JP2002240445A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2002240445A
JP2002240445A JP2001046498A JP2001046498A JP2002240445A JP 2002240445 A JP2002240445 A JP 2002240445A JP 2001046498 A JP2001046498 A JP 2001046498A JP 2001046498 A JP2001046498 A JP 2001046498A JP 2002240445 A JP2002240445 A JP 2002240445A
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JP2001046498A
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Norimasa Fukazawa
憲正 深澤
Shiyoushin Boku
鐘震 朴
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Kawamura Institute of Chemical Research
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像汚れや色汚れの無い、高精細な画像を簡
便に得ることが出来る高密度エネルギー光を用いる画像
形成方法を提供する。 【解決手段】 金属支持体(A)、画像形成層(B)及
び剥離層(C)を、この順に重ねて形成した画像形成材
料に、剥離層側から高密度エネルギー光を画像様に照射
して画像形成層の露光部と非露光部の境界を割断し、剥
離層(C)を剥離することにより、画像形成層の露光部
を剥離層に転写して画像を形成する画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式処理で画像を
形成する画像形成方法、更に詳しくは、金属支持体、画
像形成層及び剥離層を重ねて形成した画像形成材料に、
高密度エネルギー光を画像様に照射し、次いで剥離層を
剥離することにより、画像形成層の露光部を剥離層に転
写して色汚れ、画像汚れの無い良好な画像を得る画像形
成方法である。
【0002】
【従来の技術】従来から、高品質な画像形成方法とし
て、銀塩記録材料や感光性記録材料を用いる方法が広く
知られている。これらの方法では、材料を露光した後
に、液体による現像処理が必要であるが、このような液
体現像を用いる方法は、廃液を生じることから、環境へ
の影響が懸念されている。そこで、液体現像を必要とし
ないドライプロセスが可能な画像形成方法が求められて
おり、熱転写画像形成法等が注目されている。
【0003】熱転写画像形成方法において、記録の解像
度はサーマルヘッドのサイズ及び集積度により決定され
る。そこで、解像度向上を目的として、サーマルヘッド
の代わりに、高密度エネルギー光を用いる方法が提案さ
れ、特開昭59−143657号公報や「半導体レーザ
を活用する有機系機能材料の新展開」(東レリサーチセ
ンター編、1995年)等に報告されている。
【0004】高密度エネルギー光照射により、転写シー
トから受像体へ物質を転写して画像を形成する方法は、
カラープルーフィング及び石版印刷の分野において既に
知られている。このような、高密度エネルギー光照射に
よる転写方法には、例えば、染料昇華拡散転写法(特開
平5−42764号公報、特開平6−48043号公報
及び特開平6−143842号公報等)、溶融転写法
(特開昭59−143657号公報)やレーザーアブレ
ーション転写法(特表平4−506709号公報、特表
平6−510490号公報、特開平6−239032号
公報、特開平7−1841号公報、特開平7−1790
74号公報、特開平7−195834号公報、特開平7
−290836号公報、特開平7−290837号公
報、特開平8−020166号公報及び特開平9−50
1361号公報等)等が提案されている。
【0005】染料昇華拡散転写法においては、画像形成
成分は、高密度エネルギー光照射による加熱で昇華して
ガス状となり、受像体表面で凝縮して像を形成、転写さ
れる。このため、この画像形成材料は、昇華性成分を含
むことが必要不可欠である。
【0006】溶融転写法では、高密度エネルギー光照射
による加熱により、画像形成成分が溶融して、受像体表
面へと転写が起こる。しかし、溶融転写法では、転写
像を得るために大きな照射エネルギーと比較的長い照射
時間を必要とすること、光照射部分の一部が支持体上
に残ること、溶融による画像形成層の変形によってベ
タ画像均一性が劣ること等の欠点がある。
【0007】転写に必要な照射エネルギーを減少させる
方策として、特開昭63−161445号公報には、転
写層が溶融すると同時に分解発泡を起こし転写を促進さ
せる技術が、また、特開昭48−43632号公報及び
特開昭50−102402号公報には、支持体上に自己
酸化性バインダー層を設け、比較的小さいエネルギーの
高密度エネルギー光照射により、照射部分を加熱噴出さ
せて受像体への画像転写を得る方法が開示されている。
【0008】しかし、これらの方法においては、自己酸
化性バインダーとして主にニトロセルロースが用いられ
ており、画像形成材料の保存安定性や安全性が劣るこ
と、転写記録時に生じる酸性物質が装置を劣化させるこ
と、また、光吸収色素としてカーボンブラックを用いる
ことから、転写画像は白黒の画像しか得られない等の種
々の問題点を有している。
【0009】更に、これらを解決する方法として、レー
ザーアブレーション転写法が提案されている(特表平4
−506709号公報)。レーザーアブレーションと
は、レーザー・アブレイティブ・フォト・デコンポジシ
ョン(Laser Ablative Photo−d
ecomposition)のことであり、高密度エネ
ルギー光照射によって、支持体上に形成された成分が高
速に光化学的、もしくは熱的に分解し、分解物の熱的膨
脹・飛散による爆発的な力により、成分が支持体から剥
脱的に除去されることと定義されている。(例えば、ア
ドバンスドマテリアルズ Advanced Mate
rials、1997年、9巻2号、105〜119
頁)。
【0010】レーザーアブレーション転写法では、主と
して近赤外レーザー光源を用い、可視光領域に強い吸収
を持たない近赤外光吸収色素と分解性バインダーからな
る転写記録媒体で構成される。レーザーアブレーション
転写法では、この転写記録媒体が、近赤外レーザー光照
射によって、高速に部分的に分解し、分解物の熱的膨脹
・飛散による爆発的な力により、画像形成層が支持体か
ら完全に(剥脱的)除去され、受像体に転写されるとさ
れている。
【0011】また、特表平6−510490号公報にお
いては、支持体と画像形成層との間に動的剥離層を別に
設けて、この層をレーザーアブレーションさせ、これを
推進力として転写画像を形成することにより、より低エ
ネルギーで、色汚れの少ない画像を形成する方法が記載
されている。
【0012】更に、レーザー照射による加熱で気体発生
が可能な高分子層を設けたり、これを黒色金属層ととも
に用いることによって転写エネルギーを下げる提案もな
されている(特開平6−239032号公報、特開平7
−1841号公報、特開平7−179074号公報及び
特開平7−195834号公報等)。
【0013】しかし、これらレーザーアブレーション
(レーザー光照射による分解反応)を利用する転写画像
形成法の場合、画像形成層中に含有させたレーザー光吸
収色素によって、画像の色汚れが生じるという問題があ
る。また、画像形成層、及び受像体上の画像周辺に画像
形成成分及び/又はその分解物からなる飛散物による汚
れが生じ、画像劣化及び解像度低下等の原因となる。
【0014】また、これらの分解飛散物は、レンズ等、
露光用の光学系を汚し、頻繁に装置のメンテナンスを行
う必要が生じる。更に、画像形成層を溶融・分解させる
ために画像形成層の厚みが変化してしまい、画像の均一
性に問題を生じる。
【0015】動的剥離層を用いるレーザーアブレーショ
ン転写画像形成法(例えば特表平6−510490号公
報)では、飛散物による汚れは抑制されるが、動的剥離
層として、薄膜で充分大きな吸収強度を有するアルミニ
ウム等の金属を支持体上に蒸着するなどの真空蒸着工程
が必要となり、工業的に煩雑な方法となる。また、動的
剥離層の分解物による色汚れも問題となる。
【0016】即ち、これら従来のレーザー光照射による
溶融・分解反応を利用する転写画像形成法は、未だに、
画像形成成分の分解等により画像形成層のエッチング
像及び/又は受像シート上の転写像が汚れ、画像の解像
度や色純度が低下する。溶融・分解反応により、画像
形成層の厚みが変化し、画像の均一性に問題を生ずる。
レーザー光により溶融・分解する成分を含むため画像
形成材料の安定性・保存性に問題がある。支持体上に
金属蒸着膜を形成する為の真空工程が必要である等の多
くの問題を有している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、画像汚れや色汚れの無い、高精細な画像を簡
便に得ることが出来る、高密度エネルギー光を用いる画
像形成方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決する為に鋭意研究した結果、金属支持体、画像形成
層及び剥離層を重ねて形成した画像形成材料に高密度エ
ネルギー光を照射し、次いで剥離層を剥離することによ
り、画像形成層の露光部を剥離層に転写して色汚れ、画
像汚れの無い良好な画像が得られることを見出し本発明
を完成させるに到った。
【0019】即ち、本発明は、金属支持体(A)、画像
形成層(B)及び剥離層(C)を、この順に重ねて形成
した画像形成材料に、剥離層側から高密度エネルギー光
を画像様に照射して画像形成層の露光部と非露光部の境
界を割断し、剥離層(C)を剥離することにより、画像
形成層の露光部を剥離層に転写して画像を形成する画像
形成方法である。
【0020】更に本発明は、金属支持体(A)と画像形
成層(B)からなる画像形成材料に高密度エネルギー光
を画像様に照射して露光部と非露光部の境界を割断した
後、画像形成材料上に剥離層(D)を貼り付け、これを
引き剥がすことにより、画像形成層の露光部を剥離層側
に転写して画像を形成する画像形成方法を含む。
【0021】更に詳しくは、本発明は照射する該高密度
エネルギー光が、照射強度100mJ/cm2〜2J/
cm2の光である画像形成方法であって、好ましくは金
属支持体がアルミニウム基板、特に好ましくは親水化も
しくは疎水化処理されたアルミニウム基板であり、画像
形成層が色素及び/又は顔料を包含している画像形成方
法である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明の画像形成法において使用する画像形成材料は、
金属支持体(A)と、その上に形成された画像形成層
(B)及び、予め画像形成層上に積層された剥離層(剥
離用シート)(C)、もしくは、露光後に画像形成層上
に貼り付けを行う剥離層(剥離用シート)(D)からな
る。
【0023】本発明の画像形成材料に用いる金属支持体
(A)としては、露光に使用する高密度エネルギー光を
吸収する材料であれば、特に制限は無く、使用目的に応
じて種々の材質、層構成及び厚さのものを適宜に選定し
て使用することができる。
【0024】例えば、アルミニウム、鉄、銅、タングス
テン等の単体金属もしくは合金のフォイル、フィルム、
シート及び板が挙げられるが、コストの観点からアルミ
ニウムのフィルムもしくは板が好ましい。支持体の厚み
は通常100μm〜5mmであり、このような範囲の中
から適宜選定される。
【0025】また、金属支持体は必要に応じて、その表
面を公知の物理的もしくは化学的処理によって、親水化
もしくは疎水化処理して用いることができる。これら公
知の技術によって表面親水化もしくは疎水化処理された
アルミニウム板を用いた場合には、本発明の画像形成法
によって、ダイレクトプレート、もしくは、いわゆるコ
ンピューター トウ プレート(CTP)印刷版として
も好適に用いることができる。
【0026】本発明における画像形成層(B)は、照射
高密度エネルギー光の波長に吸収を有する物質を一定量
以上含まない、即ち、照射する高密度エネルギー光の波
長における透過率が50〜100%、好ましくは、80
〜100%である物質であれば、特に制限はなく、ホモ
ポリマー、コポリマー、ポリマーブレンド等の有機高分
子、有機・無機ハイブリッド材料等のフィルム、また高
分子微粒子を単独で、もしくは有機高分子のバインダー
に分散させたフィルムを金属支持体上に形成して用いる
ことができる。
【0027】上記の有機高分子の具体例としては、ポリ
スチレン、ポリビニルトルエン、ポリビニルナフタレ
ン、ポリビニルビフェニル、ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
スルフォン、ポリエーテルスルフォン等、
【0028】一般的な高分子化合物を単独、もしくは混
合したもの、また、スチレン−マレイン酸共重合体、ス
チレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ビニルピロ
リドン共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ス
チレン−ブチレン−スチレン共重合体等のコポリマーを
好適に用いることができる。
【0029】上記の有機・無機ハイブリッド材料の具体
例としては、ポリオキサゾリン/シリカ、ポリスチレン
/シリカ、ポリアクリルアミド/シリカ等が挙げられ
る。画像形成層を構成するために用いられる高分子微粒
子としては、通常10nm〜20μm程度のものを用い
ることができるが、10nm〜5μmの範囲のものを用
いるのが望ましい。
【0030】これらの材料を用いて形成される画像形成
層の厚さとしては、通常50nm〜50μmのものが用
いられ、50nm〜5μmの範囲が更に好ましい。50
μmを超えて、あまり厚みが大きくなると、露光部と非
露光部の境界における割断面が垂直性を欠き、画像乱れ
の原因となる傾向がある。
【0031】また画像形成層には、必要に応じ着色の目
的で顔料もしくは色素等の着色用物質を含有させること
ができる。着色の目的で顔料、色素を添加する場合、特
に制限はないが、ナフトールイエローS(黄〜黄橙
色)、オイルイエローAB(黄色)、オーラミン(黄
色)、アンザリン(橙赤色)、コンゴーレッド(赤
色)、フクシン(赤色)、エオシン(赤色)、ローダミ
ンB(青赤色)、モーブ(紫色)、メチレンブルー(青
色)、インジゴ(藍色)、マラカイトグリーン(青緑
色)、インダスレスブルー(暗青色)、フタロシアニン
(青、緑色)、その他公知の色素を添加することができ
る。
【0032】更に、カラー転写画像、特にフルカラー画
像やカラーフィルターの形成を目的とした場合、RGB
に対し各々の画像形成材料(転写シート)を用いること
になり、これらに対応した顔料や色素を画像形成層に添
加することができる。これらの顔料や色素に特に制限は
なく、一般に用いられるRGB表示用に使用されるもの
を用いることができる。
【0033】例えば、市販の、三井東圧株式会社製のC
Fシリーズ(CF Yellow110, CF Re
d 226、 CF Green 303、CF Bl
ue 120、 CF Cyan 123)、日本化薬
株式会社製のPCシリーズ(PC Yellow 42
P、 PC Magenta 10P、PC Cyan
2P、PC Red 137、PC Green F
OP、PC Blue 43P)等の色素を用いてもよ
い。
【0034】画像形成層(B)を金属支持体(A)上に
形成する方法としては、キャスト法、スピンコート法、
ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ド
クターブレード法等の溶液を用いる方法や、(B)の材
料を基板上に溶融展開する等、種々公知の薄膜作製手段
を用いることができる。
【0035】上記、剥離層(剥離用シート)(C)とし
ては、剥離層と画像形成層との接着力が、金属支持体と
画像形成層の非露光部との接着力よりも小さいものであ
れば良い。剥離層(C)を予め画像形成層(B)上に積
層する場合には、照射高密度エネルギー光を充分透過す
る、即ち透過率が80〜100%である材料を用いるこ
とが望ましく、100μm〜1mm程度の厚さのものを
好適に用いることができる。
【0036】一方、露光後に貼り付けを行う剥離層(剥
離用シート)(D)の場合には、透明性、厚みについて
の制限は特になく、必要に応じて適宜選択を行えばよ
い。剥離用層(C)又は(D)の具体例としては、株式
会社住友スリーエムやコクヨ株式会社等の市販の透明又
は不透明の粘着テープを用いても良い。
【0037】またポリエチレン、ポリエチレンテレフタ
レート等のシート、またはガラス基板等の支持体上にポ
リビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブ
チラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニ
ル樹脂、セルロース系樹脂(メチルセルロース、エチル
セルロース等)、ポリエチレン−塩化ビニル樹脂等の粘
着性を有する高分子を積層した剥離層を適宜作成して用
いても良い。
【0038】以下に本発明の画像形成方法を図を用いて
説明する。 (1)発明の第1の態様 本発明の第1の態様では、図1のように、金属支持体1
上に画像形成層2と剥離層3が、この順番に積層された
画像形成材料を用いて画像形成がなされる。図2に示す
ように、図1の画像形成材料に、剥離層3側から、高密
度エネルギー光4が照射されると、金属支持体1の露光
部表面のみが急激に加熱される。
【0039】高密度エネルギー光4の照射が停止される
と、露光部の温度は直ちに下がり、金属支持体1の露光
部表面のみが瞬間的に加熱された状態となる。従って、
金属支持体1上に形成された画像形成層2に、局所的か
つ瞬間的に高温物質が接触された状態が生じ、画像形成
層2は、レーザー露光部5と非露光部の境界で割断され
る。この結果、露光部5(露光された画像形成層部分)
のみが、周辺の非露光部から分離され、剥離層3上に転
写されて金属支持体1上から除去される。
【0040】(2)本発明の第2の態様 本発明の第2の態様では、図3のように、金属支持体1
上に画像形成層2が積層された画像形成材料を用いて画
像形成がなされる。図4に示すように、図3の画像形成
材料に、画像形成層2の側から高密度エネルギー光4が
照射されると、金属支持体1の露光部表面が急激に加熱
される。高密度エネルギー光4の照射が停止されると、
露光部の温度は直ちに下がり、金属支持体の露光部表面
のみが瞬間的に加熱された状態となる。
【0041】従って、金属支持体1上に形成された画像
形成層2に、局所的かつ瞬間的に高温物質が接触された
状態が生じ、画像形成層2はレーザー露光部5と非露光
部の境界で割断される。本発明では、用いる高密度エネ
ルギー光照射のエネルギーが比較的低くてすむ為に、金
属支持体は分解を起こさず、この為、画像形成層の露光
部5(露光された画像形成層)は、周辺の非露光部か
ら、割断、分離されたまま、金属支持体上1にとどまっ
ている。
【0042】この画像形成層2に剥離層3を貼り付け、
引き剥がすことにより、割断、分離された露光部上部の
画像形成層部分のみが剥離層上に転写され、金属支持体
上から除去される。剥離層3の貼り付け、及び引き剥が
しは、無論、機械的装置を用いて行われて良い。
【0043】本発明の画像形成法では、高密度エネルギ
ー光の露光により、剥離層(剥離シート)上に転写され
た画像も、溶融・分解による汚れを有しない良好な画像
が得られる。従って、本発明は、ポジ・ネガ画像を同時
に形成する方法として利用することも可能である。
【0044】本発明における高密度エネルギー光照射の
方法は、マスクを用いたレーザー照射方法あるいは高密
度エネルギー光を走査する方法、いずれをも用いること
ができる。高密度エネルギー光走査法を用いた場合に
は、例えばコンピュータ上で作成した画像データを画像
形成材料上に直接描画することが可能であり、より望ま
しい。
【0045】本発明でいう高密度エネルギー光とは、光
強度が高いエネルギー光、即ちフォトン数が多いエネル
ギー光を意味し、照射によって金属支持体表面に急激な
加熱を行うことが可能な光源であれば特に制限無く用い
ることができるが、その照射強度は、通常、100mJ
/cm2〜2J/cm2であることが好ましい。
【0046】100mJ/cm2以下であると、画像形
成層の露光部と非露光部の境界を割断する際に効率が悪
く、また、照射強度が大きくなりすぎると、金属支持体
自身を溶融・分解させてしまうので、 2J/cm2を越
えないことが好ましい。高光強度で短時間照射になるほ
ど、瞬間的な温度上昇値が大きくなるので高感度化され
好ましい。
【0047】また高密度エネルギー光は、その中でも、
高解像度の画像を得るためには、200nm〜11μm
の波長の光を利用することが好ましく、特に200nm
〜2000nmの波長の光を利用することが更に好まし
いが、用いる波長は金属支持体や画像形成層の材料によ
り、適宜選択することが好ましい。
【0048】カラー画像形成を行う場合には、上記波長
域から、可視光の領域を除いた、800nm〜2000
nmの波長の近赤外レーザー光を用いることが望まし
く、アルミニウム基板を用いる場合には900〜200
0nmの波長の高密度エネルギー光を好適に用いること
ができる。
【0049】これらに対応する光源としては、半導体レ
ーザー、アルゴンイオン(Ar+)レーザー、ネオジウ
ム(3+)ヤグ(Nd3+:YAG)レーザー、イルフ
(YLF)レーザー、ケージーダブリュー(KGW)レ
ーザー、ワイエーピー(YAP)レーザー、チタンサフ
ァイヤレーザー及びこれらを用いたオプティカルパラメ
トリック発振器や種々のレーザー励起色素レーザー、炭
酸ガスレーザー、パルス化キセノンランプ、発光ダイオ
ード等を用いることができる。
【0050】各画素点における高密度エネルギー光の照
射時間は、画像形成速度向上の観点から、ミリ秒(10
-3s)以下であることが望ましく、特に100fs(1
-1 5s)〜300ns(10-9s)程度の照射時間が
好ましい。照射時間は、連続発振の上記各レーザーに、
機械的、電気的、光学的シャッターを個別に、又は組み
合わせて変化させても良いし、パルス発振型のレーザー
を用いても良い。照射強度の点からパルス発振型のレー
ザー光を用いるのが好ましい。
【0051】高密度エネルギー光の照射条件は、用いる
基板材料及び用いる光源種により適宜、選択されるべき
である。例えば、基板材料にアルミニウム基板を用い、
光源に20nsのパルス発振型のレーザー光を用いた場
合には、200mj/cm2〜500mj/cm2の照射
強度で照射を行うことが望ましい。
【0052】
【実施例】以下に、実施例により、この発明を更に具体
的に説明するが、もとより本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。以下の実施例に共通の事項とし
て、作成した画像形成材料に、ネオジウム・ヤグレーザ
ー(波長1064nm、パルス幅20ns)のパルス光
をマスクを通して照射し、金属支持体上及び剥離層上に
形成された画像を顕微鏡下で観察した。
【0053】(実施例1)厚さ500μmの市販アルミ
ニウムシートの上に、分子量の異なる3種のポリスチレ
ン(分子量25000,49000,240000)フ
ィルムを、厚さ1μmとなるように、3種類個別にそれ
ぞれスピンコート法により作成し、この上に剥離層とし
てスリーエム社のメンディングテープを貼り付けて画像
形成材料とした。
【0054】口径100μmの孔が並んだマスクを通し
てレーザー光を照射したところ、用いたポリスチレンの
分子量の違いに拘わらず、アルミニウムシート上には、
分解飛散物による汚れの無い、マスクパターンに対応し
た画像が形成され、メンディングテープ上には露光パタ
ーンに対応した平板が転写された画像が得られた。
【0055】(実施例2)厚さ1mmの市販アルミニウ
ム板の上に、分子量の異なる3種のポリスチレン(分子
量25000,49000,240000)フィルム
を、厚さ1μmとなるように、3種類個別にそれぞれス
ピンコート法により作成し、この上に剥離層としてスリ
ーエム社のメンディングテープを貼り付けて画像形成材
料とした。
【0056】一辺100μmの四角い孔が並んだマスク
を通してレーザー光を照射したところ、ポリスチレンの
分子量の違いに拘わらず、アルミニウム板上には、分解
飛散物による汚れの無い、マスクパターンに対応した画
像が各々形成され、メンディングテープ上には露光パタ
ーンに対応した平板が転写された画像が得られた。
【0057】(実施例3)厚さ1mmの市販アルミニウ
ム板上に、ローダミンBを0.1部含有する、分子量の
異なる3種のポリスチレン(分子量25000,490
00,240000)フィルムを、厚さ1μmとなるよ
うに、3種類個別にそれぞれスピンコート法により作成
し、この上に剥離層としてスリーエム社のメンディング
テープを貼り付けて画像形成材料とした。
【0058】口径100μmの孔が並んだマスクを通し
てレーザー光を照射したところ、ポリスチレンの分子量
の違いに拘わらず、アルミニウム板上には、分解飛散物
による汚れの無い、マスクパターンに対応した良好な赤
色の画像が各々形成され、メンディングテープには露光
パターンに対応した赤色の平板が転写された画像が得ら
れた。
【0059】(実施例4)厚さ1mmの市販アルミニウ
ム板上に、分子量の異なる3種のポリスチレン(分子量
25000,49000,240000)フィルムを、
厚さ1μmとなるように、3種類個別に各々スピンコー
ト法により作成し、画像形成材料とした。
【0060】口径100μmの孔が並んだマスクを通し
てレーザー光を照射したところ、ポリスチレンの分子量
の違いに拘わらず、アルミニウム板上の各々の画像形成
層がマスクパターンに対応した画像様に、露光部と非露
光部の境界において割断されているのが確認された。
【0061】この画像形成材料上に剥離層としてスリー
エム社のメンディングテープを貼り付けた後、引き剥が
すことにより、アルミニウム板上には、分解飛散物によ
る汚れの無い、マスクパターンに対応した画像が形成さ
れ、メンディングテープ上には露光パターンに対応した
平板が転写された画像が得られた。
【0062】(実施例5)厚さ1mmの市販アルミニウ
ム板の上に、分子量の異なる3種のポリスチレン(分子
量25000,49000,240000)フィルム
を、厚さ1μmとなるように、3種類個別にそれぞれス
ピンコート法により作成し、この上にポリ酢酸ビニルを
スピンコートしたガラス基板を剥離層として積層し、画
像形成材料とした。
【0063】口径100μmの孔が並んだマスクを通し
てレーザー光を照射したところ、ポリスチレンの分子量
の違いに拘わらず、アルミニウム板上には、分解飛散物
による汚れの無い、マスクパターンに対応した画像が形
成され、ガラス基板上には露光パターンに対応した平板
が転写された画像が得られた。
【0064】(比較例1)厚さ1mmの市販アルミニウ
ム板の上に、近赤外光吸収色素、IRG−022(日本
化薬製)を2.5部含有する、分子量の異なる3種のポ
リスチレン(分子量25000,49000,2400
00)フィルムを、厚さ1μmとなるように、3種類個
別にそれぞれスピンコート法により作成し、画像形成材
料とした。
【0065】口径50μmの孔が並んだマスクを通して
レーザー光を照射したところ、いずれもアブレーション
が起こり、アルミニウム板上に、露光部の画像形成層が
完全に除去されず、露光部周辺が大量の分解飛散物によ
り汚れた画像パターンが形成された。
【0066】(実施例6)厚さ1mmの市販アルミニウ
ム板の上に、ポリブチレンテレフタレート(東洋紡社
製、バイロン200)フィルムをスピンコート法によ
り、厚さ1μmとなるように作成し、この上に剥離層と
してスリーエム社のメンディングテープを貼り付けて画
像形成材料とした。
【0067】一辺100μmの四角い孔が並んだマスク
を通してレーザー光を照射したところ、アルミニウム板
上には、分解飛散物による汚れの無い、マスクパターン
に対応した画像が形成され、メンディングテープ上には
露光パターンに対応した平板が転写された画像が得られ
た。
【0068】(実施例7)厚さ1mmの市販アルミニウ
ム板の上に、ポリ(ビスフェノールA カーボネート)
(Aldrich社製、分子量45000)フィルムを
スピンコート法により、厚さ1μmとなるように作成
し、この上に剥離層としてスリーエム社のメンディング
テープを貼り付けて画像形成材料とした。
【0069】口径100μmの孔が並んだマスクを通し
てレーザー光を照射したところ、アルミニウム板上に
は、分解飛散物による汚れの無い、マスクパターンに対
応した画像が形成され、メンディングテープ上には露光
パターンに対応した平板が転写された画像が得られた。
【0070】(実施例8)厚さ1mmの市販アルミニウ
ム板の上に、ポリアミック酸の厚さ8μmのフィルムを
キャスト法によって作成し、この上に剥離層としてスリ
ーエム社のメンディングテープを貼り付けて画像形成層
とした。口径100μmの孔が並んだマスクを通してレ
ーザー光を照射したところ、アルミニウム板上には、分
解飛散物による汚れの無い、マスクパターンに対応した
画像が形成され、メンディングテープ上には露光パター
ンに対応した平板が転写された画像が得られた。
【0071】(実施例9)厚さ1mmの市販アルミニウ
ムシートの上に、無金属フタロシアニンを分散させたポ
リアミック酸のフィルムをキャスト法によって、厚さ8
μmで作成し、この上に剥離層としてスリーエム社のメ
ンディングテープを貼り付けて画像形成層とした。
【0072】口径100μmの孔が並んだマスクを通し
てレーザー光を照射したところ、アルミニウム板上に
は、分解飛散物による汚れの無い、マスクパターンに対
応した青色の画像が形成され、メンディングテープ上に
は露光パターンに対応した青色の平板が転写された画像
が得られた。
【0073】
【発明の効果】本発明の画像形成法は、画像形成層の露
光部のみを剥離層(剥離シート)を用いて除去する画像
形成法であり、特別な高密度エネルギー光吸収色素を用
いる必要がないので、色汚れが無く、また、溶融・分解
を伴わないため、「分解かす」による画像汚れも無い画
像を提供することができる。
【0074】更に、画像形成層を溶融・分解させないの
で、感熱分解層、熱溶融層を設ける必要が無く、安定な
画像形成材料を提供し、画像形成後も層の厚みが変化せ
ず、コントラストの高い画像形成が可能である。同時に
ポジ・ネガ画像を得るための技術としても利用可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成材料(第1の態様)の断面図
を示す模式図である。
【図2】本発明の画像形成法の工程(第1の態様)を示
す模式図である。
【図3】本発明の画像形成材料(第2の態様)の断面図
を示す模式図である。
【図4】本発明の画像形成法の工程(第2の態様)を示
す模式図である。
【符号の説明】
1:金属支持体 2:画像形成層 3:剥離層 4:高密度エネルギー光 5:露光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/26 S

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属支持体(A)、画像形成層(B)及
    び剥離層(C)を、この順に重ねて形成した画像形成材
    料に、剥離層側から高密度エネルギー光を画像様に照射
    して画像形成層の露光部と非露光部の境界を割断し、剥
    離層(C)を剥離することにより、画像形成層の露光部
    を剥離層に転写して画像を形成する画像形成方法。
  2. 【請求項2】 金属支持体(A)と画像形成層(B)か
    らなる画像形成材料に高密度エネルギー光を画像様に照
    射して露光部と非露光部の境界を割断した後、画像形成
    材料上に剥離層(D)を貼り付け、これを引き剥がすこ
    とにより、画像形成層の露光部を剥離層側に転写して画
    像を形成する画像形成方法。
  3. 【請求項3】 照射する高密度エネルギー光が、照射強
    度100mJ/cm2〜2J/cm2の光である請求項1
    又は2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 金属支持体がアルミニウム基板である、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 金属支持体が親水化もしくは疎水化処理
    されたアルミニウム基板である請求項4に記載の画像形
    成方法。
  6. 【請求項6】 画像形成層が色素及び/又は顔料を包含
    している、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形
    成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013202839A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Mimaki Engineering Co Ltd 転写方法及び転写装置

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