図である。
【符号の説明】
1 散水頭部(散液頭部) 1a 半球部 2 孔 3 頂部 4 仮想線 11 立ち上がり管 12 取り付け治具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体散布装置の立ち上がり管に設けられた
    散液頭部であって、 上記散液頭部は、上に凸な略半球状を成すと共に、液体
    を散布するための複数個の孔を有しており、 上記孔は、上記半球の中心に対する仰角が27°以下で
    あり、かつ、略半球面の頂部から該半球面に沿って略放
    射状に延びる複数本の仮想線上に位置すると共に、同一
    仮想線上にあっては上記頂部から離れるに従いその直径
    が小さくなるように穿設されていることを特徴とする液
    体散布装置の散液頭部。
  2. 【請求項2】仰角が同一である孔の総開口面積が、該仰
    角が小さくなるに従い小さくなることを特徴とする請求
    項1に記載の液体散布装置の散液頭部。
JP24815994A 1993-11-02 1994-10-13 液体散布装置の散液頭部 Pending JPH08107727A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24815994A JPH08107727A (ja) 1994-10-13 1994-10-13 液体散布装置の散液頭部
HU9403151A HUT77321A (hu) 1993-11-02 1994-11-02 Folyadékszóró eszköz

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24815994A JPH08107727A (ja) 1994-10-13 1994-10-13 液体散布装置の散液頭部

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08107727A true JPH08107727A (ja) 1996-04-30

Family

ID=17174105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24815994A Pending JPH08107727A (ja) 1993-11-02 1994-10-13 液体散布装置の散液頭部

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08107727A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107426975A (zh) * 2015-02-26 2017-12-01 住化农业资材株式会社 灌溉管及灌溉方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107426975A (zh) * 2015-02-26 2017-12-01 住化农业资材株式会社 灌溉管及灌溉方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5803363A (en) Liquid sprinkler having a hemispherical head with a pattern of nozzle openings
JP4233842B2 (ja) 灌水方法
JP3996715B2 (ja) 灌水用チューブ及び灌水用チューブの製造方法
JP3542643B2 (ja) 液体散布装置の散液頭部
JPH08107727A (ja) 液体散布装置の散液頭部
US4852806A (en) Spray structures for use in watering plants
JP3542640B2 (ja) 液体散布装置の散液頭部
JP3542639B2 (ja) 液体散布装置の散液頭部
JPH0956273A (ja) 液体散布装置の散液頭部
JPH0984473A (ja) 液体散布装置の散液頭部
US4477026A (en) Bubbler head structure
JPH0837955A (ja) 液体散布装置の散液部
JPH0837953A (ja) 液体散布装置の散液頭部
JPH0837951A (ja) 液体散布装置の散液頭部
JPH08107728A (ja) 液体散布装置の散液頭部
JPH09252670A (ja) 撒液用チューブ
JPH10180150A (ja) 液体撒布装置の撒液頭部
JP3359395B2 (ja) 液体の散布装置
CN2520649Y (zh) 悬吊式喷液管
US4471912A (en) Waterbubble nozzle
RU2101902C1 (ru) Способ внесения гербецидов и устройство для его осуществления
CN219165509U (zh) 喷洒装置及可移动平台
US20230211369A1 (en) Arid Land Sprinkler
AU733999B2 (en) Agricultural and garden spraying or sprinkling devices
CN214413731U (zh) 一种水果种植用洒水装置