JPH0797315A - 軟膏貼付剤 - Google Patents

軟膏貼付剤

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JPH0797315A
JPH0797315A JP19819193A JP19819193A JPH0797315A JP H0797315 A JPH0797315 A JP H0797315A JP 19819193 A JP19819193 A JP 19819193A JP 19819193 A JP19819193 A JP 19819193A JP H0797315 A JPH0797315 A JP H0797315A
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栄次郎 堀沢
Kinya Tsujimura
欣也 辻村
Akio Komura
昭夫 小村
Nobuko Arakawa
宣子 荒川
Koichi Hiraoka
宏一 平岡
Hiroshi Takei
宏 竹井
Katsumi Hirose
克己 廣瀬
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Abstract

(57)【要約】 【構成】支持体層、軟膏層、中間層および分離層を含
み、かつ支持体層、軟膏層、中間層および分離層をこの
順に配置してなる軟膏貼付剤。 【効果】実用可能な軟膏用貼付剤を提供できるようにな
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟膏貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】火傷や外傷、皮膚表面
及び深部に炎症が発生し、軟膏剤を皮膚に適用すると痛
みを伴う場合、従来はガーゼ、布などに軟膏剤を一定量
塗布して患部に適用し、テープなどで固定する方法が用
いられてきた。
【0003】しかしながら、この方法は軟膏剤をガーゼ
などに塗布するのに時間がかかり、また、塗布を均一に
行うのが困難であること、精密に一定量を投与するのが
困難であること、ガーゼ等の固定が適切に行われない場
合があるなどの問題があり、軟膏貼付剤の開発が望まれ
ていた。
【0004】薬物が支持体上に十分保持されているパッ
プ剤と異なり、軟膏貼付剤では患部に適用する際に分離
層を剥離させると、該分離層に軟膏が付着するため一定
量の薬物を適用することができなくなり、医療用の貼付
剤としては使用し難い。
【0005】このような問題を解決するため、剥離する
際に軟膏の付着し難い、軟らかく又は伸びやすい特殊な
シート状の分離層を用いる軟膏貼付剤が提案されている
(特開平4−257516号公報参照)。
【0006】しかし、この貼付剤では特殊なシートによ
り分離層への軟膏の付着を阻止できるが、使用時にはシ
ートを剥離するため、これに軟膏が付着することは阻止
できない。即ち、通常の適度な硬度及び粘稠度を有する
軟膏剤を貼付剤の形態にするのが困難である欠点を有す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、精密に一定
量の軟膏剤を患部に均一に且つ簡便に適用できる軟膏貼
付剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、軟膏層と分離
層の間に中間層を配置することにより、軟膏剤主薬成分
の患部への浸透を可能にしつつ分離層に軟膏が付着しな
い軟膏貼付剤が得られることを見出した。
【0009】本発明は、支持体層、軟膏層、中間層およ
び分離層を含み、かつ支持体層、軟膏層、中間層および
分離層をこの順に配置してなる軟膏貼付剤(以下、第1
発明という)を提供するものである。
【0010】また、本発明は、支持体層、軟膏剤を多孔
質物質に含浸させた多孔質層および分離層を含み、支持
体層、軟膏剤を多孔質物質に含浸させた多孔質層および
分離層をこの順に配置してなる軟膏貼付剤(以下、第2
発明という)を提供するものである。
【0011】さらに、本発明は、支持体層の一方の面の
一部に軟膏層を配置し、支持体層の該面の非軟膏被覆部
分の全部または一部を、軟膏層を取り囲む状態で接合し
てなる軟膏貼付剤(以下、第3発明という)を提供する
ものである。
【0012】さらにまた、本発明は、支持体層の一方の
面に軟膏層を配置し、該軟膏層と接触しない状態で、該
軟膏層を包囲する被覆部を設けてなる軟膏貼付剤(以
下、第4発明という)を提供するものである。
【0013】先ず、第1発明について説明する(図2参
照)。
【0014】本発明の軟膏には、従来公知の軟膏剤が広
く用いられ、具体的には油脂性軟膏、乳剤性軟膏、水溶
性軟膏などが挙げられ、好ましくはエキザルベ軟膏、ボ
アラ軟膏、ボアラクリームが挙げられる。また、該軟膏
剤に適用される薬物としては、特に限定されるものでは
ないが、鎮痛・鎮痒・収れん・消炎剤、化膿性疾患用
剤、熱傷治療剤、寄生性皮膚疾患用剤、抗腫瘍性抗生物
質製剤などの局所治療剤および血管拡張剤などの全身性
治療剤等が挙げられる。軟膏層の厚みは、特に限定され
るものではないが、通常0.1〜3.0mm程度であ
る。
【0015】本発明で使用される軟膏剤は、展延性試験
による降伏値が500〜100,000dyn/cm2
程度、好ましくは1,000〜10,000dyn/c
2程度である。
【0016】本発明において、中間層とは、軟膏が分離
層に付着するのを抑制し、且つ軟膏が中間層を通って外
部に拡散できるものを意味する。
【0017】該中間層は、多孔質または複数の開口部を
有する不織布、織布、編布、フィルムなどであり、その
材質としては、ナイロン、ポリエチレンおよびポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレ
イトなどのポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、綿、麻
などの天然の繊維、パルプ、ポリ塩化ビニル、レーヨン
などが挙げられ、これらを2種以上混合したものであっ
ても良い。なお、開孔部は、熱風により開孔またはパン
チなどにより形成することもできる。
【0018】中間層としては、具体的にはメッシュシー
ト、不織布シート、紙シート、ガーゼなどが例示され
る。中間層の孔の形成は、規則的であっても不規則であ
っても良い。
【0019】中間層の厚みは、軟膏の種類及び厚みなど
の条件により変化するが、通常0.01〜3.0mm程
度、好ましくは0.05〜2.0mm程度である。
【0020】多孔質である中間層の孔の大きさを円形に
換算したときの直径は、軟膏の種類及び厚みなどの条件
により変化するが、通常0.1〜5000μm程度、好
ましくは5〜2000μm程度である。また、中間層の
開孔率は、通常1〜95%程度、好ましくは5〜60%
程度である。
【0021】本発明の分離層は、医薬品としての汚染防
止および中間層が外部の空気と接触して軟膏が乾燥する
ことによる品質変化および不安定化を防止するためのも
のであり、具体的にはフィルム状、一定形状の成形品な
どが挙げられる。分離層の厚みは5〜5000μm程度
であり、例えば分離層がフィルムの場合には、10〜2
000μm程度である。また、分離層の材質は、紙にシ
リコンなどの分離剤をラミネートもしくはコートしたも
の、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリエチレンテレフタレイトなどのポリエステル、
ナイロン、セロファン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。分離層は、支
持体の非軟膏付着部で支持体に接着される。接着は、ア
クリル系またはゴム系粘着剤などの通常用いられている
粘着剤または圧力によりかしめる方法により行われる。
分離層には切り欠きを設け、分離を容易に行えるように
してもよい。
【0022】本発明の支持体層には、貼付剤として公知
の支持体を広く使用することができ、特に限定されるも
のではないが、例えばウレタン、ポリオレフィン、ポリ
エステル、ナイロン等からなるフィルムにアクリル系ま
たはゴム系粘着剤を均一に塗工したものなどが用いら
れ、その厚みは0.01〜2000μm程度である。
【0023】本発明の支持体層は、ポリエステル、レー
ヨン、ポリオレフィン、ナイロンなどの不織布、編布、
ガーゼ、リント布などの織布、脱脂綿、紙などの介在層
を上記フィルムにアクリル系またはゴム系粘着剤により
固定して形成してもよく、上記フィルムを用いることな
く、上記介在層にアクリル系またはゴム系粘着剤を塗工
して形成してもよい。これらの厚みは0.1〜5mm程
度である。
【0024】本第1発明によれば、分離層に付着する軟
膏は、全軟膏の5%以下である。
【0025】次に、第2発明について説明する(図3参
照)。
【0026】支持体層、軟膏剤および分離層について
は、上記第1発明と同様である。
【0027】多孔質物質は、通常の多孔質物質の他に開
孔部を有する不織布、織布、編布などであり、後者の材
質としては、ナイロン、ポリエチレンおよびポリプロピ
レンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレイ
トなどのポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、綿などの
天然の繊維質を有するもの、パルプ、ポリ塩化ビニル、
レーヨン等が挙げられる。
【0028】上記含浸とは、多孔質物質の表面または内
部に軟膏剤を保持させる通常の場合に加えて、多孔質物
質を積層し、その間に軟膏剤を保持させる場合、或いは
多孔質物質と軟膏剤を単純に混合した場合などを含む概
念であり、多孔質物質と軟膏剤を有し、軟膏剤が分離層
に付着するのを防止するものをすべて含むものである。
【0029】多孔質層における軟膏剤と多孔質物質の比
率は、これらの合計を100重量%として軟膏剤:多孔
質物質=1〜90:99〜10%程度、好ましくは20
〜60:80〜40%程度である。
【0030】多孔質層と分離層の間には、さらに上記の
中間層(例えばメッシュシート)を設けてもよい。
【0031】次に、第3発明について説明する(図4及
び図5参照)。
【0032】支持体層および軟膏剤については、上記第
1発明と同様である。
【0033】軟膏剤は、支持体層上に配置される。その
1つの実施態様では、軟膏剤は支持体の周縁部を除いた
中央部分に配置され、粘着剤を付着してある周辺部を合
わせるように2つ折りにされる(図4参照)。この様に
支持体を2つに折り返すことで、分離層を一部または全
部省略しても軟膏剤の汚染防止および軟膏剤と外部空気
との接触による品質変化および不安定化を抑制すること
ができ、中間層がなくても、軟膏の適用量を一定に保つ
ことができる。
【0034】非軟膏被覆部分には、全面にアクリル系ま
たはゴム系粘着剤を塗工してもよく、一部のみに該粘着
剤を塗工してもよい。粘着剤を有する非軟膏被覆部分の
接合は、直接他の粘着剤を有する非軟膏被覆部分と合わ
せてもよいが、非軟膏被覆部分の間に上記と同様な分離
層を介在させるのが好ましい。分離層の材質及び厚みと
しては、上記第1発明と同様のものが挙げられる。
【0035】なお、非軟膏被覆部分の接合は、図7に示
されるように、2枚の軟膏貼付剤の該部分を接合させて
もよい。
【0036】他の実施態様では、軟膏剤の配置として、
図5に示すように支持体の中央部に非軟膏領域を設け、
両側から折り返すこともできる。
【0037】本第3発明の軟膏貼付剤は、折り返すこと
により軟膏剤を密閉し、軟膏剤と外部空気との接触が阻
止されるものであれば、いかなる形態の軟膏貼付剤も包
含するものである。
【0038】本第3発明の軟膏貼付剤には、上記と同様
な中間層を軟膏層上に設けても良い。この場合、中間層
の作用により軟膏の表面がより均一になるために好まし
い。
【0039】次に、第4発明について説明する(図6参
照)。
【0040】支持体層および軟膏剤については、上記第
1発明と同様である。
【0041】第4発明において被覆部の形状は、被覆部
と軟膏層が直接接触しない限り特に限定されないが、例
えば支持体層を覆う弓状の形状でも良く、箱状の形状で
あっても良い。また、被覆部は、支持体層全体を包んで
も良く、軟膏層を含む支持体層の一部を包んでも良い。
被覆部が支持体層全体を包む場合には、支持体層の非軟
膏配置面は被覆部に着脱可能な状態で固定されるか、ま
たは軟膏層の表面に上記中間層(例えばメッシュシー
ト)をさらに形成し、被覆部に軟膏がほとんど或いは全
く付着しないようにしても良い。被覆部が支持体層の一
部のみを覆う場合には、被覆部は支持体層に固定され
る。
【0042】被覆部は、複数の収納室を有し、軟膏貼付
剤を積層させた状態で保存するような形態であってもよ
い。
【0043】被覆部の材質は、プラスチック、ナイロ
ン、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレ
フィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどが挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0044】被覆部の支持体層への固定は、接着剤また
は強圧によるかしめにより行うことができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の軟膏貼付剤は、いずれも使用時
における軟膏適用量は実質的に一定であり、医薬品とし
て用いることができる。
【0046】本第1発明の軟膏貼付剤は、中間層を設け
たことにより、軟膏剤の主薬成分が中間層を通った皮膚
への拡散をほとんど或いは全く阻害しない。一方、中間
層の材質及び孔の大きさをコントロールすることで、薬
物の皮膚への拡散を制御することができ、持続性の製剤
とすることもできる。
【0047】本第2発明の軟膏貼付剤は、軟膏を多孔質
物質に含浸しているため、使用時に分離層を分離する
際、軟膏の分離層への付着を抑えることができる。
【0048】本第3発明の軟膏貼付剤は、分離層を設け
る必要がないため、製造工程が簡略化され、使用時に分
離層を分離する手間も必要ない。また、軟膏の損失は全
くない。
【0049】本第4発明の軟膏貼付剤は、軟膏層を包囲
する被覆部を設けてあるため、使用時に被覆部と支持体
層を分離する際にも、軟膏剤は一定量適用することがで
きる。
【0050】本第1〜第3発明の軟膏貼付剤は、貼付剤
に圧力が加えられた場合でも分離層または被覆部に軟膏
はほとんど付着せず、一定の薬物量を有する医療用製剤
として使用可能である。これにより、従来煩雑で、均一
かつ一定量の適用が困難であった患部への軟膏の適用を
簡単に行えるようになった。また、中間層の素材、孔の
大きさ、厚みなどを適宜選択することにより軟膏剤を直
接皮膚に塗布した場合と同等の軟膏供給量が確保でき
た。
【0051】従来の軟膏剤では、患部に投与後、軟膏と
衣服等が接触して軟膏が衣服に付着することがあった
が、本発明の軟膏貼付剤ではこのような問題がなく、軟
膏がすべて治療に使用されるので、一定の治療効果を長
時間確保できる。
【0052】また、特に中間層を設けた場合には、投与
した貼付剤を剥がすときに皮膚上に残存する軟膏はごく
僅かであり、衣服を汚したりすることはなく、また、拭
き取りの手間も要しない。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
【実験例1】図1に示される中間層としてのメッシュシ
ート層のない軟膏貼付剤A、および図2に示される本発
明のメッシュシート層を有する軟膏貼付剤B−1および
B−2各々について、軟膏塗布量を200mg、300
mgおよび600mg/9cm2 の3段階に変えて作製
し、表2に示される荷重をかけた後、分離層としての剥
離フィルムを外した。そして、剥離フィルムに付着した
軟膏量を測定し、軟膏貼付製剤の表面の状態を観察し
た。各試験は、3回づつ繰り返し、平均値及び標準偏差
を計算した。
【0055】なお、軟膏としてステロイド軟膏を用い、
支持体として、ウレタン系粘着フィルム(登録商標:カ
テリープ)を用いた。また、中間層であるメッシュシー
トとしては、厚さ100μmのポリエチレン製フィルム
を、分離層としての剥離フィルムとしては、厚さ200
μmのポリエチレン製フィルム用いた。なお、支持体と
して用いた不織布は、ポリエステル製であり、厚み:
1.00mm、目付け100g/m2 であった。
【0056】結果を表1および表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】なお、表2中軟膏付着率は、下記式で計算
し、平均値±標準偏差で表した: 軟膏付着率=(軟膏付着量/軟膏塗布量)×100
(%) 表2の結果から、以下のことが明らかになった。
【0060】メッシュシート層のない軟膏貼付剤Aは、
軟膏塗布量が増大するに伴って、剥離フィルムに付着す
る軟膏量が増大し、剥離フィルムへの付着量は、全軟膏
量の2〜19%であった。また、軟膏が剥離フィルムに
強く付着するため、軟膏表面に凹凸ができた。
【0061】一方、メッシュシート層を有する本発明の
軟膏貼付剤B−1およびB−2では、軟膏付着量はメッ
シュシートの開孔率、孔径、材質および厚みなどにより
多少の変動はあるものの、軟膏貼付剤Aに比べて有意に
少なく、軟膏塗布量および加重による差は無いかまたは
僅かであった。また、軟膏はメッシュシート上に均一に
保持されていた。
【0062】
【実験例2】実験例1と同様にして、軟膏としてステロ
イド軟膏の一定量を一定面積の不織布に塗布した軟膏貼
付剤Aおよび軟膏貼付剤B−1およびB−2を作製し
た。これを、各々フランツ型セルを用い、37℃で4時
間放出試験を実施した。ここで、試験条件として、レシ
ーバーサイドの試験液には等張リン酸緩衝液を、放出制
御膜にはメンブランフィルター(孔径1.0μm)を用
い、一定時間経過後の主薬の放出量を第12改正日本薬
局方一般試験法第4項の高速液体クロマトグラフ法に従
って定量した。この試験を3回繰り返した。結果を表3
に示す。
【0063】
【表3】軟膏貼付剤 試験開始4時間後の主薬放出量(μg/cm 2 A 135.4±15.2 B−1 125.3±44.0 B−2 54.2±17.0 表3中、主薬放出量の値は、平均値±標準偏差として表
した。
【0064】この表3の結果、本発明の軟膏貼付剤B−
1は中間層を設けたことにより軟膏剤主薬成分の放出抑
制、即ち皮膚への拡散を阻害するものではなかった。ま
た、軟膏貼付剤B−2は、軟膏貼付剤Aに対して有意な
放出制御効果を示し、メッシュシートの開孔率、孔径、
材質および厚みを調整することにより、設計目的に応じ
た製剤化、コントロールの可能性が示された。
【0065】
【実施例1】支持体としてウレタン系粘着フィルム(登
録商標:カテリープA)を用い、目付100g/m
2 で、厚みが約1.0mm、50%モジュラスが0.5
〜1(kg/5cm)のポリエステル製の不織布を用
い、この表面にステロイド軟膏を一定の厚みで均一に塗
布した。これを、粘着フィルムに軟膏塗布面を外側にし
て貼合わせ、さらに、軟膏塗布面に、孔径0.41m
m、孔間隔が0.8mmで菱形模様のメッシュシートを
貼合わせた。このとき、軟膏塗布面積は、不織布からは
み出さないように小さくし、不織布は粘着フィルムより
も小さくした。また、メッシュシートは粘着フィルムと
同一の大きさにして、これらの積層が固定できるように
した。最後に、メッシュシートの外側を、これと同一の
大きさの剥離フィルムで貼合わせた(図2参照)。これ
を、アルミ袋に入れてヒートシールで密封し、5℃で1
日間保管した。このものの使用時の剥離フィルムへの軟
膏付着率は0.87%と良好であった。
【0066】
【実施例2】厚み2μm、大きさ15cm×18cmの
ウレタン系粘着フィルムに、厚み1.16mm、目付け
80g/m2 、大きさ10cm×14cmのポリエステ
ル製不織布を貼付したものを支持体層とした。支持体層
の不織布上面に均一なステロイド軟膏層を厚さ1.0m
mで全量10gになるように積層した。さらに、中間層
として、孔径1.66mm、開孔率49.1%、孔配列
が菱形で大きさ11cm×15cmのポリエステル製メ
ッシュシートを軟膏層を覆うように積層し、最後に、こ
の上に分離層(ライナー層)として大きさ15cm×1
8cmのシリコン紙を粘着フィルムに合うように貼り合
わせた。
【0067】
【実施例3】厚み3μm、大きさ15cm×18cmの
ウレタン系粘着フィルムに、厚み1.05mm、目付け
110g/m2 、大きさ10cm×14cmのポリエス
テル製不織布を貼付したものを支持体層とした。支持体
層の不織布上面に均一な軟膏層を厚さ0.7mmで全量
7gになるように積層し、これを中心より内側に2つ折
りにした。軟膏の塗布面積は9cm×13cmとし、2
つ折りにする際に軟膏が不織布からはみ出さないように
した(図4参照)。
【0068】
【実施例4】厚み0.5mm、目付け35g/m2 、大
きさ10cm×14cmのレーヨン製不織布を支持体層
とした。支持体層の不織布上面に均一なボアラ軟膏層を
厚さ0.35mmで全量3.5gになるように積層し
た。さらに、中間層として、孔径0.52mm、開孔率
5.3%、孔配列が格子で大きさ11cm×15cmの
ポリエステル製メッシュシートを軟膏層を覆うように積
層し、これを中心より内側に2つ折りした。このとき、
軟膏の塗布面積は9cm×13cmとし、2つ折りにす
る際に軟膏が不織布からはみ出さないようにした。
【0069】
【実施例5】厚み100μm、大きさ9cm2 のウレタ
ン製粘着フィルムに、目付け100g/m2 、厚みが約
1.0mm、50%モジュラスが0.5〜1(kg/5
cm)大きさ8.5cm2 のポリオレフィン製不織布を
貼合わせたものを支持体層とした。この不織布面に25
℃で保存したステロイド軟膏を0.7mmの厚みで均一
に塗布し、軟膏層を積層した。さらに軟膏塗布面に、孔
径0.41mm、孔間隔が0.8mmの菱形模様の大き
さ9cmの中間層、即ちメッシュシートを貼合わせた。
このとき、軟膏塗布面積は軟膏が不織布からはみ出さな
いように小さくし、これらの積層が固定できるようにし
た。最後に、ウレタン製粘着フィルムと同一の大きさの
シリコン紙を貼合わせ、軟膏貼付剤を得た。このもの軟
膏貼付剤は、アルミ製の袋に入れて、ヒートシールで密
封し、保管した。得られた軟膏貼付剤の使用時のライナ
ー層(分離層)への軟膏付着率は0.87%と低いもの
であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】メッシュシート層のない従来軟膏貼付剤を示
す。
【図2】メッシュシート層を有する本第1発明の軟膏貼
付剤を示す。
【図3】軟膏剤を多孔質物質に含浸させた多孔質層を有
する本第2発明の軟膏貼付剤を示す。
【図4】2つ折り構造を有する本第3発明の軟膏貼付剤
を示す。
【図5】両端から折り返した構造を有する本第3発明の
軟膏貼付剤を示す。
【図6】ケース内に軟膏貼付剤を密閉固定した本第4発
明の軟膏貼付剤を示す。
【図7】本第1発明の軟膏貼付剤において、メッシュシ
ート層を合わせることで分離層を省略した実施態様を示
す。
【0029】
【符号の説明】
1 軟膏貼付剤 2 支持体層 2a 粘着フィルム 2b 布 3 軟膏層 4 分離層 5 中間層 6 多孔質層 7 被覆部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平岡 宏一 大阪府堺市赤坂台3−7−10 (72)発明者 竹井 宏 滋賀県彦根市日夏町2700−8 (72)発明者 廣瀬 克己 滋賀県神崎郡能登川町神郷937−37

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体層、軟膏層、中間層および分離層を
    含み、かつ支持体層、軟膏層、中間層および分離層をこ
    の順に配置してなる軟膏貼付剤。
  2. 【請求項2】支持体層、軟膏剤を多孔質物質に含浸させ
    た多孔質層および分離層を含み、支持体層、軟膏剤を多
    孔質物質に含浸させた多孔質層および分離層をこの順に
    配置してなる軟膏貼付剤。
  3. 【請求項3】支持体層の一方の面の一部に軟膏層を配置
    し、支持体層の該面の非軟膏被覆部分の全部または一部
    を、軟膏層を取り囲む状態で接合してなる軟膏貼付剤。
  4. 【請求項4】支持体層の一方の面に軟膏層を配置し、該
    軟膏層と直接接触しない状態で、該軟膏層を包囲する被
    覆部を設けてなる軟膏貼付剤。
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