JPH05182794A - 高周波加速用共振器 - Google Patents

高周波加速用共振器

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JPH05182794A
JPH05182794A JP34518691A JP34518691A JPH05182794A JP H05182794 A JPH05182794 A JP H05182794A JP 34518691 A JP34518691 A JP 34518691A JP 34518691 A JP34518691 A JP 34518691A JP H05182794 A JPH05182794 A JP H05182794A
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resonator
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high frequency
acceleration
port
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JP34518691A
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English (en)
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Mitsuo Terada
充夫 寺田
Tetsuo Tokumura
哲夫 徳村
Takuya Kusaka
卓也 日下
Kenichi Inoue
憲一 井上
Akira Kobayashi
明 小林
Toshimoto Suzuki
敏司 鈴木
Hirobumi Imanaka
博文 今中
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子やイオン等の荷電粒子を加速する高周波
加速用共振器の加速性能を良くする。 【構成】 中央部に、荷電粒子の進行路を構成する開口
2dを有する円環状のディスク部2cと、このディスク
部2cの径方向の中心を共有する円環状の外縁部2aと
を連結部2eにより一体的に形成したディスクユニット
2の連結部2eを交互に相反する方向に向けると共に、
これらの間に外縁部2aと同じ内・外寸法を持つスペー
サ1を介して積層することによって、高周波加速用共振
器の性能を示すQ値を減少させる溶接箇所や接合部に起
因する抵抗が無くなり、加速電極に効率良く高周波電力
を供給することができるので、開口2dによって形成さ
れる進行路に通される電子やイオン等の荷電粒子を高効
率で加速することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体産業分野をはじ
め機能材料、医療、バイオ産業等の分野において、高エ
ルネギー電荷ビームを用いた物性、組成分析、表面改
質、イオン注入等に利用する高周波加速用共振器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ICの原子分布の分析に用いら
れるラザフォード後方散乱法による従来の分析精度をは
るかに超えたppbオーダーの微量分析手法として開発
され、半導体製造プロセスに利用されている粒子励起X
線法、あるいは材料の表面層に耐磨耗性や耐蝕性等を付
与する表面処理プロセス等に対しては、電子やイオン等
の電荷ビームが利用されている。そして、それらの分析
精度や機能の向上のために、上記電荷ビームの高エネル
ギー化が嘱望されている。
【0003】このような背景に鑑み、高エネルギーを有
する電荷ビームを得るために、現在では高周波電場を利
用した線形加速器によって荷電粒子を加速している。以
下、このような線形加速器として、4個の電極(四重極
電極という)を有する高周波四重極型荷電粒子加速器
(Radio Frequency Quad−rup
ole 以下、略してRFQという)の一例を示す正面
図の図10と、図10のE−E線断面図の図11とを参
照しながら説明する。
【0004】図10、図11に示す符号51は、正断面
が矩形の筐体であり、この筐体51の内側には、中央部
に荷電粒子の進行路となる円形の開口を有する環状のデ
ィスク52が等間隔に、かつこの筐体51の外寸方向の
中心を通る中心軸Cと上記開口の径方向の中心とを合致
させて配列されている。
【0005】より詳しくは、ディスク52には上記筐体
51の内面である空洞壁53の上側壁面に取付けられた
支柱54aにより上方から支持されるディスク52a
と、空洞壁53の下側壁面に取付けられた支柱54bに
より下方から支持されるデイスク52bとがあり、これ
らディスク52aと52bとが交互に配列されている。
上記ディスク52aと52bとを支持するそれぞれの支
柱54aと54bとは、ディスク52aと52bとを等
間隔で保持し得る幅のスペーサ55を介して、長ロッド
56によって共締めされている。
【0006】このように配列されたディスク52の開口
の内側には、上下の2本で対となる垂直電極57と、左
右の2本で対となる水平電極58とからなる計4本の加
速電極59が中心軸Cと平行に配設され、この加速電極
59の両端部は筐体51の空胴壁53に支持されている
絶縁支柱60によって支持されている。
【0007】なお、ディスク52の開口縁に取付けられ
て加速電極59に接触している符号61は、加速電極5
9に電力を供給するRFコンタクト電極であり、上記筐
体51の内側4隅に配設されている符号51aもRFコ
ンタクト電極であり、またこの筐体51の長手方向の両
端部の空間を画成する符号64は、前記加速電極59に
高周波電力を印加する入力カプラー63が挿入される入
力カプラー用ポートを有する端部ポート部である。
【0008】以下、このような構成になるRFQの作用
態様を説明すると、前記複数のディスク52によってコ
ンデンサが構成されると共に、支柱54b−空洞壁53
−支柱54aとによって開ループのワンターンコイルが
構成される。そして、図8中に示す磁束62で磁界を励
起させることができ、しかも前記スペーサ55の幅を変
更することによってコンデンサおよびインダクタの容量
が変化させることができるので、任意の種類の荷電粒子
を加速してこれに任意のエネルギーを付与することがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記RFQを代表する
高周波加速用共振器(以下、共振器という)の性能を評
価する場合にはQ値という値がよく用いられている。周
知のように、このQ値は共振器の効率を表す値であっ
て、入射パワー/ロスパワーと定義され、共振器の性能
を左右する重要なファクターである。ところで、共振器
の形状、寸法、表面粗度、材質等が同じであれば、電流
経路上にある溶接箇所やボルト等の接合部分が多くなる
ほど、接触抵抗が増加するため、Q値が小さくなってし
まうという傾向を持っている。即ち、電流経路上にこの
ような接合部分がある限り、高いQ値を得ることができ
ないので、共振器を高性能にすることが難しい。
【0010】また、真空排気用ポートや空胴内を観測す
るための覗き窓の取付け位置についても加速空胴の両端
部の端部ポート部に限られ、荷電粒子をより加速するた
めに加速空胴が長い場合には加速電極の軸方向の電場分
布がフラットにならないので、荷電粒子を効率的に加速
することができないという解決すべき課題がある。
【0011】そこで、本発明の目的は、空洞壁、支柱お
よびディスク部分を一体的に構成して、電流経路上の接
触あるいは接合部分をなくすことによって、高いQ値が
得られる高性能な共振器を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る共振器が採用した主たる手
段の要旨は、内部に、電子やイオン等の荷電粒子に高周
波エネルギーを与えて加速する加速電極を有する荷電粒
子の進行路を備えた高周波加速用共振器において、前記
高周波加速用共振器が、内部に前記荷電粒子の進行路と
なる開口を有する小型中抜部材と、該小型中抜部材と外
寸方向の中心を通る中心線を共有しかつ該小型中抜部材
を空間を隔てて囲繞する大型中抜部材と、これら小型中
抜部材と大型中抜部材とを一体的に結合する連結部とか
らなる2重部材の前記連結部を交互に相反する方向に向
けると共に、これら2重部材の間に前記大型中抜部材と
同形のスペーサを交互に介装して積層したことを特徴と
する。
【0013】また、本発明の請求項2に係る共振器が採
用した主たる手段の要旨は、請求項1記載の共振器にお
いて、前記積層体の両端部の間に、ポートを有する空間
部であるポート部を設けたことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の請求項1に係る共振器によれば、共振
器が、内側に前記荷電粒子の進行路となる開口を有する
小型中抜部材と、この小型中抜部材と外寸方向の中心を
通る中心線を共有しかつこの小型中抜部材を囲繞する大
型中抜部材と、これら小型中抜部材の外側と大型中抜部
材との内側においてこれらを一体的に結合する連結部と
からなる2重部材を、前記連結部を交互に相反する方向
に向けると共に、これら2重部材の間に前記大型中抜部
材と同形のスペーサを交互に介装して積層した積層体か
らなる構成としたので、加速空胴を構成する2重部材の
大型中抜部材とスペーサとの間の接触面積が広いので接
触抵抗が小さく、さらに2重部材は小型中抜部材と大型
中抜部材と連結部とが一体的に構成されていて、従来の
ようにQ値を減少させる原因となる溶接箇所やボルト等
の接合部が存在しないため材料成分に起因する抵抗だけ
である。
【0015】また、本発明の請求項2に係る共振器によ
れば、請求項1に係る共振器の作用に加えて、積層体の
両端部の間に、ポートを有する空間部であるポート部を
設けたので、このポート部のポートに、荷電粒子を加速
する加速電極に高周波電力を印加する入力カプラーを取
付けることができる。
【0016】
【実施例】以下、添付した各図面を参照しながら、本発
明に係る共振器の実施例を説明する。但し、以下に説明
する実施例は本発明に係る共振器の具体例であって、本
発明の技術範囲を限定するものではない。
【0017】図1乃至図3は、本願請求項第1項に係る
共振器の第1実施例を示したものであって、図1は共振
器を構成するディスクユニットとスペーサの構成を示す
図、図2は共振器の正断面図、図3は図2のA−A線断
面図である。
【0018】即ち、図1cに示す符号1は、溶接、ボル
ト締め等による接合部分を持たない、いわゆる一体物で
構成された、加速空胴の一部を構成する円環状のスペー
サであって、このスペーサ1には径方向の中心を中心と
する円周線上に等ピッチで8個の貫通孔1aが穿設され
ている。
【0019】一方、図1aと図1bとに示す符号2は、
前記スペーサ1と同一の外径、内径および同径かつ同ピ
ッチの貫通孔2bを有する大型中抜部材である円環状の
外縁部2aと、その内側の、中央部に開口2dを有する
上記外縁部2aよりも小径の小型中抜部材であるディス
ク部2cと、これら外縁部2aとディスク部2cとを、
溶接、ボルト締め等による接合部分を持たずに一体的に
連結する連結部2eとからなるディスクユニット2であ
り、このディスクユニット2はその外縁部2aの内側と
ディスク部2cの外側との間に内孔空間2fを有してい
る。
【0020】本実施例におけるディスクユニット2は、
上記連結部2eをディスク部2cの垂直方向上方に配す
る図1aに示す状態と、連結部2eをディスク部2cの
垂直方向下方に配する図1bに示す状態との2つの何れ
かの状態で用いられる。
【0021】詳しくは、上記スペーサ1とディスクユニ
ット2は、スペーサ1の貫通孔1aとディスクユニット
2の貫通孔2bとを合致させて複数積層して本発明に係
る共振器RFQが形成されるが、いま図1aに示すディ
スクユニット2の状態をA、図1bに示すディスクユニ
ット2のの状態をB、図1cに示すスペーサ1の状態を
Cとして表すと、これらディスクユニット2とスペーサ
1の積層状態は、図3に示すように、A−C−B−C−
A−C−B−…というようにディスクユニット2は、ス
ペーサ1を介してAとBの状態が交互に繰り返して積層
される。
【0022】そして、このように積層されたディスクユ
ニット2とスペーサ1の両端部のそれぞれに、前記貫通
孔1a、貫通孔2bと合致する8個の貫通孔3aを設け
た端部ポート部3が重ね合わされ、このポート部3の貫
通孔3a、ディスクユニット2の貫通孔2b、スペーサ
1の貫通孔1aとに長ロッド4を挿通して、この長ロッ
ド4の両端にナットを螺着することによって端部ポート
部3、ディスクユニット2およびスペーサ1が一体的に
積層される。
【0023】また、スペーサ1を介して積層されたディ
スクユニット2のディスク部2cの開口2dによって形
成される荷電電子の進行路Rcには、上下位置において
2本で対になる垂直電極5vと、左右位置において2本
で対になる水平電極5hとからなる計4本の加速電極5
が、前記ディスクユニット2とスペーサ1とからなる積
層体の径方向の中心を通る中心線Cと平行に設けられ、
これら4本の加速電極5のそれぞれの両端部は、一端側
が端部ポート部3の内側壁に支持されてなる絶縁支柱6
の他端側に支持されている。
【0024】さらに、垂直電極5vにはAの状態のディ
スクユニット2に設けたRFコンタクト電極7vが接触
し、また水平電極5hにはBの状態のディスクユニット
2に設けたRFコンタクト電極7hが接触してなる構成
になっている。
【0025】このような構成を持つ共振器RFQにおい
て、電子やイオン等の荷電粒子は、加速電極5にはさま
れた進行路Rcを通るときに、従来の共振器と同様に、
加速電極5によって高周波エネルギーが与えられて加速
されるが、この場合加速空胴を構成するディスクユニッ
ト2の外縁部2aとスペーサ1との接触面積が広いので
接触抵抗が小さくなる。
【0026】さらに、ディスクユニット2はディスク部
2cと外縁部2aと連結部2eとが一体的に構成されて
いて、従来のようにQ値を減少させる原因となる溶接箇
所やボルト等の接合部が存在しないため材料成分に起因
する抵抗だけであるから、加速電極5に荷電粒子を加速
するための高周波電力が効果的に印加される。
【0027】因みに、本発明の実施例になる共振器RF
QのQ値と、従来例になる共振器のQ値とを、後述する
各条件に基づいて試算してみると、共振器Q値は、一般
にQ=1/(2・π・f・C・R)と表され、この式中
のR=R1 +R2 と表され、またR1 =(ρ・l)/
(2・δ・L)で表される。但し、上式中の各英記号の
うち、fは共振周波数を、Cはキャパシタを、R1 は材
質や表面等に起因する抵抗値を、R2 は接触抵抗値を、
ρは導電率を、lは電流パスの長さを、δはスキンデプ
ス(表皮厚さ)を、Lは電流パスの幅をそれぞれ示して
いる。
【0028】例えば、共振周波数f=13.56MH
z,キャパシタC=1.0×10-8F,導電率ρ=1.
7×10-8Ωm,電流パスの長さl=0.5m,スキン
デプスδ=2×10-5m,電流パスの幅L=1.0mと
した場合には、材質や表面等に起因する抵抗値R1
1.9×10-4Ωである。ところで、接触抵抗値R2
ほぼR1 と同じ程度と考えられる。そして、これらの条
件値を上式に代入してQ値を求めると、従来の場合がQ
≒3000となるのに対して、本実施例では実質的にR
2 が0であるからQ≒6000となり、明らかに接触抵
抗がない方が高いQ値が得られるので、この発明の実施
例に係る共振器RFQの性能は従来のそれに比較して向
上することが良く理解される。
【0029】また、本願請求項第1項に係る発明の第2
実施例を、荷電粒子加速用共振器を構成するディスクユ
ニットとスペーサの構成を示す図の図4と、共振器の側
面断面図の図5と、図5のB−B線断面図の図6とを参
照しながら、同一のものおよび同一機能を有するものを
同一符号を以て構成上相違する点についてだけ説明する
と、本実施例は図4乃至図6とから良く理解されるよう
に、スペーサ1を楕円形にし、ディスクユニット2の外
縁部2aを楕円形にすると共に、連結部2eの幅をディ
スク部2cの直径と同寸にしてなるものである。
【0030】この場合、上記実施例と同様に、ディスク
ユニット2が外縁部2aとディスク部2cが連結部2e
によって一体的に連結されてなる構成であるから、本実
施例は上記第1実施例と同効である。但し、本実施例で
は、上記したように、ディスクユニット2の連結部2e
の幅がディスク部2cの直径と同寸に設定されていて振
動に強くなるため、連結部2eの発熱作用を抑制できる
という利点がある。なお、共振器RFQの正断面形状
は、矩形状である必要がなく、また円形状にする必要も
ないものである。
【0031】次に、本願請求項第2項に係る発明の第3
実施例を、共振器の側面断面図の図7と、図7の一部省
略C−C線断面図の図8と、図7の一部省略D−D線断
面図の図9とを参照しながら、上記実施例と構成上相違
する点を説明する。
【0032】図7に示す符号RFQは、第2実施例と同
様に、楕円形の断面を持つディスクユニット2とスペー
サ1とを交互に複数積層してなる共振器で、このような
構成になる共振器RFQの中央部には、図8に示すよう
に、楕円形の断面を持ち、前記加速電極5を支持する2
本の絶縁支柱6aが内蔵されてなる中央ポート部10が
設けられている。さらに、上記中央ポート部10には、
図9に示すように、水平方向の一方側に高周波電力を加
速電極5に印加する入力カプラー11を取付ける入力カ
プラー用ポート10aが設けられ、他方側に覗き窓用ポ
ート10bが設けられ、この覗き窓用ポート10bには
覗き窓12が取付けられている。
【0033】また、中央ポート部10の上側と下側のそ
れぞれには真空排気用ポート10cが設けられ、この真
空排気用ポート10cの先端部には真空排気用ポンプ
(図示省略)が接続されている。なお、両端部の端部ポ
ート部3は、上記実施例と同様に入力カプラーが挿入さ
れる入力カプラー用ポートを備えている。
【0034】従って、本実施例では上記各実施例と同等
の作用・効果に加えて、中央ポート部10の入力カプラ
ー用ポート10aに挿入した入力カプラー11から加速
電極5に高周波電力を印加することができるので、加速
電極5の軸方向の電場分布をフラットにすることがで
き、より効果的に荷電粒子を加速することができる。さ
らに、この実施例では、中央ポート部10に覗き窓12
が取付けられているので、共振器RFQの中央位置にお
ける荷電粒子の加速状況を観測することができ、チュー
ニングに威力を発揮することができる。
【0035】さらに、荷電粒子をより加速する目的で製
作した長い共振器RFQの場合には、加速電極5を両端
で支持する従来構成では撓みがあるためこれを高精度に
支持することは困難であるが、この場合加速電極5は中
央ポート部10においても絶縁支柱6aによって支持さ
れているので、支持スパンが短くなり、加速電極5の支
持精度を向上させ得るという効果がある他、また長い1
本の電極を加工が容易である半分長さの電極2本で代用
することもできる。
【0036】また、共振器RFQの両端部の間に上記中
央ポート部10と同構成のポート部を複数個介装するこ
とにより、従来製造し得なかったような長い共振器の製
造が可能になり、より高速の荷電粒子が得られる結果、
半導体製造技術の向上や表面処理技術の向上等に対して
大いに寄与することができる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本願請求項第1項
に係る発明によると、各ディスクユニット2を構成して
いるディスク部、連結部、外縁部が一体的に構成されて
いるため、Q値を減少させる原因となる溶接箇所やボル
ト等の接合部分が存在せず、事実上接触抵抗は0とな
り、高いQ値を維持することができ、共振器の性能を向
上させることができる。
【0038】また、本願請求項第2項に係る発明による
と、共振器の中央部に、入力カプラーを取付け得る中央
ポート部20を設けているので、共振器中央部において
高周波電力を印加することにより加速電極の軸方向の電
場分布をフラットにし得るので、電子やイオン等の荷電
粒子をより効果的に加速をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る共振器を構成するデ
ィスクユニット(図a,図b)とスペーサ(図c)の構
造を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る共振器の正面図であ
る。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る共振器を構成するデ
ィスクユニット(図a,図b)とスペーサ(図c)の構
造を示す正面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る共振器の側面断面図
である。
【図6】図5の一部省略B−B線断面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る共振器の側面断面図
である。
【図8】図7の一部省略C−C線断面図である。
【図9】図7の一部省略D−D線断面図である。
【図10】従来の高周波四重極型荷電粒子加速器(RF
Q)の一例を示す正面図である。
【図11】図10のE−E線断面図である。
【符号の説明】
C…共振器の中心線、Rc…進行路、RFQ…共振器、
1…スペーサ、1a…貫通孔、2…ディスクユニット、
2a…外縁部、2b…貫通孔、2c…ディスク部、2d
…ディスク部の開口、2e…連結部、2f…内孔空間、
3…端部ポート部、3a…貫通孔、4…長ロッド、5…
加速電極、5h…水平電極、5v…垂直電極、6…絶縁
支柱、6a…絶縁支柱、7h…コンタクト電極、7v…
コンタクト電極、10…中央ポート部、10a…入力カ
プラー用ポート、10b…覗き窓用ポート、10c…真
空排気用ポート、11…入力カプラー、12…覗き窓。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 明 兵庫県神戸市垂水区福田4−6−23 (72)発明者 鈴木 敏司 兵庫県神戸市西区美賀多台1−4−1 (72)発明者 今中 博文 兵庫県神戸市西区美賀多台1−4−1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に、電子やイオン等の荷電粒子に高
    周波エネルギーを与えて加速する加速電極を有する荷電
    粒子の進行路を備えた高周波加速用共振器において、前
    記高周波加速用共振器が、内部に前記荷電粒子の進行路
    となる開口を有する小型中抜部材と、該小型中抜部材と
    外寸方向の中心を通る中心線を共有しかつ該小型中抜部
    材を空間を隔てて囲繞する大型中抜部材と、これら小型
    中抜部材と大型中抜部材とを一体的に結合する連結部と
    からなる2重部材の前記連結部を交互に相反する方向に
    向けると共に、これら2重部材の間に前記大型中抜部材
    と同形のスペーサを交互に介装して積層したことを特徴
    とする高周波加速用共振器。
  2. 【請求項2】 前記積層体の両端部の間に、ポートを有
    する空間部であるポート部を設けた請求項1記載の高周
    波加速用共振器。
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