JPH0810540A - エアクリーナ用濾材及びその製造方法 - Google Patents

エアクリーナ用濾材及びその製造方法

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JPH0810540A
JPH0810540A JP15104694A JP15104694A JPH0810540A JP H0810540 A JPH0810540 A JP H0810540A JP 15104694 A JP15104694 A JP 15104694A JP 15104694 A JP15104694 A JP 15104694A JP H0810540 A JPH0810540 A JP H0810540A
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JP
Japan
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fiber
filter medium
strength
elastic modulus
air cleaner
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JP15104694A
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Katsuya Tani
勝也 谷
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 層厚が薄く且つ従来にない優れた加工性を有
するエアクリーナ用濾材を提供する。 【構成】 高強度、高弾性率、高耐熱性を有する繊維を
特定の繊維径で形成した繊維層を積層すると共に熱接着
により空隙率に勾配を付与した繊維層出構成される濾
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は短繊維を積層してなるエ
アクリーナ用濾材に関する。さらに詳しくは自動車エン
ジンや空調設備に使用されるエアクリーナ用濾材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】空気清浄化濾材の素材には濾紙や各種繊
維積層体が用いられる。従来、パルプを主成分にした濾
紙型の濾材が広く利用されていた。近年では力学特性の
面から合成繊維を素材にして、これを積層した濾材が取
って代わりつつある。しかし、自動車エンジン、空調設
備等のエアクリーナの小型化が進み、それと共に濾材の
収納空間が狭隘となってきた。このため、(1)繊維層
厚が薄く、(2)捕集効率が高く、(3)ひだ折り性が
良好である、等の要件を満たす濾材の開発が行われてい
る。例えば、(1)特開昭57−59614号公報はポ
リエステル短繊維層とスパンボンド製繊維層を一体化
し、この一体化した繊維層に樹脂接着剤を付着した濾材
を、(2)特開昭57−75117号公報はバインダー
によって繊維同志を熱融着させて厚み方向に繊維間隙の
粗密勾配を付与した濾材を、(3)特開昭61−283
320号公報は同じく厚み方向に繊維間隙の粗密勾配を
付与した濾材に関するものであり親水性繊維と疎水性の
熱可塑性合成繊維の組み合わせに湿式で結着剤を固着さ
せた濾材をそれぞれ提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】単層型で構成される濾
紙は後述する合成繊維層を重畳してなる濾材との比較に
おいて濾材の断面が薄く、一定の空間に収納した場合に
全濾過面積が大きくとれて濾材の空隙を通る流体の平均
流速を適正にすることができる。つまり、気体の見掛け
速度(単位濾材面積当たりの流量)は許容圧力損失と捕
集効率とで決まり、通常は5cm/秒以下が好ましい。
また圧力損失は水柱で数十mmが適正とされる。この点
では濾紙からなる濾材はエアクリーナ用として適してい
る。しかし、パルプを素材にした濾紙は湿潤気体の処理
には使用できず、また力学特性、特に強力が低く取扱い
又は加工面に難がある。一方、合成繊維層を重畳してな
る従来の濾材は前記単層型の濾紙を加工した濾材に比し
て力学特性は優れるが空気の通過方向の断面が厚いため
にひだ折り加工を行い一定の空間に収納したときの全濾
過面積は小さくなる。従って濾過条件を濾紙からなる濾
材に合わせて比較した気体の見掛け速度は高いため見掛
けの捕集性能は低くなる。合成繊維層を重畳してなる濾
材の欠点を改善すべく例えば特開昭61−283320
号公報は親水性繊維と疎水性の熱可塑性合成繊維を用
い、繊維層を結着剤で固着することにより肉薄で濾紙と
同程度の気体の見掛け速度の得られる密度勾配型不織布
濾材を提案している。しかし、水を溶媒とする結着剤を
組み合わせて固着した濾材は湿潤気体に対しては性能が
低下する、剛性は十分とはいえず加工性に劣る、等の問
題は未解決であった。本発明の目的は層厚が薄く且つ従
来にない優れた加工性を有するエアクリーナ用濾材を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記目的を達
成するため鋭意検討した結果、高強力・高引張弾性率の
繊維を用いて濾材層厚方向に繊維径分布を付与すれば肉
薄で高捕集効率で加工性に優れた濾材が得られることを
見出し、本発明に到達したものである。すなわち、本発
明のエアクリーナ用濾材は強度4.0GPa以上、初期
弾性率が140GPa以上、分解開始温度が400℃以
上、平均繊維径が6ミクロンから18ミクロンの短繊維
で空気流出側層を形成し、該平均繊維径より大なる繊維
径の短繊維で空気流入側層を形成するように積層して成
ることを特徴とするものである。
【0005】本発明の濾材は強度が4.0GPa以上の
短繊維で構成される。高強度繊維を用いることで一定の
強力を保持するの糸径を下げられるため薄い繊維層から
なる濾材を得ることができる。かかる観点から繊維は高
強度であることが好ましく、強度は少なくとも4.0G
Pa以上が必要である。強度が4.0GPa未満である
と繊維層が肉薄化するには糸径が太すぎ、また従来素材
に比して強度増による加工性の向上効果も小さいため本
発明の目的とする薄くて且つ加工性に優れた濾材は得ら
れない。強度の上限に特に制限はないが製糸技術や製造
費用を考慮して適宜選択すればよい。
【0006】本発明の濾材は高弾性率の短繊維で構成さ
れる。これは剛性の低い繊維を用いて構成された濾材を
折り畳んで波形に加工し、該加工物をエレメント組付け
するに際してひだが不安定となり、ひだが相互に接近し
て濾材と濾材の間隔を一定に保ち難くなる。従って、こ
の欠点を解消するにはその間にアルミニウム等からなる
分離板を交互に挿入する等の対策が必要となる。濾材を
折り畳んだ波形の安定したひだを得るには剛性の高い繊
維を用いることが効果的であり、かかる観点から繊維の
初期弾性率は高いことが好ましく、少なくとも140G
Pa以上が必要である。初期弾性率が140GPa未満
であると本発明の目的とする加工性及び加工物の形態安
定性を満たす濾材が得られない。初期弾性率の上限に特
に制限はないが製糸技術や製造費用を考慮して適宜選択
すればよい。
【0007】本発明の濾材は後述するように短繊維層の
積層体を熱融着物で結合して構成される。通常公知の有
機合成熱可塑性樹脂を結着剤に利用するには積層体を構
成する短繊維の分解開始温度は少なくとも400℃が必
要である。分解開始温度が400℃未満であると耐熱性
の面から結着剤として利用できる有機合成熱可塑性樹脂
の種類選択の自由度が狭くなり、または熱圧着処理時の
温度・時間の管理が容易になる。
【0008】このような力学特性及び熱特性を満足する
有機合成繊維としては例えばポリベンザゾール繊維が挙
げられる。
【0009】ここでポリベンザゾール(PBZ)とは、
ポリベンゾオキサゾール(PBO)ホモポリマー、ポリ
ベンゾチアゾール(PBT)ホモポリマー及びそれらP
BO、PBTのランダム、シーケンシャルあるいはブロ
ック共重合体をいう。ここでポリベンゾオキサゾール、
ポリベンゾチアゾール及びそれらのランダム、シーケン
シャルあるいはブロック共重合体は、例えば、Wolfeら
の 「Liquid CrystallinePolymer Compositions,Process
and Products 」 U.S.Patent 4,703,103(October 27,19
87)、 「Liquid Crystalline Polymer Compositions,Proc
ess and Products」 U.S.Patent 4,533,692(August 6,19
85)、 「Liquid Crystalline Poly(2,6-Benzothiazole) C
ompositions, Process and Products 」 U.S.Patent 4,5
33,724(August6,1985)、 「 Liquid Crystalline Polymer
Compositions, Process and Products 」 U.S.Patent
4,533,693(August 6,1985)、 Eversの 「The rmooxidativ
elyStable Articulated p-Benzobisoxazole and p-Benz
obisthiazole Polymers 」 U.S.Patent4,359,567(Novemb
er 16,1982);Tsaiらの 「Method for Making Heterocycl
ic Block Copolymer 」 U.S.Patent 4,578,432(March 2
5,1986)などに記載されている。 PBZポリマーに含
まれる構造う単位としては、好ましくはライオトロピッ
ク液晶ポリマーから選択される。
【0010】モノマー単位は構造式(a)−(h)に記
載されている。そのポリマーは好ましくは、本質的に構
造式(a)−(h)から選択されるモノマー単位からな
り、更に好ましくは本質的に構造式(a)−(c)から
選択されたモノマー単位からなる。PBZポリマーのド
ーブを形成するための好適な溶媒としては、クレゾール
やそのポリマーを溶解しうる非酸化性の酸が含まれる。
好適な酸溶媒の例としては、ポリリン酸、メタンスルフ
ォン酸及び高濃度の硫酸あるいはそれらの混合物が挙げ
られる。更に適する溶媒はポリリン酸及びメタンスルフ
ォン酸である。また最も適する溶媒はポリリン酸であ
る。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】次に繊維層の構成について述べる。濾材は
基本的に空気流入側(濾過背面側)(「繊維層B」とす
る)から空気流出側(濾過表面側)(「繊維層A」とす
る)に向かって間隙率が漸減することが肝要である。こ
のため平均繊維径(X)が6ミクロンから18ミクロン
の短繊維を用いて繊維層Aを、また平均繊維径(Y)が
次式で表される短繊維を用いて繊維層Bを形成する。 0.4X+14≦Y≦35/X0.1
【0014】そして繊維層Aが空気流出側に、繊維層B
が空気流入側に配置させて積層する。短繊維層A、B内
部の糸径分布状態(厚さ方向の勾配)は直線的であって
も非直線的であっても本質的に均質的であればよい。ま
た繊維層は前記A、Bに限定されるものでなく、平均糸
径がAとBの範囲内で任意の糸径の短繊維を適宜混合し
て第三の繊維層Cとして加えてもよい。空気流出側に配
置する繊維層の平均繊維径が6ミクロン未満であっても
濾材の濾過性能及び加工性に支障はないが細径化に伴っ
て短繊維製造の技術及び製造コストは増大する。従って
現在の工業的な製造技術水準から見て平均繊維径の下限
は6ミクロンとすべきである。繊維層Aの平均繊維径が
18ミクロンを超えると濾材に間隙勾配を付与する上で
必然的に繊維層Bは平均繊維径のより太い短繊維で構成
される。これは本発明の目的の一つである層厚が薄くて
加工性に優れたエアアクリーナ用濾材を得ることが困難
になる。本発明の濾材は空気流入側に配置する繊維層の
平均繊維径を最大で30ミクロンとすべきである。平均
繊維径が30ミクロンを超えると積層体の層厚が増大
し、加工性及び全濾過面積が低下するために本発明の目
的を達成することができない。なお、繊維層AとBを形
成する短繊維の平均長さは30〜200mmが用いられ
る。
【0015】次に得られた繊維層をさらに積層した後に
一体化の加工が施される。一体化加工には種々の方法が
挙げられる。例えばNBRエマルジョンや、SBRエマ
ルジョン酢酸ビニルエマルジョン等を付着せしめ後、乾
燥し、次いで熱処理することで繊維間に交叉点を形成さ
せる湿式法や繊維層に熱接着繊維又は熱接着性粉体等を
混合した後、これを熱圧着する乾熱法が公知である。湿
式法は生産速度及び溶剤回収さらには適用できる結着剤
の種類等を考慮すると乾式法が有利と考えられる。乾式
法においても熱接着性樹脂で繊維を部分的に融着させる
方法は前記したように空隙密度が勾配を持つように結合
点を制御することが困難である。一体化と同時に該積層
体内の空隙率勾配(疎密)の強化を図るには結着剤を付
与して繊維間に結合点を形成させるには熱可塑性合成樹
脂からなる微粉末状結着剤を積層体の空気流出側(濾過
表面側)から吹き付けた後、次いで該熱可塑性合成樹脂
が融着可能な温度以上に繊維積層体を加熱し、熱圧着す
ることで繊維間に結合点を形成させることである。積層
体に吹き付けられた微粉末状結着剤は吹き付け側から背
面に向かって濃度の減少勾配が形成されるため、熱圧着
によって濃度勾配が繊維間隙勾配となる。これにより平
均糸径差による組織的な粗密勾配に加えて熱接着による
粗密勾配が付加されることで捕集効率の優れた濾材が得
られる。結着剤用の熱可塑性樹脂としてはポリエステ
ル、ポリアミド、ポリウレタン等が利用できるが中でも
加工時の温度・時間管理のしやすさからポリエステル系
樹脂からなる微粉末が好ましい。繊維層からなる積層体
に対する熱可塑性合成樹脂の微粉末結着剤の付与量は繊
維層の一体化と間隙の粗密勾配の形成の点から20〜6
0g/m2 が好ましく採用できる。結着剤の付与量が2
0g/m2 未満では結合点数が少なく結着力も不十分と
なり、60g/m2 を超えると熱圧着の作業性が低下
し、又得られる一体化された積層体は硬くて脆なる等の
ため好ましくない。積層体の熱圧着は使用する微粉末状
結着剤の軟化融着温度以上、熱劣化温度以下で行うのが
一般的である。積層体に加える圧力は50から300K
g/cm2 が好ましくその手段としては例えばカレンダ
ーロール、ホットプレス等が使用できる。
【0016】繊維層A及びBの目付けと厚さは集塵効率
や加工性の面から重要である。目付は繊維層A、B共に
30〜180g/m2 の範囲で適宜選択すればよく、好
ましくは50〜150g/m2 を用いることが好まし
い。また繊維層A、Bの厚さは0.2から0.4mmが
好ましく、積層体を一体化した後の濾材の厚みは加工性
の面から0.6mm以下とするのが好ましい。濾材の厚
みが0.6mmを超えると本発明の目的とする層厚が薄
く且つ従来にない優れた加工性を有するエアクリーナ用
濾材は達成できない。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて説明するが勿
論本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の
評価に用いた各尺度は下記の手順で求めた。
【0018】<繊維の繊度>デニコンを使用して試料長
50mm、本数20で単糸繊度を測定を行い、算術平均
値を求めた。
【0019】<繊維の強度と初期弾性率>JIS L−
1013に準拠してオリエンテック(株)社製テンシロ
ンにより、つかみ間隔20cm、引張速度100%/m
in、n=10の測定を行い、算術平均値を求めた。
【0020】<ウエブの強度と初期弾性率>ウエブの縦
方向を試験片の長手方向としてJIS K−7054に
準拠して25mmあたりの破断強力を測定した。
【0021】<破裂強力>JIS P 8112 に記
載のミューレン試験法に準拠した方法・条件で破裂強力
を測定した。破裂強力7.5Kgを判断の尺度にした。
【0022】<塵埃捕集率>含塵空気の風速0.3m/
秒でJIS Z 8901 第8種試験用粉塵を供試体
に供給して該供試体の上流側の粉塵濃度(Ci)と下流
側の粉塵濃度(Cc)を測定し、次式で算出した。 E=(1−Cc/Ci)×100(%)
【0023】<粉塵保持容量(W)>混合粉体(JIS
試験粉体8種 72%、カーボンブラック25%、コッ
トンリンタ 3%)を塵埃捕集性と同一方法で供給して
試験前後における供試体重量差を測定し、次式で粉塵保
持容量(W)〔g/m2 〕を算出した。 W=W1 −W2 W1 :粉塵保持容量試験後の供試体の重量(g/m2 ) W2 :粉塵保持容量試験前の供試体の重量(g/m2
【0024】<実施例1〜3、比較例1〜4>強度5.
5GPa、初期弾性率173GPa、平均繊度0.5デ
ニール、繊維長51mm、であるポリパラフェニレンベ
ンツビスオキサゾール短繊維を用いて目付量120g/
2 のカード綿Aを作成した。また強度5.3GPa、
初期弾性率168GPa、平均繊度2.5デニール、繊
維長51mmであるポリパラフェニレンベンツビスオキ
サゾール短繊維を用いて目付80g/m2 のカード綿B
を作成した。このカード綿AとBとの積層体に軽度の刺
針処理を施した後でカード綿A側から垂直にポリエチレ
ンテレフタレート樹脂微粉体を含む空気を0.6m/秒
の流速で吹き付けて該積層体に微粉体を沈積させ、次い
で289℃に加熱されたローラーでプレス処理を施して
0.45mmの積層体を得た。このようにして得られた
積層体について力学特性及び濾過性能を評価した。な
お、折り畳み性は積層体を加熱された一対のローラー間
を通して波形を付与し、該波形の形態安定性で評価し
た。なお、ここで繊維層A及びBを構成する短繊維の平
均繊度を変更して実施例1と同様に一体化された積層体
を得て、これを実施例2〜3、比較例1〜4とした。そ
れぞれ得られた濾材の評価結果を第1表に示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように本発明に属するも
の(実施例1〜3)は高い濾過特性と従来の繊維を用い
た濾材には見られなかった高い力学特性、特に濾材の硬
さと強力を有している。この濾材は狭隘な空間に効率よ
く収納することができ、エアクリーナのコンパクト化が
可能になる。一方、比較例1〜4は高い力学特性を示す
が前記実施例との比較で(1)濾材の層厚が大きく折り
畳み性が低い、(2)濾過特性が低い、の何れかが欠け
るため本発明の目的とする濾材は得られない。
【0027】<比較例5>汎用合成繊維の中で比較的耐
熱性のあるのとしてポリエチレンテレフタレート繊維を
選び、繊度が0.5デニールと5.0デニールの短繊維
を用いて実施例1と同様にカード綿を作成した。この積
層物にイソフタル酸を共重合成分にした融点が225℃
のポリエステル微粉体を吹き付けた後、加熱ロールを用
いて熱圧着処理を行って一体化した。得られた積層体の
評価結果を第2表に示した。
【0028】
【表2】
【0029】第2表から明かな様にポリエチレンテレフ
タレート短繊維と低融点ポリエステル結着剤で構成され
る濾材は実施例1〜3との比較で硬さと強力が極端に低
く、濾材の層厚も大であり加工性に欠ける。当然ながら
結着剤には低融点の特殊な熱可塑性樹脂が必要でありコ
スト的にも不利である。
【0030】<比較例6>特開昭61−283320号
公報に記載された実施例に準じて3層の繊維層で構成さ
れる濾材を作成した。即ち、空気流入側用の繊維層には
繊度が0.7〜3デニール、空隙率88%、目付量25
g/m2 のポリエステルスパンボンドを用いた。中間層
用には繊度1デニールのレーヨン50重量%、繊度1.
25デニールのポリエステル35重量%、繊度が1.5
デニールのポリプロピレン15重量%の混合繊維を用い
た。空気流出側用の繊維層には繊度1デニールのレーヨ
ン50重量%、繊度1.25デニールのポリエステル5
0重量%からなり目付量50g/m2 の混合繊維を用い
た。空気流入側用の繊維層の繊維積層体に占める目付量
比率を20%とし、重畳した繊維層を刺針処理によって
結合した。これをアクリル酸エステル−酢酸ビニル共重
合物の濃度20%の水溶液に浸漬した後、第3層側から
110℃の乾燥空気を吹き付けて水を蒸発させた。得ら
れた積層体の厚さは0.46mmであった。圧損300
mm水柱での粉塵保持容量は1400g/m2 、強度は
5Kg/15mm、引裂強力は2Kg、破裂強力は12
Kgであった。これらの特性を実施例1と比較すると劣
ることが分かる。
【0031】
【発明の効果】本発明の濾材は高強度、高弾性率で耐熱
性を有する繊維を用いて空気上流側から空気下流側に向
かって充填密度と空隙率が高くなるように構成される。
従って、低繊度、低目付量でも強力及び剛性が高く、加
工性に優れた濾材が得られる。これによつて制限された
空間に空気接触面積の大きな濾材を収納することがで
き、コンパクトなエアクリーナ等を製造することでき、
産業界に寄与すること大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短繊維からなる構成されるエアクリーナ
    用濾材において、前記短繊維が強度4.0GPa以上、
    初期弾性率が140GPa以上、分解開始温度が400
    ℃以上であることを特徴とするエアクリーナ用濾材。
  2. 【請求項2】 短繊維からなる繊維層を少なくとも二層
    に重畳して構成されるエアクリーナ用濾材において、片
    面が短繊維の平均繊維径(X)が6〜18ミクロンであ
    り、他方面が次式で表わされる平均繊維径(Y)の短繊
    維で構成されてなる請求項1記載のエアクリーナ用濾
    材。 0.4X+14≦Y≦35/X0.1 〔ミクロン〕
  3. 【請求項3】 強度4.0GPa以上、初期弾性率14
    0GPa以上、分解開始温度400℃以上の短繊維から
    なるウエブを片面から合成樹脂からなる微粉末状結着剤
    を吹き付けた後、前記合成樹脂の融着温度維以上の温度
    で前記ウエブを熱圧着することを特徴とするエアクリー
    ナ用濾材の製造方法。
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