JPH0798383A - ダスト放射線モニタ - Google Patents

ダスト放射線モニタ

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JPH0798383A
JPH0798383A JP24123693A JP24123693A JPH0798383A JP H0798383 A JPH0798383 A JP H0798383A JP 24123693 A JP24123693 A JP 24123693A JP 24123693 A JP24123693 A JP 24123693A JP H0798383 A JPH0798383 A JP H0798383A
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Mitsuo Ishibashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】常に正しい半減期を設定してダスト放射能濃度
を高精度に測定し、また操作が簡単なダスト放射線モニ
タを提供することにある。 【構成】測定すべき空気をサンプリング配管1内に吸引
する吸引ポンプ2と、吸引ポンプ2で吸引された空気中
のダストを捕集するろ紙3と、ろ紙3により捕集された
ダスト中の放射能から放出される放射線を検出する放射
線検出器5と、放射線検出器5の出力からダスト放射能
濃度を演算し、かつ、ろ紙3の交換前後の演算結果を基
に、正しい半減期を逆算し、この逆算で求めた正しい半
減期をダスト放射能濃度演算に使用するデータ処理装置
7とを具備したダスト放射線モニタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば原子力施設内の
空気中のダストに含まれる放射能濃度を測定するダスト
放射線モニタに関する。
【0002】
【従来の技術】ダスト放射線モニタは、原子力施設内の
空気中に含まれるダスト放射能濃度の測定を行うために
使用される。ダスト放射線モニタは、一般的にサンプリ
ング配管にポンプを接続し、該配管の途中に設置したろ
紙で空気中のダストを捕集し、ダスト中に含まれる放射
線を測定し、その強度で空気中の放射能を測定するしく
みとなっている。
【0003】従来のダスト放射線モニタは、図6に示す
ように、一定時間毎に集塵し、ダスト放射能濃度を演算
し(S1)、これを何回か繰り返した後(S2)、ある
集塵量に達したときろ紙を交換し(S3)、この交換し
たろ紙を用いて再度集塵および放射線を計数し、この計
数値を基にダスト放射能濃度演算を繰り返し行なってい
る(S4)。
【0004】この時、濃度演算に使用する半減期T1/2
は、固定値でろ紙交換前後で同じ値を使用して演算して
いた。実際の測定対象となる核種は、例えば、原子力発
電所では、希ガスの娘核種である86Rb 、138 CsとR
n ・Tn 系列の娘核種等が主要となっており、それぞれ
16分、30分、数時間程度の半減期となっている。
【0005】濃度演算には、個々の核種の成分比が不明
のため、実際の現場では代表半減期を測定した結果で決
めている。発電所の場合、通常代表半減期として1時間
程度の値となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来のダス
ト放射線モニタは、ダスト放射能濃度演算に使用する代
表半減期として、現場で集塵し、そのダスト放射線の計
数率の減衰推移曲線を作成し、減衰速度を基に決定し、
データ処理装置の演算パラメータとして設定していた。
【0007】データ処理装置では、設定された半減期を
ダスト放射能濃度演算パラメータとして記憶し、再設定
されるまで、同じ演算パラメータで測定していた。しか
し、減衰の速度は、測定核種の成分比が変化することに
より、減衰速度も変わるので、変化に気付かず測定誤差
を大きくしている原因となっていた。
【0008】さらに、現場の代表半減期を求める作業
は、時間と根気を必要とする作業であった。本発明の目
的は、常に正しい半減期を設定してダスト放射能濃度を
高精度に測定し、また操作が簡単なダスト放射線モニタ
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1に対応する発明は、測定すべき空気をサンプ
リング配管内に吸引する吸引手段と、この吸引手段で吸
引された空気中のダストを捕集するろ過手段と、このろ
過手段によって捕集されたダスト中の放射能から放出さ
れる放射線を検出する放射線検出手段と、前記ろ過手段
の交換前後における前記放射線検出手段の検出結果から
ダスト放射能濃度を演算し、これらの演算結果に基づい
て正しい半減期を逆算し、この逆算で求めた正しい半減
期を用いてダスト放射能濃度を演算するデータ処理手段
とを備えたダスト放射線モニタである。
【0010】前記目的を達成するための請求項2に対応
する発明は、測定すべき空気をサンプリング配管内に吸
引する吸引手段と、この吸引手段で吸引された空気中の
ダストを捕集するろ過手段と、このろ過手段で捕集され
たダスト中の放射能から放出される放射線を検出する放
射線検出手段と、前記ろ過手段の交換前後における前記
放射線検出手段の検出結果からダスト放射能濃度を演算
し、これらの演算結果に基づいて半減期を求め、この新
しい半減期で集塵およびダスト放射能濃度演算を繰り返
しながらダスト放射能濃度の変化を監視し、ダスト放射
能濃度に変化が認められたとき、前記ろ過手段の駆動手
段に対して交換指令を出力し、前記ろ過手段の交換前後
のダスト放射能濃度から半減期を設定変更するデータ処
理手段とを備えたダスト放射線モニタである。
【0011】前記目的を達成するための請求項3に対応
する発明は、測定すべき空気をサンプリング配管内に吸
引する吸引手段と、この吸引手段で吸引された空気中の
ダストを捕集するろ過手段と、このろ過手段により捕集
されたダスト中の放射能から放出される放射線を検出す
る放射線検出手段と、前記ろ過手段の交換前後における
前記放射線検出手段の検出結果から求められるダスト放
射能濃度から半減期を求め、この求めた半減期を更新
し、この新しい半減期でダスト放射能濃度演算を繰り返
し、かつ、前記ろ過手段の交換毎の各半減期の値を保存
し、その半減期に変化があったとき核種組成に変化があ
ったことを検知するデータ処理手段とを備えたダスト放
射線モニタである。
【0012】
【作用】請求項1に対応する発明によれば、半減期が正
しく設定されるので、ダスト放射能濃度を高精度で測定
でき、また自動的に半減期が設定されるので、操作が簡
単である。
【0013】請求項2に対応する発明によれば、請求項
1の作用に加えて、放射線検出手段の異常も検知でき
る。請求項3に対応する発明によれば、ろ過手段の交換
毎の半減期の値を保存し、その半減期の値の変化を監視
することにより、核種組成の変化があったことを検知で
きる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の第1の実施例の概略構成を
示すブロック図である。これは、サンプリング配管1に
接続され、測定すべき空気をサンプリングする吸引手段
の一例である吸引ポンプ2と、サンプリング空気中のダ
ストを捕集するろ過手段の一例であるろ紙3と、ろ紙3
を駆動するろ紙駆動装置4と、ろ紙3により捕集された
ダスト中の放射能から放出される放射線を検出する放射
線検出器5と、放射線検出器5の出力を増幅するアンプ
6と、アンプ6で増幅された信号からダスト放射能濃度
を演算する(この詳細については後述する)デ−タ処理
装置7と、デ−タ処理装置7の演算結果を表示する表示
装置8とから構成されている。
【0015】デ−タ処理装置7は、ろ紙3の交換前後に
おける放射線を検出する際の検出時刻がほぼ同じなの
で、両者の放射能濃度の演算結果が本来一致すべきもの
として扱い、これに基づき正しい半減期を逆算し、また
求めた正しい半減期によりダスト放射能濃度演算を行な
う。
【0016】ダスト放射濃度Cは、(1)式に示すよう
に、ろ紙3の交換前後の2つの状態で放射能濃度が同じ
という前提、つまり、ろ紙交換前の放射能濃度=ろ紙交
換後の放射能濃度 C(T1/2 ,t)=C(T1/2 ,0) …(1) と置くことにより、半減期T1/2 で新規に高精度のダス
ト放射能濃度を求めることができる。
【0017】この場合、ダスト放射能濃度Cは、(2)
式に示すように、集塵計数時間tと計数時間Nと半減期
T1/2 と定数Kの関係式で示されるので、ろ紙3の交換
前後の2つの状態で放射能濃度が同じという前提を置
き、半減期T1/2 のみ変数とすることで、半減期T1/2
を求めることができる。この求めた半減期T1/2 により
新規に高精度のダスト放射能濃度を求めることができ
る。 C(T1/2 ,t)= K・N÷[t−(T1/2 /0.693 )・(e-0.693・t/T1/T2 −1)] …(2) 以下、図2、図3を参照して第1の実施例の動作を説明
する。図2は第1の実施例の動作を説明するための図で
あり、一定時間毎に集塵し、ダスト放射能濃度を演算し
(S1)、これを何回か繰り返した後(S2)に、集塵
量がある程度蓄積してきたら、ろ紙を交換し(S3)、
集塵を行い計数し、この計数値を基にダスト放射能濃度
演算を繰り返す(S4)。ここまでの処理は、従来のダ
スト放射線モニタと同じである。
【0018】データ処理装置7は、さらにろ紙3の交換
前後のダスト放射能濃度の演算結果を比較して半減期T
1/2 の補正値を求め(S5)、新しい半減期T1/2 に入
れ換える。入れ換え後は、最新の半減期T1/2 で演算す
る。このため、正しいダスト放射能濃度が求められる
(S6)。
【0019】この場合、ダスト放射能濃度Cは、(2)
式で求められるので、ろ紙3の交換前後の2つの状態で
放射能濃度が同じという前提に基づき、半減期T1/2 の
みを変数とすることで、半減期T1/2 を求めることがで
きる。この求めた半減期T1/2 で新規に高精度のダスト
放射能濃度を求めることができる。
【0020】デ−タ処理装置7において、ろ紙3の交換
前後の演算結果比較で半減期T1/2の補正値を求め、新
しい半減期T1/2 に入れ換える。入れ換え後は、最新の
半減期T1/2 で演算されるので、正しいダスト放射能濃
度Cが求められる。
【0021】図3は以上述べた第1の実施例の集塵測定
推移を示す図であり、(a)はダスト放射能濃度を集塵
したときの計数率の推移例である。図3(b)は半減期
T1/2 の値が正しくない時のダスト放射能濃度の推移例
を示すものであり、正しくない場合は、ろ紙の交換前後
の放射能濃度の値に差dがある。図3(c)は半減期T
1/2 の値が正しい時のダスト放射能濃度の推移例を示し
たものであり、正しい場合は、ろ紙3の交換前後の放射
能濃度の値に差がない。
【0022】以上述べた第1実施例によれば、半減期が
正しく設定され、ダスト放射能濃度を高精度で測定で
き、また自動的に半減期が設定されるので、操作が簡単
である。 次に、本発明の第2の実施例について説明す
るが、図1の実施例のデータ処理装置7は、以下のよう
になっている点のみが、第1の実施例とは異なる。すな
わち、ろ紙3の交換前後のダスト放射能濃度から半減期
T1/2 を求め、この新しい半減期T1/2 で集塵・演算を
繰り返し、放射能濃度の変化を監視し、放射能濃度の変
化を認めたとき、直ちにろ紙駆動装置に対してろ紙3の
交換指令を与え、ろ紙交換前後の放射能濃度値から、半
減期T1/2 を設定変更する。
【0023】このように、測定途中で測定データの変化
で、(イ)真にダスト放射能濃度が上昇したか、(ロ)
放射線検出器5の故障等で結果がふらついているのか判
断区分けすることができる。
【0024】(イ)の場合は、半減期T1/2 が変わらな
い。(ロ)の場合は、図4(c)に示すように半減期T
1/2 が変わり、さらに再設定した後もすぐにレベルが変
化する。
【0025】なお、図4はダスト放射能濃度の演算結果
の推移を示すであり、図4(a)は半減期の変化があっ
た場合であり、図4(b)は放射線検出器5の異常又は
放射能濃度変化したときの推移を示している。
【0026】このように、第2の実施例によれば、正し
い測定値が得られることに加えて、放射線検出器5の異
常も検知できる。さらに、本発明の第3の実施例につい
て説明するが、図1の実施例のデータ処理装置7は以下
のようになっている点のみが、第1の実施例とは異な
る。すなわち、ろ紙3の交換前後のダスト放射能濃度か
ら半減期T1/2 を求め、演算に使用する半減期T1/2 を
更新し、新しい半減期で集塵・演算を繰り返し、かつ、
ろ紙3交換毎の各半減期の値を保存し、その半減期の値
の変化を監視し、これにより核種組成の変化があったこ
とを検知する。
【0027】このように、第3の実施例によれば、以下
のような作用効果が得られる。すなわち、通常は図5
(a)に示すように、一度半減期が変化したら、その後
は一定となるが、ダスト放射能の発生源が、複数あって
これらの種類異なる場合は、図5(b)のようになる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、常に正しい半減期を設
定してダスト放射能濃度を高精度に測定し、また操作が
簡単なダスト放射線モニタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるダスト放射線モニタの第1の実施
例の概略構成を示すブロック図。
【図2】図1の実施例の動作を説明するための図。
【図3】図1の実施例の集塵測定推移を示す図。
【図4】本発明によるダスト放射線モニタの第2の実施
例のダスト放射能濃度演算結果の推移を示す図。
【図5】本発明によるダスト放射線モニタの第3の実施
例の半減期の推移を示す図。
【図6】従来のダスト放射線モニタの一例の動作を説明
するための図。
【符号の説明】
1…サンプリング配管、2…吸引ポンプ、3…ろ紙、4
…ろ紙駆動装置、5…放射線検出器、6…アンプ、7…
データ処理装置、8…表示装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定すべき空気をサンプリング配管内に
    吸引する吸引手段と、 この吸引手段で吸引された空気中のダストを捕集するろ
    過手段と、 このろ過手段によって捕集されたダスト中の放射能から
    放出される放射線を検出する放射線検出手段と、 前記ろ過手段の交換前後における前記放射線検出手段の
    検出結果からダスト放射能濃度を演算し、これらの演算
    結果に基づいて正しい半減期を逆算し、この逆算で求め
    た正しい半減期を用いてダスト放射能濃度を演算するデ
    ータ処理手段と、 を備えたことを特徴とするダスト放射線モニタ。
  2. 【請求項2】 測定すべき空気をサンプリング配管内に
    吸引する吸引手段と、 この吸引手段で吸引された空気中のダストを捕集するろ
    過手段と、 このろ過手段で捕集されたダスト中の放射能から放出さ
    れる放射線を検出する放射線検出手段と、 前記ろ過手段の交換前後における前記放射線検出手段の
    検出結果からダスト放射能濃度を演算し、これらの演算
    結果に基づいて半減期を求め、この新しい半減期で集塵
    およびダスト放射能濃度演算を繰り返しながらダスト放
    射能濃度の変化を監視し、ダスト放射能濃度に変化が認
    められたとき、前記ろ過手段の駆動手段に対して交換指
    令を出力し、前記ろ過手段の交換前後のダスト放射能濃
    度から半減期を設定変更するデータ処理手段と、 を備えたことを特徴とするダスト放射線モニタ。
  3. 【請求項3】 測定すべき空気をサンプリング配管内に
    吸引する吸引手段と、 この吸引手段で吸引された空気中のダストを捕集するろ
    過手段と、 このろ過手段により捕集されたダスト中の放射能から放
    出される放射線を検出する放射線検出手段と、 前記ろ過手段の交換前後における前記放射線検出手段の
    検出結果から求められるダスト放射能濃度から半減期を
    求め、この求めた半減期を更新し、この新しい半減期で
    ダスト放射能濃度演算を繰り返し、かつ、前記ろ過手段
    の交換毎の各半減期の値を保存し、その半減期に変化が
    あったとき核種組成に変化があったことを検知するデー
    タ処理手段と、 を備えたことを特徴するダスト放射線モニタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101054812B1 (ko) * 2011-06-13 2011-08-05 홍윤희 방사능 검출기 내의 가스 흡입 및 충전장치
KR102624618B1 (ko) * 2023-08-16 2024-01-12 서울검사 주식회사 일일 방사선량 모니터링 시스템 및 그 방법

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