JP2781016B2 - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は皮膚を通して薬物を生体内へ連続的に吸収さ
せるための経皮吸収製剤に関する。
<従来の技術> 近年、経皮吸収製剤としてハップ剤、ゲル剤、テープ
剤などの皮膚面貼付型の外用製剤が種々開発されてい
る。
このような貼付型製剤は適用皮膚面に製剤を確実に固
定させる目的で、通常、製剤の皮膚面接触部全面に比較
的強接着力を有する皮膚面固定用粘着剤層が設けられて
いたり、強接着性の粘着シートで製剤全体をオーバーコ
ートし、このシートの接着力によって皮膚固定を行なっ
ている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、貼付型の経皮吸収製剤は、薬物の皮膚移行を
良好にするために確実に皮膚面に固定する必要がある半
面、皮膚接着性があまり大きすぎると、使用後に皮膚面
から製剤を剥離除去する際に物理的刺激による痛みが生
じ、著しい皮膚刺激を生じて時には角質剥離を伴なう場
合もある。従って、皮膚接着性は経皮吸収製剤を開発す
るに当たって実用上、重要な検討項目であるが、皮膚刺
激性の検討も重要であり、皮膚刺激性が小さくかつ製剤
の皮膚固定も良好である製剤の開発品が少ないというの
が実情である。
<課題を解決するための手段> そこで、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意
研究を重ねた結果、裏打支持体の片面に接着力が異なり
特定の性質を有する2種類の粘着剤層を配設することに
よって皮膚接着性と剥離時の皮膚刺激性のバランスがと
れ、優れた経皮吸収性が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
即ち、本発明は薬物不透過性の裏打支持体の片面周縁
部に皮膚面固定用粘着剤層が形成され、かつ該層によっ
て囲繞された上記支持体面に、アクリル系粘着剤の架橋
体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、薬物
を含有する易剥離性粘着剤層が直接的に形成されてな
り、易剥離性粘着剤層の面積の割合が35〜95%である経
皮吸収製剤を提供するものであり、また多量の薬物を経
皮吸収させるために、上記経皮吸収製剤の構成要件に加
えて、熱融着性の裏打支持体と易剥離性粘着剤層との間
に熱融性の透過性膜が介装され、さらに、前記易剥離性
粘着剤層形成領域に相対する裏打支持体と透過性膜との
間の領域には、薬物および吸収助剤を含有する薬物補給
層を介装、封入してなる経皮吸収製剤を提供するもので
ある。
本発明の経皮吸収製剤の一態様は、第1図に示すよう
に裏打支持体2の片面周縁部に皮膚面固定用粘着剤層3
が設けられ、該粘着剤層3によって囲繞された支持体2
面に、薬物を含有する易剥離性粘着剤層4を形成したも
のである。
第2図および第3図は本発明の経皮吸収製剤の他の態
様を示す断面図および底面図であり、裏打支持体2と粘
着剤層3,4との間に透過性膜8を介装し、さらに易剥離
性粘着剤層4の形成領域に相対する領域の支持体2と透
過性膜8との間に薬物および吸収助剤を含有する薬物補
給層7を介装、封入してなるものである。薬物補給層の
封入はいかなる手段を用いてもよいが、裏打支持体2お
よび透過性膜8を熱融着性の材料から製作することによ
って、周縁部を熱融着ができるので好ましいものであ
る。また、このシール部の下面には皮膚面固定用粘着剤
層3が設けられている。なお、本発明の経皮吸収製剤は
皮膚面固定用粘着剤層3によって適用皮膚面に接着され
るが、この部分の皮膚刺激性をできるだけ低減するには
支持体2または支持体2と皮膚面固定用粘着剤層3に貫
通孔を穿孔処理によって設けることが好ましい。
本発明において用いる裏打支持体としては、例えばポ
リエステル、ナイロン類、サラン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニル、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、サーリ
ンなどの単独フィルムまたはラミネートフィルム、各種
材料からなる多孔性フィルムなどが挙げられる。また、
第2図に記載の経皮吸収製剤のように裏打支持体に隣接
して薬物補給層を有する場合や、薬物が裏打支持体に移
行して含量低下を生じる場合には、裏打支持体の材質を
不透過性のものにしたり、金属蒸着や金属箔ラミネート
などの任意の不透過性処理を施すことが好ましい。
本発明の経費吸収製剤において皮膚面接触部に設けら
れる粘着剤層は、皮膚面固定用粘着剤層および易剥離性
粘着剤層である。皮膚面固定用粘着剤層は本発明の経皮
吸収製剤を確実に皮膚面に固定して、製剤の片面中央部
に位置する易剥離性粘着剤層を適用皮膚面に密着させ、
含有薬物を経皮的に体内へ移行させるためのものであ
る。なお、皮膚面固定用粘着剤層には粘着性を阻害しな
い範囲で薬物を含有させておくこともでき、このように
することで薬物投与面積や投与量を増大できるので有効
なものとなる。
上記皮膚面固定用粘着剤層を形成する粘着剤としては
特に限定されないが、例えば天然ゴム系、合成ゴム系、
アクリル系、シリコーン系、ビニルエーテル系など、医
療用途の粘着剤として公知のものであれば使用できる。
また、上記固定用粘着剤層は易剥離性粘着剤層中に含
有する薬物の移行や薬物補給層中の吸収助剤が移行する
ことによって、可塑化され凝集力不足に陥り、皮膚刺激
性が増大する場合があるが、このような恐れがある場合
は公知の加硫剤添加による化学的架橋や、各種照射線に
よる物理的架橋を施して、予め凝集力を向上させておく
ことが望ましい。
一方、易剥離性粘着剤層は本発明の経皮吸収製剤を皮
膚面を固定するためのものではなく、皮膚面に密着して
含有する薬物を経皮投与する役割を果たすものであり、
皮膚面からの剥離力は極めて小さいものである。
本発明の製剤の片面の面積に占める易剥離性粘着剤層
の面積の割合は、35〜95%、好ましくは60〜90%程度と
する、該面積が小さすぎると皮膚面固定用粘着剤層の面
積が当然大きくなるため、皮膚刺激性の改善効果が見ら
れず、さらに、充分な経皮吸収性が得られないことがあ
る。また、面積が大きくすぎると充分な皮膚固定ができ
ず皮膚面に貼付適用中に製剤の脱落が起こる場合があり
好ましくない。
また、本発明における「易剥離性」とは、剥離時に必
要な力ができるだけ小さく、かつ適度な粘着力を有する
という性質を有し、例えば易剥離性粘着剤層の凝集力を
実用上支障がないところまで低下させ、剥離時に加わる
応力を分散、緩和させるような性質を云う。この性質を
示す一指標としては、後述する擬似皮膚接着力測定にお
いて300〜500g/50cm2程度の値が好ましく、小さすぎる
と皮膚接着性の低下を起こし、大きすぎると剥離時に物
理的苦痛を伴う場合がある。
このような易剥離性粘着剤としては、材料そのものに
易剥離性を有するものと、各種添加剤の配合や架橋処理
などの外的要因を付加することによって易剥離性を有す
るものがあり、前記易剥離性の定義に入るものであれ
ば、前記皮膚面固定用粘着剤と同種類であってもよいも
のである。特に好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合
体(特に酢酸ビニル含量が40〜75重量%のもの)、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(特にコモノマーと
してのエチルアクリレートの含量が30〜65重量%のも
の)アクリル系粘着剤の架橋体などが凝集力と低剥離力
とのバランスから好適である。
一方、多量の薬物を経皮吸収される際に用いる薬物補
給層中の吸収助剤としては、例えば水あるいはエタノー
ルなどの低級アルコール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールの如きグリコール類、オリーブ油、ヒマシ
油、スクワレン、ラノリンの如き油脂類、尿素、アラン
トインの如き尿素誘導体、ジメチルデシルスルホキシ
ド、メチルオクチルスルホキシド、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルラウリルアミド、ドデシルピロリドン、イソソル
ビトールの如き極性溶剤、サリチル酸、アミノ酸、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノカプリレート、ソ
ルビタンモノオレエート、グリセリルモノオレエート、
グリセリルモノステアレート、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステルの如き各種界面活性剤、サロコールなど
が挙げられる。そのほかジイソプロピルアジペート、フ
タル酸エステル、ジエチルセバケートの如き可塑剤、流
動パラフィンの如き炭化水素類、エトキシ化ステアリル
アルコール、グリセリンエステル、ミリスチン酸イソプ
ロピル、ラウリン酸エチル、N−メチルピロリドンなど
を挙げることができる。これらは単独あるいは混合して
用いる他に、取り扱い性や操作性の向上のために、例え
ば酢酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸の
如き成分と混合することが好ましい。
上記吸収助剤の含有量は経皮吸収製剤中に0.5〜5重
量%とすることが好ましく、少なすぎると薬物の吸収を
促進する効果が乏しくなり、また、多すぎると治療効果
に限界を生じる。
また、上記吸収助剤を配合する製造を製作する際に易
剥離性粘着剤層と薬物補給層とを隔離するために介装す
る透過性膜としては、易剥離性粘着剤層中へ薬物および
吸収助剤が移行する量や速度を制御して、移行と放出の
バランスを保つ機能を有するものが採用され、例えばア
セチルセルロース、ポリウレタン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、シリコーンゴム、
親水性アクリルポリマー、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン、ポリビニルアセテート、スルホン化ポリスルホン
などの材質の膜が挙げられ、透過制御の点からはこれら
の材質からなる多孔膜が好ましい。材質の点からはエチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンおよびポリプ
ロピレンを用いることが、特に好ましい。また、多孔膜
においては、必ずしも均質な膜である必要はなく、部分
的に多孔性を有するものでもよいが、その通気度はガー
レ法則定値で9000秒/100cc以下で望ましい。さらに、透
過性膜の種類や厚さを変えたり、機械的に穿孔処理を行
なって薬物の放出性を変化させ、易剥離性粘着剤層中か
らの薬物の放出性を変化させることも可能である。
本発明の経皮吸収製剤において、易剥離性粘着剤層お
よび薬物補給層中に少なくとも含有される薬物として
は、生理的に活性な物質で経皮吸収性を有するものであ
れば、特に限定されるものではない。
このような薬物としては、例えばコルチコステロイド
類、鎮痛消炎剤、、睡眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧
剤、降圧利尿剤、抗生物剤、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌
剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳
剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫
瘍剤、生体医薬などの種類の薬物が使用でき、これらの
薬物は必要に応じて2種類以上併用することもできる。
これらの薬物の含有量は薬物種や投与目的に応じて適
宜設定することができるが、通常、経皮吸収製剤中に0.
1〜40重量%程度含有させる。含有量が0.1重量%に満た
ない場合は治療に有効な量の放出が期待できず、また、
40重量%を超えると治療効果に限界が生じると共に経済
的に不利である。
本発明の経皮吸収製剤において薬物補給層を構成要件
とする製剤では、該層は前記薬物および吸収助剤を含有
した状態で溶液、分散液またはゲルの状態で挿入、保持
される。また、該層における薬物は多量の明物を易剥離
性粘着剤層中に確実に供給する必要性から、薬物補給層
中で飽和濃度にしておくことが好ましく、通常2〜80mg
/cm2、さらには4〜60mg/cm2含有させることが望まし
い。
<発明の効果> 以上のように、本発明の経皮吸収製剤によれば、薬物
を含有する易剥離性粘着剤層と皮膚面固定用粘着剤層に
よって製剤を皮膚面に密着固定し、必要に応じて薬物お
よび吸収助剤を含有する薬物補給層を透過性膜を介して
介装しているので、製剤を適用皮膚面に確実に固定で
き、薬物の経皮吸収性を向上させることができ、しかも
皮膚刺激をできるだけ少なくして製剤を剥離除去するこ
とができるので、剥離時の痛みもなく貼付型製剤として
極めて実用性の高いものである。
<実施例> 以下に本発明の実施例に示し、さらに具体的に説明す
る。なお、以下において、部および%は重量部および重
量%を意味するものである。
実施例1 不活性ガス雰囲気下でアクリル酸2−エチルヘキシル
95部と、アクリル酸5部を酢酸エチル中で共重合させて
アクリル系粘着剤(皮膚面固定用粘着剤)溶液を調製し
た。
この溶液を75μm厚のポリエステル製セパレータ上に
乾燥後の厚み100μm、外周の一辺の長さが9cm、内周の
一辺の長さが7cm、塗布幅1cmとなるように額縁状正方形
に塗布し、乾燥して皮膚面固定用粘着剤層を形成した。
一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含
量55%)88部に、酢酸イソソルビド20部とトルエンを加
えて易剥離性粘着剤溶液を調製した。
この溶液を75μm厚のポリエステル製セパレータ上に
乾燥後の厚み100μm、外周の一辺の長さが7cmとなるよ
うに正方形に塗布し、乾燥して薬物含有の易剥離性粘着
剤層を形成した。
以上のようにして形成した2種類の粘着剤層を9μm
厚のポリエステルフィルムの同一面に転写して第1図に
示すような本発明の経皮吸収製剤を得た。
実施例2 実施例1で得たアクリル系粘着剤溶液の固形分80部に
対して、酢酸イソソルビド20部を加えて薬物含有の溶液
を調製した。
この溶液を75μm厚のポリエステル製セパレータ上に
乾燥後の厚み100μm、外周の一辺の長さが7cm、内周の
一辺の長さが5cm、塗布幅1cmとなるように額縁状正方形
に塗布、乾燥して薬物含有の皮膚面固定用粘着剤層を形
成した。
一方、実施例1で得た易剥離性粘着剤溶液を75μm厚
のポリエステル製セパレータ上に乾燥後の厚み100μ
m、外周の一辺の長さが5cmとなるように正方形を塗布
し、乾燥して薬物含有の易剥離製粘着剤層を形成した。
以上のようにして形成した2種類の粘着剤層を9μm
厚のポリエステルフィルムの同一面に転写して皮膚面固
定用粘着剤層中にも薬物が含有する本発明の経皮吸収製
剤を得た。
実施例3 実施例1で得たアクリル系粘着剤溶液の固形分78.8部
に対して、硝酸イソソルビド20部および3官能性イソシ
アナート(商品名コロネートHL)0.2部を加えて薬物含
有の溶液を調製した。
この溶液を75μm厚のポリエステル製セパレータ上に
乾燥後の厚み100μm、外周の一辺の長さが7cm、内周の
一辺の長さが5cm、塗布幅1cmとなるように額縁状正方形
を塗布、室温下で放置して架橋反応を完了、乾燥して薬
物含有の皮膚面固定用粘着剤層を形成した。
一方、実施例1で得たアクリル系粘着剤溶液の固形分
39.8部に対して、硝酸イソソルビド20部、3官能性イソ
シアナート(商品名コロネートHL)0.2部およびオレイ
ン酸エチル40部を加えて用得を調製し、この溶液を75μ
m厚のポリエステル製セパレータ上に乾燥後の厚み100
μm、外周の一辺の長さが5cmとなるように正方形に塗
布し、乾燥して薬物含有の易剥離性粘着剤層を形成し
た。
以上のようにして形成した2種類の粘着剤層を9μm
厚のポリエステルフィルムの同一面に転写して皮膚面固
定用粘着剤層中にも薬物が含有する本発明の経皮吸収製
剤を得た。
なお、このようにして得た製剤は作製後48時間放置し
て使用に供した。
実施例4 実施例2において皮膚面固定用粘着剤層に硝酸イソソ
ルビドを含有させず、さらに支持体として用いた9μm
厚のポリエステルフィルム代わりに透過性膜として30μ
m厚のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(酢酸ビ
ニル含量18%)を用いた以外は、実施例2と同様にして
積層フィルムを得た。
一方、肌色印刷しアルミニウム蒸着した12μm厚のポ
リエステルフィルムに、30μmのサーリンをラミネート
して不透過性の裏打支持体とし、これに上記にて得た積
層フィルムに縦横7cm、シール幅1cmの正方形の大きさに
ヒートシールした。
次いで、硝酸イソソルビド2.0部、ヒドロキシプロピ
ルセルロース2.0部、ジエチレングリコール3.0部、エタ
ノール74.4部、水18.6部からなる溶液の1gをシール内部
に注入したのち、注入口をヒートシールして第2図に示
すような本発明の経皮吸収製剤を得た。
実施例5 実施例4における皮膚面固定用粘着剤層に20%の硝酸
イソソルビドを含有させた以外は、実施例4と同様にし
て本発明の系皮吸収製剤を得た。
実施例6 実施例1で得たアクリル系粘着剤溶液の固形分80部に
対して、硝酸イソソルビド19.8部、アルミニウムトリイ
ソプロピレート0.2部を10%アセチルアセトン溶液とし
て加えて薬物含有の溶液を調製した。
この溶液を75μm厚のポリエステル製セパレータ上に
乾燥後の厚み100μmとなるように塗布、乾燥し、さら
に透過性膜としてポリエチレン多孔膜(通気度:ガーレ
法測定値300秒/100cc)を積層して積層フィルムを得
た。
この積層フィルムに実施例4にて用いた不透過性の裏
打支持体を縦横7cm、シール幅0.5cmの正方形にヒートシ
ールして、硝酸イソソルビド2.0部、ヒドロキシプロピ
ルセルロース2.0部、オレイン酸20部、エタノール60.8
部、水15.2部からなる溶液をシール内部に1.5g注入し、
注入口をヒートシールして本発明の経費吸収製剤を得
た。なお、この製剤における皮膚面固定用粘着剤層はシ
ール幅0.5cmのヒートシール部である。
実施例7 実施例6においてアクリル系粘着剤溶液に硝酸イソソ
ルビドを配合せず、さらにアルミニウムトリイソプロピ
レート0.2部を0.3部に代えた以外は、実施例6と同様に
して本発明の経皮吸収製剤を得た。
実施例8 実施例6においてアクリル系粘着剤溶液に配合する硝
酸イソソルビドを19.5部と、アルミニウムトリイソプロ
ピレートを0.5部に代え、さらにシール内部に注入する
溶液の組成を硝酸イソソルビド6.0部、エタノール47.0
部、ミリスチン酸イソプロピル47.0部とし、シール幅を
1cmとし、1g注入した以外は、実施例6と同様にして本
発明の経皮吸収製剤を得た。
実施例9 実施例8において皮膚固定用粘着剤層形成部の不透過
性裏挙打支持体に、穿孔ロールを用いて5mm間隔で貫通
孔を設けて通気性を持たせた以外は、実施例8と同様に
して本発明の経皮吸収製剤を得た。
比較例 実施例1で得たアクリル系粘着剤溶液を75μm厚のポ
リエステル製セパレータ上に乾燥後の厚み100μmとな
るように塗布、乾燥し、裏打部材として9μm厚のポリ
エステルフィルムを積層として縦横7cmに裁断して経皮
吸収製剤とした。
上記各実施例および比較例にて得た経皮吸収製剤は作
製後、7日間密封保存した後、下記の試験を行ない、そ
の結果を第1表に示した。
〔接着力試験〕
縦15cm、横10cmのベークライト板にサンプルを貼付
し、荷重300gのローラーを1往復させて密着させた後、
180゜方向に300mm/minの速度で剥離し、その際の剥離力
を測定した。
〔擬似皮膚接着力〕
縦15cm、横10cmのベークライト板に同寸法の食用ケー
シング用のコラーゲンフィルムを両面テープにて固定
し、これに充分な量のグリセリンを含浸させたのち、室
温、飽和蒸気圧下で24時間保存し、テスト板とした。こ
のテスト板のコラーゲンフィルム面を清浄なガーゼで軽
く押さえて、表面の過剰なグリセリンを除去したのち、
直ちにサンプルを貼付し、荷重300gのローラーを1往復
させて密着させた後、180゜方向に300mm/min速度で剥離
し、その際の剥離力を測定した。
〔剥離時の苦痛〕
ボランティア5名の上腕部内側にサンプルを貼付し、
30分後に剥離してその際の痛みを測定した。評価は5段
階で、最も痛みの少ないものを1点としてその平均点を
求めた。なお、基準として比較例品を5点として判定し
た。
〔ウナギ血中濃度〕
各サンプルを予め除毛したウサギの背部に貼付し、2.
5時間および5.0時間後に4ml採血し、これを遠心分離し
て血漿を得、ガスクロマトグラフィー装置にて血漿中濃
度を測定した。なお、測定結果の単位なng/mlである。
第1表から明らかなように、本発明品の経皮吸収製剤
は比較例品と較べて剥離時の苦痛が著しく少なく、さら
に薬物の経皮吸収性は良好なものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の経皮吸収製剤の一実例を示す断面図、
第2図および第3図は他の実例を示す断面図および底面
図である。 1……経皮吸収製剤、2……裏打支持体、3……皮膚面
固定用粘着剤層、4……易剥離性粘着剤層、7……薬物
補給層、8……透過性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−68314(JP,A) 特開 昭61−267510(JP,A) 実開 昭60−34824(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/70 A61M 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬物不透過性の裏打支持体の片面周縁部に
    皮膚面固定用粘着剤層が形成され、かつ該層によって囲
    繞された上記支持体面に、アクリル系粘着剤の架橋体ま
    たはエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、薬物を含
    有する易剥離性粘着剤層が直接的に形成されてなり、易
    剥離性粘着剤層の面積の割合が35〜95%である経皮吸収
    製剤。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の経皮吸収製剤におい
    て、熱融着性の裏打支持体と易剥離性粘着剤層との間に
    熱融着性の透過性膜が介装され、さらに、前記易剥離性
    粘着剤層形成領域に相対する裏打支持体と透過性膜との
    間の領域には、薬物および吸収助剤を含有する薬物補給
    層を介装、封入してなる経皮吸収製剤。
  3. 【請求項3】薬物が皮膚面固定用粘着剤層内に含有され
    ている請求項(1)または(2)記載の経皮吸収製剤。
JP1218268A 1989-08-24 1989-08-24 経皮吸収製剤 Expired - Lifetime JP2781016B2 (ja)

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