JP6723551B2 - ろ過装置 - Google Patents

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本発明は、ろ過装置に関し、さらに詳しくは、タンク内に助剤の層がプレコートされた複数のろ材が設けられ、このろ材に原液を通して原液から不要物をろ過するろ過装置に関する。
ろ材の表面に珪藻土等の助剤の層をプレコートし、プレコートされた筒状のろ材に原液を通すことにより原液から不要物をろ過するろ過装置が従来から用いられている。表面がプレコートされたろ材を用いて原液をろ過した場合、ろ材を単独で用いて原液をろ過する場合に比べ、小さな粒径の固形物を捕捉することが可能になる。また、捕捉した固形物がろ材に直接触れることがないので、スラリーを分離等した後の固形分であるケーキの剥離性が向上し、助剤の層はろ材の目詰まりを起りにくくする。
ろ過装置を構成するタンクの内部空間は、2つの作用を奏する空間部分に区分けされて構成されている。1つ目の作用を奏する空間部分は、供給された原液が一時的に溜められる原液溜まり室である。2つ目の作用を奏する空間部分は、ろ過されたろ液が集められるろ液集合室である。
このようなろ過装置を利用して原液をろ過する場合、次の工程が実施される。まず、ろ過装置の原液溜まり室には、珪藻土等の助剤がタンクの内部に供給され、ろ材が助剤によりプレコートされる。次いで、原液溜まり室に原液が供給される。原液溜まり室に供給された原液は、プレコートされた複数のろ材を通されて、メインのろ過処理がなされる。ろ過されたろ液は、各ろ材からろ液集合室に集められた後に、ろ過装置の外に流出される。ろ過装置から流出されたろ液は、所定の場所に回収される。次いで、メインのろ過処理を終了したろ過装置のタンクの内部に残留している原液のろ過を行う。ろ過されたろ液は、ろ過装置から外に流出され、メインのろ過処理とは異なる経路を経て回収される。最後に、タンクの内部に残留する残留物がタンクから排出される。また、ろ材にプレコートされた助剤がろ材から剥離され、助剤がろ過装置から排出される。
こうしたろ過装置は、2種類のタイプに大別することができる。第1タイプのろ過装置は、タンク内部空間の上側の空間部分を原液溜まり室として構成し、下側の空間部分をろ液集合室として構成する形態である。第1タイプのろ過装置は、下側のろ液集合室にろ材の下端を取り付けて、上下方向に延びるようにしてろ材を配置して構成される。第2タイプのろ過装置は、タンクの内部を仕切部材で上側の空間部分と下側の空間部分とに仕切り、仕切部材よりも下側の空間部分を原液溜まり室として構成し、上側の空間部分をろ液集合室として構成する。ろ材は、その上部を仕切部材に取り付け、仕切部材から原液溜まり室に吊り下げられて構成される。
このような第1タイプのろ過装置及び第2タイプのろ過装置は、これまでに様々な文献により提案されている。
特許文献1には、第1タイプのろ過装置及び第2タイプのろ過装置の両方が提案されている。第1タイプのろ過装置は、ろ液集合室を原液溜まり室の下方に配置し、ろ材をろ液集合室から原液溜まり室内に向けて立設し、ろ材下端よりろ液を通すように構成されている。第2タイプのろ過装置は、ろ液集合室を原液溜まり室の上方に配置し、ろ材をろ液集合室から原液溜まり室内に向けて垂下し、ろ材を通してろ過されたろ液をろ材上端より取り出すように構成されている。
同文献により提案されている第2タイプのろ過装置の原液溜まり室には、開閉弁及び原液導入配管が接続されており、原液がこれらの原液導入配管及び開閉弁を介して原液溜まり室に供給される。また、原液溜まり室には、プレコートエア抜き配管路が設けられている。
原液溜まり室には、更に、その底部に着脱可能な、ろ紙、ろ布、ろ過用金網等からなる使い捨ての水平面状をなす第2のろ材が設けられている。そして、底面部には、開閉弁を介して回収ろ液導出配管路が設けられている。
一方、ろ液集合室には、ろ液導出配管路及び圧縮空気送入配管路が接続されている。
この第2タイプのろ過装置では、ろ過されたろ液をろ液集合室から流出させ、ろ液導出配管路を経由してろ液を回収した後、原液溜まり室に残留する原液をろ過し、そのろ液を回収する回収処理を行う。回収処理は、圧縮空気をろ液集合室に供給すると共に、回収ろ液導出開閉弁を開いて行う。圧縮空気は、ろ液集合室側からろ材に流れ、ろ材の内部から通液部を通って原液溜まり室に噴出する。原液溜まり室内の残留原液は、この圧縮空気の圧力により押圧され、原液溜まり室の底面部に設けた水平面状ろ材を通してろ過され、回収される。
特許文献2には、複数のろ過装置を用いて原液をろ過する装置が提案されている。この装置に用いられている各ろ過装置は、ろ液集合室を原液溜まり室の上方に配置し、ろ材をろ液集合室から原液溜まり室内に向けて垂下し、ろ材を通してろ過されたろ液をろ材上端より取り出す第2タイプのろ過装置である。
特開平11−114329号公報 特開2013−31819号公報
上述した特許文献1や特許文献2により提案されているろ過装置において、原液溜まり室に残留する原液のろ過処理を行う場合、圧縮空気をろ液集合室に供給側から原液溜まり室に供給している。残留する原液は、圧縮空気の圧力によって、第2のろ材に通されて、ろ過処理が行われる。その際、回収しようとしている原液に圧縮空気が混ざってしまい、原液だけを回収することが困難であった。また、圧縮空気はろ材を通してろ液集合室から原液溜まり室に送られるので、圧縮空気がろ材を通るときにろ材の表面に形成された助剤の層が破壊され、助剤が原液に混入してしまい、回収された原液の清澄性が低下していた。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、タンク内が加圧された状態を維持しながら圧縮空気が混入した原液を回収してしまうことを抑制し、かつ、剥離した助剤が混入していない原液を回収することができるろ過装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係るろ過装置は、供給された原液を内部空間でろ過し、ろ過された後のろ液を内部空間から流出させるタンクと、前記タンクの下側の前記内部空間に形成され、前記原液が供給される原液溜まり室と、前記タンクの上側の前記内部空間に形成され、前記ろ液が集合されるろ液集合室と、前記原液溜まり室と前記ろ液集合室とを仕切る仕切部材と、長手方向の一端が閉じられた閉端部と、他端が開かれた開端部と、周面が前記原液を通してろ過するための通液部とを有し、前記開端部を前記ろ液集合室に連通させ、前記閉端部側を下側に向けて前記仕切部材に吊り下げられた筒状の第1ろ材と、前記ろ材の周面をプレコートするための助剤及び前記原液を前記原液溜まり室に供給する供給手段に接続させる導入口と、前記原液溜まり室に圧縮空気を送り込む圧縮空気供給部に接続させる圧縮空気導入口と、前記ろ液を前記ろ液集合室から流出させるろ液流出口と、前記原液液溜まり室の下部で前記第1ろ材よりも下側に設けられた第2ろ材と、前記原液溜まり室に設けられ、前記第2ろ材によりろ過されたろ液を回収する回収手段に接続させる回収口と、前記第1ろ材及び前記第2ろ材によりろ過されたろ液が流出された後に前記原液溜まり室に残留する原液及び助剤を排出させる残留物排出口と、を備え、前記原液溜まり室の下部には、該原液溜まり室の底面部との間に隙間を空けて前記第2ろ材の上方及び周囲を覆うカバーを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、原液溜まり室の下部に、原液溜まり室の底面部との間に隙間を空けて第2ろ材の上方及び周囲を覆うカバーを備えているので、原液溜まり室に残存する原液を第2ろ材でろ過するときに、カバーの周囲を回り込ませて原液を第2ろ材に到達させ、原液が回り込んでいる間に、原液に含まれている空気を脱気させることができる。また、カバーは、第1ろ材から剥離した助剤をブロックし、第2ろ材に助剤が到達することを抑制することができる。
本発明に係るろ過装置において、前記導入口は前記タンクの底面部に設けられ、前記第2ろ材は、前記導入口の上側に配置されている。
この発明によれば、導入口から助剤を導入させたときに、第1ろ材だけでなく、第2ろ材の周面にも助剤をプレコートすることができる。
本発明に係るろ過装置において、前記第2ろ材は、長手方向の一端が閉じられた閉端部と、他端が開かれた開端部と、周面が前記原液を通してろ過するための通液部とを有し、前記回収口は、当該第2ろ材の前記開端部に連通されている。
この発明によれば、メインのろ過処理のときだけなく、メインのろ過処理が終了した後にろ液溜まり室に残存する原液を、第2ろ材の外側から内側に通してろ過し、第1ろ材でろ過したろ液とは別の経路でろ液を回収することができる。
本発明に係るろ過装置において、前記カバーは、前記第2ろ材の上方を覆う上面部と該第2ろ材の周囲を覆う周面部とから構成され、前記上面部は、前記カバーの内外を連通する連通口と、該連通口を開閉するための開閉用スプールと、を備えている。
この発明によれば、連通口を開くことによりカバー内に存在する空気を逃がすことができる一方で、連通口を閉じることにより、第1ろ材から剥離した助剤が連通口からカバーの内部に浸入することを防止することができる。
本発明に係るろ過装置において、前記開閉用スプールは、前記カバーの内部に存在する液体の液位に応じて浮き沈みするフロートであり、該前記カバーの内部に存在する液体の液位に応じて前記連通口を開閉する。
この発明によれば、原液溜まり室の内部に原液を導入したときに、原液の液位が一定の高さの位置を通過するまで連通口の位置に開閉用スプールが到達していないので、連通口を開かせておくことができる。そのため、液位の上昇に伴って、カバーの内部に存在する空気を連通口からカバーの外に逃がすことができる。また、メインとなるろ過処理が終了した後に、原液溜まり室に残存する原液をろ過する際に、原液の液位が一定の高さよりも高い位置に存在する間、開閉用スプールが連通口を閉じている。そのため、第1ろ材から助剤が剥離した場合でも、連通口から助剤がカバーの内部に浸入することを抑制することができる。
本発明によれば、タンクの内部に圧縮空気を供給して加圧された状態を維持しつつ、原液がカバーを迂回してカバーの内部に進む間に原液に混ざり合った圧縮空気が原液から抜け、圧縮空気が混入していない原液を回収することが可能になる。また、ろ材から剥がれ落ちた助剤は、カバーによって第2ろ材に到達するこが防止されるので、回収した原液の清澄性を向上させることができる。
本発明のろ過装置を模式的に示した模式図である。 図1に使用されているカバーの構造を示す構造図である。 助剤を導入する工程を説明する説明図である。 原液を導入する工程を説明する説明図である。 原液をろ過する工程を説明する説明図である。 第2ろ材を用いて残存する原液をろ過して回収する工程を示す説明図である。 残留物を排出する工程を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面のみに限定されるものではない。
[基本構成]
本発明に係るろ過装置1は、タンク内に助剤の層がプレコートされた複数のろ材が設けられ、このろ材に原液を通して原液から不要物をろ過するろ過装置である。このろ過装置1は、図1に示すように、タンク10、原液溜まり室11、ろ液集合室12、仕切部材13、第1ろ材40、導入口21、圧縮空気導入口22、ろ液流出口31、第2ろ材45、回収口33、残留物排出口34及びカバー50を備えている。
タンク10は、供給された原液を内部空間でろ過し、ろ過された後のろ液を内部空間から流出させる構成部である。このタンク10の内部空間は、原液溜まり室11とろ液集合室12とに仕切られている。原液溜まり室11は、タンク10の下側の内部空間に形成されており、原液が供給される。ろ液集合室12は、タンク10の上側の内部空間に形成され、ろ液が集合される。仕切部材13は、こうした原液溜まり室11とろ液集合室12とを仕切っている。
第1ろ材40は、細長い筒状をなしており、長手方向の一端が閉じられた閉端部41と、他端が開かれた開端部42と、前記原液を通してろ過する、周面に設けられた通液部43とを有している。この第1ろ材40は、開端部42がろ液集合室12に連通されており、閉端部41側が下側に向けられて仕切部材13に吊り下げられている。本明細書において「連通」とは、2つの空間の間で、液体等が流通することができるようにつなぐことを意味する。
導入口21は、第1ろ材40及び第2ろ材45の周面をプレコートするための助剤及び原液を原液溜まり室11に供給する供給手段71,72に接続させるための部位である。圧縮空気導入口22は、原液溜まり室11に圧縮空気を送り込む圧縮空気供給手段73に接続させるための部位である。ろ液流出口31は、ろ液をろ液集合室12から流出させるろ液流出手段74に接続するための部位である。
第2ろ材45は、原液液溜まり室11の下部で第1ろ材40よりも下側に設けられている。回収口33は、原液溜まり室11に設けられており、第2ろ材45によりろ過されたろ液を回収する回収手段75に接続されている。残留物排出口34は、第1ろ材40及び第2ろ材45によりろ過されたろ液が流出された後に原液溜まり室11に残留する原液及び助剤を排出させる残留物排出手段76に接続させるための部位である。
このろ過装置1は、さらに、原液溜まり室11の下部に、原液溜まり室11の底面部10aとの間に隙間を空けて第2ろ材45の上方及び周囲を覆うカバー50を備えている。
こうしたろ過装置1は、食品分野、化学分野、医療分野及びその他の分野で用いることができる。食品分野でろ過装置1を用いる場合、ろ過装置1は、例えば、ビール、ワイン、酒、食酢、醤油、緑茶、液糖、コーヒー及び紅茶等をろ過することに用いることができる。化学分野又は医療分野のろ過装置1を用いる場合、ろ過装置1は、医薬原料の精製や化成品の回収、触媒等微細粒子の除去及び回収、薬草等抽出工程での使用、塗料の回収、糖類等高粘度物質の回収、高温液体の回収、漢方エキスの回収、アクリロニトリルとブタジエンとスチレンとの3成分からなる熱可塑性樹脂であるABS樹脂の回収、並びにポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂等の粉末の回収に用いることができる。その他の産業分野でろ過装置1を用いる場合、ろ過装置1は、例えば、ボイラー循環水のクリンアップ、石油の精製工程、脱色や吸着用の活性炭の除去、及び研磨剤や潤滑剤の循環利用等に用いることができる。
本発明に係るろ過装置1によれば、タンク10の内部に圧縮空気を供給して加圧された状態を維持しつつ、原液がカバー50を迂回してカバー50の内部に進む間に原液に混ざり合った圧縮空気が原液から抜け、圧縮空気が混入していない原液を回収することが可能になるという特有の効果を奏する。また、ろ材から剥がれ落ちた助剤は、カバー50によって第2ろ材45に到達することが防止されるので、回収した原液の清澄性を向上させることができるという特有の効果も奏する。
以下、ろ過装置1の各構成について、図面を適宜に参照しながら説明する。
[タンク]
タンク10は、ろ過装置1の外殻を構成している。タンク10は、外形が筒状をなしており、天面部10c、周面部10b及び底面部10aが一体化されて構成されている。天面部10cは、ドーム状をなしており、後述するろ液流出口31が設けられている。天面部10cの外周縁は、周面部10bの上端部と切れ目無く連続してつながれている。周面部10bは、横断面の形状が円形をなしており、上下方向にストレートに延び、周方向に湾曲する曲面によって構成されている。この周面部10bの上部には、後述する圧縮空気導入口22とエア抜き口32とが設けられている。底面部10aは、周面部10bの下端につながれており、周面部10bにつながれた部位から下側に向かって傾斜する傾斜面によって構成されている。この底面部10aの最も下側をなす最下部には、後述する導入口21、残留物排出口34が設けられている。一方、底面部10aの傾斜の途中の部位には、回収口33が設けられている。底面部10aは、具体的に、円錐を逆さまにした形状をなし、下側中央に向かって先細りとなるように形成されている。
こうしたタンク10の内部空間は、仕切部材13によって原液溜まり室11と、ろ液集合室12と、に仕切られている。
[原液溜まり室]
原液溜まり室11は、原液を供給する原液供給手段72から供給された原液が導入される空間である。原液溜まり室11は、タンク10の高さ方向において、タンク10の周面部10bの位置及び底面部10aの位置に対応する領域を占めている。また、原液溜まり室11は、助剤供給手段71から供給された助剤が導入され、導入された助剤により第1ろ材40及び第2ろ材45の周面をプレコートするための空間でもある。
この原液溜まり室11には、導入口21、回収口33及び残留物排出口34が底面部10aの位置に設けられている。
<導入口>
導入口21は、原液を供給するための原液供給手段72及び助剤を供給するための助剤供給手段71につながれている。導入口21は、底面部10aの最下部に設けられており、最下部から更に下側に向けて延びる第1配管21aと、第1配管21aから側方に向けて延びる第2配管21bとにより構成されている。第2配管21bの先端には開閉バルブ60が設けられており、原液供給手段72及び助剤供給手段71から延びる配管等は、この開閉バルブ60を介して導入口21に接続されている。
ここで原液供給手段72及び助剤供給手段71について、図3から図7を参照して、説明する。
原液供給手段72は、原液が貯蔵された原液タンク(図示せず。)や、原液をろ過装置1に送り出すためのポンプ80等を有している。原液タンクとポンプ80との間には開閉バルブ60が設けられている。この開閉バルブ60は、開かれたり閉じられたりすることにより、原液が原液タンクから送り出されることを許容したり停止したりしている。
原液供給手段72は、原液タンクからろ過装置1に供給する原液の流量を制御するための流量制御手段81を備えている。流量制御手段81は、流量計84、コントローラ83及びインバータ82を有しており、供給される原液の流量を測定し、測定結果に基づいてポンプ80の回転数を制御してポンプ80が送り出す原液の流量を制御している。
助剤供給手段71は、助剤が貯蔵された助剤タンク(図示せず。)や、助剤をろ過装置1に送り出すポンプ80等を備えている。助剤タンクとポンプ80との間には開閉バルブ60が設けられていて、この開閉バルブ60が助剤タンクから助剤を送り出されることを許容したり停止したりしている。
原液供給手段72と助剤供給手段71とは各開閉バルブ60とポンプ80との間で配管が接続されており、1つのポンプ80が原液と助剤とをろ過装置1に送り出している。すなわち、原液供給手段72のポンプ80と助剤供給手段71のポンプ80とは兼用して利用されている。また、流量制御手段81についても、原液供給手段72と助剤供給手段71とは1つの流量制御手段81を兼用している。
<回収口>
回収口33は、メインのろ過処理の間、及びメインのろ過処理を終了した後に、タンク10の原液溜まり室11に残留する原液を第2ろ材45でろ過し、第2ろ材45でろ過されたろ液を、第1ろ材でろ過したろ液の経路とは別の経路で回収するための回収手段75に接続されている。
回収口33は、底面部10aの傾斜面の位置に設けられている。回収口33は、底面部10aの傾斜面からろ過装置1の側方に向けて突出する配管等により構成されている。回収口33は、タンク10の内部にて第2ろ材45に接続されている一方で、先端部には開閉バルブ60が取り付けられている。ろ液を回収するための回収手段75は、開閉バルブ60を介して回収口33に接続されている。
回収手段75は、流量制御手段95を備えており、回収口33から流出されるろ液の流量を制御している。流量制御手段95は、配管を流れるろ液の流量を測定する流量計96と、配管を流れるろ液の流量を調整する流量調整弁98と、流量計96の測定結果に基づいて流量調整弁98の開度を制御するコントローラ97とによって構成されている。
<残留物排出口>
残留物排出口34は、ろ過処理が終了した後に、ろ過することができずに原液溜まり室11に残留する原液並びに、第1ろ材40及び第2ろ材45から剥離した助剤を原液溜まり室11から排出するための残留物排出手段76に接続されている。この残留物排出口34は、底面部10aの最下部から下側に延びる配管21aと兼用されている。残留物排出口34の先端には開閉バルブ60が設けられており、残留物排出手段76はこの開閉バルブ60を介して残留物排出口34に接続されている。
この残留物排出口34を構成している配管21aの長手方向の中間部分には、上述した導入口21を構成している第2配管21bが接続されている。すなわち、このろ過装置1では、原液をろ過装置1の最も下側に位置する底面部10aの最下部から原液溜まり室11に導入させる一方で、底面部10aの最下部から原液溜まり室11に残留する原液を原液溜まり室11から排出させている。
[ろ液集合室]
ろ液集合室12は、複数の第1ろ材40によってろ過されたろ液が集合される空間である。ろ液集合室12は、タンク10の内部空間において、タンク10の高さ方向の天面部10cの位置に対応する領域を占めている。
<圧縮空気導入口>
圧縮空気導入口22は、タンク10の内部に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給手段73に接続される。圧縮空気導入口22は、周面部10bにおける、天面部10cと周面部10bとの境界部よりも若干下側の位置にてタンク10の外側に向けて突出して設けられている。図1に示したろ過装置1の例では、圧縮空気導入口22は、周面部10bから外側に向かって突出する第1配管22aと、第1配管22aの先端で第1配管22aに対し直交する向きに交差してなる第2配管22bとから構成されている。第2配管22bの両端には開閉バルブ60がそれぞれ設けられている。
圧縮空気供給手段73は、例えばコンプレッサー等が用いられる。圧縮空気供給手段73は、供給する圧縮空気の圧力を設定するための圧力設定手段90を備えている。圧力設定手段90は、圧力計91とリリーフバルブ92とを有している。リリーフバルブ92は、供給する圧縮空気が所望の圧力に上昇したときに、供給している圧縮空気を外部に放出することによって、供給する圧縮空気が所望の圧力よりも高い圧力に上昇することを防止するバルブである。このリリーフバルブ92のリリーフ圧は自由に設定することができるように構成されている。
この圧縮空気供給手段73は、圧縮空気導入口22を構成する第2配管21bの先端に設けられた開閉バルブ60を介して圧縮空気導入口22に接続されている。図3から図7に示した例では、圧縮空気供給手段73は、2個の開閉バルブ60のうち一方の開閉バルブ60を介して圧縮空気導入口22に接続されている。
なお、図示した例では、圧縮空気導入口22は、周面部10bから外側に向かって突出する第1配管22aと、第1配管22aの先端で第1配管22aに対し直交する向きに交差してなる第2配管22bとから構成されている。ただし、圧縮空気導入口22の形態は、図示した形態には限定されない。例えば、周面部10bから外側に向かって突出する1つの配管だけを設け、その配管の先端に開閉バルブ60を設けることによって、圧縮空気導入口22を構成することもできる。
<ろ液流出口>
ろ液流出口31は、複数の第1ろ材40によりろ過されてろ液集合室12に集められたろ液をろ過装置1の外部に流出するための部位である。ろ液流出口31は、天面部10cの最も上側に位置する頂部に設けられている。図示した例では、ろ液流出口31は、アルファベットの「T」字形に形成されており、天面部10cの頂部から上側に向けて延びる第1配管31aと、第1配管31aの上端にて第1配管31aに対して直交する方向に延びる第2配管31bとにより構成されている。第2配管31bの両端には開閉バルブ60がそれぞれ設けられている。ろ液を回収するための回路74は、開閉バルブ60を介してろ液流出口31に接続されている。
なお、図示した例では、ろ液流出口31は、「T」字に形成された配管により構成されている。ただし、圧縮空気導入口22の形態は、図示した形態には限定されない。例えば、天面部10cの頂部から上側に向かって突出する1つの配管だけを設け、その配管の先端に開閉バルブ60を設けることによって、構成することもできる。
<エア抜き口>
エア抜き口32は、助剤供給手段71から助剤を原液溜まり室11に供給し、第1ろ材40及び第2ろ材45の周面をプレコートする際に、タンク10の内部に溜まった空気をタンク10の外に流出する際に使用される。
エア抜き口32は、天面部10cと周面部10bとの境界部分よりも若干下側の位置に設けられている。エア抜き口32は、周面部10bからろ過装置1の外側に向かって突出する配管により構成されており、その先端には開閉バルブ60が取り付けられている。
エア抜き口32は、メインのろ過が終了した後に、圧縮空気をタンク10内に送り込んだとき、タンク10の原液溜まり室11に溜まった原液を空気と共にエア抜き口32から排出して再びろ過するときに利用することもできる。エア抜き口32を利用してろ過するときの作用については、後に具体的に説明する。
[仕切部材]
仕切部材13は、タンク10の内部空間を原液溜まり室11と、ろ液集合室12とに仕切っている。仕切部材13は、平坦な板状の部材により構成されている。仕切部材13には、複数の穴が形成されており、この穴が第1ろ材40の上端をなす他端部を取り付けるための取付部として構成されている。また、これらの穴は、第1ろ材40の内部とろ液集合室12とを連通させている。
また、仕切部材13は、圧縮空気導入口22が取り付けられる圧縮空気導入口22取付穴が形成されている。この圧縮空気導入口22取付穴は、ろ液集合室12側に設けられた圧縮空気導入口22から導入された圧縮空気を原液溜まり室11へ送り込むために形成されている。
[第1ろ材]
第1ろ材40は、タンク10の内部空間に複数設けられている。各第1ろ材40は細長い円筒状をなしている。第1ろ材40の長手方向の一端は閉じられた閉端部41として構成され、他端は開かれた開端部42として構成されている。そして、周面は原液を通してろ過するための通液部43として構成されている。各第1ろ材40は、長手方向の一端をなす閉端部41を下側に向け、長手方向の他端をなす開端部42を上側に向けた態様で仕切部材13にそれぞれ取り付けられることによって、前記仕切部材13に吊り下げられている。各第1ろ材40は、仕切部材13に形成された複数の穴にそれぞれ通されて仕切部材13に取り付けられている。
各第1ろ材40の他端をなす開端部42は、開かれているので、仕切部材13に取り付けられた各第1ろ材40の内部は、ろ液集合室12にそれぞれ連通される。
この第1ろ材40は、例えば、コアをなす筒状の部材に素線を巻き付けることによって構成される。
第1ろ材40は、上述したように、原液をろ過する際に、第1ろ材40を単独で用いるのではなく、ろ材の周面に助剤をプレコートして使用する。助剤をプレコートして用いた場合、プレコートをしないで第1ろ材40を単独で使用した場合に比べて、小さな粒径の固形物を捕捉することが可能になる。また、固形物が第1ろ材40に直接に接触しないので、目詰まりの進行を遅くすることができる。
[第2ろ材]
第2ろ材45の基本構造は第1ろ材40の構造と同様である。すなわち、第2ろ材45は、細長い円筒状をなし、その長手方向の一端は閉じられた閉端部46として構成され、他端は開かれた開端部47として構成されている。そして、第2ろ材45の周面は原液を通してろ過するための通液部48として構成されている。
第2ろ材45は、第1ろ材40よりも下方の位置に複数設けられている。具体的に、原液溜まり室11の下部にて導入口21の真上の位置に設けられている。第2ろ材45は、長手方向の一端をなす閉端部46を上側に向け、長手方向の他端をなす開端部47を下側に向けることにより垂直に立てられており、導入口21の真上に複数配置されている。各第2ろ材45の開端部47には、回収口33がそれぞれ接続されており、各第2ろ材45によってろ過されたろ液をろ過装置1の外部に流出している。これらの第2ろ材45の上方及び周囲は、後述するカバー50により囲まれている。
こうした第2ろ材45は、導入口21の真上に配置されているので、導入口21から助剤が原液溜まり室11に導入された際、第2ろ材45の表面には助剤がプレコートされる。また、第2ろ材45は、第1ろ材40よりも下方且つ原液溜まり室11の下部に配置されているので、メインのろ過処理が終了した後に、原液溜まり室11に残留している原液をろ過することができる。
[カバー]
カバー50は、第2ろ材45の上方及び周囲を囲む構造体である。メインのろ過処理が終了した後に、原液溜まり室11に残留している原液を第2ろ材45でろ過する際に、タンク10の内部に送り込まれた圧縮空気が原液に混入されたままろ過してしまうことを、防止している。また、圧縮空気がタンク10に送り込まれたときに、第1ろ材40の表面をプレコートしている助剤が剥離して原液に混入した場合に、このカバー50は、剥離した助剤をブロックし、第2ろ材45の位置まで到達することを防止している。
カバー50は、図2に示すように、複数の第2ろ材45の全体の周りを囲む周面部51と、複数の第2ろ材45の上方で第2ろ材45の全体を覆う上面部52と、により構成されている。
周面部51bの下端とタンク10の底面部10aとの間には、図1に示すように、隙間が形成されている。この隙間は、原液が、カバー50の内側と外側との間を自由に流れることができるように形成したものである。そのため、導入口21から原液溜まり室11に導入された原液は、隙間を通り、カバー50の内側から外側に流れ、原液溜まり室11の全体に満たされる。また、原液溜まり室11に残留する原液は、カバー50の外側から内側に流れ込み、第2ろ材45によりろ過される。
上面部52は、カバー50の内外を連通する連通口53と、この連通口53を開閉するための開閉用スプール54とを備えている。この上面部52は、周面部51との境界から連通口53が形成された部分に向かって徐々に高くなる傾斜面により構成されている。
上面部52は、具体的に、径方向の外側から中央に向かうにしたがって、徐々に高さが高くなるように形成されており、中央の位置が上面部の最も高い頂部を構成している。連通口53は、中央の頂部の位置に形成されている。この連通口53は、カバー50の内部に残留するエアをカバー50の外に放出するためのエア抜きとして機能する。
開閉用スプール54は、カバー50の内部に存在する原液の液位に応じて浮き沈みするフロートが利用されており、カバー50の内部に存在する原液の液位に応じて連通口53を開閉している。
すなわち、原液溜まり室11に原液が導入され、原液の液位が徐々に上昇するにしたがい、開閉用スプール54は、原液によって次第に押し上げられる。この間、開閉用スプール54は、連通口53の位置まで上昇していないので、連通口53は開いている。そして、原液の液位が一定の高さになり、カバー50の内部に原液が十分に満たされると、開閉用スプール54が連通口53の位置に到達し、連通口53を閉じる。一方、原液溜まり室11を満たしていた原液が第2ろ材45にろ過されて、回収口33からろ液が流出されると、原液の液位は徐々に低下する。ただし、原液の液位が一定の高さまで低下するまでは、カバー50の内部には原液が十分に満たされているので、開閉用スプール54が連通口53を閉じた状態は維持される。そして、原液の液位が一定の高さよりも低くなると、カバー50の内部の原液の液位も低下する。そのため、原液により押し上げられていた開閉用スプール54は原液の液位の低下に応じて下がる。開閉用スプール54が下がることにより、連通口53と開閉用スプール54との間に隙間が形成され、連通口53が開かれる。
[ろ過装置の動作及び作用]
次に、図3から図7を参照し、本実施形態のろ過装置1の動作及び作用について説明する。
このろ過装置1では、図3に示すように、ろ過装置1のタンク10の下側に位置する原液溜まり室11に、珪藻土等の助剤が供給され、第1ろ材40及び第2ろ材45の周面に助剤がそれぞれプレコートされる。
プレコートを行う工程では、適切な流量の助剤を含む液体が助剤供給手段71からろ過装置1の原液溜まり室11の内部に供給される。助剤を含む液体の流量は、助剤供給手段71が備える流量制御手段81がポンプ80の吐出量を制御することによって行われる。
助剤は、タンク10の底面部10aに設けられた導入口21から導入される。プレコートを行う工程では、タンク10の内部には空気が存在する。空気が存在したままの状態で、第1ろ材40及び第2ろ材45の表面を助剤でプレコートした場合、ムラが発生するおそれがある。そのため、プレコートを行う工程では、原液溜まり室11の上部に設けられたエア抜き口32の開閉バルブ60を開き、原液溜まり室11に存在する空気を原液溜まり室11から排出しながら行う。
プレコートが終了した後、エア抜き口32の開閉バルブ60を閉じ、次いで、図4に示すように、原液が原液溜まり室11に供給される。
原液は、原液供給手段72の流量制御手段81によってポンプ80の吐出量が制御され、所定の流量が原液供給手段72から供給されるようにして流量を調整して原液溜まり室11に導入される。原液が原液溜まり室11に導入されると、原液の液位は徐々に上昇する。原液の液位が上昇し、一定の高さの位置を通過するまでは、カバー50に設けられた開閉用スプール54は、カバー50の上面部に形成された連通口53を閉じていないので、カバー50の内部に存在する空気は、連通口からカバー50の外部に排出される。そして原液の液位が上昇して一定の高さの位置を通過した後では、開閉用スプール54が連通口53を閉じる。
原液溜まり室11の内部に導入された原液は、図5に示すように、第1ろ材40及び第2ろ材45によりろ過される。
各第1ろ材40において、原液は、周面の通液部43を通り、各第1ろ材40の外側から内側に流れ込む。原液が通液部43を通過する際に原液に含まれる不要な固形物等がろ過され、ろ液が各第1ろ材40の内部に流れ込む。各第1ろ材40の内側に流れ込んだろ液は各第1ろ材40の上端部、すなわち、長手方向の他端をなす開端部42を通り、ろ液集合室12に集められる。その後、ろ液は、ろ液流出口31からろ液集合室12の外部に流出され、所定の場所に回収される。
一方、複数の第2ろ材45においても、原液は、周面の通液部48を通り、各第2ろ材45の外側から内側に流れ込みろ過される。各第2ろ材45の内側に流れ込んだろ液は、各第2ろ材45の下端部をなす開端部47を通り、回収口33から原液溜まり室11の外部に流出される。その後、ろ液は、所定の場所に回収される。
原液が回収口33から流出し、回収手段75によって所定の場所に回収される際、回収手段75が備える流量制御手段95は、回収口33から流出されるろ液の流量を調整している。すなわち、回収口33から流出されるろ液の流量を小さくし、第2ろ材45にかかる負荷を小さくしている。第2ろ材45にかかる負荷を小さくすることにより、回収する際に第2ろ材45が目詰まりを起こすことを抑制している。
以上のようにしてメインのろ過処理を実行した後、原液溜まり室11には、原液が残存している。残存する原液は、図6に示すように、第2ろ材45を利用してろ過する。
残存する原液をろ過する処理では、圧縮空気供給手段73から圧縮空気をタンク10の内部に供給し、タンク10の内圧を上昇させ、原液を第2ろ材45に送り込むことにより実行する。タンク10に送り込まれる圧縮空気の圧力は、圧縮空気供給手段73が備える圧力設定手段90によって予め設定される。一方、回収手段75では、流量制御手段95によって、原液溜まり室11から流出されるろ液の流量が調整される。
圧縮空気がタンク10内に送り込まれると、原液溜まり室11に残留している原液は、圧縮空気によって押し下げられる。そのため、原液は、カバー50の周囲を回り込み、カバー50の周面部10bとタンク10の底面部10aとの間に形成された隙間からカバー50の内部に送られる。なお、圧縮空気がタンク10の内部に送り込まれると、圧縮空気は原液溜まり室11に残留している原液に混入してしまう。この混入した圧縮空気は、原液がカバー50を回り込んで隙間からカバー50の内側に送られるときに、原液から脱気される。その結果、カバー50の内部には、圧縮空気が混入していない原液が送り込まれる。
カバー50の内側に送られた原液は、第2ろ材45の外側から通液部43を通過してろ過され、ろ液が第2ろ材45の内側に送られる。ろ液は、第2ろ材45から回収口33に送られ、回収口33から原液溜まり室11の外部に流出される。その際、ろ液の流量が回収手段75の流量制御手段95によって調整されているので、第2ろ材45にかかる負荷が低減される。
原液溜まり室11に残存する原液をろ過する処理で、タンク10の内部に圧縮空気が送り込まれると、圧縮空気の影響を受けて第1ろ材40の表面にプレコートされた助剤が剥離する。圧縮空気によって原液が押し下げられ、液位が低下しても、液位が所定の高さの位置よりも高い場合、カバー50に設けられた開閉用スプールは、連通口を閉じている。そのため、助剤が第1ろ材40から剥離した場合でも、カバー50は、剥離した助剤がカバー50の内部に浸入することを防止し、剥離した助剤が第2ろ材45に到達してしまうことを抑制することができる。
以上のようにして原液溜まり室11に残留していた原液をろ過して回収した後、図7に示すように、原液溜まり室11に残留する残留物を排出する。残留物の排出は、残留物排出口34を利用して実行する。具体的に、残留物の排出は、残留物排出口34の先端に設けられた開閉バルブ60を開き、タンク10の内圧を利用して残留物をタンク10の下側から押し出すようにして行われる。この際、残留物が導入口21から原液供給手段72及び助剤供給手段71に逆流することがないように、導入口21に設けられた開閉バルブ60を必ず閉じておく。
以上に説明した作用の他に、本実施形態のろ過装置1は、エア抜き口32を利用してろ過する工程を追加的に実行することができる。具体的に、タンク10原液溜まり室11に溜まった原液は、圧縮空気をタンク10内に送り込んだときに、圧縮空気と共にエア抜き口32から排出される。圧縮空気がタンク10に送り込まれ、第1ろ材を通過する際に、第1ろ材の表面に付着している助剤が第1ろ材から剥離してしまうことがある。エア抜き口32から原液を排出する場合、剥離した助剤も原液と共にエア抜き口32から排出される。そのため、剥離した助剤が第2ろ材に詰まる等して第2ろ材に悪影響を与えることを抑制することが可能となる。タンク10から排出された原液は、図示しない貯留タンクにためられる。図示しない貯留タンクにためられた原液は、ポンプ80によって再びタンク10に送り込まれる。タンク10に再び送り込まれた原液は、第2ろ材45によりろ過されて、ろ過された後の液が回収口33からタンク10の外に排出される。排出された液は、回収される。
以上に説明したろ過装置1によれば、原液に圧縮空気が混ざり合うことを抑制しつつ、タンク10の内部が加圧された状態で原液を回収することができる。また、助剤の層が破壊されたとしても助剤等が混入していない原液を回収することができる。
1 ろ過装置
10 タンク
10a 底面部
10b 周面部
10c 天面部
11 原液溜まり室
12 ろ液集合室
13 仕切部材
21 導入口
21a 第1配管
21b 第2配管
22 圧縮空気導入口
22a 第1配管
22b 第2配管
31 ろ液流出口
31a 第1配管
31b 第2配管
32 エア抜き口
33 回収口
34 残留物排出口
40 第1ろ材
41 閉端部
42 開端部
43 通液部
45 第2ろ材
46 閉端部
47 開端部
48 通液部
50 カバー
51 周面部
52 上面部
53 連通口
54 開閉用スプール
60 開閉バルブ
71 助剤供給手段
72 原液供給手段
73 圧縮空気供給手段
74 ろ液を回収するための回路
75 回収手段
76 残留物排出手段
80 ポンプ
81 流量制御手段
82 インバータ
83 コントローラ
84 流量計
90 圧力設定手段
91 圧力計
92 リリーフバルブ
95 流量制御手段
96 流量計
97 コントローラ
98 流量調整弁

Claims (4)

  1. 供給された原液を内部空間でろ過し、ろ過された後のろ液を内部空間から流出させるタンクと、
    前記タンクの下側の前記内部空間に形成され、前記原液が供給される原液溜まり室と、
    前記タンクの上側の前記内部空間に形成され、前記ろ液が集合されるろ液集合室と、
    前記原液溜まり室と前記ろ液集合室とを仕切る仕切部材と、
    長手方向の一端が閉じられた閉端部と、他端が開かれた開端部と、周面が前記原液を通してろ過するための通液部とを有し、前記開端部を前記ろ液集合室に連通させ、前記閉端部側を下側に向けて前記仕切部材に吊り下げられた筒状の第1ろ材と、
    前記ろ材の周面をプレコートするための助剤及び前記原液を前記原液溜まり室に供給する供給手段に接続させる導入口と、
    前記原液溜まり室に圧縮空気を送り込む圧縮空気供給部に接続させる圧縮空気導入口と、
    前記ろ液を前記ろ液集合室から流出させるろ液流出口と、
    前記原液液溜まり室の下部で前記第1ろ材よりも下側に設けられた第2ろ材と、
    前記原液溜まり室に設けられ、前記第2ろ材によりろ過されたろ液を回収する回収手段に接続させる回収口と、
    前記第1ろ材及び前記第2ろ材によりろ過されたろ液が流出された後に前記原液溜まり室に残留する原液及び助剤を排出させる残留物排出口と、を備え、
    前記原液溜まり室の下部には、該原液溜まり室の底面部との間に隙間を空けて前記第2ろ材の上方及び周囲を覆うカバーを備え、前記導入口は前記タンクの底面部に設けられ、前記第2ろ材は、前記導入口の上側に配置されていることを特徴とするろ過装置。
  2. 前記第2ろ材は、長手方向の一端が閉じられた閉端部と、他端が開かれた開端部と、周面が前記原液を通してろ過するための通液部とを有し、
    前記回収口は、当該第2ろ材の前記開端部に連通されている、請求項1に記載のろ過装置。
  3. 前記カバーは、前記第2ろ材の上方を覆う上面部と該第2ろ材の周囲を覆う周面部とから構成され、
    前記上面部は、前記カバーの内外を連通する連通口と、該連通口を開閉するための開閉用スプールと、を備えている、請求項1又は2に記載のろ過装置。
  4. 前記開閉用スプールは、前記カバーの内部に存在する液体の液位に応じて浮き沈みするフロートであり、該前記カバーの内部に存在する液体の液位に応じて前記連通口を開閉する、請求項に記載のろ過装置。
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