JPH08105532A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH08105532A
JPH08105532A JP6261325A JP26132594A JPH08105532A JP H08105532 A JPH08105532 A JP H08105532A JP 6261325 A JP6261325 A JP 6261325A JP 26132594 A JP26132594 A JP 26132594A JP H08105532 A JPH08105532 A JP H08105532A
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line
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卓治 藤原
Akio Matsumoto
明夫 松本
Junichi Doi
淳一 土井
Toshihisa Marusue
敏久 丸末
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Abstract

(57)【要約】 【目的】摩擦締結要素の締結応答性向上と締結ショック
防止とを共に満足させる。 【構成】ニュ−トラルレンジから後退レンジへの切換時
に締結されるロ−リバ−スブレーキ44に対する作動油
圧供給ライン63に、アキュムレ−タACCが接続され
る。アキュムレ−タACCの背圧室84の圧力が、ライ
ン圧とは別個独立して設定される。背圧室84の圧力
は、零または低圧の一定圧とすることができ、あるいは
制御弁73により可変制御することもできる。後退レン
ジへの切換時に、タ−ビン回転数の低下が開始されるま
での間(ロ−リバ−スブレーキ44の締結開始が検出さ
れるまでの間)は、ライン圧を最高圧付近の大きい圧力
(プリチャ−ジ)とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は一般に、遊星歯車式の多段
変速歯車機構とトルクコンバ−タとを備えて、該多段変
速歯車機構がトルクコンバ−タを介してエンジンに連結
される。この多段変速歯車機構は、油圧作動式の摩擦締
結要素の締結、締結解除を切換えることにより、動力伝
達系路を切換えるつまり変速を行うようになっている。
この摩擦締結要素に対する作動油圧の供給系路には、油
圧の棚圧を形成するためのアキュムレ−タが接続され
て、摩擦締結要素に供給される油圧の急激な変化を防止
して、セレクトショックや変速ショックを防止するよう
になっている。そして、このアキュムレ−タには、ライ
ン圧に応じて設定される背圧が印加されるようになって
いる。
【0003】ところで、ニュ−トラルレンジからDレン
ジあるいは後退レンジ等の走行レンジに切換えられた場
合、前進走行用の摩擦締結要素あるいは後退走行用の摩
擦締結要素の締結速度を十分早めるために、プリチャ−
ジと呼ばれるように、ライン圧を一時的に最高圧あるい
は略最高圧にまで高めること、つまり摩擦締結要素の遊
び分を高いライン圧とすることにより早期に吸収させる
ことが行われている(特開昭62−181926号公報
参照)。
【0004】前記プリチャ−ジによりライン圧を高めて
おくのは、摩擦締結要素の締結開始直前までとするの
が、その締結速度を早めつつ、セレクトショックを防止
する上で要求される。このプリチャ−ジを行う期間を、
タイマによる時間で設定する場合は、摩擦締結要素の締
結開始時期の変動を考慮して、摩擦締結要素が実際に締
結開始される前までの十分余裕を持った時間として設定
せざるを得ないことになり、この場合は、締結の応答性
を十分高めるという点で十分満足のいかないものとな
る。
【0005】一方、前記プリチャ−ジ期間を、例えばタ
−ビン回転数が低下開始したときまでというように、摩
擦締結要素の締結開始時期を見て設定することが考えら
れる。この場合は、摩擦締結要素が実際に締結開始まで
の間プリチャ−ジを行えるので、締結の応答性を十分確
保できることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリチ
ャ−ジ期間を、摩擦締結要素が実際に締結開始されるま
で行う場合、アキュムレ−タに対する背圧が、当該摩擦
締結要素が実際に締結開始した時点からその直後まで大
きい状態となってしまう。このことは、アキュムレ−タ
による棚圧が大きくなり過ぎたり、あるいは棚圧を形成
しておく時間が極めて短いものとなってしまい、セレク
トショックを防止する上で問題となる。このような問題
は、例えば1速から2速への変速時等における変速ショ
ック防止という点でも問題となる。
【0007】したがって、本発明の目的は、摩擦締結要
素の締結の応答性を高めるために一時的にライン圧を高
めるものを前提として、摩擦締結要素の締結の際のショ
ックを十分に防止できるようにした自動変速機の制御装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明にあっては次のような構成としてある。すな
わち、動力伝達系路切換用の摩擦締結要素の作動油圧供
給系路にアキュムレ−タが接続された自動変速機におい
て、前記摩擦締結要素の締結時に、自動変速機の入力側
回転数が低下開始となるまでの間、ライン圧を最高圧あ
るいは略最高圧付近に高めるプリチャ−ジ手段を備え、
前記アキュムレ−タの背圧が、前記摩擦締結要素に対す
る作動油圧とは別個独立して設定されている、ような構
成としてある。上記構成を前提とした本発明の好ましい
態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載の
とおりである。
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、ア
キュムレ−タの背圧がライン圧と無関係に別項独立して
設定されるので、摩擦締結要素の締結応答性を高めるた
めにライン圧を高めても、この高められたライン圧に応
じた背圧をアキュムレ−タに作用させなくてすみ、摩擦
締結要素の締結時のショックを十分に防止することが可
能となる。つまり、アキュムレ−タの背圧は、ライン圧
とは無関係に締結ショック防止の観点を十分加味して自
由に設定できることになる。
【0009】請求項2に記載したような構成とすること
により、アキュムレ−タの背圧を零にすることにより、
背圧設定が極めて簡単となる。請求項3に記載したよう
な構成とすることにより、アキュムレ−タの背圧を零以
外の低圧の一定圧とすることにより、背圧設定を簡単化
する上で好ましいものとなる。
【0010】請求項4に記載したような構成とすること
により、ライン圧を一時的に高めるプリチャ−ジ後のラ
イン圧を、エンジン負荷あるいは変速機入力軸回転数に
応じて最適設定して、締結されようとする摩擦締結要素
の好ましくない滑りや過大な締結力作用を防止して、摩
擦締結要素の耐久性向上等の点から好ましいものとな
る。
【0011】請求項5に記載したような構成とすること
により、油圧の供給応答性に大きな影響を与える油温に
応じてライン圧を補正して、請求項4に対応した効果を
より確実に得る上で好ましいものとなる。
【0012】請求項6に記載したような構成とすること
により、アキュムレ−タの背圧を可変制御することによ
り、摩擦締結要素の締結ショックをより十分に防止する
上で好ましいものとなる。
【0013】請求項7に記載したような構成とすること
により、後退レンジ選択のときは、複数の摩擦締結要素
を同時に締結する等の観点から、特に締結の応答性が悪
くなりかつセレクトショックが大きくなり易いが、この
後退アレンジ選択のときの摩擦締結要素の締結応答性と
セレクトショック防止とを共に十分に満足させることが
できる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付した図面に基
いて説明する。図2は自動変速機10の概要を示すもの
で、この自動変速機10は、主なる構成要素としてトル
クコンバ−タ20と、該トルクコンバ−タ20の出力に
より駆動される遊星歯車式の多段変速歯車機構30とか
らなる。多段変速歯車機構30は、その動力伝達経路に
介在する歯車の使用態様を変更させるクラッチあるいは
ブレ−キ等の複数の摩擦締結要素41〜46及びワンウ
エ−クラッチ51、52とを有し、これらにより走行レ
ンジとしてのDレンジでは1〜4速の各変速段が得られ
るようになっている。そして、図1に示すように、多段
変速歯車機構30は、トルクコンバ−タ20を介してエ
ンジンEGの出力軸1に連結される。
【0015】上記トルクコンバ−タ20は、エンジン出
力軸1に連結されたポンプケ−ス21に固設されたポン
プ22と、該ポンプ22に対向して配置されて該ポンプ
22により作動油を介して駆動されるタ−ビン23と、
これらポンプ22とタ−ビン23との間に介設され且つ
変速機ケ−ス11にワンウエ−クラッチ24を介して支
持されてトルク増大作用を行なうステ−タ25と、上記
ケ−ス21とタ−ビン23との間に設けられ、上記ポン
プケ−ス21を介してエンジン出力軸1とタ−ビン23
とを直結するロックアップクラッチ26と、で構成され
て、上記タ−ビン23の回転がタ−ビンシャフト27を
介して上記変速歯車機構30側に出力されるようになっ
ている。
【0016】ここで、上記エンジン出力軸1には、タ−
ビンシャフト27内を貫通して延びるポンプシャフト1
2の前端が連結され、該シャフト12により変速機10
の後端部に備えられたオイルポンプ13の駆動が行なわ
れるようになっている。
【0017】上記変速歯車機構30は、ラビニョン型プ
ラネタリギヤ装置で構成され、上記タ−ビンシャフト2
7上に遊嵌合された小径のスモ−ルサンギヤ31と、該
サンギヤ31の後方において、同じくタ−ビンシャフト
27上に遊嵌合された大径のラ−ジサンギヤ32と、前
半部がショ−トピニオン33に噛合され、且つ後半部が
上記ラ−ジサンギヤ32に噛合されたロングピニオンギ
ヤ34と、該ロングピニオンギヤ34及び上記ショ−ト
ピニオン33を回転自在に支持するキャリヤ35と、ロ
ングピニオンギヤ34の前半部に噛合わされたリングギ
ヤ36と、で構成されている。
【0018】そして、上記タ−ビンシャフト27とスモ
−ルサンギヤ31との間に、フォワ−ドクラッチ41
と、第1ワンウエ−クラッチ51とが直列に介設され、
またこれらクラッチ41、51に対して並列にコ−スト
クラッチ42が介設されている。また、タ−ビンシャフ
ト27とキャリア35との間には3−4クラッチ43が
介装されている。また、タ−ビンシャフト27とラ−ジ
サンギヤ32との間にリバ−スクラッチ44が介装され
ている。
【0019】また、上記ラ−ジサンギヤ32とリバ−ス
クラッチ44との間にはラ−ジサンギヤ32を固定する
バンドブレ−キからなる2−4ブレ−キ45が設けられ
ている。また、上記キャリヤ35と変速機ケ−ス11と
の間には、該キャリヤ35の反力を受け止める第2ワン
ウエ−クラッチ52と、キャリア35を固定するロ−リ
バ−スブレ−キ46とが並列に設けられている。そし
て、上記リングギヤ36が自動変速機の出力軸を実質的
に構成する出力ギヤ14に連結され、該出力ギヤ14か
ら差動装置を介して左右の車輪(図示せず)に回転力が
伝達されるようになっている。
【0020】次に、上記摩擦締結要素41〜46及びワ
ンウエ−クラッチ51、52の作動状態と変速段との関
係を説明するが、これ等の関係はまとめて図3に示して
ある。
【0021】『1速』 フォワ−ドクラッチ41が締結
されて、第1、第2のワンウエ−クラッチ51、52は
ロック状態となる。このため、トルクコンバ−タ20の
出力回転は、タ−ビンシャフト27から上記フォワ−ド
クラッチ41及び第1ワンウエ−クラッチ51を介して
上記スモ−ルサンギヤ31に入力される。この場合、第
2ワンウエ−クラッチ52の作用でキャリヤ35が固定
されるため、プラネタリギヤ装置30は、上記スモ−ル
サンギヤ31からショ−トピニオンギヤ33及びロング
ピニオンギヤ34を介してリングギヤ36に回転を伝達
する。すなわち、作動動作を行なわない固定的なギヤ列
として作動するため、上記スモ−ルサンギヤ31とリン
グギヤ36との比に対応する大きな減速比の1速状態が
得られる。
【0022】『2速』 上記1速状態に加えて、2−4
ブレ−キ45が作動し、プラネタリギヤ装置30におけ
るラ−ジサンギヤ32が固定されると共に、第2ワンウ
エ−クラッチ52が空転状態となる。このため、上記タ
−ビンシャフト27からスモ−ルサンギヤ31に伝達さ
れた回転がショ−トピニオンギヤ33を介してロングピ
ニオンギヤ34に伝達される。ここに、ロングピニオン
ギヤ34は、これに噛合するラ−ジサンギヤ32が固定
されているため、ラ−ジサンギヤ32上を公転し、これ
に伴ってキャリア35が回転する。従って、1速状態に
比較してキャリア35の回転分(ロングピニオンギヤ3
4の公転分)だけリングギヤ36の回転が増速され、1
速のときよりも減速比が小さい2速状態が得られる。
【0023】『3速』 3速においては、上記2速の状
態から2−4ブレ−キ45が開放されると共に、3−4
クラッチ43が締結される。このため、タ−ビンシャフ
ト27の回転は、上記フォワ−ドクラッチ41及び第1
ワンウエ−クラッチ51を介してスモ−ルサンギヤ31
に入力されると同時に、3−4クラッチ43を介してキ
ャリヤ35にも入力されることになる。従って、プラネ
タリギヤ装置30の全体が一体回転し、リングギヤ36
がタ−ビンシャフト27と同じ速度で回転する3速状態
が得られる。
【0024】『4速』 4速においては、上記3速で一
旦解放状態とされた2−4ブレ−キ45が再度締結され
る。このため、タ−ビンシャフト27の回転は、3−4
クラッチ43かたプラネタリギヤ装置30のキャリヤ3
5に入力され、ロングピニオンギヤ34が公転されるこ
とになる。このとき、該ロングピニオンギヤ34が噛合
ったラ−ジサンギヤ32が上記2−4ブレ−キ45によ
って固定されているため、ロングピニオンギヤ34はキ
ャリヤ35と共に公転しながら自転することになる。
【0025】従って、ロングピニオンギヤ34に噛合す
るリングギヤ36は、キャリヤ35の回転(タ−ビンシ
ャフト27の回転)にロングピニオンギヤ34の自転分
だけ増速されて回転することになり、これによりオ−バ
ドライブ状態の4速が得られる。尚、この場合では、フ
ォワ−ドクラッチ41は締結状態にあるが、これに直列
の第1ワンウエ−クラッチ51が空転するので、タ−ビ
ンシャフト27の回転がスモ−ルサンギヤ31に入力さ
れることはない。
【0026】『後退』 リバ−スクラッチ44とロ−リ
バ−スブレ−キ46とが締結されて、タ−ビンシャフト
27の回転は、上記ラ−ジサンギヤ32に入力され、こ
のラ−ジサンギヤ32からロングピニオンギヤ34、リ
ングギヤ36に至る固定的なギヤ列を介して、その回転
が伝達される。
【0027】上記各上記摩擦締結要素41〜46は、既
知のように油圧作動式とされて、あらかじめ設定された
所定の変速特性およびロックアップ特性に基づいて締
結、締結解除の制御が行なわれる。この変速特性あるい
はロックアップ特性は、図示は略すが、例えばエンジン
負荷と車速とをパラメ−タとして設定される。
【0028】図4は、ニュ−トラルレンジから後退レン
ジが選択されたときに締結されるロ−リバ−スブレーキ
44に対する油圧系路の一例を示す。この図4におい
て、ポンプ13によりリザ−バ61から汲み上げられた
油圧は、ライン62に供給される。ライン62には、電
磁制御式のライン圧調整弁PLVが接続されて、その圧
力がライン圧とされる。ライン62は、レンジ位置選択
用のマニュアルバルブMVに接続されて、該マニュアル
バルブが後退レンジ(Rレンジ)にあるときは、ロ−リ
バ−スブレーキ44に対する作動油圧供給系路としての
ライン63が、ライン62に接続される。
【0029】ライン63には、直列に2つのオリフィス
64、65が接続されている。ライン63にはオリフィ
ス64をバイパスするリタ−ンライン66が接続され、
該リタ−ンライン66には、互いに直列に、オリフィス
67と、ロ−リバ−スブレーキ44側からマニュアルバ
ルブMV側へ向けての流れのみを許容する逆止弁68が
接続されている。リタ−ンライン66は、マニュアルバ
ルブMVがロ−リバ−スブレーキ44を締結解除すべき
レンジ位置となったときに、当該マニュアルバルブMV
を介して油圧をドレンさせために設定されている。
【0030】ライン63には、オリフィス64と65と
の間において、分岐ライン63aを介して、アキュムレ
−タACCが接続されている。このアキュムレ−タAC
Cは、ケーシング81と、該ケーシング81内に摺動自
在に嵌合された可動隔壁としてのピストン82とを有
し、ピストン82によりケーシング81内には、常時ラ
イン63と連通された作動室83が画成されると共に、
当該作動室83とは反対側において背圧室84が画成さ
れている。背圧室84には、所定の付勢力を有するリタ
−ンスプリング85が配設されて、このリタ−ンスプリ
ング85により、ピストン82が作動室83を圧縮する
方向に付勢されている。なお、ピストン82は、ケーシ
ング81内において、所定ストロ−ク分だけ摺動可能と
され、作動室84を膨張させる(リタ−ンスプリング8
5を圧縮させる)方向におけるピストン82のストロ−
ク動は、当該ピストン82がケーシング81に形成され
た係止段部81aに当接することにより規制される。
【0031】前記ポンプ13からの吐出圧は、ライン7
1にも供給され、このライン71には、減圧弁を兼用し
た調圧弁CVを介して、ライン72に接続されている。
このライン72は、アキュムレ−タACCの背圧室84
に接続されている。ライン72には、デュ−ティソレノ
イドからなる背圧制御弁73が接続されている。この制
御弁73によってライン72のドレン量を制御すること
により、ライン72つまり背圧室84に印加される圧力
(背圧)の大きさが可変制御可能とされる。図4では、
背圧室84の圧力を可変制御する場合、あるいは零以外
の一定圧とすることを考慮して制御弁73を設けた場合
を示してあるが、背圧室84の圧力を常時零とする場合
は、当該制御弁73は不要となる(ライン73が不要と
なり、背圧室84を大気開放とすることができる)。ま
た、背圧室84の圧力を零以外の一定圧(低圧とされ
る)に維持する場合は、電磁式の制御弁73を用いる代
わりに、機械式の調圧弁を用いることができる(調圧弁
CVでこの一定圧を維持するようにしてもよい)。
【0032】図1において、Uはマイクロコンピュ−タ
を利用して構成された制御ユニットで、この制御ユニッ
トUには、各種センサS1〜S5からの信号が入力され
る。センサS1は、車速を検出するものである。センサ
S2はエンジン負荷(実施例ではスロットル開度)を検
出するものである。センサS3タ−ビン回転数を検出す
るものである。センサS4は、マニュアルバルブMVの
操作位置つまりレンジ位置を検出するものである。セン
サS5は油温を検出するものである。制御ユニットU
は、既知のように、あらかじめ設定された変速特性およ
びロックアップ特性に基づいて、変速制御およびロック
アップ制御を行なう他、後述するように、マニュアルバ
ルブMVがニュ−トラルレンジから後退レンジ位置へ切
換えられえたとき、ライン圧調整弁PLVを制御して、
ライン圧が所定の大きさとなるように制御する。なお、
上記変速特性あるいはロックアップ特性は、それぞれ、
例えば車速とエンジン負荷とをパラメ−タとして設定さ
れている。
【0033】図5は、ニュ−トラルレンジから後退レン
ジへ切換えられたときのライン圧制御の仕方を図式的に
示す。この図5において、t1時点で後退レンジへ切換
えられたときであり、この切換に同期して、ライン圧が
最大圧(略最大圧でも可)とされる。ライン圧を最大圧
とすることにより、ロ−リバ−スブレーキ44の遊び
(無効ストロ−ク)が早期に吸収される。t2時点で
は、タ−ビン回転数の低下の開始が検出された時点であ
り、これは、ロ−リバ−スブレーキ44が、遊び分が完
全に吸収されて、実際に締結が開始され始めたことを意
味する。このt2時点以後は、小さいライン圧とされ、
この小さいライン圧は、後述するように、最低ライン圧
を基準値として、スロットル開度とタ−ビン回転数と油
温とに応じて補正された大きさとされる。t2後のt3
時点では、タ−ビン回転数の低下が終了して、ロ−リバ
−スブレーキ44の完全締結が検出された時点である。
このt3時点では、後退レンジ位置に応じた所定のライ
ン圧PL(R)とされる。
【0034】前述したライン圧制御により、ロ−リバ−
スブレーキ44の締結圧力(クラッチ圧)は、図6に示
すように変化される(図6中のt2、t3は、図5のも
のに対応する)。すなわち、t2時点まではロ−リバ−
スブレーキ44の遊び分を吸収するだけなので、締結圧
力は十分小さいものとされる。t2以後は、ロ−リバ−
スブレーキ44の締結が実際に開始されるが、このと
き、アキュムレ−タACCの作用により、いったん棚圧
が形成された状態を経た後、後退レンジに対応したライ
ン圧PL(R)とされる。
【0035】ここで、t2時点では、図6では理想的な
状態として締結圧力が小さいものとして描かれている
が、実際には、締結開始を検出した後にライン圧が低下
される関係上、応答遅れにより、t2時点からその直後
の時点までは、ライン圧はt1時点以後に設定された最
大圧とされて、ロ−リバ−スブレーキ44の締結圧力が
一時的に極めて大きくなるような傾向を示そうとする
(アキュムレ−タACCにより形成される棚圧が大きく
なりすぎる)。したがって、アキュムレ−タACCの背
圧室84の圧力を、従来のようにこの大きなライン圧に
基づいて設定した場合は、ロ−リバ−スブレーキ44の
締結開始直後の締結圧力が一時的に大きくなるばかりで
なく、アキュムレ−タACCによる棚圧形成の時間が短
くなって、大きなセレクトショックを生じてしまうこと
になる。
【0036】これに対して、実施例では、アキュムレ−
タACCの背圧室84の圧力を零に設定してあるので、
アキュムレ−タACCにより形成される棚圧が大きくな
りすぎるのが防止され、かつ棚圧形成時間も十分確保さ
れて、大きなセレクトショックが発生するのが防止され
る。
【0037】実施例では、背圧室84の圧力を零とした
場合を説明したが、背圧室84の圧力を低圧の一定圧と
しても、背圧室84の圧力を零とした場合と同様に、大
きなセレクトショックが防止される(例えば図6一点鎖
線で示すような特性を得る)。また、制御弁73によ
り、背圧室84の圧力を可変制御して、図6破線で示す
すように、ロ−リバ−スブレーキ44の締結 力を略線
形的に変化させて、大きなセレクトショックを防止する
こともできる(図6実線や一点鎖線で示すように、棚圧
を形成する制御も可能)。
【0038】図7は、背圧室84の圧力を零あるいは低
圧の一定圧にした場合を前提として、図5に示すような
ライン圧制御を行う場合のフロ−チャ−トを示すもの
で、以下の説明でQはステップを示す。
【0039】先ず、図7のQ1において、各種信号が読
み込まれた後、Q2において、マニュアルバルブMVが
ニュ−トラルレンジから後退レンジへ切換えられた時点
であるか否かが判別される(図5t1時点の確認)。Q
2の判別でNOのときは、Q1へ戻り、Q2の判別でY
ESのときは、Q3において、ライン圧が最大圧(略最
大圧でも可)とされる。この後、Q4において、タ−ビ
ン回転数NTの変化率が0よりも小さいか否かが判別さ
れる(図5t2時点の確認)。
【0040】Q4の判別でNOのときはQ3へ戻り、Q
4の判別でYESのときに、Q5において、ライン圧
が、最低ライン圧PL(MIN)を基準値として、スロ
ットル開度、タ−ビン回転数および油温に応じて補正さ
れた所定圧とされる。すなわち、スロットル開度に応じ
た補正係数K1が図8に示すように設定されており(K
1≧1.0)、タ−ビン回転数に応じた補正係数K2が
図9に示すように設定されており(K2≧1.0)、油
温に応じた補正係数K3が図10に示すように設定され
ており(K3≧1.0)、この各補正係数K1〜K3を
最低ライン圧PL(MIN)に乗算した値が、Q5にお
いて設定される。
【0041】Q5の後は、Q6において、タ−ビン回転
数NTが零(あるいはほぼ零)になったか否かが判別さ
れる(図5t3時点の確認)。Q6の判別でNOのとき
はQ5へ戻り、Q6の判別でYESのときは、Q7にお
いて、ライン圧が、後退レンジに対応した大きさPL
(R)に設定される。
【0042】ここで、前記図8〜図10に示す補正係数
K1〜K3について補足説明する。先ず、補正係数K1
は、スロットル開度が極めて小さいときは1.0とされ
て、このスロットル開度が極めて小さい領域以外では、
スロットル開度の増大と共に、補正係数K1が線形的に
増大される。これにより、ロ−リバ−スブレーキ44の
締結時おける駆動系のトルクに応じ締結圧力が得られ
る。また、補正係数K2は、タ−ビン回転数が極めて小
さいときは1.0とされて、このタ−ビン回転数が極め
て小さい領域以外では、タ−ビン回転数の増大と共に補
正係数K1が非線形的に増大される。これにより、ロ−
リバ−スブレーキ44の締結時において、当該ロ−リバ
−スブレーキ44が吸収すべき回転数に応じた締結圧力
が得られる。さらに、補正係数K3は、油温が極めて高
いときは1.0とされて、この油温が極めて高い領域以
外では、油温の低下と共に補正係数K3が非線形的に増
大される。これにより、温度に応じた作動油の粘性の相
違が補償される。
【0043】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)ニュ−トラルアレンジから、前進走行レンジ例えば
Dレンジへの切換時にも同様に適用し得る。 (2)前進走行時での変速時にも同様に適用し得る。ただ
し、この場合は、変速信号を受けた時点が、図7のQ2
の判別でYESとなる時点に相当し、Q3で大きくされ
るライン圧は最高圧よりもかなり低い圧力であってもよ
い(変速前後におけるライン圧よりは高くされる)。 (3)多段変速歯車機構30は、適宜の形式のものが利用
し得る。 (4)アキュムレ−タACCは、例えば2段階に棚圧を形
成するもの等、適宜の形式のものを用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体系統図。
【図2】自動変速機の一例を示すスケルトン図。
【図3】変速段と摩擦締結要素との関係を示す図。
【図4】ロ−リバ−スブレーキに対する油圧系路の一例
を示す図。
【図5】ライン圧の制御内容を図式的に示す図。
【図6】図5に示すライン圧制御した場合にロ−リバ−
スブレーキの締結圧力が変化する様子を示す図。
【図7】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図8】図7に用いられる補正係数の設定例を示す図。
【図9】図7に用いられる補正係数の設定例を示す図。
【図10】図7に用いられる補正係数の設定例を示す
図。
【符号の説明】
U:制御ユニット S1:センサ(車速) S2:センサ(エンジン負荷) S3:センサ(タ−ビン回転数) S4:センサ(レンジ位置) S5:油温 EG:エンジン MV:マニュアルバルブ(レンジ位置切換用) PLV:ライン圧調整弁 ACCアキュムレ−タ 1:エンジン出力軸 10:自動変速機 20:トルクコンバ−タ 27:タ−ビン軸 30:多段変速歯車機構 44:ロ−リバ−スブレーキ(摩擦締結要素) 63:作動油圧供給系路 72:アキュムレ−タの背圧供給系路 73:制御弁(背圧制御用) 81:ケーシング 82:ピストン 83:作動室 84:背圧室 85:スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸末 敏久 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動力伝達系路切換用の摩擦締結要素の作動
    油圧供給系路にアキュムレ−タが接続された自動変速機
    において、 前記摩擦締結要素の締結時に、自動変速機の入力側回転
    数が低下開始となるまでの間、ライン圧を最高圧あるい
    は略最高圧付近に高めるプリチャ−ジ手段を備え、 前記アキュムレ−タの背圧が、前記摩擦締結要素に対す
    る作動油圧とは別個独立して設定されている、ことを特
    徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記プリチャ−ジ手段が、ニュ−トラルレンジから走行
    レンジへ切換えられるときに作動され、 前記プリチャ−ジ手段が作動しているとき、前記アキュ
    ムレ−タの背圧が零に設定されるもの。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記プリチャ−ジ手段が、ニュ−トラルレンジから走行
    レンジへ切換えられるときに作動され、 前記プリチャ−ジ手段が作動しているとき、前記アキュ
    ムレ−タの背圧が零以外の低圧の一定圧に設定されるも
    の。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3において、 前記プリチャ−ジ手段の作動停止後のライン圧が、エン
    ジン負荷または自動変速機の入力軸側回転数との少なく
    ともいずれか一方に応じて設定されるもの。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記プリチャ−ジ手段の作動停止後のライン圧を、油温
    が低いときは高いときに比して大きくなるように補正す
    る補正手段をさらに備えているもの。
  6. 【請求項6】請求項1において、 前記アキュムレ−タの背圧を可変制御する背圧制御手段
    を備えているもの。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれか1項に
    おいて、 前記走行レンジが、後退レンジであるもの。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR19980058892A (ko) * 1996-12-30 1998-10-07 박병재 차량의 파킹(p)-주행(d) 절환시 초기 준비시간 보정 제어 방법
JP2015222091A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 マツダ株式会社 自動変速機の制御装置

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KR19980058892A (ko) * 1996-12-30 1998-10-07 박병재 차량의 파킹(p)-주행(d) 절환시 초기 준비시간 보정 제어 방법
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