JPH08101629A - 不可視情報記録シール - Google Patents

不可視情報記録シール

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JPH08101629A
JPH08101629A JP6235665A JP23566594A JPH08101629A JP H08101629 A JPH08101629 A JP H08101629A JP 6235665 A JP6235665 A JP 6235665A JP 23566594 A JP23566594 A JP 23566594A JP H08101629 A JPH08101629 A JP H08101629A
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infrared
infrared absorption
absorption layer
wavelength
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則之 伊藤
Satoshi Gocho
智 牛腸
Harumoto Ota
晴基 太田
Haruo Uyama
晴夫 宇山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透明なホログラム画像を備え、偽造防止を必要
とする種々の商品等の物品に貼着されて、証明書として
の機能を持つ偽造防止効果を有し、透明ホログラム画像
の審美性を損なうことなく、かつ透明ホログラム画像と
一体の形態で、不可視情報を記録する。 【構成】粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤外域で
吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に第1の赤外吸収
層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得るための金
属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外域で吸収を
示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域の光は吸収
し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透過する
隠蔽層、ホログラム画像を形成するためのホログラム形
成層、当該ホログラム形成層とは異なる屈折率を有し、
可視領域の光を透過する透過性薄膜層を順次積層し、か
つ第1の赤外吸収層と粘着層との間に基材を設けて成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明なホログラム画
像、あるいは目視角度によって色が順次変化する多層蒸
着積層体を備え、偽造防止を必要とする種々の商品等の
物品に貼着されて、証明書としての機能を持つ偽造防止
効果を有するシールに係り、特にレーザー等により非接
触の状態で不可視情報を記録することが可能な不可視情
報記録シールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、透明なホログラム転写箔が、様々
な分野で利用されてきている。この透明ホログラム転写
箔は、支持体としての基材上に、剥離層、ホログラム形
成層、透過性薄膜層、接着層の各層を、順次積層して形
成され、転写箔、および転写箔はほとんど透明な中にホ
ログラム画像が浮き上がり、独特の視覚的効果をもたら
すものである。
【0003】これらは転写箔として用いられる他、若干
構成を変えることによって、シールとしても利用されて
いる。このシールとしては、様々な構成が挙げられる
が、その一例として、基材の片面に、ホログラム形成
層、透過性薄膜層、保護層が設けられ、基材の他面に
は、粘着層が設けられている。
【0004】しかしながら、これらの透明なホログラム
転写箔またはホログラムシールは、その独特のホログラ
ム画像を形成するためには、非常に高度な技術が必要と
されることから、それ自体が偽造防止効果を有してい
る。このため、通常は、ホログラム転写箔自身以外には
セキュリティ機能を持たない。
【0005】一方、透明ホログラムではない通常の反射
タイプのホログラムでは、ホログラム画像そのものが光
の干渉縞を記録したものであることに着目し、この干渉
縞自身を記録情報として利用する方法が提案されてい
る。この記録情報の読み取り原理は、光の回折角が波長
と回折格子の空間周波数で関係づけられることから、ホ
ログラム画像の一部に、ある一定の目的の空間周波数の
回折格子を設け、その回折光を検出することによって、
その情報を読み取ることが可能となる。
【0006】しかし、この情報記録は、ホログラム画像
の作製と同時に行なわれなければならないため、同じ画
像のホログラムには同じ情報しか記録することができな
い。あるいは、画像を目視上では似たものとし、記録の
ための回折格子は変えることもできるが、個々に異なっ
た情報を持たせることが不可能であることには変わりは
ない。
【0007】また、透明ホログラム画像の視認性につい
ては、通常の反射性薄膜を設けたものよりも劣ってお
り、独特の画像であるとはいっても、ホログラムを見る
角度によって見え易かったり、見え難かったりしている
ため、用途が限定されている。
【0008】一方、最近では、目視角度によって色が順
次変化する多層蒸着積層体も、様々な分野で利用されて
きている。この多層蒸着積層体は、屈折率が異なるセラ
ミック材料を、制御された膜厚で繰り返し蒸着すること
によって得られ、独特の視覚的効果をもたらすものであ
る。
【0009】これらは転写箔や、若干構成を変えること
によってシールとしても利用されている。このシールと
しては、様々な構成が挙げられるが、その一例として、
基材の片面に、多層蒸着積層体が設けられ、基材の他面
には、粘着層が設けられている。また、透明のフィルム
のままでは、色の変化が判りづらいこともあり、下地と
して黒等の濃色の下地を付加する場合が多い。
【0010】ところで、媒体毎に記録情報を変える技術
としては、既に各種の方法が提案されてきており、主に
サーマルヘッドを利用した感熱記録、光を利用した光記
録等が広く利用されている。
【0011】例えば、感熱記録の一例としては、金属薄
膜層をサーマルヘッドの熱によって溶融させる方法が知
られており、最近では、プリペイドカード等において、
残額情報等を記録する方法として利用されている。この
方法は、熱的な感度こそ、ロイコサーマルに代表される
感熱発色材料を使用したものよりも劣るものの、様々な
耐性に優れることが特徴として挙げられる。そして、こ
れらは通常、文字や画像といった可視情報を記録する手
段として用いられ、記録の熱源としては、サーマルヘッ
ドが一般的に使用されている。
【0012】かかる記録媒体の問題点は、保護層を厚く
することができない点である。実用的には、記録面の保
護層は数μmの厚みに設定するのが精一杯であり、この
制限によって金属薄膜層上の層構成は限定されてしま
う。すなわち、例えば保護層上に隠蔽層を設けて、記録
情報が見えないようにしようとしても、隠蔽層の厚みが
限定されてしまうために、十分な隠蔽力を持たせること
ができないのが実情である。
【0013】また、保護層を厚くできないことから、サ
ーマルヘッドと保護層表面との接触による傷が目立ち、
記録情報自体の隠匿性を損なうといった問題も生じる。
これは、特に記録情報の機密性が高い場合には問題とな
る。
【0014】以上のようなことから、透明ホログラムシ
ール、あるいは多層蒸着積層体は、単独では個体毎の記
録情報を変えることが困難であり、さらにホログラム画
像の視認性が低い、あるいは色変化等の視覚効果が低い
といった問題があり、一方可変情報を記録する技術とし
ての感熱記録媒体は不可視情報を記録することが困難で
あることがわかる。
【0015】透明ホログラム、あるいは多層蒸着積層体
に個体毎の可変情報が記録可能であれば、様々な用途に
利用することが可能である。一例を挙げれば、セキュリ
ティと記録が同時に必要であって、さらに商品等の物品
の美観を損ねないようにすることが重要な用途として、
高額な商品に貼付するシールやタグ等が考えられる。
【0016】これまでにも、透明ホログラム、あるいは
多層蒸着積層体のシールはあったが、同時に可変情報を
記録可能なものではなく、単にホログラム画像のみの情
報とその製造の困難さからくるセキュリティ性、あるい
は単に色変化という視覚効果によるセキュリティ性を保
持しているにすぎない。そして、これらのホログラム画
像、あるいは多層蒸着積層体の審美性と、可変情報の記
録とを両立させた記録媒体であれば、目視の判断だけで
はなく、検証器による真偽判定も行なうことが可能とな
り、さらに高いセキュリティ性を付与できる等の利点が
得られるものとなる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
ホログラム画像、あるいは多層蒸着積層体を備えたシー
ルにおいては、ホログラム画像、あるいは多層蒸着積層
体の審美性と、可変情報の記録とを両立させることが難
しいという問題があった。
【0018】本発明は、上記のような問題点を解消する
ために成されたもので、透明なホログラム画像を備え、
偽造防止を必要とする種々の商品等の物品に貼着され
て、証明書としての機能を持つ偽造防止効果を有し、透
明ホログラム画像の審美性を損なうことなく、かつ透明
ホログラム画像と一体の形態で、不可視情報を記録する
ことが可能な不可視情報記録シールを提供することを第
1の目的とする。
【0019】さらに本発明は、上記のような問題点を解
消するために成されたもので、目視角度によって色が変
化する多層蒸着積層体を備え、偽造防止を必要とする種
々の商品等の物品に貼着されて、証明書としての機能を
持つ偽造防止効果を有し、多層蒸着積層体の審美性を損
なうことなく、かつ多層蒸着積層体と一体の形態で、不
可視情報を記録することが可能な不可視情報記録シール
を提供することを第2の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に係る発明の不可視情報記録シー
ルは、粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤外域で吸
収を示す第1の赤外吸収層、光学的に第1の赤外吸収層
を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得るための金属
薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外域で吸収を示
す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域の光は吸収
し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透過する
隠蔽層、ホログラム画像を形成するためのホログラム形
成層、当該ホログラム形成層とは異なる屈折率を有し、
可視領域の光を透過する透過性薄膜層を順次積層し、か
つ第1の赤外吸収層と粘着層との間、第1の赤外吸収層
と金属薄膜層との間、第2の赤外吸収層と隠蔽層との
間、もしくは隠蔽層とホログラム形成層との間のいずれ
かの層間に、基材を設けて成る。
【0021】また、請求項2に係る発明の不可視情報記
録シールは、粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤外
域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に第1の赤外
吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得るため
の金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外域で吸
収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域の光は
吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透過
すると共に、ホログラム画像を形成するためのホログラ
ム形成隠蔽層、当該ホログラム形成隠蔽層とは異なる屈
折率を有し、可視領域の光を透過する透過性薄膜層を順
次積層し、かつ第1の赤外吸収層と粘着層との間、第1
の赤外吸収層と金属薄膜層との間、もしくは第2の赤外
吸収層とホログラム形成隠蔽層との間のいずれかの層間
に、基材を設けて成る。
【0022】さらに、請求項3に係る発明の不可視情報
記録シールは、粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤
外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に第1の赤
外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得るた
めの金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外域で
吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域の光
は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透
過する隠蔽層、可視領域の光を透過する透過性薄膜層、
当該透過性薄膜層とは異なる屈折率を有し、ホログラム
画像を形成するためのホログラム形成層、基材を、順次
積層して成る。
【0023】一方、請求項4に係る発明の不可視情報記
録シールは、粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤外
域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に第1の赤外
吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得るため
の金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外域で吸
収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域の光は
吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透過
する隠蔽層、屈折率が互いに異なる複数の材料を積層し
てなり、目視角度によって色が変化する多層蒸着層を順
次積層し、かつ第1の赤外吸収層と粘着層との間、第1
の赤外吸収層と金属薄膜層との間、第2の赤外吸収層と
隠蔽層との間、もしくは隠蔽層と多層蒸着層との間のい
ずれかの層間に、基材を設けて成る。
【0024】また、請求項5に係る発明の不可視情報記
録シールは、粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤外
域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に第1の赤外
吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得るため
の金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外域で吸
収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域の光は
吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透過
すると共に、ホログラム画像を形成するためのホログラ
ム形成隠蔽層、屈折率が互いに異なる複数の材料を積層
してなり、目視角度によって色が変化する多層蒸着層を
順次積層し、かつ第1の赤外吸収層と粘着層との間、第
1の赤外吸収層と金属薄膜層との間、第2の赤外吸収層
とホログラム形成隠蔽層との間、もしくはホログラム形
成隠蔽層と多層蒸着層との間のいずれかの層間に、基材
を設けて成る。
【0025】さらに、請求項6に係る発明の不可視情報
記録シールは、粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤
外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に第1の赤
外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得るた
めの金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外域で
吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域の光
は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透
過する隠蔽層、屈折率が互いに異なる複数の材料を積層
してなり、目視角度によって色が変化する多層蒸着層、
基材を、順次積層して成る。
【0026】ここで、特に上記第1の赤外吸収層の赤外
吸収スペクトルは、近赤外域全域を吸収するスペクトル
を有し、かつ上記第2の赤外吸収層の赤外吸収スペクト
ルは、近赤外域の特定波長を吸収するスペクトルを有す
るものとする。
【0027】また、上記第1の赤外吸収層および第2の
赤外吸収層の赤外吸収スペクトルは、いずれも近赤外域
の特定波長を吸収するスペクトルを有し、かつこれらの
吸収波長が互いに異なるものとする。
【0028】さらに、上記多層蒸着層は、屈折率が互い
に異なる複数のセラミック材料を積層してなるものとす
る。
【0029】
【作用】従って、まず、請求項1に係る発明の不可視情
報記録シールにおいては、商品等の物品に貼付した状態
では透明ホログラム画像が見え、しかも下層に設けられ
た有色不透明の隠蔽層によって、画像の視認性が向上す
る。さらに、下層には第2の赤外吸収層があり、この第
2の赤外吸収層が光熱変換層の役目をして赤外線を熱に
変換し、この熱によって、その下層の金属薄膜層が溶融
して界面張力で玉状になり、第1の赤外吸収層が露出す
る。記録情報の読み取りは、金属薄膜層がある部分とな
い部分との反射率の差を利用して行なうことができる。
【0030】また、請求項2に係る発明の不可視情報記
録シールにおいては、請求項1に係る発明の不可視情報
記録シールと同等の作用効果が得られると共に、これに
加えて製造工程を簡略化することができる。
【0031】さらに、請求項3に係る発明の不可視情報
記録シールにおいては、請求項1に係る発明の不可視情
報記録シールと同等の作用効果が得られると共に、シー
ルが対象物に貼付された場合に、基材が最上層となるた
め、極めて高い耐性を付与することができる。
【0032】以上により、本発明の不可視情報記録シー
ルにおいては、透明なホログラム画像を備え、偽造防止
を必要とする種々の商品等の物品に貼着されて、証明書
としての機能を持つ偽造防止効果を有するホログラムシ
ールを、透明ホログラム画像の審美性を損なうことな
く、かつ透明ホログラム画像と一体の形態で、不可視情
報を記録することが可能となる。
【0033】一方、請求項4に係る発明の不可視情報記
録シールにおいては、商品等の物品に貼付した状態で
は、多層蒸着積層体のしかも下層に設けられた有色不透
明の隠蔽層によって、画像の視認性が向上する。さら
に、下層には第2の赤外吸収層があり、この第2の赤外
吸収層が光熱変換層の役目をして赤外線を熱に変換し、
この熱によって、その下層の金属薄膜層が溶融して界面
張力で玉状になり、第1の赤外吸収層が露出する。記録
情報の読み取りは、金属薄膜層がある部分とない部分と
の反射率の差を利用して行なうことができる。
【0034】また、請求項5に係る発明の不可視情報記
録シールにおいては、請求項4に係る発明の不可視情報
記録シールと同等の作用効果が得られると共に、これに
加えて製造工程を簡略化することができる。
【0035】さらに、請求項6に係る発明の不可視情報
記録シールにおいては、請求項4に係る発明の不可視情
報記録シールと同等の作用効果が得られると共に、シー
ルが対象物に貼付された場合に、基材が最上層となるた
め、極めて高い耐性を付与することができる。
【0036】以上により、本発明の不可視情報記録シー
ルにおいては、目視角度によって色が変化する多層蒸着
積層体を備え、偽造防止を必要とする種々の商品等の物
品に貼着されて、証明書としての機能を持つ偽造防止効
果を有する多層蒸着積層体シールを、多層蒸着積層体の
審美性を損なうことなく、かつ多層蒸着積層体と一体の
形態で、不可視情報を記録することが可能となる。
【0037】一方、上記請求項1ないし請求項6に係る
発明の不可視情報記録シールにおいて、第1の赤外吸収
層の赤外吸収スペクトルが、近赤外域全域を吸収するス
ペクトルを有し、かつ第2の赤外吸収層の赤外吸収スペ
クトルが、近赤外域の特定波長を吸収するスペクトルを
有するものとすることにより、記録された情報の読み取
りは光源の波長に左右されないため、この点に関して安
定性を増すことができる。さらに、記録の波長を限定す
ることができ、偽造や改竄を困難なものとすることがで
きる。
【0038】また、上記請求項1ないし請求項6に係る
発明の不可視情報記録シールにおいて、第1の赤外吸収
層および第2の赤外吸収層の赤外吸収スペクトルが、い
ずれも近赤外域の特定波長を吸収するスペクトルを有
し、かつこれらの吸収波長が互いに異なるものとするこ
とにより、情報の記録を行なう光源だけでなく、さらに
記録された情報の読み取り波長を限定することができ、
偽造や改竄をより一層困難なものとすることができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0040】[第1の実施例]図1は、本発明の第1の
実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断面
図である。
【0041】すなわち、図1に示すように、本実施例の
不可視情報記録シール1は、基材3の片面に、第1の赤
外吸収剤4、金属薄膜層5、第2の赤外吸収層6、隠蔽
層7、ホログラム形成層8、透過性薄膜層9、保護層1
0を順次積層すると共に、基材3の他面に、粘着層2を
設けた構成としている。
【0042】ここで、基材3としては、透明または不透
明のポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、これ以外にも、例えばポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リスチレン等の合成樹脂、天然樹脂、紙、合成紙、ガラ
ス等の材料を、単独あるいは複合体として使用すること
ができるが、後に読み取り原理でも述べるように、層構
成によって光学特性に限定がある。
【0043】また、第1の赤外吸収層4は、少なくとも
記録波長17の波長域で吸収を示すものである必要があ
る。
【0044】例えば、シアニン系、ピリリウム系、チオ
ピリリウム系、スクワリリウム系、クロコニウム系、ア
ズレニウム系等のポリメチン系色素、フタロシアニン系
色素、ナフタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系
色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ト
リフェニルメタン系色素、アルミニウム系色素、ジイン
モニウム系色素等の有機色素類の他、金属酸化物、金属
水酸化物、あるいは熱線吸収ガラスの粉末等の無機顔
料、およびカーボンブラックを使用することが可能であ
る。
【0045】さらに、金属薄膜層5は、光学的に下層の
第1の赤外吸収層4のスペクトルを隠蔽し、読み取り時
のコントラストを充分に得ることができる材料を使用す
ることが可能であり、記録感度面から融点は低めの方が
好ましい。
【0046】例えば、Sn,In,Bi,Pb,Al等
を、単独あるいは合金として使用することができる。
【0047】一方、第2の赤外吸収層6としては、少な
くとも後述する読み取り波長18の波長域で吸収を示
し、かつ他の波長域では吸収を示さないものが好適であ
る。
【0048】例えば、シアニン系、ピリリウム系、チオ
ピリリウム系、スクワリリウム系、クロコニウム系、ア
ズレニウム系等のポリメチン系色素、フタロシアニン系
色素、ナフタロシアニン系色素、ジチオール金属錯塩系
色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ト
リフェニルメタン系色素、アミニウム系色素、ジインモ
ニウム系色素等の有機色素類の他、金属酸化物、金属水
酸化物、あるいは熱線吸収ガラスの粉末等の無機顔料を
使用することが可能である。
【0049】また、隠蔽層7は、目視上でこの層以下の
変化を隠蔽するための層であり、少なくとも可視領域は
大量に吸収し、赤外域、特に記録波長および読み取り波
長では、光学的に透明もしくはほぼ透明とみなせるスペ
クトルを有している材料であることが必要である。
【0050】すなわち、この隠蔽層7は、赤外線センサ
ーで読み取り可能な程度の赤外線を透過すると共に、肉
眼で記録像の識別が不可能な程度に可視光線を吸収する
ものをいい、赤外線の透過率が可視光線の透過率より大
きいものはもちろん、赤外線センサーの感度が優れてい
ること等から、赤外線の透過率が可視光線の透過率より
小さいものであっても、肉眼で記録像が識別できず、赤
外線センサーで識別できるものであればよい。
【0051】代表的な材料としては、例えばゼラチン
膜、オラゾールブラックB−Vやオラゾール2RG等の
赤外線透過性の染料を含む塗料、黄インキ、紅インキ、
藍インキ等の赤外域に吸収のない印刷インキの混ぜ合わ
せにより作成した黒色、もしくはグレー系のインキを使
用することが可能であり、これらをグラビア印刷法、ス
クリーン印刷法、オフセット印刷法等の公知の塗工方法
により設けることができる。
【0052】さらに、ホログラム形成層8としては、エ
ンボス形成性が良好で、プレスムラが生じにくく、明る
い再生像が得られる材料であることが必要である。
【0053】例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウ
レタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)ア
クリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジ
ン(メタ)アクリレート等の熱硬化性樹脂、あるいはこ
れらの混合物、さらにはラジカル重合性不飽和基を有す
る熱成形性材料等を使用することが可能である。
【0054】また、上記以外にも、ホログラム画像を形
成可能な安定性を有する材料であれば使用することが可
能である。
【0055】さらに、透過性薄膜層9は、可視領域の光
線を透過する薄膜であり、ホログラム形成層8の屈折率
(n=1.3〜1.6)よりも高い屈折率を有する材料
であることが好ましい。
【0056】例えば、Sb2 3 (3.0=屈折率n:
以下同じ)、Fe2 3 (2.7)、TiO2 (2.
6)、CdS(2.6)、CeO2 (2.3)、ZnS
(2.3)、PbCl2 (2.3)、CdO(2.
2)、Sb2 3 (2.0)、WO3 (2.0)、Si
O(2.0)、Si2 3 (2.5)、In2
3 (2.0)、PbO(2.6)、Ta2 3 (2.
4)、ZnO(2.1)、ZrO2 (2.0)、Cd2
3 (1.8)、Al2 3 (1.6)等の無機材料を
使用することが可能である。
【0057】さらにまた、保護層10は、下層を保護す
る役割を果たすものである。
【0058】例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂等の従
来公知の合成樹脂、あるいは天然樹脂をベースに、耐性
を向上させるための材料として、イソシアネート系等の
硬化剤、ポリエチレンワックス、カルナバワックス等の
ワックス類、あるいは炭酸カルシウム、シリカ、アルミ
ナ等の体質顔料、シリコーン油脂類の油脂類等を、透明
性を損なわない範囲で添加して使用することが可能であ
る。
【0059】一方、粘着層2としては、例えばアクリル
系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソ
ブチル系等の粘着剤単独、もしくはアルキルメタクリレ
ート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン、
ビニルモノマー等の凝集成分、不飽和カルボン酸、ヒド
ロキシル基含有モノマー、アクリルニトリル等に代表さ
れる改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進
剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加して使用
することが可能である。
【0060】次に、以上のように構成した本実施例の不
可視情報記録シール1においては、粘着層2により、商
品等の物品に貼付した状態では、透明ホログラム画像が
見え、しかも下層に設けられた有色不透明の隠蔽層7に
よって、画像の視認性が向上する。また、下層には第2
の赤外吸収層6があり、この第2の赤外吸収層6が光熱
変換層の役目をして赤外線を熱に変換し、この熱によっ
て、その下層の金属薄膜層5が溶融して界面張力で玉状
になり、第1の赤外吸収層4が露出する。さらに、記録
情報の読み取りは、金属薄膜層5がある部分とない部分
との反射率の差を利用して行なうことができる。
【0061】次に、本実施例の可変情報記録シール1の
情報の記録方法、ならびに情報の読み取り方法の一例に
ついて説明する。
【0062】まず、可変情報記録シール1の情報の記録
は、図2に示すように、第2の赤外吸収層6の吸収波長
の光線(例えばレーザー光線)12を照射すると、第2
の赤外吸収層6の光熱変換作用によって発熱13が起こ
り、これによって金属薄膜層5が溶融するため、情報の
記録部14ができる。
【0063】また、情報の読み取りは、金属薄膜層5が
ある部分とない部分との反射率の差、すなわち記録部1
4と未記録部とのコントラストを利用して行なう。
【0064】図3(a),(b)は、第1の赤外吸収層
4と第2の赤外吸収層6の反射スペクトルの組み合わせ
の一例を示す概念図である。
【0065】図3(a)は、第1の赤外吸収層4の赤外
吸収スペクトルが、近赤外域全域を吸収するスペクトル
を有し、かつ第2の赤外吸収層6の赤外吸収スペクトル
が、近赤外域の特定波長を吸収するスペクトルを有する
場合の例を示している。
【0066】また、図3(b)は、第1の赤外吸収層4
および第2の赤外吸収層6の赤外吸収スペクトルが、い
ずれも近赤外域の特定波長を吸収するスペクトルを有
し、かつこれらの吸収波長が互いに異なる場合の例を示
している。
【0067】図3において、15は第1の赤外吸収層4
の反射スペクトル、16は第2の赤外吸収層6の反射ス
ペクトルである。
【0068】また、図3(a)の場合、記録波長17は
780nm前後とし、読み取り波長18は830nmか
ら長波長側を使用することが可能である。また、図3
(b)の場合には、記録波長17は780nm前後、読
み取り波長18は880nmを使用することが可能であ
る。
【0069】いずれの場合も、第2の赤外吸収層6の反
射スペクトル15が、読み取り波長18に影響を与えな
いことが必要である。なお、上記の具体的な波長は、各
材料の組み合わせによって決定されるものであり、何ら
これに限定されるものではない。
【0070】上述したように、本実施例の不可視情報記
録シール1は、粘着層2上に、少なくとも記録波長の近
赤外域で吸収を示す第1の赤外吸収層4、光学的に第1
の赤外吸収層4を隠蔽し、読み取り時のコントラストを
得るための金属薄膜層5、少なくとも読み取り波長の近
赤外域で吸収を示す第2の赤外吸収層6、少なくとも可
視領域の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の近
赤外域を透過する隠蔽層7、ホログラム画像を形成する
ためのホログラム形成層8、ホログラム形成層8とは異
なる屈折率を有し、可視領域の光を透過する透過性薄膜
層9、保護層10を順次積層し、かつ第1の赤外吸収層
4と粘着層2との間に、基材3を設けるようにしたもの
である。
【0071】従って、透明なホログラム画像を備え、偽
造防止を必要とする種々の商品に貼着されて、証明書と
しての機能を持つホログラムシールを、透明ホログラム
画像の審美性を損なうことなく、かつ透明ホログラム画
像と一体の形態で、不可視情報を記録することが可能と
なる。
【0072】[第2の実施例]図4は、本発明の第2の
実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断面
図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0073】すなわち、図4に示すように、本実施例の
不可視情報記録シール1は、図1における基材3を、第
1の赤外吸収層4と金属薄膜層5との間に設けた構成と
している。
【0074】ただし、ここで、基材3は、少なくとも読
み取り波長18の波長領域においては、透明もしくはほ
とんど透明とみなすことができる材料であることが必要
である。
【0075】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第1の実施例の場合と
同様の作用効果が得られ、また情報の記録方法、ならび
に情報の読み取り方法についても、前記第1の実施例の
場合と同様である。
【0076】[第3の実施例]図5は、本発明の第3の
実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断面
図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0077】すなわち、図5に示すように、本実施例の
不可視情報記録シール1は、図1における基材3を、第
2の赤外吸収層6と隠蔽層7との間に設けた構成として
いる。
【0078】ただし、ここで、基材3は、記録波長17
および読み取り波長18において、透明もしくはほとん
ど透明とみなすことができる材料であることが必要であ
る。
【0079】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第1の実施例の場合と
同様の作用効果が得られ、また情報の記録方法、ならび
に情報の読み取り方法についても、前記第1の実施例の
場合と同様である。
【0080】[第4の実施例]図6は、本発明の第4の
実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断面
図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0081】すなわち、図6に示すように、本実施例の
不可視情報記録シール1は、図1における基材3を、隠
蔽層7とホログラム形成層8との間に設けた構成として
いる。
【0082】ただし、ここで、基材3は、記録波長17
および読み取り波長18において、透明もしくはほとん
ど透明とみなすことができる材料であることが必要であ
る。
【0083】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第1の実施例の場合と
同様の作用効果が得られ、また情報の記録方法、ならび
に情報の読み取り方法についても、前記第1の実施例の
場合と同様である。
【0084】[第5の実施例]図7は、本発明の第5の
実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断面
図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0085】すなわち、図7に示すように、本実施例の
不可視情報記録シール1は、図1における第2の赤外吸
収層6と透過性薄膜層9との間に、隠蔽層7およびホロ
グラム形成層8に代えて、ホログラム形成隠蔽層(隠蔽
層7とホログラム形成層8が兼用のホログラム形成隠蔽
層)11を設けた構成としている。
【0086】ただし、ここで、ホログラム形成隠蔽層1
1は、上記隠蔽層7およびホログラム形成層8の両層の
特性を合わせ持つ層、すなわち少なくとも可視領域の光
は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透
過すると共に、ホログラム画像を形成するものであるこ
とが必要であり、上記の材料を互いに混合することによ
って形成することが可能である。
【0087】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第1の実施例の場合と
同様の作用効果が得られると共に、これに加えて、製造
工程を簡略化することができるという効果も得られる。
また、情報の記録方法、ならびに情報の読み取り方法に
ついても、前記第1の実施例の場合と同様である。
【0088】[第6の実施例]図8は、本発明の第6の
実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断面
図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0089】すなわち、図8に示すように、本実施例の
不可視情報記録シール1は、図1における保護層10を
省略すると共に、ホログラム形成層8と透過性薄膜層9
の積層位置を逆とし、このホログラム形成層8の上に、
基材3を設けた構成としている。
【0090】ただし、ここで、基材3は、記録波長17
および読み取り波長18において、透明もしくはほとん
ど透明とみなすことができる材料であることが必要であ
る。
【0091】また、ホログラム形成層8、透過性薄膜層
9の積層順序が図1の場合と異なっているのは製造上の
問題であり、図8の基材3上に積層していく場合には、
透過性薄膜層9を設ける直前または直後に、ホログラム
のエンボスを施すためである。
【0092】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第1の実施例の場合と
同様の作用効果が得られると共に、これに加えて、本シ
ール1が対象物に貼付された場合に、基材3が最上層と
なるため、極めて高い耐性を付与することができるとい
う効果も得られる。また、情報の記録方法、ならびに情
報の読み取り方法についても、前記第1の実施例の場合
と同様である。
【0093】次に、上記第1ないし第6の実施例に係る
不可視情報記録シール1の具体な例について説明する。
【0094】(具体例1)25μm厚の透明PETを基
材3とし、この基材3の表面上に、下記のような組成か
らなる第1の赤外吸収層4を、グラビア法で5μm塗工
して乾燥させた後に、真空蒸着法でスズを100nm蒸
着して、金属薄膜層5を設けた。
【0095】次に、この金属薄膜層5上に、下記のよう
な組成からなる第2の赤外吸収層6を、グラビア法で2
μm、下記のような組成からなる隠蔽層7を、グラビア
法で5μm、下記のような組成からなるホログラム形成
層8を、グラビア法で1μm塗工した後に、ホログラム
画像をエンボスし、さらに透過性薄膜層9として、Zn
Sを真空蒸着法で100nm設け、この透過性薄膜層9
上に、下記のような組成からなる保護層10を、グラビ
ア法で2μm設けた。
【0096】次に、上記基材3の裏面上に、粘着層2
を、グラビア法で15μm設け、離型紙に移して不可視
情報記録シール1を得た。
【0097】 [第1の赤外吸収層4の組成] カーボンブラック 2部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 エスレックA(積水化学工業(株)製) 16部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 2部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 80部 [第2の赤外吸収層6の組成] 赤外線吸収染料 NK2911((株)日本感光色素研究所製) 3部 (吸収ピークは830nm付近) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 エスレックA(積水化学工業(株)製) 15部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 2部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 80部 [隠蔽層7の組成] グラビア系混色スミインキ 68部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 2部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 30部 [ホログラム形成層8の組成] ウレタン樹脂 20部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 2部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 78部 [保護層10の組成] アクリルポリオール樹脂 BR−56(三菱レイヨン(株)製)16部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 4部 ポリエチレンワックス 添加剤100(東洋インキ製造(株)製) 10部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 80部 (具体例2)上記具体例1の隠蔽層7およびホログラム
形成層8の代わりに、下記のような組成からなるホログ
ラム形成隠蔽層11を、グラビア法で6μm厚で設けた
後、乾燥してホログラム画像をエンボスした。なお、そ
の他の工程については、具体例1の場合と同様にして、
不可視情報記録シール1を得た。
【0098】 [ホログラム形成隠蔽層11の組成] ウレタン樹脂 20部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 2部 赤外線吸収染料 NK2911((株)日本感光色素研究所製) 3部 (吸収ピークは830nm付近) グラビア系混色スミインキ 25部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 50部 (具体例3)25μm厚の透明PETを基材3とし、こ
の基材3表面上に、上記のような組成からなるホログラ
ム形成層8を、グラビア法で1μm塗工した後、透過性
薄膜層9として、ZnSを真空蒸着法で100nm設
け、上記のような組成からなる隠蔽層7を、グラビア法
で5μm、上記のような組成からなる第2の赤外吸収層
6を、グラビア法で2μm、真空蒸着法でスズを100
nm蒸着して、金属薄膜層5を設けた後、上記のような
組成からなる第1の赤外吸収層4を、グラビア法で5μ
m塗工した。
【0099】次に、上記基材3の裏面に、粘着層2を、
グラビア法で15μm設け、離型紙に移して不可視情報
記録シール1を得た。
【0100】以上の具体例1、具体例2、具体例3の試
作品に、発振波長830nmの半導体レーザーを、ビー
ム径200μm、照射強度200mW、スキャンスピー
ド10cm/分の条件で照射して、バーコードを記録し
た。
【0101】その結果、目視上は透明ホログラム画像が
全く変化しなかったが、記録部と非記録部の940nm
におけるコントラストは図9に示すようになり、読み取
りは十分に行なえることがわかった。
【0102】[第7の実施例]図10は、本発明の第7
の実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断
面図であり、図1ないし図8と同一要素には同一符号を
付して示している。
【0103】すなわち、図10に示すように、本実施例
の不可視情報記録シール1は、基材3の片面に、第1の
赤外吸収剤4、金属薄膜層5、第2の赤外吸収層6、隠
蔽層7、多層蒸着層20、保護層10を順次積層すると
共に、基材3の他面に、粘着層2を設けた構成としてい
る。
【0104】ここで、基材3、第1の赤外吸収層4、金
属薄膜層5、第2の赤外吸収層6、隠蔽層7、保護層1
0としては、前記第1ないし第6の実施例の場合と同様
の材料を使用することが可能である。
【0105】また、多層蒸着層20としては、目視角度
によって色が順次変化することが必要であり、屈折率が
互いに異なる複数のセラミック材料を積層、一例とし
て、屈折率がおおよそ2以上の高屈折率材料と、屈折率
が1.5程度の低屈折率材料とを、所定の膜厚で積層
(好ましくは、屈折率が“高”“低”“高”“低”
“高”の順に5層)してなるものである。
【0106】高屈折率材料としては、例えばSb2 3
(3.0=屈折率n:以下同じ)、Fe2 3 (2.
7)、TiO2 (2.6)、CdS(2.6)、CeO
2 (2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2 (2.
3)、CdO(2.2)、Sb23 (2.0)、WO
3 (2.0)、SiO(2.0)、Si2 3 (2.
5)、In2 3 (2.0)、PbO(2.6)、Ta
2 3 (2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2 (2.
0)等を使用することが可能である。
【0107】また、低屈折率材料としては、例えばMg
O(1.6)、SiO2 (1.5)、MgF2 (1.
4)、CeF3 (1.6)、CaF2 (1.3〜1.
4)、AlF3 (1.6)、Al2 3 (1.6)等を
使用することが可能である。
【0108】そして、これらの高屈折率材料の中から少
なくとも一種、低屈折率材料の中から少なくとも一種を
それぞれ選択し、所定の厚さで交互に積層させることに
より、特定の波長の可視光に対する吸収あるいは反射を
示すものを得ることができる。
【0109】次に、以上のように構成した本実施例の不
可視情報記録シール1においては、粘着層2により、商
品等の物品に貼付した状態では、多層蒸着層20の、し
かも下層に設けられた有色不透明の隠蔽層7によって、
画像の視認性が向上する。また、下層には第2の赤外吸
収層6があり、この第2の赤外吸収層6が光熱変換層の
役目をして赤外線を熱に変換し、この熱によって、その
下層の金属薄膜層5が溶融して界面張力で玉状になり、
第1の赤外吸収層4が露出する。さらに、記録情報の読
み取りは、金属薄膜層5がある部分とない部分との反射
率の差を利用して行なうことができる。
【0110】次に、本実施例の可変情報記録シール1の
情報の記録方法、ならびに情報の読み取り方法の一例に
ついて説明する。
【0111】まず、可変情報記録シール1の情報の記録
は、図11に示すように、第2の赤外吸収層6の吸収波
長の光線(例えばレーザー光線)12を照射すると、第
2の赤外吸収層6の光熱変換作用によって発熱13が起
こり、これによって金属薄膜層5が溶融するため、情報
の記録部14ができる。
【0112】また、情報の読み取りは、金属薄膜層5が
ある部分とない部分との反射率の差、すなわち記録部1
4と未記録部とのコントラストを利用して行なう。
【0113】なお、第1の赤外吸収層4と第2の赤外吸
収層6の反射スペクトルの組み合わせについては、前記
図3(a),(b)に一例を示したものと同様である。
【0114】上述したように、本実施例の不可視情報記
録シール1は、粘着層2上に、少なくとも記録波長の近
赤外域で吸収を示す第1の赤外吸収層4、光学的に第1
の赤外吸収層4を隠蔽し、読み取り時のコントラストを
得るための金属薄膜層5、少なくとも読み取り波長の近
赤外域で吸収を示す第2の赤外吸収層6、少なくとも可
視領域の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の近
赤外域を透過する隠蔽層7、屈折率が互いに異なる複数
の材料を積層してなり、目視角度によって色が変化する
多層蒸着層20を順次積層し、かつ第1の赤外吸収層4
と粘着層2との間に、基材3を設けるようにしたもので
ある。
【0115】従って、目視角度によって色が変化する多
層蒸着層20を備え、偽造防止を必要とする種々の商品
等の物品に貼着されて、証明書としての機能を持つ偽造
防止効果を有する多層蒸着積層体シールを、多層蒸着層
20の審美性を損なうことなく、かつ多層蒸着層20と
一体の形態で、不可視情報を記録することが可能とな
る。
【0116】[第8の実施例]図12は、本発明の第8
の実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断
面図であり、図10と同一要素には同一符号を付してそ
の説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べ
る。
【0117】すなわち、図12に示すように、本実施例
の不可視情報記録シール1は、図10における基材3
を、第1の赤外吸収層4と金属薄膜層5との間に設けた
構成としている。
【0118】ただし、ここで、基材3は、少なくとも読
み取り波長18の波長領域においては、透明もしくはほ
とんど透明とみなすことができる材料であることが必要
である。
【0119】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第7の実施例の場合と
同様の作用効果が得られ、また情報の記録方法、ならび
に情報の読み取り方法についても、前記第7の実施例の
場合と同様である。
【0120】[第9の実施例]図13は、本発明の第9
の実施例による不可視情報記録シールの構成例を示す断
面図であり、図10と同一要素には同一符号を付してそ
の説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べ
る。
【0121】すなわち、図13に示すように、本実施例
の不可視情報記録シール1は、図10における基材3
を、第2の赤外吸収層6と隠蔽層7との間に設けた構成
としている。
【0122】ただし、ここで、基材3は、記録波長17
および読み取り波長18において、透明もしくはほとん
ど透明とみなすことができる材料であることが必要であ
る。
【0123】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第7の実施例の場合と
同様の作用効果が得られ、また情報の記録方法、ならび
に情報の読み取り方法についても、前記第7の実施例の
場合と同様である。
【0124】[第10の実施例]図14は、本発明の第
10の実施例による不可視情報記録シールの構成例を示
す断面図であり、図10と同一要素には同一符号を付し
てその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ
述べる。
【0125】すなわち、図14に示すように、本実施例
の不可視情報記録シール1は、図10における基材3
を、隠蔽層7と多層蒸着層20との間に設けた構成とし
ている。
【0126】ただし、ここで、基材3は、記録波長17
および読み取り波長18において、透明もしくはほとん
ど透明とみなすことができる材料であることが必要であ
る。
【0127】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第7の実施例の場合と
同様の作用効果が得られ、また情報の記録方法、ならび
に情報の読み取り方法についても、前記第7の実施例の
場合と同様である。
【0128】[第11の実施例]図15は、本発明の第
11の実施例による不可視情報記録シールの構成例を示
す断面図であり、図10と同一要素には同一符号を付し
てその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ
述べる。
【0129】すなわち、図15に示すように、本実施例
の不可視情報記録シール1は、図10における第2の赤
外吸収層6と多層蒸着層20との間に、隠蔽層7に代え
て、ホログラム形成隠蔽層(隠蔽層7とホログラム形成
層が兼用のホログラム形成隠蔽層)21を設けた構成と
している。
【0130】ただし、ここで、ホログラム形成隠蔽層2
1は、前記ホログラム形成隠蔽層11と同様の特性を持
つ層、すなわち少なくとも可視領域の光は吸収し、記録
波長および読み取り波長の近赤外域を透過すると共に、
ホログラム画像を形成するものであることが必要であ
り、上記の材料を互いに混合することによって形成する
ことが可能である。
【0131】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第7の実施例の場合と
同様の作用効果が得られると共に、これに加えて、製造
工程を簡略化することができるという効果も得られる。
また、情報の記録方法、ならびに情報の読み取り方法に
ついても、前記第7の実施例の場合と同様である。
【0132】[第12の実施例]図16は、本発明の第
12の実施例による不可視情報記録シールの構成例を示
す断面図であり、図10と同一要素には同一符号を付し
てその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ
述べる。
【0133】すなわち、図16に示すように、本実施例
の不可視情報記録シール1は、図10における保護層1
0を省略し、多層蒸着層20の上に、基材3を設けた構
成としている。
【0134】ただし、ここで、基材3は、記録波長17
および読み取り波長18において、透明もしくはほとん
ど透明とみなすことができる材料であることが必要であ
る。
【0135】以上のように構成した本実施例の不可視情
報記録シール1においても、前記第7の実施例の場合と
同様の作用効果が得られると共に、これに加えて、本シ
ール1が対象物に貼付された場合に、基材3が最上層と
なるため、極めて高い耐性を付与することができるとい
う効果も得られる。また、情報の記録方法、ならびに情
報の読み取り方法についても、前記第7の実施例の場合
と同様である。
【0136】次に、上記第7ないし第12の実施例に係
る不可視情報記録シール1の具体な例について説明す
る。
【0137】(具体例4)25μm厚の透明PETを基
材3とし、この基材3の表面上に、下記のような組成か
らなる第1の赤外吸収層4を、グラビア法で5μm塗工
して乾燥させた後に、真空蒸着法でスズを100nm蒸
着して、金属薄膜層5を形成した。
【0138】次に、下記のような組成からなる第2の赤
外吸収層6を、グラビア法で2μm、下記のような組成
からなる隠蔽層7を、グラビア法で5μm、下記のよう
な組成からなる多層蒸着層20を、真空蒸着法で500
nm(5層)を順次設け、さらにこの多層蒸着層20上
に、下記のような組成からなる保護層10を、グラビア
法で2μm設けた。
【0139】次に、上記基材3の裏面上に、粘着層2
を、グラビア法で15μm設け、離型紙に移して不可視
情報記録シール1を得た。
【0140】 [第1の赤外吸収層4の組成] カーボンブラック 2部 塩化ビニル一酢酸ビニル共重合樹脂 エスレックA(積水化学工業(株)製) 16部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 2部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 80部 [第2の赤外吸収層6の組成] 赤外線吸収染料 NK2911((株)日本感光色素研究所製) 3部 (吸収ピークは830nm付近) 塩化ビニル一酢酸ビニル共重合樹脂 エスレックA(積水化学工業(株)製) 15部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 2部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 80部 [隠蔽層7の組成] グラビア系混色スミインキ 68部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 2部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 30部 [多層蒸着層20の組成] 高屈折率層 TiO2 100nm 低屈折率層 SiO2 100nm 高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層の5層構成 [保護層10の組成] アクリル樹脂 BR−56(三菱レイヨン(株)製) 16部 イソシアネート系硬化剤 デュラネート24A100(旭化成工業(株)製) 4部 ポリエチレンワックス 添加剤100(東洋インキ製造(株)製) 10部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン) 80部 (具体例5)25μm厚の透明PETを基材3とし、こ
の基材3の表面上に、上記のような組成からなる多層蒸
着層20を、真空蒸着法で500nm(5層)設け、上
記のような組成からなる隠蔽層7を、グラビア法で5μ
m、上記のような組成からなる第2の赤外吸収層6を、
グラビア法で2μm、その上に真空蒸着法で、スズを1
00nm蒸着した後に、上記のような組成からなる第1
の赤外吸収層4を、グラビア法で5μm塗工した。
【0141】次に、上記基材3の裏面上に、粘着層2
を、グラビア法で15μm設け、離型紙に移して不可視
情報記録シール1を得た。
【0142】以上の具体例4、具体例5の試作品に、発
振波長830nmの半導体レーザーを、ビーム径200
μm、照射強度200mW、スキャンスピード10cm
/分の条件で照射して、バーコードを記録した。
【0143】その結果、目視上は多層蒸着層20が見る
角度によって色が変化し、バーコードの存在を効果的に
隠匿していた。また、記録部と非記録部の940nmに
おけるコントラストは図17に示すようになり、読み取
りは十分に行なえることがわかった。
【0144】なお、図17において、PCSは、入射反
射光の比(PRINT CONTROL SIGNAL
の略)である。
【0145】尚、本発明は上記各実施例に限定されるも
のではなく、次のようにしても同様に実施できるもので
ある。
【0146】(a)上記図4、図5、図6の各実施例に
おいて、図1と図7の関係のように、隠蔽層7とホログ
ラム形成層8が兼用のホログラム形成隠蔽層11の一層
になっていても差し支えないことは言うまでもない。
【0147】(b)上記図12、図13、図14の各実
施例において、図10と図5の関係のように、隠蔽層7
とホログラム形成層8が兼用のホログラム形成隠蔽層2
1の一層になっていても差し支えないことは言うまでも
ない。
【0148】(c)上記各実施例では、第1の赤外吸収
層4の赤外吸収スペクトルは、近赤外域全域を吸収する
スペクトルを有し、かつ第2の赤外吸収層6の赤外吸収
スペクトルは、近赤外域の特定波長を吸収するスペクト
ルを有する場合について説明したが、これに限らず、第
1の赤外吸収層4および第2の赤外吸収層6の赤外吸収
スペクトルは、いずれも近赤外域の特定波長を吸収する
スペクトルを有し、かつこれらの吸収波長が互いに異な
るものとするようにしてもよい。
【0149】(d)上記各実施例において、保護層10
は本発明に必要不可欠な要素ではなく、必要に応じて設
ければよいものである。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項3に係る発明によれば、粘着層上に、少なくとも記
録波長の近赤外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学
的に第1の赤外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラ
ストを得るための金属薄膜層、少なくとも読み取り波長
の近赤外域で吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも
可視領域の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の
近赤外域を透過する隠蔽層、ホログラム画像を形成する
ためのホログラム形成層(またはホログラム形成隠蔽
層)、当該ホログラム形成層(またはホログラム形成隠
蔽層)とは異なる屈折率を有し、可視領域の光を透過す
る透過性薄膜層を順次積層し、かつ第1の赤外吸収層と
粘着層との間、第1の赤外吸収層と金属薄膜層との間、
第2の赤外吸収層と隠蔽層(またはホログラム形成隠蔽
層)との間、もしくは隠蔽層とホログラム形成層との間
のいずれかの層間に、基材を設けるようにしたので、透
明なホログラム画像を備え、偽造防止を必要とする種々
の商品等の物品に貼着されて、証明書としての機能を持
つ偽造防止効果を有し、透明ホログラム画像の審美性を
損なうことなく、かつ透明ホログラム画像と一体の形態
で、不可視情報を記録することが可能な不可視情報記録
シールが提供できる。
【0151】さらに、請求項4ないし請求項6に係る発
明によれば、粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤外
域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に第1の赤外
吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得るため
の金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外域で吸
収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域の光は
吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域を透過
する隠蔽層(またはホログラム形成隠蔽層)、屈折率が
互いに異なる複数の材料を積層してなり、目視角度によ
って色が変化する多層蒸着層を順次積層し、かつ第1の
赤外吸収層と粘着層との間、第1の赤外吸収層と金属薄
膜層との間、第2の赤外吸収層と隠蔽層(またはホログ
ラム形成隠蔽層)との間、もしくは隠蔽層(またはホロ
グラム形成隠蔽層)と多層蒸着層との間のいずれかの層
間に、基材を設けるようにしたので、目視角度によって
色が変化する多層蒸着積層体を備え、偽造防止を必要と
する種々の商品等の物品に貼着されて、証明書としての
機能を持つ偽造防止効果を有し、多層蒸着積層体の審美
性を損なうことなく、かつ多層蒸着積層体と一体の形態
で、不可視情報を記録することが可能な不可視情報記録
シールが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による不可視情報記録シールの第1の実
施例を示す断面図。
【図2】同第1の実施例における不可視情報記録シール
の情報の記録方法の一例を説明するための断面図。
【図3】第1の赤外吸収層と第2の赤外吸収層の吸収ス
ペクトルの組み合わせの一例を示す概念図。
【図4】本発明による不可視情報記録シールの第2の実
施例を示す断面図。
【図5】本発明による不可視情報記録シールの第3の実
施例を示す断面図。
【図6】本発明による不可視情報記録シールの第4の実
施例を示す断面図。
【図7】本発明による不可視情報記録シールの第5の実
施例を示す断面図。
【図8】本発明による不可視情報記録シールの第6の実
施例を示す断面図。
【図9】上記各実施例による記録部と非記録部のコント
ラストの一例を示す図。
【図10】本発明による不可視情報記録シールの第7の
実施例を示す断面図。
【図11】同第7の実施例における不可視情報記録シー
ルの情報の記録方法の一例を説明するための断面図。
【図12】本発明による不可視情報記録シールの第8の
実施例を示す断面図。
【図13】本発明による不可視情報記録シールの第9の
実施例を示す断面図。
【図14】本発明による不可視情報記録シールの第10
の実施例を示す断面図。
【図15】本発明による不可視情報記録シールの第11
の実施例を示す断面図。
【図16】本発明による不可視情報記録シールの第12
の実施例を示す断面図。
【図17】上記各実施例による記録部と非記録部のコン
トラストの一例を示す図。
【符号の説明】
1…不可視情報記録シール、2…粘着層、3…基材、4
…第1の赤外吸収層、5…金属薄膜層、6…第2の赤外
吸収層、7…隠蔽層、8…ホログラム形成層、9…透過
性薄膜層、10…保護層、11…ホログラム形成隠蔽
層、12…第2の赤外吸収層の吸収波長の光線、13…
発熱、14…記録部、15…第1の赤外吸収層の反射ス
ペクトル、16…第2の赤外吸収層の反射スペクトル、
17…記録波長、18…読み取り波長、20…多層蒸着
層、21…ホログラム形成隠蔽層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇山 晴夫 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤
    外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に前記第1
    の赤外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得
    るための金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外
    域で吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域
    の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域
    を透過する隠蔽層、ホログラム画像を形成するためのホ
    ログラム形成層、当該ホログラム形成層とは異なる屈折
    率を有し、可視領域の光を透過する透過性薄膜層を順次
    積層し、かつ前記第1の赤外吸収層と粘着層との間、前
    記第1の赤外吸収層と金属薄膜層との間、前記第2の赤
    外吸収層と隠蔽層との間、もしくは前記隠蔽層とホログ
    ラム形成層との間のいずれかの層間に、基材を設けて成
    ることを特徴とする不可視情報記録シール。
  2. 【請求項2】 粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤
    外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に前記第1
    の赤外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得
    るための金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外
    域で吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域
    の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域
    を透過すると共に、ホログラム画像を形成するためのホ
    ログラム形成隠蔽層、当該ホログラム形成隠蔽層とは異
    なる屈折率を有し、可視領域の光を透過する透過性薄膜
    層を順次積層し、かつ前記第1の赤外吸収層と粘着層と
    の間、前記第1の赤外吸収層と金属薄膜層との間、もし
    くは前記第2の赤外吸収層とホログラム形成隠蔽層との
    間のいずれかの層間に、基材を設けて成ることを特徴と
    する不可視情報記録シール。
  3. 【請求項3】 粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤
    外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に前記第1
    の赤外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得
    るための金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外
    域で吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域
    の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域
    を透過する隠蔽層、可視領域の光を透過する透過性薄膜
    層、当該透過性薄膜層とは異なる屈折率を有し、ホログ
    ラム画像を形成するためのホログラム形成層、基材を、
    順次積層して成ることを特徴とする不可視情報記録シー
    ル。
  4. 【請求項4】 粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤
    外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に前記第1
    の赤外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得
    るための金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外
    域で吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域
    の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域
    を透過する隠蔽層、屈折率が互いに異なる複数の材料を
    積層してなり、目視角度によって色が変化する多層蒸着
    層を順次積層し、かつ前記第1の赤外吸収層と粘着層と
    の間、前記第1の赤外吸収層と金属薄膜層との間、前記
    第2の赤外吸収層と隠蔽層との間、もしくは前記隠蔽層
    と多層蒸着層との間のいずれかの層間に、基材を設けて
    成ることを特徴とする不可視情報記録シール。
  5. 【請求項5】 粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤
    外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に前記第1
    の赤外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得
    るための金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外
    域で吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域
    の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域
    を透過すると共に、ホログラム画像を形成するためのホ
    ログラム形成隠蔽層、屈折率が互いに異なる複数の材料
    を積層してなり、目視角度によって色が変化する多層蒸
    着層を順次積層し、かつ前記第1の赤外吸収層と粘着層
    との間、前記第1の赤外吸収層と金属薄膜層との間、前
    記第2の赤外吸収層とホログラム形成隠蔽層との間、も
    しくは前記ホログラム形成隠蔽層と多層蒸着層との間の
    いずれかの層間に、基材を設けて成ることを特徴とする
    不可視情報記録シール。
  6. 【請求項6】 粘着層上に、少なくとも記録波長の近赤
    外域で吸収を示す第1の赤外吸収層、光学的に前記第1
    の赤外吸収層を隠蔽し、読み取り時のコントラストを得
    るための金属薄膜層、少なくとも読み取り波長の近赤外
    域で吸収を示す第2の赤外吸収層、少なくとも可視領域
    の光は吸収し、記録波長および読み取り波長の近赤外域
    を透過する隠蔽層、屈折率が互いに異なる複数の材料を
    積層してなり、目視角度によって色が変化する多層蒸着
    層、基材を、順次積層して成ることを特徴とする不可視
    情報記録シール。
  7. 【請求項7】 前記第1の赤外吸収層の赤外吸収スペク
    トルは、近赤外域全域を吸収するスペクトルを有し、か
    つ前記第2の赤外吸収層の赤外吸収スペクトルは、近赤
    外域の特定波長を吸収するスペクトルを有することを特
    徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載
    の不可視情報記録シール。
  8. 【請求項8】 前記第1の赤外吸収層および第2の赤外
    吸収層の赤外吸収スペクトルは、いずれも近赤外域の特
    定波長を吸収するスペクトルを有し、かつこれらの吸収
    波長が互いに異なることを特徴とする請求項1ないし請
    求項6に記載の不可視情報記録シール。
  9. 【請求項9】 前記多層蒸着層は、屈折率が互いに異な
    る複数のセラミック材料を積層してなるものであること
    を特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に
    記載の不可視情報記録シール。
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