JPH08107068A - MBE法によるSi基板上CdTe成長方法 - Google Patents
MBE法によるSi基板上CdTe成長方法Info
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- JPH08107068A JPH08107068A JP6238800A JP23880094A JPH08107068A JP H08107068 A JPH08107068 A JP H08107068A JP 6238800 A JP6238800 A JP 6238800A JP 23880094 A JP23880094 A JP 23880094A JP H08107068 A JPH08107068 A JP H08107068A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B23/00—Single-crystal growth by condensing evaporated or sublimed materials
- C30B23/02—Epitaxial-layer growth
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B29/00—Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
- C30B29/10—Inorganic compounds or compositions
- C30B29/46—Sulfur-, selenium- or tellurium-containing compounds
- C30B29/48—AIIBVI compounds wherein A is Zn, Cd or Hg, and B is S, Se or Te
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 成長装置の構造や清浄化方法に関係なく、良
質のCdTe結晶をSi基板上にMBE法により成長す
る。 【構成】 Si基板を洗浄した後成長装置に導入し、超
高真空中で数時間500℃に保持する。その後850℃
で5分間保持し、表面酸化膜を除去するためのSiの清
浄化1を行う。次に、基板温度を750℃まで降温して
からAs+Cd照射2を5分間行う。次にAs照射を中
止してCd照射3のみを行いながら基板を降温する。基
板温度が180℃になるまで待ってからCdTe成長
(1回目)4を開始する。CdTe成長開始から1分後
にCd照射3を終了する。CdTe成長(1回目)3を
30分間行った後、340℃で10分間保持(アニール
4)、そして290℃で再びCdTe成長(2回目)5
を行う。
質のCdTe結晶をSi基板上にMBE法により成長す
る。 【構成】 Si基板を洗浄した後成長装置に導入し、超
高真空中で数時間500℃に保持する。その後850℃
で5分間保持し、表面酸化膜を除去するためのSiの清
浄化1を行う。次に、基板温度を750℃まで降温して
からAs+Cd照射2を5分間行う。次にAs照射を中
止してCd照射3のみを行いながら基板を降温する。基
板温度が180℃になるまで待ってからCdTe成長
(1回目)4を開始する。CdTe成長開始から1分後
にCd照射3を終了する。CdTe成長(1回目)3を
30分間行った後、340℃で10分間保持(アニール
4)、そして290℃で再びCdTe成長(2回目)5
を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MBE法によるSi基
板上CdTe成長方法に関するものである。
板上CdTe成長方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のMBE法によるSi基板上CdT
e成長方法では、代表的なものとして、Si酸化膜を除
去後CdTeを成長する方法(エス・ピー・アイ・イー
(SPIE)1512巻、155頁、1991年)が挙
げられる。この方法でCdTe(111)B/Si(0
01)off成長を行い、結晶性を表すX線回折半値幅
として140秒という値が最高値として得られている
(ジャーナル・オブ・エレクトロニック・マテリアルズ
(Journal of Electric Mate
rials) 22巻、951頁、1993年)。
e成長方法では、代表的なものとして、Si酸化膜を除
去後CdTeを成長する方法(エス・ピー・アイ・イー
(SPIE)1512巻、155頁、1991年)が挙
げられる。この方法でCdTe(111)B/Si(0
01)off成長を行い、結晶性を表すX線回折半値幅
として140秒という値が最高値として得られている
(ジャーナル・オブ・エレクトロニック・マテリアルズ
(Journal of Electric Mate
rials) 22巻、951頁、1993年)。
【0003】別の方法として、Si表面を水素終端処理
する方法(アプライド・フィジックス・レターズ(Ap
plied Physics Letters)63
巻、818頁、1993年)がある。この方法では清浄
化温度を400〜500℃程度に下げることができる。
ZnTeバッファー層を介してCdZnTe(001)
offエピ層(Zn濃度4%)をSi(001)off
面上に成長し、X線回折半値幅として158秒を得てい
る。
する方法(アプライド・フィジックス・レターズ(Ap
plied Physics Letters)63
巻、818頁、1993年)がある。この方法では清浄
化温度を400〜500℃程度に下げることができる。
ZnTeバッファー層を介してCdZnTe(001)
offエピ層(Zn濃度4%)をSi(001)off
面上に成長し、X線回折半値幅として158秒を得てい
る。
【0004】また、CdTe成長前に550〜675℃
でTeを照射するという方法が報告されている(応用物
理学会予稿集 18a−SL−9、1992年秋)。こ
の方法では、Si表面をTeで完全に覆ってしまうこと
によりB面のCdTe結晶を得ている。
でTeを照射するという方法が報告されている(応用物
理学会予稿集 18a−SL−9、1992年秋)。こ
の方法では、Si表面をTeで完全に覆ってしまうこと
によりB面のCdTe結晶を得ている。
【0005】その他に、CdTeを薄く成長した後、光
照射によりTe原子を解離させ、Cd層のみを基板上に
残してCdTeを再成長させるという方法がある(特願
平2−150018号公報)。この方法により、GaA
s基板およびSi基板上のCdTe成長において双晶の
少ない結晶成長を行えると報告されている。
照射によりTe原子を解離させ、Cd層のみを基板上に
残してCdTeを再成長させるという方法がある(特願
平2−150018号公報)。この方法により、GaA
s基板およびSi基板上のCdTe成長において双晶の
少ない結晶成長を行えると報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】まず、Si酸化膜を除
去後CdTeを成長する方法では、酸化膜を除去するた
めには通常850℃以上に基板を昇温する必要がある。
このときCdTe成長室ではTeの分圧が高くなり、S
i清浄面はTeにより汚染される。このときSi表面に
は荒れが生じる。このようにTe汚染されたSi(00
1)面上にCdTe成長を行った場合、良好な単結晶は
得られず、CdTe(111)A面が成長する。A面は
CdTe成長においては極めて不向きな極性面であり、
単結晶が得られにくい。この問題を回避するためには、
基板とその周囲の構造物との距離を離す等の工夫を行
い、周囲からの脱ガスを極力減らす必要がある。すなわ
ち、Siの清浄化プロセスを考慮した成長装置を用いな
ければ良好な結晶は得られないという問題がある。
去後CdTeを成長する方法では、酸化膜を除去するた
めには通常850℃以上に基板を昇温する必要がある。
このときCdTe成長室ではTeの分圧が高くなり、S
i清浄面はTeにより汚染される。このときSi表面に
は荒れが生じる。このようにTe汚染されたSi(00
1)面上にCdTe成長を行った場合、良好な単結晶は
得られず、CdTe(111)A面が成長する。A面は
CdTe成長においては極めて不向きな極性面であり、
単結晶が得られにくい。この問題を回避するためには、
基板とその周囲の構造物との距離を離す等の工夫を行
い、周囲からの脱ガスを極力減らす必要がある。すなわ
ち、Siの清浄化プロセスを考慮した成長装置を用いな
ければ良好な結晶は得られないという問題がある。
【0007】第二のSi表面を水素終端処理する方法で
は、清浄化温度を400〜500℃程度に下げることが
できるが、それでもCdTe成長温度より高い温度で清
浄化するため、Te汚染の問題は残る。また、清浄化温
度を下げた場合、Si表面に残留した水素によりCdT
eの結晶性が劣化してしまうという問題もある。
は、清浄化温度を400〜500℃程度に下げることが
できるが、それでもCdTe成長温度より高い温度で清
浄化するため、Te汚染の問題は残る。また、清浄化温
度を下げた場合、Si表面に残留した水素によりCdT
eの結晶性が劣化してしまうという問題もある。
【0008】さらに、前記二つの方法で表面汚染が極力
抑えられる条件で、Si表面の清浄化を行ったとして
も、そのままCdTe成長を行ったのでは、B面の結晶
が得られないという問題がある。X線光電子分光(XP
S)で、不純物汚染が全く見られないSi基板上にCd
Te成長を行った場合、(001)、(112)、(2
21)、(110)およびそれらのオフ面のいずれの面
方位でもA面の結晶性の悪いCdTeが得られた。
抑えられる条件で、Si表面の清浄化を行ったとして
も、そのままCdTe成長を行ったのでは、B面の結晶
が得られないという問題がある。X線光電子分光(XP
S)で、不純物汚染が全く見られないSi基板上にCd
Te成長を行った場合、(001)、(112)、(2
21)、(110)およびそれらのオフ面のいずれの面
方位でもA面の結晶性の悪いCdTeが得られた。
【0009】Te照射の方法では、(001)面上では
B面の結晶が得られるものの、結晶性の良いCdTeエ
ピ層が得られないという問題がある。また、Si(22
1)面およびそのオフ面を用いた場合はTe照射を行っ
てもB面の結晶は得られない。
B面の結晶が得られるものの、結晶性の良いCdTeエ
ピ層が得られないという問題がある。また、Si(22
1)面およびそのオフ面を用いた場合はTe照射を行っ
てもB面の結晶は得られない。
【0010】CdTe成長後Teを解離させる方法で
は、通常のCdTe成長温度ではCd原子がSi基板上
に付着しないという問題がある。CdTe成長温度であ
る300℃付近において、Cd原子だけをSi基板上に
残しておくことは不可能である。Cd原子をSi基板上
に残すためには、Te原子か重金属等の不純物がSi表
面上に核として残留している必要である。しかし、この
ようにしてCd原子を残したSi基板上にCdTe成長
を行ってもA面しか得られない。また、基板温度を低く
するとCdのみを付着することができるが、そのような
面にCdTe成長を行っても、良好な結晶は得られな
い。
は、通常のCdTe成長温度ではCd原子がSi基板上
に付着しないという問題がある。CdTe成長温度であ
る300℃付近において、Cd原子だけをSi基板上に
残しておくことは不可能である。Cd原子をSi基板上
に残すためには、Te原子か重金属等の不純物がSi表
面上に核として残留している必要である。しかし、この
ようにしてCd原子を残したSi基板上にCdTe成長
を行ってもA面しか得られない。また、基板温度を低く
するとCdのみを付着することができるが、そのような
面にCdTe成長を行っても、良好な結晶は得られな
い。
【0011】本発明はこのような従来の事情に鑑みてな
されたもので、成長装置の構造や清浄化方法に関係なく
良質のCdTe結晶を得ることのできる、MBE法によ
るSi基板上CdTe成長方法を提供することを目的と
する。
されたもので、成長装置の構造や清浄化方法に関係なく
良質のCdTe結晶を得ることのできる、MBE法によ
るSi基板上CdTe成長方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるMBE法によるSi基板上CdTe成
長方法においては、Si基板を清浄化した後、Si清浄
化面に対してAs照射およびCd照射を行うものであ
る。その方法は、まずCdTe成長前に、Si基板温度
670〜800℃でその清浄化面にAs照射およびCd
照射を行う。さらに本発明では、Si清浄化後から、C
dTe成長開始後においてSi表面が完全にCdTe層
で覆われるまでの間、Cd照射を行うことを特徴とする
ものである。なお、As照射およびCd照射とは各々の
単体もしくは化合物をソースとして照射を行うことを言
い、本発明においてソースには、AsおよびCdの単体
金属あるいはそれらの水素化物が、さらにAsのソース
としてはCdAs化合物などを用いることができる。
め、本発明によるMBE法によるSi基板上CdTe成
長方法においては、Si基板を清浄化した後、Si清浄
化面に対してAs照射およびCd照射を行うものであ
る。その方法は、まずCdTe成長前に、Si基板温度
670〜800℃でその清浄化面にAs照射およびCd
照射を行う。さらに本発明では、Si清浄化後から、C
dTe成長開始後においてSi表面が完全にCdTe層
で覆われるまでの間、Cd照射を行うことを特徴とする
ものである。なお、As照射およびCd照射とは各々の
単体もしくは化合物をソースとして照射を行うことを言
い、本発明においてソースには、AsおよびCdの単体
金属あるいはそれらの水素化物が、さらにAsのソース
としてはCdAs化合物などを用いることができる。
【0013】
【作用】このような手段を備えた本発明の方法では、安
定して良質かつB面のCdTeエピ層を得ることができ
る。
定して良質かつB面のCdTeエピ層を得ることができ
る。
【0014】XPSによるSi表面の観察により、Si
清浄化面およびAs付着面にCdを照射しても、CdT
e成長温度ではCdは付着しないことがわかっている。
そのため、Si清浄化面およびAs付着面に最初に結合
する原子はCdではなくTeであると考えられる。ま
た、Teで覆われたSi表面を昇温すると、670〜8
00℃でTeが脱離することが、反射高速電子線回折
(RHEED)およびXPSにより確認されている。ま
ず、670℃以下ではTeがSi上に付着し、RHEE
Dパターンはブロードである。670〜800℃の温度
範囲ではRHEEDパターンがシャープになり、XPS
による測定でTeが検出されないことから、Teが脱離
したと考えられる。さらにTeの分圧下でSiを800
℃以上に昇温すると再びTeがSiと結合し、RHEE
Dパターンがスポッティになる。TeとSiが結合する
温度はTe分圧に依存し、Te分圧が高い場合は800
℃より低い温度でTeとSiの結合が観察されることも
ある。
清浄化面およびAs付着面にCdを照射しても、CdT
e成長温度ではCdは付着しないことがわかっている。
そのため、Si清浄化面およびAs付着面に最初に結合
する原子はCdではなくTeであると考えられる。ま
た、Teで覆われたSi表面を昇温すると、670〜8
00℃でTeが脱離することが、反射高速電子線回折
(RHEED)およびXPSにより確認されている。ま
ず、670℃以下ではTeがSi上に付着し、RHEE
Dパターンはブロードである。670〜800℃の温度
範囲ではRHEEDパターンがシャープになり、XPS
による測定でTeが検出されないことから、Teが脱離
したと考えられる。さらにTeの分圧下でSiを800
℃以上に昇温すると再びTeがSiと結合し、RHEE
Dパターンがスポッティになる。TeとSiが結合する
温度はTe分圧に依存し、Te分圧が高い場合は800
℃より低い温度でTeとSiの結合が観察されることも
ある。
【0015】このTeが脱離する温度範囲でAsおよび
Cdを照射すると、Si表面をAsで覆うと共にTe汚
染を極めて少なくできる。この理由の一つとして、基板
周囲の構造物がCdで覆われるため、TeがCdと結合
してトラップされ、Teの分圧が減少するということが
考えられる。また、Si表面をAsで覆うことによりT
eの吸着が抑制されることが考えられる。
Cdを照射すると、Si表面をAsで覆うと共にTe汚
染を極めて少なくできる。この理由の一つとして、基板
周囲の構造物がCdで覆われるため、TeがCdと結合
してトラップされ、Teの分圧が減少するということが
考えられる。また、Si表面をAsで覆うことによりT
eの吸着が抑制されることが考えられる。
【0016】また、Te汚染の問題とは別にAsでSi
表面を覆うことは、CdTe成長における極性制御に非
常に大きな効果がある。Asで覆われたSi表面上にC
dTeを成長した場合は、ほぼ安定してB面の結晶が得
られる。しかもこの場合、Teで覆われたSi上のCd
Te成長と比較して結晶性の劣化が全く認められず、非
常に結晶性の良いCdTe層が得られる。
表面を覆うことは、CdTe成長における極性制御に非
常に大きな効果がある。Asで覆われたSi表面上にC
dTeを成長した場合は、ほぼ安定してB面の結晶が得
られる。しかもこの場合、Teで覆われたSi上のCd
Te成長と比較して結晶性の劣化が全く認められず、非
常に結晶性の良いCdTe層が得られる。
【0017】このような効果はCdTe成長直後までC
d照射を行うことにより、さらに顕著になる。本発明の
成長方法を用いた場合は確実にB面のCdTeを得るこ
とができる。この理由は図2を用いて次のように考える
ことができる。例えばSi(221)面もしくはそのオ
フ面を考えた場合、まずSi基板のステップにおいてT
e原子7がSi原子9と結合し、(111)面で形成さ
れるテラスにCd原子8が結合したときにB面となる。
Te雰囲気中にSi表面をさらした場合は、ステップだ
けでなくテラスにもTe原子7が結合すると考えられる
ため、この状態でCdTeを成長するとA面もしくはア
ンチフェーズドメインを含む結晶が成長する。したがっ
てB面を成長するためには、成長開始時において少なく
ともTe原子7がステップ以外の領域で結合していては
いけないことになる。このことは、Te照射を行って成
長した場合にA面が成長するという実験結果と整合して
いる。
d照射を行うことにより、さらに顕著になる。本発明の
成長方法を用いた場合は確実にB面のCdTeを得るこ
とができる。この理由は図2を用いて次のように考える
ことができる。例えばSi(221)面もしくはそのオ
フ面を考えた場合、まずSi基板のステップにおいてT
e原子7がSi原子9と結合し、(111)面で形成さ
れるテラスにCd原子8が結合したときにB面となる。
Te雰囲気中にSi表面をさらした場合は、ステップだ
けでなくテラスにもTe原子7が結合すると考えられる
ため、この状態でCdTeを成長するとA面もしくはア
ンチフェーズドメインを含む結晶が成長する。したがっ
てB面を成長するためには、成長開始時において少なく
ともTe原子7がステップ以外の領域で結合していては
いけないことになる。このことは、Te照射を行って成
長した場合にA面が成長するという実験結果と整合して
いる。
【0018】またSi表面をAsで覆った面において
も、CdよりもTeが先に結合するという実験事実よ
り、CdTe成長の初期においては、ステップに結合し
たTeを核としてテラス上にCdが結合してゆく必要が
ある。このとき、テラスがCdにより完全に覆われるま
では、その他のTeがSi表面に付着してはいけない。
以上のことより、Si表面がCdとTeにより完全に覆
われるまではCd−richで成長する必要がある。こ
れが成長開始直後までCdを照射する理由である。Si
表面がCdとTeで覆われたかどうかはRHEEDによ
り簡単に観察することができる。
も、CdよりもTeが先に結合するという実験事実よ
り、CdTe成長の初期においては、ステップに結合し
たTeを核としてテラス上にCdが結合してゆく必要が
ある。このとき、テラスがCdにより完全に覆われるま
では、その他のTeがSi表面に付着してはいけない。
以上のことより、Si表面がCdとTeにより完全に覆
われるまではCd−richで成長する必要がある。こ
れが成長開始直後までCdを照射する理由である。Si
表面がCdとTeで覆われたかどうかはRHEEDによ
り簡単に観察することができる。
【0019】Si(001)面もしくはそのオフ面の場
合は、前記メカニズムをそのままあてはめることはでき
ないが、As照射とCd照射を組み合わせることによ
り、安定してB面が得られるという結果はSi(22
1)の場合と同様である。
合は、前記メカニズムをそのままあてはめることはでき
ないが、As照射とCd照射を組み合わせることによ
り、安定してB面が得られるという結果はSi(22
1)の場合と同様である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
して説明する。
【0021】(実施例1)本実施例では、Si(22
1)off基板([−1 −1 4]方向に3°of
f)上にCdTeをMBE法により成長を行った。その
成長プロセスを図1に示す。まず、Si基板をRCA洗
浄(RCAレビュー、31巻、1970年、187頁)
した後、成長装置に導入し、超高真空中で数時間500
℃に保持する。その後850℃で5分間保持し、表面酸
化膜を除去するためのSiの清浄化1を行う。この清浄
化面上にCdTeを成長しても、B面は得られない。次
に、基板温度を750℃まで降温してからAs+Cd照
射2を5分間行う。このときのAs照射量は圧力換算で
2×10-8torr、Cd照射量は1×10-6torr
である。次に、As+Cd照射2を中止し、基板温度を
180℃まで降温する。基板温度が180℃になった
ら、CdTe成長(1回目)4を開始する。この時のC
dTe照射量は1×10-7torrである。 本実施例
では、CdTe成長を二回に分けて行っており、前記温
度(180℃)で30分成長した後、340℃で10分
間保持(アニール5)、そして290℃で再びCdTe
成長(2回目)6を行う。
1)off基板([−1 −1 4]方向に3°of
f)上にCdTeをMBE法により成長を行った。その
成長プロセスを図1に示す。まず、Si基板をRCA洗
浄(RCAレビュー、31巻、1970年、187頁)
した後、成長装置に導入し、超高真空中で数時間500
℃に保持する。その後850℃で5分間保持し、表面酸
化膜を除去するためのSiの清浄化1を行う。この清浄
化面上にCdTeを成長しても、B面は得られない。次
に、基板温度を750℃まで降温してからAs+Cd照
射2を5分間行う。このときのAs照射量は圧力換算で
2×10-8torr、Cd照射量は1×10-6torr
である。次に、As+Cd照射2を中止し、基板温度を
180℃まで降温する。基板温度が180℃になった
ら、CdTe成長(1回目)4を開始する。この時のC
dTe照射量は1×10-7torrである。 本実施例
では、CdTe成長を二回に分けて行っており、前記温
度(180℃)で30分成長した後、340℃で10分
間保持(アニール5)、そして290℃で再びCdTe
成長(2回目)6を行う。
【0022】以上のプロセスによりB面のCdTeを得
ることができ、本発明の方法の有効性が示された。ただ
し、第1の実施例ではB面が得られない場合がまれにあ
った。この場合のCdTeの面方位は(112)A o
ffで、その結晶性は膜厚5μm で220秒とあまり良
くない。さらに、HgCdTeをこのCdTe上に成長
すると、A面であるためにヒロック発生の問題が生じ
た。
ることができ、本発明の方法の有効性が示された。ただ
し、第1の実施例ではB面が得られない場合がまれにあ
った。この場合のCdTeの面方位は(112)A o
ffで、その結晶性は膜厚5μm で220秒とあまり良
くない。さらに、HgCdTeをこのCdTe上に成長
すると、A面であるためにヒロック発生の問題が生じ
た。
【0023】(実施例2)実施例2では、実施例1より
さらに安定して、B面でかつ結晶性の高いCdTe層を
得るために、基板降温時にCd照射3のプロセスを加え
た成長を行った。
さらに安定して、B面でかつ結晶性の高いCdTe層を
得るために、基板降温時にCd照射3のプロセスを加え
た成長を行った。
【0024】実施例1と同様にしてAs+Cd照射2を
5分間行った後、次にAs照射を中止し、Cd照射3の
みを行いながら基板を降温する。この時のCd照射量は
1×10-6torrである。基板温度が180℃になる
まで待ってからCdTe成長(1回目)4を開始する。
この時のCdTe照射量は1×10-7torrである。
CdTe成長開始から1分後にCd照射3を終了する。
以上のプロセスにより安定してB面のCdTeを得るこ
とができる。
5分間行った後、次にAs照射を中止し、Cd照射3の
みを行いながら基板を降温する。この時のCd照射量は
1×10-6torrである。基板温度が180℃になる
まで待ってからCdTe成長(1回目)4を開始する。
この時のCdTe照射量は1×10-7torrである。
CdTe成長開始から1分後にCd照射3を終了する。
以上のプロセスにより安定してB面のCdTeを得るこ
とができる。
【0025】実施例2においても、CdTe成長を二回
に分けて行っており、前記温度(180℃)で30分成
長した後、340℃で10分間保持(アニール5)、そ
して290℃で再びCdTe成長(2回目)6を行っ
た。
に分けて行っており、前記温度(180℃)で30分成
長した後、340℃で10分間保持(アニール5)、そ
して290℃で再びCdTe成長(2回目)6を行っ
た。
【0026】以上、実施例1及び2において述べた成長
方法により、再現性良くB面のCdTeを得ることがで
きる。その結晶性について、ここでは二例の成長実験結
果について説明する。
方法により、再現性良くB面のCdTeを得ることがで
きる。その結晶性について、ここでは二例の成長実験結
果について説明する。
【0027】二つの成長例におけるCdTeの膜厚はそ
れぞれ8.4μm および19.6μm である。これらの
結晶のX線回折半値幅はそれぞれ92秒と68秒であっ
た。これらの値は共に、これまで報告されている値をは
るかに越えるもので、本発明の方法の有効性が明確に示
されてる。以上のことから、本発明の方法により、非常
に結晶性の良いCdTeエピ層が得られることがわかっ
た。
れぞれ8.4μm および19.6μm である。これらの
結晶のX線回折半値幅はそれぞれ92秒と68秒であっ
た。これらの値は共に、これまで報告されている値をは
るかに越えるもので、本発明の方法の有効性が明確に示
されてる。以上のことから、本発明の方法により、非常
に結晶性の良いCdTeエピ層が得られることがわかっ
た。
【0028】Si基板の面方位として前記面方位の他
に、Si(001)、Si(112)およびそれらのオ
フ面、Si(221)を用いて、前記プロセスと全く同
じ方法でCdTeを成長したところ、いずれの面方位で
もB面が得られ、良好なCdTeエピ層を得ることがで
きた。
に、Si(001)、Si(112)およびそれらのオ
フ面、Si(221)を用いて、前記プロセスと全く同
じ方法でCdTeを成長したところ、いずれの面方位で
もB面が得られ、良好なCdTeエピ層を得ることがで
きた。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法により、成長装置の構造や
清浄化方法に関係なく良質のCdTe結晶を得ることが
できる。
清浄化方法に関係なく良質のCdTe結晶を得ることが
できる。
【図1】本発明の成長プロセスを示す図である。
【図2】CdTe/Si(221)offの界面での原
子の結合を示す図である。
子の結合を示す図である。
1 Siの清浄化 2 As+Cd照射 3 Cd照射 4 CdTe成長(1回目) 5 アニール 6 CdTe成長(2回目) 7 Te原子 8 Cd原子 9 Si原子
Claims (3)
- 【請求項1】Si基板を清浄化し、基板温度670〜8
00℃でSi清浄化面に対してAsとCd各々の単体も
しくは化合物をソースとしてAs照射及びCd照射を行
った後、CdTeを形成することを特徴とするMBE法
によるSi基板上CdTe成長方法。 - 【請求項2】Si基板を清浄化し、基板温度670〜8
00℃でSi清浄化面に対してAsとCd各々の単体も
しくは化合物をソースとしてAs照射及びCd照射を行
った後、As照射のみ停止し、Si表面が完全にCdT
e層で覆われるまでの間Cd照射を行いながらCdTe
を形成することを特徴とするMBE法によるSi基板上
CdTe成長方法。 - 【請求項3】As照射用のソースとしてAsの単体金
属、水素化物、あるいはCdAs化合物を、Cd照射用
の材料としてCdの単体金属あるいは水素化物を用いる
ことを特徴とする請求項1ないし2記載のMBE法によ
るSi基板上CdTe成長方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6238800A JPH08107068A (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | MBE法によるSi基板上CdTe成長方法 |
US08/538,451 US5759266A (en) | 1994-10-03 | 1995-10-03 | Method for growing a CdTe layer on a Si substrate by a molecular beam epitaxy |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6238800A JPH08107068A (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | MBE法によるSi基板上CdTe成長方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08107068A true JPH08107068A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17035483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6238800A Pending JPH08107068A (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | MBE法によるSi基板上CdTe成長方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5759266A (ja) |
JP (1) | JPH08107068A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008508741A (ja) * | 2004-08-02 | 2008-03-21 | キネテイツク・リミテツド | パターン加工済みのシリコン上でのテルル化カドミウム水銀の製造 |
US8021914B2 (en) | 2004-04-06 | 2011-09-20 | Qinetiq Limited | Manufacture of cadmium mercury telluride |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030102432A1 (en) * | 2001-04-12 | 2003-06-05 | Epir Ltd. | Monolithic infrared focal plane array detectors |
US6657194B2 (en) * | 2001-04-13 | 2003-12-02 | Epir Technologies, Inc. | Multispectral monolithic infrared focal plane array detectors |
GB0417471D0 (en) * | 2004-08-02 | 2005-08-17 | Qinetiq Ltd | Manufacture of cadmium mercury telluride on patterned silicon |
CN101328615B (zh) * | 2008-04-28 | 2010-10-13 | 新疆大学 | 一种催化剂辅助真空热蒸发生长CdTe纳米棒的方法 |
US8664524B2 (en) | 2008-07-17 | 2014-03-04 | Uriel Solar, Inc. | High power efficiency, large substrate, polycrystalline CdTe thin film semiconductor photovoltaic cell structures grown by molecular beam epitaxy at high deposition rate for use in solar electricity generation |
CA2780175A1 (en) * | 2009-12-10 | 2011-06-16 | Uriel Solar Inc. | High power efficiency polycrystalline cdte thin film semiconductor photovoltaic cell structures for use in solar electricity generation |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62212293A (ja) * | 1986-03-10 | 1987-09-18 | Nec Corp | 分子線エピタキシヤル成長方法 |
JP3263964B2 (ja) * | 1992-01-31 | 2002-03-11 | 富士通株式会社 | 半導体装置形成用結晶とその製造方法 |
US5229333A (en) * | 1992-02-28 | 1993-07-20 | Texas Instruments Incorporated | Method for improving the interface characteristics of CaF2 on silicon |
US5306386A (en) * | 1993-04-06 | 1994-04-26 | Hughes Aircraft Company | Arsenic passivation for epitaxial deposition of ternary chalcogenide semiconductor films onto silicon substrates |
US5382542A (en) * | 1993-07-26 | 1995-01-17 | Hughes Aircraft Company | Method of growth of II-VI materials on silicon using As passivation |
-
1994
- 1994-10-03 JP JP6238800A patent/JPH08107068A/ja active Pending
-
1995
- 1995-10-03 US US08/538,451 patent/US5759266A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8021914B2 (en) | 2004-04-06 | 2011-09-20 | Qinetiq Limited | Manufacture of cadmium mercury telluride |
JP2008508741A (ja) * | 2004-08-02 | 2008-03-21 | キネテイツク・リミテツド | パターン加工済みのシリコン上でのテルル化カドミウム水銀の製造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5759266A (en) | 1998-06-02 |
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