JPH08104105A - 車両の空気入りラジアルタイヤ配置構造 - Google Patents

車両の空気入りラジアルタイヤ配置構造

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JPH08104105A
JPH08104105A JP6240194A JP24019494A JPH08104105A JP H08104105 A JPH08104105 A JP H08104105A JP 6240194 A JP6240194 A JP 6240194A JP 24019494 A JP24019494 A JP 24019494A JP H08104105 A JPH08104105 A JP H08104105A
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belt layer
tire
cord
belt
layer
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JP6240194A
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Inventor
Yasuo Morikawa
庸雄 森川
Naoki Kanehira
尚樹 兼平
Koichiro Aikawa
孝一郎 相川
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C19/00Tyre parts or constructions not otherwise provided for
    • B60C19/001Tyres requiring an asymmetric or a special mounting

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤの軽量化および低転動抵抗化を図りな
がら、タイヤの成型生産性を高めると共に高速耐久性を
向上させ、さらに操縦安定性を向上させることができる
車両の空気入りラジアルタイヤ配置構造を提供するこ
と。 【構成】 それぞれ左右に設けた車輪に空気入りラジア
ルタイヤを装着した車両において、前記空気入りラジア
ルタイヤの各々は、カーカス層1の外側のトレッド部
に、タイヤ周方向に対するコード角度が25°〜45°のス
チールコードの単一層の1番ベルト層2を配置すると共
に、該1番ベルト層2の外側にタイヤ周方向に対するコ
ード角度が実質的に0°の芳香族ポリアミド繊維コード
の2番ベルト層3を配置することにより構成されてお
り、これら空気入りラジアルタイヤのうち、進行方向右
側の車輪に装着するタイヤは、上空側における1番ベル
ト層2のコード傾斜方向を進行方向左下りとする一方、
進行方向左側の車輪に装着するタイヤは、上空側におけ
る1番ベルト層2のコード傾斜方向を進行方向右下りと
したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤの軽量化および
低転動抵抗化を図りながら、タイヤの成型生産性を高め
ると共に高速耐久性を向上させ、さらに操縦安定性を向
上させることができる車両の空気入りラジアルタイヤ配
置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速耐久性に優れる空気入りラジ
アルタイヤのベルト部構造としては、例えば、タイヤ周
方向に対するコード角度が10°〜30°であってプライ間
でコードが互いに交差した複数層のスチールコードベル
ト層の外周側に、ベルト補強層(ベルトカバー層、タイ
ヤ周方向に対するコード角度が実質的に0°)としてナ
イロンコードのゴムテープを螺旋状に巻き付けるという
ものであった(特公平4-47618 号公報) 。しかしなが
ら、この場合、複数層のスチールコードベルト層以外に
ナイロンコードベルト補強層を追加するために、タイヤ
重量が大きくなり結果的にタイヤの転動抵抗を増大させ
てしまうという欠点があり、しかも部品点数が多いため
タイヤ成型生産性を悪化させる欠点があった。
【0003】そこで、これらの欠点を解消するために、
単一層のスチールコードベルト層の外側にタイヤ周方向
に対するコード角度が実質的に0°である芳香族ポリア
ミド繊維コードベルト補強層を配した複合ベルト部構造
の空気入りラジアルタイヤが提案されている(特開平4-
163212号公報) 。これは、芳香族ポリアミド繊維コード
ベルト補強層に、ベルト層の役割と共に上記のナイロン
コードベルト補強層の役割をも担わせようとしたもので
ある。
【0004】すなわち、スチールコードの強力が約60kg
/1本(2+2(0.25))に対して、芳香族ポリアミド繊維コー
ドの強力は約50kg/1本(1500d/2) と低いが、ナイロンコ
ードの強力の15kg/1本(840d/2)に対しては圧倒的に大き
いことから、単一層のスチールコードベルト層と芳香族
ポリアミド繊維コードベルト補強層を組み合わせた複合
ベルト部構造の場合、2層のスチールコードベルト層の
外周側にベルト補強層としてナイロンコードベルト補強
層を配したベルト部構造に劣らない補強構造となるから
である。
【0005】しかし、このような複合ベルト部構造で
は、スチールコードベルト層が単一層であるためにベル
ト層のコード配置がタイヤ赤道面に対して必然的に非対
称になるという問題があった。コード配置が非対称にな
ると、運転者の意図しない方向に車両が偏向する原因と
なるプライステアーが大きくなって操縦安定性がわるく
なるからである。
【0006】本発明者らは、操縦安定性が主に評価され
るのは車両がコーナリングしているときであることに着
目し、本発明をなすに至った。すなわち、タイヤの機能
を検討するに際し、従来のようにタイヤ単体で考慮する
のではなく、あくまでも車両に装着された状態で最も良
好な機能を発揮させることを指向したのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、タイヤの軽量化および低転動抵抗化を図りなが
ら、タイヤの成型生産性を高めると共に高速耐久性を向
上させ、さらに操縦安定性を向上させることができる車
両の空気入りラジアルタイヤ配置構造を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、それぞれ左右
に設けた車輪に空気入りラジアルタイヤを装着した車両
において、前記空気入りラジアルタイヤの各々は、左右
一対のビード部間に装架されたカーカス層の外側のトレ
ッド部に、タイヤ周方向に対するコード角度が25°〜45
°のスチールコードからなる単一層の1番ベルト層を配
置すると共に、該1番ベルト層の外側にタイヤ周方向に
対するコード角度が実質的に0°の芳香族ポリアミド繊
維コードからなる2番ベルト層を配置することにより構
成されており、これら空気入りラジアルタイヤのうち、
前記車両の上面視にて進行方向右側の車輪に装着するタ
イヤは、上空側における1番ベルト層のコード傾斜方向
を進行方向左下りとする一方、進行方向左側の車輪に装
着するタイヤは、上空側における1番ベルト層のコード
傾斜方向を進行方向右下りとした車両の空気入りラジア
ルタイヤ配置構造を要旨とする。
【0009】このように、スチールコードからなる1番
ベルト層と芳香族ポリアミド繊維コードからなる2番ベ
ルト層をトレッド部に配置することにより空気入りラジ
アルタイヤを構成したために、複数層のスチールコード
ベルト層を配置する場合に比してタイヤの軽量化を図る
ことができ、これによりタイヤの低転動抵抗化を図るこ
とが可能となる。
【0010】また、ベルト部分の部品点数が従来の少な
くとも3点(スチールコードベルト層2層、ナイロンコ
ードベルト補強層1層)から2点(1番ベルト層、2番
ベルト層)に減少しているので、タイヤの成型生産性を
高めることができる。さらに、1番ベルト層のタイヤ周
方向に対するコード角度を25°〜45°としているので、
後記するようにタイヤの高速耐久性を向上させることが
できる。
【0011】そのうえ、進行方向右側の車輪に装着する
タイヤは1番ベルト層のコード傾斜方向を進行方向左下
りとする一方、進行方向左側の車輪に装着するタイヤは
1番ベルト層のコード傾斜方向を進行方向右下りとした
ために、後記するように操縦安定性を向上させることが
可能となる。以下、図を参照して本発明の構成につき詳
しく説明する。
【0012】空気入りラジアルタイヤは、一般に、左右
一対のビード部とこれらビード部に連結する左右一対の
サイドウオール部とこれらサイドウオール部間に配され
るトレッド部からなる。左右一対のビード部間にはタイ
ヤ周方向に対するコード角度が略90°のカーカス層が装
架されており、トレッド部においてはこのカーカス層の
外周を取り囲むようにタイヤ周方向に対するコード角度
が10°〜30°のベルト層が配置されている。
【0013】カーカス層のコードの材質としては、一般
に、ナイロン、ポリエステル等の有機繊維が用いられ
る。本発明におけるタイヤは、このようなラジアルタイ
ヤであって、左右一対のビード部間に装架されたカーカ
ス層の外側のトレッド部に、タイヤ周方向に対するコー
ド角度が25°〜45°のスチールコードからなる単一層の
1番ベルト層を配置すると共に、この1番ベルト層の外
側にタイヤ周方向に対するコード角度が実質的に0°の
芳香族ポリアミド繊維コードからなる2番ベルト層を配
置することにより構成されている。
【0014】図1は、本発明において車両の上面視にて
進行方向右側に装着されるタイヤのベルト部構造の一例
を示す説明図である。図1においては、カーカス層1の
外側にはカーカス層1に接するように単一層の1番ベル
ト層2が配されており、この1番ベルト層2のスチール
コード2aの傾斜方向が上空側からみて車両の進行方向
Tに対して左下りとなっている。
【0015】また、図2は、本発明において車両の上面
視にて進行方向左側に装着されるタイヤのベルト部構造
の一例を示す説明図である。図2においては、カーカス
層1の外側にはカーカス層1に接するように単一層の1
番ベルト層2が配されており、この1番ベルト層2のス
チールコード2aの傾斜方向が上空側からみて車両の進
行方向Tに対して右下りとなっている。
【0016】図1および図2において、1番ベルト層2
におけるタイヤ周方向EE’に対するコード角度αは25
°〜45°、好ましくは30°〜40°である。このように角
度を定めたのは下記のような理由からである。すなわ
ち、日本ゴム協会誌の1978年第51巻第3号の「ラジアル
タイヤの構造力学」には、コード不伸長の仮定に基づく
解析によると斜交積層板を弾性軸方向に引っ張るとき、
コード角がある臨界角度を越えて大きい場合にはコード
にかかる張力が負になることが示されており、その臨界
角度はtan -1√2=54.7°と計算されている。
【0017】ところで、本発明におけるベルト部構造で
は2番ベルト層3のコード角度が実質的に0°であるた
め、比較的にタイヤ周方向の拘束力が強いので、ラジア
ル方向(タイヤ幅方向)の張力が支配的であり、54.7°
の余角35.3°が見掛けの臨界角度になる。換言すれば、
ラジアル方向が弾性軸方向と考えられるので、本発明者
らは、高速耐久性の向上のためには、その臨界角度54.7
°につきタイヤ周方向から測定した35.3°が好ましいこ
とを知ったのである。
【0018】すなわち、本発明者らは、ベルトコード角
度に様々な検討を加えた結果、本発明のベルト部構造に
あっては、1番ベルト層2の層間剪断歪みが特異な値に
なる臨界ベルト角度35.3°にすることが、ベルト層のタ
イヤ補強効果が最も大きいこと、すなわち高速耐久性に
優れることを知ったのである。そこで、高速耐久性試験
を行うことによりこの35.3°の左右に適宜の幅を設け、
コード角度αを25°〜45°としたのである。また、後記
するようにα=45°を境としてプライステアーが逆転す
るため、45°超とすることはできない。
【0019】また、図1および図2において、単一層の
1番ベルト層2の外側にはこの1番ベルト層2に接する
ように2番ベルト層3が配されており、この2番ベルト
層3の芳香族ポリアミド繊維コード3aのコード角度は
タイヤ周方向EE’に対して実質的に0°となってい
る。このため、2番ベルト層3は、高速走行時に1番ベ
ルト層2の幅方向端部のせり上がりを防止するベルト補
強層(ベルトカバー層)としての役割を果たすことがで
きる。なお、1番ベルト層2の両端部を2番ベルト層3
の両端部で被覆すること、換言すれば、2番ベルト層3
の幅が1番ベルト層2の幅よりも大きいことが好まし
い。高速走行時における1番ベルト層2の幅方向両端部
のせり上がりによるその端部セパレーションの発生をい
っそう防止できるからである。また、2番ベルト層3を
芳香族ポリアミド繊維コード3aから構成したため、タ
イヤがカットを受けてもそれが1番ベルト層2に到達し
にくく水分の侵入によるスチールコードの発錆を防止で
きるためベルト耐久性が良好となる。
【0020】この2番ベルト層3は、芳香族ポリアミド
繊維コード3aを埋設したゴムテープを、1番ベルト層
2上に、その側端を互いに突き合わせて実質的に重なり
部分を生じることなくタイヤ周方向に連続して螺旋状に
巻き付けることにより構成するのがよい。この場合、ゴ
ムテープの幅dと1番ベルト層2の幅Bdとの比d/B
dを0.03〜0.15とするのがよい。これにより、2番ベル
ト層3にはスプライス部がなくなるので、タイヤユニフ
ォーミティーが良好となり、特に、タイヤが半径方向に
受ける反力の変化を表わすラジアル・フォース・バリエ
ーション(RFV)を低減することができる。
【0021】ここで、芳香族ポリアミド繊維コードと
は、密度が3g/cm3 未満であり、引張強さが15g/d
以上で引張弾性率が200 g/d 以上からなる有機繊維か
ら選ばれた繊維を撚り合わせてなるコードであり、1種
類の繊維からなるコードに限定されるものではなく、2
種類以上の有機繊維を撚り合わせたコードでもよい。
「密度が3g/cm3 未満であり、引張強さが15g/d 以
上で引張弾性率が200 g/d 以上からなる有機繊維」と
は、芳香族ポリアミド繊維(デュポン社製ケブラー、ア
クゾ社製トワロン、帝人社製テクノーラ)などであっ
て、この特性を満足するものであればよい。
【0022】密度が3g/cm3 超の場合、ベルト層の重
量が増加し、タイヤの軽量化を図るのが困難となる。引
張強さが15g/d 未満の場合、ベルト層の強度を維持す
るためには繊維コードの打ち込み本数を多くする必要が
あるので生産性が悪化するばかりでなく、ベルト層の重
量が増加し、タイヤの軽量化を図るのが困難となる。引
張弾性率が200 g/d 未満の場合、ベルト層のタイヤ周
方向剛性が不足し、高速走行時のベルト部のタイヤ半径
方向外方への成長が大きくなり、高速耐久性を悪化させ
てしまう。また、ベルト層の引張弾性率を維持するため
に、繊維コードの打ち込み本数を多くする場合には、生
産性が悪化するばかりでなく、ベルト層の重量が増加
し、タイヤの軽量化を図るのが困難となる。
【0023】2番ベルト層3は、図3に示すように1番
ベルト層2の外側に配置された単一層であってもよい
が、図4に示すようにセンター域では単一層にし、両シ
ョルダー域では二重の積層構造にした部分的に複数層か
らなっていてもよく、また、図5に示すように幅方向一
端を折り曲げて折り返して全体的に二重の積層構造にし
た複数層からなっていてもよい。2番ベルト層3が単一
層の場合、図6に示すように、2番ベルト層3の幅方向
両端部を、タイヤ周方向に対するコード角度が実質的に
0°のナイロンコードベルト補強層4で被覆して保護す
ることで更に良好な高速耐久性を享受できる。
【0024】つぎに、図7に従来の空気入りラジアルタ
イヤのベルト部構造の一例を示す。図7において、カー
カス層1の外側には、下側ベルト層10と上側ベルト層11
の2枚のベルト層が配置されている。下側ベルト層10の
スチールコード10a のタイヤ周方向EE’に対するコー
ド角度θは10°〜30°であって、上側ベルト層11のスチ
ールコード11a のタイヤ周方向EE’に対するコード角
度θも10°〜30°である。下側ベルト層10のスチールコ
ード10a と上側ベルト層11のスチールコード11a とは互
いに交差している。
【0025】上側ベルト層11の外側には、ナイロンコー
ドのような熱収縮性有機繊維コード12a からなるベルト
補強層12が配されている。熱収縮性有機繊維コード12a
のタイヤ周方向に対するコード角度は、実質的に0°で
ある。従来のこの空気入りラジアルタイヤは、ベルト補
強層12が図7および図8に示されるように上側ベルト層
11の外側にベルト補強層12が配されているが、図9に示
すようにベルト補強層12が配されない場合もあるが高速
耐久性が著しく低下してしまう。
【0026】図10に上面視にて車両の進行方向Tに対し
て車両の左右両側の車輪にタイヤを装着した様子を示
す。車両の右側に装着されるタイヤ20では、1番ベルト
層2のスチールコード2aの傾斜方向が上空側からみて
車両の進行方向Tに対して左下りとなっている。また、
車両の左側に装着されるタイヤ21では、1番ベルト層2
のスチールコード2aの傾斜方向が上空側からみて車両
の進行方向Tに対して右下りとなっている。このため、
車両の左右に同軸上に配置したタイヤのスチールコード
2aの仮想延長線が車両後方で交差する。このように車
両に対してタイヤを配置したのは下記の理由による。
【0027】すなわち、本発明におけるベルト部構造で
は、1番ベルト層2のコードがタイヤ周方向EE’に対
して一定角度を持ち、2番ベルト層3のタイヤ周方向E
E’に対するコード角度が実質的に0°(タイヤ周方向
EE’にほぼ平行)であるために、1番ベルト層2のコ
ード角度に起因する非対称性を有している(ベルト層の
コード配置がタイヤ赤道面に対して非対称であるこ
と)。そして、1番ベルト層2と2番ベルト層3の平均
角度(足して2で割った角度)がタイヤ周方向(又はタ
イヤ幅方向)に対して0°又は90°以外の角度を持つた
め、タイヤ自身が回転方向と異なる方向に転がろうとす
る力を強く持っている(プライステアー)。
【0028】したがって、車両に装着されたタイヤにつ
いて、或るタイヤに着目してみると(例えば、車両の進
行方向Tに対して右側の車輪に装着されたタイヤ)、ハ
ンドルを右に切った場合と左に切った場合とで発生する
横力(コーナリングフォース)に差が生じてしまう。こ
のタイヤの性質を積極的に利用することを本発明者らは
鋭意検討し、ハンドルを右に切った場合に慣性により車
両旋回外側すなわち左側装着タイヤに余分に荷重が付加
されることから左側装着タイヤのコーナリングフォース
を大きくし、逆に左旋回の場合には右側装着タイヤのコ
ーナリングフォースを大きくすることが良好な操縦安定
性を与えることを知り、図10に示すように車両にタイヤ
を配置したのである。
【0029】この配置により、図10に示すように、ハン
ドルを右に切った場合には(プライステアーはマイナ
ス)、車両の左側に装着されるタイヤ21には矢印Nより
もむしろ矢印Mで示されるような大きなコーナリングフ
ォースが発生し、一方、ハンドルを左に切った場合には
(プライステアーはプラス)、車両の右側に装着される
タイヤ20には矢印N’よりもむしろ矢印M’で示される
ような大きなコーナリングフォースが発生する。
【0030】
【実施例】
タイヤサイズ 195/70R14 91Hであってカーカス層:1000
d/2 ポリエステルコード2枚の下記ベルト部構造を有す
る従来タイヤ1、従来タイヤ2、本発明タイヤ1、本発
明タイヤ2につき、高速耐久性、タイヤユニフォーミテ
ィー、コーナリングパワー、および実車操縦安定性能フ
ィーリングを評価した。
【0031】(A)従来タイヤ1のベルト部構造 1番ベルト層: 2+2(0.25) 、スチールコード40本/5c
m、コード角度タイヤ周方向に対し20°。 2番ベルト層: 2+2(0.25) 、スチールコード40本/5c
m、コード角度タイヤ周方向に対し20°。
【0032】1番ベルト層と2番ベルト層とはプライ間
でコードが交差。 ベルト補強層: 840d/2 、ナイロンコード55本/5cm、コ
ード角度タイヤ周方向に実質的に対し0°、1番ベルト
層の幅の0.07倍の幅のゴムテープを螺旋状に巻き1番ベ
ルト層の幅方向端部を覆うことにより構成。 (B)従来タイヤ2のベルト部構造 1番ベルト層: 2+2(0.25) 、スチールコード40本/5c
m、コード角度タイヤ周方向に対し20°。
【0033】2番ベルト層: 2+2(0.25) 、スチールコ
ード40本/5cm、コード角度タイヤ周方向に対し20°。 1番ベルト層と2番ベルト層とはプライ間でコードが交
差。 (C)本発明タイヤ1のベルト部構造車両進行方向右側装着タイヤ 1番ベルト層: 2+2(0.25) 、スチールコード40本/5c
m、コード角度タイヤ周方向に対し35°、左下り。
【0034】2番ベルト層: 1500d/2、芳香族ポリアミ
ド繊維コード50本/5cm、コード角度タイヤ周方向に対し
実質的に0°、1番ベルト層の幅の0.07倍の幅のゴムテ
ープを螺旋状に巻き1番ベルト層の幅方向両端部を覆う
ことにより構成。車両進行方向左側装着タイヤ 1番ベルト層: 2+2(0.25) 、スチールコード40本/5c
m、コード角度タイヤ周方向に対し35°、右下り。
【0035】2番ベルト層: 1500d/2、芳香族ポリアミ
ド繊維コード50本/5cm、コード角度タイヤ周方向に対し
実質的に0°、1番ベルト層の幅の0.07倍の幅のゴムテ
ープを螺旋状に巻き1番ベルト層の幅方向両端部を覆う
ことにより構成。 (D)本発明タイヤ2のベルト部構造車両進行方向右側装着タイヤ 1番ベルト層: 2+2(0.25) 、スチールコード40本/5c
m、コード角度タイヤ周方向に対し35°、左下り。
【0036】2番ベルト層: 1500d/2、芳香族ポリアミ
ド繊維コード50本/5cm、コード角度タイヤ周方向に対し
実質的に0°、1番ベルト層の幅の0.07倍の幅のゴムテ
ープを螺旋状に巻き1番ベルト層の幅方向両端部を1番
ベルト層の幅の20%ずつ2重に巻いて覆うことにより構
成。車両進行方向左側装着タイヤ 1番ベルト層: 2+2(0.25) 、スチールコード40本/5c
m、コード角度タイヤ周方向に対し35°、右下り。
【0037】2番ベルト層: 1500d/2、芳香族ポリアミ
ド繊維コード50本/5cm、コード角度タイヤ周方向に対し
実質的に0°、1番ベルト層の幅の0.07倍の幅のゴムテ
ープを螺旋状に巻き1番ベルト層の幅方向両端部を1番
ベルト層の幅の20%ずつ2重に巻いて覆うことにより構
成。高速耐久性の評価方法 :本発明タイヤ1(1番ベルト層
のコード左下り、右下りのそれぞれ)、従来タイヤ1、
および従来タイヤ2につき、1番ベルト層のタイヤ周方
向に対するコード角度を種々変更して、空気圧1.9kg/cm
2、リム14×51/2JJ、荷重450kg の条件下に、ドラム径1
707mmでJATMA 高速耐久性試験を行った。この試験の終
了後、10km/h毎に加速してタイヤが破壊するまで試験を
続行した。破壊時の走行距離により高速耐久性を評価し
た。
【0038】この結果を図11に示す。図11から、本発明
タイヤ1につき1番ベルト層のコード角度が25°〜45°
のときに高速耐久性が良好となることが判る。タイヤユニフォーミティーの評価方法 :(プライステア
ー) 本発明タイヤ1(1番ベルト層のコード左下り、右下り
のそれぞれ)、につき、1番ベルト層のタイヤ周方向に
対するコード角度を種々変更して、空気圧1.9kg/cm2
リム14×51/2JJ、荷重450kg の条件下に、JAS0 C 607
「自動車用タイヤのユニフォーミティー試験方法」に準
拠してプライステアーの試験を行った。この結果を、図
12に示す。図12から、1番ベルト層のタイヤ周方向に対
するコード角度が45°以下でプライステアーが大きく、
45°を境としてコード傾斜方向でプライステアーの正負
が逆転することが明らかである。
【0039】コーナリングパワーの評価方法:本発明タ
イヤ2(1番ベルト層のコード右下り)を車両進行方向
左側の車輪に装着し、空気圧1.9kg/cm2、リム14×51/2
J、荷重450kg の条件下に、ハンドル右切りとハンドル
左切りとについて常法によりコーナリングパワーを測定
した。この結果を図13に示す。図13から、ハンドル右切
りの場合にコーナリングパワーが大きいことが判る。
【0040】また、本発明タイヤ2(1番ベルト層のコ
ード左下り)を車両進行方向右側の車輪に装着し、空気
圧1.9kg/cm2、リム14×51/2J、荷重450kg の条件下に、
ハンドル右切りとハンドル左切りとについて常法により
コーナリングパワーを測定した。この結果を図14に示
す。図14から、ハンドル左切りの場合にコーナリングパ
ワーが大きいことが判る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、そ
れぞれ左右に設けた車輪に空気入りラジアルタイヤを装
着した車両において、前記空気入りラジアルタイヤの各
々は、左右一対のビード部間に装架されたカーカス層の
外側のトレッド部に、タイヤ周方向に対するコード角度
が25°〜45°のスチールコードからなる単一層の1番ベ
ルト層を配置すると共に、該1番ベルト層の外側にタイ
ヤ周方向に対するコード角度が実質的に0°の芳香族ポ
リアミド繊維コードからなる2番ベルト層を配置するこ
とにより構成されており、これら空気入りラジアルタイ
ヤのうち、前記車両の上面視にて進行方向右側の車輪に
装着するタイヤは、上空側における1番ベルト層のコー
ド傾斜方向を進行方向左下りとする一方、進行方向左側
の車輪に装着するタイヤは、上空側における1番ベルト
層のコード傾斜方向を進行方向右下りとしたために、タ
イヤの軽量化および低転動抵抗化を図りながら、タイヤ
の成型生産性を高めると共に高速耐久性を向上させ、さ
らに操縦安定性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において車両の上面視にて進行方向右側
に装着される空気入りラジアルタイヤのベルト部構造の
一例を示す説明図である。
【図2】本発明において車両の上面視にて進行方向左側
に装着される空気入りラジアルタイヤのベルト部構造の
一例を示す説明図である。
【図3】本発明における空気入りラジアルタイヤのベル
ト部構造の一例を示す断面説明図である。
【図4】本発明における空気入りラジアルタイヤのベル
ト部構造の一例を示す断面説明図である。
【図5】本発明における空気入りラジアルタイヤのベル
ト部構造の一例を示す断面説明図である。
【図6】本発明における空気入りラジアルタイヤのベル
ト部構造の一例を示す断面説明図である。
【図7】従来の空気入りラジアルタイヤのベルト部構造
の一例を示す平面説明図である。
【図8】従来の空気入りラジアルタイヤのベルト部構造
の一例を示す断面説明図である。
【図9】従来の空気入りラジアルタイヤのベルト部構造
の一例を示す断面説明図である。
【図10】本発明において車両に空気入りラジアルタイヤ
を配置した様子を示す上面視説明図である。
【図11】1番ベルト層のタイヤ周方向に対するコード角
度と高速耐久性との関係図である。
【図12】1番ベルト層のタイヤ周方向に対するコード角
度とプライステアーとの関係図である。
【図13】本発明における空気入りラジアルタイヤのうち
1番ベルト層のコード傾斜方向が右下りのタイヤにつき
ハンドルを左右に切ったときのスリップ角とコーナリン
グパワーとの関係図である。
【図14】本発明における空気入りラジアルタイヤのうち
1番ベルト層のコード傾斜方向が左下りのタイヤにつき
ハンドルを左右に切ったときのスリップ角とコーナリン
グパワーとの関係図である。
【符号の説明】
1 カーカス層 2 1番ベルト層 2a スチー
ルコード 3 2番ベルト層 3a 芳香族ポリアミド繊維コー
ド 4 ナイロンコードベルト補強層 10 下側ベルト層
11 上側ベルト層 12 ベルト補強層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ左右に設けた車輪に空気入りラ
    ジアルタイヤを装着した車両において、 前記空気入りラジアルタイヤの各々は、左右一対のビー
    ド部間に装架されたカーカス層の外側のトレッド部に、
    タイヤ周方向に対するコード角度が25°〜45°のスチー
    ルコードからなる単一層の1番ベルト層を配置すると共
    に、該1番ベルト層の外側にタイヤ周方向に対するコー
    ド角度が実質的に0°の芳香族ポリアミド繊維コードか
    らなる2番ベルト層を配置することにより構成されてお
    り、 これら空気入りラジアルタイヤのうち、前記車両の上面
    視にて進行方向右側の車輪に装着するタイヤは、上空側
    における1番ベルト層のコード傾斜方向を進行方向左下
    りとする一方、進行方向左側の車輪に装着するタイヤ
    は、上空側における1番ベルト層のコード傾斜方向を進
    行方向右下りとした車両の空気入りラジアルタイヤ配置
    構造。
  2. 【請求項2】 前記1番ベルト層の両端部を前記2番ベ
    ルト層の両端部で被覆した請求項1記載の車両の空気入
    りラジアルタイヤ配置構造。
  3. 【請求項3】 前記2番ベルト層は、芳香族ポリアミド
    繊維コードを埋設したゴムテープを、前記1番ベルト層
    上に、その側端を互いに突き合わせて実質的に重なり部
    分を生じることなくタイヤ周方向に連続して螺旋状に巻
    き付けることにより構成される請求項1記載の車両の空
    気入りラジアルタイヤ配置構造。
  4. 【請求項4】 前記ゴムテープの幅dと前記1番ベルト
    層の幅Bdとの比d/Bdを0.03〜0.15とした請求項3
    記載の車両の空気入りラジアルタイヤ配置構造。
  5. 【請求項5】 前記2番ベルト層は、単一層である請求
    項1記載の車両の空気入りラジアルタイヤ配置構造。
  6. 【請求項6】 前記2番ベルト層は、複数層又は部分的
    に複数層からなる請求項1記載の車両の空気入りラジア
    ルタイヤ配置構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350021A (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2012171377A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ対および空気入りタイヤの装着方法
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CN108638756A (zh) * 2018-04-16 2018-10-12 中策橡胶集团有限公司 一种具有回折式多层缠绕结构的重载型子午线轮胎

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