JPH0810638B2 - 荷電粒子加速器 - Google Patents

荷電粒子加速器

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JPH0810638B2
JPH0810638B2 JP3116174A JP11617491A JPH0810638B2 JP H0810638 B2 JPH0810638 B2 JP H0810638B2 JP 3116174 A JP3116174 A JP 3116174A JP 11617491 A JP11617491 A JP 11617491A JP H0810638 B2 JPH0810638 B2 JP H0810638B2
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浩司 井上
豊 川田
清隆 石橋
行人 古川
明 小林
卓也 日下
敏司 鈴木
哲夫 徳村
充夫 寺田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,荷電粒子加速器に係
り,詳しくは半導体プロセス技術,医療,バイオ等にお
ける高エネルギー荷電粒子ビームを用いた物性,組成分
析,表面改質,イオン注入等に利用するところのRFQ
( Radio Frequency Quadrupole )型荷電粒子加速器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,半導体製造プロセスにおいて,I
Cの平面的高集積化及び多層化が進められ,当該ICの
プロセス研究としてICに係る原子分布の分析がラザフ
ォード後方散乱法を用いてなされている。一方,材料の
表面処理プロセスとして,前記半導体プロセスを適用
し,耐磨耗性,耐蝕性等の特殊機能を材料表面層に付与
することが注目されている。また,従来の分析精度をは
るかに越えたppbオーダーの微量分析手法として粒子
励起X線法が開発されている上記のようにプロセス若し
くは分析手法には,いずれもイオンビーム(荷電粒子)
が利用されている。そして,前記分子分布の深さ方向の
解析精度及び分析精度を,更に向上させるため,上記イ
オンビームの高エネルギー化が嘱望されている。このよ
うな背景に鑑みて,上記のような高エネルギーのイオン
ビームを得るために,高周波電場を利用した線形加速器
が適用されている。とりわけイオンの輸送効率を上げる
ために,4個のベイン電極(四重極電極)からなり,該
ベイン電極を収容する真空容器(筒状の筐体)自身が,
共振回路に係るエネルギー損失の逆数となるQ値の高値
を持つ,共振空洞を兼ねた高周波四重極型( Radio Fre
quency Quad-repole )の加速器(以下RFQと言う)が
開発されている。従来の上記RFQの概略構造を図1
に,その電極構造を図1に示す。即ち,筒状の筐体5
の内部の中心軸方向に四重極電極を構成する電極1,
2,3,4が配設されており,該四重極電極1,2,
3,4の向き合ったそれぞれの面が凹凸状に波打って形
成されている。その位置関係を断面図で示したのが図1
(a),(b) である。即ち, 互いに向かい合った電極では
凹凸形状が同位相に形成されており(図1(a)参
照),互いに隣合う電極では凹凸形状が逆位相に形成さ
れている(図1(b) 参照)。そして,上記筐体5内部
に形成される空洞に図1に示すように,ループ型カプ
ラ11にて所定の周波数の高周波電圧を印加すると,同
図に示すようなTE210 モードの共振周波数が励起され
る。この時,互いに向かい合った電極には,同電位,互
いに隣合った電極には逆電位が発生する。このため,図
では省略されているが,4つの電極1,2,3,4が向
かい合う軸付近では,基本的には四重極電場が発生す
る。尚,同図において,9は電場,10は磁場をそれぞ
れ表す。上記のような四重極電場において,電極1,
2,3,4の軸方向に関する上記凹凸構造が及ぼす影響
について,図1(a),(b) に基づいて説明する。尚,同
図(a) は垂直断面に相当し,同図(b) は水平断面に相当
する。
【0003】例えば上記TE210 モードでは,電極1,
3がプラスの時,電極2,4はマイナスであり,前者が
マイナスのとき,後者はプラスとなる。このような条件
に加えて電極1,2,3,4の凹凸形状が水平,垂直方
向に関して180°ずれて形成されていることから,例
えば電極1,3がプラス,電極2,4がマイナスの時,
中心軸上に軸方向の電界が生じることとなる。矢印6,
7,8はその電界の方向を示す。上記電極1,2,3,
4にかかる電圧極性が逆になった時は,この電界の方向
も逆になる。そして,例えば同図における左方向から中
心軸に沿ってこの電極構造の中に入ってきたイオンが常
に左右方向への加速電界を受けるような速度及び位相を
持つと,電極1,2,3,4の凹凸形状の部分を通過す
る毎に加速され,単調にエネルギーが増加される。他
方,最初に減速を受けるような位相に入ってきたイオン
も次の加速電界の時に,後続の粒子の中に除々にバンチ
ングされていき,後は単調に加速されていく。上記のよ
うにRFQでは,どのような位相で入ってくるイオンも
最終的にバンチングされ,有効に加速される。また,軸
に直交する平面に存在する強い高周波四重極電場によっ
て,垂直,水平方向には強い集束力が生じているため,
非常に高い透過率でイオンを加速させることできる。実
際には,イオンの速度増加,バンチング状況に合わせ
て,凹凸形状の周期,電極間隔を除々に変化させた電極
を設計することによって初めて100パーセント近い輸
送効率を得ることができる。
【0004】ところで,上記のようなRFQでは,加速
管は電極1,2,3,4と共に高周波の共振空洞器を形
成していて,その共振周波数(TE210 モード)はその
幾何学的な寸法で決まってしまい,大きくその共振周波
数を変化させることは不可能である。構造上のこの事実
から発生するRFQの問題点を以下に説明する。一般
に,高周波を利用した加速器では,イオンの走行と加速
電場の変化を同期させて加速を行うので,与えられたイ
オン種(e/m)に対して,入射イオン速度がきまると
加速周波数と電極凹凸の周期との間にはひとつの同期条
件が存在し,ある長さの加速管で得られる最終加速エネ
ルギーはイオン種にそれぞれ固有の値となる。実用的な
長さ,投入電力で限ると,通常,電極凹凸の周期は数m
m〜数cm程度に選ばれる。このように設定されたもの
が,上述であげた陽子(H+)用RFQであり,長さ約
1.5m,直径0.5mの装置で,約100MHz の共振
周波数となる。さて,もし,H+ を1MeV まで加速する
RFQを用いて,別のイオン,例えば半導体のドーパン
ト元素であるAs+ を同期加速すると,イオンのエネル
ギーはeV=1/2mv2 (eはイオン電荷,Vはイオ
ン加速電圧,mはイオン質量,vはイオンスピード)で
あるから,最終エネルギーは75MeV (質量比)となっ
てしまい,もちろんこのような高勾配加速電場を生じさ
せる電力を投入することは不可能である。では,視点を
転じてAs+ 専用の1MeV 加速器をRFQで作ること
を考えると,周波数はそのままで全長を1/75にする
か,長さはそのままで共鳴周波数を1/75に低くする
方法が考えられる。前者の場合には,全長とともに電極
凹凸の周期を縮小しなければならなくなり,加工の問題
はもちろん,有効な加速電場を得るこためには電極間隔
(ボーア直径)も小さくせざるを得ず,入射イオンビー
ムのアクセプタンスも小さくなり,実用的でない。ま
た,後者にしても,図1と同じ構造でこのように低い
共振周波数を得るためには,加速管直径を75倍にしな
ければならず,工業的に非現実的である。
【0005】結局,原型のRFQのままでは,産業利用
を目的とした重イオンの加速器として装置化することは
幾何学的に不可能である。そこで,上記した産業に利用
し得るように任意のイオン種で任意のエネルギーを得る
ためには,上記加速周波数を可変にしなければならな
い。しかしながら,筐体5自体が共振空洞を兼ねている
RFQでは,その共振周波数が筐体5の幾何学形状によ
って一意的に決定され,任意に設定変更することはでき
ない。そこで,前記したようRFQに可変コンデンサ
及びインダクタからなる共振回路を外部に付設し,筐体
内の電極に高周波電圧を供給して任意のイオン種を任意
のエネルギーに加速し得る機能を備えた加速器が提案さ
れているこのような加速器としては,例えば図18に示
すようなものが挙げられる。この加速器は,第36回応
用物理学関係連合講演会の講演予稿集(第2分冊,第5
54頁,春期,平成元年)に開示されている。即ち,同
図に示す如く,四重極電極12の外部に付設された外部
共振回路13は,銅製である円筒形状のワンターンコイ
ル14に真空可変コンデンサ15を2本並列に接続する
ことにより形成さている。そして,高周波電力は,同軸
コネクタ16を通して結合コイル17に導入され,上記
ワンターンコイル14と磁気的に結合する。そして,上
記真空可変コンデンサ15の両端は,上記四重極電極1
2に接続され,イオンの加速に寄与するようになしてい
る。また,上記とは別に,実用サイズの装置で重いイオ
ン種を加速するために低い共振数を得る装置がある。例
えば,図19(a),(b) に示す荷電粒子加速器は,加速管
をTM010 モードで励振し,空洞80の両端の端板8
1,82から,それぞれ2本の梁83,84を互いに対
向する端板81または82に向けて突出させ,中心軸周
囲で近接させて静電容量Cを得,四重極電極を構成する
各加速電極85は同図(b) に示すように前記各梁83,
83,84,84に電気的接続を保ち,中心軸に向けて
固定設置されている。このTM010 モードでは磁束線8
7は中心軸を周回するように分布するため,加速管長を
長くすることによってインダクタLを大きくすることが
できるで,共振周波数fを低くすることを可能としてい
る。さらに,図2(a),(b) に示すものは,空洞を構成
する対向面から中心軸に直交する平板電極90を交互に
突出させ,中心軸周囲で積層構成することによって比較
的大きな静電容量Cを得て,低い共振周波数で励振でき
るよう構成されている。この場合の共振モードはTE
110 様モードで同図(b) に示すように磁束線92は平板
電極90と空洞壁94に囲まれた空間を中心軸と平行に
発生し,表面電流93は中心軸に直交する方向で,磁束
線92を囲むように片側の平板電極90から空洞壁94
を経由して反対側への平板電極90へと流れる。加速電
極91は,平行電極90の中心軸位置の開口部を中心軸
と平行に,それぞれ2本の対向対を2組配置して,各2
本の対向対の加速電極91は1枚とばしに平板電極90
に電気的接続させ,それぞれが違う平板電極90に接続
される。この構造では,表面電流が最短距離をとるた
め,その純抵抗成分Rは最小となり,高いQ値が期待で
きる。ちなみにQ値は,Q=2πfL/Rで表される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記図18に示した第
1の従来例のごとく外部共振回路13を具備した加速器
においては,上記外部共振回路13から四重極電極12
へ電力を供給するためのケーブルには無視できない浮遊
インダクタンス,浮遊容量が生じ,このケーブル部分で
のロスによりQ値の低下を招いてしまう。具体的には,
共振周波数を低くするためには,共振回路のコイル半径
を大きくするか,コンデンサの容量を上げる必要がある
が,いずれにしても細長いRFQ電極とは幾何形状/サ
イズがますます異なり,かなりの距離をケーブル配線し
なければならない。もし,空中配線すると,外部じょう
乱を受けやすく,不安定な装置となるし,同軸ケーブル
的な構造にすると,そこでの浮遊容量が甚だ大きくなっ
てしまう。他方,加速空洞(筐体)のインダクタンス成
分を大きくするために,内部にコイル状の付加電極を設
けたり,四重極電極の先端部を支える支柱部をコイル形
状に変形することが考えられるが,加速空洞の直径のわ
りには低い共振周波数が得られることは事実としても,
コイル部分の表面電流パスが長くなり,その抵抗増加に
よってやはりQ値の低下を招くこととなる。また,図
(a),(b) に示した第2の従来例の場合,次のような問
題点がある。
【0007】1.空洞表面に誘導される表面電流86
は,端板81,82を経由して加速電極85に流れる経
路をとるが,組立て,保守の観点から端板81,82と
円筒空洞との間の電気的接続を完全にすることが難し
く,この不完全性からQ値の低下および接触不良部分で
の発熱を招きやすい。 2.4本の梁83,83,84,84は,2本ずつ両端
の端板81または82から片持ち状態で支持されている
ため,加速管80が長くなればなるほど,梁83,84
に取付けられる電極85の相互位置を精度よく固定する
ことが困難である。 3.共振モードによって誘導される表面電流86は,加
速電極85および梁83,84上を流れ,中心軸に沿っ
た方向に電圧勾配が生じるので,理想的なRFQ電場が
得られない。さらに,図2(a),(b) に示した第3の従
来例の場合には,次のような問題点がある。 1.4本の加速電極91を,空洞内の平板電極90の開
口部に精度よく固定し,さらに各平板電極90に完全な
電気的接続を確保することは,現実的に非常に困難であ
る。 2.共振周波数を低くするために,平板電極90の面積
を広げ静電容量を大きくとると,磁束線92の通る領域
を減少させることになり,結局Q値の低下を招く。 3.平板電極90と空洞筐体とを一体的構成した積層構
造とするとき,その制作,組立てが困難で高価な装置と
なる。本発明は,上記のごとき従来の問題点に鑑みてな
されたもので,共振回路の構造と共に,該共振回路と四
重極電極との接続構造を工夫することにより,Q値の低
下を招くことなく,任意の種類の荷電粒子を任意のエネ
ルギーに加速すると共に,低い周波数での共振を可能に
する静電容量とインダクタンスを確保して高いQ値を得
る荷電粒子加速器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明が採用する第1の手段は,その要旨とすると
ころが,筒状の筐体内部の中心軸方向に配設された四重
極電極にコンデンサ及びインダクタを具備してなる共振
回路より所定の電位を供給し,任意の種類の荷電粒子を
上記四重極電極間を通過させて任意のエネルギーに加速
することのできる荷電粒子加速器において,上記筐体内
部の上記四重極電極に近接させて重いイオン種を加速す
るのに十分な容量を持つ複数の導電性の金属板を中心軸
に沿い且つ所定の間隔で平行に配置して,この複数の金
属板により上記コンデンサを構成すると共に,上記金属
板を支持する導電性の金属支柱を上記筐体に直結させて
該金属支柱と該筐体とで上記インダクタを構成し,上記
金属板と上記四重極電極とを電気的に直結させた点に係
る荷電粒子加速器である。また,上記目的を達成するた
めに,本発明が採用する第2の手段は,その要旨とする
ところが,筒状の筐体内部の中心軸方向に配設された四
重極電極にコンデンサ及びインダクタを具備してなる共
振回路より所定の電位を供給し,任意の種類の荷電粒子
を上記四重極電極間を通過させて任意のエネルギーに加
速することのできる荷電粒子加速器において,上記筐体
内部の上記四重極電極に近接させて複数の導電性の金属
板を中心軸に沿い且つ所定の間隔にて配置してこの複数
の金属板により上記コンデンサを構成すると共に,上記
金属板を支持する導電性の金属支柱を上記筐体に直結さ
せて該金属支柱と該筐体とで上記インダクタを構成し,
上記金属板と上記四重極電極とを電気的に直結させ,更
に上記金属板を上記筐体の中心軸方向に可変とする位置
調節機構を設けた点に係る荷電粒子加速器である。
【0009】また,上記目的を達成するために,本発明
が採用する第3の手段は,筒状の筐体内部の中心軸方向
に配置された四重極電極にコンデンサ及びインダクタを
具備してなる共振回路より所定の電位を供給し,任意の
種類の荷電粒子を上記四重極電極間を通過させて任意の
エネルギーに加速することのできる荷電粒子加速器にお
いて,上記筐体内壁の対向する両側面から,それぞれ対
向側に向かって延長される平板電極を中心軸に平行に配
置して,該平板電極の側面を互いに所定の間隔で近接さ
せて上記コンデンサを構成すると共に該平板電極を上記
筐体に接続して該平板電極と該筐体とで上記インダクタ
を構成し,上記平板電極と上記四重極電極とを電気的に
直結させたことを特徴とする荷電粒子加速器である。ま
た,上記第3の手段による荷電粒子加速器において,上
記筐体内壁と上記平板電極とを超電導材料で覆い,上記
筐体に冷却手段を設けて超電導化を可能とする。
【0010】
【作用】本発明に係る第1および第2の手段による荷電
粒子加速器においては,互いに対向する平行の複数の金
属板により十分な静電容量が得られるので、共振周波数
の低下を図ることができ、重いイオン種を加速でき、半
導体プロセスの高速化が可能となった。また、複数の金
属板の間隔を適宜に変更することにより,インダクタ及
びコンデンサの各容量が変化され,任意の種類の荷電粒
子を任意のエネルギーに加速することができる。尚この
場合,上記金属板を位置調節機構にて調節するようにす
ると,該金属板の間隔寸法を更に簡便に変更することが
できる。そして,上記構造においては,共振回路を構成
するインダクタ及びコンデンサが四重極電極に近接させ
て配置されている結果、該四重極電極にあたかも直結さ
れたような構造となるため,Q値を高く維持することが
できる。また,本発明に係る第3の手段による荷電粒子
加速器においては,筐体内壁の対向する側面から,それ
ぞれ対向側に派生させた平板電極を中心軸に平行に互い
に近接させて配置することにより,比較的大きな静電容
量が得られると共に,平板電極を中心軸に平行に配置し
たことにより磁束線通過領域を十分に確保できるので,
該平板電極と筐体とでインダクタを構成して,低い周波
数での共振を可能にすることができる。これによって重
いイオンの加速等を行う実用的なサイズの加速器を実現
することができる。上記第3の手段における構成におい
て筐体内壁と平板電極とを,超電導材料で被覆すること
により,表面電流の純抵抗値を下げることができるの
で,Q値を大きくして極めて電力効率の良い加速装置と
することができる。
【0011】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発明
の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,
図1,図2は本発明の第1実施例に係る荷電粒子加速器
の構造を示すものであって,図1は正面図,図2は図1
におけるA−A´矢視断面図,図3は上記荷電粒子加速
器の電気的接続状況を示す概念図,図4は本発明の第2
実施例に係る荷電粒子加速器の構造を示す正面図,図5
は図4におけるB−B´矢視断面図,図6は本発明の第
3実施例に係る荷電粒子加速器の電気的接続状況を示す
概念図,図7は加速空洞内でのTE110 モードの共振周
波数の励起状況を示すものであって,同図(a) は四重極
電極を備えた状態での説明図, 同図(b) は空洞のみの状
態での説明図,図8は本発明の更に他の実施例に係る荷
電粒子加速器の要部の構造を示す側面断面図である。第
1実施例に係る荷電粒子加速器18では,図1,図2及
び図3に示す如く,正断面が例えば矩形形状の筐体19
(加速空洞)の内部であって,その中心軸方向に電極2
1,22,23,24が配設されており,この電極にて
四重極電極が構成されている。上記電極21乃至24の
相対向する面側は,従来のRFQ同様,波型凹凸形状に
形成されている。また,上記筐体19内の各角部には,
電気的抵抗の低減を考慮してRFコンタクト電極27が
それぞれ付設されている。そして,上記各電極21乃至
24は,その各長手方向両端部が絶縁材からなる支柱2
5を介して上記筐体19の内壁に固定されている。
【0012】上記電極21乃至24の周囲の長手方向に
は,該電極21乃至24に近接して,例えば円状の銅
ディスクからなる金属板26a ,26b が交互に所定の
等間隔で平行に配置されている。従って金属板26a,
26bは重いイオン種を加速するに十分な静電容量を有
することになる。尚この場合,金属板26の添字a b
は説明上,便宜的に付したものであって,金属板2
a ,26b は構造的には同一のものである。 そし
て,上記電極21,22は金属板26a ,26a ,…に
RFコンタク電極28を介して電気的に直結され,電極
23,24はRFコンタクト電極29を介して金属板2
b ,26b ,…に電気的に直結されている。更に,金
属板26a は,銅製の支柱30,30,…にて垂直方向
から支持され,上記筐体19に電気的に直結されてい
る。また,上記金属板26b は銅製の支柱31,31,
…によって水平方向から支持されて上記筐体19に電気
的に直結されている。この場合,上記支柱30,31
は,それぞれ上記筐体19の内壁部に加工された蟻溝3
7に沿って中心軸方向へ移動可能に配備されており,支
柱30,30,…及び31,31,…の各隙間には,上
記金属板26a ,26b ,…の間隔を所定の等間隔寸法
にて維持し得るような幅寸法のスペーサ32,33,…
が嵌挿されている。そして,上記支柱30,スペーサ3
2及び支柱31,スペーサ33とはそれぞれボルト34
にて共締めされている。この場合,上記複数の金属板2
a ,26b ,…によりコンデンサが構成され,支柱3
0,筐体19,支柱31により開ループのワンターンコ
イルが構成され,同図中磁束35で示すような例えばT
210 モードの共振周波数を励起(図18参照)させる
ことができる。そして,上記スペーサ32,33の幅寸
法を適宜の値に変更することによりコンデンサ及びイン
ダクタの容量が変化され,任意の種類のイオンビームを
任意のエネルギーに加速することができる。尚,上記共
振周波数は,当該装置における静電容量が大きいことか
ら空洞だけの場合に比べてはるかに低くなるが,上記の
ようにして構成された共振回路と四重極電極とがほぼ直
結された構造となって表面電流パスは殆ど変化しないこ
とから,Q値が損なわれるということはない。
【0013】また,上記構成に係る共振回路では,金属
板26a ,26b 間の静電容量が主として寄与している
ことから,金属板26a ,26b と電極21乃至24と
の間にビームローディング以外ほとんど高周波電流は流
れないので,該電極21乃至24と金属板26a ,26
b は単に接触さえしていればよい。そして,このような
結線構造においては,垂直・水平方向の2組の電極2
1,22,23,24が金属板26a ,26b を介して
同電位に保たれることから,この種のRFQの動作を安
定にさせる例えば図7(b) に示すような電場分布のTE
110 モード共振周波数が抑制される。引き続き,図4,
図5及び図6に基づいて,本発明の第2実施例に係る荷
電粒子加速器36について説明する。尚,当該荷電粒子
加速器36において,前記第1実施例による荷電粒子加
速器18と共通する要素には,同一の符号を使用すると
共に,その詳細な説明は省略する。即ち,第2実施例に
係る荷電粒子加速器36においては,同図に示す如く,
金属板26a ,26b がそれぞれ垂直方向に交互に反対
方向から単一の支柱30,30にて片持支持された構造
となっている。そして,上記金属板26a ,26bから
はその垂直方向にRFコンタクト電極28を介して電極
21,22に電位が印加され,上記金属板26b からは
その水平方向にRFコンタクト電極29(図6参照)を
介して電極23,24に電位が印加される。その結果,
図4において磁束35が分布するようなTE110 モード
(図7参照)を利用したRFQを実現することができ
る。このモードの共振周波数は,通常使用されるTE
210 モードのそれよりは低い値であることから,より小
型の重イオン加速を実現するのに好適である。更に第3
実施例に係る荷電粒子加速器38について,図8に基づ
いて説明する。当該荷電粒子加速器38において,前記
荷電粒子加速器18,36と共通する要素には,同一の
符号を使用すると共にその詳細な説明は省略する。第3
実施例に係る荷電粒子加速器38における特徴点は,金
属板26a ,26 b の各側面に,金属製で円筒状の複数
のフィン構造のツバ39を設け,該金属板26a ,26
b の側面を凹凸形状となしたことである。この場合,上
記各ツバ39は隣接する金属板26a ,26b の各ツバ
39に対して相互に接触しないように配列されている。
【0014】上記のような構造とすることにより,静電
容量を更に増加させることができ,共振周波数を低減さ
せて小型の重イオン用のRFQの実現に寄与し得る。こ
れは,真空コンデンサの構造を利用したものである。
尚,上記のようなフィン構造に代えて,金属板26a
26b の各表面に円環状の複数の溝を刻設してもよい。
更に,当該荷電粒子加速器38においては,金属板26
a ,26b を支持する支柱30,30がそれぞれ筐体1
9の中心軸方向へ移動調整可能に支持されている。即
ち,上記支柱30を支持するブロック40が蟻溝37内
において中心軸方向へ摺動自在に嵌挿されており,同図
において左端に位置するブロック40を除いて他のブロ
ック40にはそれぞれ異なるピッチのメネジ41a ,4
b ,…が刻設されている。そして,この各メネジ41
a ,41b ,…と噛合するオネジ部材43a ,43b
…を備えたシャフト45が嵌挿されている。従って,上
記シャフト45を回転させることにより,上記金属板2
a ,26 b 間の距離は等間隔寸法に可変される。この
場合,上記ブロック40,メネジ41a ,41b ,オネ
ジ部材43a ,43b 及びシャフト45等により,上記
金属板26a ,26b を上記筐体19の中心軸方向に可
変とする位置調整機構46が構成されている。上記構成
に係る荷電粒子加速器38においては,金属板26a
26b の間隔を広げることによって共振周波数を上げる
ことができ,その結果,最終加速エネルギーを任意の値
に極めて簡便に変化させることができる。以上説明した
第1〜第3実施例に係る荷電粒子加速器は上記したよう
に構成されている。そして,上記のような構成とするこ
とにより,以下のような効果を奏する。
【0015】1.従来のRFQと比較して共振周波数の
わりに小型の重イオン加速器を提供することが可能とな
る。これは,金属板26a ,26b ,…によって静電容
量の成分が増大されたことによる。 2.例えば従来のRFQに比べて加速能力が高い。換言
すれば投入電力が少なくて済む。即ち,加速空洞のQ値
が高い。これは,加速空洞の中央部分にコンデンサを構
成した構造であることから,共振モードで生じる筐体部
分の電流パスが最短となり,その純抵抗成分が最小値と
なることによる。 3.従来のRFQと比較してイオンの加速エネルギーを
適宜無段階に可変することができる。これは,金属板2
a ,26b ,…の各間隔寸法を位置調節機構46ある
いはスペーサ32,33によって適宜調節し得ることに
よる。 4.従来のRFQと比較して不整共振モードが生じな
い。これは,対向する四重極電極が金属板26a ,26
b を介して同電位になることから,ビーム軌道を不安定
にするダイポールモードが禁制されることによる。次い
で,本発明の第4実施例及び本実施例を気体レーザ装置
に適用した第5実施例について説明する。図9は縦断面
図,図10は図9のC−C´矢視断面図,図11は図9
のC−C´断面から見た構成を部分的に示す斜視図,図
12は空洞内壁を超電導化した例における横断面図であ
る。図9,図10は共振周波数が約13MHz ,Q値を6
000以上得られる加速装置の具体例で,直径約50c
mの円筒状の空洞本体60の対向する内壁面から,それ
ぞれ2枚の平板電極61,62を中心軸に平行に突出さ
せて,その先端をリング状の加速電極固定具63に固定
する。この加速電極固定具63には,中間電極64,6
5が固定されており,それぞれ対向する平板電極61,
62の間に,間隙5mmを保って挟設される。この平板
電極61,62と中間電極64,65の挟設構造が,図
9に示すように中心軸方向に上下反転しながら繰返し構
成される。従って,平板電極61,62には開口部50
で互いに対向側に入り組む構造で十分な静電容量を得て
いる。
【0016】空洞本体60の端部は導電性フランジ6
6,66で閉じられており,空洞本体60および平板電
極61,62,中間電極64,65の材質を銅で形成し
たとき,前記のように6000以上のQ値が得られ,重
イオン加速に必要な仕様が実用的寸法で得られる。本共
振器の基本モードはTE110 モードで,磁束線68は平
板電極61,62の両側を中心軸方向に貫き,平板電極
61,62は中心軸に平行に配置されるため,空洞断面
積の電極厚および間隙の他の空間は磁束線68に与えら
れるので,最大限のインダクタンスLが確保される。ま
た,空洞内壁を流れる表面電流69は,中心軸に対して
対向する平板電極61,62の間を円筒空洞表面を経由
して流れ,平板電極61,62と空洞本体60内壁の接
続部もRFコンタクト等の金具で完全接続できるので,
純抵抗成分は十分に低くできる。図12は前記加速装置
を超電導化した実施例で前記構成になる加速装置の空洞
本体60の内壁および平板電極61,62の外壁を高温
超電導材料52または高温超電導材料をコーティングし
たプレートで覆って内張りし,空洞本体60の外壁に配
した冷却パイプ53に液体窒素を通して冷却すると共
に,共振空洞全体を円筒状真空容器54内に断熱材であ
るスーパーインシュレータ51で支持固定している。こ
のように超電導化した場合,表面電流49に対する純抵
抗は一気に下り,Q値が10000以上を期待でき,極
めて電力効率のよい加速装置とすることができる。
【0017】上記図〜図1に示した第4実施例に係
る荷電粒子加速器は上記のように構成することにより,
以下のような効果を奏する。 1.空洞の制作・組立てが容易であり,各構成部材の位
置を確実に固定できるので,加速電極47を精度よく配
置することができる。 2.中心軸近傍において積層する平板電極41,42を
奇数枚にすることによって,その間に挟まれた中間電極
44,45の位置精度または不可抗力による変位に対し
て静電容量の変化は,1次のオーダーでは打ち消されて
小さくなるため,組立精度や振動による共振周波数の変
化が十分小さく,安定した動作が得られる。 3.空洞横断面における磁束線の貫く空間を最大限広く
確保できるので,最大のインダクタンスが得られ,また
表面電流経路を最短で,接合部の電気接続も適宜な処理
で確保できるので純抵抗も低く,高いQ値が得られる。
これは投入電力Pが効率よく電極電圧Vに変化されるこ
とを意味し,加速器としての性能が高いことを示してい
る。 4.平板電極41,42は中心軸に平行に配置されるの
で,インダクタンスを損うことなく比較的大きな静電容
量Cが得られる。これは低い周波数での共振が得られ,
即ち,重いイオンの高周波加速を可能にすることを示し
ている。 5.また,空洞内壁に超電導材料または超電導材料をコ
ーティングしたプレート52を内張りすることで,容易
に超電導化を可能とし,さらに電力効率のよい荷電粒子
加速器とすることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る荷電粒子加速器は以上説明
したように構成されているため,共振周波数と四重極電
極とを直結させた構造とすることができる。その結果,
Q値の低下を招くことなく,任意の種類の荷電粒子を任
意のエネルギーに加速するとができる。また,低い周波
数での共振を可能にする静電容量とインダクタンスを構
成する共振器とQ値の高い加速器を構成して重いイオン
の高周波加速を効率よく行うことができ,半導体プロセ
ス・物性・組成の分析等における工業用装置としてて実
用性の高い荷電粒子加速を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る荷電粒子加速器の正
面図。
【図2】 図1におけるA−A´矢視断面図。
【図3】 図2における四重極電極の電気的接続状況を
示す概念図。
【図4】 本発明の他実施例に係る荷電粒子加速器の正
面図。
【図5】 図4におけるB−B´矢視断面図。
【図6】 図5における四重極電極の電気的接続状況を
示す概念図。
【図7】 TE110 モードの共振周波数の励起状況を示
すもので(a) は四重極電極を備えた状態の説明図,(b)
は空洞のみの状態での説明図。
【図8】 本発明のさらに他実施例の要部の構造を示す
側断面図。
【図9】 本発明の別実施例に係る荷電粒子加速器の側
面構成図。
【図10】 図9におけるC−C´矢視断面図。
【図11】 図10におけるC−C´断面部から見た要
部斜視図。
【図12】 空洞内壁を超電導化した荷電粒子加速器の
断面図。
【図13】 従来のRFQイオン加速器の構造で一部を
破断した状態での斜視図。
【図14】 図15における四重極電極の電極構造を示
す模式図。
【図15】 四重極電極の位置関係をその断面で示した
模式図。
【図16】 四重極電極を備えた加速空洞内でのTE
210 モードの共振周波数の励起を示す説明図。
【図17】 電極の凹凸形状の影響を説明するもので,
(a) は垂直断面図,(b)は水平断面図。
【図18】 従来の共振周波数可変イオン加速器の概略
構造を示す斜視図。
【図19】 従来の加速空洞の例を示すもので,(a) は
斜視図,(b)は断面図。
【図20】 従来の加速空洞の例を示すもので,(a) は
斜視図,(b)は断面図。
【符号の説明】
18,36,38…荷電粒子加速器 19…筐体 21,22,23,24…電極 26a ,26b …金属板 30,31…支柱 39…ツバ 40…ブロック 41a ,41b …メネジ 43a ,43b …オネジ部材 45…シャフト 46…位置調節機構 47…四重極電極 52…超電導材料 53…冷却パイプ(冷却手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 行人 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2−3− 1 (72)発明者 小林 明 兵庫県神戸市垂水区福田4丁目6−23 (72)発明者 日下 卓也 兵庫県神戸市西区天王山26−7 (72)発明者 鈴木 敏司 兵庫県神戸市灘区新在家南町2−2−5 (72)発明者 徳村 哲夫 兵庫県神戸市垂水区桃山台6丁目16−12 (72)発明者 寺田 充夫 大阪府藤井寺市林4丁目5−6 (56)参考文献 特開 平2−37700(JP,A) 特開 昭63−502311(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の筐体内部の中心軸方向に配設され
    た四重極電極にコンデンサ及びインダクタを具備してな
    る共振回路より所定の電位を供給し,任意の種類の荷電
    粒子を上記四重極電極間を通過させて任意のエネルギー
    に加速することのできる荷電粒子加速器において,上記
    筐体内部の上記四重極電極に近接させて重いイオン種を
    加速するのに十分な容量を持つ複数の導電性の金属板を
    中心軸に沿い且つ所定の間隔で平行に配置して,この複
    数の金属板により上記コンデンサを構成すると共に,上
    記金属板を支持する導電性の金属支柱を上記筐体に直結
    させて該金属支柱と該筐体とで上記インダクタを構成
    し,上記金属板と上記四重極電極とを電気的に直結させ
    たことを特徴とする荷電粒子加速器。
  2. 【請求項2】 上記金属板を支持する金属支柱を交互に
    上記筐体内部における反対側の部位に直結させてTE
    110 モードに相当する励振状態を励起することとした請
    求項1に記載の荷電粒子加速器。
  3. 【請求項3】 上記金属板を支持する金属支柱を交互に
    上記筐体内部において直交する2方向から該筐体内部に
    それぞれ直結させてTE210 モードに相当する励振状態
    を励起することとした請求項1に記載の荷電粒子加速
    器。
  4. 【請求項4】 筒状の筐体内部の中心軸方向に配設され
    た四重極電極にコンデンサ及びインダクタを具備してな
    る共振回路より所定の電位を供給し,任意の種類の荷電
    粒子を上記四重極電極間を通過させて任意のエネルギー
    に加速することのできる荷電粒子加速器において,上記
    筐体内部の上記四重極電極に近接させて複数の導電性の
    金属板を中心軸に沿い且つ所定の間隔配置して,この
    複数の金属板により上記コンデンサを構成すると共に,
    上記金属板を支持する導電性の金属支柱を上記筐体に直
    結させて該金属支柱と該筐体とで上記インダクタを構成
    し,上記金属板と上記四重極電極とを電気的に直結さ
    せ,更に上記金属板を上記筐体の中心軸方向に可変とす
    る位置調節機構を設けたことを特徴とする荷電粒子加速
    器。
  5. 【請求項5】 複数の上記金属板の各側面に金属製で円
    筒状の複数のフィン構造のツバを設けて上記各側面を凹
    凸形状となし,隣接する上記金属板の各ツバが相互に接
    触しないように配列されてなる請求項1又は4に記載の
    荷電粒子加速器。
  6. 【請求項6】 筒状の筐体内部の中心軸方向に配置され
    た四重極電極にコンデンサ及びインダクタを具備してな
    る共振回路より所定の電位を供給し,任意の種類の荷電
    粒子を前記四重極電極間を通過させて任意のエネルギー
    に加速することのできる荷電粒子加速器において,上記
    筐体内壁の対向する両側面から,それぞれ対向側に向か
    って延長される平板電極を中心軸に平行に配置して,該
    平板電極の側面を互いに所定の間隔で近接させて上記コ
    ンデンサを構成すると共に,該平板電極を上記筐体に接
    続して該平板電極と該筐体とで上記インダクタを構成
    し,上記平板電極と上記四重極電極とを電気的に直結さ
    せたことを特徴とする荷電粒子加速器。
  7. 【請求項7】 上記筐体内壁の対向する両側面から互い
    に対向する相手側に向かう上記平板電極を奇数枚の組合
    せで近接させてなる請求項6記載の荷電粒子加速器。
  8. 【請求項8】 中心軸を囲んで配置した上記四重極電極
    の対角に位置する2本ずつを,上記平板電極の各対向側
    に電気的に直結させた請求項6記載の荷電粒子加速器。
  9. 【請求項9】 上記筐体内壁と上記平板電極表面とを超
    電導材料で覆い,上記筐体に冷却手段を設けた請求項6
    記載の荷電粒子加速器。
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DE69128880T DE69128880T2 (de) 1991-05-21 1991-09-30 Beschleuniger für geladene Teilchen
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