JPH0799906A - 濃縮ファフィア色素油を含有する麺類 - Google Patents

濃縮ファフィア色素油を含有する麺類

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JPH0799906A
JPH0799906A JP5277287A JP27728793A JPH0799906A JP H0799906 A JPH0799906 A JP H0799906A JP 5277287 A JP5277287 A JP 5277287A JP 27728793 A JP27728793 A JP 27728793A JP H0799906 A JPH0799906 A JP H0799906A
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noodles
oil
concentrated
phaffia
dye
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JP5277287A
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Kiyonori Nakai
清典 中井
Takeshi Koriyama
剛 郡山
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FOOD DESIGN GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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FOOD DESIGN GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濃縮ファフィア色素油を含有する麺類の提
供。 【構成】 アスタキサンチン産生ファフィア酵母からの
食品用濃縮天然赤色色素油であるアスタキサンチンを主
要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有する麺類。麺
類としては、生麺類、茹麺類、冷凍麺類、乾麺類、即席
麺類、パスタ類などがある。アスタキサンチンを主要成
分とする濃縮ファフィア色素油は好ましくは乳化物の着
色剤として含有される。 【効果】 色調、耐光性、着色性に優れるだけでなく、
抗酸化活性、抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活性を
有するアスタキサンチンを主要成分とするファフィア色
素を含有する麺類を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アスタキサンチンを
主要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有する麺類に
関するものである。詳しくは、この発明は、着色剤とし
てアスタキサンチンを主要成分とする濃縮ファフィア色
素油を含有する生麺類、茹麺類、冷凍麺類、乾麺類、即
席麺類、パスタ類などの麺類に関するものである。この
発明の「アスタキサンチンを主要成分とする濃縮ファフ
ィア色素油」とは「アスタキサンチン産生ファフィア酵
母からの食品用濃縮天然赤色色素油」を意味する。
【0002】
【従来の技術】食用色素には従来からさまざまな着色剤
が使用されている。合成着色料としては赤色、黄色、緑
色、青色タール色素とそのアルミニウムキレートおよび
酸化鉄や二酸化チタン、銅クロロフィリンナトリウム、
鉄クロロフィリンナトリウム、水溶性アナトー、β−カ
ロテンがその使用目的に応じ認可されている。これらの
着色料は消費者需要の多様化や着色の簡便性から広く利
用されているが、近年では、これら合成着色料は消費者
の健康や安全性への関心の高まりとともに天然色素へ代
わりつつある。
【0003】この様な天然色素としてはこれまでにβ−
カロチン、パプリカ色素、アナトー色素、紅麹色素、コ
チニール、紅花色素等が市場にあり、よく利用されてい
るが、原料のほとんどは輸入されており、供給、価格等
に不安定なものが多く、また、耐光性、耐熱性、色素濃
度、臭い等で満足の行くものがなく、食品業界では新た
な食用色素の開発が望まれている。
【0004】また、天然色素は、動植物といった天然物
から単に抽出、搾汁、濃縮、乾燥、粉砕等の操作で得ら
れたものが主体となっている。天然物から得られるとい
うことで抽出油は混在する成分が多いのも普通のことで
ある。市販の天然色素の純色素濃度としては数パーセン
トのものが多く、用途はその濃度の点から制限されるこ
とがある。天然色素の高度濃縮は色素開発の大きな課題
となっている。
【0005】天然色素としてアスタキサンチンを産生す
るファフィア酵母が知られている。ファフィア酵母が生
産する赤色色素はパプリカよりも赤く特異的な色調を有
するが、この天然色素も濃度をさらに上げる必要があ
る。また、ファフィア酵母から色素を抽出するには粉砕
処理を行った酵母から溶剤により行うが、この抽出に用
いる溶剤にはアセトンやエタノールといった極性の高い
溶剤が適している。これらの溶剤は食品添加物の抽出に
用いることができなかったり非常に高価であったり、ま
た高極性溶剤を用いることにより抽出色素油の夾雑物質
が増加したりする欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ファフィア色素は橙色
から赤橙色の鮮やかな色調を有し、耐光性の点でも同系
色のパプリカ色素よりすぐれていることから、広く食品
への応用が期待できる。この発明は生麺類、茹麺類、冷
凍麺類、乾麺類、即席麺類、パスタ類などの麺類に対
し、安定で特徴的な色調の赤色色素であるファフィア色
素の利用を目的とする。すなわち、この発明は濃縮ファ
フィア色素油を含有する麺類の提供を目的とする。
【0007】詳しくは、この発明は、天然色素の特徴を
損なうことなく、これまで天然色素の欠点となっていた
着色性や安定性、色素濃度に優れた、新しいアスタキサ
ンチンを主要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有す
る生麺類、茹麺類、冷凍麺類、乾麺類、即席麺類、パス
タ類などの麺類の提供を目的とする。麺類は具体的に
は、うどん、そば、冷や麦、そうめん、中華そば、スパ
ゲティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ、ワンタン等が
あげられる。さらに詳しくは、この発明は、色調、耐光
性、着色性、耐熱性に優れるだけでなく、抗酸化活性、
抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活性を有する新たな
機能性食用天然色素としてのアスタキサンチンを高濃度
で含有する濃縮ファフィア色素油の麺類への利用を目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の麺類が含有す
るアスタキサンチンを主要成分とする濃縮ファフィア色
素油は、アスタキサンチン産生ファフィア酵母からの食
品用濃縮天然赤色色素油である。このアスタキサンチン
産生ファフィア酵母からの食品用濃縮天然赤色色素油
は、アスタキサンチン生産酵母であるファフィア ロド
チーマ(Phaffia rhodozyma)に含ま
れる色素を抽出した粗抽出色素油から得られた濃縮天然
赤色色素油である。
【0009】上記濃縮天然赤色色素油中のアスタキサン
チンを主要成分とするファフィア色素は、色調、耐光
性、着色性、耐熱性に優れるだけでなく、抗酸化活性、
抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活性を有する新たな
機能性食用天然色素として使用される。粗抽出色素油か
ら得られた食品用濃縮天然赤色色素油は、好ましくは濃
縮色素油の乳化物の形で使用することができる。場合に
よっては、食品用濃縮天然赤色色素油そのままの形で、
或いは粉末の形で使用することができる。これらの色素
油は好ましくは着色剤として使用される。
【0010】ファフィア色素の主要成分であるアスタキ
サンチンはβ−カロテン等のカロテノイド系色素の中で
も最も赤色色調が高く、熱、光、pH等にたいする安定
性も比較的良好である上、カニ、エビ、サケ等の生産食
品から日常的に摂取していることから安全性の点から問
題ない。さらに、アスタキサンチンは抗酸化性、免疫賦
活等の有用機能を有していることも知られ、天然色素と
してもこれまでにない新しい機能性色素として注目され
ている。
【0011】アスタキサンチンを主要成分とする濃縮フ
ァフィア色素油である上記食品用濃縮天然赤色色素油の
製造方法の概略は、以下の通りである。赤色色素を生産
するファフィア酵母を特定の抽出溶剤を用いて抽出処理
し、次いで得た粗抽出色素油を濃縮処理し、必要により
さらに脱臭処理することにより食品用濃縮天然赤色色素
油を製造する。上記特定の抽出溶剤としてヘキサンとエ
タノールの混液が使用される。すなわち上記の先行技術
の課題を解決するために、抽出溶剤としてヘキサンとエ
タノールの混合溶剤を採用しそれを用いてファフィア酵
母よりアスタキサンチンを抽出し、各種濃縮処理を行
い、必要によりさらに脱臭処理する。
【0012】上記濃縮処理手段としては、好ましくは低
温分別処理、ケン化処理、又は低温分別処理とケン化処
理の併用が採用される。低温分別処理とケン化処理を併
用するとき、低温分別処理をし、次いでケン化処理をす
る方法、低温分別処理とケン化処理を同時にする方法が
採用される。上記ケン化処理としては、好ましくは脂肪
酸のアルカリセッケン形成法を応用したもの又は脂肪酸
の金属セッケン形成法を応用したものが採用される。上
記脱臭処理としては、好ましくは水蒸気蒸留が採用され
る。
【0013】原料酵母として用いる赤色色素を生産する
ファフィア酵母は、微生物学分類上不完全菌類に属し赤
色色素を生産する酵母、例えば、ファフィア ロドチー
マ(Phaffia rhodozyma)である。抽
出に用いるファフィア酵母は培養後、遠心分離やろ過に
より集めよく水洗したのち、そのままあるいは乾燥後、
ボールミル、凍結粉砕、圧縮粉砕、超音波処理等の物理
的破砕処理かセルラーゼ等を用いた酵素的処理により前
処理することが望ましい。湿菌体から有機溶剤を用いて
色素油を抽出した場合、夾雑物質の混入が著しく、ま
た、抽出率も一様に低下することから工業的には乾燥菌
体から溶剤抽出する方が一般的である。
【0014】ファフィア酵母から色素を抽出するときに
用いる抽出溶剤としてはアセトン、酢酸エチル、ヘキサ
ン、エタノール等が考えられる。しかしながら、抽出率
の良いアセトンや酢酸エチルは、食品添加物の抽出には
用いることができない。また、ヘキサンは価格が低い反
面抽出率の点で問題があり、エタノールは抽出率はよい
ものの抽出コストの増加や高極性成分の増加による濃縮
コストの増加の問題がある。
【0015】これらの問題を解決する手段として、ヘキ
サンの短所をエタノールを混合することにより改善し安
価で優れた食品用濃縮天然赤色色素油用の抽出溶剤とす
る。ファフィア酵母からアスタキサンチン色素を抽出す
るに当たり破砕したファフィア酵母からヘキサンおよび
エタノールの混合比率を適宜選ぶことによりアスタキサ
ンチンをより効率よく抽出することができる。
【0016】ヘキサンおよびエタノールの混合比率はエ
タノールの割合が高くなるほど抽出率は向上する。しか
しながら、エタノールの割合が増加すれば抽出コストの
増加と高極性物質が増加し、その後の濃縮操作が煩雑と
なる。したがって、混合比率としては色素の抽出率、抽
出コスト、ヘキサンとエタノールの共沸組成等から判断
した。ヘキサン:エタノールは90〜50:10〜5
0、好ましくは85〜80:15〜20の割合で使用さ
れる。抽出方法は抽出溶剤と乾燥菌体を撹拌混合した処
理液をポンプにて撹拌しながら圧縮粉砕機へ送液するこ
とによりよりスムーズに処理を行うことができる。破砕
処理は抽出に応じて複数回行うことが望ましい。
【0017】ファフィア酵母における脂質組成で主要と
なるのはトリグリセリドと遊離脂肪酸で抽出色素油の色
素濃度を上げるためにはこれら主要成分の効率的な除去
が必要となる。主要成分の1つであるトリグリセリドは
低温分別により効率的に除ける。低温分別は−60℃か
ら10℃、好ましくは−50℃でヘキサン、アセトン、
エタノール等の有機溶剤を用いて行うことができ、アス
タキサンチン類を濃縮精製することができる。例えば、
原料酵母としてトリグリセリドを特に多く含むものを使
用する場合、低温分別が優れた濃縮処理であるといえ
る。
【0018】主要成分の1つである遊離脂肪酸はケン化
処理により効率的に除ける。ケン化処理は水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ
を添加することにより生成する脂肪酸のアルカリ石鹸を
除き、アスタキサンチン類を濃縮精製することができ
る。例えば、原料酵母として遊離脂肪酸を特に多く含む
ものを使用する場合、ケン化処理が優れた濃縮処理であ
るといえる。ケン化処理はアセトン、ヘキサン等の有機
溶媒や油脂中で行うことができるが、もっとも効率的な
のはアセトン中で行うときである。
【0019】低温分別による濃縮は遊離脂肪酸の除去率
が約40%程度であり、また、セッケン形成法を利用し
た濃縮法では脂肪酸のみを選択的に除くことから、これ
らの方法を併用することにより、主要脂質成分が複数で
ある粗抽出色素油からより高度に色素を濃縮することが
できる。
【0020】また、濃縮天然赤色色素油の用途は食品用
であり、酵母臭の除去、脱溶剤のために脱臭処理を行う
ことが好ましい。脱臭処理手段としては水蒸気蒸留が採
用される。水蒸気蒸留は好ましくは通常100〜200
℃、好ましくは120〜150℃、真空度は30tor
r以下で行われる。ファフィア酵母から抽出した色素油
には、一般に発酵生産物特有の刺激臭が存在する。この
刺激臭は色素を高濃度で用いた場合に特にひどく、色素
油の利用範囲を著しく限定することになる。
【0021】この発酵臭は、ファフィア酵母を培養する
ときに用いる培地に由来することから、培養終了後に集
めた菌体を良く水洗することによりかなり軽減するが、
これだけでは色素油の脱臭は不十分である。また、抽出
溶剤に用いるヘキサンおよび濃縮時に用いるアセトン
は、最終生産物である色素油に残留してはいけないこと
になっている。従って、抽出後の色素油をさらに通常1
00〜200℃、好ましくは120〜150℃、真空度
は30torr以下で水蒸気残留を行うことにより発酵
臭は著しく低下し、さらに色素油中から抽出、精製溶剤
であるヘキサン、アセトンを水との共沸により完全に除
くことができる。
【0022】上記食品用濃縮天然赤色色素油の乳化物の
製造方法は、以下の通りである。上記食品用濃縮天然赤
色色素油に食品用乳化剤を添加し撹拌し、乳化物とす
る。食品用乳化剤として、食品衛生法で認められている
食品用乳化剤を用いる。食品衛生法で認められている食
品用乳化剤としては、脂肪酸モノグリセリド類、ポリグ
リセリン脂肪酸類、ソルビタン脂肪酸エステル類(スパ
ン等)、ショ糖の脂肪酸エステル等の非イオン活性剤及
びレシチン、酵素処理レシチン、アラビアガム、キラヤ
抽出物、卵黄等の天然物がある。これらの食品用乳化剤
は、例えば脂肪酸モノグリセリド類をショートニングに
1〜2%加えると、これを用いてパン、ケーキ類をつか
ったとき水分を多く含み、柔らかく、かさのあるものが
できるし、マーガリンに約0.3%用いると乳化作用の
ほかに柔らかい状態に保てる温度範囲が拡大するし、ア
イスクリームに0.3〜1.0%用いるとよい組織が得
られる。
【0023】またピーナツバターに0.25〜0.50
%用いると油の分離が防げるし、感触がなめらかにな
る。このほかキャンデー、チューインガム、マヨネー
ズ、サラダドレッシング等に用いられる。ソルビタン脂
肪酸エステル類にはソルビタンモノオレイン酸エステル
(スパン80)、ソルビタンモノラウリン酸エステル
(スパン20)等があり、キャラメル、チューインガム
類に用いると塑性、結着性がよくなり、歯切れもよくな
る。ショ糖の脂肪酸エステルの脂肪酸としてパルミチン
酸、ステアリン酸を含むエステルが上記各種の食品に用
いられ、またレシチンはマーガリン、マヨネーズ等に用
いられる。本発明においては、添加する麺類に応じて最
適な食品用乳化剤を選択して最適量使用する。本発明に
おいては好ましくは食品用乳化剤として脂肪酸エステル
及び/又はポリグリセリンエステルを用いる。
【0024】上記食品用濃縮天然赤色色素油は必要によ
り、乳化して乳化物の形で、あるいは粉末化して粉末の
形で使用される。乳化物は食品用乳化物を用いて通常の
方法で製造することができる。粉末化物は上記食品用濃
縮天然赤色色素油にゼイン及び/又はグルテンを分散し
た溶媒をゼイン及び/又はグルテン100重量部当た
り、上記ファフィア色素油1〜51重量部添加撹拌し、
しかる後、溶媒を除去して粉末化して得られる。または
上記食品用濃縮天然赤色色素油に食品用乳化剤を添加撹
拌して乳化物とし、その乳化物を噴霧乾燥することによ
り得られる。
【0025】さらにまた、上記食品用濃縮天然赤色色素
油を含む原料を水または有機溶剤の存在下エクストルー
ダー内において高温高圧下に溶融して、共存する水及び
/または有機溶剤が液体でかつ均一に分散された溶融物
を形成し、ただちにその溶融物をダイ部から大気圧に、
あるいはそれより低い圧力に保持されている帯域に吐出
して、共存する水及び/又は有機溶剤を爆発的に蒸発さ
せるとともに、溶融した原料を凝固させ、表面に皮膜を
形成させることにより得られる。
【0026】
【実施例】本発明の詳細を実施例で説明する。本発明は
実施例によってなんら限定されることはない。 抽出例 ファフィア ロドチーマ(Phaffia rhodo
zyma)に属する菌株を培養し、得られた培養物を遠
心分離やろ過により集め、スプレードライヤーにより乾
燥菌体を得た。この乾燥菌体各300gにエタノール、
ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、ヘキサンとエタノー
ルの各比率の混合溶剤3Lを加え撹拌混合しながら圧縮
粉砕機(APV GAULIN社製 15MR)を用い
圧縮粉砕を行った。結果を表1(溶剤による色素抽出
率)に示した。
【0027】
【表1】
【0028】アセトン、酢酸エチルは食用色素の抽出に
は不適当であるが、どちらも抽出率は90%以上と良好
であることから、他の利用分野では十分利用可能であ
る。ヘキサンのみの色素抽出率は65.8%と低いがエ
タノールの含有率が高くなるにつれ、ほぼ直線的に抽出
率が向上しエタノール含有率が15%のとき87%とな
った。抽出率が90%以上になるにはエタノール含有率
75%以上でなくてはならないが、アスタキサンチン類
以外の高極性の成分の割合が増加し、その後の処理が煩
雑となることや、ヘキサンとエタノールの共沸組成比か
らヘキサン:エタノール=85:15が最も望ましい値
であることが明らかとなった。
【0029】濃縮天然赤色色素油の製造例1 粗色素油から遊離脂肪酸、トリグリセリドを除くため
の、低温分別処理を行った。粗抽出色素油に10,5,
3倍量のアセトンあるいはn−ヘキサン/エタノール
(85:15)を加え、−50℃、1時間の撹拌を行っ
た後、4A濾紙(ADBANTEC製)で濾別し、濾液
を減圧濃縮して脂質量、カロテノイド量を求めた。
【0030】添加する溶剤が抽出油の3倍のときは、溶
液中の沈殿物の濃度が濃く、低温分別中に固まり分別が
不可能であったが、5倍量のアセトンにより低温分別を
行うことによりトリグリセリド、ステロール、リン脂質
が除かれ色素濃度は約1.5倍に濃縮された。その結果
を表2(低温分別処理による色素油の濃縮)に示す。
【0031】
【表2】
【0032】濃縮天然赤色色素油の製造例2 粗色素油中の遊離脂肪酸と当量の水酸化カリウムを0.
8%含水アセトン2mlに40℃で撹拌溶解させ、1g
の色素油(遊離脂肪酸75.39%)を添加し、室温で
10分間撹拌しながらカリウムセッケンを形成させた。
金属セッケン形成のため、遊離脂肪酸の4倍当量の塩化
カルシュウムを粉末のまま添加し室温で金属石鹸生成ま
で十分撹拌しろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた油
状物質に残存する脂肪酸と色素の回収率を求めた結果を
表3(色素油中の脂肪酸の除去)に示した。遊離脂肪酸
の90%以上が除かれ、色素濃度は2.9倍に濃縮され
た。
【0033】
【表3】
【0034】濃縮天然赤色色素油の製造例3 色素油(遊離脂肪酸:75.39%)1gを20mlの
アセトンに溶解し、色素油中の遊離脂肪酸と当量の水酸
化カリウムを添加し、脂肪酸が十分に沈殿するまで撹拌
し、生成したカリウムセッケンをろ過し濃縮を行った。
ろ液からアセトンを減圧留去し得られた油状物質に残存
する脂肪酸と色素の回収率を求めた。表4(色素油中の
脂肪酸の除去)に示すように、遊離脂肪酸は92.1%
除かれ色素回収は90.2%と向上し、色素濃度は2.
8倍となった。アルカリ処理による抽出色素油の脂質組
成、脂肪酸組成、色素組成への影響を表5(濃縮処理に
よる組成変化)に示した。アルカリ処理により脂質では
脂肪酸が選択的に除かれ、遊離脂肪酸ではパルミチン酸
の除去率が最も高く、次いでオレイン酸、リノール酸の
順であった。色素組成ではアスタキサンチンの割合に変
化はなくアルカリ処理の影響はなかった。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】同様の処理をヘキサン、ヘキサン:エタノ
ール(85:15)、エタノールにて行い、その脂肪回
収率、色素回収率を求めたところ、表6(ヘキサン、エ
タノール系での色素油中の脂肪酸の除去)に示すよう
に、これらの溶剤の脂質の除去率、色素の回収率はアセ
トンと比べ著しく低く、その濃縮効果はみられなかっ
た。
【0038】
【表6】
【0039】濃縮天然赤色色素油の製造例4 アルカリ処理と低温分別を連続して、あるいは同時に行
った場合を示す。連続処理は粗抽出色素油10gを5倍
量のアセトンに溶解し、色素油中の遊離脂肪酸と当量の
水酸化カリウムを加え、カリウムセッケンが十分に生成
するまで撹拌した後、一度カリウムセッケンを濾別し、
さらに−50℃で1時間低温分別を行った。同時処理
は、粗抽出色素油10gに5倍量のアセトンを加え、色
素油中の遊離脂肪酸と当量の水酸化カリウムを添加し、
−50℃にて1時間の低温分別を行った。
【0040】アルカリ処理に続いて低温分別をした場
合、アルカリ処理で残った少量の遊離脂肪酸、トリグリ
セリド、ステロールなどが除かれ、色素は約4.4倍に
濃縮された。2つの処理を同時に行った場合でも色素は
4.2倍に濃縮された。アルカリ処理と低温分別の連続
処理と同時処理の結果を表7に示す。
【0041】
【表7】
【0042】濃縮天然赤色色素油の製造例5 色素製造例4の連続処理により得られた濃縮色素油約2
0kgを下記条件で水蒸気残留を行った。 真空度:30Torr 温度:塔頂 96℃,塔底 140℃ 蒸気量:5kg/hr フィード量:20kg/hr 残存溶剤は、水蒸気蒸留前に0.3%であったものが完
全に除去されていた。また、脱臭効果も官能的評価では
利用に当たって全く問題の無いレベルまで低下してい
た。水蒸気蒸留は比較的高温で行うため色素の損失が懸
念されるが、水蒸気との向流接触であることから高温下
の滞留時間が短いため処理前後の色素量の減少はほとん
ど認められなかった。
【0043】乳化物の製造例1 下記の配合比にて、蒸留水にシュガーエステル、カゼイ
ンナトリウムを溶解した。これに上記色素油の製造例5
で得られた濃縮色素油、モノグリセリドを加温下(70
℃)で撹拌しながら混合し、プレ乳化物を得た。このプ
レ乳化物を高圧ホモジナイザー(150kg/cm
2回)にかけ、乳化濃縮色素油を得た。 濃縮色素油 20 g シュガーエステル 0.6g モノグリセリド 0.4g カゼインナトリウム 1.0g 蒸留水 78 g
【0044】乳化物の製造例2 上記製造例1と同様の方法により、下記の配合比にて乳
化濃縮色素油を得た。 濃縮色素油 20 g 酵素処理レシチン 0.2g モノグリセリド 0.2g ポリグリセリンエステル 0.6g 蒸留水 79 g
【0045】粉末の製造例1 色価310のPhaffia色素油10gをヘキサン−
エタノール混液(ヘキサン/エタノール=80/12
0)500mlに溶解しゼイン(ナカライテスク(株)
製)10gを加えウルトラディスパーザーLK22(ヤ
マト科学(株)製)を用い8000rpm5分間撹拌し
た。溶剤を留去後ブレンダーにてダマを粉砕し赤橙色の
均一な色素粉末を得た。
【0046】粉末の製造例2 乳化物の製造例1で得た乳化色素油を噴霧乾燥し臭いの
ない赤色粉末を得た。噴霧乾燥条件は以下の通りであ
る。 熱風温度 140℃ 排風温度 76±3℃ ディスクアトマイザー回転数 15000rpm 送液量 120ml/mi
n.
【0047】粉末の製造例3 表8に示した配合原料に対し、水40重量部を市販の2
軸エクストルーダーに供給しスクリュー回転数150r
pm、バレルのヒーターの設置温度を150℃、200
℃と順次上昇させ、先端バレルの設置温度250℃で処
理した。先端時の圧力は2kg/cmであった。常圧
下へダイ部から吐出させた。エクストルーダーからの、
吐出直後の粒子の温度は150℃であった。落下した粒
子をスカイタンクに集め、粉末油脂を得た。この粉末は
粒径1mm以下が80%であり、その平均粒径は150
μmで表面が平滑な球状の粒子であった。
【0048】
【表8】
【0049】実施例1 着色中華麺の製造 下記の原料を用いて着色中華麺を製造した。食塩、かん
水、水を混合した物に、上記乳化物の製造例1で得た乳
化濃縮色素油を添加し、小麦粉と共に混合、圧延、切断
した後、95℃で15分間蒸し、中華麺を調製した。得
られた中華麺は、耐光性、耐熱性に優れたものが得られ
た。 小麦粉 100 g 食塩 0.6g かん水 0.2g 水 30 g 乳化濃縮ファフィア色素油 0.5g
【0050】実施例2 着色揚げ麺の製造 下記の原料を用いて着色揚げ麺を製造した。食塩、かん
水、水に上記乳化物の製造例2で得た乳化濃縮色素油を
添加し、小麦粉と共に混合、圧延、切断した後、5分間
蒸しあげ、サラダ油にて140℃で揚げ、油切りをして
揚げ麺を得た。得られた揚げ麺はあげた後でも臭いや色
調に問題はなく、耐熱性、耐光性にも優れていた。 小麦粉 100 g 食塩 0.6g かん水 0.2g 水 30 g 乳化濃縮ファフィア色素油 0.5g
【0051】
【発明の効果】色調、耐光性、着色性に優れるだけでな
く、抗酸化活性、抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活
性を有するアスタキサンチンを主要成分とするファフィ
ア色素を含有する麺類を提供することができる。天然色
素の特徴を損なうことなく、これまで天然色素の欠点と
なっていた着色性や安定性、色素濃度に優れた、新しい
アスタキサンチンを主要成分とする濃縮ファフィア色素
油を用いて着色した麺類を提供することができる。着色
剤としてアスタキサンチンを主要成分とする濃縮ファフ
ィア色素油を含有する生麺類、茹麺類、冷凍麺類、乾麺
類、即席麺類、パスタ類などの麺類を提供することがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスタキサンチンを主要成分とする濃縮
    ファフィア色素油を含有することを特徴とする麺類。
  2. 【請求項2】 着色剤としてアスタキサンチンを主要成
    分とする濃縮ファフィア色素油を含有することを特徴と
    する麺類。
  3. 【請求項3】 濃縮ファフィア色素油を、濃縮ファフィ
    ア色素油の乳化物として含有する請求項1又は請求項2
    記載の麺類。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010001656A (ko) * 1999-06-07 2001-01-05 김교원 유색 면 제조 방법
JP2011135557A (ja) * 2009-11-27 2011-07-07 Toshiba Corp デジタルビデオ収録再生装置

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