JPH08103990A - 和紙状の外観を呈する装飾積層シートの成形に用いる型板および和紙状の外観を呈する装飾積層シートの製造法 - Google Patents

和紙状の外観を呈する装飾積層シートの成形に用いる型板および和紙状の外観を呈する装飾積層シートの製造法

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JPH08103990A
JPH08103990A JP6239903A JP23990394A JPH08103990A JP H08103990 A JPH08103990 A JP H08103990A JP 6239903 A JP6239903 A JP 6239903A JP 23990394 A JP23990394 A JP 23990394A JP H08103990 A JPH08103990 A JP H08103990A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反復使用に耐える充分な強度と適度のクッシ
ョン性を保持できる和紙状の外観を呈する装飾積層シー
トの成形に用いる型板およびこの型板を用いた和紙状の
外観を呈する装飾積層シートの製造法を提供すること。 【構成】 ベース紙2aの片面のみを離型剤処理が施さ
れた型面とする片面離型紙2を板紙3の表裏両面にそれ
ぞれ熱圧により前記板紙3とベース紙2aのいずれにも
含浸されることなく接着能を発揮するアクリル樹脂系接
着用フィルム4を接着層として積層一体化した和紙状の
外観を呈する装飾積層シートの成形に用いる型板、およ
びホットプレス装置の上熱板と下熱板との間に前記型板
の複数枚を各型板間に和紙状シートが2枚の透明合成樹
脂薄板で挟まれた積層用シート材料を介在させた状態で
セットしホットプレスする装飾合成樹脂シートの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、照明器具材料として或
いは障子紙代わりに使用する和紙状の外観を呈する装飾
積層シートの成形に用いる型板およびこの型板を用いた
和紙状の外観を呈する装飾積層シートの製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】和紙状の外観を呈する装飾合成樹脂シー
トは、和紙状シートの片面または両面に透明合成樹脂薄
板を添わせてラミネート加工したものであるが、このよ
うな和紙状の外観を呈する装飾合成樹脂シートは、和紙
状シートに透明合成樹脂薄板を添わせて離型紙間に挟ん
でホットプレス装置の上熱板と下熱板間にセットしホッ
トプレス加工するのを普通とする。ところが、従来の離
型紙はクラフト紙に離型剤を含浸させたもので強度がな
いため数回の使用で使用に耐えないものとなる。このよ
うな問題を解決するため、本出願人は実公昭61ー36
48号公報に見られるように、紙を複数枚重ねたうえそ
の表裏に離型紙を添えてこれらを1〜2側縁で綴り合わ
せた型マットを開発したが、このような型マットは保形
性がないので取扱い上不便であり、しかも、このような
型マットでも数十回の反復使用で使用に耐えないものと
なるうえに相当な厚みとなるために1回のホットプレス
により同時加工できる枚数が少なく、これが製品コスト
を高める原因となっていた。
【0003】そこで、離型紙を補強シートに接着剤によ
り接着一体化することによって強度を増すことも試みた
が、クッション性、耐久性などの点から前記した型マッ
ト以上のものが得られず、クッション性があるうえに1
00回以上の反復使用に耐える耐久性を有し、しかも、
1回のホットプレスにより多数の製品を同時加工できる
和紙状の外観を呈する装飾合成樹脂シートの製造法の開
発が急務となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
するところは、上記した従来の問題点を解決して、10
0回以上の反復使用に耐える充分な強度と適度のクッシ
ョン性を保持できる強度を有しており、しかも、型板自
身が薄くて1回のホットプレスにより多数の製品を同時
加工できる和紙状の外観を呈する装飾積層シートの成形
に用いる型板およびこの型板を用いた和紙状の外観を呈
する装飾積層シートの製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、シート状型材を芯板の表裏両面
にそれぞれ接着層を介して積層一体化した和紙状の外観
を呈する装飾積層シートの成形に用いる型板であって、
前記シート状型材が微細な凹凸を有するベース紙の片面
のみを離型剤処理の施された型面に形成した片面離型紙
であり、前記芯板は板紙であり、前記接着層は、熱圧に
より前記板紙とベース紙のいずれにも含浸されることな
く接着能を発揮するアクリル樹脂系接着用フィルムであ
ることを特徴とする和紙状の外観を呈する装飾積層シー
トの成形に用いる型板を第1の発明とし、ホットプレス
装置の上熱板と下熱板との間に第1の発明である型板の
複数枚を各型板間に和紙状シートを2枚の透明合成樹脂
薄板で挟んだ積層用シート材料を介在させた状態として
セットしてホットプレスし、各型板間の積層用シート材
料をその表裏の透明合成樹脂薄板の表面が型板の微細な
凹凸型面により艶消し加工された和紙状の外観を呈する
装飾積層シートに成形一体化することを特徴とする和紙
状の外観を呈する装飾合成樹脂シートの製造法を第2の
発明とするものである。
【0006】
【作用】前記したような型板は、その複数枚をホットプ
レス装置の上熱板と下熱板との間に介在させて各型板間
には和紙状シートを2枚の透明合成樹脂薄板で挟んだ積
層用シート材料をセットする。そして、ホットプレス装
置の上熱板を下降させてこの上熱板と下熱板間でホット
プレスすれば、前記積層用シート材料を和紙状の外観を
呈する装飾積層シートに成形一体化できることは従来方
法と変わることがないが、型板として微細な凹凸を有す
るベース紙の片面のみを離型剤処理の施された型面とし
た片面離型紙と板紙とを相互間に介在させたアクリル樹
脂系接着用フィルムを接着材として熱圧により積層一体
化したものを用いたので、積層用シート材料は板紙の発
揮する適度なクッション性と表裏両面に離型剤処理の施
された型板自身の離型性のもとに各型板間において積層
用シート材料は離型紙を使用することなく的確容易に和
紙状の外観を呈する装飾積層シートに積層一体化でき
る。しかも、板紙と片面離型紙との積層一体化は接着剤
を使用せずに板紙と片面離型紙との間に介在されて熱圧
により前記板紙とベース紙のいずれにも含浸されること
なく相互間において接着能を発揮するアクリル樹脂系接
着用フィルムを接着層としているので、板紙が樹脂含浸
により硬化されて脆弱化することがないうえに離型性に
優れた微細な凹凸型面に形成された片面離型紙は皺寄る
こともなく、100回以上の反復使用に充分耐え耐久性
のあるものとなる。さらに、型板の厚みは適度のクッシ
ョン性を有する板紙と2枚の片面離型紙と2枚のアクリ
ル樹脂系接着用フィルムの厚さだけで全体として肉薄で
あるので、1回のホットプレスにより多数の製品を同時
加工できることとなる。
【0007】
【実施例】次に、本発明を実施例について詳細に説明す
る。1は第1の発明である和紙状の外観を呈する装飾積
層シートの成形に用いる型板である。この型板1は、両
面に微細な凹凸を有するグラシン紙や模造紙などをベー
ス紙としてその表側片面のみにシリコーン樹脂系或いは
弗素樹脂系の離型剤2aによる離型剤処理を施した片面
離型紙2、2を未加工の裏面をもって板紙3の両面に該
片面離型紙2、2と板紙3との間にアクリル樹脂系接着
用フィルム4、4を介在させて熱圧し、前記アクリル樹
脂系接着用フィルム4、4を軟化させて接着能を付与
し、この接着能が付与されたアクリル樹脂系接着用フィ
ルム4、4を板紙3に含浸されることなく界面において
接着させる接着層としてこの板紙3に片面離型紙2を積
層一体化したもので、この型板1は適度の弾性と可撓性
のある厚みが1mm程度のものである。
【0008】一方、この型板1を用いて和紙状の外観を
呈する装飾積層シートに成形される積層用シート材料
は、和紙や和紙状のレーヨン紙などの和紙状シートと、
その両面に添わせたアクリル樹脂薄板や塩化ビニル樹脂
薄板などの透明合成樹脂薄板とよりなるものである。な
お、この積層用シート材料の透明合成樹脂薄板としてア
クリル樹脂薄板などの比較的融点が低くホットプレスに
よる加熱で自身が接着能を発揮するものを用いるときは
接着剤を使用する必要はないが、透明合成樹脂薄板とし
て塩化ビニル樹脂薄板などのホットプレスによる加熱で
自身が接着能を発揮しないものを使用するときは和紙状
シートと透明合成樹脂薄板との間に酢酸ビニル樹脂系接
着剤などのホットプレスによる加熱により接着能を発揮
する接着剤を介在させる必要があり、また、必要に応じ
和紙状シートと透明合成樹脂薄板との間に箔片や木の葉
などの装飾片を介在させたものとしてもよい。
【0009】そして、前記した型板1と積層用シート材
料とを用いて和紙状の外観を呈する装飾合成樹脂シート
を製造するときは、先ず、加熱源を内蔵させた上熱板と
下熱板とを対向させたホットプレス装置の前記下熱板の
上に1枚の型板1を載せ、その上に積層用シート材料と
して、透明合成樹脂薄板、和紙状シート、透明合成樹脂
薄板を順に載せたうえ、型板1を載せ、さらにその上に
前記同様に積層用シート材料として、透明合成樹脂薄
板、和紙状シート、透明合成樹脂薄板を順に載せたう
え、型板1を載せ、以下、このようなことを繰り返すこ
とにより、型板1の複数枚と、和紙状シートが2枚の透
明合成樹脂薄板間に挟まれた積層用シート材料とを、各
型板1間に積層用シート材料を挟んだ状態としてホット
プレス装置の上熱板と下熱板との間にセットし、上熱板
を下降させて下熱板との間で常法によりホットプレスす
れば、積層用シート材料は中間の和紙状シートが型板1
の片面離型紙2のベース紙の表面に抄造時に形成されて
いる微細な凹凸により艶消し加工された透明合成樹脂薄
板を通じ透視されて和紙状の外観を呈する装飾積層シー
トに成形一体化された製品が各型板1間に成形されるか
ら、成形後は上熱板を上昇させて型開きし、両面を形成
している片面離型紙2により離型容易な型板1と製品を
左右に振り分けて離型すればよい。
【0010】このように本発明では、ベース紙の片面の
みを離型剤処理の施された型面とする片面離型紙2をシ
ート状型材とし、この片面離型紙2を芯板である板紙3
の表裏両面に対して熱圧により前記板紙3とベース紙の
いずれにも含浸されることなく相互間において接着能を
発揮するアクリル樹脂系接着用フィルム4を接着層とし
て積層一体化した積層タイプの型板1を用い、この型板
1の2枚の間に和紙状シートを2枚の透明合成樹脂薄板
で挟んだ積層用シート材料を介在させてホットプレス装
置で熱圧することにより和紙状の外観を呈する装飾積層
シートを成形したので、板紙3のクッション下に積層用
シート材料が的確容易に積層一体化されると同時に透明
合成樹脂薄板の表面には艶消し加工が施され、和紙状の
外観を呈する装飾積層シートを従来より用いられている
ホットプレス法で安価に成形できるうえに離型紙を使用
しなくても型開時における離型が的確に行われることと
なるが、特に、本発明ではこの型板1として板紙3の両
面に片面離型紙2、2を接着剤を使用せずに相互間に介
在させたアクリル樹脂系接着用フィルム4、4を接着層
として積層一体化したものを用いたことが重要で、この
ような型板1を用いたので、板紙3に樹脂分が含浸され
ることなくて板紙3の樹脂含浸による硬化や脆弱化がな
く、反復使用してもアクリル樹脂系接着用フィルム4、
4の保護下に充分な強度とクッション性を保持したもの
となる。しかも、離型性に優れた微細な凹凸型面に形成
された片面離型紙2は板紙3で補強されるため皺寄るこ
とがないうえに取扱いが容易となり、100回以上の反
復使用に充分耐えることができ、また、成形用型板1は
肉薄であるので1回のホットプレスにより多数の製品を
同時加工できることとなる。
【0011】実験例 微細な凹凸を有する0.15mm厚のグラシン紙をベース
紙2aとしてその片面のみに離型剤のスプレー処理を施
した微細な凹凸型面を有する片面離型紙2を0.8mm厚
の板紙3の表裏両面にそれぞれ0.04mm厚のアクリル
樹脂系接着用フィルム4を介して重ね熱圧により一体化
した縦185cm、横95cmの型板1を6枚と、縦185
cm、横95cmで0.07mm厚の和紙状レーヨン紙をこれ
と同大で0.1mm厚の2枚の透明合成樹脂薄板で挟んだ
積層用シート材料の5組とを用意し、これをホットプレ
ス装置の下熱板の上に前記型板1と積層用シート材料と
が交互に重ね合わされるようにセットし、上熱板を下降
させて上熱板および下熱板の表面温度140℃、20kg
/cm2 の条件で50分間の加熱とこれに続く50分間の
冷却とよりなるホットプレスを行ったところ、各型板
1、1間の積層用シート材料はその表裏の透明合成樹脂
薄板の表面が型板1の微細な凹凸型面により艶消し加工
された和紙状の外観を呈する装飾積層シートに成形一体
化された。このような作業を100回繰り返して得られ
た500枚の製品は、そのうちの不良品が3枚のみで、
本発明の型板は100回以上の反復使用に耐えることが
確認できた。これに対し比較例として、アクリル樹脂系
接着用フィルム4を使用せず、その代わりにアクリル樹
脂系接着剤を使用したもの、塩化ビニル樹脂系接着剤を
使用したもの、ポリエチレン樹脂系接着用フィルムを使
用したもの、EVA樹脂系接着用フィルムを使用したも
の、塩化ビニル系熱接着性繊維を使用したものについて
も同様の条件で試験した結果は下表のとおりで、いずれ
も接着用の樹脂分の板紙への含浸による板紙の硬化や脆
弱化が見られ、50回以上の反復使用に耐えるものは見
当たらなかった。なお、本発明のようにアクリル樹脂系
接着用フィルムを使用すると、片面離型紙と板紙との接
着強度は樹脂系接着剤や他の樹脂系接着用フィルムを使
用した場合に比べ劣ることは否定できないが、ホットプ
レスで加圧しながら使用するため接着力はあまり重要な
要件ではなく、アクリル樹脂系接着用フィルムによる接
着で充分所期の目的を達成できることも判った。
【0012】
【発明の効果】本発明は前記説明から明らかなように、
芯板である板紙に対する片面離型紙の接着をアクリル樹
脂系接着用フィルムにより行ったので、100回以上の
反復使用によってもこれに耐える充分な強度と適度のク
ッション性を保持でき、しかも、型板自身の厚みを極め
て薄くできるので、1回のホットプレスにより多数の製
品を同時加工でき、さらに、型板自身の厚みは極めて薄
いにもかかわらず芯板である板紙の保形効果で取扱が便
利であるなどの利点がある。従って、本発明は従来の型
板や製造法の問題点を解決した和紙状の外観を呈する装
飾積層シートの成形に用いる型板およびこの型板を用い
た和紙状の外観を呈する装飾積層シートの製造法として
業界に寄与するところ極めて大きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型板の実施例を示す一部切欠斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 型板 2 片面離型紙 2a ベース紙 3 板紙 4 アクリル樹脂系接着用フィルム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状型材を芯板の表裏両面にそれぞ
    れ接着層を介して積層一体化した和紙状の外観を呈する
    装飾積層シートの成形に用いる型板であって、前記シー
    ト状型材がベース紙の片面のみを離型剤処理の施された
    型面に形成した片面離型紙(2) であり、前記芯板は板紙
    (3) であり、前記接着層は、熱圧により前記板紙(3) と
    ベース紙のいずれにも含浸されることなく接着能を発揮
    するアクリル樹脂系接着用フィルム(4) であることを特
    徴とする和紙状の外観を呈する装飾積層シートの成形に
    用いる型板。
  2. 【請求項2】 ホットプレス装置の上熱板と下熱板との
    間に第1項記載の型板の複数枚を各型板間に和紙状シー
    トを2枚の透明合成樹脂薄板で挟んだ積層用シート材料
    を介在させた状態としてセットしてホットプレスし、各
    型板間の積層用シート材料をその表裏の透明合成樹脂薄
    板の表面が型板の微細な凹凸型面により艶消し加工され
    た和紙状の外観を呈する装飾積層シートに成形一体化す
    ることを特徴とする和紙状の外観を呈する装飾合成樹脂
    シートの製造法。
  3. 【請求項3】 積層用シート材料の和紙状シートと透明
    合成樹脂薄板との間に加熱により接着能を発揮する接着
    剤を介在させてホットプレスする請求項2に記載の和紙
    状の外観を呈する装飾合成樹脂シートの製造法。
JP6239903A 1994-10-04 1994-10-04 和紙状の外観を呈する装飾積層シートの成形に用いる型板および和紙状の外観を呈する装飾積層シートの製造法 Expired - Fee Related JP2558078B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104708681A (zh) * 2015-02-06 2015-06-17 林勇 一种竹墙纸的生产工艺
JP2017013256A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 株式会社ワーロン 透光性化粧ラミネートシート及びその製造方法

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CN104708681A (zh) * 2015-02-06 2015-06-17 林勇 一种竹墙纸的生产工艺
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