JPH0797676B2 - 固体レーザー装置 - Google Patents

固体レーザー装置

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JPH0797676B2
JPH0797676B2 JP2132331A JP13233190A JPH0797676B2 JP H0797676 B2 JPH0797676 B2 JP H0797676B2 JP 2132331 A JP2132331 A JP 2132331A JP 13233190 A JP13233190 A JP 13233190A JP H0797676 B2 JPH0797676 B2 JP H0797676B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、励起光源としての半導体レーザー光を高効率
で光結合して固体レーザー素子を光励起する固体レーザ
ー装置に関する。
〔従来の技術〕
半導体レーザーを励起光源として用いた固体レーザー
は、高効率、長寿命及び小型化が図れることから、注目
を集めている。とりわけ、固体レーザー素子の光軸方向
から光励起する端面励起方式では、固体レーザーの発振
モードに半導体レーザー光による励起空間をうまくマッ
チングさせることにより、高効率で単一基本横モード発
振を実現することができる。しかし、半導体レーザーは
ビーム発散角が大きいため、集光系を半導体レーザーに
接近させて集光する必要があり、この半導体レーザー出
射光の集光は容易ではなかった。
この半導体レーザーを励起光源として用いた固体レーザ
ーの光結合器として、中心軸からの距離に応じて屈折率
が変化する円柱状の光学ガラス体である屈折率分布形レ
ンズを用いると、集光レンズ系を小さくまとめることが
できる(例えば、特開昭58−52889号、特開昭60−25444
号参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
発散角が大きい半導体レーザー光を集光するには高開口
数の屈折率分布形レンズが必要であり、このためレンズ
長は短くなる。半導体レーザーが更に高出力になると、
パッケージ内に電子冷却機構を内蔵する必要があり、パ
ッケージ容積が大きくなる。
出力を増大させるために、2個の半導体レーザーからの
レーザー光を光結合し、これを励起光源として用いるこ
とが考えられるが、このような大型パッケージの2個の
半導体レーザーからのレーザー光を、ピッチが0.5未満
の通常の屈折率分布形レンズによりコリメートして、例
えばビームスプリッターに導光することは、隣合う半導
体レーザー同士の立体障害のために困難であった。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたもので、大型パ
ッケージからなる2個の半導体レーザーの出力光を集光
して、固体レーザー素子の発振モードにマッチングする
ようにシンプル且つコンパクトで効率よく固体レーザー
素子を光励起し、ビーム品質の良いレーザー出力を生起
せしめる固体レーザー装置を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の固体レーザー装置
においては、2個の半導体レーザーを励起光源として用
いるとともに、偏光ビームスプリッターを光結合器とし
て用い、この偏光ビームスプリッターの互いに直交する
2つの受光軸上に、ピッチが0.5〜20の屈折率分布形レ
ンズを夫々配して、上記半導体レーザーからのレーザー
光を夫々集光するようになし、且つ、上記偏光ビームス
プリッターの出射軸上に固体レーザー素子を配してい
る。
〔作用〕
界面での光の斜め入射における反射及び透過能が偏光に
依存することを利用すれば、互いに直角に直線偏光した
2個の半導体レーザー光を偏光ビームスプリッターを用
いてビーム合成し、容易に励起光強度を倍増せしめるこ
とができる。
このとき、半導体レーザー光の集光及びコリメーターと
しては、屈折率分布形レンズを用いるのが有利であり、
また、屈折率分布形レンズは、通常のレンズと異なっ
て、位相(2π×ピッチ)がnπ(nは整数)違っても
その集光状態は同一であり、光学長を長くとることがで
きる(例えば、第1図中、屈折率分布形レンズ内の光線
の軌跡を参照)。このため、大型のパッケージからなる
高出力半導体レーザー2個をビーム合成する場合でも、
ピッチが0.5〜20の屈折率分布形レンズを用いて、隣合
う半導体レーザー同士の立体障害を生じることなく、偏
光ビームスプリッターまで導光してコリメートすること
ができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例につき説明する。
第1図は、2個の半導体レーザー出力を集光して合成
し、固体レーザー素子を励起する固体レーザー装置の構
成を示す概略図である。この第1図に示すように、固体
レーザー素子5としてNd:YAGを用い、一方の端面をダイ
クロイックコーティング(Nd:YAGレーザー発振波長1064
nmで高反射(HR)、半導体レーザー光波長808nmで高透
過(AR))し、その面を励起面として、アウトプットミ
ラー6とで共振器を構成する。また、励起用の大型の半
導体レーザー2個1a、1bからの出射光をビーム合成する
ために、半導体レーザー光が偏光していることを利用し
て、偏光ビームスプリッター3をビーム合成器として用
い、矢印7a、7bで示すように、第1の半導体レーザー1a
からの発振光は紙面に平行に偏光させ、第2の半導体レ
ーザー1bからの発振光は紙面に垂直に偏光させて、各々
第1及び第2の屈折率分布形レンズ(ピッチ1.15)2a、
2bにより集光してビーム合成し、第3の屈折率分布形レ
ンズ4により絞られたビームスポットを固体レーザー素
子5内に得る。
このようにして端面励起した固体レーザー装置におい
て、2個の合計2Wの半導体レーザー(波長808nm)出力
でNd:YAGレーザー基本波(波長1064nm)出力680mWの高
効率・高出力発振が得られた。また、Nd:YAGレーザー光
の強度分布はガウス型であり、単一基本横モード(TEM
00)の良質なレーザービームが得られた。
〔発明の効果〕
光結合器としてかかる構成を持つ半導体レーザー励起型
固体レーザー装置は小型で効率が高い上にビーム質が良
く、更に、半導体レーザー1個を励起光源として用いた
ものに比較して出力が倍増した高出力の固体レーザー装
置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による固体レーザー装置の基
本構成を示す概略図である。 なお、図面に用いた符号において、 1a、1b……半導体レーザー 2a、2b……屈折率分布形レンズ 3……偏光ビームスプリッター 4……屈折率分布形レンズ 5……固体レーザー素子 である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2個の半導体レーザーを励起光源として用
    いた固体レーザー装置であって、 偏光ビームスプリッターを光結合器として用い、 この偏光ビームスプリッターの互いに直交する2つの受
    光軸上に、ピッチが0.5〜20の屈折率分布形レンズを夫
    々配して、上記半導体レーザーからのレーザー光を夫々
    集光するようになし、且つ、 上記偏光ビームスプリッターの出射軸上に固体レーザー
    素子を配したことを特徴とする固体レーザー装置。
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