JPH0810646B2 - 電圧非直線性抵抗体磁器組成物 - Google Patents

電圧非直線性抵抗体磁器組成物

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JPH0810646B2
JPH0810646B2 JP62110740A JP11074087A JPH0810646B2 JP H0810646 B2 JPH0810646 B2 JP H0810646B2 JP 62110740 A JP62110740 A JP 62110740A JP 11074087 A JP11074087 A JP 11074087A JP H0810646 B2 JPH0810646 B2 JP H0810646B2
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巌 宇沼
進 宮林
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信義 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子機器や電気機器で発生する異常電圧、
ノイズ、スパークなどを吸収もしくは除去するために使
用されるTiO2を主体とした電圧非常直線性抵抗体磁器組
成物に関する。
〔従来の技術〕
最近の電子回路装置にはIC、トランジスタ等の半導体
部品が広範囲に使用され、装置の小型化がはかられてい
る。ところが、半導体部品を組込んだ装置は異常電圧に
弱く、その為一般にはバリスタ素子を組込んでそれぞれ
の部品を保護している。また小型直流モーターを使用す
る電気機器も多くなってきているが、この小型直流モー
ターを動作させると、回転子が磁界中を回転して電機子
巻線が磁力線を切ることにより逆起電圧が発生し、この
逆起電圧で刷子と整流子片間にスパークが生じる。この
スパークは妨害電波を発生し且つ整流子片の寿命を短く
する。この為、整流子片間には逆起電圧を吸収させる為
のバリスタ素子が接続される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで前記バリスタ素子としては従来SiCバリス
タ、酸化亜鉛バリスタ、SrTiO3系バリスタ等が知られて
いる。しかしながら、SiCバリスタは電圧非直線係数α
が2〜3未満と小さいという欠点を有する。また、酸化
亜鉛バリスタではαは10〜50と大きいが製造に手間がか
かり高価であるという欠点を有する。さらに、SiTiO3
バリスタはαが3〜20と大きいが、半田付時のサーマル
ショックに弱くサーマルクラックが生ずるという欠点を
有している。
そこで本発明の目的は所要のバリスタ電圧、非直線係
数を容易に得るとができると共に、サーマルショックに
強く、しかも安価なバリスタ組成物を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成する為、本発明はTiO2 98.93〜99.51
重量%と、BaO 0.1〜0.45重量%と、Nb2O5 0.1〜0.5重
量%と、SiO2 0.01〜0.2重量%と、CaO0.01〜0.2重量%
と、Al2O3 0.001〜0.15重量%とからなることを特徴と
する焼結型電圧非直線性抵抗体磁器組成物を提供するも
のである。
〔実施例〕
TiO2、BaCO3、Nb2O5、SiO2、CaCO3、Al2O3をそれぞれ
第1表に示す組成に換算秤量し、メノー石とポットで10
時間混合する。その後、1100〜1250℃の間で約2時間仮
焼成し、これをポットミルでメノー石を入れて粉砕す
る。
次に、上記微粉末材料に有機結合剤としてポリビニー
ルアルコール溶液を上記材料100%に対して5〜15重量
%混入し、500〜2000kgf/cm2の圧力で外径12.4mm、内径
7.9mm、厚み1.00mmの形状に成形したのち、この成形物
を1300〜1450℃の間で約2時間焼成する。
次に、バリスタ素子を得る為に第1図に示す如くリン
グ状の磁器素体1の片面に銀電極を同図のように塗布
し、400〜1000℃で焼付けることにより電極2を形成
し、バリスタ素子を完成させた。なお、バリスタ作用は
焼結体の内部で生じているので電極2の材料または形成
方法は、上記に限定されるものではなく、例えばIn−Ga
合金で形成してもよいし、蒸着やメッキで形成してもよ
い。また、バリスタ素子3の構造としては、第2図のよ
うに電極2を磁器素体1の上下両面に設けたもの(但
し、下面側の電極2は円盤状で、磁器素体1の下面全体
を覆って設けられている)や、第3図のように磁器素体
1の側面に設けたものも採用できる。
次に、バリスタの特性評価を行なう為にE10、α、温
度特性としてΔE10T(%/℃)及び耐パルス特性として
ΔE10P(%)、Δαp(%)を測定したところ第1表の
結果が得られた。
なお、バリスタの電圧−電流特性はI=CEαで示され
る。但し、ここでEはバリスタに印加する電圧、Iはバ
リスタに流れる電流、Cは定数、αは非直線係数であ
る。
そこで、αを次式によって求めた。
但し、ここでE10は10mAのバリスタ電流I10の時のバリス
タ電圧、E1は1mAのバリスタ電流I1の時のバリスタ電圧
である。
また、αとE10の温度特性を求める為に、第4図に示
すように直流定電流源4にバリスタ素子31を接続し、且
つ電流計5と電圧計6とを接続し、バリスタ素子31を20
℃の恒温槽(図示せず)に入れて10mAの電流を流した時
のバリスタ電圧(E10)20を測定し、その後上記バリスタ
素子31を70℃の恒温槽(図示せず)に入れて10mAの電流
を流したバリスタ電圧(E10)70を測定した。そして、E10
の温度変化率ΔE10Tを次式により求めた。
また、耐パルス特性は、第5図に示す如く定電圧源7
に電圧計8を接続し、且つ抵抗9と切換スイッチ10とを
介してコンデンサ11を接続して、このコンデンサの電圧
をスイッチ10によってバリスタ素子32に印加する回路で
測定した。さらに詳細には、コンデンサ11に150V充電
し、150Vのパルス電圧をバリスタ素子32に50回印加する
ことによってE10とαがどの様に変化するかを次式で求
めた。
但し、ΔE10Pはパルスを加えた場合のE10の変化率、
(E10)Aはパルスを加える前のE10値、(E10)Bはパルスを
加えた後のE10値、ΔαPはパルスを加えた場合のαの変
化率、(α)Aはパルスを加える前のα値、(α)Bはパ
ルスを加えた後のα値である。
第1表において試料番号1、8、9、15、16、22、2
3、28、29及び35はαが2.9以下か、ΔE10Tが良品基準の
−0.50%/℃を超えるか、ΔE10Pが10%より大である
か、またはΔαPが−10%を超えるため、本発明の範囲
外である。
本実施例に示される如くTiO2 98.93〜99.51wt%、BaO
0.1〜0.45wt%、Nb2O5 0.10.5wt%、SiO2 0.01〜0.2wt
%、CaO0.01〜0.2wt%、Al2O3 0.001〜0.15wt%を含有
する試料は、バリスタとして使用することが可能な非直
線係数α3.0〜4.1を有すると共に、温度特性の変化率が
−0.42%/℃以下であり、耐パルス特性の変化率が−8.
8%以下と小さいことが判った。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明の組成物は、バリスタとして
使用することが可能な非直線係数αを有すると共に、温
度特性の変化率、耐パルス特性の変化率が小さく、広範
囲にわたって所望のバリスタ電圧を有するものが得ら
れ、安価で製造することができるうえ、バリスタ素子用
として極めて優れた磁器組成物となりうるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図及び第3図は本発明の適用が可能な相異
なる構造のバリスタ素子の斜視図、第4図は本発明の適
用に係るバリスタ素子のα、E10の温度特性を測定する
ための装置の電気回路図、第5図は本発明の適用に係る
バリスタ素子の耐パルス特性を測定するための装置の電
気回路図である。 1……磁器素体、2……電極、3,31,32……バリスタ素
子、4……直流定電流源、5……電流計、6……電圧
計、7……定電圧源、8……電圧計、9……抵抗、10…
…切換スイッチ、11……コンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮林 進 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 増村 均 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 佐々木 信義 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 坂本 典正 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 沢崎 章 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化チタンTiO2 98.93〜99.51重量%、 酸化バリウムBaO 0.1〜0.45重量%、 五酸化ニオブNb2O5 0.1〜0.5重量%、 二酸化ケイ素SiO2 0.01〜0.2重量%、 酸化カルシウムCaO 0.01〜0.2重量%、 及び、 酸化アルミニウムAl2O3 0.001〜0.15重量%を含有して
    いることを特徴とする電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
JP62110740A 1987-05-08 1987-05-08 電圧非直線性抵抗体磁器組成物 Expired - Fee Related JPH0810646B2 (ja)

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