JPH0810731Y2 - 穀粒乾燥機の熱風生成装置用の火炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、穀槽内に張込んだ穀粒を循環させ、その穀
粒に熱風を浴びせて乾燥させる穀粒乾燥機において、前
記穀粒に浴びせる熱風を生成するためのガンタイプバー
ナーを用いた熱風生成装置の火炉についての改良に関す
る。

上述の形態の穀粒乾燥機は、第１図および第２図に示
しているように、機体１内の上半側に穀粒の貯留部ａを
装設し、下半側には、熱風の導風路10と穀粒の流下路11
と排風路12とを通気性の隔壁13で仕切って並列させてな
る乾燥部ｂを装設し、機体１内の底部には、乾燥部ｂの
穀粒の流下路11を流過した穀粒を機外に搬出する下部コ
ンベア14を設け、それの終端側を機体１の外面に立設せ
る昇降機15の下部に接続し、その昇降機15の上端の放出
筒部を機体１の頂部に横架せる上部コンベア16に接続
し、乾燥部ｂの熱風の導風路10には機体１の前面側に装
設せる熱風生成装置Ｂの熱風の吐出口を接続し、乾燥部
ｂの排風路12に機体１の後面側に装設せる送風機17の吸
引側をダクト18を介し接続することで構成してあり、こ
れにより、機体１内の穀粒の貯留部ａ内に張込んだ穀粒
Ｇ…を、乾燥部ｂの穀粒の流下路11を経て再び貯留部ａ
に戻るよう循環させて、その穀粒Ｇ…が前記穀粒の流下
路11を流過する間に、導風路10から排風路12に向けて穀
粒の流下路11を横切るように吹出される熱風を、その穀
粒Ｇ…に浴びせるようにして乾燥作業が行なわれるよう
にしてある。そして、穀粒Ｇ…に送給する熱風を生成す
るための前記熱風生成装置Ｂは、第２図に示している如
く機体１の前面側に装設されるが、ガンタイプのバーナ
ー装置２と火炉３とを組合わせて構成するものを用いる
場合がある。

ところで、このようにガンタイプバーナー装置２と火
炉３とを組合わせて構成される穀粒乾燥機用の熱風生成
装置Ｂは、従前にあっては、第３図に示しているよう
に、軸線方向を上下方向とした上方が開放し下端が底板
30aにより閉ざされた有底の筒状体30を形成し、それの
周壁30bの下部に側方に突出する接続筒31を接続し、前
記底板30a及び周壁30bの下部に２次空気の取入孔32…開
設して、火炉３を構成し、それの前記接続筒31に、ガン
タイプバーナー装置２の吐風筒21を挿入して、該ガンタ
イプバーナー装置２のボディ20に設けた取付フランジ20
aを、前記接続筒31の突出端に装設してある取付フラン
ジ31aに組付けることで構成するか、第４図および第５
図に示しているように、軸線方向を横方向とし軸方向の
両端側を蓋板51・52で夫々閉塞した筒状体50を形成し、
それの一方の端部側の蓋板52の軸心部位に接続口53を開
設し、そこに軸方向を同軸状に揃えた接続筒54の基端を
接続し、該筒状体50の周壁50aの前記接続筒54と反対側
の端部にコーン状に縮径する傾斜壁50bを形成して、そ
の傾斜壁50bに、２次空気の取入孔55を開設し、該筒状
体50の周壁50aの上面側で軸方向の略中間部位に吐出口5
6を装設しそこに直立する吐出筒57を装設して、これら
により火炉５を構成し、その火炉５の前記接続筒54に、
ガンタイプバーナー装置２を、それの送風機24のケーシ
ング20の吐風口に組付けてあるノズル22および電極棒23
を包む吐風筒21と前記接続筒54との嵌合により組付ける
ことで穀粒乾燥機用の熱風生成装置Ｂを構成するように
している。

ところで、これらの従前のものは、前者にあっては、 穀粒Ｇに対し送給する熱風温度を低くするために、燃
料の供給を絞って燃焼量を低く抑えたときに、火炉３内
における２次空気との混合が余りうまくいかず、不完全
燃焼の状態となって、煤や油臭を発生し易いこと、 不完全燃焼の状態となったとき、これを調整する手段
が、火炉３の製造上見つからないこと、 火炉３内における２次空気との混合が充分に行なわれ
るようにするため、筒状体30の高さＨである軸方向の長
さを長く形成しなければならないことから、装設するの
に大きなスペースを要すること、 火炉３内における２次空気の取入れが、第２図におい
て矢印に示している如く、導風路11から穀粒流下路ａを
透過した熱風の排風を機外に引き出す排風機４によって
導風路11内に生ずる吸引圧の影響を受けることから、排
風機４の能力の異なる他機種の穀粒乾燥機に用いる場合
に、適応するように調整することが困難で、各機種ごと
に設計し製作しなければならないこと、 の問題がある。

また、後者にあっては、ガンタイプバーナー装置２の
燃焼量を絞っても安定して完全燃焼し、また、能力の異
なる別機種に適応させるための変更が容易で、かつ、ス
ペースが狭い所でも取付けが行なえるようにはなるが、
燃料油が燃焼するときに生ずる細かく断続した爆発音に
よる騒音が大きい問題がある。

本考案は、従前手段に生じているこれらの問題を解消
せしめるためになされたものであって、ガンタイプバー
ナー装置２の燃焼量を絞っても安定して完全燃焼し、か
つ、能力の異なる別機種に適応させるための変更が容易
で、しかも、スペースが狭い所でも取付けが行なえるよ
うにしながら、燃焼作動時に生ずる騒音を小さく抑え得
る新たな手段を提供することを目的とする。

そして、本考案においては、この目的を達成するため
の手段として、軸線方向を横方向とし軸方向の両端側を
蓋板で夫々閉塞した筒状体を形成し、それの一方の端部
側の蓋板の軸心部位に接続口を開設し、そこに軸方向を
同軸状に揃えた接続筒の基端を接続し、該筒状体の周壁
の前記接続筒と反対側の端部にコーン状に縮径する傾斜
壁を形設し、該筒状体の周壁の上面側で、前記コーン状
の傾斜壁の側に寄る部位に吐出口を装設し、その吐出口
に前記接続筒の側に傾く傾斜吐出筒を接続して、これら
により火炉を構成し、その火炉の前記接続筒に、ガンタ
イプバーナー装置の吐風筒を嵌挿して組付けるようにし
た穀粒乾燥機の熱風生成装置用の火炉を提供するもので
ある。

次に実施の一例を図面に従い詳述する。なお、図面符
号は同効の構成部材については従前手段と同一の符号を
用いるものとする。

第６図は本考案を実施せる熱風生成装置Ｂの側面図、
第７図は同上の一部破断した側面図で、同図において、
２はガンタイプバーナー装置、５はそれに組付けた火炉
を示す。

該熱風生成装置Ｂは、穀粒乾燥機Ａの機体１に対する
組付け手段は示していないが、穀粒乾燥機Ａに組付け
て、それの機体１内に装設せる乾燥部ｂの導風路10に対
し熱風を送給するようにする穀粒乾燥機用の熱風生成装
置であり、前述した従来手段のものと同様に穀粒乾燥機
Ａに組付けて使用されるものである。

しかして、前記熱風生成装置Ｂは、第６図及び第７図
に示している如く、軸方向Ｘを横方向とし、その軸方向
Ｘの両端部を蓋板51・52・で夫々閉塞した円筒形の筒状
体50を生成し、それの一方の軸端側の蓋板52の軸心部位
に接続口53を開設して、そこに軸方向を筒状体50と同軸
状に揃えた接続筒54の基端を接続し、該筒状体50の周壁
50aは、前記接続筒54と反対側の端部をコーン状に縮径
する傾斜壁50bに形成して、そこに、小径の２次空気の
取入孔55…を、適宜数周方向に間隔をおいて開設し、ま
た、周壁50aの上面側で、前記コーン状の傾斜壁50bに近
接する部位に熱風を吐出する吐出口56を開設し、そこに
前記接続筒54の側に傾く傾斜吐出筒57を接続すること
で、これらにより火炉５を構成し、その火炉５の前記接
続筒54に、ガンタイプバーナー装置２の吐風筒21の先端
側を嵌挿し、その接続筒54の先端に装設せる取付フラン
ジ54aとガンタイプバーナー装置２を構成しているケー
シング20側に装設せる取付フランジ20aとを接合してセ
ットボルト58により結合することで、ガンタイプバーナ
ー装置２のノズル22から噴出して電極棒23の放電で点火
し、ケーシング20内に組付けてあるファン24から吹出さ
れてくる燃焼空気で燃焼して吐風筒21から吐出される燃
料の燃焼焔が、火炉５内において完全燃焼し、熱風とし
て吐出筒57から熱風として吐出するよう構成してある。

このように構成される実施例装置は次のように作用す
る。

ガンタイプバーナー装置２の吐風筒21から火炉５の内
腔に吹き込まれる火焔は、火炉５のボディを形成してい
る筒状体50の先端側の端壁である蓋板51に向けてまっす
ぐにのび、その火炎の先端側に２次空気取入孔55…から
火炉５内に流入してくる２次空気が接触するようになる
ので、火炎の勢いが良い状態で２次空気と効率的に混合
し完全燃焼し易い状態となり、燃焼量の変更に大きな影
響を受けずに安定した燃焼状態となる。

また、燃焼量を多くして火炎が長くのびるときは、火
炎の先端が蓋板51に衝突して折り返すようになるので、
火炎の道程が長くなって火炉５が熱くなるので完全燃焼
がより確実に行なわれるようになり、かつ火力を増す。

そして、蓋板51に衝突して折り返す火炎は、筒状体50
の周壁50aに開設してある吐出口56からそれに接続する
傾斜吐出筒57を経て外部に放出されるが、このとき、吐
出口56が、周壁50aの蓋板51の側の端部に形設したコー
ン状の傾斜壁50bの近くに開設してあり、かつ、その吐
出口56に接続する傾斜吐出筒57が火炎の折り返し方向に
傾斜していることから、この蓋板51に衝突して折り返す
火炎が、このコーン状の傾斜壁50bと傾斜吐出筒57とに
誘導されて、抵抗が殆んどない状態で外部に放出される
ようになる。そして、このことから、ガンタイプバーナ
ー装置２の吐風筒21から火炉５内に吹き込まれる火炎と
その火炎が蓋板51に衝突することで折り返してくる火炎
とのぶつかり合いが、著しく少なくなって、そのぶつか
り合いにより燃料油の燃焼音を高めることがなくなっ
て、燃焼作動時の騒音を著しく小さくするようになる。

また、火炉５内における火炎の完全燃焼のための条件
が、筒状体50の径Ｄと、吐出口56の口径ｄと、先端側の
蓋板51から吐出口56の中心までの距離Ｌとの三者で定め
られ、さらに、２次空気の取入孔55…の個数によって調
整できるので、使用条件に応ずる設計が容易となり、好
みの燃焼状態に設定できて、完全燃焼が得られ易くな
り、かつ、火炉５をコンパクトな形状とし得る。

以上説明したように本考案による穀粒乾燥機における
熱風生成装置は、軸線方向を横方向とし軸方向の両端側
を蓋板51・52で夫々閉蓋した筒状体50を形成し、それの
一方の端部側の蓋板52の軸心部位に接続口53を開設し、
そこに軸方向を同軸状に揃えた接続筒54の基端を接続
し、該筒状体50の周壁の前記接続筒54と反対側の端部に
コーン状に縮径する傾斜壁50bを形設し、該筒状体の周
壁の上面側で、前記コーン状の傾斜壁50bの側に寄る部
位に吐出口56を装設し、その吐出口56に前記接続筒54の
側に傾く傾斜吐出筒57を接続して、これらにより火炉５
を構成し、その火炉５の前記接続筒54に、ガンタイプバ
ーナー装置２の吐風筒21を嵌挿して組付けて構成してあ
るのだから、ガンタイプバーナー装置２の吐風筒21から
吹き出されて、火炉５の蓋板51に衝突して折り返す火焔
が、火炉５の周壁に折返し方向に傾斜させて設けた傾斜
吐出筒57から、抵抗が殆んどない状態となって外部に排
出されるようになるので、ガンタイプバーナー装置２の
燃焼量を絞っても安定して完全燃焼し、かつ、能力の異
なる別機種に適応させるための変更を容易にしながら、
燃焼作動時に生ずる騒音を小さく抑え得るようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従前手段の一部破断した正面図、第２図は同上
の一部を省略した横断平面図、第３図は同上の要部の縦
断側面図、第４図は別の従来手段の熱風生成装置の火炉
の側面図、第５図は同上のバーナー装置と組合わせた状
態の一部破断した側面図、第６図は本考案を実施せる穀
粒乾燥機の熱風生成装置の側面図、第７図は同上の一部
破断した側面図である。 図面符号の説明 Ａ…穀粒乾燥機、Ｄ…径 Ｇ…穀粒、Ｈ…高さ、Ｌ…距離 Ｘ…軸方向、ａ…貯留部 ｂ…乾燥部、ｄ…口径 １…機体、10…導風路 11…穀粒の流下路、12…排風路 13…隔壁、14…下部コンベア 15…昇降機、16…上部コンベア 17…送風機、18…ダクト ２…ガンタイプバーナー装置 20…ケーシング、20a…取付フランジ 21…吐風筒、22…ノズル 23…電極棒、24…送風機 ３…火炉、3a…開放口 30…筒状体、30a…底板 30b…周壁、31…接続筒 31a…取付フランジ、32…取付孔 ５…火炉、50a…周壁 50b…傾斜壁、50…筒状体 51・52…蓋板、53…接続口 54…接続筒、54a…取付フランジ 55…取入孔、56…吐出口 57…吐出筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸線方向を横方向とし軸方向の両端側を蓋
   板51・52で夫々閉塞した筒状体50を形成し、それの一方
   の端部側の蓋板52の軸心部位に接続口53を開設し、そこ
   に軸方向を同軸状に揃えた接続筒54の基端を接続し、該
   筒状体50の周壁の前記接続筒54と反対側の端部にコーン
   状に縮径する傾斜壁50bを形設し、該筒状体の周壁の上
   面側で、前記コーン状の傾斜壁50bの側に寄る部位に吐
   出口56を装設し、その吐出口56に前記接続筒54の側に傾
   く傾斜吐出筒57を接続して、これらにより火炉５を構成
   し、その火炉５の前記接続筒54に、ガンタイプバーナー
   装置２の吐風筒21を嵌挿して組付けるようにした穀粒乾
   燥機の熱風生成装置用の火炉。