JPH08103670A - イオン交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン交換樹脂の交換が容易に行えるイオン
交換装置を提供する。 【構成】 容器１の内部に、上部に配設した第１スクリ
ーン２と下部に配設した第２スクリーン３とで区画され
た樹脂充填部４を形成し、この容器１の上部に、原水供
給口５及び処理水排出口７の他に、樹脂供給口６を第１
スクリーン２を貫通して設け、容器の下部には樹脂取出
口９を第２スクリーン３を貫通して設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、純水や超純水製造装
置、或は食品分野などで広く用いられているイオン交換
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のイオン交換装置、特に小型のイオ
ン交換装置は、容器の頭部に原水の入口と処理水の出口
を設け、この原水入口と処理水出口を配管に着脱可能に
接続し、処理能力が低下すると新規なイオン交換装置と
交換していた。そして、使用済みのイオン交換装置は再
生工場で再生する。この再生作業の際、容器内に充填さ
れたイオン交換樹脂を外部に取り出すが、従来のイオン
交換装置は、原水の入口がイオン交換樹脂の出入口を兼
ねている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように原水の入口をイオン交換樹脂の出入口としても
利用する従来のイオン交換装置は、イオン交換樹脂の充
填と取り出しとを同一の開口部から行なうため、取り出
し作業が煩雑であった。また、容器内部に設けるストレ
ーナとの兼ね合いから、小型のものの場合、イオン交換
樹脂の取出口に制約を受ける。

【０００４】そこで、本発明は、イオン交換樹脂の交換
が容易に行なえるイオン交換装置を提供することを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたもので、請求項１に記載のイオン
交換装置は、内部の一側に配設した第１スクリーンと他
側に配設した第２スクリーンで区画して内部に樹脂充填
部を形成した容器と、容器の一側に設けた原水供給口及
び処理水排出口と、容器一側の処理水排出口から他側に
亙って上記第１，第２スクリーンを貫通して設けた集水
管と、容器一側に、第１スクリーンを貫通して設けた樹
脂供給口と、容器他側に、第２スクリーンを貫通して設
けた樹脂取出口と、を備えたことを特徴とするものであ
る。

【０００６】また、請求項２に記載のイオン交換装置
は、内部に樹脂充填部を形成した容器と、容器の一側に
設けた原水供給口及び処理水排出口と、原水供給口の出
口に接続されて上記樹脂充填部内に配設された第１スク
リーンと、容器一側の処理水排出口から他側に向けて延
在する集水管と、集水管の先端入口部分に設けた第２ス
クリーンと、容器の一側に設けた樹脂供給口と、容器の
他側に設けた樹脂取出口と、を備えたことを特徴とする
ものである。

【０００７】

【作用】請求項１に記載のイオン交換装置においては、
イオン交換樹脂を樹脂供給口から容器の樹脂充填部内に
充填し、原水供給口から原水を供給すると、原水は、第
１スクリーンを透過して樹脂充填部内を通過する途中で
イオン交換樹脂によってイオン交換され、この処理水は
第２スクリーンを透過して集水管に流れ込む。そして、
この処理水は、集水管内を通って処理水排出口から容器
の外部に排出される。そして、イオン交換樹脂を交換す
る場合には、容器の樹脂取出口を開放すると、樹脂充填
部内のイオン交換樹脂が流出する。したがって、容器内
部のイオン交換樹脂を簡単に交換することができる。

【０００８】請求項２のイオン交換装置においては、イ
オン交換樹脂を樹脂供給口から容器の樹脂充填部内に充
填し、原水供給口から原水を供給すると、原水は、第１
スクリーンを透過して樹脂充填部内を通過する途中でイ
オン交換樹脂によってイオン交換され、この処理水は集
水管の先端入口部分の第２スクリーンを透過してから集
水管に流れ込む。そして、この処理水は、集水管内を通
って処理水排出口から容器の外部に排出される。そし
て、イオン交換樹脂を交換する場合、容器の樹脂取出口
を開放すると、樹脂充填部内のイオン交換樹脂が流出す
る。したがって、容器内部のイオン交換樹脂を簡単に交
換することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。図１に示すイオン交換装置は、容器１の内部
に、ストレーナとしての円盤状第１スクリーン２を容器
１の一側（本実施例では上部）に内径の全幅にわたって
設けるとともに、容器１の他側（本実施例では下部）に
円盤状第２スクリーン３を内径の全幅にわたって設ける
ことにより、両スクリーン２，３によって区画された樹
脂充填部４を形成し、容器１の一側（上部）には原水供
給口５、樹脂供給口６、処理水排出口７をそれぞれ設
け、処理水排出口７には容器１の一側（上部）から他側
（下部）にかけて両スクリーン２，３を貫通して集水管
８を設け、容器１の他側（下部）には第２スクリーン３
を貫通させて樹脂取出口９を設けてある。

【００１０】容器１は、有底筒状の容器本体１ａとその
上開口部を覆うキャップ１ｂとに分離可能である。そし
て、キャップ１ｂには、その中央に上記集水管８がキャ
ップ１ｂを貫通する状態で延在しており、該集水管８の
両側に原水供給口５と樹脂供給口６とが形成されてい
る。このうち、原水供給口５はキャップ１ｂ表面に突出
しているだけであるが、樹脂供給口６についてはキャッ
プ１ｂの内側と外側に突出しており、内側に突出した部
分が第１スクリーン２を貫通する。

【００１１】第１スクリーン２は、図２，図３に示すよ
うに、樹脂供給口６および集水管８に対応する位置に開
口部１０，１１を有する。そして、第１スクリーン２
は、その中央開口部１０を集水管８に、またその横の開
口部１１を樹脂供給口６の下端に通し、更に、図１に示
すように、板状のサポート部材１２を通して下から押
え、ナット１３で止めることにより、集水管８の上部に
取り付けられている。なお、液密性を維持するために、
第１スクリーン２の周面と容器１との間にはＯリング１
４を装着し、第１スクリーン２を貫通する樹脂供給口６
の下端周囲との間にもＯリング１５を装着する。

【００１２】一方、容器１の他側を構成する部分（本実
施例では底壁１６）には、その中央に集水管８の先端
（下端）を嵌合して固定保持する集水管固定部材１７を
設ける。

【００１３】この集水管固定部材１７は、図４及び図５
に示すように、集水管８を嵌入する開口部として上端が
開放されたほぼ円筒状の中空部材（トーチ状部材）から
なり、底部から突出した軸部１８を容器１の底壁１６に
液密に貫通させてナット１９で止めることにより、容器
１に固定させている。集水管固定部材１７の中空部分に
は、その周面から複数箇所（本実施例では３箇所）に通
水用の切欠２０が形成され、この切欠２０が中空部分内
へ液が流通する連通口として機能する。

【００１４】樹脂取出口９は、樹脂供給口６と同様に、
底壁１６の内側と外側に突出しており、その上端が液密
に第２スクリーン３を貫通している。なお、液密性を維
持するため、第２スクリーン３の外周面と容器本体１ａ
との間にはＯリング２１が嵌装され、第２スクリーン３
を貫通する樹脂取出口９の上端周囲との間にもＯリング
２２が嵌装されている。

【００１５】上記した構成からなるイオン交換装置にお
いては、樹脂供給口６及び樹脂取出口９を備えているの
で、樹脂充填部４へのイオン交換樹脂の充填は、樹脂供
給口６の蓋を外して樹脂供給口６から行う。この樹脂充
填部４への樹脂の充填は、樹脂供給口６が原水供給口５
とは別個に上部に設けてあるため、原水供給口５を利用
して行う場合に比べて非常に簡単である。

【００１６】ここで使用されるイオン交換樹脂の材質
は、装置からの不純物の溶出を抑えるため、また熱殺菌
を行うため、ＰＶＤＦ、ＰＦＡ、ＰＰＳ，ＰＥＥＫ，Ｅ
ＴＦＥ，ＦＥＰ，ＰＴＦＥなどのエンジニアリングプラ
スチックを適宜に選択して使用する。また、これらのエ
ンジニアリングプラスチックは、ＳＵＳあるいはその他
の耐食性のある金属にライニングしても良いし、射出成
型しても良い。

【００１７】イオン交換装置の稼働時には、原水供給口
５から供給された原水は、第１スクリーン２を通って樹
脂充填部４に入り、ここでイオン交換樹脂に接触した
後、第２スクリーン３を抜け、容器１の底壁１６と第２
スクリーン３との間に形成された貯留室２３より集水管
固定部材１７の通水口である切欠２０を通って集水管８
内に入り、該集水管８を上方に抜けて処理水として次の
工程へ移送される。

【００１８】そして、イオン交換樹脂を交換するために
樹脂充填部４内からイオン交換樹脂を取り出す場合に
は、樹脂取出口９を開放し、ここから樹脂を下方に抜き
出す。樹脂取出口９は、本実施例では底壁１６に原水供
給口５とは別個に設けてあるので、樹脂充填部４からの
樹脂の取り出しは、原水供給口５より出す場合に比べ非
常に簡単である。

【００１９】図６は、他の構成からなるイオン交換装置
を示したものである。このイオン交換装置は、内部に樹
脂充填部４を形成した容器１と、容器１の一側（上部）
に設けられた原水供給口５、樹脂供給口６及び処理水排
出口７と、容器１内に開口した原水供給口５の出口に接
続されて上記樹脂充填部４内に配設されたドラム状の第
１スクリーン２と、容器１一側（上部）に設けられた処
理水排出口７から他側（下部）に向けて延在する集水管
８と、集水管８の先端入口部分に設けられたドラム状の
第２スクリーン３と、容器１の他側である底壁１６に設
けた樹脂取出口９などから構成されている。なお、第
１，第２スクリーン２，３は、いずれも周面にウェッジ
ワイヤースクリーンを有し、底部を塞いだものであり、
上面が開口している。

【００２０】集水管８の下部にはロート状の拡径部２４
が形成され、この拡径部２４の下面３１に、ストレーナ
として、図７に示すように、４個の小さな第２スクリー
ン３が配設されている。そして、この集水管８の下端
は、樹脂取出口９から挿入した円柱状の固定部材２５に
より固定されている。固定部材２５は、集水管８の拡径
部２４の中央に開設した嵌合穴内に嵌合する雄ねじ部２
６を上端に有し、下端から軸心に沿って樹脂通過穴２７
を穿設し、この樹脂通過穴２７の上端部分から外周面に
開口する開口穴２８を４箇所放射状に開設してある。し
たがって、この固定部材２５を容器１の樹脂取出口９か
ら挿入して上端の雄ねじ部を集水管８の嵌合穴内に螺合
して固定し、下端を開口フランジ２９でネジ止めする
と、集水管８の下端を固定することができる。そして、
開口穴２８にはプラグ３０を螺合して、常時は閉塞して
おき、イオン交換樹脂を抜き出す際にはプラグ３０を外
して開放する。

【００２１】なお、集水管８の拡径部２４に装着する第
２スクリーン３３は、図８に示す様に、平板状のスクリ
ーン３′でもよい。また、本実施例においても、第２ス
クリーン３と容器１の底壁１６との間には適当な隙間を
形成しておくことが望ましい。

【００２２】上記した構成からなるイオン交換装置にお
いては、原水は原水供給口５より第１スクリーン２を通
って樹脂充填部４に入り、集水管８の拡径部２４下面の
第２スクリーン３を通って集水管８の下部に入り、集水
管８内を上昇して処理水排出口７より出て次の工程へと
送られる。図１に示すイオン交換装置では、処理水が集
水管８の下部における切欠２０からなる狭い連通口を通
過しなければならないが、図６に示すイオン交換装置で
はこのような処理水に対する狭窄部がないので、通過抵
抗が少ない。

【００２３】図６に示すイオン交換装置において、イオ
ン交換樹脂を交換する場合には、樹脂取出口９のプラグ
３０を外し、これにより樹脂取出口９が開放されるの
で、容器１内のイオン交換樹脂が固定部材２５の開口穴
２８から樹脂通過穴２７内を通り、樹脂取出口９から容
器１の外部に排出される。一方、新しいイオン交換樹脂
を入れる場合には、専用の樹脂供給口６より入れれば良
く、原水供給口５に第１スクリーン２が付けてあること
は、この樹脂の充填作業になんら妨げとならない。即
ち、図１の場合と同様に、小型のイオン交換装置の場合
でも、ストレーナの制約を受けずに樹脂の取り出しが容
易に行える。

【００２４】なお、以上説明した両実施例においては、
容器１を縦向きに設置して稼働し、この状態における容
器１の上部に原水供給口５、樹脂供給口６等を設け、下
部に樹脂取出口９を設けたが、本発明におけるイオン交
換装置は、容器１を横向きに設置して稼働してもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、請
求項１では、容器の一側に樹脂供給口を、他側に樹脂取
出口を設けているため、小型のイオン交換装置の場合で
も、原水供給口を樹脂入出口として兼用するものに比
べ、非常に簡単にイオン交換樹脂の交換ができる。ま
た、原水供給口を利用した樹脂交換は考える必要がない
ため、第１スクリーンと第２スクリーンとで区画して樹
脂充填部を形成し、第１スクリーンを貫通して樹脂供給
口を設け、第２スクリーンを貫通して樹脂取出口を設け
るとなどの構成が採用ができる等、ストレーナの配置等
の制約から開放される。

【００２６】また、請求項２においても専用の樹脂供給
口及び樹脂取出口を設けているので、ストレーナの制約
を受けずに樹脂の取り出しを容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のイオン交換装置の一実施例を示す断面
図である。

【図２】図１のイオン交換装置の平面図である。

【図３】第１スクリーンの平面図である。

【図４】図１のイオン交換装置の容器下部を示す拡大断
面図である。

【図５】集水管固定部材の中空部分の断面図である。

【図６】本発明のイオン交換装置の他の実施例を示す断
面図である。

【図７】図６の集水管の拡径部の底面図である。

【図８】第２スクリーンの他の実施例の平面図である。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 第１スクリーン ３ 第２スクリーン ４ 樹脂充填部 ５ 原水供給口 ６ 樹脂供給口 ７ 処理水排出口 ８ 集水管 ９ 樹脂取出口 １６ 容器の底壁 １７ 集水管固定部材 ２０ 集水管固定部材の切欠 ２３ 第２スクリーンを通過した処理水を貯留する貯留
室 ２４ 集水管の先端に形成した拡径部 ２５ 集水管の固定部材 ２７ 固定部材の樹脂通過穴 ２８ 固定部材の開口穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 聖一 東京都新宿区西新宿３丁目４番７号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 本村 敬人 東京都新宿区西新宿３丁目４番７号 栗田 工業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部の一側に配設した第１スクリーンと
   他側に配設した第２スクリーンで区画して内部に樹脂充
   填部を形成した容器と、 容器の一側に設けた原水供給口及び処理水排出口と、 容器一側の処理水排出口から他側に亙って上記第１，第
   ２スクリーンを貫通して設けた集水管と、 容器の一側に、第１スクリーンを貫通して設けた樹脂供
   給口と、 容器の他側に、第２スクリーンを貫通して設けた樹脂取
   出口と、を備えたことを特徴とするイオン交換装置。
2. 【請求項２】 内部に樹脂充填部を形成した容器と、 容器の一側に設けた原水供給口及び処理水排出口と、 原水供給口の出口に接続されて上記樹脂充填部内に配設
   された第１スクリーンと、 容器一側の処理水排出口から他側に向けて延在する集水
   管と、 集水管の先端入口部分に設けた第２スクリーンと、 容器の一側に設けた樹脂供給口と、 容器の他側に設けた樹脂取出口と、を備えたことを特徴
   とするイオン交換装置。