JPH08104863A - 抗菌性ゴムシール - Google Patents

抗菌性ゴムシール

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JPH08104863A
JPH08104863A JP24137194A JP24137194A JPH08104863A JP H08104863 A JPH08104863 A JP H08104863A JP 24137194 A JP24137194 A JP 24137194A JP 24137194 A JP24137194 A JP 24137194A JP H08104863 A JPH08104863 A JP H08104863A
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JP
Japan
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rubber
antibacterial
rubber seal
seal
antibacterial agent
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Application number
JP24137194A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Okita
勝俊 大北
Mamoru Sato
護 佐藤
Shinya Matsumoto
信也 松元
Shinichi Kunisaki
伸一 國▲崎▼
Mitsunobu Masuda
光信 益田
Masanori Shiraishi
雅範 白石
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Takuma Co Ltd
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Suntory Ltd
Original Assignee
Takuma Co Ltd
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Suntory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シリコーンゴムまたはフッ素ゴムからなるゴ
ム基材と抗菌剤とを含有する組成物、好ましくはゴム基
材100重量部に対し、抗菌剤0.5〜15重量部配合
してなる組成物から成形されてなる抗菌性ゴムシール
で、好ましくは抗菌剤が、銀、銅、亜鉛から選ばれる少
なくとも一種の金属を担持またはイオン結合せしめた無
機不溶体であり、抗菌性ゴムシールが、抗菌剤の高濃度
部の露出処理が施されて水等の流体状飲食料が滞留し易
い部位のシールに使用される。 【効果】 抗菌性ゴムシールと接触する流体中の細菌が
確実に殺菌されてその増殖を防止でき、従来行われてい
た殺菌処理を不要にできる。また、流体状飲食用製品の
連続生産が可能になり、生産効率を大幅に向上でき生産
コストを低減できる。飲料中に抽出する成分がないかま
たはあっても微少であって、食品衛生法の規定内であ
る。高温におけるクリープ性に優れ、シール性がよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無菌下にて製造される
ことが必要な流体状製品等の製造装置、機器、配管等の
液漏れやガス漏れを防止するための抗菌性ゴムシールに
関し、詳しくは純水、超純水、飲食料品、薬品等の流体
が滞留し細菌が増殖するおそれのある箇所に使用される
Oリング、ガスケット、パッキン等の抗菌性ゴムシール
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばコーヒー、ジュース、ウーロン茶
等の飲料物を瓶や缶等の容器に充填するときに使用され
る流体充填機のノズルには、該飲料物を外部に漏らさな
いようにOリング、ガスケット、パッキン等のシールが
使用されている。上記ノズルには、例えば図1の断面図
に示すように、OリングA,Cが固定用シール部に、ま
た、OリングBが摺動用シール部に、また、パッキンD
が容器密封用シール部にそれぞれ取着されている。上記
Oリングは、図2の部分拡大図に示すように、シール部
位に形成された溝部に装着されている。例えばOリング
Aは、図2(a)において配管と接続するノズルの固定
先端部に形成された溝部内に装着され、また、Oリング
Bは、図2(b)においてノズル先端部に摺動自在に取
付けられた移動先端部の摺動側内面に形成された溝部に
装着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記Oリン
グが装着されたシール部位には、装着(組立)摺動等に
よって間隙が形成されることが避けられず、ノズル内の
飲料物が該間隙から溝部内に入り込み滞留するようにな
り、この飲料物が滞留する箇所において細菌が増殖する
問題がある。上記液体の滞留による細菌の繁殖を防止す
るため、加熱水を用いた熱殺菌や、塩素、過酸化水素等
を用いた薬殺菌等の殺菌処理を行い無菌化が行われてい
る。該細菌が繁殖する箇所は狭陰な箇所であるため、上
記殺菌処理において、加熱水や薬品をその全域に確実に
行き渡らせることは非常に困難であり、その箇所の殺菌
を確実に行うことはほとんど不可能であった。そのため
に、殺菌処理後も生菌が残存してそれらが増殖するの
で、比較的短い期間に定期的に殺菌処理を施す必要があ
り、流体状製品の製造装置の保守管理上問題があった。
さらに、上記殺菌処理の都度にノズルの取外し、洗浄処
理、殺菌処理、ノズルの取付け等が必要であり、手間が
かかり面倒である。また、この殺菌処理時には生産ライ
ンが停止されるので、生産効率の面からも問題があっ
た。また、シールは、飲料物、例えばウーロン茶等の製
造においては、シール部材中の成分が抽出されてはなら
ず、また、抽出する成分があるとしても食品衛生法によ
る規定内でなければならない制限を受ける。また、例え
ば流体状飲料物等自体の加熱滅菌処理や熱水等による加
熱殺菌処理等においては流体が高温になるので、シール
部材には高温でのゴム弾性(圧縮永久ひずみ特性)が要
求される。
【0004】このような事情から、広く液体状の飲食物
等の製造に使用できるシールとしては、次の条件が要求
される。本発明の目的はこれらの条件を満足できる抗菌
性ゴムシールを提供することである。 液体状の飲食物と接触する部分において細菌を効果的
に殺菌でき、液体状の飲食物等が滞留する箇所等の殺菌
処理を不要にできること。 水等の流体状の飲食物が抽出液として作用しても、シ
ール部材の成分が全く抽出されないかあるいは抽出され
難く、抽出されても食品衛生法による規定内であるこ
と。 高温でのゴム弾性(圧縮永久ひずみ特性)に優れ、長
寿命でありシール性に優れること。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
は以下の本発明によって一挙に解決できることを見出し
た。すなわち、本発明の抗菌性ゴムシールは、 (1)シリコーンゴムまたはフッ素ゴムからなるゴム基
材と抗菌剤とを含有する組成物から成形されてなるもの
である。 (2)上記(1)の抗菌性ゴムシールにおいて、シリコ
ーンゴムまたはフッ素ゴムからなるゴム基材と抗菌剤と
を含有する組成物が、ゴム基材100重量部に対し、抗
菌剤0.1〜20重量部配合してなる組成物であること
を特徴とする。 (3)上記(1)または(2)の抗菌性ゴムシールにお
いて、抗菌剤が、無機不溶担体に、銀、銅、亜鉛から選
ばれる少なくとも一種の金属を担持またはイオン結合せ
しめたものであることを特徴とする。 (4)上記(1)〜(3)の抗菌性ゴムシールにおい
て、抗菌性ゴムシールが、抗菌剤の高濃度部の露出処理
が施されていることを特徴とする。 (5)上記(1)〜(4)の抗菌性ゴムシールが、流体
状飲食料品の製造装置における当該流体状飲食料品が滞
留し易い部位のシールに使用されるものであることを特
徴とする。
【0006】以下、本発明をより詳しく説明する。本発
明の抗菌性ゴムシールは、シリコーンゴムまたはフッ素
ゴムをゴム基材として、これに抗菌剤を配合した組成物
から成形されてなるものである。以下、上記シリコーン
ゴムまたはフッ素ゴムを総称してゴム類と称することが
ある。シリコーンゴムとしては、一般に使用される公知
のもの、例えば高重合度のオルガノポリシロキサンに無
機充填剤、架橋剤を混和したものなどが使用できる。具
体的には、ビニルメチルシリコーン、フルオロビニルメ
チルシリコーン、フェニルビニルメチルシリコーン、フ
ェニルメチルシリコーン、メチルシリコーン等が例示さ
れる。
【0007】また、フッ素ゴムとしては、フッ素原子を
有するゴム状物質として知られている公知のものが使用
でき、例えばフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共
重合体系(VDF−HFP),四フッ化エチレン−プロ
ピレン共重合体系(TFE−P),フッ化ビニリデン−
六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体系
(VDF−HFP−TFE),含フッ素ビニルエーテル
系(VDF−TFE−PMVE,TFE−PMVE),
含フッ素サーモプラスチックエラストマー,含フッ素フ
ォスファゼン(PNF)等が例示される。
【0008】上記ゴム類に配合される抗菌剤としては、
公知の無機系抗菌剤または有機系抗菌剤のいずれも使用
できるが、有機系抗菌剤は、抗菌作用が弱く、また、液
体に溶解しやすい為に、特に飲食料の製造においては、
飲食料中に抗菌剤の成分が混入するおそれがあるので、
無機系抗菌剤の使用が好ましい。無機系抗菌剤として
は、例えばゼオライト、活性炭、シリカゲル、活性白
土、酸性白土、アルミナ、活性ボーキサイト、骨炭、モ
レキュラーシープ等の無機不溶体に、銀、銅、亜鉛等の
金属を担持またはその金属イオンを結合せしめたものが
例示される。本発明では、飲料と接触するシールに用い
る観点から、ゼオライト固体粒子に、銀、銅、亜鉛から
選ばれる少なくとも一種の金属を担持またはイオン結合
せしめた抗菌剤の使用が好ましく、特に抗菌力,安全性
の点から銀を担持またはイオン結合せしめた抗菌剤の使
用が好ましい。
【0009】この抗菌剤においては、無機不溶体に担持
またはイオン結合される銀、銅、亜鉛等の金属の割合
は、特に制限されないが、1〜40重量%程度、好まし
くは1〜20重量%程度が適当である。また、上記抗菌
剤の担体の粒子径は、シール部材の諸物性を損なわない
ように、0.1〜6μm程度の範囲であることが好まし
い。
【0010】本発明の抗菌性ゴムシールにおいては、ゴ
ムシールの加工性の点からは抗菌作用を奏する金属の割
合を多くした抗菌剤を少量使用することがよいが、ゴム
シールに高い抗菌性を持たせる点からは、抗菌作用を奏
する金属の割合いが少ない抗菌剤を多量に用いてシール
中の抗菌剤の密度を高くすることが好ましい。
【0011】上記ゴム類と抗菌剤とを含有する組成物
は、ゴム類100重量部に対し、抗菌剤を0.1〜20
重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましく
は1〜8重量部配合してなるものである。なお、無機不
溶体に金属を担持またはイオン結合せしめたものにあっ
ては、該不溶体と金属の合計量が抗菌剤量である。抗菌
剤の配合量が0.1重量%未満であると、抗菌剤の殺菌
作用が十分に得られず、一方、20重量%を越えると、
シールの強度,伸び,圧縮永久ひずみ等のシール特性が
低下する傾向がある。
【0012】また、上記ゴム基材を架橋させるときに
は、上記組成物に有機過酸化物を配合すればよい。この
有機過酸化物の配合量は、ゴム類100重量部当たり約
0.1〜3重量部、好ましくは約0.5〜1.5重量部
程度が適当である。有機過酸化物としては、例えば第3
ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3
ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ(第3ブチルパー
オキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメ
チル-2,5- ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-
ジメチル-2,5- ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-
3、1,3-ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)
ヘキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル
-4,4- ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレート等が用い
られる。
【0013】上記組成物には、さらにゴム類の配合剤と
して、トリアリル(イソ)シアヌレート,トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート,トリアリルトリメリテ
ート等の多官能性化合物、シリカ、タルク,クレー,グ
ラファイト,けい酸カルシウムなどの充填剤、ステアリ
ン酸,パルミチン酸,パラフィンワックス等の加工助
剤、酸化マグネシウム,ハイドロタルサイト,エポキシ
樹脂等の受酸剤、老化防止剤、可塑剤、カーボンブラッ
ク等の着色剤等のゴム工業で一般的に使用される配合剤
を必要に応じて適宜添加することができる。
【0014】上記組成物の調製は、インタミックス,ニ
ーダ,バンバリーミキサー等の混練機あるいはオープン
ロール等を用いて混練することによってなされる。ま
た、予めゴム類中に抗菌剤を混合したマスターバッチを
ゴム基材中に混合することによって抗菌剤を配合するこ
とによってもなされる。上記方法によって、ゴム類中に
抗菌剤が均一に分散された組成物が調製される。
【0015】本発明の抗菌性ゴムシールは、上記組成物
を一般的に使用される公知の成形方法によって作製され
る。成形方法としては、例えば、圧縮成形、射出成形、
注入成形等が例示される。上記成形によって、所望の形
状、大きさを有するOリング、ガスケット、パッキン等
の抗菌性ゴムシールが得られる。
【0016】なお、上記抗菌性ゴムシールの表面には、
成形時に使用される離形剤が残存したり、また、成形時
の熱によりシールの表面層のゴム成分が流展し、露出し
ている抗菌剤を覆うようになるので、そのままでは最外
表面層の抗菌剤の濃度が低く抗菌作用が弱い場合があ
る。そこで、抗菌性ゴムシールには、抗菌剤の高濃度部
の露出処理が施されていることが好ましい。かくして、
殺菌効果をより高めることができる。特にこの効果は、
シリコーンゴムの場合に顕著になる。
【0017】当該処理としては、抗菌性ゴムシールにお
ける抗菌剤の高濃度部が露出しうるものであれば特に制
限はなく、例えば抗菌性ゴムシール表面の切削加工、ブ
ラッシング処理等が挙げられる。
【0018】ブラッシング処理としては、バフがけ、シ
ョットブラスト(プラスチック,砂,スチール等)、ペ
ーパー仕上げ等が例示され、切削加工としては、例えば
研削、ナイフカット、バイトによる切削等が例示され
る。好ましくはブラッシング処理である。当該露出処理
においては、表面から少なくとも1μm、好ましくは5
〜20μm程度を露出させることが適切である。
【0019】
【作用・効果】上記抗菌性ゴムシールによれば、表面に
分散されている抗菌剤によって液体状の飲食物と接触す
る部分において細菌を効果的に殺菌できる。例えば充填
ノズルにおいて、固定用や摺動用のシールに用いられる
Oリングや、ノズルと容器間の液漏れ防止用シールとし
て、上記組成物から成形される抗菌性ゴムシールを用い
ると、シールが装着された溝部や取付け部等に滞留する
流体中の細菌を、その表面に分散されている抗菌剤によ
って効果的に殺菌でき、その流体滞留箇所における細菌
の増殖を防止できるようになる。飲料等の流体が滞留し
細菌が繁殖しやすい箇所における細菌の増殖を防止でき
るので、従来比較的短期間に定期的に行われていた該充
填ノズルの殺菌処理を不要にできるようになる。また、
定期的な殺菌処理を不要にできるので、流体状飲食料の
連続生産が可能になり、生産効率を大幅に向上でき生産
コストを低減できる。
【0020】また、上記抗菌性ゴムシールによれば、ゴ
ム類としてシリコーンゴムまたはフッ素ゴムを選択使用
しているので、水等の流体状物の抽出作用によっても、
シール部材の成分が全く抽出されないかあるいは抽出さ
れ難い。従来のゴムシールは、イオウ、可塑剤、酸化防
止剤、老化防止剤、プロセスオイル、加工助剤、加硫
剤、補強剤等の多種、多量の配合剤が含有されている天
然ゴムやニトリルゴム等を基材としており、熱水やアル
コール分にその成分や配合物が抽出され易い。また、こ
れらの多種の配合剤、特に硫黄を配合するため、例えば
抗菌剤のAgとゴム基材中の硫黄(S)とが結合して、抗
菌剤の効果が阻害、低減される。さらに、クロロプレ
ン、塩素化ポリエチレン等の塩素を含有する高分子材料
も抗菌剤の効果を阻害する。しかし、シリコーンゴムま
たはフッ素ゴムは、上記抗菌剤の効果を阻害する硫黄
(S)は配合されず、また、補強剤、架橋剤、受酸剤等
のせいぜい3〜5種類の配合剤が含有される程度である
ので、飲食料中に抽出される成分がないか、または抽出
成分があるとしても非常に少なく食品衛生法による規定
内にでき、かつ、抗菌力も有する。
【0021】また、上記抗菌性ゴムシールによれば、ゴ
ム類としてシリコーンゴムまたはフッ素ゴムを選択使用
しているので、高温でのシール特性(圧縮永久ひずみな
ど)に優れる。すなわち、飲料物等自体の加熱滅菌や熱
水等による加熱殺菌おいては、抗菌性ゴムシールは、高
温の流体と接触することになるが、樹脂シールは一般的
にクリープ特性に劣り、特に高温におけるクリープ特性
に劣るが、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムを選択使用
したゴムシールは、高温での圧縮永久ひずみに優れるの
で、高温の流体と接触してもゴムシールはほとんど変化
ぜず、シールは優れたシール性を維持できる。
【0022】本発明の抗菌性ゴムシールは、上記した優
れた特性を有するので、純水、超純水、飲食料品、薬品
等の無菌下にて製造されることが必要な流体状製品の製
造装置、機器、配管等の液漏れ、ガス漏れを防止するた
めのOリング、ガスケット、パッキン等に好適に使用で
きる。特にコーヒー、ジュース、ウーロン茶等の飲料物
を缶や瓶等の容器に充填する流体充填機のノズルに用い
られるシールに最適である。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0024】実施例1 シリコーンゴム(商品名SH851 東レダウコーニン
グシリコン社製)100重量部、Agをイオン結合せし
めたゼオライト(抗菌剤:商品名ゼオミック品川燃料社
製)4重量部を、ヘンシェルミキサーにて混練して組成
物を調製した。この組成物を加熱プレス機にて圧縮成形
し、Oリングと、パッキンをそれぞれ作製した。ただ
し、上記抗菌剤のAg結合量は、2.5重量%であっ
た。なお、Oリングとして、断面径3.1mm、Oリング
の内径59.4mmのOリングA、断面径3.5mm、Oリ
ングの内径33.7mmのOリングB、および断面径3.
1mm、Oリングの内径23.7mmのOリングCの3種類
のものを、また、パッキンとして、外径79mm、内径4
2mm、厚さ7mmのものをそれぞれ作製した。ただし、上
記組成物には、過酸化物(ジクミルパーオキサイド)
0.5重量部が配合されていた。
【0025】実施例2〜5 上記実施例1の方法において、抗菌剤の配合量を表1に
示すように変量した以外はすべて実施例1と同様にして
それぞれOリングおよびパッキンを作製した。
【0026】実施例6 上記実施例1の方法において、シリコーンゴムに替えて
フッ素ゴム(商品名ダイエルG701 ダイキン工業社
製)を用いた以外はすべて実施例1と同様にしてOリン
グおよびパッキンを作製した。このフッ素ゴム組成物に
は、カーボンブラック20重量部、受酸剤(酸化マグネ
シウム,水酸化カルシウム)9重量部、架橋剤(ポリオ
ール内添ずみ)が配合されていた。
【0027】実施例7 上記実施例6の方法において、抗菌剤の配合量を表1に
示すように変量した以外はすべて実施例1と同様にして
それぞれOリングおよびパッキンを作製した。
【0028】比較例1〜2 上記実施例1の方法において、シリコーンゴムに替えて
ニトリルゴム(商品名ニポールDN202 日本ゼオン
社製)を用いた(比較例1)、ポリプロピレン樹脂(商
品名三菱ポリプロEC−8 三菱油化社製)を用いた
(比較例2)以外はすべて実施例1と同様にしてOリン
グおよびパッキンをそれぞれ作製した。上記ニトリルゴ
ム組成物には、硫黄、ジベンゾチアジルジサルファイ
ド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ステアリン
酸4,4'(α,α・ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ジオクチルセバケー
ト、パラフィンワックスが配合されていた。
【0029】実施例8 上記実施例1で作製したOリングおよびパッキンを、ブ
ラスト法により表面から10μmショットブラスト処理
を施し、Oリングおよびパッキンにおける抗菌剤の高濃
度部を露出させた。
【0030】実験例 〔抗菌性試験〕上記実施例および比較例で作製した各O
リングに、大腸菌菌液1ミリリットルを滴下し、36℃
で24時間保持後、生理食塩水で該菌液を洗浄し、その
洗浄液内の大腸菌菌数を培養法(標準寒天培地:36
℃,24時間培養)で測定し評価した。なお、大腸菌菌
液は、大腸菌を2.3×103 個/ミリリットルを含有
するものを用いた。ちなみに、この大腸菌菌液のみを上
記培養したもの(ブランク)の大腸菌菌数は、9.3×
106 個/ミリリットルであった。 〔成分抽出試験〕また、上記実施例および比較例で作製
した各Oリングを100℃の熱水中に70時間浸漬し
た。熱水中に抽出された成分を、X線マイクロアナライ
ザーおよび赤外分光光度計にて測定し、抽出量は重量減
少率により評価した。 〔シール性試験〕上記実施例および比較例で作製した各
Oリングを、図1の断面図に示すように、充填ノズルの
固定シール部にOリングAおよびOリングCを、また、
摺動シール部にOリングBをそれぞれ装着した。一方、
ノズル下部にパッキンDを取り付けた。この充填ノズル
を用いて、ウーロン茶を缶容器内に連続的に充填した。
上記ウーロン茶の充填終了後、ノズル部を取り外し、つ
いで80〜100℃の加熱水を用いた熱殺菌した後、再
度ノズル部を取り付けて、再びウーロン茶を缶容器内に
連続的に充填した。この繰り返し充填時において、各O
リング取り付け部(3箇所)における漏液の有無を目視
によって確認してシール性を評価した。なお、このシー
ル性は、○…漏液が全くない、×…にじみ程度の漏液が
ある、××…漏液が多い、として評価した。上記各試験
結果は、表1に示す通りであった。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1に示した結果から明らかなよう
に、実施例2および4でもブランク(9.3×106
/ミリリットル)と比較して、菌数は極めて少なく、実
施例1,3,5,6および7では菌は検出されなかっ
た。また、実施例8の表面に抗菌剤の高濃度部を露出さ
せたOリングでの菌数は皆無であった。また、熱水中に
抽出される成分も極微量であった。このように、実施例
の抗菌性ゴムシールは、比較例に示すゴムシールに比べ
て、非常に優れた抗菌性を示し、また、抽出される成分
量も大幅に少ないものであった。さらに、実施例のOリ
ングは、熱水殺菌処理を施した後も、優れたシール性を
有するものであった。
【0033】以上説明したように、本発明の抗菌性ゴム
シールによれば、この抗菌性ゴムシールと接触する流体
中の細菌が確実に殺菌できてその増殖を防止でき、従来
行われていた殺菌処理を不要にできる。また、流体状飲
食用製品の連続生産が可能になり、生産効率を大幅に向
上でき生産コストを低減できる。飲料中に抽出する成分
がないかまたはあっても微少であって、食品衛生法の規
定内である。高温におけるクリープ性に優れ、シール性
がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体充填機の充填ノズル部におけるシール用O
リング、パッキンの取付け状態を説明する断面図であ
る。
【図2】Oリング取付部を説明する部分拡大断面図であ
って、(a)は固定シール用Oリングの取付け状態、
(b)は摺動シール用Oリングの取付け状態をそれぞれ
示す。
【符号の説明】
A,C 固定用シール部位に取付けたOリング B 摺動用シール部位に取付けたOリング D 容器密封用シール部位に取付けたパッキン
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16J 15/10 Y (72)発明者 大北 勝俊 大阪府大阪市福島区福島7丁目15番26号大 阪YMビル 三菱電線工業株式会社大阪事 務所内 (72)発明者 佐藤 護 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 松元 信也 大阪府三島郡島本町大字山崎1023番の1 サントリー株式会社技術開発センター内 (72)発明者 國▲崎▼ 伸一 大阪府三島郡島本町大字山崎1023番の1 サントリー株式会社技術開発センター内 (72)発明者 益田 光信 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内 (72)発明者 白石 雅範 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンゴムまたはフッ素ゴムと抗菌
    剤とを含有する組成物から成形されてなる抗菌性ゴムシ
    ール。
  2. 【請求項2】 シリコーンゴムまたはフッ素ゴムからな
    るゴム基材と抗菌剤とを含有する組成物が、ゴム基材1
    00重量部に対し、抗菌剤0.1〜20重量部配合して
    なる組成物であることを特徴とする請求項1記載の抗菌
    性ゴムシール。
  3. 【請求項3】 抗菌剤が、無機不溶体に、銀、銅、亜鉛
    から選ばれる少なくとも一種の金属を担持またはイオン
    結合せしめたものであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の抗菌性ゴムシール。
  4. 【請求項4】 抗菌性ゴムシールが、抗菌剤の高濃度部
    の露出処理が施されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の抗菌性ゴムシール。
  5. 【請求項5】 抗菌性ゴムシールが、流体状飲食料品の
    製造装置における当該流体状飲食料品が滞留し易い部位
    のシールに使用されるものである請求項1〜4のいずれ
    かに記載の抗菌性ゴムシール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6484067B1 (en) 1997-07-14 2002-11-19 Fanuc Ltd. Industrial robot
JP2008031485A (ja) * 2001-12-12 2008-02-14 Milliken & Co 抗菌性着色加硫ゴム物品

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US6484067B1 (en) 1997-07-14 2002-11-19 Fanuc Ltd. Industrial robot
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