JPH0810644B2 - 過電流保護部品 - Google Patents
過電流保護部品Info
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- JPH0810644B2 JPH0810644B2 JP19258390A JP19258390A JPH0810644B2 JP H0810644 B2 JPH0810644 B2 JP H0810644B2 JP 19258390 A JP19258390 A JP 19258390A JP 19258390 A JP19258390 A JP 19258390A JP H0810644 B2 JPH0810644 B2 JP H0810644B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、過電流が流れた場合に回路を保護するのに
用いられる過電流保護部品に関し、特に、正特性サーミ
スタ(以下、PTC)素子を用いて構成された過電流保護
部品に関する。
用いられる過電流保護部品に関し、特に、正特性サーミ
スタ(以下、PTC)素子を用いて構成された過電流保護
部品に関する。
電話器関係では、200Vの電圧が印加された際の過電流
保護を行うために、従来、溶断性金属材料よりなるヒュ
ーズやチタン酸バリウム等からなるPTC素子が過電流保
護素子として用いられてきた。
保護を行うために、従来、溶断性金属材料よりなるヒュ
ーズやチタン酸バリウム等からなるPTC素子が過電流保
護素子として用いられてきた。
ところが、最近になり、200Vの電圧だけでなく、600V
の電圧印加時の保護についても規格に追加され、従って
600Vの電圧が印加された際の保護が求められている。
の電圧印加時の保護についても規格に追加され、従って
600Vの電圧が印加された際の保護が求められている。
しかしながら、従来の過電流保護部品のうち、ヒュー
ズでは、600V試験において溶断されて保護動作を果たす
が、200V試験においても同様に溶断する。従って、メン
テナンスが煩雑であるという問題があった。
ズでは、600V試験において溶断されて保護動作を果たす
が、200V試験においても同様に溶断する。従って、メン
テナンスが煩雑であるという問題があった。
他方、チタン酸バリウム系セラミックスを用いたPTC
素子では、200V試験における保護動作は可能であり、動
作終了後、繰り返し使用し得るという大きな利点を有す
る。しかしながら、600Vの電圧を印加した場合には、素
子の破壊が生じ、火災や機器の破損を引き起こすため、
使用することができなかった。
素子では、200V試験における保護動作は可能であり、動
作終了後、繰り返し使用し得るという大きな利点を有す
る。しかしながら、600Vの電圧を印加した場合には、素
子の破壊が生じ、火災や機器の破損を引き起こすため、
使用することができなかった。
従って、600Vの電圧を印加した際にも確実に保護する
ことができ、かつ簡単なメンテナンスで使用することが
可能な過電流保護部品が求められている。
ことができ、かつ簡単なメンテナンスで使用することが
可能な過電流保護部品が求められている。
本発明の目的は、200V電圧印加時には過電流保護を繰
り返し行うことができ、かつ600Vの電圧印加時には確実
に保護動作を行い得る過電流保護部品を提供することに
ある。
り返し行うことができ、かつ600Vの電圧印加時には確実
に保護動作を行い得る過電流保護部品を提供することに
ある。
本発明の過電流保護部品は、PTC素子を用いて構成さ
れている。すなわち、ケース内にPTC素子が収納されて
おり、PTC素子はその両主面に電極が形成されており、
かつ少なくとも一方面の中央領域に溝が形成された構造
を有する。PTC素子の一端近傍には、該PTC素子の一方主
面側の電極にはんだにより第1のリード端子が接合され
ている。同様に、PTC素子の他端近傍において、PTC素子
の他方面側の電極にはんだにより第2のリード端子が接
合されている。第1,第2のリード端子は、共に、ケース
に対して固定されている。
れている。すなわち、ケース内にPTC素子が収納されて
おり、PTC素子はその両主面に電極が形成されており、
かつ少なくとも一方面の中央領域に溝が形成された構造
を有する。PTC素子の一端近傍には、該PTC素子の一方主
面側の電極にはんだにより第1のリード端子が接合され
ている。同様に、PTC素子の他端近傍において、PTC素子
の他方面側の電極にはんだにより第2のリード端子が接
合されている。第1,第2のリード端子は、共に、ケース
に対して固定されている。
従って、PTC素子は、ケースに対して固定された関係
にある第1,第2のリード端子に挟まれた状態で、該第1,
第2のリード端子にはんだにより接合されてケース内に
位置決めされている。
にある第1,第2のリード端子に挟まれた状態で、該第1,
第2のリード端子にはんだにより接合されてケース内に
位置決めされている。
ケースの第1の内壁側からPTC素子の主面の中央領域
と上記第1のリード端子の接合されている部分との間の
上記一方面側の電極部分に至るように第1のばね部材が
延ばされている。第1のばね部材は、PTC素子を第1の
内壁と対向する第2の内壁側に付勢している。同様に、
ケースの第2の内壁側からPTC素子の主面の中央領域と
第2のリード端子の接合されている部分との間の上記他
方面側の電極部分に至るように第2のばね部材が延ばさ
れており、この第2のばね部材はPTC素子を第1の内壁
側に付勢している。
と上記第1のリード端子の接合されている部分との間の
上記一方面側の電極部分に至るように第1のばね部材が
延ばされている。第1のばね部材は、PTC素子を第1の
内壁と対向する第2の内壁側に付勢している。同様に、
ケースの第2の内壁側からPTC素子の主面の中央領域と
第2のリード端子の接合されている部分との間の上記他
方面側の電極部分に至るように第2のばね部材が延ばさ
れており、この第2のばね部材はPTC素子を第1の内壁
側に付勢している。
そして、上記第1,第2のリード端子とPTC素子との接
合に用いられているはんだは、PTC素子の発熱によりTC
素子が破壊に至る温度を第1の温度,PTC素子の発熱温度
を第2の温度としたときに、第1の温度>第2の温度の
関係にある第1,第2の温度の間に融点を有する材料から
構成されている。
合に用いられているはんだは、PTC素子の発熱によりTC
素子が破壊に至る温度を第1の温度,PTC素子の発熱温度
を第2の温度としたときに、第1の温度>第2の温度の
関係にある第1,第2の温度の間に融点を有する材料から
構成されている。
本発明の過電流保護部品では、第1,第2のリード端子
から比較的低電圧の過電流が通電された場合、従来のチ
タン酸バリウムからなるPTC素子と同様に過電流保護素
子として機能する。
から比較的低電圧の過電流が通電された場合、従来のチ
タン酸バリウムからなるPTC素子と同様に過電流保護素
子として機能する。
他方、例えば600Vのような高電圧の過電流が流れた場
合には、以下に示すように第1,第2のばね部材の作用に
より、過電流保護動作が行われる。
合には、以下に示すように第1,第2のばね部材の作用に
より、過電流保護動作が行われる。
まず、過電流の値が小さい場合(1〜4A程度の場
合)、使用するPTC素子が破壊に至る場合の素子温度を
第1の温度,PTC素子の発熱温度を第2の温度とした場合
に、該第1の温度と該第2の温度の間に融点を有するは
んだが用いられているため、PTC素子が破壊に至らない
間にリード端子とPTC素子とを接合しているはんだが溶
融する。その結果、第1,第2のばね部材の押圧付勢力に
より、PTC素子が移動され、第1,第2のリード端子とPTC
素子との電気的な接続が解かれ、第1,第2のリード端子
間が開放状態とされる。
合)、使用するPTC素子が破壊に至る場合の素子温度を
第1の温度,PTC素子の発熱温度を第2の温度とした場合
に、該第1の温度と該第2の温度の間に融点を有するは
んだが用いられているため、PTC素子が破壊に至らない
間にリード端子とPTC素子とを接合しているはんだが溶
融する。その結果、第1,第2のばね部材の押圧付勢力に
より、PTC素子が移動され、第1,第2のリード端子とPTC
素子との電気的な接続が解かれ、第1,第2のリード端子
間が開放状態とされる。
他方、突入印加電流が大きい場合には、PTC素子の発
熱は急激に生じる。その結果、PTC素子内外で温度差が
生じ、上記はんだの溶融前に素子が破壊する。しかしな
がら、本発明のPTC素子では、素子中央領域に溝が形成
されている。しかも、PTC素子の溝を挟んだ両側におい
て異なる主面側から第1,第2のばね部材がPTC素子を付
勢するように配置されている。従って、PTC素子はこの
上記溝が形成されている部分で分断されることになり、
それによって第1,第2のリード端子間が開放状態とされ
る。
熱は急激に生じる。その結果、PTC素子内外で温度差が
生じ、上記はんだの溶融前に素子が破壊する。しかしな
がら、本発明のPTC素子では、素子中央領域に溝が形成
されている。しかも、PTC素子の溝を挟んだ両側におい
て異なる主面側から第1,第2のばね部材がPTC素子を付
勢するように配置されている。従って、PTC素子はこの
上記溝が形成されている部分で分断されることになり、
それによって第1,第2のリード端子間が開放状態とされ
る。
すなわち、本発明の過電流保護部品は、200Vのような
比較的低電圧が印加された場合には、従来のPTC素子と
同様の過電流保護素子として機能し、600Vのような比較
的高電圧が印加された場合には、回路を開放状態として
過電流保護動作を行う。
比較的低電圧が印加された場合には、従来のPTC素子と
同様の過電流保護素子として機能し、600Vのような比較
的高電圧が印加された場合には、回路を開放状態として
過電流保護動作を行う。
第1図及び第2図に、本発明の一実施例にかかる過電
流保護部品の平面断面図及び正面図を示す。
流保護部品の平面断面図及び正面図を示す。
過電流保護部品1は、プラスチック等の絶縁性材料よ
りなるケース2内にPTC素子3を収納した構造を有す
る。
りなるケース2内にPTC素子3を収納した構造を有す
る。
PTC素子3は、第3図に斜視図で示すように、チタン
酸バリウム等の正特性サーミスタとして機能する材料よ
りなる板状のPTC素体4の両主面に電極5a,5bを形成した
構造を有する。なお、PTC素子3の両主面中央領域に
は、断面V字状の溝6a,6bが形成されている。溝6a,6b
は、後述するように高電圧が印加され、かつPTC素子3
が破壊される場合に、PTC素子3が分断する部分を該溝6
a,6bが設けられている部分とするために設けられてい
る。溝6a,6bの断面形状は、図示のV字状のものに限ら
ず、U字状等の適宜の形状としてもよい。
酸バリウム等の正特性サーミスタとして機能する材料よ
りなる板状のPTC素体4の両主面に電極5a,5bを形成した
構造を有する。なお、PTC素子3の両主面中央領域に
は、断面V字状の溝6a,6bが形成されている。溝6a,6b
は、後述するように高電圧が印加され、かつPTC素子3
が破壊される場合に、PTC素子3が分断する部分を該溝6
a,6bが設けられている部分とするために設けられてい
る。溝6a,6bの断面形状は、図示のV字状のものに限ら
ず、U字状等の適宜の形状としてもよい。
なお、電極5a,5bは、それぞれ、上記溝6a,6b内にも至
るように形成されている。
るように形成されている。
第3図に示すように、PTC素子3の両主面に電極5a,5b
が、それぞれ、第1,第2のリード端子7a,7bがはんだ8
により接合されている。第1のリード端子7aは、PTC素
子3の一方主面側において該PTC素子の一端近傍に接合
されている。他方、第2のリード端子7bは、PTC素子3
の他端側において他方主面上の電極に接合されている。
が、それぞれ、第1,第2のリード端子7a,7bがはんだ8
により接合されている。第1のリード端子7aは、PTC素
子3の一方主面側において該PTC素子の一端近傍に接合
されている。他方、第2のリード端子7bは、PTC素子3
の他端側において他方主面上の電極に接合されている。
第1図及び第2図に戻り、第1,第2のリード端子7a,7
bは、共にケース2の下方に引き出されているが、該ケ
ース2に対して固定されている。従って、PTC素子3
は、第1,第2のリード端子7a,7bにはんだ8により接合
されることにより、ケース2内に固定されている。
bは、共にケース2の下方に引き出されているが、該ケ
ース2に対して固定されている。従って、PTC素子3
は、第1,第2のリード端子7a,7bにはんだ8により接合
されることにより、ケース2内に固定されている。
他方、ケース2の第1の内壁2aと、PTC素子3の一方
主面側の電極5aとの間には、第1のばね部材9aが配置さ
れている。すなわち、第1のばね部材9aは、第1の内壁
2a側に幅の広い取り付け部91を有し、この取り付け部91
は、第1の内壁2aから内側に突出形成された一対の突出
部2c,2dと第1の内壁2aとの間の隙間に係合された状態
で収納されている。第1のばね部材9aは、この第1の内
壁2aからPTC素子3の主面中央領域と第1のリード端子7
aとの間の電極5aの部分に至るように配置されており、
かつPTC素子3を第2の内壁2b側に付勢するように設け
られている。
主面側の電極5aとの間には、第1のばね部材9aが配置さ
れている。すなわち、第1のばね部材9aは、第1の内壁
2a側に幅の広い取り付け部91を有し、この取り付け部91
は、第1の内壁2aから内側に突出形成された一対の突出
部2c,2dと第1の内壁2aとの間の隙間に係合された状態
で収納されている。第1のばね部材9aは、この第1の内
壁2aからPTC素子3の主面中央領域と第1のリード端子7
aとの間の電極5aの部分に至るように配置されており、
かつPTC素子3を第2の内壁2b側に付勢するように設け
られている。
同様に、第1の内壁と対向している第2の内壁2b側に
は、第2のばね部材9bが配置されている。第2のばね部
材9bは、PTC素子の主面中央領域と第2のリード端子と
の間の他方主面側の電極5bの部分に至るように延ばされ
ており、かつPTC素子3を第1の内壁2a側に付勢するよ
うに配置されている。
は、第2のばね部材9bが配置されている。第2のばね部
材9bは、PTC素子の主面中央領域と第2のリード端子と
の間の他方主面側の電極5bの部分に至るように延ばされ
ており、かつPTC素子3を第1の内壁2a側に付勢するよ
うに配置されている。
なお、上記はんだ8は、PTC素子3に200Vの電流を通
電した場合の発熱温度と、600Vの電圧を印加し発熱によ
りPTC素子が破壊に至る温度との間に融点を有する材料
で構成されている。この200V通電時の発熱温度及び600V
通電時の発熱によりPTC素子が破壊に至る温度は、PTC素
子3を構成する材料及びPTC素子の形状等により変動す
るため、一義的には決定され得ない。また、本実施例の
過電流保護部品は、200Vの電圧が印加された場合に過電
流保護素子として機能し、600Vが印加された場合には両
端子7a,7b間を開放状態とするように機能させるもので
あるため、上記はんだ8の融点が200V印加時の発熱温度
と600V印加時の発熱温度との間に設定されているが、20
0V及び600Vの組合わせ以外の他の2種の電圧が印加され
た場合に同様に機能させることも可能である。従って、
本発明においては、はんだの融点は、PTC素子としての
過電流保護動作を行わさせる場合のPTC素子の発熱温度
(第2の温度)と、PTC素子が発熱によりPTC素子が破壊
に至る温度(第1の温度)との間の融点を有するものが
選択される。
電した場合の発熱温度と、600Vの電圧を印加し発熱によ
りPTC素子が破壊に至る温度との間に融点を有する材料
で構成されている。この200V通電時の発熱温度及び600V
通電時の発熱によりPTC素子が破壊に至る温度は、PTC素
子3を構成する材料及びPTC素子の形状等により変動す
るため、一義的には決定され得ない。また、本実施例の
過電流保護部品は、200Vの電圧が印加された場合に過電
流保護素子として機能し、600Vが印加された場合には両
端子7a,7b間を開放状態とするように機能させるもので
あるため、上記はんだ8の融点が200V印加時の発熱温度
と600V印加時の発熱温度との間に設定されているが、20
0V及び600Vの組合わせ以外の他の2種の電圧が印加され
た場合に同様に機能させることも可能である。従って、
本発明においては、はんだの融点は、PTC素子としての
過電流保護動作を行わさせる場合のPTC素子の発熱温度
(第2の温度)と、PTC素子が発熱によりPTC素子が破壊
に至る温度(第1の温度)との間の融点を有するものが
選択される。
次に、上記実施例の過電流保護部品の動作を説明す
る。
る。
200Vの電圧が印加された場合の回路保護動作 200Vの電圧の突入電流が通電された場合、PTC素子3
は、従来の電話器関係で用いられているPTC素子と同様
に動作し、回路保護動作を果たす。すなわち、突入電流
の通電によりPTC素子3が発熱し、保護動作を行う。
は、従来の電話器関係で用いられているPTC素子と同様
に動作し、回路保護動作を果たす。すなわち、突入電流
の通電によりPTC素子3が発熱し、保護動作を行う。
600Vの突入電流が印加された場合の保護動作 600Vの電圧の突入電流が通電された場合、この電流値
が小さい場合(1〜4A程度)と、大きい場合(最大40A
程度までの電流値)で動作が異なる。
が小さい場合(1〜4A程度)と、大きい場合(最大40A
程度までの電流値)で動作が異なる。
まず、突入印加時の電流が小さい場合には、PTC素子
3の発熱にある程度の時間を要し、素子全体が発熱す
る。この素子発熱温度が一定温度を超えると、抵抗が減
少するようになり、発熱量がさらに増加する。この場
合、はんだ8がPTC素子3の破壊に至る発熱温度よりも
低い融点を有するため、はんだ8が溶融する。その結
果、第4図に断面図で示すように、第1,第2のばね部材
9a,9bの付勢力によりPTC素子3が第1,第2のリード端子
7a,7bから分離される。従って、第1,第2のリード端子7
a,7b間が開放状態とされる。
3の発熱にある程度の時間を要し、素子全体が発熱す
る。この素子発熱温度が一定温度を超えると、抵抗が減
少するようになり、発熱量がさらに増加する。この場
合、はんだ8がPTC素子3の破壊に至る発熱温度よりも
低い融点を有するため、はんだ8が溶融する。その結
果、第4図に断面図で示すように、第1,第2のばね部材
9a,9bの付勢力によりPTC素子3が第1,第2のリード端子
7a,7bから分離される。従って、第1,第2のリード端子7
a,7b間が開放状態とされる。
これに対して、突入印加電流が大きい値の場合には、
PTC素子3の発熱は急激に生じ、素子内外で温度差が生
じ、はんだ8の溶融前にPTC素子3の破壊が生じる。し
かしながら、本実施例の構造では、PTC素子両主面中央
に溝6a,6bが形成されており、さらに第1,第2のばね部
材9a,9bによりPTC素子3が付勢されているため、破壊は
溝6a,6b間で生じ、第5図に示すようにPTC素子3が分断
される。その結果、第1,第2のリード端子7a,7b間が開
放状態とされる。
PTC素子3の発熱は急激に生じ、素子内外で温度差が生
じ、はんだ8の溶融前にPTC素子3の破壊が生じる。し
かしながら、本実施例の構造では、PTC素子両主面中央
に溝6a,6bが形成されており、さらに第1,第2のばね部
材9a,9bによりPTC素子3が付勢されているため、破壊は
溝6a,6b間で生じ、第5図に示すようにPTC素子3が分断
される。その結果、第1,第2のリード端子7a,7b間が開
放状態とされる。
上記のように、本実施例の過電流保護部品では、600V
の過電流が通電された場合には、意図的に予め選択した
部分でPTC素子3を破壊し、それによって第1,第2のリ
ード端子7a,7b間が開放状態とされて回路保護動作を果
たす。よって、素子の破壊による火災等が生じる前にPT
C素子3が分断されるため、従来のヒューズ素子と同様
に安全に回路保護を行う。
の過電流が通電された場合には、意図的に予め選択した
部分でPTC素子3を破壊し、それによって第1,第2のリ
ード端子7a,7b間が開放状態とされて回路保護動作を果
たす。よって、素子の破壊による火災等が生じる前にPT
C素子3が分断されるため、従来のヒューズ素子と同様
に安全に回路保護を行う。
次に、具体的な実験例につき説明する。
BaTiO3系セラミックスからなる幅5mm、長さ16mm及び
厚み2.0mmのPTC素体4を用意し、両主面中央領域に長さ
0.2mmの断面V字状の溝6a,6bを形成し、さらに両主面に
Ag電極を形成した。次に、4/6共晶はんだ(JISZ3202に
おいてH60Aとされているはんだ)を用いて0.8mm径のCu
線を第1,第2のリード端子7a,7bとして接合し、第3図
に示す状態とした。次に、第1図に示すように、上記PT
C素子をケース2に封入し、第1,第2のばね部材をケー
ス2の上方から挿入して、第1図に示す過電流保護部品
1を得た。
厚み2.0mmのPTC素体4を用意し、両主面中央領域に長さ
0.2mmの断面V字状の溝6a,6bを形成し、さらに両主面に
Ag電極を形成した。次に、4/6共晶はんだ(JISZ3202に
おいてH60Aとされているはんだ)を用いて0.8mm径のCu
線を第1,第2のリード端子7a,7bとして接合し、第3図
に示す状態とした。次に、第1図に示すように、上記PT
C素子をケース2に封入し、第1,第2のばね部材をケー
ス2の上方から挿入して、第1図に示す過電流保護部品
1を得た。
上記過電流保護部品1に、AC200V・4Aの電流を通電し
たところ、PTC素子3の温度は150℃となり、正常に保護
動作が行われた。
たところ、PTC素子3の温度は150℃となり、正常に保護
動作が行われた。
次に、AC600V・4Aの電流を通電したところ、PTC素子
3の破壊に至る前にはんだ8が溶融し、第3図に示す状
態が実現され、第1,第2のリード端子7a,7b間が開放状
態とされた。
3の破壊に至る前にはんだ8が溶融し、第3図に示す状
態が実現され、第1,第2のリード端子7a,7b間が開放状
態とされた。
また、AC600V・10Aの電流を通電した場合には、はん
だ8の溶融による開放状態と、PTC素子3の溝6a,6b部分
間の分断の両方の現象が生じたが、何れの場合において
も第1,第2のリード端子7a,7b間が開放状態となった。
だ8の溶融による開放状態と、PTC素子3の溝6a,6b部分
間の分断の両方の現象が生じたが、何れの場合において
も第1,第2のリード端子7a,7b間が開放状態となった。
AC600V・40Aの電流を通電した場合には、はんだ8の
溶融に先立って、素子の破壊が生じ、溝6a,6b間でPTC素
子3が分断し、第4図に示すように第1,第2のリード端
子7a,7b間が開放状態となった。
溶融に先立って、素子の破壊が生じ、溝6a,6b間でPTC素
子3が分断し、第4図に示すように第1,第2のリード端
子7a,7b間が開放状態となった。
以上の結果から明らかなように、本実施例の過電流保
護部品では、600V印加時の電流条件が異なっている場合
であっても、安全にヒューズ機能を果たすことが可能と
されている。
護部品では、600V印加時の電流条件が異なっている場合
であっても、安全にヒューズ機能を果たすことが可能と
されている。
なお、上記実施例では、PTC素子3が意図的に分断状
態とするために、PTC素子の両主面に溝6a,6bが設けられ
ていたが、該溝は一方主面側においてのみ形成されてい
てもよい。
態とするために、PTC素子の両主面に溝6a,6bが設けられ
ていたが、該溝は一方主面側においてのみ形成されてい
てもよい。
〔発明の効果〕 本発明によれば、200V印加時のようにPTC素子本来の
回路保護動作を行わせる場合には、PTC素子の該回路保
護動作特性を利用して回路を保護することができ、従っ
て繰り返し使用することができる。すなわち、煩雑なメ
ンテナンスの必要がない。
回路保護動作を行わせる場合には、PTC素子の該回路保
護動作特性を利用して回路を保護することができ、従っ
て繰り返し使用することができる。すなわち、煩雑なメ
ンテナンスの必要がない。
他方、600V印加時のように比較的高電圧の突入電流が
通電された場合には、PTC素子が中央領域に形成された
溝の部分で意図的に分断されるため、第1,第2のリード
端子間が確実に開放状態とされる。すなわち、ヒューズ
素子と同様に安全に回路保護動作を果たす。
通電された場合には、PTC素子が中央領域に形成された
溝の部分で意図的に分断されるため、第1,第2のリード
端子間が確実に開放状態とされる。すなわち、ヒューズ
素子と同様に安全に回路保護動作を果たす。
よって、本発明によれば、例えば200Vの過電流保護だ
けでなく、600Vの過電流保護も要求される電話器関係の
規格のように、比較的低電圧印加時及び高電圧印加時の
双方において回路保護動作が要求される用途に最適な過
電流保護部品を提供することが可能となる。
けでなく、600Vの過電流保護も要求される電話器関係の
規格のように、比較的低電圧印加時及び高電圧印加時の
双方において回路保護動作が要求される用途に最適な過
電流保護部品を提供することが可能となる。
第1図は本発明の一実施例にかかる過電流保護部品の平
面断面図、第2図は第1図実施例の正面図、第3図はPT
C素子に第1,第2のリード端子を接合した状態を示す斜
視図、第4図ははんだが溶融してPTC素子が第1,第2の
ばね部材により移動された状態を示す平面断面図、第5
図はPTC素子が破壊し分断された状態を示す平面断面図
である。 図において、1は過電流保護部品、2はケース、2aは第
1の内壁、2bは第2の内壁、3はPTC素子、4はPTC素
体、5a,5bは電極、6a,6bは溝、7a,7bは第1,第2のリー
ド端子、8ははんだ、9a,9bは第1,第2のばね部材を示
す。
面断面図、第2図は第1図実施例の正面図、第3図はPT
C素子に第1,第2のリード端子を接合した状態を示す斜
視図、第4図ははんだが溶融してPTC素子が第1,第2の
ばね部材により移動された状態を示す平面断面図、第5
図はPTC素子が破壊し分断された状態を示す平面断面図
である。 図において、1は過電流保護部品、2はケース、2aは第
1の内壁、2bは第2の内壁、3はPTC素子、4はPTC素
体、5a,5bは電極、6a,6bは溝、7a,7bは第1,第2のリー
ド端子、8ははんだ、9a,9bは第1,第2のばね部材を示
す。
Claims (1)
- 【請求項1】ケースと、 前記ケース内に収納されており、両主面に電極が形成さ
れており、かつ少なくとも一方主面の中央領域に溝が形
成されたPTC素子と、 前記PTC素子の一端近傍において該PTC素子の一方面側の
電極にはんだにより接合されており、かつケースに対し
て固定された第1のリード端子と、PTC素子の他端近傍
においてPTC素子の他方面側の電極にはんだにより接合
されており、かつケースに対して固定された第2のリー
ド端子と、 前記ケースの第1の内壁側からPTC素子の主面の中央領
域と前記第1のリード端子との間の前記一方面側の電極
部分に至るように延ばされており、かつPTC素子を第1
の内壁と対向する第2の内壁側に付勢している第1のば
ね部材と、 前記ケースの第2の内壁側からPTC素子の主面中央領域
と前記第2のリード端子との間の他方面側の電極部分に
至るように延ばされており、かつPTC素子を第1の内壁
側に付勢している第2のばね部材とを備え、 前記はんだが、PTC素子の発熱によりPTC素子が破壊に至
る温度を第1の温度,PTC素子の発熱温度を第2の温度と
したときに、第1の温度>第2の温度の関係にある第1,
第2の温度の間に融点を有する材料からなることを特徴
とする、過電流保護部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19258390A JPH0810644B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | 過電流保護部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19258390A JPH0810644B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | 過電流保護部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0478102A JPH0478102A (ja) | 1992-03-12 |
JPH0810644B2 true JPH0810644B2 (ja) | 1996-01-31 |
Family
ID=16293699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19258390A Expired - Fee Related JPH0810644B2 (ja) | 1990-07-19 | 1990-07-19 | 過電流保護部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0810644B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2906995A (en) * | 1994-06-22 | 1996-01-15 | Littelfuse, Inc. | Improved dual element circuit protection device |
KR100231796B1 (ko) | 1995-11-07 | 1999-12-01 | 무라타 야스타카 | 고장시에 내부 소자의 파괴를 줄이는 전자 장치 |
US5907272A (en) * | 1996-01-22 | 1999-05-25 | Littelfuse, Inc. | Surface mountable electrical device comprising a PTC element and a fusible link |
JPH10149906A (ja) * | 1996-09-20 | 1998-06-02 | Tdk Corp | Ptc素子保持構造 |
-
1990
- 1990-07-19 JP JP19258390A patent/JPH0810644B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0478102A (ja) | 1992-03-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |