JPH0799888A - 濃縮ファフィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品 - Google Patents
濃縮ファフィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品Info
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- JPH0799888A JPH0799888A JP5277288A JP27728893A JPH0799888A JP H0799888 A JPH0799888 A JP H0799888A JP 5277288 A JP5277288 A JP 5277288A JP 27728893 A JP27728893 A JP 27728893A JP H0799888 A JPH0799888 A JP H0799888A
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- oil
- fat
- phaffia
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 アスタキサンチンを主要成分とする濃縮ファ
フィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品の提供。 【構成】 アスタキサンチン産生ファフィア酵母からの
食品用濃縮天然赤色色素油であるアスタキサンチンを主
要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有する油脂及び
油脂加工食品。油脂及び油脂加工食品として、サラダ
油、てんぷら油など食用油やマーガリン、ショートニン
グ、ホイップクリーム、マヨネーズ、ドレッシングなど
がある。アスタキサンチンを主要成分とする濃縮ファフ
ィア色素油は好ましくは着色剤として含有される。
フィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品の提供。 【構成】 アスタキサンチン産生ファフィア酵母からの
食品用濃縮天然赤色色素油であるアスタキサンチンを主
要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有する油脂及び
油脂加工食品。油脂及び油脂加工食品として、サラダ
油、てんぷら油など食用油やマーガリン、ショートニン
グ、ホイップクリーム、マヨネーズ、ドレッシングなど
がある。アスタキサンチンを主要成分とする濃縮ファフ
ィア色素油は好ましくは着色剤として含有される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、濃縮ファフィア色素
油を含有する油脂及び油脂加工食品に関するものであ
る。詳しくは、この発明は、着色剤としてアスタキサン
チンを主要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有する
食用油、乳化油脂、ドレッシング等の油脂及び油脂加工
食品に関するものである。
油を含有する油脂及び油脂加工食品に関するものであ
る。詳しくは、この発明は、着色剤としてアスタキサン
チンを主要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有する
食用油、乳化油脂、ドレッシング等の油脂及び油脂加工
食品に関するものである。
【0002】この発明の「アスタキサンチンを主要成分
とする濃縮ファフィア色素油」とは「アスタキサンチン
産生ファフィア酵母からの食品用濃縮天然赤色色素油」
を意味する。この発明でいう油脂及び油脂加工食品とは
サラダ油、てんぷら油など食用油やマーガリン、ショー
トニング、ホイップクリーム、マヨネーズ、ドレッシン
グなど油脂加工食品をいう。
とする濃縮ファフィア色素油」とは「アスタキサンチン
産生ファフィア酵母からの食品用濃縮天然赤色色素油」
を意味する。この発明でいう油脂及び油脂加工食品とは
サラダ油、てんぷら油など食用油やマーガリン、ショー
トニング、ホイップクリーム、マヨネーズ、ドレッシン
グなど油脂加工食品をいう。
【0003】
【従来の技術】食用色素には従来からさまざまな着色剤
が使用されている。合成着色料としては赤色、黄色、緑
色、青色タール色素とそのアルミニウムキレートおよび
酸化鉄や二酸化チタン、銅クロロフィリンナトリウム、
鉄クロロフィリンナトリウム、水溶性アナトー、β−カ
ロテンがその使用目的に応じ認可されている。これらの
着色料は消費者需要の多様化や着色の簡便性から広く利
用されているが、近年では、これら合成着色料は消費者
の健康や安全性への関心の高まりとともに天然色素へ代
わりつつある。
が使用されている。合成着色料としては赤色、黄色、緑
色、青色タール色素とそのアルミニウムキレートおよび
酸化鉄や二酸化チタン、銅クロロフィリンナトリウム、
鉄クロロフィリンナトリウム、水溶性アナトー、β−カ
ロテンがその使用目的に応じ認可されている。これらの
着色料は消費者需要の多様化や着色の簡便性から広く利
用されているが、近年では、これら合成着色料は消費者
の健康や安全性への関心の高まりとともに天然色素へ代
わりつつある。
【0004】この様な天然色素としてはこれまでにβ−
カロテン、パプリカ色素、アナトー色素、紅麹色素、コ
チニール、紅花色素等が市場にあり、よく利用されてい
るが、原料のほとんどは輸入されており、供給、価格等
に不安定なものが多く、また、耐光性、耐熱性、色素濃
度、臭い等で満足の行くものがなく、食品業界では新た
な食用色素の開発が望まれている。
カロテン、パプリカ色素、アナトー色素、紅麹色素、コ
チニール、紅花色素等が市場にあり、よく利用されてい
るが、原料のほとんどは輸入されており、供給、価格等
に不安定なものが多く、また、耐光性、耐熱性、色素濃
度、臭い等で満足の行くものがなく、食品業界では新た
な食用色素の開発が望まれている。
【0005】また、天然色素は、動植物といった天然物
から単に抽出、搾汁、濃縮、乾燥、粉砕等の操作で得ら
れたものが主体となっている。天然物から得られるとい
うことで抽出油は混在する成分が多いのも普通のことで
ある。市販の天然色素の純色素濃度としては数パーセン
トのものが多く、用途はその濃度の点から制限されるこ
とがある。天然色素の高度濃縮は色素開発の大きな課題
となっている。
から単に抽出、搾汁、濃縮、乾燥、粉砕等の操作で得ら
れたものが主体となっている。天然物から得られるとい
うことで抽出油は混在する成分が多いのも普通のことで
ある。市販の天然色素の純色素濃度としては数パーセン
トのものが多く、用途はその濃度の点から制限されるこ
とがある。天然色素の高度濃縮は色素開発の大きな課題
となっている。
【0006】天然色素としてアスタキサンチンを産出す
るファフィア酵母が知られている。ファフィア酵母が生
産する赤色色素はパプリカよりも赤く特異的な色調を有
するが、この天然色素も濃度をさらに上げる必要があ
る。また、ファフィア酵母から色素を抽出するには粉砕
処理を行った酵母から溶剤により行うが、この抽出に用
いる溶剤にはアセトンやエタノールといった極性の高い
溶剤が適している。これらの溶剤は食品添加物の抽出に
用いることができなかったり非常に高価であったり、ま
た高極性溶剤を用いることにより抽出色素油の夾雑物質
が増加したりする欠点がある。
るファフィア酵母が知られている。ファフィア酵母が生
産する赤色色素はパプリカよりも赤く特異的な色調を有
するが、この天然色素も濃度をさらに上げる必要があ
る。また、ファフィア酵母から色素を抽出するには粉砕
処理を行った酵母から溶剤により行うが、この抽出に用
いる溶剤にはアセトンやエタノールといった極性の高い
溶剤が適している。これらの溶剤は食品添加物の抽出に
用いることができなかったり非常に高価であったり、ま
た高極性溶剤を用いることにより抽出色素油の夾雑物質
が増加したりする欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、濃縮ファ
フィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品の提供を
目的とする。詳しくは、この発明は、天然色素の特徴を
損なうことなく、これまで天然色素の欠点となっていた
着色性や安定性、色素濃度に優れた、新しいアスタキサ
ンチンを主要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有す
る食用油、乳化油脂、ドレッシング等の油脂及び油脂加
工食品の提供を目的とする。さらに詳しくは、この発明
は、色調、耐光性、着色性、耐熱性に優れるだけでな
く、抗酸化活性、抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活
性を有する新たな機能性食用天然色素として、濃縮ファ
フィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品の提供を
目的とする。
フィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品の提供を
目的とする。詳しくは、この発明は、天然色素の特徴を
損なうことなく、これまで天然色素の欠点となっていた
着色性や安定性、色素濃度に優れた、新しいアスタキサ
ンチンを主要成分とする濃縮ファフィア色素油を含有す
る食用油、乳化油脂、ドレッシング等の油脂及び油脂加
工食品の提供を目的とする。さらに詳しくは、この発明
は、色調、耐光性、着色性、耐熱性に優れるだけでな
く、抗酸化活性、抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活
性を有する新たな機能性食用天然色素として、濃縮ファ
フィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品の提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の油脂及び油脂
加工食品が含有するアスタキサンチンを主要成分とする
濃縮ファフィア色素油は、アスタキサンチン産生ファフ
ィア酵母からの食品用濃縮色素赤色色素油である。この
アスタキサンチン産生ファフィア酵母からの食品用濃縮
天然赤色色素油は、アスタキサンチン生産酵母ファフィ
ア ロドチーマ(Paffia rhodozyma)
に含まれる色素を抽出した粗抽出色素油から得られた濃
縮天然赤色色素油である。
加工食品が含有するアスタキサンチンを主要成分とする
濃縮ファフィア色素油は、アスタキサンチン産生ファフ
ィア酵母からの食品用濃縮色素赤色色素油である。この
アスタキサンチン産生ファフィア酵母からの食品用濃縮
天然赤色色素油は、アスタキサンチン生産酵母ファフィ
ア ロドチーマ(Paffia rhodozyma)
に含まれる色素を抽出した粗抽出色素油から得られた濃
縮天然赤色色素油である。
【0009】上記濃縮天然赤色色素油中のアスタキサン
チンを主要成分とするファフィア色素は、色調、耐光
性、着色性、耐熱性に優れるだけでなく、抗酸化活性、
抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活性を有する新たな
機能性食用天然色素として使用される。粗抽出色素油か
ら得られた食品用濃縮天然赤色色素油は、好ましくは濃
縮色素油そのままの形で使用する。必要に応じ、乳化物
の形で、或いは粉末の形で使用することができる。これ
らの色素油は好ましくは着色剤として使用される。
チンを主要成分とするファフィア色素は、色調、耐光
性、着色性、耐熱性に優れるだけでなく、抗酸化活性、
抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活性を有する新たな
機能性食用天然色素として使用される。粗抽出色素油か
ら得られた食品用濃縮天然赤色色素油は、好ましくは濃
縮色素油そのままの形で使用する。必要に応じ、乳化物
の形で、或いは粉末の形で使用することができる。これ
らの色素油は好ましくは着色剤として使用される。
【0010】アスタキサンチンを主要成分とする濃縮フ
ァフィア色素油である上記食品用濃縮天然赤色色素油の
製造方法の概略は、以下の通りである。赤色色素を生産
するファフィア酵母を特定の抽出溶剤を用いて抽出処理
し、次いで得た粗抽出色素油を濃縮処理し、必要により
さらに脱臭処理することにより食品用濃縮天然赤色色素
油を製造する。上記特定の抽出溶剤としてヘキサンとエ
タノールの混液が使用される。すなわち上記の先行技術
の課題を解決するために、抽出溶剤としてヘキサンとエ
タノールの混合溶剤を採用しそれを用いてファフィア酵
母よりアスタキサンチンを抽出し、各種濃縮処理を行
い、必要によりさらに脱臭処理する。
ァフィア色素油である上記食品用濃縮天然赤色色素油の
製造方法の概略は、以下の通りである。赤色色素を生産
するファフィア酵母を特定の抽出溶剤を用いて抽出処理
し、次いで得た粗抽出色素油を濃縮処理し、必要により
さらに脱臭処理することにより食品用濃縮天然赤色色素
油を製造する。上記特定の抽出溶剤としてヘキサンとエ
タノールの混液が使用される。すなわち上記の先行技術
の課題を解決するために、抽出溶剤としてヘキサンとエ
タノールの混合溶剤を採用しそれを用いてファフィア酵
母よりアスタキサンチンを抽出し、各種濃縮処理を行
い、必要によりさらに脱臭処理する。
【0011】上記濃縮処理手段としては、好ましくは低
温分別処理、ケン化処理、又は低温分別処理とケン化処
理の併用が採用される。低温分別処理とケン化処理を併
用するとき、低温分別処理をし、次いでケン化処理をす
る方法、低温分別処理とケン化処理を同時にする方法が
採用される。上記ケン化処理としては、好ましくは脂肪
酸のアルカリセッケン形成法を応用したもの又は脂肪酸
の金属セッケン形成法を応用したものが採用される。上
記脱臭処理としては、好ましくは水蒸気蒸留が採用され
る。
温分別処理、ケン化処理、又は低温分別処理とケン化処
理の併用が採用される。低温分別処理とケン化処理を併
用するとき、低温分別処理をし、次いでケン化処理をす
る方法、低温分別処理とケン化処理を同時にする方法が
採用される。上記ケン化処理としては、好ましくは脂肪
酸のアルカリセッケン形成法を応用したもの又は脂肪酸
の金属セッケン形成法を応用したものが採用される。上
記脱臭処理としては、好ましくは水蒸気蒸留が採用され
る。
【0012】本発明で原料酵母として用いる赤色色素を
生産するファフィア酵母は、微生物学分類上不完全菌類
に属し赤色色素を生産する酵母、例えばファフィア ロ
ドチーマ(Phaffia rhodozyma)であ
る。
生産するファフィア酵母は、微生物学分類上不完全菌類
に属し赤色色素を生産する酵母、例えばファフィア ロ
ドチーマ(Phaffia rhodozyma)であ
る。
【0013】本発明において、抽出に用いるファフィア
酵母は培養後、遠心分離やろ過により集めよく水洗した
のち、そのままあるいは乾燥後、ボールミル、凍結粉
砕、圧縮粉砕、超音波処理等の物理的破砕処理かセルラ
ーゼ等を用いた酵素的処理により前処理することが望ま
しい。湿菌体から有機溶剤を用いて色素油を抽出した場
合、夾雑物質の混入が著しく、また、抽出率も一様に低
下することから工業的には乾燥菌体から溶剤抽出する方
が一般的である。
酵母は培養後、遠心分離やろ過により集めよく水洗した
のち、そのままあるいは乾燥後、ボールミル、凍結粉
砕、圧縮粉砕、超音波処理等の物理的破砕処理かセルラ
ーゼ等を用いた酵素的処理により前処理することが望ま
しい。湿菌体から有機溶剤を用いて色素油を抽出した場
合、夾雑物質の混入が著しく、また、抽出率も一様に低
下することから工業的には乾燥菌体から溶剤抽出する方
が一般的である。
【0014】ファフィア酵母から色素を抽出するときに
用いる抽出溶剤としてはアセトン、酢酸エチル、ヘキサ
ン、エタノール等が考えられる。しかしながら、抽出率
の良いアセトンや酢酸エチルは、食品添加物の抽出には
用いることができない。また、ヘキサンは価格が低い反
面抽出率の点で問題があり、エタノールは抽出率はよい
ものの抽出コストの増加や高極性成分の増加による濃縮
コストの増加の問題がある。
用いる抽出溶剤としてはアセトン、酢酸エチル、ヘキサ
ン、エタノール等が考えられる。しかしながら、抽出率
の良いアセトンや酢酸エチルは、食品添加物の抽出には
用いることができない。また、ヘキサンは価格が低い反
面抽出率の点で問題があり、エタノールは抽出率はよい
ものの抽出コストの増加や高極性成分の増加による濃縮
コストの増加の問題がある。
【0015】これらの問題を解決する手段として、ヘキ
サンの短所をエタノールを混合することにより改善し安
価で優れた食品用濃縮天然赤色色素油用の抽出溶剤とす
る。すなわち、本発明はファフィア酵母からアスタキサ
ンチン色素を抽出するに当たり破砕したファフィア酵母
からヘキサンおよびエタノールの混合比率を適宜選ぶこ
とによりアスタキサンチンをより効率よく抽出するもの
である。
サンの短所をエタノールを混合することにより改善し安
価で優れた食品用濃縮天然赤色色素油用の抽出溶剤とす
る。すなわち、本発明はファフィア酵母からアスタキサ
ンチン色素を抽出するに当たり破砕したファフィア酵母
からヘキサンおよびエタノールの混合比率を適宜選ぶこ
とによりアスタキサンチンをより効率よく抽出するもの
である。
【0016】ヘキサンおよびエタノールの混合比率はエ
タノールの割合が高くなるほど抽出率は向上する。しか
しながら、エタノールの割合が増加すれば抽出コストの
増加と高極性物質が増加し、その後の濃縮操作が煩雑と
なる。したがって、混合比率としては色素の抽出率、抽
出コスト、ヘキサンとエタノールの共沸組成等から判断
した。ヘキサン:エタノールは90〜50:10〜5
0、好ましくは85〜80:15〜20の割合で使用さ
れる。抽出方法は抽出溶剤と乾燥菌体を撹拌混合した処
理液をポンプにて撹拌しながら圧縮粉砕機へ送液するこ
とによりよりスムーズに処理を行うことができる。破砕
処理は抽出に応じて複数回行うことが望ましい。
タノールの割合が高くなるほど抽出率は向上する。しか
しながら、エタノールの割合が増加すれば抽出コストの
増加と高極性物質が増加し、その後の濃縮操作が煩雑と
なる。したがって、混合比率としては色素の抽出率、抽
出コスト、ヘキサンとエタノールの共沸組成等から判断
した。ヘキサン:エタノールは90〜50:10〜5
0、好ましくは85〜80:15〜20の割合で使用さ
れる。抽出方法は抽出溶剤と乾燥菌体を撹拌混合した処
理液をポンプにて撹拌しながら圧縮粉砕機へ送液するこ
とによりよりスムーズに処理を行うことができる。破砕
処理は抽出に応じて複数回行うことが望ましい。
【0017】ファフィア酵母における脂質組成で主要と
なるのはトリグリセリドと遊離脂肪酸で抽出色素油の色
素濃度を上げるためにはこれら主要成分の効率的な除去
が必要となる。主要成分の1つであるトリグリセリドは
低温分別により効率的に除ける。低温分別は−60℃か
ら10℃、好ましくは−50℃でヘキサン、アセトン、
エタノール等の有機溶剤を用いて行うことができ、アス
タキサンチン類を濃縮精製することができる。例えば、
原料酵母としてトリグリセリドを特に多く含むものを使
用する場合、低温分別が優れた濃縮処理であるといえ
る。
なるのはトリグリセリドと遊離脂肪酸で抽出色素油の色
素濃度を上げるためにはこれら主要成分の効率的な除去
が必要となる。主要成分の1つであるトリグリセリドは
低温分別により効率的に除ける。低温分別は−60℃か
ら10℃、好ましくは−50℃でヘキサン、アセトン、
エタノール等の有機溶剤を用いて行うことができ、アス
タキサンチン類を濃縮精製することができる。例えば、
原料酵母としてトリグリセリドを特に多く含むものを使
用する場合、低温分別が優れた濃縮処理であるといえ
る。
【0018】主要成分の1つである遊離脂肪酸はケン化
処理により効率的に除ける。ケン化処理は水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ
を添加することにより生成する脂肪酸のアルカリ石鹸を
除き、アスタキサンチン類を濃縮精製することができ
る。例えば、原料酵母として遊離脂肪酸を特に多く含む
ものを使用する場合、ケン化処理が優れた濃縮処理であ
るといえる。ケン化処理はアセトン、ヘキサン等の有機
溶媒や油脂中で行うことができるが、もっとも効率的な
のはアセトン中で行うときである。
処理により効率的に除ける。ケン化処理は水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ
を添加することにより生成する脂肪酸のアルカリ石鹸を
除き、アスタキサンチン類を濃縮精製することができ
る。例えば、原料酵母として遊離脂肪酸を特に多く含む
ものを使用する場合、ケン化処理が優れた濃縮処理であ
るといえる。ケン化処理はアセトン、ヘキサン等の有機
溶媒や油脂中で行うことができるが、もっとも効率的な
のはアセトン中で行うときである。
【0019】低温分別による濃縮は遊離脂肪酸の除去率
が約40%程度であり、また、セッケン形成法を利用し
た濃縮法では脂肪酸のみを選択的に除くことから、これ
らの方法を併用することにより、主要脂質成分が複数で
ある粗抽出色素油からより高度に色素を濃縮することが
できる。
が約40%程度であり、また、セッケン形成法を利用し
た濃縮法では脂肪酸のみを選択的に除くことから、これ
らの方法を併用することにより、主要脂質成分が複数で
ある粗抽出色素油からより高度に色素を濃縮することが
できる。
【0020】また、濃縮天然赤色色素油の用途は食品用
であり、酵母臭の除去、脱溶剤のために脱臭処理を行う
ことが好ましい。脱臭処理手段としては水蒸気蒸留が採
用される。水蒸気蒸留は好ましくは通常100〜200
℃、好ましくは120〜150℃、真空度は30tor
r以下で行われる。ファフィア酵母から抽出した色素油
には、一般に発酵生産物特有の刺激臭が存在する。この
刺激臭は色素を高濃度で用いた場合に特にひどく、色素
油の利用範囲を著しく限定することになる。
であり、酵母臭の除去、脱溶剤のために脱臭処理を行う
ことが好ましい。脱臭処理手段としては水蒸気蒸留が採
用される。水蒸気蒸留は好ましくは通常100〜200
℃、好ましくは120〜150℃、真空度は30tor
r以下で行われる。ファフィア酵母から抽出した色素油
には、一般に発酵生産物特有の刺激臭が存在する。この
刺激臭は色素を高濃度で用いた場合に特にひどく、色素
油の利用範囲を著しく限定することになる。
【0021】この発酵臭は、ファフィア酵母を培養する
ときに用いる培地に由来することから、培養終了後に集
めた菌体を良く水洗することによりかなり軽減するが、
これだけでは色素油の脱臭は不十分である。また、抽出
溶剤に用いるヘキサンおよび濃縮時に用いるアセトン
は、最終生産物である色素油に残留してはいけないこと
になっている。従って、抽出後の色素油をさらに通常1
00〜200℃、好ましくは120〜150℃、真空度
は30torr以下で水蒸気残留を行うことにより発酵
臭は著しく低下し、さらに色素油中から抽出、精製溶剤
であるヘキサン、アセトンを水との共沸により完全に除
くことができた。
ときに用いる培地に由来することから、培養終了後に集
めた菌体を良く水洗することによりかなり軽減するが、
これだけでは色素油の脱臭は不十分である。また、抽出
溶剤に用いるヘキサンおよび濃縮時に用いるアセトン
は、最終生産物である色素油に残留してはいけないこと
になっている。従って、抽出後の色素油をさらに通常1
00〜200℃、好ましくは120〜150℃、真空度
は30torr以下で水蒸気残留を行うことにより発酵
臭は著しく低下し、さらに色素油中から抽出、精製溶剤
であるヘキサン、アセトンを水との共沸により完全に除
くことができた。
【0022】上記食品用濃縮天然赤色色素油は必要によ
り、乳化して乳化物の形で、あるいは粉末化して粉末の
形で使用される。乳化物は食品用乳化物を用いて通常の
方法で製造することができる。粉末化物は、例えば上記
色素油にゼイン及び/又はグルテンを分散した溶媒をゼ
イン及び/又はグルテン100重量部当たり、上記ファ
フィア色素油1〜51重量部添加撹拌し、しかる後、溶
媒を除去して粉末化して得られる。または上記食品用濃
縮天然赤色色素油に食品用乳化剤を添加撹拌して乳化物
とし、その乳化物を噴霧乾燥することにより得られる。
り、乳化して乳化物の形で、あるいは粉末化して粉末の
形で使用される。乳化物は食品用乳化物を用いて通常の
方法で製造することができる。粉末化物は、例えば上記
色素油にゼイン及び/又はグルテンを分散した溶媒をゼ
イン及び/又はグルテン100重量部当たり、上記ファ
フィア色素油1〜51重量部添加撹拌し、しかる後、溶
媒を除去して粉末化して得られる。または上記食品用濃
縮天然赤色色素油に食品用乳化剤を添加撹拌して乳化物
とし、その乳化物を噴霧乾燥することにより得られる。
【0023】さらにまた、上記食品用濃縮天然赤色色素
油を含む原料を水または有機溶剤の存在下エクストルー
ダー内において高温高圧下に溶融して、共存する水及び
/または有機溶剤が液体でかつ均一に分散された溶融物
を形成し、ただちにその溶融物をダイ部から大気圧に、
あるいはそれより低い圧力に保持されている帯域に吐出
して、共存する水及び/又は有機溶剤を爆発的に蒸発さ
せるとともに、溶融した原料を凝固させ、表面に皮膜を
形成させることにより得られる。
油を含む原料を水または有機溶剤の存在下エクストルー
ダー内において高温高圧下に溶融して、共存する水及び
/または有機溶剤が液体でかつ均一に分散された溶融物
を形成し、ただちにその溶融物をダイ部から大気圧に、
あるいはそれより低い圧力に保持されている帯域に吐出
して、共存する水及び/又は有機溶剤を爆発的に蒸発さ
せるとともに、溶融した原料を凝固させ、表面に皮膜を
形成させることにより得られる。
【0024】
【実施例】本発明の詳細を実施例で説明する。本発明は
実施例によってなんら限定されることはない。 抽出例 ファフィア ロドチーマ(Phaffia rhodo
zyma)に属する菌株を培養し、得られた培養物を遠
心分離やろ過により集め、スプレードライヤーにより乾
燥菌体を得た。この乾燥菌体各300gにエタノール、
ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、ヘキサンとエタノー
ルの各比率の混合溶剤3Lを加え撹拌混合しながら圧縮
粉砕機(APV GAULIN社製 15MR)を用い
圧縮粉砕を行った。結果を表1(溶剤による色素抽出
率)に示した。
実施例によってなんら限定されることはない。 抽出例 ファフィア ロドチーマ(Phaffia rhodo
zyma)に属する菌株を培養し、得られた培養物を遠
心分離やろ過により集め、スプレードライヤーにより乾
燥菌体を得た。この乾燥菌体各300gにエタノール、
ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、ヘキサンとエタノー
ルの各比率の混合溶剤3Lを加え撹拌混合しながら圧縮
粉砕機(APV GAULIN社製 15MR)を用い
圧縮粉砕を行った。結果を表1(溶剤による色素抽出
率)に示した。
【0025】
【表1】
【0026】アセトン、酢酸エチルは食用色素の抽出に
は不適当であるが、どちらも抽出率は90%以上と良好
であることから、他の利用分野では十分利用可能であ
る。ヘキサンのみの色素抽出率は65.8%と低いがエ
タノールの含有率が高くなるにつれ、ほぼ直線的に抽出
率が向上しエタノール含有率が15%のとき87%とな
った。抽出率が90%以上になるにはエタノール含有率
75%以上でなくてはならないが、アスタキサンチン類
以外の高極性の成分の割合が増加し、その後の処理が煩
雑となることや、ヘキサンとエタノールの共沸組成比か
らヘキサン:エタノール=85:15が最も望ましい値
であることが明らかとなった。
は不適当であるが、どちらも抽出率は90%以上と良好
であることから、他の利用分野では十分利用可能であ
る。ヘキサンのみの色素抽出率は65.8%と低いがエ
タノールの含有率が高くなるにつれ、ほぼ直線的に抽出
率が向上しエタノール含有率が15%のとき87%とな
った。抽出率が90%以上になるにはエタノール含有率
75%以上でなくてはならないが、アスタキサンチン類
以外の高極性の成分の割合が増加し、その後の処理が煩
雑となることや、ヘキサンとエタノールの共沸組成比か
らヘキサン:エタノール=85:15が最も望ましい値
であることが明らかとなった。
【0027】濃縮天然赤色色素油の製造例1 粗色素油から遊離脂肪酸、トリグリセリドを除くため
の、低温分別処理を行った。粗抽出色素油に10,5,
3倍量のアセトンあるいはn−ヘキサン/エタノール
(85:15)を加え、−50℃、1時間の撹拌を行っ
た後、4A濾紙(ADBANTEC製)で濾別し、濾液
を減圧濃縮して脂質量、カロテノイド量を求めた。
の、低温分別処理を行った。粗抽出色素油に10,5,
3倍量のアセトンあるいはn−ヘキサン/エタノール
(85:15)を加え、−50℃、1時間の撹拌を行っ
た後、4A濾紙(ADBANTEC製)で濾別し、濾液
を減圧濃縮して脂質量、カロテノイド量を求めた。
【0028】添加する溶剤が抽出油の3倍のときは、溶
液中の沈殿物の濃度が濃く、低温分別中に固まり分別が
不可能であったが、5倍量のアセトンにより低温分別を
行うことによりトリグリセリド、ステロール、リン脂質
が除かれ色素濃度は約1.5倍に濃縮された。その結果
を表2(低温分別処理による色素油の濃縮)に示す。
液中の沈殿物の濃度が濃く、低温分別中に固まり分別が
不可能であったが、5倍量のアセトンにより低温分別を
行うことによりトリグリセリド、ステロール、リン脂質
が除かれ色素濃度は約1.5倍に濃縮された。その結果
を表2(低温分別処理による色素油の濃縮)に示す。
【0029】
【表2】
【0030】濃縮天然赤色色素油の製造例2 粗色素油中の遊離脂肪酸と当量の水酸化カリウムを0.
8%含水アセトン20mlに40℃で撹拌溶解させ、1
gの色素油(遊離脂肪酸75.39%)を添加し、室温
で10分間撹拌しながらカリウムセッケンを形成させ
た。金属セッケン形成のため、遊離脂肪酸の4倍当量の
塩化カルシュウムを粉末のまま添加し室温で金属石鹸生
成まで十分撹拌しろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られ
た油状物質に残存する脂肪酸と色素の回収率を求めた結
果を表3(色素油中の脂肪酸の除去)に示した。遊離脂
肪酸の90%以上が除かれ、色素濃度は2.9倍に濃縮
された。
8%含水アセトン20mlに40℃で撹拌溶解させ、1
gの色素油(遊離脂肪酸75.39%)を添加し、室温
で10分間撹拌しながらカリウムセッケンを形成させ
た。金属セッケン形成のため、遊離脂肪酸の4倍当量の
塩化カルシュウムを粉末のまま添加し室温で金属石鹸生
成まで十分撹拌しろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られ
た油状物質に残存する脂肪酸と色素の回収率を求めた結
果を表3(色素油中の脂肪酸の除去)に示した。遊離脂
肪酸の90%以上が除かれ、色素濃度は2.9倍に濃縮
された。
【0031】
【表3】
【0032】濃縮天然赤色色素油の製造例3 色素油(遊離脂肪酸:75.39%)1gを20mlの
アセトンに溶解し、色素油中の遊離脂肪酸と当量の水酸
化カリウムを添加し、脂肪酸が十分に沈殿するまで撹拌
し、生成したカリウムセッケンをろ過し濃縮を行った。
ろ液からアセトンを減圧留去し得られた油状物質に残存
する脂肪酸と色素の回収率を求めた。表4(色素油中の
脂肪酸の除去)に示すように、遊離脂肪酸は92.1%
除かれ色素回収は90.2%と向上し、色素濃度は2.
8倍となった。
アセトンに溶解し、色素油中の遊離脂肪酸と当量の水酸
化カリウムを添加し、脂肪酸が十分に沈殿するまで撹拌
し、生成したカリウムセッケンをろ過し濃縮を行った。
ろ液からアセトンを減圧留去し得られた油状物質に残存
する脂肪酸と色素の回収率を求めた。表4(色素油中の
脂肪酸の除去)に示すように、遊離脂肪酸は92.1%
除かれ色素回収は90.2%と向上し、色素濃度は2.
8倍となった。
【0033】アルカリ処理による抽出色素油の脂質組
成、脂肪酸組成、色素組成への影響を表5(濃縮処理に
よる組成変化)に示した。アルカリ処理により脂質では
脂肪酸が選択的に除かれ、遊離脂肪酸ではパルミチン酸
の除去率が最も高く、ついでオレイン酸、リノール酸の
順であった。色素組成ではアスタキサンチンの割合に変
化はなく、アルカリ処理の影響はなかった。
成、脂肪酸組成、色素組成への影響を表5(濃縮処理に
よる組成変化)に示した。アルカリ処理により脂質では
脂肪酸が選択的に除かれ、遊離脂肪酸ではパルミチン酸
の除去率が最も高く、ついでオレイン酸、リノール酸の
順であった。色素組成ではアスタキサンチンの割合に変
化はなく、アルカリ処理の影響はなかった。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】同様の処理をヘキサン、ヘキサン:エタノ
ール(85:15)、エタノールにて行い、その脂肪回
収率、色素回収率を求めたところ、表6(ヘキサン、エ
タノール系での色素油中の脂肪酸の除去)に示すよう
に、これらの溶剤の脂質の除去率、色素の回収率はアセ
トンと比べ著しく低く、その濃縮効果はみられなかっ
た。
ール(85:15)、エタノールにて行い、その脂肪回
収率、色素回収率を求めたところ、表6(ヘキサン、エ
タノール系での色素油中の脂肪酸の除去)に示すよう
に、これらの溶剤の脂質の除去率、色素の回収率はアセ
トンと比べ著しく低く、その濃縮効果はみられなかっ
た。
【0037】
【表6】
【0038】濃縮天然赤色色素油の製造例4 アルカリ処理と低温分別を連続して、あるいは同時に行
った場合を示す。連続処理は粗抽出色素油10gを5倍
量のアセトンに溶解し、色素油中の遊離脂肪酸と当量の
水酸化カリウムを加え、カリウムセッケンが十分に生成
するまで撹拌した後、一度カリウムセッケンを濾別し、
さらに−50℃で1時間低温分別を行った。同時処理
は、粗抽出色素油10gに5倍量のアセトンを加え、色
素油中の遊離脂肪酸と当量の水酸化カリウムを添加し、
−50℃にて1時間の低温分別を行った。
った場合を示す。連続処理は粗抽出色素油10gを5倍
量のアセトンに溶解し、色素油中の遊離脂肪酸と当量の
水酸化カリウムを加え、カリウムセッケンが十分に生成
するまで撹拌した後、一度カリウムセッケンを濾別し、
さらに−50℃で1時間低温分別を行った。同時処理
は、粗抽出色素油10gに5倍量のアセトンを加え、色
素油中の遊離脂肪酸と当量の水酸化カリウムを添加し、
−50℃にて1時間の低温分別を行った。
【0039】アルカリ処理に続いて低温分別をした場
合、アルカリ処理で残った少量の遊離脂肪酸、トリグリ
セリド、ステロールなどが除かれ、色素は約4.4倍に
濃縮された。2つの処理を同時に行った場合でも色素は
4.2倍に濃縮された。アルカリ処理と低温分別の連続
処理と同時処理の結果を表7に示す。
合、アルカリ処理で残った少量の遊離脂肪酸、トリグリ
セリド、ステロールなどが除かれ、色素は約4.4倍に
濃縮された。2つの処理を同時に行った場合でも色素は
4.2倍に濃縮された。アルカリ処理と低温分別の連続
処理と同時処理の結果を表7に示す。
【0040】
【表7】
【0041】濃縮天然赤色色素油の製造例5 色素製造例4の連続処理により得られた濃縮色素油約2
0kgを下記条件で水蒸気残留を行った。 真空度:30Torr 温度:塔頂 96℃,塔底 140℃ 蒸気量:5kg/hr フィード量:20kg/hr 残存溶剤は、水蒸気蒸留前に0.3%であったものが完
全に除去されていた。また、脱臭効果も官能的評価では
利用に当たって全く問題の無いレベルまで低下してい
た。水蒸気蒸留は比較的高温で行うため色素の損失が懸
念されるが、水蒸気との向流接触であることから高温下
の滞留時間が短いため処理前後の色素量の減少はほとん
ど認められなかった。
0kgを下記条件で水蒸気残留を行った。 真空度:30Torr 温度:塔頂 96℃,塔底 140℃ 蒸気量:5kg/hr フィード量:20kg/hr 残存溶剤は、水蒸気蒸留前に0.3%であったものが完
全に除去されていた。また、脱臭効果も官能的評価では
利用に当たって全く問題の無いレベルまで低下してい
た。水蒸気蒸留は比較的高温で行うため色素の損失が懸
念されるが、水蒸気との向流接触であることから高温下
の滞留時間が短いため処理前後の色素量の減少はほとん
ど認められなかった。
【0042】粉末の製造例1 色価310のPhaffia色素油10gをヘキサン−
エタノール混液(ヘキサン/エタノール=80/12
0)500mlに溶解しゼイン(ナカライテスク(株)
製)10gを加えウルトラディスパーザーLK22(ヤ
マト科学(株)製)を用い8000rpm5分間撹拌し
た。溶剤を留去後ブレンダーにてダマを粉砕し赤橙色の
均一な色素粉末を得た。
エタノール混液(ヘキサン/エタノール=80/12
0)500mlに溶解しゼイン(ナカライテスク(株)
製)10gを加えウルトラディスパーザーLK22(ヤ
マト科学(株)製)を用い8000rpm5分間撹拌し
た。溶剤を留去後ブレンダーにてダマを粉砕し赤橙色の
均一な色素粉末を得た。
【0043】粉末の製造例2 以下の配合で乳化色素油を調製し噴霧乾燥し臭いのない
赤色粉末を得た。噴霧乾燥条件,熱風温度140℃,排
風温度76±3℃,ディスクアトマイザー回転数150
00rpm,送液量120ml/min. Phaffia色素油 20 g シュガーエステル 0.6g モノグリセリド 0.4g カゼインナトリウム 1.0g 蒸留水 78 g
赤色粉末を得た。噴霧乾燥条件,熱風温度140℃,排
風温度76±3℃,ディスクアトマイザー回転数150
00rpm,送液量120ml/min. Phaffia色素油 20 g シュガーエステル 0.6g モノグリセリド 0.4g カゼインナトリウム 1.0g 蒸留水 78 g
【0044】粉末の製造例3 表8に示した配合原料に対し、水40重量部を市販の2
軸エクストルーダーに供給しスクリュー回転数150r
pm、バレルのヒーターの設置温度を150℃、200
℃と順次上昇させ、先端バレルの設置温度250℃で処
理した。先端時の圧力は2kg/cm2であった。常圧
下へダイ部から吐出させた。エクストルーダーからの、
吐出直後の粒子の温度は150℃であった。落下した粒
子をスカイタンクに集め、粉末油脂を得た。この粉末は
粒径1mm以下が80%であり、その平均粒径は150
μmで表面が平滑な球状の粒子であった。
軸エクストルーダーに供給しスクリュー回転数150r
pm、バレルのヒーターの設置温度を150℃、200
℃と順次上昇させ、先端バレルの設置温度250℃で処
理した。先端時の圧力は2kg/cm2であった。常圧
下へダイ部から吐出させた。エクストルーダーからの、
吐出直後の粒子の温度は150℃であった。落下した粒
子をスカイタンクに集め、粉末油脂を得た。この粉末は
粒径1mm以下が80%であり、その平均粒径は150
μmで表面が平滑な球状の粒子であった。
【0045】
【表8】
【0046】実施例1 次のような配合で着色マーガリンを製造した。配合割合
は重量%である。 (1) 大豆硬化油 40 (2) 綿実硬化油 20 (3) 大豆サラダ油 20 (4) モノグリセリド 0.2 (5) レシチン 0.2 (6) ファフィア抽出色素油 0.05※ (7) トコフェロール 0.02 (8) 水 17.75 (9) 食塩 0.3 (10)脱脂粉乳 1.5 ※1%カロテノイドとして、0.05重量%に相当する
は重量%である。 (1) 大豆硬化油 40 (2) 綿実硬化油 20 (3) 大豆サラダ油 20 (4) モノグリセリド 0.2 (5) レシチン 0.2 (6) ファフィア抽出色素油 0.05※ (7) トコフェロール 0.02 (8) 水 17.75 (9) 食塩 0.3 (10)脱脂粉乳 1.5 ※1%カロテノイドとして、0.05重量%に相当する
【0047】(1)〜(7)を60℃で溶解混合したも
のに、(8)〜(10)の混合液を加え、撹拌乳化し
た。これを、氷水中のステンレス容器に移して急冷固化
したのち、捏和し、マーガリンを製造した。得られたマ
ーガリンは鮮やかな淡橙色を有し、暗所20℃、1カ月
の保存でも、褪色、異臭は認められなかった。
のに、(8)〜(10)の混合液を加え、撹拌乳化し
た。これを、氷水中のステンレス容器に移して急冷固化
したのち、捏和し、マーガリンを製造した。得られたマ
ーガリンは鮮やかな淡橙色を有し、暗所20℃、1カ月
の保存でも、褪色、異臭は認められなかった。
【0048】実施例2 以下ように着色バタークリームを製造した。ファフィア
抽出色素油を1%添加して、前記実施例と同様の方法に
マーガリンを製造した。このマーガリン50部に対し、
糖密40部、卵黄10部を加え、ホイップしてバターク
リームを調製した。得られたバタークリームは鮮明な赤
橙色を有し、異臭のない良好なものであった。
抽出色素油を1%添加して、前記実施例と同様の方法に
マーガリンを製造した。このマーガリン50部に対し、
糖密40部、卵黄10部を加え、ホイップしてバターク
リームを調製した。得られたバタークリームは鮮明な赤
橙色を有し、異臭のない良好なものであった。
【0049】実施例3 次のような配合でサウザンアイランドドレッシングを製
造した。 (1) GluNa 3g (2) グアーガム 5g (3) 大豆油 200g (4) 食酢 135g (5) 食塩 20g (6) 卵黄 20g (7) みじん切りタマネギ 10g (8) コショウ 1g (9) 色素油(色価50) 1g (10) 水 500g (11) 異性化糖 60g (12) ピクルス 20g
造した。 (1) GluNa 3g (2) グアーガム 5g (3) 大豆油 200g (4) 食酢 135g (5) 食塩 20g (6) 卵黄 20g (7) みじん切りタマネギ 10g (8) コショウ 1g (9) 色素油(色価50) 1g (10) 水 500g (11) 異性化糖 60g (12) ピクルス 20g
【0050】(10)水500gに(2)グアーガムを
加熱溶解させ、その後(3)大豆油を徐々に加えてプレ
乳化したものに(12)ピクルス、(7)タマネギと
(8)コショウを除いた残りの材料(1)、(4)、
(5)、(6)、(9)及び(11)を加え、高圧ホモ
ジナイザー(150kg/cm2)で乳化する。乳化後
(12)ピクルス、(7)タマネギと(8)コショウを
加え、脱気後、赤白色のサウザンアイランドドレッシン
グを得た。
加熱溶解させ、その後(3)大豆油を徐々に加えてプレ
乳化したものに(12)ピクルス、(7)タマネギと
(8)コショウを除いた残りの材料(1)、(4)、
(5)、(6)、(9)及び(11)を加え、高圧ホモ
ジナイザー(150kg/cm2)で乳化する。乳化後
(12)ピクルス、(7)タマネギと(8)コショウを
加え、脱気後、赤白色のサウザンアイランドドレッシン
グを得た。
【0051】実施例4 下記の油相と水相を合一し、激しく振とうし、油相が赤
色に着色され水相が少し橙色をおびた分離型液状ドレッ
シングを得た。 油相 大豆油 15g 色素油 0.5g 水相 米酢 8g ワイン酢 5g 果糖 8g グルソー 0.5g キサンタンガム 0.3g タマネギみじん切り 5g 食塩 3.5g
色に着色され水相が少し橙色をおびた分離型液状ドレッ
シングを得た。 油相 大豆油 15g 色素油 0.5g 水相 米酢 8g ワイン酢 5g 果糖 8g グルソー 0.5g キサンタンガム 0.3g タマネギみじん切り 5g 食塩 3.5g
【0052】
【発明の効果】ファフィア酵母が生産する赤色色素を夾
雑物質の少ない、無臭の、溶剤を含まない食品用濃厚色
素油により着色された油脂及び油脂加工食品を提供する
ことができる。色調、耐光性、着色性に優れるだけでな
く、抗酸化活性、抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活
性を有する新たな機能性食用天然色素として使用される
食品用濃縮天然赤色色素油により着色された油脂及び油
脂加工食品を提供することができる。
雑物質の少ない、無臭の、溶剤を含まない食品用濃厚色
素油により着色された油脂及び油脂加工食品を提供する
ことができる。色調、耐光性、着色性に優れるだけでな
く、抗酸化活性、抗炎症作用、免疫賦活作用等の生理活
性を有する新たな機能性食用天然色素として使用される
食品用濃縮天然赤色色素油により着色された油脂及び油
脂加工食品を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 アスタキサンチンを主要成分とする濃縮
ファフィア色素油を含有することを特徴とする油脂及び
油脂加工食品。 - 【請求項2】 着色剤としてアスタキサンチンを主要成
分とする濃縮ファフィア色素油を含有することを特徴と
する油脂及び油脂加工食品。 - 【請求項3】 油脂及び油脂加工食品が食用油である請
求項1又は請求項2記載の油脂及び油脂加工食品。 - 【請求項4】 油脂及び油脂加工食品が乳化油脂である
請求項1又は請求項2記載の油脂及び油脂加工食品。 - 【請求項5】 油脂及び油脂加工食品がドレッシングで
ある請求項1又は請求項2記載の油脂及び油脂加工食
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5277288A JPH0799888A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 濃縮ファフィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5277288A JPH0799888A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 濃縮ファフィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0799888A true JPH0799888A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17581453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5277288A Pending JPH0799888A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 濃縮ファフィア色素油を含有する油脂及び油脂加工食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0799888A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010044621A (ko) * | 2001-03-12 | 2001-06-05 | 박인배 | 아스타산틴을 함유한 식품 또는 건강보조식품 |
US6265450B1 (en) | 1995-10-26 | 2001-07-24 | Suntory Limited | Anti-stress composition |
JP2002226367A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-14 | Fuji Chem Ind Co Ltd | 薬物障害の予防または治療剤 |
JP2010041962A (ja) * | 2008-08-13 | 2010-02-25 | Seiko:Kk | サラシア属植物の葉の粉砕物を配合した油脂加工食品 |
CN103504301A (zh) * | 2013-09-30 | 2014-01-15 | 李树森 | 一种降压降糖降尿酸抗肿瘤的虾青素油的配方及制备方法 |
JP6170231B1 (ja) * | 2016-12-22 | 2017-07-26 | 株式会社タイショーテクノス | 色素製剤及びその製造方法、並びに加工製品及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP5277288A patent/JPH0799888A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6265450B1 (en) | 1995-10-26 | 2001-07-24 | Suntory Limited | Anti-stress composition |
JP2002226367A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-14 | Fuji Chem Ind Co Ltd | 薬物障害の予防または治療剤 |
KR20010044621A (ko) * | 2001-03-12 | 2001-06-05 | 박인배 | 아스타산틴을 함유한 식품 또는 건강보조식품 |
JP2010041962A (ja) * | 2008-08-13 | 2010-02-25 | Seiko:Kk | サラシア属植物の葉の粉砕物を配合した油脂加工食品 |
CN103504301A (zh) * | 2013-09-30 | 2014-01-15 | 李树森 | 一种降压降糖降尿酸抗肿瘤的虾青素油的配方及制备方法 |
JP6170231B1 (ja) * | 2016-12-22 | 2017-07-26 | 株式会社タイショーテクノス | 色素製剤及びその製造方法、並びに加工製品及びその製造方法 |
JP2018100386A (ja) * | 2016-12-22 | 2018-06-28 | 株式会社タイショーテクノス | 色素製剤及びその製造方法、並びに加工製品及びその製造方法 |
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