JPH0810566B2 - 改良された留分からなる電気絶縁油 - Google Patents

改良された留分からなる電気絶縁油

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JPH0810566B2
JPH0810566B2 JP63055149A JP5514988A JPH0810566B2 JP H0810566 B2 JPH0810566 B2 JP H0810566B2 JP 63055149 A JP63055149 A JP 63055149A JP 5514988 A JP5514988 A JP 5514988A JP H0810566 B2 JPH0810566 B2 JP H0810566B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、低温特性の改良された副生油留分からなる
電気絶縁油に関する。更に詳しくはZSM−5型合成ゼオ
ライト触媒の存在下、アルキルベンゼンを副生油に加え
て反応させて得られる低温特性の優れた副生油留分から
なる電気絶縁油に関する。
(従来技術とその問題点) ベンゼンにアルキル化触媒によりエチレンをアルキル
化しエチルベンゼンを製造することは、工業的な規模で
行われている。得られたエチルベンゼンは、脱水素され
スチレンとなりポリスチレン樹脂そのほかの化学原料と
なる。
上記エチルベンゼンの製造時、ジアリールアルカンを
含む重質油が副生する。この副生油中には、ジフェニル
メタン、1,1−ジフェニルエタンを代表とするジアリー
ルアルカンが含まれている。これらジアリールアルカン
は芳香族性が高く電気絶縁油特にコンデンサー油として
本来は望ましいものである。しかしながら、これらの中
でジフェニルメタンはその凝固点が高いため低温特性が
要求される電気絶縁油の用途としては望ましくはない。
しかし、かといって1,1−ジフェニルエタンそれ単独と
して回収しても電気絶縁油、特に低温特性が要求される
電気絶縁油分野には必ずしも好適ではない。
しかも、蒸留により副生油からジフェニルメタンと1,
1−ジフェニルエタンとを分離して回収することはかな
りの数の理論段数を有する精留塔が必要である。
従って、上記副生物から電気絶縁油、特に低温特性に
優れた電気絶縁油としての優れた成分を回収するために
は、困難な精留により望ましくないジフェニルメタンを
分離したとしても低温特性に優れた電気絶縁油を回収す
ることは困難である。
それ故、本発明の目的は、エチルベンゼン製造時の副
生油留分から経済的に結晶析出点の低い電気絶縁油を回
収することにある。
(発明の構成) すなわち、本発明は、ZSM−5型合成ゼオライト触媒
の存在下にベンゼンをエチレンによりアルキル化してエ
チルベンゼンを製造する際に副生するジフェニルメタン
および1,1−ジフェニルエタンを含む副生油留分に、少
なくとも1個の炭素数1〜4のアルキル基を有するアル
キルベンゼンをZSM−5型合成ゼオライト触媒の存在
下、反応温度180〜400℃の範囲で接触させ、しかる後に
反応混合物から回収してなる1,1−ジフェニルエタン及
びその他のジアリールアルカンを含む常圧換算の沸点27
0〜300℃の範囲にある成分を主とする低温特性の優れた
留分からなる電気絶縁油に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
エチルベンゼンの製造においては、ベンゼンをアルキ
ル化触媒の存在下エチレンでアルキル化し、主として未
反応ベンゼン、エチルベンゼン、ポリエチルベンゼン及
びより重質な生成物を含むアルキル化生成物が得られ
る。このアルキル化は、公知の液相アルキル化法あるい
は気相アルキル化法により行なうことができる。使用す
るベンゼン対エチレンのモル比は約25:1〜1:5、好まし
くは約10:1〜1:1とすることができる。
通常は気相アルキル化を行ない、この気相アルキル化
法においては、例えばアルキル化原料をZSM−5型の合
成ゼオライト触媒上に約250〜650℃、好ましくは約300
〜550℃の範囲の温度および大気圧〜100kg/cm2、好まし
くは大気圧〜70kg/cm2の範囲の圧力並びにWHSVで1〜50
0、好ましくは1〜300の範囲にある空間速度でもって触
媒に通すことによって反応させる。エチルベンゼン製造
時のアルキル化触媒であるZSM−5型合成ゼオライトは
基本的には、後述のZSM−5型ゼオライトと同種の触媒
である。従って、この触媒に付いては後述する。
かかるアルキル化の結果、未反応ベンゼン、エチルベ
ンゼン、ポリエチルベンゼンおよび一層重質な生成物を
主とするアルキル化生成物が得られる。要すれば触媒を
予め除去する。
以上のようにして得られたアルキル化生成物から、未
反応ベンゼン、エチルベンゼン、少なくとも一部のポリ
エチルベンゼンをのぞいて副生油を得る。
本発明の原料油としては、ジフェニルメタンと1,1−
ジフェニルエタンとを含む副生油を使用する。この副生
油はアルキル化生成物から直接蒸留、通常は減圧蒸溜に
より回収されるか、あるいは一旦、広い沸点範囲の副生
物を回収し、これを再度蒸留することにより目的とする
ジフェニルメタンと1,1−ジフェニルエタンとを含む副
生油留分を回収してもよい。いずれにしろ本発明の出発
原料は、ジフェニルメタンと1,1−ジフェニルエタンと
を含むことが肝要である。すなわち本発明の反応に先立
ち困難な蒸留により予め副生物からジフェニルメタンを
分離し原料副生油中の1,1−ジフェニルエタンの量を増
やしておくことは特に必要でない。しかしながら、余り
に多量の1,1−ジフェニルエタンを含む副生油では、目
的とする留分の回収率が低下する。それ故、原料副生油
中に含まれるべき1,1−ジフェニルエタンの量は、ジフ
ェニルメタンに対して50重量%までである。
次ぎに上記原料留分にアルキルベンゼンを加えて反応
させる。ここで反応させるべきアルキルベンゼンは、少
なくとも炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルベ
ンゼンである。具体的なアルキル基は、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチルなどのアルキル基であ
る。これらのアルキル基を1ないし4個有するアルキル
ベンゼンを本発明では使用する。これらのアルキルベン
ゼンは、具体的にはトルエン、エチルベンゼン、キシレ
ンなどである。特に好ましくは、トルエンである。これ
らのアルキルベンゼンは単独または複数の混合物として
も反応させることができる。
本発明の反応はZSM−5型合成ゼオライト触媒の存在
下反応温度180〜400℃、好ましくは200〜350℃で反応さ
せる。反応温度が、180℃よりも低いと反応が実質的に
進行せず実用的でない。また、400℃を越える反応温度
では副反応が生起し好ましくない。
アルキルベンゼンと反応させる際の本発明の合成ゼオ
ライト触媒は、基本的には、既に述べたエチルベンゼン
製造の際のアルキル化触媒と同種のZSM−5型合成ゼオ
ライト触媒である。ここでこの触媒についてさらに詳し
く説明する。
すなわちアルキルベンゼンと反応させる際の触媒は、
SiO2/Al2O3モル比が20以上であって、主空洞の入口が10
員酸素環からなる結晶性合成アルミノシリケート・ゼオ
ライトである。この様なゼオライトとしては、主空洞の
入口が10員酸素環からなるZSM−5型の合成ゼオライト
や、更に、ゼオライトゼータ1、ゼオライトゼータ2な
ども挙げられる。すなわち、本発明のゼオライトは10員
酸素環からなることで特徴ずけられるものである。従来
の合成ゼオライトであるリンデA、エリオナイト等は8
員酸素環であり、またモルデナイト、リンデーX型、Y
型ゼオライと等は12員酸素環である。
これら、従来の8員酸素環あるいは12員酸素環からな
るゼオライトは、その構造が本発明のそれとは相違する
ことに起因して、本発明の方法には適さないものであ
る。
本発明において用いる結晶性合成ゼオライトは、主空
洞の入口が10員酸素環からなる構造特性を有し、SiO2/A
l2O3モル比が20以上である結晶性合成アルミノシリケー
トであれば何れのものも使用できる。特に好ましくは、
ZSM−5型の合成ゼオライトであり、例えば、ZSM−5、
ZSM−11、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−38、ZSM−
48等として知られている。これらのZSM−5型の合成ゼ
オライトは、何れもその主空洞の入口が10員酸素環から
なる構造特性を有する。更に特に好適な合成ゼオライト
は、ZSM−5である。これらZSM−5型ゼオライトの組成
および製法は、何れも下記特許公報に記載されている。
ZSM−5:米国特許第3702886号 ZSM−11:米国特許第3709979号および特公昭53−23280号 ZSM−22:米国特許第4481177号 ZSM−23:米国特許第4076842号および同4490342号 ZSM−35:特開昭53−144500号 ZSM−38:米国特許第4046859号 ZSM−48:米国特許第4423021号 ゼオライトゼータ1:特開昭51−67299号 ゼオライトゼータ2:特開昭51−67298号 主空洞の入口が10員酸素環からなる構造特性の合成ゼ
オライトは高いSiO2/Al2O3モル比を一般に有しその値は
通常20以上である。場合によっては、SiO2/Al2O3モル比
が非常に高く、例えば1600以上のようなゼオライトも有
効である。更に場合によっては実質的にアルミニウムを
含まない、即ちSiO2/Al2O3モル比が無限大に近いゼオラ
イトを使うこともできる。このように「高シリカ」ゼオ
ライトも本発明の定義に含まれる。このSiO2/Al2O3モル
比は原子吸光法などの通常の分析法で測定される。この
比はゼオライト結晶の硬質アニオン骨格中の比にできる
だけ近い値を表し、結合剤中またはチャンネル内のカチ
オンその他の形態中のアルミニウムは除かれる。
主空洞の入口が10員酸素かからなる構造は通常X線回
折法で確認される。例えば、本発明の触媒として好まし
いZSM−5型の合成ゼオライトは、それぞれ特有の特性
X線回折パターンを有する(詳しくは、前記特許公報を
参照)。
しかしながら、このX線回折分析法によらずとも、制
御指数なる測定値をもってX線回折法の代りとすること
もできる。すなわち、本発明の10員酸素環は制御指数で
1〜12の合成ゼオライトであるとも定義できる。ここ
で、該制御指数は特開昭56−133223号公報に具体的測定
方法をもって示されている。この指数は、ゼオライト結
晶の細孔構造がn−パラフィンよりも大きな断面積の分
子を接近を制御する程度を示すものである。その測定法
は、該公報に開示されているように、n−ヘキサンと3
−メチルペンタンとを一定条件下のゼオライトに吸着さ
せ、それらの吸着量から計算される。代表的な制御指数
は下記の通りである。
制御指数 ZSM−5 8.3 ZSM−11 8.7 ZSM−35 4.5 非晶質シリカ・アルミナ 0.6 本発明のゼオライトの製造法としてZSM−5の合成方
法を例にとり説明すると、初めに水酸化テトラプロピル
アンモニウムあるいはテトラ−n−プロピルアンモニウ
ムブロマイド、酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、酸
化珪素及び水を含む反応原料を調製する。その組成は前
記公報に記載された範囲として、この反応混合物を加熱
し水熱合成させる。合成後、得られた結晶を空気中で焼
成すれば、ゼオライトZSM−5触媒が得られる。ここで
は、酸化アルミニウムを用いる方法を述べたが、シリカ
ライトと称する実質的にアルミニウム原子を含まないZS
M−5を合成することも提案されている。上記方法は、
水酸化テトラプロピルアンモニウムあるいはテトラ−n
−プロピルアンモニウムブロマイドを用いる方法を説明
したが、例えばZSM−5の合成法としてもこれ以外に種
々の有機カチオンまたはその前駆体としての有機化合物
をこの代わりに用いることが提案されている。この例と
しては、例えばアンモニア、トリアルキルメチルアンモ
ニウムカチオン、トリエチル−n−プロピルアンモニウ
ムカチオン、C2-9第1級モノアルキルアミン、ネオペン
チルアミン、ジおよびトリアルキルアミン、アルカノー
ルアミン、C5-6アルキルジアミン、C3-12−アルキレン
ジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、C3-6ジオール、エチレンまたはプロピレングリコー
ル、1,4−ジメトキシシクロヘキサン、ヒドロキノン、
エチレンオキサイド及びアンモニア、n−ドデシルベン
ゼンスルフォネート、シクロペンタジエニイルフタロシ
アニン錯体、2−アミノピリジン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン、テトラ
ヒドロフラン、酒石酸などのカルボン酸等が挙げられ
る。また、その、その他の結晶化時の種としてZSM−5
を添加することにより、上記例示の様な有機カチオンま
たはその前駆体としての有機化合物を添加することなく
製造することすらも提案されている。
反応に用いられるゼオライトは、合成時の反応原料に
起因して、例えば、ナトリウムイオンその他の金属イオ
ンを含む。Na等のアルカリ金属その他の金属としては、
カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、さら
に3価の金属でイオン交換したものも使用できる。更
に、マグネシウム交換したものも使用できる。更に、マ
グネシウム、ホウ素、カリウム、燐もしくはこれらの化
合物で含浸させることにより変性した結晶性合成アルミ
ノシリケートゼオライト、例えば、ZSM−5型ゼオライ
トも使用することができる。これらのイオン交換の方法
あるいは変性方法は、従来公知の方法により行なうこと
ができる。
上記の様に本発明の結晶性合成ゼオライトは各種の金
属を含むことが出来るが、金属イオンを水素イオンで交
換したいわゆる水素型ゼオライト(HZSM−5)あるいは
酸型ゼオライトと呼ばれている合成ゼオライトが本発明
の方法は好ましい。代表的な水素型ゼオライトは、触媒
調製時の有機カチオンを含む触媒を不活性雰囲気下で、
例えば約540℃で1時間加熱し、しかる後にアンモニウ
ム塩あるいは塩酸などの鉱酸でイオン交換し、例えば54
0℃で焼成することにより活性化され、いわゆる水素型
のゼオライトが得られる。
そのほか、必要に応じて水蒸気処理や、コーク処理を
することもできる。
本発明のアルキルベンゼン好ましくはトルエンを反応
させる反応は気相で行なっても良いが、触媒の活性を長
く保つためには液相で行なった方が好ましい。それ故反
応圧力は常圧から50kg/cm2の範囲であって、反応温度に
おいて反応液を液相に保つに十分な圧力にすることが適
当である。
本発明の方法の反応の形式は流通式でも、バッチ式で
もいずれでもよい。
反応時間はバッチ式では反応温度そのほかの反応条件
に応じて0.5〜50時間の範囲から選ばれる。これより反
応時間が短いと反応率が低くなる。また反応時間を必要
以上に長くしても、むしろ副反応を多くするだけであり
好ましくない。
流通式の反応形式の場合はLHSVは0.2〜20好ましくは
0.5〜10である。これよりLHSVが小さいと副反応が多く
なり、また一定時間あたりの収率が小さくなり好ましく
ない。LHSVが大きすぎると反応が進行せずに系外に流出
する事になるので好ましくない。
アルキルベンゼンの添加量は、副生油留分中の組成そ
のほかにより変わり得るが、通常は該副生油中のジフェ
ニルメタンに対してアルキルベンゼンのアルキル基モル
換算のモル比で0.5〜20、好ましくは1〜10の量であ
る。この範囲を外れるといずれの場合も本発明の目的で
ある結晶析出点を下げるという効果が期待できないため
に好ましくない。
反応終了後、反応混合物から未反応アルキルベンゼン
を含む軽質分を通常は、蒸留により分離除去し、1,1−
ジフェニルエタンを含む常圧換算の沸点270〜300℃の範
囲にある成分を主とする留分を回収する。沸点が270℃
未満の成分には、低温特性を低下させるジフェニルメタ
が含まれるために好ましくなく、一方300℃を越える沸
点の成分は粘度が高くなると共にその成分化合物の凝固
点も必ずしも低くはならないために好ましくはない。
本発明の方法により得られる留分は、実質的にジフェ
ニルメタンを含まないために、また未反応の1,1−ジフ
ェニルエタンおよびその他の本発明の方法により製造さ
れたジアリールアルカンを含みこれら各成分の相乗効果
により低温特性の優れた電気絶縁油が製造される。
本発明の方法により製造される電気絶縁油は油含浸電
気機器、特に油浸コンデンサー用含浸油として有用であ
る。その中でも、プラスチックを絶縁材料または誘電材
料の少なくとも一部に使用した油含浸コンデンサーに含
浸させるために好適である。プラスチックとしては、ポ
リエステル、ポリフッ化ビニリデンなどほかポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのポリオレフィンが使用される
が、ポリプロピレンのどのポリオレフィンが特に好適で
ある。本発明により製造される電気絶縁油が好適に含浸
させる油含浸コンデンサーハ、アルミニウムなどの導体
としての金属箔と、前記絶縁材料または誘電材料として
のプラスチックフィルムとを巻回し、絶縁油を含浸させ
ることにより製造されるか、あるいは、前記絶縁材料ま
たは誘電材料としてのプラスチックフィルム上にアルミ
ニウム、亜鉛などの導体としての金属蒸着層を形成した
金属プラスチックフィルムを、必要に応じてプラスチッ
クフィルムあるいは絶縁紙とともに巻回し、含浸するこ
とにより製造される油浸コンデンサーである。なお、電
気絶縁油として使用するに際しては、従来公知の電気絶
縁油、例えばフェニルキシリルエタン、アルキルビフェ
ニル、アルキルナフタレン、1,1−ジフェニルエチエン
等を適宜に任意の割合で混合することができる。
(発明の効果) 本発明の方法によると凝固点の高いジフェニルメタン
を含むために従来必ずしもその利用が充分ではなかった
エチレベンゼン副生油留分から、低温特性の優れた電気
絶縁油として有用な留分を回収することができる。
本発明の方法により得られる留分は、実質的にジフェ
ニルメタを含まないために、また未反応の1,1−ジフェ
ニルエタンおよびその他の本発明の方法により製造され
たジアリールアルカンを含みこれら各成分の相乗効果に
より低温特性の優れた電気絶縁油が製造される。
例えば、本発明の反応を無機固体酸触媒であるシリカ
・アルミナ触媒で行なうと、低温特性が向上する度合が
低い。Y型ゼオラトも同様である。塩化アルミニウムな
どのフリーデル・クラフツ触媒では重質な成分が副生す
る割合が多く好ましくない。
以下に実施例により本発明を詳述する。
実施例1 内容積250mlの反応容器に前記特許公報に記載されて
いる方法により製造した水素型ZSM−5(12〜14メッシ
ュ)200mlを充填し乾燥窒素を送りながら480℃で3時間
乾燥した。
この反応容器に反応温度270℃、圧力20気圧(窒素雰
囲気下)LHSV=1.0にてトルエン:副生油留分=50:50重
量部の割合の混合液を通油した。
なお、この副生油留分はZSM−5型合成ゼオライト触
媒によりエチレンをベンゼンにアルキル化しエチルベン
ゼンを製造する工程からのアルキル化生成物を減圧蒸留
し回収した常圧換算の沸点260〜275℃の成分を主とする
ジフェニルメタン及び1,1−ジフェニルエタンとを含む
留分である。1,1−ジフェニルエタンは、ジフェニルメ
タンに対して10重量%含まれていた。また、経済性を無
視した高度の減圧精密蒸留により上記のアルキル化生成
物からジフェニルメタンを実質的に含まない常圧換算の
沸点が270〜275℃の留分を得た。この留分を「留分A」
と称する。既に回収したジフェニルメタンおよび1,1−
ジフェニルエタンを含む留分を「留分B」という。
上記留分Bを前述の反応法で反応させた。
反応後、反応液から未反応のトルエンを含む軽質分を
留去し常圧換算の沸点270〜300℃の成分を主とする留分
を通常の減圧蒸留により得た。
この留分を「留分C」とする。なお、原料留分である
留分Bは沸点が260〜275℃であるにも拘らず、反応後の
留分Cには275℃を越える高沸点成分が含まれていた。
この高沸点成分は当然ながら前記接触により生成したも
のである。
次に比較のために、上記反応液からジフェニルメタン
を含む常圧換算の沸点が260〜300℃の留分(以下「留分
D」という)を得た。
留分Bと留分Cについて凝固点を測定した。凝固点の測
定は、測定対象の液体を試験管にいれ測定温度とは10℃
の幅をもって昼は高く夜は低いサイクルにて1週間エー
ジングをした後、測定温度において1週間放置し、目視
により観察して試験管全体が固化したと認められた温度
もって凝固点とした。結果は次に示す。
(絶縁油試験) 厚さ14ミクロンの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを
二枚重ねて、電極としてのアルミニウム箔と共に巻回
し、容量0.4μFのモデルコンデンサーを作製した。
前記4種の留分をそれぞれ含浸させた。昼間は−40
℃、夜は−50℃の温度サイクルでもって1週間冷却した
後、−40℃で1週間放置して測定に供した。測定は、同
一含浸油の10個のモデルコンデンサーに、課電し−40℃
において10V/μづつの電位傾度をもって電圧を上昇さ
せ、各電位度毎に破壊したコンデンサーの数を求めた。
その結果次表を示す。次表の結果から、本発明の電気絶
縁油は低温特性に優れていることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ZSM−5型合成ゼオライト触媒によりベン
    ゼンをエチレンによりアルキル化してエチルベンゼンを
    製造する際に副生するジフェニルメタン及び1,1−ジフ
    ェニルエタンを含む副生油留分に、少なくとも1個の炭
    素数1〜4のアルキル基を有するアルキルベンゼンを加
    えてZSM−5型合成ゼオライト触媒の存在下、反応温度1
    80〜400℃の範囲で接触させ、しかる後に反応混合物か
    ら回収してなる1,1−ジフエニルエタン及びその他のジ
    アリールアルカンを含む常圧換算の沸点270〜300℃の範
    囲にある成分を主とする低温特性の優れた留分からなる
    電気絶縁油。
  2. 【請求項2】前記アルキルベンゼンが、トルエンである
    特許請求の範囲第1項記載の電気絶縁油。
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