JPH079836A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH079836A
JPH079836A JP15377293A JP15377293A JPH079836A JP H079836 A JPH079836 A JP H079836A JP 15377293 A JP15377293 A JP 15377293A JP 15377293 A JP15377293 A JP 15377293A JP H079836 A JPH079836 A JP H079836A
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JP
Japan
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temperature
air
switch
evaluation coefficient
equivalent temperature
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JP15377293A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Sakurai
義彦 桜井
Katsumi Iida
克己 飯田
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗員の温冷感スイッチ操作が複合的な環境要
因の影響によるものかを判別して各センサ値の評価傾向
を修正した空調制御を行い、個人差に応じた快適な体感
温度が得られる車両用空調装置を提供する。 【構成】 日射センサと、車室内外温度センサと、気流
速センサもしくは気流速推定手段と、これらの検出値に
基づき、所定の等価温度演算式により等価温度を演算す
る等価温度演算手段と、等価温度と予め設定された目標
温度とに基づき、総合制御値を演算する総合演算手段
と、総合値に基づき、各種空調機器を駆動制御する制御
手段を備えた車両用空調装置であって、乗員の体感状態
を入力する温冷感スイッチと、このスイッチ操作時に、
当該時点の上記各センサの各検出値に基づき、上記等価
温度演算式内の対応する各検出値の評価係数を、予め設
定されたマップを参照して修正する評価係数修正手段と
を備え、等価温度演算式による検出値の評価をより乗員
の体感傾向に準じたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗員の体感状態を指示
入力する温冷感スイッチを備えた車両用空調装置に関
し、特に、この温冷感スイッチの操作が、複合的な環境
の影響によるものかを判別して、これに応じた空調制御
を行うものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用空調装置としては、各種
センサを設け、これらのセンサからの検出値を、等価温
度演算式によって等価温度を演算して評価することによ
り、乗員が体感する温度を推定して空調制御を行い、快
適な空調環境となるようにしたものが知られている。す
なわち、各種センサより得られる車外の自然環境や車内
の空調環境の情報から、人間の体感状態を推定して、こ
の体感を快適にするような空調制御をしている。
【0003】このような車両用空調装置は、車内温度を
変更する冷暖房システムや送風ブロア等からなる各種の
空調機器と、車内の入射日光を受光し日射量を検出する
日射センサ、空調ダクトに設けられた内気及び外気温度
センサ、車内温度を検出する車室温度センサ等からなる
各種の環境センサ群と、これらのセンサ群からの検出値
を評価演算する等価温度演算手段と、この等価温度演算
値と目標値に基づき、総合制御値を演算する総合演算手
段と、この制御値に基づき、空調機器群を駆動制御する
制御手段とから構成されている。
【0004】そして、この空調装置を始動すると、予め
設定された快適な体感温度である目標温度が、総合演算
手段に読込まれる。次に、各種センサから連続入力され
る検出値に基づき、等価温度演算手段が等価温度演算式
に従って、等価温度を演算する。そして、この等価温度
と目標温度とを比較し、これらの温度差を解消するよう
に総合演算手段が総合値を演算し、この総合値に基づい
て制御手段が各空調機器を駆動制御する。つまり、セン
サ群からの検出値を演算し推定した体感温度を、常時、
快適な目標温度に一致させるような空調制御が行われて
いた。したがって、実際の車内温度が、目標温度に、必
ずしも一致することにはならない。また、日射等の自然
環境の変化による影響により、演算式により体感を推定
した等価温度が変化し、この結果、車内温度が変更され
ることもある。しかし、等価温度と目標温度とは、制御
手段により、常に一致するようになっている。
【0005】また、着衣量の違い、体重、体調、年令、
性別などの個人差により、個々の乗員の体感温度と、平
均的な評価に設定された演算式による等価温度とは異な
る場合があり、快適性が維持されないことがある。この
ため、上記空調装置には、手動操作による目標温度の変
更スイッチを設けている。すなわち、自動制御された空
調環境から得られる体感温度を、乗員毎に特徴的な体感
傾向による体感温度に合わせるように、空調装置の目標
温度を、乗員が直接的に変更できるようにしている。例
えば、空調制御の作動時に、乗員が暑いと体感している
場合には、乗員の手動操作により、直接的に空調装置の
目標温度を降下させ、他方、乗員が涼し過ぎると体感し
ている場合には、この目標温度を上昇させている。そし
て、この変更された目標値に基づき、空調制御を行い、
快適性を維持できるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の空調装
置においては、乗員の手動スイッチ操作により、直接的
に空調装置の目標温度を変更しているので、必ずしも要
望する個性的な快適感温度が得られなくなり、快適性を
損なうという不具合が生じた。これは、この温度変更
が、乗員の感覚により行われるので、この感覚量を温度
の修正量に反映して換算することが、困難であるためで
ある。
【0007】また、この目標温度の直接変更は、車外の
環境変化による体感変化量を空調装置に指示せずに行わ
れる一方、これと同時に空調装置は、この環境変化を検
出している各センサからの検出値を等価温度演算式によ
り評価して、体感を推定する等価温度を算定している。
したがって、この演算式の評価傾向を修正せずに目標温
度を変更することは、乗員の体感を推定する等価温度の
本来の目的が、達成されていないことになる。また、予
め快適な体感温度とされている目標温度を変更すること
は、この目標温度を中心に設計されている制御システム
の精妙な全体バランスを損なうおそれがある。
【0008】更に、これまでの空調制御は、各センサの
検出値を個別に評価する、つまり自然環境による空調環
境への影響を、日射等の個別の影響を評価して制御を補
正したり、細分化された環境状態モードに判別して、こ
のモードに応じて制御を補正することに応用していた。
すなわち、複数の環境の影響を相互に関連づけて、統合
的な評価による制御を行っていないので、各補正の効果
が干渉しあったり補正が重複して過剰な制御効果が生じ
たりして、制御がミスマッチになり、充分な快適性が原
理的に達成できないおそれがある。
【0009】そこで、本発明は、乗員による温冷感スイ
ッチの操作が複合的な環境要因の影響によるものかを判
別して各センサ値の評価傾向を修正した空調制御を行
い、個人差に準じた快適な体感温度が得られる車両用空
調装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用空調装置
は、日射センサと、車室内外温度センサと、気流速セン
サもしくは気流速推定手段と、これらの検出値に基づい
て所定の等価温度演算式により等価温度を演算する等価
温度演算手段と、この等価温度及び予め設定された目標
温度に基づいて総合制御値を演算する総合演算手段と、
この総合値に基づいて各種空調機器を駆動制御する制御
手段と、を備えた車両用空調装置において、乗員が暑い
と感じたとき又は寒いと感じたときに操作する温冷感ス
イッチと、前記温冷感スイッチの操作により等価温度演
算式内の評価係数を修正する評価係数修正手段と、を備
え、前記評価係数修正手段は、少なくとも日射センサ及
び(又は)車室内外温度センサの検出値に応じた修正値
が予め設定されているマップに基づいてなされるもので
あって、更にこの評価係数修正手段は、前記温冷感スイ
ッチの操作時に、当該時点の日射センサ及び車室内外温
度センサの検出値に対応した修正値を選択するものであ
る車両用空調装置である。
【0011】
【作用】したがって、本発明によれば、乗員の体感を入
力する温冷感スイッチと、このスイッチにより参照する
環境情報の各検出値に応じた係数修正マップを設けるこ
とにより、乗員によるこのスイッチ操作時の内外の空調
環境と体感入力に応じたマップ参照によって、各センサ
検出値に対応する等価温度演算式内の評価係数が、同時
に複合的に修正される。このため、温冷感スイッチ操作
のみで、演算式の評価傾向が乗員の体感に準じるので、
良好な操作性が得られる。
【0012】また、快適性が得られていない場合に、乗
員の温冷感スイッチの体感入力と内外の環境要因によ
り、等価温度演算式の評価係数を修正しているので、乗
員が空調制御をどのように評価しているか、また、個人
によって異なる体感傾向も制御システムに組込むことが
できる。
【0013】更に、温冷感スイッチにより、乗員の体感
を推定する等価温度演算式の評価傾向を修正することに
よって、演算される等価温度が変更され、新たな温度に
空調制御できるので、設計時の目標温度を変更せずに済
むことになり、制御の全体バランスが良好に維持でき
る。
【0014】更にまた、個別の環境による体感への影響
を判別していたのが、一つの環境要因による影響による
ものにとどまらず、複合的な影響によるものとして相互
に関連性のある複合的な修正が行われることになり、よ
り統合的な高度の空調制御が行われる。
【0015】
【実施例】以下に本発明を、図1ないし図8に示す実施
例に基づいて説明する。図1は、本実施例の車両用空調
装置10の概略構成を示している。この空調装置10
は、ダクト11に設けられた各種の空調機器と、これら
の機器を駆動制御するコントロールユニット12とから
構成されている。ダクト11の最上流側(図中左側)に
は、内気入口13と外気入口14とを切換えるインテー
クドア15が設けられている。また、このダクト11内
の上流側から下流側へ順次、送風ブロア16、エバポレ
ータ17、ミックスドア18、ヒータコア19が配設さ
れている。更に、ダクト11の最下流側(図中右側)に
は、車室20に連通するベント吹出口21、デフロスタ
吹出口22、フート吹出口23が設けられている。これ
らの吹出口21,22,23は、モード切換え用の切換
えドア24a,24b,24cにより切換えられて開閉
動作するようになっている。
【0016】上記送風ブロア16は、電動モータ16a
により回転駆動され、このモータ16aへの供給電圧を
加減することにより、モータ回転速度を増減して、ダク
ト11内の送風量を制御している。したがって、このモ
ータ電圧により、上記吹出し口21,22,23から車
室20に吹出す気流速が推定できるようになっている。
【0017】上記エバポレータ17は、コンプレッサ2
5、コンデンサ26、レシーバタンク27、膨張弁28
とが配管により接続され、これらの内部に冷媒を循環通
流する冷房システムを構成している。このコンプレッサ
25は、走行用エンジン30により駆動され、このコン
プレッサ25が冷媒を圧縮送流している。そして、この
冷媒の圧縮膨張サイクルにより、エバポレータ17を通
過する空気と低温の冷媒間とで熱交換が行われ、ダクト
11内の導入空気を冷却するようになっている。
【0018】上記ヒータコア19は、走行用エンジン3
0、ラジエータ31とが配管により接続され、これらの
内部にエンジン冷却水が循環通流される暖房システムを
構成している。すなわち、エンジン放熱用の冷却水がヒ
ータコア19に供給され、この高温の冷却水によりヒー
タコア19を通過した空気を加温するようになってい
る。また、このヒータコア19を通過する加温される空
気とバイパスする空気との比率は、ミックスドア18の
開度により設定され、この混合比率により導入された空
気全体の暖房温度が設定される。尚、32は、ヒータコ
ア19への冷却水の供給流量を調整する調節弁である。
【0019】そして、車室20内へ連通する吹出しモー
ド切換用の各切換ドア24a,24b,24cにより、
ベント吹出口21、デフロスタ吹出口22、フート吹出
口23が選択され、この選択された吹出し口から、調和
された空気が車室20内に送出される。
【0020】また、上記コントロールユニット12に
は、外気温度Tambを検出する外気温度センサ42、内
気温度Tinc(車室20内の温度)を検出する内気温度
センサ43、日射量Qsnを検出する日射センサ44が接
続されるとともに、空調装置10の作動状態の表示及び
乗員の指示入力用の操作パネル33が接続されている。
【0021】この操作パネル33は、車室20のダッシ
ュボード中央付近など、乗員の視認・操作しやすいとこ
ろに設置され、乗員が確認しながら空調装置を操作でき
るようになっている。また、操作パネル33は、図2に
示すように、液晶などを用いた表示部34と操作スイッ
チ群35とから構成されている。この表示部34には、
操作スイッチ群35により設定された作動モードや温度
など、現在の空調装置の作動状態が、文字及び図形情報
として表示され、作動状況が容易に把握できるようにな
っている。また、操作スイッチ群35は、操作パネル3
3の下列に配置された各種設定スイッチ36と、右側に
配置されたオート・モードのオートスイッチ37とオフ
・モードのオフスイッチ38とから構成されている。こ
の設定スイッチ36は、図中の左側から順次、説明する
と、乗員の性別や着衣量の程度を入力する性別・服装ス
イッチ36a,36b、吹出し口からの風量を調節する
ブロア・スイッチ36c、吹出し口モードを選択する吹
出し口モード・スイッチ36d、コンプレッサの動作モ
ードを切換えるA/Cスイッチ36e、内外気循環を選
択する内外気切換えスイッチ36f、吹出し口をデフロ
スタに固定するデフ・スイッチ36gとから構成されて
いる。更に、このオートモード・スイッチ37の隣りに
は、温冷感スイッチ39である寒い時/暑い時スイッチ
39a,39bが、独立して設けられている。この温冷
感スイッチ39はプッシュ・オン式のスイッチであり、
複数回数のオン入力操作ができるようになっている。更
に、この温冷感スイッチ39は、オートモード・スイッ
チ37がオンの場合にのみ、乗員の温冷感によるオン入
力が、コントロールユニット12に伝達されるようにな
っている。そして、この温冷感スイッチ39の操作によ
り、後述する本願の等価温度演算式内の評価係数を修正
する処理が開始されるようになっている。
【0022】再び図1に示すように、上記コントロール
ユニット12は、I/Oポート,CPU,メモリなどを
有するマイクロコンピュータと、各入力信号をデジタル
変換するA/D変換器などと、上述した各種の空調機器
の駆動を制御する駆動回路とを備えている。そして、空
調装置をオートで作動させる場合には、各センサ42,
43,44からの入力データTamb,Tinc,Qsn,によ
り等価温度Teqが演算され、この等価温度Teqと目標等
価温度Trefとから総合演算値Xが演算され、この総合
演算値Xに基づいた各制御信号によりインテークドア1
5、ブロア16、コンプレッサ25、ミックスドア1
8、モードドア24a,24b,24cの制御が行われ
る。尚、図1中、51,52,53は、それぞれのドア
を開閉動作させるアクチュエータを示し、54は送風ブ
ロア・モータ16aの供給電圧を増減する可変抵抗器を
示し、それぞれコントロールユニット12により動作が
制御される。また、コントロールユニット12のマイク
ロコンピュータにより、等価温度演算手段と、評価係数
修正手段と、総合演算手段と、空調機器の制御手段とが
構成されている。
【0023】次に、全体の空調制御を、図3に示すフロ
ーチャートに基づき説明する。まず、空調装置10が始
動されると、このメインルーチンに従って空調制御が開
始され、ステップP100において、マイクロコンピュ
ータの自己診断テストや各種制御値の初期設定が行われ
動作準備を整える。そして、ステップP200では、各
種センサ42,43,44及び操作パネル33からの検
出/設定信号が、読込まれる。また、ステップP300
では、操作パネル33の温冷感スイッチ39操作判定が
行われ、この操作があった場合は、各検出値に応じて、
等価演算式内の対応する評価係数が修正される。更に、
ステップP400において、この修正または無修正の等
価演算式により等価温度Teqが演算される。そして、ス
テップP500において、この等価温度Teqを目標等価
温度Trefに一致させるように、空調装置10全体を制
御する総合演算値Xが演算される。尚、この目標等価温
度Trefは、乗員の快適な体感温度である23℃に固定
されている。最後に、ステップP600では、この総合
演算値Xに基づき、コントロールユニット12により、
インテークドア15、ブロア16、コンプレッサ25、
ミックスドア18、モードドア24a,24b,24c
などの駆動が制御される。
【0024】まず、本願による修正の対象である等価温
度演算式を説明し、次に、この演算式内の係数を修正す
る評価係数修正ルーチンを説明する。すなわち、等価温
度演算ルーチンP400において、等価温度Teqが次に
示す等価温度演算式により演算される。
【0025】Teq=A・Tinc+B・Trad+(C−D・√
Va)・(E−Tinc)/(1+Icl) 上式中、A,B,Dはそれぞれの評価係数を示し、前述
した評価係数修正ルーチンの処理により、修正され再設
定される場合がある。また、C,Eは定数であり、例え
ば、Cは0.24などのように固定されている。
【0026】また、この式の第1項は、内気温度センサ
43からの内気温度Tincにより、実際に制御された温
度の影響を、体感温度に換算し評価している。ここに用
いられている評価係数Aは、初期値として0.55が設
定されている。そして、この係数Aは、後述する修正ル
ーチンのマップからのa値を加算することにより、修正
される。
【0027】次に、第2項は、日射などの影響を主に評
価し、体感温度に換算している。このTradは、平均輻
射温度(℃)を示し、次式から演算される。
【0028】Trad=K1・Tb+K2・Qsn ここで、Tbは、車体内部壁温度(℃)を示し、Qsn
は、日射センサ43からの日射量(Kcal/m2h)
を示し、K1,K2は固定された定数である。
【0029】この車体内部壁温度Tbは、次式から演算
される。
【0030】M・dTb/dT=Ka・(dQsn−Kb・(Tb−
Tamb)−K3・(Tb−Tinc)) このように上式により、Tradが演算され、このTradに
評価係数Bが乗算される。この評価係数Bは、初期値と
して0.45が設定されており、この係数Bは、後述す
るマップからのb1とb2により、修正される。また、
M,Ka,Kb,K3は、一定の定数である。
【0031】更に、第3項は、車室20内の気流速の影
響を主に評価し、体感温度に換算している。ここで、V
aは気流速を示し、Iclは着衣量を示す。この気流速Va
は、送風ブロア16のモータ供給電圧Vfanから、次式
により演算される。
【0032】Va=K4・Vfan ここで、K4は固定された換算定数である。尚、このよう
に本実施例では、気流速Vaを、モータ電圧Vfanから換
算し推定して求めているが、気流速センサを設けて、こ
のセンサにより、気流速Vaを検出してもよい。
【0033】また、着衣量Iclは、図4に示すグラフよ
り、外気温度センサ42の外気温度Tambから決定さ
れ、操作パネル33の服装スイッチ36bによって修正
される。
【0034】この評価係数Dは、初期値として0.75
が設定されており、この係数Dに後述するマップのdを
加算することにより、修正される。
【0035】そして、上述した等価温度演算式の評価係
数A,B,Dが、評価係数修正ルーチンにおいて、それ
ぞれの検出値に対応するマップを参照して更新修正され
る。
【0036】この評価係数修正ルーチンは、図5のフロ
ーチャートに示すように、まず、ステップP301にお
いて、乗員が温冷感スイッチ39を操作したかどうかが
判別され、操作した場合には、ステップP302〜ステ
ップP304に進み、評価係数の修正処理が行われ、操
作しない場合には、この係数修正ルーチンを終了し、メ
インルーチンに復帰する。
【0037】このステップP302において、乗員によ
り操作された温冷感スイッチ39の判別と、そのスイッ
チ操作時点の室温に応じ、図6に示すマップを参照し
て、修正値aが求めらる。すなわち、寒い時スイッチ3
9aまたは暑い時スイッチ39bと、内気温度センサ4
3からの車室内温度とから、修正値aが決定される。そ
して、このa値を等価温度式の第1項の評価係数Aに加
算して、評価係数Aが更新修正される。この修正された
新たな評価係数Aは、再度、この修正ルーチンにより更
新修正され、これらの修正が累積されるようになってい
る。
【0038】この図6において、通常、a値は、0.1
単位の修正が行われるようになっている。しかし、室温
が10℃以下の場合に、寒い時/暑い時スイッチ39
a,39bを操作したときには、a値が0となってい
る。つまり、この室温が10℃以下の時には、空調環境
が安定状態へ移行する途中の過渡状態であるとして、こ
の評価係数Aの修正を禁止している。したがって、空調
制御の効果が充分に現われていない過渡状態に評価係数
Aを修正し、空調制御が安定状態に移行したときにアン
バランスな制御となることを防止できる。
【0039】また、室温が20〜30℃の場合には、a
値が0.2単位の修正となっている。これは、空調環境
が安定状態になっているとともに、この温度範囲におい
ては乗員の個人差による体感の幅が増大するとして、温
冷感スイッチ操作による評価係数Aの修正単位を増加
し、乗員の要望を等価温度演算式の評価に大きく反映し
ている。
【0040】次に、ステップP303に処理が進み、図
7及び図8に示すマップを参照して求められた修正値b
1及びb2により、評価係数Bが更新修正され、この修正
も累積する。すなわち、寒い時/暑い時スイッチ39
a,39bと、このスイッチ操作時点の外気温度センサ
42からの外気温度とから修正値b1、及び、日射セン
サ44からの日射量とから修正値b1が決定される。
【0041】ここで、図7に示す外気温影響の修正値b
1は、外気温の上昇に応じて、修正量が減少するように
設定されている。これは、外気温が目標温度に近くなる
ので、体感に対する外気温の影響が減少することに鑑み
て、このようにしたものである。但し、外気温が30℃
以上の場合、寒い時スイッチ39aの操作時には、修正
量が0となる。これは、外気温が30℃以上ではガラス
面からの冷輻射の影響はほとんどないので、これ以上の
係数修正を無効にして、制御バランスの悪化を防止して
いる。また、同様な場合の暑い時スイッチ39bの操作
時には、修正量を0.02としてガラス面からの熱輻射
を体感していることによるスイッチ操作が、空調制御に
反映されるようになっている。
【0042】他方、日射影響の修正値b2は、図8に示
すように、寒い時スイッチ39aの操作時には、修正量
が0に固定され、無修正となっている。また、暑い時ス
イッチ39bの操作時には、日射量の上昇に応じて、修
正量が増加するように設定されている。これは、日射の
強弱は、乗員の寒さ体感には、影響が無く、暑さ体感に
影響し、この影響は日射強度に比例しているからであ
る。
【0043】したがって、この評価係数Bにおいては、
寒い時スイッチ39aを操作した場合には、体感に対す
る日射の影響よりも外気温の影響が主に評価され、外気
温の上昇に応じて増加する修正量b1により係数Bが修
正される。また、暑い時スイッチ39bを操作した場合
には、外気温及び日射量の増大に応じて、修正量が増加
したb1及びb2により、係数Bが修正される。
【0044】更に、ステップP304に処理が移行し、
図8に示すマップを参照して、修正値dが求められ、こ
の修正値dにより評価係数Dが更新修正される。すなわ
ち、寒い時/暑い時スイッチ39a,39bと、日射セ
ンサ44からの日射量とから修正値dが決定される。こ
の図8において、寒い時スイッチ39aを操作した場合
には、日射量に関係なく、d値が常に0.02と固定さ
れている。また、暑い時スイッチ39bを操作した場合
には、日射量に応じて、順次、修正量が増大されてい
る。これは、寒い時スイッチ39aを操作する寒いと体
感している場合、気流速による体感に対する日射の影響
は、一定であり、暑いと体感している場合には、日射の
強度に応じて体感への影響が増加するとしているためで
ある。
【0045】このように、温冷感スイッチ39を一回プ
ッシュ操作した時には、その時点の各センサ検出値に応
じた評価係数が修正される。したがって、等価温度演算
式の演算結果が修正前のものより異なる値となり、この
差を解消するように総合演算手段により空調制御するの
で、車内温度などが、操作前より高くまたは低くなるよ
うになっている。すなわち、温冷感スイッチ39の暑い
時スイッチ39bを操作した場合には、評価係数が増加
され、修正後の等価温度が修正前より高くなるので、こ
の高めの等価温度を目標温度に一致させるために、車内
温度がより低く制御される。
【0046】また、ある温冷感スイッチ操作があり、再
び新たに操作された場合には、その時点の環境情報に対
応した修正値が加算され、これらの係数の修正が、累積
されるようになっている。例えば、室温が20〜30℃
の場合に寒い時スイッチ39aの操作があり、その後、
30℃以上の場合に暑い時スイッチ39bの操作があっ
たときには、Aの値が0.53になった後、0.54とな
る。
【0047】したがって、本発明によれば、乗員の体感
を入力する温冷感スイッチと、このスイッチにより参照
する環境情報の各検出値に応じた係数修正マップを設け
ることにより、各センサ検出値に対応する等価温度演算
式内の各評価係数が、乗員のスイッチ操作時点の内外の
空調環境と体感入力に応じたマップ参照によって、互い
に関連付けられて複合的に修正される。このため、乗員
の温冷感スイッチ操作のみで、演算式の評価傾向が乗員
の体感に準じるので、良好な操作性により、快適な空調
環境を達成できる。
【0048】また、快適性が得られていない場合に、乗
員の温冷感スイッチの体感入力と内外の環境要因によ
り、等価温度演算式の評価係数を修正しているので、乗
員が空調制御をどのように評価しているかを反映でき、
また、個人毎に異なる体感傾向も制御に組込むことがで
き、乗員毎に特徴的な快適感に準じた最適な空調環境を
得ることができる。
【0049】更に、温冷感スイッチにより、乗員の体感
を推定する等価温度演算式の評価傾向を修正することに
よって、演算される等価温度を変更し、新たな制御を行
っているので、設計時の目標温度を変更せずに済むこと
になり、制御全体のアンバランス化が防止され、制御の
ミスマッチを防止できる。
【0050】更にまた、個別の環境要因による体感への
影響を判別していたのが、一つの環境要因による影響に
よるものにとどまらず、複合的な影響によるものとし
て、相互の関連性のある複合的な修正が行われるので、
より統合的に高度の空調制御が行えることになり、更に
快適性を向上を図ることができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用空
調装置によれば、乗員の体感を入力する温冷感スイッチ
と、このスイッチにより参照する環境情報の各検出値に
応じた係数修正マップを設けることにより、乗員のスイ
ッチ操作時の内外の空調環境と体感入力に応じて、各セ
ンサ検出値に対応する等価温度演算式内の評価係数が、
マップ参照により互いに関連付けられて複合的に修正さ
れる。このため、乗員の温冷感スイッチ操作のみで、演
算式の評価傾向が乗員の体感に準じるので、良好な操作
性により、快適な空調環境を達成できる。
【0052】また、快適性が得られていない場合に、乗
員の温冷感スイッチの体感入力と内外の環境要因によ
り、等価温度演算式の評価係数を修正しているので、乗
員による空調制御の評価や、個人差のある体感傾向も制
御に組込むことができ、各乗員の個性的な快適体感に準
じた最適な空調環境を得ることができる。
【0053】更に、温冷感スイッチにより、乗員の体感
を推定する等価温度演算式の評価傾向を修正することに
よって、演算される等価温度を変更し、新たな制御を行
っているので、設計時の目標温度を変更せずに済むこと
になり、制御全体のアンバランス化が防止され、制御の
ミスマッチを防止することができる。
【0054】更にまた、個別の環境要因による体感への
影響を判別していたのが、一つの環境要因による影響に
よるものにとどまらず、複合的な影響によるものとして
相互に関連性のある複合的な修正が行われるので、より
統合的に高度な空調制御が行え、更に快適性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る車両用空調装置の概略構
成図。
【図2】空調装置の操作パネルの説明図。
【図3】空調装置の制御の全体処理を示すフローチャー
ト。
【図4】外気温から着衣量を求める特性図。
【図5】等価温度演算式の評価係数A,B,Dの修正処
理を示すフローチャート。
【図6】評価係数Aを修正する修正値aを求める表。
【図7】評価係数Bを修正する修正値b1を求める表。
【図8】評価係数Bを修正する修正値b2、及び、評価
係数Dを修正する修正値dを求める表。
【符号の説明】
10 車両用空調装置 11 ダクト 12 コントロールユニット(評価係数修正手段) 16 送風ブロア 16a 電動モータ 33 操作パネル 37 オートモード・スイッチ 39 温冷感スイッチ 39a 寒い時スイッチ 39b 暑い時スイッチ 42 外気温度センサ 43 内気温度センサ 44 日射センサ 54 可変抵抗器 Tamb 外気温度 Tinc 内気温度 Qsn 検出日射量 Teq 等価温度 Tref 目標等価温度 X 総合演算値 A 温度評価係数 B 日射評価係数 D 気流速評価係数 a 温度評価修正値 b1,b2 日射評価修正値 d 気流速評価修正値

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 日射センサと、車室内外温度センサと、
    気流速センサもしくは気流速推定手段と、これらの検出
    値に基づいて所定の等価温度演算式により等価温度を演
    算する等価温度演算手段と、この等価温度及び予め設定
    された目標温度に基づいて総合制御値を演算する総合演
    算手段と、この総合値に基づいて各種空調機器を駆動制
    御する制御手段と、を備えた車両用空調装置において、 乗員が暑いと感じたとき又は寒いと感じたときに操作す
    る温冷感スイッチと、 前記温冷感スイッチの操作により等価温度演算式内の評
    価係数を修正する評価係数修正手段と、を備え、 前記評価係数修正手段は、少なくとも日射センサ及び
    (又は)車室内外温度センサの検出値に応じた修正値が
    予め設定されているマップに基づいてなされるものであ
    って、更にこの評価係数修正手段は、前記温冷感スイッ
    チの操作時に、当該時点の日射センサ及び車室内外温度
    センサの検出値に対応した修正値を選択するものである
    ことを特徴とする車両用空調装置。
JP15377293A 1993-06-24 1993-06-24 車両用空調装置 Pending JPH079836A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2821659A1 (fr) * 2001-03-02 2002-09-06 Fiat Ricerche Systeme de controle pour une installation de climatisation

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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