JPH079986Y2 - トーションバー機構の取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、トーションバー機構の取付け構造に係り、さ
らに詳しくは、扉の枢軸内への着脱を容易に行なうこと
ができるトーションバー機構の取付け構造に関する。

［従来の技術］ トーションバー機構は、開状態にある扉を本体部の側に
自動閉止させるため、その枢軸と一体的となって配設さ
れるものであり、通常は、扉の囲枠部にあって枢止側に
位置する左側もしくは右側の枠部内に、その一端部が枠
部に固定され、他端部がボトムヒンジと一体的となって
本体部に支持させることで装着されている。

この場合における従来から行なわれているトーションバ
ー機構の構造及びその装着工程を述べれば次のようであ
る。

すなわち、まず、前記枠部内に設けられている空間部の
上部にトーションバーを挿通するための通孔を有する固
定部材を配置し、この固定部材を枠部の外側から前記通
孔にまで至る螺孔を介して枠部にネジ止めする。次い
で、その基端部側にボトムヒンジ等の所要の部材を装備
させたトーションバーを前記枠部の底面側から挿入し、
その先端部を固定部材の前記通孔に挿通する。しかる
後、トーションバーの基端部をボトムヒンジともども上
方へと押し付けた状態で、枠部の側から前記固定部材の
通孔へとネジを締め付けることで、枠部に対しトーショ
ンバーの上端部を回転不能に固定する。

かくして、トションバーの基端部をボトムヒンジととも
に本体部に配設してある受け台に支持させることでその
取り付けを終了する。

［考案の解決しようとする課題］ ところで、本体部に取り付けられた扉は、設置現場の具
体的な状況や都合により、例えば、左開きを右開きとす
るなど、事後的に付け替える必要が生じることも一再な
らずあり、その際に、作業の簡易、迅速性が求められ
る。

しかし、上記従来例の説明からも明らかなように、トー
ションバーの先端部を枠部に固定させるためには、いく
つもの煩雑な作業が必要であった。

しかも、トーションバーの先端部を固定部材にネジ止め
しない限りは、せっかく前記固定部材の通孔内に挿通さ
せたトーションバーが基端部側からの押圧力を解除する
ことにより、直ちに枠部内から抜け落ちてくるという不
都合もあった。

本考案は、従来技術にみられた上記課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、トーションバ
ーの着脱作業を容易化することで、扉の付け替え作業を
簡易、迅速に行なうことができるトーションバー機構の
取付け構造を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ このような目的を達成するため、本考案は、次のように
して構成されている。

すなわち、本考案は、扉の囲枠部における枢軸側に位置
する中空枠材に形成した非円形の断面形状との関係で、
この中空枠材に回転不能に嵌合させるべくその断面形状
を非円形として形成された固定部材と、前記中空枠材と
の間でその着脱を可能とするための止着手段を介在配置
させることで形成された扉受け台とボトムヒンジとを有
し、先端部には前記固定部材を挿通固着し、基端部には
扉受け台を介装させてボトムヒンジを固着したトーショ
ンバーを前記中空枠材内にその先端部側から挿入すると
ともに、前記止着手段を介することで前記中空枠材の基
端部に対し扉受け台とボトムヒンジとを着脱可能に止着
させたことにその構成上の特徴がある。

［作用］ このため、本考案によれば、扉の囲枠部における枢軸側
に位置する中空枠材内に固定部材をその先端部に固着さ
せてあるトーションバーを挿入することにより、直ちに
その先端部を中空枠材に対し回転不能に固定することが
できる。また、トーションバーの基端部に位置する扉受
け台とボトムヒンジとは、前記止着手段を介することで
中空枠材に対して止着させておくことができるので、手
指にて下支えすることなく作業時におけるトーションバ
ー機構の脱落を効果的に防止することができ、作業性の
向上を図ることができる。しかも、中空枠材に対するト
ーションバー機構の取付け、取り外し作業は、極めて容
易に行なうことができるので、結果的に、扉の付け替え
作業の簡易、迅速化に寄与させることができる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

トーションバー機構は、第６図と第７図とに示されるよ
うに開状態にある扉34に対し自動閉止力を付与するため
に採用されるものであり、扉34の囲枠部35における枢軸
側に位置する中空枠部36内にトーションバー１をその先
端部の回転を不可能にして装着することで形成されてい
る。

第１図は、本考案の第１の実施例を示す分解斜視図であ
り、断面が角形等の非円形を呈し、かつ、ねじり変形に
対し強靱な特性を示す鋼材等の長杆部材を用いて形成さ
れたトーションバー１は、このトーションバー１に対し
回転不能にして挿通させるべく、例えば断面が長円形状
等の非円形を呈して穿設された通孔６を介して、その先
端部に挿通させた固定部材５がネジ等の止着部材７を介
することでトーションバー１に対し回転移動が不能とな
って予め固定されている。このようにしてトーションバ
ー１の先端部に固着される固定部材５の具体的な形状に
ついては、第２図に示すように、扉34の囲枠部35におけ
る枢軸枠に位置する中空枠材36内にトーションバー１の
先端部を回転不可能にして固定させる必要から、前記中
空枠材36に形成される非円形の断面形状との関係で、そ
の回転が不能となって嵌合させることができる適宜の非
円形の断面形状を呈して形成されている。図示例は、か
かる観点から採用された固定部材５の形状の一例を示す
ものであり、これによれば、その挿入方向に沿わせて周
面に翼状に突出させた１対の突片８が設けられており、
これらの突片８により、相手部材である中空枠材36の具
体的な断面形状との対応関係の中でその回転が阻止され
ている。

一方、必要に応じて保護カバー２により保護させてある
前記トーションバー１の基端部には、扉受け台20を介装
させてボトムヒンジ10が固着されている。

このうち、扉受け台20は、扉34の前記中空枠材36内に配
置される筒状の挿入部21と、扉34をその底面で支持する
座部22とからなり、前記トーションバー１の挿通を可能
にして形成されている。

また、トーションバー１の基端部に固着されるボトムヒ
ンジ10は、扉受け台20の前記挿入部21に対しその下底面
方向から差し込むことができる差し込み部11と、扉受け
台20の前記座部22を支持面13を介することで下支えする
ことができ、かつ、トルクを付勢するためのピンの挿入
が可能な複数の穴部14をその周面に設けてなる支持部12
とからなり、図示しないヒンジ受け台に対して回動可能
となって形成されている。

このようにして形成されている扉受け台20とボトムヒン
ジ10とは、止着手段30を配設したことにより、前記中空
枠材36に対し相互に一体的となってその着脱が可能に形
成されている。

すなわち、第１図に示す実施例によれば、前記止着手段
30は、ボトムヒンジ10の差込み部11の外周面の適宜の位
置に設けた突起15と、扉受け台20の挿入部21の外周面の
適宜の位置に設けた突起23とで構成し、このうち、突起
15を介することでボトムヒンジ10は扉受け台20に、突起
23を介することで扉受け台20は中空枠材36に、それぞれ
圧入止着されるようになっている。

また、第３図に示す実施例によれば、扉受け台20の挿入
部21の内外側の両周面の適宜の位置にそれぞれ突起23,2
4を設け、外周面の突起23は中空枠材36の内周壁に、内
周面の突起24はボトムヒンジ10の差込み部11の外周壁に
圧接させることで、それぞれ止着することができるよう
になっている。

なお、第４図は、第１図と第３図とに示した止着手段30
の変形例を示すものであり、前記突起15,23,24のそれぞ
れを隆条突起26のようにして周設することで形成した場
合を示す。

また、第５図に示す実施例によれば、前記止着手段30
は、その略中央部に固定部材５の周面より外側に若干突
出させた突曲部27を有する板バネ25からなり、その一端
部は、固定部材５の通孔６内に挿入され、かつ止着部材
７により固定部材５ともどもトーションバー１に固定さ
れ、他端部は、板バネ押えリング26によりトーションバ
ー１に遊動可能に止着することで形成されている。

本考案は、このようにして構成されているので、その使
用は、まず、トーションバー１の基端部にボトムヒンジ
10を固定し、かつ、扉受け台20を介装し、必要により保
護カバー２を装着するとともに、トーションバー１の先
端部には、予め固定部材５をネジ等の止着手段７を用い
て固定する。

次いで、第６図からも明らかなように扉34の囲枠部35に
おいて枢軸側に位置している中空枠材36の底面の開口面
から固着部材５を有する先端部を介してトーションバー
１を挿入する。この場合、中空枠材36の断面形状と固着
部材５の断面形状とは、相互に回転不能となって形成さ
れているので、単に挿入することで、中空枠材36に対し
トーションバー１の先端部を回転不能に固定することが
できる。

また、トーションバー１の基端部に位置する扉受け台20
とボトムヒンジ10とは、前記止着手段30を介することで
中空枠材36に対して脱落困難に止着させておくことがで
きる。これを第１図の実施例に従いさらに詳しく説明す
れば、ボトムヒンジ10に対しては、扉受け台20を圧入す
ることで、ボトムヒンジ10の差し込み部11に設けた突起
15が扉受け台20の挿入部21の内周壁を圧迫して止着され
る。また、中空枠材36に対しては、ボトムヒンジ10と一
体化させた扉受け台20を圧入することで、扉受け台20の
挿入部21に設けた突起23が中空枠材36の内周壁を圧迫し
て止着される。

このため、作業時の中空枠材36に対しては、手指にて下
支えすることなくトーションバー機構の脱落を効果的に
防止することができ、作業性の向上を図ることができ
る。また、中空枠材36に対してのトーションバー機構の
取付け、取り外し作業は、単に、中空枠材36に挿入し、
あるいは引き抜くことで直ちにその作業を終了すること
ができ、結果的に、扉の付け替え作業の簡易、迅速化に
寄与させることができる。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案によれば、中空枠材に対しトー
ションバー機構を単に挿入することで、その先端部は回
転不能に固定することができ、かつ、基端部は、止着手
段によりボトムヒンジと扉受け台とを一体的に止着する
ことができ、その装着作業の効率化を図ることができ、
結果的に扉の付け替え作業の簡易、迅速化を達成する一
助とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１の実施例を示す分解斜視図、第
２図は、中空枠材と固定部材との間の断面形状の関係の
一例を示す横断面図、第３図は、本考案の第２の実施例
を示す斜視図、第４図は、止着手段の変形例を示す斜視
図、第５図は、本考案の第３の実施例を示す斜視図、第
６図は、扉に対する本考案のトーションバー機構の取付
け構造を示す説明図、第７図は、扉と本考案のトーショ
ンバー機構との間の配置関係を示す説明図である。 １…トーションバー、２…保護カバー、５…固定部材、
６…通孔、７…止着部材、８…突片、10…ボトムヒン
ジ、11…差込み部、12…支持部、13…支持面、14…穴
部、15…突起、20…扉受け台、21…挿入部、22…座部、
23…突起、24…隆条突起、25…板バネ、26…板バネ押え
リング、27…突曲部、30…止着手段、35…囲枠部、36…
中空枠材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】扉の囲枠部における枢軸側に位置する中空
   枠材に形成した非円形の断面形状との関係で、この中空
   枠材に回転不能に嵌合させるべくその断面形状を非円形
   として形成された固定部材と、前記中空枠材との間でそ
   の着脱を可能とするための止着手段を介在配置させるこ
   とで形成された扉受け台とボトムヒンジとを有し、先端
   部には前記固定部材を挿通固着し、基端部には扉受け台
   を介装させてボトムヒンジを固着したトーションバーを
   前記中空枠材内にその先端部側から挿入するとともに、
   前記止着手段を介することで前記中空枠材の基端部に対
   し扉受け台とボトムヒンジとを着脱可能に止着させたこ
   とを特徴とするトーションバー機構の取付け構造。