JPH0798686B2 - セラミック原料の混合方法 - Google Patents

セラミック原料の混合方法

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JPH0798686B2 JP2260683A JP26068390A JPH0798686B2 JP H0798686 B2 JPH0798686 B2 JP H0798686B2 JP 2260683 A JP2260683 A JP 2260683A JP 26068390 A JP26068390 A JP 26068390A JP H0798686 B2 JPH0798686 B2 JP H0798686B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、セラミック原料の混合方法に関し、さらに詳
しくは、複数のセラミック原料粉末の混合に際し、各原
料粉末粒子の粒径と密度とが一定の条件を満たすように
調節して適切に配合することにより各粉末粒子の水中で
の沈降速度を同一にして安定的に均一組成混合物を得る
ことを特徴とする湿式混合法に関する。
[従来の技術] 従来セラミック材料の合成に際し、配合する複数のセラ
ミック原料粉末を湿式ボールミル、ディスパーなどを使
用して混合し、必要によりサンドミルなどの分散機を用
いるなどしてスラリー状にして一旦容器に保持し、順次
一部を取り出してフィルタープレス、ドラムドライヤ
ー、スプレードライヤーなどの乾燥機を通して脱水を行
った後、これら混合粉末を仮焼してセラミック合成材原
料粉を生産している。
[発明が解決しようとする課題] 原料粉末の湿式混合後、スラリー状混合液を一旦容器内
に保持中に水中に分散している原料粉末を徐々に沈降し
て、容器の底に堆積する。この堆積に関与する各粒子
は、原料粉末の密度、粒径により、その沈降速度が異な
る。すなわち密度の高い粉末、粒径の大きい粉末ほど沈
降速度が速く、従って堆積物の下部層ほどそれらの粉末
が多くなり、乾燥のため容器から取り出すスラリー中の
粉末組成は異なる集団となり、すべてが一様な組成とは
ならない。これを防止するため、容器に攪拌器を取り付
けるか、振盪器にかけるなどして、絶えずスラリーを攪
拌して沈降を防止する対策を採っているが未だ十分な解
決策とはなっていないため、新規対策の開発が課題とな
っていた。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、粉末の沈降を防止する代りに原料粉末を構
成する各粒子の沈降速度がほぼ同一となるように原料を
配合すれば、一旦均一に攪拌混合した後は、スラリー中
のいずれの部分も同一組成の混合粉末を含むスラリーと
なり、かつ堆積層においても粒子の分級が生じない筈で
あることに着目した。すなわち、もし原料粉末粒子がス
トークスの法則を適用できる範囲の粒子であれば沈降速
度は粉末粒子の密度および粒径に対して一定の関係にあ
ることを示しているストークスの法則に基づき計算でき
るので、原材料粉末の種類、粒径を変えて実験を繰り返
し、配合粉末の各構成粒子の水中での沈降速度がほぼ同
一となるように原料配合を行ってその品質特性への影響
を調べた。
粒子の水中で終端沈降速度Vはストークスの法則より次
の式で表わされる。
(但し、D:粉末の粒径、ρ:同粒子の密度、η0:水の粘
性係数、g:重力の加速度) したがって、D2(ρ−1)の値を原料粉末粒子の各々に
つき同一にすれば、各粒子の沈降速度は等しくなり、ス
ラリー中に一旦均一分散された粉末に組成のバラツキは
生じ難くなる筈である。
実験結果より原料粉末構成粒子の種類ごとに計算したD2
(ρ−1)の値の最大値と最小値の比が2.0以下の場合
は湿式混合した混合粉末の組成が最終製品の特性に支障
をきたさない範囲の組成となり、その比が1.5以下とな
るようにすれば一層好ましいことが判明した。すなわち
本発明の主眼は、目的とするセラミックの製造に必要な
種類の原料粉末の各々につきD2(ρ−1)の値がほぼ同
一となるように各々の粉末の粒径を予め算出して適切に
配合することである。これによって平均沈降速度が各種
粉末とも同じ値となるようにすることができ、そのよう
な粉末を使用することによりバラツキの小さいセラミッ
ク製品を安定的に製造することに成功した。
[作 用] ストークスの法則は粒子の形状が球形で、この粒子の受
ける抵抗は粘性抵抗のみで、慣性抵抗は無いとの仮定に
基づいている。一方サブミクロン単位のセラミック原材
料微粉の製造法は、湿式法と乾式法に大別される。湿式
法では、原材料素材を酸またはアルカリ、場合によって
は電解法により一旦溶液とし、この溶液を蒸発乾固、中
和などの方法により水酸化物、炭酸塩、または有機塩の
沈澱として析出させ、乾燥脱水して製造する。また乾式
法では原材料を高温加熱して気化、燃焼する蒸発燃焼法
または液体アトマイズ法、回転電極法により製造するの
が一般的製造法である。いずれの方法においても得られ
る微粉の粒度分布は正規分布をするが(i)分布幅は狭
く、(ii)球形に近い、微粉粒の集合体となる。さらに
微分になる程、粉体の表面積が大きくなるため、粘性抵
抗が高くなり、従って沈降速度は遅くなる。さらにセラ
ミック原料粉末の素材の密度は1.0g/cm3以上となる。
以上の各条件を備えていることがストークスの法則の仮
定を満足することとなり、ストークスの式による終端沈
降速度の計算式に近い実測値が得られるものと予測され
る。なお、本発明の混合法によりセラミック原料の混合
を行う場合D2(ρ−1)の最大値/最小値の比の値が2.
0以下となるように粒度を調整することが望ましく、1.5
以下にすれば更に好ましいことが実験により確認され
た。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1] PbTiO3の合成 PbO原材料粉末として、平均粒径0.5μm、0.6μm、0.7
μm、0.8μmの4種類を用意した。
一方、TiO2原材料粉末として平均粒径0.5μm、0.7μ
m、0.9μm、1.1μm、1.3μm、1.5μm、1.7μm、
2.0μmの8種類を用意した。
これら原材料粉末をモル比1:1に混合して32種類の試料
を作製した。これら試料から各々40kgを採取し、湿式ボ
ールミルを使用して同一条件で40時間湿式混合を行い、
得られた混合粉末スラリーを各々同一条件の下で順次10
分間同一容器内に保持した後各粉末スラリーを緩やかに
攪拌した状態で1kg/min.の流量で取り出し、同一スプレ
ードライヤーを用いて250℃で連続乾燥し、その後、直
ちに900℃×2時間仮焼して32個のPbTiO3セラミック原
料を得た。得られたこれら粉末からランダムに5個ずつ
分析試料を採取し、これら試料について蛍光X線分析法
によりPb、Tiを定量し、Pb/Tiを算出してその値の最大
値および最小値を比較し、組成のバラツキの大小を判定
した。
一方、PbOの比重(密度)9.4、TiO2の比重(密度)3.2
をD2(ρ−1)式に代入して、PbO、TiO2それぞれにつ
いて前記式の値を算出した。但し、ρは密度、Dは原材
料粉末粒子径をそれぞれ表わしている。
以上の結果を総括して第1表に示した。
PbO粉末についてのD2(ρ−1)値とTiO2粉末について
のD2(ρ−1)値との比A(値の小さいほうを分母とし
た)が2.0以下の場合は蛍光X線分析より得られた分析
値の比(表中Bで表わす)が1.00に近く、特に前者の比
の値が1.5以下の場合は分析値の比は大部分が1.00であ
ることがわかる。これはすなわち、PbTiO3仮焼粉の組成
はD2(ρ−1)の計算値の比の値2.0以下ならばほとん
ど無く、特に1.5以下ならば皆無であると言えることが
わかる。
[実施例2] Ni−Znフェライトの合成 平均粒径0.7μmのNiO粉末、平均粒径0.7μmのZnO粉末
および平均粒径0.7μmのFe2O3粉末をNiO:ZnO:Fe2O3
1:1:2(モル比)になるよう配合し、実施例1と同一条
件の下に同一工程により仮焼して仮焼粉末を得た。これ
を解砕後バインダーを添加してトロイダルコア形状に成
形し、1200℃×3時間本焼成を行ってトロイダルコアを
試作した。得られたトロイダルコアの密度は理論密度の
96%で完全に焼結していた。トロイダルコアの透磁率を
測定した結果、透磁率は250となり、この組成のフェラ
イトコアとしては通常の値であった。
なお、NiO、ZnO、Fe2O3粉末の組成の均一性を本発明の
手法により判定するため、D2(ρ−1)の値を算出した
結果、各粉末についての式の値はそれぞれNiO:2.94×10
-3kg/m、ZnO:2.35×10-3kg/m、Fe2O3:2.55×10-3kg/mと
なり、最大値/最小値の比は1.25であり、良好な範囲内
であると判定された。蛍光X線分析の結果組成の均一性
が十分保たれていることがわかり上記の判定は正しいこ
とが裏付けられた。
[実施例3] Fe2O3の平均粒径を0.7μmから0.6μmに変えた以外は
実施例2と全く同一条件の下に同一工程でトロイダルコ
アを作製した。得られたコアの密度は理論密度の95%で
あり、これも完全に焼結していた。またこのトロイダル
コアの透磁率は230であり、通常の値であった。
さらに実施例2と同様D2(ρ−1)の値を算出しその最
大値/最小値の比の値を求め検定した。
NiO、ZnOについての上記算出値は各々2.94×10-3kg/m、
2.35×10-3kg/mをであり、Fe2O3の算出値は1.51×10-3k
g/mとなった。従って最大値/最小値の比の値は1.95と
なり許容できる範囲内であると判定された。蛍光X線分
析の結果、この判定は正しいことが裏付けられた。
[比較例] 比較例としてFe2O3の平均粒径を0.6μmから0.5μmに
変えた以外は実施例2、3と全く同一条件、工程により
トロイダルコアを作製した。このコアの密度は理論密度
の92%となり完全に焼結しているとは言い難かった。透
磁率は150で前記実施例2、3に比較して著しく低下し
ており、この組成のコアとしては実用性あるものと言い
難いものであった。
なお、この場合のD2(ρ−1)の計算値NiO:2.94×10-3
kg/m、ZnO:2.35×10-3kg/m、Fe2O3:1.05×10-3kg/mとな
り、最大値/最小値は2.80となり、許容できない範囲の
ものと判定された。
[発明の効果] 本発明は均一なセラミック原料粉末の混合法を提供する
もので、均一組成の混合粉末が得られるため、次工程で
ある仮焼、再粉砕、本焼結により製造されるセラミック
製品は各種特性、特に目的とする特性を十分発揮するも
のとなり、不良品発生率の減少となるほど経済的効果も
大きい。
元来セラミック製品の特性の優劣は電磁特性に顕著に現
われ、組成の僅かな相違が半導体特性、軟磁性特性に著
しい影響を及ぼすことが知られている。組成のごく僅か
な違いが、如何なる現象を発生して、どのような極端な
特性の相違を惹起するかは未だ明確に解明されていな
い。このため、本発明のような簡易な組成均一化の判定
法を見い出したことは、実用上の意義が大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Dを粉末の粒径、ρを粉末の真密度として
    混合原料粉末の種類毎に計算したD2(ρ−1)式による
    算出値の最大値と最小値の比が2.0以下となるように、
    粉末特性を調整し、あるいはそのような条件を満たす粉
    末を選んで、各種セラミック原料粉末を配合し、湿式混
    合することを特徴とするセラミック原料の混合方法。
  2. 【請求項2】前記最大値/最小値の比の値が1.5以下と
    なるように原料粉末を配合することを特徴とする請求項
    1記載の方法。
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