JPH08104058A - 新規な情報像形成方法 - Google Patents

新規な情報像形成方法

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JPH08104058A
JPH08104058A JP6241668A JP24166894A JPH08104058A JP H08104058 A JPH08104058 A JP H08104058A JP 6241668 A JP6241668 A JP 6241668A JP 24166894 A JP24166894 A JP 24166894A JP H08104058 A JPH08104058 A JP H08104058A
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organic polymer
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Yoshitomo Yonehara
祥友 米原
Norimasa Fukazawa
憲正 深澤
Shiyoushin Boku
鐘震 朴
Kei Honda
圭 本田
Ryugo Maeda
龍吾 前田
Yasushi Fukumura
裕史 福村
Hiroshi Masuhara
宏 増原
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Kawamura Institute of Chemical Research
DIC Corp
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Kawamura Institute of Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルスレーザー光を用いた新規な情報像形成
方法に関し、印刷、レジスト、メモリーあるいはカラー
フィルター等に有用な、凹または凸情報像を形成する新
規な情報像形成方法を提供する。 【構成】 有機高分子材料から成る微粒子を基板6に堆
積させる。ついでターゲット基板8を対置させ、ソース
基板にパルスレーザー光5を照射して、微粒子をソース
基板から除去する、あるいは、対向基板上に転写、堆積
させることで凹像9または凸像10を形成する。 【効果】 解像度に優れた凸像あるいは凹像が形成で
き、ハードコピーを含む印刷像の形成、印刷原版の作
製、光ディスク用メモリービットの形成、カラーフィル
ターの構築やドライエッチングレジストの代替等に有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスレーザー光を用
いた新規な情報像形成方法に関し、更に詳しくは、有機
高分子材料から成る微粒子を堆積したソース基板にパル
スレーザー光を照射し、該微粒子をソース基板から除去
する、あるいは、対向基板上に転写、堆積させることに
より、凹または凸情報像を形成する新規な情報像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザー光誘起転写法あるいはレ
ーザー光誘起融蝕法による像形成手法が、その高速性、
高精細性の点で注目され、凸及び/または凹像が形成で
きる利点等を有することから活発に研究されている。レ
ーザー光誘起転写法では、レーザー光を基板に照射し
て、ソース基板のイメージング層に、速い局部的な変化
を起こし、それによってソース基板上のイメージング物
質をターゲット基板上に転写することで、像形成が行わ
れる。レーザー光誘起融蝕法では同様の手法で基板に凹
版を作製し、平版あるいはグラビア印刷の原版を作製す
るものである。このレーザー光誘起転写法あるいは融蝕
法の転写または凹版形成工程は完全な物理変化では無
く、一般的に結合等の開裂を伴うとされている。代表的
手法として、転写法では、ソース基板上に近赤外吸収色
素と分解性高分子および増感剤を含むイメージング材料
を塗布し、レーザー光誘起転写による画像を形成する方
法(特表平4−506709号公報、Jounal of Imagin
g Science and Technology, volume 36, p180 (1992)
等)が挙げられる。融蝕法では、高出力半導体レーザー
(波長800nm、強度2W)を用いてプラスチックシ
ートを分解加工(レーザーアブレーション)して凹版の
印刷原版を作製し、グラビア印刷原版に用いるレーザー
製版・印刷システム「グラビアン」等が提案されている
(特開平5−8366、8367号公報等)。
【0003】また、他の手法として、昇華性の高い染料
を、ソース基板からレーザー光熱転写させる方法(特開
平2−2074号公報)も開示されている。本手法によ
れば、ソース基板上の昇華性染料が、昇華によりターゲ
ット基板上に転写される。
【0004】更に、レーザー光溶融熱転写により、イン
ク層を溶融し転写する方法も提案されている(電子写真
学会誌、第32巻、110頁、117頁、263頁、3
65頁(1993)等)。
【0005】しかしながら、第1のレーザー光誘起転写
あるいは融蝕法では、レーザー光による化学結合の開裂
を伴うため、レーザー光照射スポット周辺の盛り上り、
あるいは糸引きなどが起こり、形成された凸および/ま
たは凹像の解像度が上がらない、また、カラー像に於て
は部分的に色素の分解を伴い、色調が再現性よく転写さ
れない等の欠点を有する。第2のレーザー光熱転写法で
は、カラー像形成には優れているものの、特殊な色素を
必要とする。また、印刷原版(凸または凹像)の作成に
は適さない。第3のレーザー光溶融熱転写法も同様に形
成像の精細度は高いものの、1.27J/cm2 という
高いレーザー光強度を必要とし、実用性に劣ると共に、
印刷原版(凸または凹像)の作成には適さない。これら
の問題点により、印刷画像形成や印刷原版の形成等の情
報像形成にとって実用的では無いまたは実用上の制約が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来既知の
レーザー光誘起転写法あるいはレーザー光誘起融蝕法に
おいて、高分子フィルムから成るソース基板と像を形成
するターゲット基板を対向させ、レーザーアブレーショ
ンによりソース基板に含有される材料が分解を伴い、タ
ーゲット基板に堆積する(凸像)、または、ソース基板
に凹版を作製し印刷原版として用いるもの(凹像)、あ
るいは、レーザー光を熱源として用い、昇華性染料をタ
ーゲット基板に転写するもの、または、インク層を熱転
写するものであった。従って、第一の方法では、レーザ
ーアブレーションに伴う化学変化の為、像の周辺が乱
れ、凸、凹像とも解像度が上がらない、色素の熱分解に
より色調の再現性に劣る等の問題点があった。第2の方
法では、昇華性染料をターゲット基板に転写する為、特
殊な色素およびターゲット基板として特殊な表面処理を
施した基板(主として特殊紙)を必要とし、印刷あるい
は印刷原版作製等に適したものではなかった。第3の手
法においても、基本的には熱転写であり、現状のサーマ
ルヘッドによる熱転写の熱源の代わりにレーザー光を用
い、1.27J/cm2 という高いレーザー光強度を必
要とする、印刷を含めたハードコピー用の技術である。
また、印刷原版作製には適していない。以上の如く、現
在、既知の方法では、解像度が上がらない、特殊な材料
を必要とする、強度の高いレーザー光を必要とする等、
種々の欠点を有し、実用性に乏しいものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ハードコ
ピーを含む印刷画像形成や平版またはグラビア印刷に適
した印刷原版等の作製上についての上記の問題点に着目
し、鋭意検討した。その結果、分解性高分子等のソース
フィルムを用いる代わりに、有機高分子材料から成る微
粒子を基板上に堆積してソース基板とし、ついで該高分
子材料から成る微粒子の飛散閾値以上の強度のパルスレ
ーザー光を照射すると、該高分子材料から成る微粒子が
その形状を維持したまま、基板から除去またはターゲッ
ト基板に転写できることを見出し、これらの問題点を解
決し得ることを見出した。すなわち、本発明は、高分子
材料から成る微粒子が、飛散閾値以上のパルスレーザー
光照射により、基板上から粒子形状を維持したまま飛散
するという、従来既知のレーザーアブレーションとは異
なる機構に基づく。更に、微粒子の形状を維持したまま
飛散する為、像の解像度は用いる微粒子径によって決定
でき、従来既知のレーザーアブレーション法によるごと
き、材料の溶融、分解に伴うレーザー光スポット周辺の
盛り上り、糸引き等に伴う像の乱れによる解像度の低下
は起こらない。従って、本発明の情報像形成方法は、ハ
ードコピーを含む印刷像の形成、平版やグラビア印刷等
の印刷原版の作製のみならず、カラーフィルターの作製
やCD−ROM等の光ディスクにおけるビット形成にも
有用である。更に、半導体加工等にフォトレジストが用
いられているが、これらの代替としてドライエッチング
用レジストとして用いることも可能となる等、情報像形
成法として幅広く利用できる。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、ソース基板上に有機高分子材料から成る微粒子を堆
積し、該高分子材料の飛散閾値以上の光強度のパルスレ
ーザー光を照射して、有機高分子材料から成る微粒子を
ソース基板上からその形状を維持したまま飛散させるこ
とに特徴がある。この時、ターゲット基板が無い場合、
基板上に凹版(凹像)が形成される。ターゲット基板が
あり、飛散粒子をターゲット基板に堆積させた場合は、
ソース基板上に凹版(凹像)が、ターゲット基板上に凸
版(凸像)が形成される。又、有機高分子材料から成る
微粒子を堆積したソース基板において、有機高分子材料
から成る微粒子の表面あるいは微粒子間に光吸収物質を
付着させる、または微粒子中に光吸収物質あるいは光吸
収部位を存在させると、凸版(凸像)または凹版(凹
像)形成が更に好適に進行する。光吸収物質を併用する
場合において、光吸収物質は、高分子微粒子に分散され
ていてもよく、更に、マイクロカプセルの形で光吸収物
質を微粒子内に存在させてもよい。又、微粒子を形成す
る有機高分子材料の主鎖あるいは側鎖に光吸収部位を結
合させたものでも良い。光吸収物質あるいは光吸収部位
を有した有機高分子材料を用いた場合、光吸収の効率が
向上し、より低いレーザー光強度で有機高分子材料から
成る微粒子を飛散させることができる。ソース基板上に
凹版(凹像)を形成する場合、図1、a)またはb)に
示す如く、パルスレーザー光は、a)有機高分子材料か
ら成る微粒子を堆積した側、あるいは、b)基板側の、
いずれから照射してもよいが、形成される像の解像度の
点から、a)有機高分子材料から成る微粒子を堆積した
側から照射することが推奨できる。また、ターゲット基
板を用い、ソース基板からの飛散粒子をターゲット基板
上に堆積し、ソース基板上に凹版(凹像)、ターゲット
基板上に凸版(凸像)を形成する場合にも、図2、a)
またはb)に示す如く、パルスレーザー光は、a)ター
ゲット基板側から、あるいは、b)有機高分子材料から
成る微粒子を堆積した基板側のいずれから照射してもよ
いが、図1と同様に像の解像度の観点から、図2、a)
ターゲット基板側から照射することが推奨できる。ま
た、ターゲット基板はソース基板の有機高分子材料から
成る微粒子を堆積した側と密着させても良いが、微粒子
がソース基板から飛散し、ターゲット基板に堆積するの
で間隔を開け、対置させた方がより好ましい。間隔は、
粒子堆積層の膜厚、粒子径、および、パルスレーザー光
強度によって異なるが、1μm〜1mmの範囲で選択で
きる。
【0009】有機高分子材料から成る微粒子をソース基
板に堆積するには、微粒子を構成する高分子材料が溶解
しない、または、ほとんど溶解しない溶媒に微粒子を分
散させ、基板に塗布し、乾燥すれば良い。塗布は、キャ
スティング、コーティング、スピンコーティングあるい
はディッピング等の手法を用いて行うことができる。光
吸収物質を併用する場合、該高分子微粒子の分散液に光
吸収物質を添加した後、基板に塗布、乾燥する、また
は、微粒子を基板に塗布した後、表面に光吸収物質の溶
液を塗布してもよい。また、高分子の溶液に光吸収物質
を溶解させた後、一般的手法で溶媒を飛ばし、微粒子化
する、あるいは高分子材料に光吸収物質を溶融混練りし
た後冷却し、微粉砕して用いることも推奨できる。更
に、高分子溶液に光吸収物質を添加し、定法により、マ
イクロカプセル化して用いても良い。光吸収部位を有し
た有機高分子材料を用いる場合は、その微粒子の懸濁液
を基板に塗布し、乾燥することでソース基板に堆積でき
る。塗布後、微粒子を構成する高分子材料のガラス転移
点以上に加熱することは、基板上の微粒子の充填がより
密となり、基板との接着が強固となるので、更に好まし
い。基板上の微粒子の堆積膜厚に特に制限はないが、通
例、0.1〜500μm範囲から、目的により適宜選択
できる。光吸収物質を併用する場合、その使用量に特に
制限はなく、通例、高分子微粒子の重量に対し、0.0
1〜50重量%の範囲から、目的により適宜選択でき
る。
【0010】本発明の新規な情報像形成方法において、
粒子が飛散する時、いわゆるレーザーアブレーションは
起こらず、粒子がその形状を維持したまま、飛散および
/または堆積するので、周辺部の盛り上り、糸引き等が
無く、解像度の良い像を形成することができる。従っ
て、形成される像(凸あるいは凹像)の解像度は粒子径
に支配される。本発明において、粒子径に特に制限はな
いが、目的により10nm〜100μmの範囲が好まし
い。特に精細な情報像を得たい場合には、細かい粒径が
好ましく、10nm〜1μmの範囲が推奨できる。
【0011】本発明の方法において、パルスレーザーは
必須である。波長として、一般に190〜1100nm
の範囲の発振波長を有するパルスレーザー光を使用でき
る。用いる有機高分子材料の種類によって最適の波長は
異なり、光吸収物質を併用する場合あるいは光吸収部位
を結合した高分子を用いる場合は、高分子材料のみを用
いる場合に比して、より長波長のレーザー光を用いるこ
とができる。パルスレーザー光の周波数は、0.5〜5
0Hzの範囲が推奨できる。パルス幅は、レーザー光の
波長、光吸収物質あるいは光吸収部位を有する高分子材
料を用いるか否か、また、用いる光吸収物質あるいは光
吸収部位を有する高分子材料の種類によって異なるが、
10ピコ秒〜10μ秒の範囲が好ましい。長波長のレー
ザー光を用いる場合は、パルス幅を短くした方が高分子
材料あるいは光吸収物質の分解を抑制するために有効で
ある。
【0012】これらパルスレーザー光源として、たとえ
ば「市販レーザー装置活用のためのレーザーの使い方と
留意点」、大竹 祐吉著、オプトロニクス社(198
9)、346〜351頁に記載されているレーザー等を
使用できる。これらを例示すると、ArFエキシマーレ
ーザー(193nm)、KrFエキシマーレーザー(2
48nm)、XeClエキシマーレーザー(308n
m)、XeFエキシマーレーザー(351nm)、窒素
レーザー(337nm)、色素レーザー(窒素レーザ
ー、エキシマーレーザーあるいはYAGレーザー励起、
300〜1000nm)、固体レーザー(Nd:YAG
励起、半導体レーザー励起等)、ルビーレーザー(69
4nm)、半導体レーザー(650〜980nm)、チ
ューナブルダイオードレーザー(630〜1550n
m)、チタンサファイアレーザー(Nd:YAG励起、
345〜500nm、690〜1000nm)あるいは
Nd:YAGレーザー(FHG;266nm、THG;
354nm、SHG;532nm、基本波;1064n
m)等が挙げられる。
【0013】用いるパルスレーザー光の強度は、用いる
材料の飛散閾値以上のエネルギーが必要である。ここ
で、飛散閾値とは、パルスレーザー光の照射により、有
機高分子材料から成る微粒子が基板上からその形状を維
持したまま飛散し始める時のパルスレーザー光の強度
(J/cm2 )を表わし、有機高分子材料の種類、微粒
子の粒径、用いるパルスレーザー光源の波長、光吸収物
質あるいは光吸収部位の有無およびその濃度によって異
なり、一概には言えないが、いわゆる同一系におけるフ
ィルム状態でのレーザーアブレーション閾値よりやや低
い値となる。ここで、用いる有機高分子材料からなる微
粒子と同一組成のフィルムに、所定のパルスレーザー光
を1パルス照射し、その照射面を接触型の表面形状測定
装置(たとえばSLOAN社製DEKTAK3030S
T)で観察した時、レーザー光照射表面に0.1μm以
上の形態変化が起こる最小のレーザー光強度をアブレー
ション閾値(J/cm2 )と定義する。一般に、レーザ
ーアブレーションにおいてはフィルム状の有機高分子材
料から、レーザーパルスの照射によって、その材料の化
学結合を切断しながら材料が飛散するので、比較的大き
なエネルギーを必要とする。これに対し、本発明の方法
では、有機高分子材料あるいは光吸収物質または光吸収
部位が、パルスレーザー光からのエネルギーを吸収し、
そのエネルギーを有機高分子材料から成る微粒子に運動
エネルギーとして与え、その結果として、有機高分子材
料から成る微粒子が飛散すると説明される。従って、飛
散はアブレーション閾値よりやや低い値から始り、ま
た、アブレーション閾値より高いエネルギーを与えて
も、有機高分子材料から成る微粒子の分解は起こらず、
運動エネルギーの形に変換され、粒子が飛散する。しか
しながら、照射するパルス回数が多くなると、そのエネ
ルギーの蓄積の為、材料の分解が起こり始めるので、1
パルスから10パルス程度の照射が好ましく、この範囲
では分解は起こらず、あるいは起こってもわずかであ
り、粒子形状を維持したまま飛散する。光吸収物質、光
吸収部位の併用が飛散閾値を低下せしめるのは、レーザ
ーアブレーションにおいて同様にその閾値が低下するこ
とと同様である。
【0014】この飛散閾値を例示するならば、波長35
1nmのXeFエキシマーレーザー(パルス半値幅、3
0ns)の1パルスを照射した場合において、溶媒に可
溶な銅フタロシアニンを表面に塗布した粒径20μmの
ポリメチルメタクリレートの微粒子では、ほぼ80mJ
/cm2 の強度でその粒子の飛散が始まり、1J/cm
2 の強度においてもその粒子形状を維持したまま、粒子
が飛散する。
【0015】微粒子を形成する高分子としては一般の汎
用高分子材料を使用することができる。例示するなら
ば、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ゴム変性ポリス
チレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、メ
チルメタクリレート−スチレン共重合体、ポリアクリロ
ニトリル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポ
リアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ニトロ
セルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等
のセルロース系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリウレタ
ン、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。高分子材料か
ら成る微粒子のソース基板への密着性および、ターゲッ
ト基板に転写された時の微粒子の密着性の観点からは、
熱可塑性高分子材料が推奨される。尚、これら有機高分
子化合物は、混合して用いることもできる。更に、目的
とする情報像の種類により、樹脂の選択が必要となる場
合がある。ハードコピーを含む印刷目的、カラーフィル
ター、レジストの代替あるいは光ディスク等の目的に
は、微粒子を形成する高分子材料に特に制限は無く、い
ずれの材料も用いることができる。ソース基板上に凹像
を作製し、平版あるいはグラビア印刷用原版を作製し、
水性インキを用いる場合は、親水性ソース基板上に疎水
性の高分子材料から成る微粒子を堆積することが適し、
油性インクを用いる疎水性基板上に親水性の高分子材料
を堆積することが適する。逆に、ターゲット基板上に凸
像を作製し、印刷原版とする場合、水性インキに対して
は、疎水性ターゲット基板上に親水性高分子材料から成
る微粒子を転写することが適し、油性インキの場合はそ
の逆が好ましい等である。
【0016】ソース基板あるいはターゲット基板とし
て、特に制限はなく、各種の有機高分子化合物、ガラ
ス、紙、金属等が使用できる。ただし、レーザーパルス
光を基板を通して照射する場合は、照射側の基板とし
て、レーザー光を透過する材料のものを用いる必要があ
る。高分子材料を例示するならば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アク
リロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、
ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−ス
チレン共重合体、ポリアクリロニトリル等のアクリル系
樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、6−ナイ
ロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル系樹脂、ニトロセルロース、エチルセル
ロース、アセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポ
リカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンスル
フィド、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリウレタン、
フェノール樹脂、ノボラック樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹
脂等が挙げられる。また、これらを混合して用いること
もできる。また、ガラス、金属、紙等の上に、上記高分
子材料の薄膜を形成して用いることもできる。高分子材
料から成る微粒子のソース基板への密着性および、ター
ゲット基板に転写された時の微粒子の密着性の観点から
は、熱可塑性高分子材料が推奨される。また、熱可塑性
高分子材料を塗布した熱硬化性樹脂、ガラス、金属、紙
等を用いることも好ましい方法である。
【0017】本発明で用いる光吸収物質としては、パル
スレーザー光を吸収する物質であれば特に限定されるも
のではなく、特に、200〜1100nmの範囲に吸収
極大を有する有機および無機化合物が推奨できる。これ
らの有機化合物として、縮合多環芳香族化合物、へテロ
環化合物、フォトポリマー用増感色素、顔料、染料、近
赤外吸収色素、レーザー発振用色素等が挙げられる。例
示すると、ビフェニル、トリフェニル、ナフタレン、フ
ェナントレン、アントラセン、ピレン等の縮合多環芳香
族化合物、カルバゾール等のへテロ環化合物、アゾレー
キ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、ベンゾイミダゾ
ロン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、アンス
ラピリミジン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリ
ノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジ
ン系、アントラキノン系等の有機の顔料や染料、アント
ラキノン系化合物、アミニウム系化合物、ポリメチン系
化合物、ジイモニウム系化合物、キノリニウム系、イン
ドリウム系、ベンゾピリリウム系やジチオニッケル錯体
等の近赤外吸収色素、ベンゾピラン系、キノリジン系、
ピリジウム系、キサンチリウム系、ベンゾチアゾリウム
系色素等のレーザー発振用色素等である。一方、カラー
フィルターやカラーコピー作成を目的とした場合は、透
明性に優れ、粒子径の小さい顔料や染料が好ましく、R
GBあるいはCMYを表現するために、赤はアゾ系、青
はトリフェニルメタン系、緑はトリフェニルメタン系ま
たはフタロシアニン系と黄色染料の配合系が推奨され、
RGBとして代表例を示すと、赤として、C.I. 23635、
パーマネント カーミン、パーマネント レッド FG
R、チオインデイゴ レッド、ペリレン スカーレット
等、青として、C.I. 42655、 C.I. 42600、C.I. 4407
5、フタロシアニン ブルー、インダンスレン ブルー
等、緑として、C.I. 44025等、黄色として、アンスラ
ポリミデイン イエロー、ハンサ イエロー 10G等
が挙げられる。また、CMYとして代表例を示すと、シ
アンとして、C.I.44045、C.I.74100、C.I.74160、C.I.4
4045など、マゼンタとして、C.I.12120、C.I.12315、C.
I.45170など、イエローとして、クロムイエロー、ナフ
トールイエロー、C.I.11660、C.I.12710などが挙げられ
る。しかし、これら例示の化合物に限定されるものでは
ない。また蛍光染顔料としては、フェニルメタン系、キ
サンテン系、チアゾール系、チアジン系等の蛍光染料、
ルモゲンカラー(BASF社)等の蛍光顔料等が例示で
きる。無機顔料としては、例えばカーボンブラック、チ
タン白、ミロリブルー、コバルト紫、マンガン紫、群
青、紺青、コバルトブルー、ビリジアン、エメラルドグ
リーン、コバルトグリーン等が挙げられる。
【0018】光吸収物質が微粒子を形成する有機高分子
材料中に光吸収部位を有する有機高分子材料である場
合、光吸収部位は高分子主鎖あるいは側鎖に結合する。
光吸収部位は、パルスレーザー光を吸収する発色団であ
れば特に限定されるものではなく、特に、200〜11
00nmの範囲に吸収極大を有する発色団が推奨でき
る。この場合の、光吸収部位しては、べンゼン、ビフェ
ニル、トリフェニル、ナフタレン、アントラセン、ピレ
ン、等の芳香族基、ピリジン、カルバゾール、ピロー
ル、チオフェン等の複素環基、ポルフィリン、フタロシ
アニン、アゾ等のクロモフォアが挙げられる。これらを
例示すると、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポ
リビニルベンゾフェノン、ポリビニルピリジン、ポリビ
ニルカルバゾール、ポルフィリンやフタロシアニンがペ
ンダントしたポリビニル化合物、ポリピロール、ポリチ
オフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、
フタロシアニンがそのまま重合したポリフタロシアニン
などである。
【0019】光吸収物質を含有するマイクロカプセル
は、界面重合法、不溶化反応法、相分離法、界面沈殿
法、等のマイクロカプセルの作製法(例えば、近藤 保
著、「マイクロカプセル」、共立出版、(1985)等
に記載の方法)により、重合成分と光吸収物質あるいは
有機高分子化合物と光吸収物質から作製でき、通例、
0.1〜数10μmの粒径のマイクロカプセルを作製す
ることができる。
【0020】以下、実施例を用いて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はそれらの具体例に限定されるも
のではないことは無論である。
【0021】(実施例1)平均粒子径が20μmのポリ
メチルメタクリレート(PMMA)微粒子1.0gをエ
タノール20mlに分散し、2cm角の石英基板にスピ
ンコーターを用いて塗布し、120℃の温度で、乾燥さ
せた。乾燥途中のPMMA微粒子上に、10-3M濃度の
テトラtーブチル銅フタロシアニンのエタノール溶液を
数滴滴下し、引き続き120℃で1時間乾燥して、微粒
子表面にフタロシアニンの薄膜を形成し、PMMAを平
均60μmの厚さに堆積したソース基板を作製した。P
MMAが堆積した薄膜表面を顕微鏡で観察したところ、
PMMAは六方最密状態に充填されていた。また、フタ
ロシアニンは微粒子内部に浸透せず、粒子表面に析出し
ていた。
【0022】そのソース基板のPMMA微粒子を堆積さ
せた側から(図1a)記載の方法)、レーザービーム径
1mm、強度200mJ/cm2 のXeFエキシマーレ
ーザー光(波長 351nm、半値幅 30ns)を1
パルス照射した。エキシマ−レーザー光照射により、衝
撃波の発生、光吸収分子であるフタロシアニンのPMM
A微粒子表面からの放出に続き、PMMA微粒子の飛散
が観測された。
【0023】エキシマ−レーザーと同期させたNd:Y
AGレーザーのSHG光(波長532nm、半値幅10
ns)により励起したローダミン色素の蛍光をプローブ
光として用い、CCDカメラにより時間分解写真の観察
を行った結果、エキシマーレーザー光照射後、3μ秒後
から微粒子の飛散が観測された。
【0024】飛散した微粒子の顕微鏡観察から、PMM
A微粒子の形状変化は見られなかった。また、PMMA
微粒子が飛散した後のソース基板上の凹像を表面形状測
定装置DEKTAK3030STを用いて測定した。図
3に示すごとく、基板上には径1mmの凹像が形成され
ており、像周辺の盛り上りや糸引きは全く観測されなか
った。なお、本系においてパルスレーザー光強度を変化
させた時、約80mJ/cm2 の照射光強度から微粒子
の飛散が観測されたことから、本実施例で用いた銅フタ
ロシアニン誘導体が表面に付着したPMMA微粒子の飛
散閾値は、80mJ/cm2 と言える。更に、照射パル
ス光強度を1J/cm2 とした時、同様に微粒子は飛散
し、ビーム周辺の盛り上がり、糸引きなどのない、解像
度の優れた1mm径の凹像が得られた。飛散微粒子の顕
微鏡観察から、微粒子はその形状を維持していた。
【0025】(比較例1)PMMA1.0g、および、
テトラtーブチル銅フタロシアニン30mgをジクロロ
メタン100mlに溶解し、2cm角の石英基板にスピ
ンコーターを用いて塗布し、120℃の温度で乾燥さ
せ、膜厚2.5μmのPMMA層を基板上に作製した。
【0026】そのソース基板のPMMA層側から、レー
ザービーム径1mm、強度200mJ/cm2 のXeF
エキシマーレーザー光(波長 351nm、半値幅 3
0ns)を1パルス照射した。エキシマ−レーザー光照
射により、衝撃波の発生に続き、PMMAのアブレーシ
ョンが観測された。生成したソース基板上の凹像を表面
形状測定装置DEKTAK3030STを用いて測定し
た。その結果、図4に示すごとく、基板上には径ほぼ1
mmの凹像が形成されていたが、レーザービーム周辺の
盛り上りおよび糸引きが観測され、像の解像度は劣るも
のであった。なお、ここで用いたPMMAフィルムに強
度を変えたパルスレーザー光を照射した時、100mJ
/cm2 の強度において形態変化が観測され始めたこと
から、アブレーション閾値はほぼ100mJ/cm2
ある。
【0027】(実施例2)平均粒子径が1μmのポリビ
ニルカルバゾール(PVCz)微粒子1.0gをエタノ
ール10mlに分散し、2cm角の石英基板にスピンコ
ーターを用いて塗布し、120℃で乾燥させた後、18
0℃で5分加熱し、PVCzの微粒子を平均10μmの
厚さに堆積したソース基板を作製した。PVCzが堆積
した薄膜表面を顕微鏡で観察したところ、均一に充填さ
れていた。そのソース基板のPVCz微粒子を堆積させ
た側から(図1a)の方法)、レーザービーム径1m
m、強度100mJ/cm2 のXeClエキシマーレー
ザー光(波長 308nm、半値幅 15ns)を1パ
ルス照射した。エキシマ−レーザー光照射により、衝撃
波が発生し、ついでPVCz微粒子が表面からの飛散し
た。
【0028】飛散した微粒子を走査型電子顕微鏡で観察
した結果、PVCz微粒子の形状変化は見られなかっ
た。また、PVCz微粒子が飛散した後のソース基板上
の凹像を表面形状測定装置DEKTAK3030STを
用いて測定した。基板上には径1mmの凹像が形成され
ており、像周辺の盛り上りや糸引きは全く観測されなか
った。
【0029】(実施例3)PMMA1.0g、および、
近赤外吸収色素、IRG−022(日本化薬株式会社
製)10mgを1,1,2−トリクロロエタン100m
lに溶解した後、強く攪拌しながらnーヘキサン500
ml中に滴下し、微粒子を析出させた。微粒子を、流動
床中で乾燥した後、分級し、平均直径0.5μmの微粒
子を得た。この色素を分散したPMMA微粒子0.5g
をエタノール10mlに分散させ、2cm角の石英基板
にスピンコーターを用いて塗布し、120℃の温度で乾
燥させ、平均膜厚10μmのPMMA層を基板上に作製
した。直径10μmのガラスファイバー製ロッド型スぺ
ーサーを介して、ソース基板上に1mm厚のポリエチレ
ンテレフタレート(PET)製ターゲット基板を対置さ
せた。これに、図2a)の様にターゲット基板側から、
ビーム径10μm、強度200mJ/cm2 のNd:Y
AGパルスレーザー光(波長、1064nm,パルス
幅、15nm)を1パルス照射した。パルスレーザー光
照射により、衝撃波の発生に続き、PMMA微粒子が飛
散し、ターゲット基板に転写された。表面形状測定装置
DEKTAK3030STを用いた測定から、ソース基
板上には、直径10μm、深さ10μmの凹像が、ター
ゲット基板上には直径10μm、高さ10μmの凸像が
形成されており、それらの像の周辺はシャープであり、
高解像度の凸あるいは凹像が作製された。また、対向基
板を用いずに同様の操作を行い、飛散したPMMA微粒
子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、粒
子形状を保持していた。
【0030】(比較例2)PMMA1.0gおよび近赤
外吸収色素IRG−022(日本化薬株式会社製)10
mgを1,1,2−トリクロロエタン100mlに溶解
した後、2cm角の石英基板にスピンコーターを用いて
塗布し、120℃の温度で乾燥させ、平均膜厚10μm
のPMMAフィルムを基板上に作製した。直径10μm
のガラスファイバー製ロッド型スぺーサーを介して、ソ
ース基板上に1mm厚のPET製ターゲット基板を対置
させた。これに、実施例3と同様に、ターゲット基板側
から、ビーム径10μm、強度200mJ/cm2 のN
d:YAGパルスレーザー光(波長、1064nm,パ
ルス幅、15nm)を1パルス照射した。パルスレーザ
ー光照射により、衝撃波の発生に続き、PMMA層がタ
ーゲット基板に転写された。ソース基板およびターゲッ
ト基板上を表面形状測定装置DEKTAK3030ST
を用いて測定した。ソース基板上には、直径約10μm
の範囲に、アブレーションにより形成された、深さ約6
〜8μmの凹像と、一部PMMA層が盛り上がったまま
残存したものと思われる高さ4〜6μmの凸像が形成さ
れた。ターゲット基板上には直径約10μm、高さ5〜
10μmの凹凸の激しい像が形成されていた。この1重
量%のIRG−022を含有するPMMAフィルムのN
d:YAGパルスレーザー光照射におけるアブレーショ
ン閾値は約180mJ/cm2 であった。パルスレーザ
ー光強度を640mJ/cm2 とした時、ソース基板上
のビ−ム径内のPMMAの残存はなくなり凹像が生成さ
れたが、ビーム径周辺は盛り上がり、糸引きが生じ、解
像度は劣るものであった。
【0031】(実施例4)酸価80のメチルメタクリレ
ートとメタクリル酸の共重合体(MMA/MAA−8
0)10gをシクロヘキサノン1000mlに溶解した
ものを、3種調整した。そのうち、1)には赤(R)と
してC.I.23635を、2)には緑(G)としてC.I.44025
を、3)には青(B)としてC.I.42655を加えた後、各
々、激しく攪拌した水中にゆっくりと滴下した。得られ
た色素のマイクロカプセルを流動床を用いて乾燥した
後、各々分級し、平均0.5μm径の、R、GまたはB
色素を内部に封入したMMA/MAA−80からなるマ
イクロカプセルを得た。マイクロカプセルをエタノール
に分散して製膜し、2.5μmの膜とした時、可視域の
各々R、G、Bの波長における透過率が80%となる様
に色素の添加量を調整した。R、GあるいはBのマイク
ロカプセルを各々エタノールに分散し、スピンコート法
で2cm角(厚さ1mm)のPET基板上にマイクロカ
プセルの厚さが2.5μmとなるよう塗布し、140℃
で1時間、乾燥し、R、GおよびBのソース基板を作製
した。直径5μmのガラスファイバー製ロッド型スぺー
サーを介して、Rのソース基板上に1mm厚のPET製
ターゲット基板を対置させた。これに、図2a)の様に
ターゲット基板側から、ビーム径10μm、強度200
mJ/cm2 のXeFエキシマーレーザー光(波長 3
51nm、半値幅 30ns、1Hz)を用い、ミラー
の駆動をコンピューターで制御しつつ30μmの間隔で
各1パルスごと照射し、10個の像を転写した。つい
で、ソース基板をGに変え、Rのポイントより10μm
横にずれるようにコンピュータでミラーの駆動を制御し
ながら同様に10個の像を作製した。引き続き、ソース
基板をBに変え、Gのポイントより10μm横にずれる
よう制御しながら30μm間隔で、10個の像を作製し
た。顕微鏡観察の結果、ターゲット基板上に、RGB各
々直径10μmの像が形成されており、3ポイントから
成るピクセルのくり返し10組みが連結して基板上に作
製されていた。本手法は、カラーフィルターの製造に応
用できる。
【0032】また、対向基板を用いずにR、Gあるいは
Bのソース基板を用い、同様の条件で1パルスの照射を
行い、飛散した微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により
観察したところ、粒子形状はレーザー照射前後で変化し
ていなかった。
【0033】(実施例5)平均粒径が0.1μmのカー
ボンブラックを5重量%含有する平均粒径1μmのポリ
塩化ビニル(PVC)微粒子をエタノールに分散し、A
4サイズのPETフィルム(厚さ0.5mm)上にバー
コーターを用いて塗布し、120℃で1時間乾燥した。
形成されたPVC微粒子の平均膜圧は10μmであっ
た。このPETフィルムの微粒子コート面にA4の紙を
密着させ、PETフィルムが上面となるようにドラムに
巻き付け固定した(図2b)の構成)。照射するパルス
レーザー光源として、10μmのビーム径に集光した波
長790nm、強度50mJ/cm2 の半導体レーザー
(パルス幅10ns)を用いた。コンピューターによっ
てドラムの回転をレーザーパルスに同期させるよう制御
しながら、各ドット当り2パルスを照射しつつドラムを
回転させた。走査終了後、ターゲット基板である紙を2
00℃の熱ローラーに通すことで像の定着を行った。紙
表面に形成された像を顕微鏡観察したところ、10μm
のドットによる線が形成されていた。本手法は、ハード
コピーを含む引刷に応用可能であり、精細なコピー像が
形成できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、有機高分子材料から成る微粒子を堆積したソース
基板にパルスレーザー光を照射して、微粒子をソース基
板から除去する、あるいは、対向基板上に転写、堆積さ
せるという簡単な手法により、凹または凸情報像を容易
に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機高分子からなる微粒子を堆積させたソース
基板上にパルスレーザー光を照射し、基板上に凹像を形
成する手法を示す図である。
【図2】有機高分子からなる微粒子を堆積させたソース
基板上ターゲット基板を対向させ、パルスレーザー光を
照射し、ソース基板上に凹像を、ターゲット基板上に凸
像を形成する手法を示す図である。
【図3】実施例1で得られた凹像の表面形状測定装置に
よる測定図である。
【図4】比較例1で得られた凹像の表面形状測定装置に
よる測定図である。
【符号の説明】
1および5はパルスレーザー光を示す。2および6はソ
ース基板上に堆積した有機高分子から成る微粒子を示
す。3および7はソース基板を示す。4および9はパル
スレーザー光照射後、ソース基板に形成された凹像を示
す。8はソース基板に対向したターゲット基板を示す。
10はパルスレーザー光照射後、ターゲット基板に転写
形成された凸像を示す。
フロントページの続き (72)発明者 本田 圭 埼玉県浦和市三室1467−9 (72)発明者 前田 龍吾 千葉県佐倉市大崎台4−18−13 (72)発明者 福村 裕史 大阪府枚方市禁野本町2−11−842 (72)発明者 増原 宏 大阪府南鴻池町2−4−16

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース基板上に有機高分子材料から成る
    微粒子を堆積し、該高分子材料の飛散閾値以上の光強度
    のパルスレーザー光を照射して、有機高分子材料から成
    る微粒子をソース基板上から除去し、ソース基板上に凹
    像を形成する事を特徴とする新規な情報像形成方法。
  2. 【請求項2】 ソース基板上に有機高分子材料から成る
    微粒子を堆積し、ソース基板にターゲット基板を対向さ
    せ、該高分子材料の飛散閾値以上の光強度のパルスレー
    ザー光を照射して、有機高分子材料から成る微粒子をタ
    ーゲット基板上に転写することでターゲット基板上に凸
    像を形成する事を特徴とする新規な情報像形成方法。
  3. 【請求項3】 有機高分子材料から成る微粒子が、表面
    および/または微粒子間に光吸収物質を付着させた微粒
    子である事を特徴とする請求項1〜2記載のいずれか1
    つに記載の新規な情報像形成方法。
  4. 【請求項4】 有機高分子材料から成る微粒子が、光吸
    収物質を粒子内に分散状態で含有する微粒子である事を
    特徴とする請求項1〜2記載のいずれか1つに記載の新
    規な情報像形成方法。
  5. 【請求項5】 有機高分子材料から成る微粒子が、光吸
    収物質を粒子内に含有するマイクロカプセルからなる微
    粒子である事を特徴とする請求項4記載の新規な情報像
    形成方法。
  6. 【請求項6】 有機高分子材料から成る微粒子が、光吸
    収物質を粒子内に分散状態で含有するマイクロカプセル
    からなる微粒子である事を特徴とする請求項4記載の新
    規な情報像形成方法。
  7. 【請求項7】 光吸収物質が、微粒子を形成する有機高
    分子材料中に光吸収部位を有する有機高分子材料である
    ことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに1つに記載
    の新規な情報像形成方法。
  8. 【請求項8】 光吸収部位を有する有機高分子材料が、
    光吸収部位を高分子主鎖に有する有機高分子材料である
    ことを特徴とする請求項7に記載の新規な情報像形成方
    法。
  9. 【請求項9】 光吸収部位を有する有機高分子材料が、
    光吸収部位を高分子側鎖に有する有機高分子材料である
    ことを特徴とする請求項7に記載の新規な情報像形成方
    法。
  10. 【請求項10】 有機高分子材料から成る微粒子を、該
    微粒子が溶解しない溶媒に分散させた後、ソース基板上
    に塗布、乾燥し、堆積させたソース基板であることを特
    徴とする請求項1〜9記載のいずれか1つに記載の新規
    な情報像形成方法。
  11. 【請求項11】 有機高分子材料から成る微粒子を、該
    微粒子が溶解しない溶媒に分散させ、次いで光吸収物質
    を溶解した後、ソース基板上に塗布、乾燥し、該微粒子
    および光吸収物質を堆積させたソース基板であることを
    特徴とする請求項3記載の新規な情報像形成方法。
  12. 【請求項12】 有機高分子材料から成る微粒子を、該
    微粒子が溶解しない溶媒に分散させた後、ソース基板上
    に塗布し、ついで光吸収物質溶液を塗布し、乾燥するこ
    とで、該微粒子および光吸収物質を堆積させたソース基
    板であることを特徴とする請求項3記載の新規な情報像
    形成方法。
  13. 【請求項13】 有機高分子材料から成る微粒子を、ソ
    ース基板上に塗布した後、加熱することを特徴とする請
    求項10〜12記載のいずれか1つに記載の新規な情報
    像形成方法。
  14. 【請求項14】 塗布後の加熱を該有機高分子材料のガ
    ラス転移点以上の温度で行うことを特徴とする請求項1
    3記載の新規な情報像形成方法。
  15. 【請求項15】 有機高分子材料から成る微粒子の粒径
    が、10nm〜100μmであることを特徴とする請求
    項1〜14のいずれかに1つに記載の新規な情報像形成
    方法。
  16. 【請求項16】 パルスレーザー光の波長が、190〜
    1100nmである請求項1〜15のいずれか1つに記
    載の新規な情報像形成方法。
  17. 【請求項17】 パルスレーザー光の周波数が、0.5
    〜50Hzである請求項16に記載の新規な情報像形成
    方法。
  18. 【請求項18】 パルスレーザー光のパルス幅が、10
    ピコ秒〜10マイクロ秒である請求項16に記載の新規
    な情報像形成方法。
  19. 【請求項19】 光吸収物質が、200〜1100nm
    に吸収極大を有する化合物であることを特徴とする請求
    項3〜6のいずれかに1つに記載の新規な情報像形成方
    法。
  20. 【請求項20】 微粒子を形成する有機高分子材料中の
    光吸収部位が、200〜1100nmに吸収極大を有す
    る発色団であることを特徴とする請求項7〜9のいずれ
    かに1つに記載の新規な情報像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001351932A (ja) * 2000-06-06 2001-12-21 Nec Corp レーザ加工用樹脂構造およびその加工方法
WO2006104048A1 (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Hamano Life Science Research Foundation 微小粒子の配置方法
JP2009238745A (ja) * 2008-03-06 2009-10-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置の作製方法

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