JPH05198396A - 高周波四重極加速装置 - Google Patents

高周波四重極加速装置

Info

Publication number
JPH05198396A
JPH05198396A JP831592A JP831592A JPH05198396A JP H05198396 A JPH05198396 A JP H05198396A JP 831592 A JP831592 A JP 831592A JP 831592 A JP831592 A JP 831592A JP H05198396 A JPH05198396 A JP H05198396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quadrupole
electrodes
electrode
housing
directly connected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP831592A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Kusaka
卓也 日下
Kenichi Inoue
憲一 井上
Toshimoto Suzuki
敏司 鈴木
Hirobumi Imanaka
博文 今中
Tetsuo Tokumura
哲夫 徳村
Mitsuo Terada
充夫 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP831592A priority Critical patent/JPH05198396A/ja
Publication of JPH05198396A publication Critical patent/JPH05198396A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Accelerators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】空洞構造の小型化を実現し,四重極電極の設置
精度を確保すると共に,Q値の低下を招くことなく任意
の種類の荷電粒子を任意のエネルギーに加速することの
できる高周波四重極加速装置を提供することを目的とす
る。 【構成】筒状の筐体15の中心軸方向に配した四重極電
極21〜24と同軸に直径の異なる複数の金属筒体31
〜34を所定間隔を空けて層状に配設し,これを交互に
端板16,17及び支持部材18に接合すると共に電極
21,23と電極22,24とに接続して筐体15内に
四重極電極21〜24に直結されたインダクタとコンデ
ンサを構成する。この構成により同軸型共振構造の共振
器が構成され筐体の幾何学的寸法に左右されることなく
加速装置全体の小型化が実現される。また金属筒体31
〜34が筐体15に直結され,四重極電極21〜24が
金属筒体31〜34に直結されるのでQ値が大きく,且
つ機械的強度に優れ,設置精度を容易に確保することも
でき軸対象の構造であるので設計も容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,四重極電極による荷電
粒子加速装置に係り,詳しくは半導体プロセス,医療,
バイオ等における高エネルギー荷電粒子ビームを用いた
イオン注入,物性・組成分析,表面改質等に利用すると
ころの高周波四重極加速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば,イオン注入,材料分析等を行う
ための高エネルギーのイオンビームを得るために,高周
波電界を利用した加速器として4個のベイン電極(四重
極電極)からなり,該ベイン電極を収容する真空容器自
身が共振空洞を兼ねた高周波四重極型の加速器が用いら
れる。この高周波四重極(RFQ:Radio Frequency Qu
adrupole)加速器(以下RFQと呼称する)の従来例を
図6に一部を破断した状態の斜視図として示す。図示す
るように,筐体5の中心軸方向に四重極電極を構成する
電極1,2,3,4が配設され,各電極1,2,3,4
は向き合った面が凹凸状に波打った形状に形成されてお
り,図7(a)(b)に示すように,互いに向かい合っ
た電極では凹凸形状が同位相に形成されており,互いに
隣合った電極では凹凸形状が逆位相に形成されている。
このように形成された四重極電極を収容する筐体5の内
部に形成される空洞に,図8に示すように筐体5に設け
た入力カプラ11から所定周波数の高周波電力を印加す
ると,空洞内にTE210 モードの共振周波数が励起され
る。このとき,互いに向かい合った電極には同電位,互
いに隣合った電極には逆電位が発生する。このため,4
つの電極1,2,3,4が向かい合う中心軸付近では四
重極電界が発生する。尚,同図における9は電界,10
は磁界をそれぞれ示す。
【0003】上記四重極電界において電極1,2,3,
4の上記凹凸構造が及ぼす影響について図9(a)
(b)に基づいて説明する。図9(a)は四重極電極の
垂直断面,図9(b)は水平断面に相当する。上記TE
210 モードでは,電極1,3がプラスのとき,電極2,
4はマイナスであり,前者がマイナスのとき,後者はプ
ラスとなる。このような条件に加えて電極1,2,3,
4の凹凸形状が水平,垂直に180度ずれて形成されて
いることから,例えば,電極1,3がプラス,電極2,
4がマイナスのとき,中心軸上に軸方向の電界が生じる
ことになる。矢印6,7,8,はその電界の方向を示し
ている。電極1,2,3,4の電圧極性が逆になったと
きは,この電界の方向も逆になる。いま,同図における
左方向から中心軸に沿って四重極電極の中に入射された
イオンが常に左右方向への加速電界を受けるような速度
及び位相をもつと,電極1,2,3,4の凹凸形状の部
分を通過する毎に加速され単調にエネルギーが増加され
る。他方,最初に減速を受けるような位相で入ってきた
イオンも次の加速電界のときに後続のイオンの中に徐々
にバンチングされていき,後は単調に加速されていく。
このようにRFQでは,どのような位相で入ってくるイ
オンも最終的にバンチングされ有効に加速される。ま
た,軸に直交する平面に存在する強い高周波電界によっ
て垂直,水平方向には強い収束力が生じているため,非
常に高い透過率でイオンを加速させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に示したようなR
FQでは,加速管は電極1,2,3,4と共に高周波の
空洞共振器を構成しており,その共振周波数(TE210
モード)は筐体の幾何学的な寸法で決まってしまうた
め,重いイオンを加速する加速器を構成するためには,
巨大な直径を有する筐体にしなければならず工業的に非
現実的なものとなる。そこで,図10に示すように,コ
ンデンサとインダクタとからなる共振回路を外部に設け
て,任意のイオン種を加速するに必要な周波数の高周波
電力をRFQに供給し,空洞共振器を励振して四重極電
極に高周波電位を発生させることがなされる。しかしな
がら,外部に共振回路を設けた場合,高周波電力を供給
するためのケーブル部分でのロスによりQ値の低下を招
き,同軸ケーブルでは浮遊容量の発生,空中配線では外
部擾乱を受けやすいなどの問題が発生する。そこで,加
速空洞(筐体)内にインダクタンスあるいはコンデンサ
の成分を得るため,図11(a)(b)あるいは図12
(a)(b)に示すように,四重極電極の支持構造をコ
イル状に形成したり,付加電極を設けたりすることがな
されるが,コイル部分の表面電流パスが長くなり,その
抵抗増加によってやはりQ値の低下を招くことになる。
また,図13(a)(b)に示すような高周波四重極加
速装置も開発されている。この構成によれば,空洞80
の表面に誘導される表面電流86は,端板81,82を
経由して四重極電極85に流れる経路となるが,組立
て,保守の観点から端板81,82と空洞80との間の
電気的接続を完全にすることが難しく,この不完全性か
らQ値の低下及び接触不良部分での発熱を招きやすい問
題点がある。また,4本の梁83,83,84,84は
2本づつ両端の端板81または82から片持ち支持され
ているため,加速管が長くなるほど梁83,84に取り
付けられる四重極電極85の相互位置を精度よく固定す
ることが困難となる。さらに,表面電流86は四重極電
極85及び梁83,84上を流れ,中心軸に沿った方向
に電圧勾配が生じるので理想的なRFQ電界が得られな
い問題点もある。
【0005】また,高周波四重極加速装置においては,
四重極電極を数十μm以下の高精度で設置することが必
要であるが,四重極電極には高周波電流が流れるため発
熱して熱変形を生じ,設置精度が損なわれるため冷却を
必要とするものの,四重極電極に対する冷却手段を設け
ることは構造上困難になる問題点もあった。本発明は,
上記のごとき従来の問題点に鑑みてなされたもので,共
振回路の構成と共に,該共振回路と四重極電極との接続
構造を創案することにより,小型の空洞構造を実現し,
四重極電極の設置精度を確保し,Q値の低下を招くこと
なく任意の種類の荷電粒子を任意のエネルギーに加速す
ることのできる高周波四重極加速装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用する手段は,筒状の筐体の両端部を荷電
粒子ビームダクト開口を有する端板で閉じた該筐体内部
の中心軸方向に,相対向する電極を直交方向に配してな
る四重極電極を配設し,該四重極電極にコンデンサ及び
インダクタを具備してなる共振回路から所定の電位を供
給することにより,前記四重極電極間に入射された荷電
粒子を加速する高周波四重極加速装置において,前記四
重極電極と同軸に直径の異なる複数の金属筒体を所定間
隔を空けて層状に配設し,前記四重極電極から数えて奇
数層に配設された前記金属筒体を前記筐体の各端板に直
結し,偶数層に配設された前記金属筒体を前記筐体の中
央部に設けた支持部材に直結して,該支持部材と前記筐
体と前記端板とで前記インダクタを構成し,複数の前記
金属筒体により前記コンデンサを構成すると共に,最内
層に配設された前記金属筒体の中央部と前記四重極電極
の一方向に対面する電極の中央部とを接続し,中心軸か
ら第2位層に配設された前記金属筒体の中央部と前記四
重極電極の他方向に対面する電極の中央部とを接続した
ことを特徴とする高周波四重極加速装置である。
【0007】
【作用】本発明によれば,四重極電極の各電極のそれぞ
れに直結される複数の金属筒体によりコンデンサを構成
し,筐体と端板及び支持部材とによりインダクタを構成
して,共振回路を筐体内の四重極電極に直結して設けて
いるので,Q値の低下を招くことがなく,金属筒体の長
さ及び数によって静電容量を変化させることができるの
で,共振周波数を任意に選ぶことができ任意の荷電粒子
を加速することができる。また,層状に配設された複数
の金属筒体により同軸型共振構造の共振器を構成してい
るので,筐体の幾何学的寸法に左右されることなく装置
を設計することができ,加速装置全体の小型化が実現さ
れる。さらに,金属筒体が筐体に直結され,四重極電極
が金属筒体に直結されるので,機械的強度に優れ,設置
精度を容易に確保することもでき,軸対象の構造である
ので設計も容易となる。また,荷電粒子を通過加速させ
る四重極電極を覆う最内層の金属筒体は筐体内部で気密
構造的に分離しているので,この最内層の金属筒体を真
空ダクトとして構成し,真空ダクト内のみを高真空に保
ち,筐体内は高周波放電が発生しない程度の真空度にす
ることができるため,真空排気装置を小型化することが
できる。
【0008】
【実施例】以下,添付図面を参照して,本発明を具体化
した実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,
以下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定するものではない。ここに,各図
は本発明の一実施例に係るイオンを加速するための高周
波四重極加速装置の構成を示し,図1は高周波四重極加
速装置の中心軸方向の断面図,図2は図1に示した高周
波四重極加速装置のA−A矢視方向の断面図,図3は支
持部材の実施態様を示し,図2と同じくA−A矢視方向
の断面図,図4は図1に示した高周波四重極加速装置の
B−B矢視方向の部分断面図で四重極電極と金属筒体と
の接続構造を拡大して示し,図5は実施例高周波四重極
加速装置を中心軸方向に複数個連結した実施態様を示す
中心軸方向断面図である。図1において,円筒状に形成
された筐体15は,その両端を端板16,17によって
閉じられ,端板16,17はそれぞれ中心軸位置に開口
部を有し,真空チャンバ25に接続される真空フランジ
36及び次段装置への真空チャンバ(図示せず)を接続
する真空フランジ35が設けられている。この筐体15
の中心軸方向に電極21,22,23,24が配設され
ており,この電極にて四重極電極が構成されている。電
極21〜24の相対向する面側は,従来のRFQ同様に
波型凹凸形状に形成されている。
【0009】この電極21,22,23,24の外周に
それぞれ直径が異なり中心軸から順に第1層から第4層
まで形成される金属筒体31,32,33,34が中心
軸と同軸に配されている。各金属筒体31〜34は,筐
体15内部の中心軸方向の中央位置に配され,筐体15
の内部を2分する円盤状の支持部材18によって区割さ
れる。即ち,第1層の金属筒体31は図2,図3,図4
に示すように各中央部端で電極21,23の中央部に直
結され,絶縁部材19により支持部材18と絶縁され
る。金属筒体31の他端は端板16及び端板17に接合
して支持される。第2層の金属筒体32は支持部材18
に接合して支持され,支持部材18の両側に32a,3
2bとして形成されると共に,図4に示すように支持部
材18によって電極22,24の中央部と直結される。
第3層の金属筒体33は端板16に接合し支持される金
属筒体33aと,端板17に接合し支持される金属筒体
33bとで形成されている。第4層の金属筒体34は支
持部材18に接合して支持され,支持部材18の両側に
金属筒体34a,34bとして形成されている。尚,図
4は第1層の金属筒体31と電極21,23との接続,
及び第2層の金属筒体32と電極22,24との接続,
及び支持部材18と金属筒体32,34と電極22,2
4との接続の状態を拡大図示するもので,支持部材18
表面位置の半径方向断面(B−B矢視方向)で示してい
る。
【0010】以上の構成により,電極21,23の中央
部と第1層の金属筒体31a,31bの中央部端並びに
第1層の金属筒体31a,31bと第3層の金属筒体3
3a,33bと各端板16,17とが電気的に接続さ
れ,電極22,24の中央部と第2層の金属筒体32
a,32bの中央部並びに第2層の金属筒体32a,3
2bと第4層の金属筒体34a,34bと支持部材18
と筐体15とが電気的に接続され,支持部材18の両側
に形成される金属筒体31a〜34a及び金属筒体31
b〜34bによりそれぞれコンデンサが構成され,端板
16と筐体15と支持部材18及び端板17と筐体15
と支持部材18とにより,それぞれインダクタが構成さ
れる。このように内部にコンデンサとインダクタとが構
成された筐体15の胴部には,筐体15内に高周波電源
27からの高周波電力を印加する入力カプラ28が設け
られており,端板17に設けられた真空フランジ36に
は真空チャンバ25が取り付けられてイオン源14に接
続されている。真空チャンバ25には真空排気装置26
が接続されており,イオン源14から入射されるイオン
ビーム30が通過する真空チャンバ25並びに筐体15
内の電極21〜24の周囲を囲む第1層の金属筒体31
a,31bにより形成される円筒ダクト内を所定の真空
度に真空排気する。尚,図示しないが,筐体15内部は
別途設けられる真空排気装置により所定真空度に排気さ
れる。上記のように構成された高周波四重極加速装置2
0に,上記のように構成されたコンデンサとインダクタ
とにより決定される共振周波数の高周波電力が高周波電
源27から入力カプラ28を通じて筐体15内に印加さ
れると,筐体15内に共振周波数が励起される。筐体1
5内には上記したような構成により同軸型共振構造が形
成されており,加速装置長さを共振周波数の1/2波長
に構成することにより,中央部に最大の電界が発生す
る。この電界により電極21〜24の互いに向かい合っ
た電極には同電位,互いに隣合った電極には逆電位が発
生する。このため電極21〜24が向かい合う中心軸付
近には四重極電界が発生し,イオン源20から入射され
たイオンを収束しつつ加速することができる。
【0011】本実施例による高周波四重極加速装置20
は,上記のように同軸型共振構造を形成しているので,
加速装置の電気的長さのみが必要であり,共振周波数と
は無関係に空洞(筐体)径が設定でき,且つ,金属筒体
31a,b〜34a,bを入れ子構造にして同軸線路を
折り返したような構造にすることにより空洞長を共振周
波数の波長に比べて短くすることができ,その長さは金
属筒体31a,b〜34a,bの同軸配置により確保さ
れるので,加速装置全体の小型化が達成される。また,
全体的に複数の筒体を組み合わせた構造で構成されてい
るため機械的強度に優れており,比較的薄肉の金属材料
によって構成することができる。さらに,各電極21〜
24は金属筒体31a,b及び32a,bに直結固定で
きるので,組立時の設置精度が確保しやすく,発熱に関
しては金属筒体31a,bに冷却水管路を配設する等の
冷却手段を設けることにより運転時の発熱による設置精
度の変化を解消することができる。
【0012】また,従来の装置においては,空洞(筐
体)内全体を高い真空度に保つために大型の真空排気装
置を必要としたが,本実施例による構成によれば,上記
したように最内層に位置する金属筒体31a,bを筐体
15内で真空構造的に分離した気密構造にすることが可
能である。そこで,金属筒体31a,bを電極21〜2
4を収容しイオンビーム30を通過させるに必要な高真
空度の真空ダクトとして構成し,端板16,17に設け
られた真空フランジ35,36と共に筐体15内の別真
空空間として構成する。このように構成することによ
り,金属筒体31a,bの内部は真空排気装置26によ
って高真空に保ち,筐体15内は別の真空排気装置によ
って高周波放電が生じない程度の真空排気にすることが
できる。従って,少ない容積を排気する真空排気装置2
6及び真空度が低レベルでよい筐体15内の真空排気装
置は,いずれも比較的小型のものでよく,装置全体の小
型化,コストダウン,ランニングコストの低減の効果が
得られる。上記構成において,筐体15の中央部は円盤
状の支持部材18で区割されており,その両側に構成さ
れるコンデンサとインダクタとからなる共振回路間が電
極21〜24により電気的に結合されている。この結合
が不十分でイオンビーム負荷に影響がある場合には,図
3に示すように,支持部材18に結合のための開口部2
9を設け,共振回路間のエネルギーの流れをよくするこ
とができる。この開口部29の開設個数や形状は,共振
回路間の結合度や共振周波数,加速電圧に影響を及ぼす
ので,個数及び形状は加速装置の状態に応じて調整され
る。また,上記高周波四重極加速装置20を図5に示す
ように,中心軸(ビーム軸)方向に複数基連結すること
により,イオンビーム30の加速エネルギーを高めるこ
とができる。この場合,連結位置の端板16及び17は
連結される両側の加速装置に共通する隔壁37として設
けられ,この隔壁37には図5(b)に示すように開口
部38を設けて,1か所の入力カプラ39から印加され
る高周波電力を全ての加速装置に供給する。尚,上記実
施例において3基の加速装置を連結した例を示したが,
連結基数は,必要とするイオンビームの加速エネルギ
ー,高周波電源40の容量等を勘案して適宜設定され
る。
【0013】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば,四重
極電極の各電極のそれぞれに直結される複数の金属筒体
によりコンデンサを構成し,筐体と端板及び支持部材と
によりインダクタを構成して,共振回路を筐体内の四重
極電極に直結させて設けることができるので,Q値の低
下を招くことがなく,金属筒体の長さ及び数によって静
電容量を変化させることができるので,共振周波数を任
意に選ぶことができ任意の荷電粒子を加速することがで
きる。また,同軸型共振構造の共振器を構成できるの
で,筐体の幾何学的寸法に左右されることなく装置を設
計することができ,加速装置全体の小型化が実現され
る。さらに,金属筒体が筐体に直結され,四重極電極が
金属筒体に直結されるので,機械的強度に優れ,配置精
度を容易に確保することもでき,軸対象の構造であるの
で設計も容易となる。また,荷電粒子を通過加速させる
四重極電極を最内層の金属筒体を真空ダクトとして気密
構造的に筐体内部で分離することが可能となるので,こ
の真空ダクト内を高真空に保つための真空排気装置を小
型化することもできる。さらに,最内層の金属筒体に冷
却手段を設けることができるので,運転中の発熱による
四重極電極の設置精度の変化を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る高周波四重極加速装置の
構成を示す中心軸方向の断面図。
【図2】図1のA−A矢視位置の断面図。
【図3】実施例に係る支持部材構造の実施態様を示し,
図2と同一位置における断面図。
【図4】各電極と各金属筒体との接続状態を示し,図1
のB−B矢視位置(支持部材位置)の構成を示す部分拡
大による断面図。
【図5】実施例に係る高周波四重極加速装置を複数基直
列に連結した実施態様を示す断面図(a)と,その連結
位置に設けた隔壁の構造を示す平面図(b)。
【図6】従来例の高周波四重極加速装置の構成を示す斜
視図。
【図7】四重極電極の構造及び位置関係を断面で示す模
式図。
【図8】四重極電極を備えた従来例加速空洞内でのTE
210 モードの共振周波数の励起の様子を示す説明図。
【図9】四重極電極の凹凸形状の作用を説明するもの
で,垂直断面図(a)と水平断面図(b)。
【図10】従来例の高周波四重極加速装置における外部共
振回路の接続を示す接続回路図。
【図11】従来例の高周波四重極加速装置における空洞内
共振回路の構成を示す断面図(a)と電極付近の斜視図
(b)。
【図12】従来例の高周波四重極加速装置における空洞内
共振回路の構成を示す断面図(a)と電極付近の斜視図
(b)。
【図13】従来例の高周波四重極加速装置の構成を示す斜
視図(a)と断面図(b)。
【符号の説明】
15…筐体 16,17…端板 18…支持部材 20…高周波四重極加速装置 21,22,23,24…電極(四重極電極) 29…開口部 30…イオンビーム(荷電粒子ビーム) 31a,31b…第1層の金属筒体(最内層の金属筒
体) 32a,32b…第2層の金属筒体(第2位層の金属筒
体) 33a,33b…第3層の金属筒体 34a,34b…第4層の金属筒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳村 哲夫 神戸市垂水区桃山台6丁目16−12 (72)発明者 寺田 充夫 藤井寺市林4−5−6

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状の筐体の両端部を荷電粒子ビームダク
    ト開口を有する端板で閉じた該筐体内部の中心軸方向
    に,相対向する電極を直交方向に配してなる四重極電極
    を配設し,該四重極電極にコンデンサ及びインダクタを
    具備してなる共振回路から所定の電位を供給することに
    より,前記四重極電極間に入射された荷電粒子を加速す
    る高周波四重極加速装置において, 前記四重極電極と同軸に直径の異なる複数の金属筒体を
    所定間隔を空けて層状に配設し,前記四重極電極から数
    えて奇数層に配設された前記金属筒体を前記筐体の各端
    板に直結し,偶数層に配設された前記金属筒体を前記筐
    体の中央部に設けた円盤状の支持部材に直結して,該支
    持部材と前記筐体と前記端板とで前記インダクタを構成
    し,複数の前記金属筒体により前記コンデンサを構成す
    ると共に,最内層に配設された前記金属筒体の中央部と
    前記四重極電極の一方向に対面する電極の中央部とを接
    続し,中心軸から第2位層に配設された前記金属筒体の
    中央部と前記四重極電極の他方向に対面する電極の中央
    部とを接続したことを特徴とする高周波四重極加速装
    置。
  2. 【請求項2】上記支持部材が任意形状,任意個数の開口
    部を有する円盤である請求項1記載の高周波四重極加速
    装置。
  3. 【請求項3】複数の上記加速装置が荷電粒子ビーム方向
    に連結されてなる請求項1記載の高周波四重極加速装
    置。
JP831592A 1992-01-21 1992-01-21 高周波四重極加速装置 Pending JPH05198396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP831592A JPH05198396A (ja) 1992-01-21 1992-01-21 高周波四重極加速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP831592A JPH05198396A (ja) 1992-01-21 1992-01-21 高周波四重極加速装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05198396A true JPH05198396A (ja) 1993-08-06

Family

ID=11689726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP831592A Pending JPH05198396A (ja) 1992-01-21 1992-01-21 高周波四重極加速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05198396A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4596946A (en) Linear charged particle accelerator
US5280252A (en) Charged particle accelerator
US3169206A (en) High frequency tube method and apparatus
US3324339A (en) Periodic permanent magnet electron beam focusing arrangement for traveling-wave tubes having plural interaction cavities in bore of each annular magnet
US4494040A (en) Radio frequency quadrupole resonator for linear accelerator
US3984725A (en) Permanent magnet structure for crossed-field tubes
US7116051B2 (en) Multibeam klystron
JPH05198396A (ja) 高周波四重極加速装置
US3010047A (en) Traveling-wave tube
US3436588A (en) Electrostatically focused klystron having cavities with common wall structures and reentrant focusing lens housings
JP3900377B2 (ja) 電子ビーム管
WO1998033228A2 (en) High-gradient insulator cavity mode filter
JP4038883B2 (ja) 高周波型加速管
JPH05182794A (ja) 高周波加速用共振器
JP2835951B2 (ja) エネルギー可変型rfq加速装置およびイオン打込み装置
JP2909794B2 (ja) Rfq線形加速器
US3368100A (en) Vacuum pump having a radially segmented, annular anode
US2838711A (en) Electric discharge devices
JPH0810638B2 (ja) 荷電粒子加速器
JP2662527B2 (ja) 高周波四重極加速器
JPH0544800Y2 (ja)
JPH06163199A (ja) 高周波四重極加速装置
RU2157575C1 (ru) Радиальный клистрод
RU2281621C1 (ru) Излучатель электронов
JPH0810639B2 (ja) 外部共振形四重極粒子加速器