JPH0796738A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JPH0796738A
JPH0796738A JP24334393A JP24334393A JPH0796738A JP H0796738 A JPH0796738 A JP H0796738A JP 24334393 A JP24334393 A JP 24334393A JP 24334393 A JP24334393 A JP 24334393A JP H0796738 A JPH0796738 A JP H0796738A
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JP
Japan
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air
temperature
refrigerant
dehumidification
dehumidifying
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JP24334393A
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Inventor
Koichi Saka
鉱一 坂
Kunio Iritani
邦夫 入谷
Takamasa Kawai
孝昌 河合
Koji Nonoyama
浩司 野々山
Tadashi Suzuki
鈴木  忠
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍サイクルの作動によって除湿運転可能な
空気調和装置において、除湿運転時における除湿不足の
発生を解消する。 【構成】 除湿が開始されると、制御装置50は、所定
時間、吹出温度を優先するのではなく、冷媒蒸発器23
の冷却能力を優先させる。つまり、ダクト2内の冷媒蒸
発器23の温度がフロスト限界の0℃となるように、冷
媒圧縮機の回転速度を制御する。この結果、除湿開始後
の所定時間、最大除湿能力によって車室内が除湿され、
窓ガラスの曇りを確実に防止することができる。そし
て、除湿を開始してから所定時間が経過すると、制御装
置50は、車室内に吹き出される温度を優先して冷媒圧
縮機の回転速度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍サイクルによって
車室内の除湿が可能な車両用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用空気調和装置には、1つの冷凍サ
イクルで冷房運転と暖房運転とを行うヒートポンプ式冷
凍サイクルが知られている。このヒートポンプ式冷凍サ
イクルは、車室内に吹き出される空気と熱交換する室内
熱交換器をエバポレータとコンデンサとに切り替えるこ
とで、車室内に吹き出す空気の冷却あるいは加熱を行う
ものである。しかるに、これまでのヒートポンプ式冷凍
サイクルは、冷房運転から暖房運転に切り替わると、冷
房時に室内熱交換器に付着していた凝縮水が、暖房時に
加熱される室内熱交換器によって蒸発し、窓ガラスが曇
る不具合を有していた。
【0003】そこで、車室内に空気を吹き出すダクト内
に冷媒蒸発器と冷媒凝縮器とを配置し、車室外に冷房時
にコンデンサとして作動し、暖房時にエバポレータとし
て作動する室外熱交換器を配置することによって、ダク
ト内の熱交換器がエバポレータとコンデンサとに切り替
わらない冷凍サイクルが提案されている。
【0004】ダクト内の熱交換器がエバポレータとコン
デンサとに切り替わらない冷凍サイクルは、ダクト内の
冷媒蒸発器と冷媒凝縮器とをともに作動させることによ
って、車室内の除湿を行うことができる。ここで、例え
ば、暖房を行いながら除湿を行う場合の冷凍サイクルの
作動を示す。除湿暖房の場合は、ダクト内の冷媒蒸発器
がダクト内に吹き出す空気より熱を汲み上げるととも
に、室外熱交換器が外気より熱を汲み上げ、ダクト内の
冷媒凝縮器が放熱する。ここで、ダクト内の冷媒蒸発器
の熱の汲み上げ力は室外熱交換器の熱の汲み上げ力に係
わる。しかるに、外気の温度や風量変化により、外気か
ら車室内へ汲み上げる熱量が低下してしまい、除湿能力
が低下する方向に作用する。このため、除湿能力が低い
状態で、ダクト内の冷媒凝縮器を通過した空気の温度が
使用者の要求温度に近づくように、冷凍サイクルを制御
している。つまり、冷媒蒸発器による空気の冷却能力を
抑え、吹出空気の温度を制御していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、除湿時
に冷媒蒸発器による空気の冷却能力が低下することによ
って、冷媒蒸発器の除湿能力が低下し、窓の曇り等が発
生し易くなる問題点を有していた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、除湿運転可能な冷凍サイクルを用
い、除湿運転時における除湿不足を解消することのでき
る車両用空気調和装置の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用空気調和
装置は、空気を車室内に向かって送るダクトと、このダ
クトにおいて車室に向かう空気流を生じさせる送風機
と、前記ダクト内に配置された冷媒蒸発器、前記ダクト
内において前記冷媒蒸発器の下流に配置された冷媒凝縮
器、前記ダクトの外部において室外空気と冷媒の熱交換
を行う室外熱交換器を備え、少なくとも前記冷媒蒸発器
によって前記ダクト内の空気を冷却し、冷却した空気を
前記冷媒凝縮器によって加熱する除湿運転が可能な冷凍
サイクルと、除湿開始を判断する除湿判断手段を備える
とともに、この除湿判断手段によって除湿開始を判断し
た除湿開始初期時に、前記冷媒蒸発器による空気の冷却
能力を優先して前記冷凍サイクルを制御する除湿優先手
段を備えた制御装置とを備える技術的手段を採用した。
【0008】
【発明の作用】除湿が開始されると、除湿開始に伴っ
て、冷凍サイクルが冷媒蒸発器によってダクト内の空気
を冷却し、冷却した空気を冷媒凝縮器が加熱する除湿運
転を行う。一方、除湿が開始されると、制御装置は、除
湿開始初期時において、冷媒蒸発器による空気の冷却能
力を優先して冷凍サイクルを制御する。この結果、車室
内の湿度が素早く低下する。そして、除湿初期による除
湿優先によって室内湿度が低下した後は、室内に吹き出
す温度制御能力を優先して冷凍サイクルを制御する。な
お、温度制御を優先しても、除湿開始時における除湿優
先によって車室内の湿度が低下しているため、窓ガラス
の曇りの発生が抑えられる。
【0009】
【発明の効果】本発明の車両用空気調和装置は、上記の
作用で示したように、除湿開始初期時に、冷媒蒸発器に
よる空気の冷却能力を優先する(除湿を優先する)こと
によって、車室内の湿度が素早く低下し、その後に温度
制御を優先して冷凍サイクルを制御しても、窓ガラスの
曇りの発生を抑えることができる。
【0010】
【実施例】次に、本発明の車両用空気調和装置を、図に
示す一実施例に基づき説明する。 〔実施例の構成〕図1ないし図10は本発明の第1実施
例を示すもので、図1は空気調和装置のダクトの概略構
成図である。
【0011】本実施例の車両用空気調和装置1は、例え
ば電気自動車に搭載されるもので、室内へ向けて空気を
送る空気通路をなすダクト2を備える。このダクト2の
一端には、ダクト2内において室内へ向かう空気流を生
じさせる送風機3が接続されている。また、ダクト2の
他端には、ダクト2内を通過した空気を室内の各部へ向
けて吹き出す吹出口が形成されている。
【0012】送風機3は、1つのモータ4によって遠心
式の第1ファン5および第2ファン6を駆動する。第1
ファン5および第2ファン6は、それぞれ第1スクロー
ルケース7および第2スクロールケース8に収納されて
いる。そして、第1スクロールケース7の第1吸込口9
には、内気と外気とを切り替えて導入する内外気切替手
段10が設けられている。この内外気切替手段10は、
車室内に開口して内気を導入する内気導入口11と、車
室外と連通して外気を導入する外気導入口12とを備え
る。そして、内外気切替手段10は、内気導入口11あ
るいは外気導入口12のいずれか一方を塞ぐことのでき
る板状の内外気切替ダンパ13(本発明のダンパ)を備
える。なお、内外気切替ダンパ13の回動位置により、
第1スクロールケース7内に吸引する空気を内気と外気
とで切り替える、あるいは内気と外気の導入割合を設定
する。また、第2スクロールケース8の第2吸込口15
は、車室内に開口し、常に内気のみを吸引するものであ
る。
【0013】ダクト2の他端に形成された吹出口につい
て説明する。この吹出口は、室内前部の中央より、乗員
の上半身へ向けて主に冷風を吹き出すセンタフェイス吹
出口16と、室内前部の両脇より、乗員の上半身あるい
はサイドガラスへ向けて主に冷風を吹き出すサイドフェ
イス吹出口17と、フロントガラスへ向けて主に温風を
吹き出すデフロスタ吹出口18と、乗員の足元へ向けて
主に温風を吹き出すフット吹出口19とからなる。そし
て、ダクト2内には、サイドフェイス吹出口17を除く
他の吹出口へ通じる空気通路に、各吹出口への空気流を
制御するセンタフェイスダンパ20、デフロスタダンパ
21、およびフットダンパ22が設けられている。
【0014】ダクト2内の上流には、ダクト2内を流れ
る空気を冷却する冷媒蒸発器23が配置されるととも
に、その下流にダクト2内を流れる空気を加熱する冷媒
凝縮器24が配置されている。冷媒蒸発器23は、ダク
ト2内を流れる空気が全て通過するように、ダクト2内
の全面に亘って設けられている。また、ダクト2内に
は、冷媒凝縮器24を迂回させる加熱バイパス通路25
を備える。この加熱バイパス通路25には、加熱バイパ
ス通路25の開閉を行い、加熱バイパス通路25の開度
を変化させるクールダンパ26が設けられている。
【0015】また、ダクト2内の冷媒蒸発器23の上流
の上側には、第1スクロールケース7より吐出された空
気が導かれ、冷媒蒸発器23の上流の下側には、第2ス
クロールケース8より吐出された空気が導かれるように
設けられている。また、ダクト2内の冷媒蒸発器23の
下流は、センタフェイス吹出口16、サイドフェイス吹
出口17およびデフロスタ吹出口18に連通する第1空
気通路27と、フット吹出口19に連通する第2空気通
路28とに、仕切壁29によって区画されている。な
お、第1空気通路27は、第1スクロールケース7より
吐出された空気が全て導入されるとともに、第2スクロ
ールケース8より吐出された空気の一部が導入するよう
に設けられている。また、第2空気通路28は、第2ス
クロールケース8より吐出された空気のみが導入するよ
うに設けられている。つまり、第1空気通路27は、内
外気切替手段10によって外気が導入可能に設けられ、
第2空気通路28は、内気のみが導入されるのである。
【0016】冷媒凝縮器24は、仕切壁29を貫通した
状態でダクト2内に配置されるとともに、第1空気通路
27の上側において冷媒凝縮器24をバイパスするよう
に設けられている。
【0017】冷媒凝縮器24の下流には、第1空気通路
27と第2空気通路28とを連通させるための連通口3
0が設けられている。この連通口30には、この連通口
30の開閉を行う連通ダンパ31が設けられ、後述する
操作パネル51の吹出モード切替スイッチ52によって
フェイスモードあるいはデフロスタモードが選択された
際に、連通口30を開くように設けられている。
【0018】冷媒蒸発器23および冷媒凝縮器24は、
冷凍サイクル32の構成部品である。本実施例に採用さ
れる冷凍サイクル32の一例を、図2の冷媒回路図に示
す。本実施例の冷凍サイクル32は、ヒートポンプ式の
アキュムレータサイクルで、冷媒蒸発器23、冷媒凝縮
器24の他に、室外熱交換器33、冷媒圧縮機34、温
度作動式膨張弁35a、キャピラリチューブ35b、ア
キュムレータ36、および冷媒の流れ方向を切り替える
流路切替手段37を備える。
【0019】室外熱交換器33は、ダクト2の外部で、
外気と冷媒との熱交換を行うもので、外気との熱交換率
を向上させるための室外ファン38を備える。冷媒圧縮
機34は、冷媒の吸入、圧縮、吐出を行うもので、電動
モータ40により駆動される。この冷媒圧縮機34は、
電動モータ40と一体的に密封ケース41内に配置され
る。冷媒圧縮機34を駆動する電動モータ40は、イン
バータ42による制御によって回転速度が可変するもの
で、電動モータ40の回転速度の変化によって、冷媒圧
縮機34の冷媒吐出容量が変化する。なお、本実施例の
車両用空気調和装置1は、主に冷媒圧縮機34の回転速
度の変化による容量変化により、吹出温度の制御を行う
もので、この制御方法は後述する。
【0020】温度作動式膨張弁35aは、暖房時および
除湿暖房時に室外熱交換器33へ流入する冷媒を減圧膨
張する減圧装置で、例えば、除湿暖房運転時に冷媒凝縮
器24のスーパークール量を調節するように設けられ
る。キャピラリチューブ35bは、冷房時および除湿冷
房時に冷媒蒸発器23へ流入する冷媒を減圧膨張する減
圧装置である。
【0021】冷媒の流路切替手段37は、冷房運転、暖
房運転、除湿冷房運転および除湿暖房運転で冷媒の流れ
方向を切り替える。具体的には、冷媒圧縮機34の吐出
方向を室外熱交換器33か、冷媒凝縮器24かに切り替
える四方弁43、冷媒蒸発器23への冷媒の流れを切り
換える電磁開閉弁44a、44b、冷媒凝縮器24にお
けるスーパークール域への冷媒の流れを切り換える電磁
開閉弁45、および冷媒の流れ方向を規制する逆止弁4
6からなる。
【0022】そして、流路切替手段37は、冷房運転
時、暖房運転時、除湿冷房運転時および除湿暖房運転時
に応じて、次のように冷媒の流れを切り替える。冷房運
転時は、冷媒圧縮機34の吐出した冷媒を、四方弁43
→室外熱交換器33(室外ファン38ON)→キャピラリ
チューブ35b(電磁開閉弁44a、44bは閉状態)
→冷媒蒸発器23→アキュムレータ36→冷媒圧縮機3
4の順に流す(図中矢印C参照)。暖房運転時は、冷媒
圧縮機34の吐出した冷媒を、四方弁43→冷媒凝縮器
24(電磁開閉弁45は閉状態)→温度作動式膨張弁3
5a→室外熱交換器33(室外ファン38ON)→電磁開
閉弁44a(電磁開閉弁44bは閉状態)→アキュムレ
ータ36→冷媒圧縮機34の順に流す(図中矢印H参
照)。
【0023】除湿冷房運転時は、冷媒圧縮機34の吐出
した冷媒を、四方弁43→冷媒凝縮器24(一部バイパ
ス)→電磁開閉弁45→室外熱交換器33(コンデンサ
ーとして作動、室外ファン38ON)→キャピラリチュー
ブ35b(電磁開閉弁44a、44bは閉状態)→冷媒
蒸発器23→アキュムレータ36→冷媒圧縮機34の順
に流す(図中矢印DC参照)。除湿暖房運転時は、冷媒
圧縮機34の吐出した冷媒を、四方弁43→冷媒凝縮器
24(電磁開閉弁45は閉状態)→温度作動式膨張弁3
5a→室外熱交換器33(エバポレータとして作動、室
外ファン38OFF )→電磁開閉弁44b(電磁開閉弁4
4aは閉状態)→冷媒蒸発器23→アキュムレータ36
→冷媒圧縮機34の順に流す(図中矢印DH参照)。
【0024】上述の送風機3、冷媒圧縮機34を駆動す
る電動モータ40のインバータ42、室外ファン38、
四方弁43、電磁開閉弁44a、44b、45、他の各
ダンパを駆動するアクチュエータ(図示しない)などの
電気部品は、制御装置50によって通電制御される。
【0025】制御装置50は、乗員によって操作される
操作パネル51(図3参照)の操作信号等に従って、各
電気部品の通電制御を行うもので、操作パネル51は室
内の操作性の良い位置に設置される。操作パネル51
は、各吹出モードの設定を行う吹出モード切替スイッチ
52、ダクト2より室内へ吹き出される風量を設定する
風量設定スイッチ53、車室内の温度を設定温度に維持
させるオートエアコンスイッチ54、除湿指示を与える
除湿スイッチ55、車室内の温度を設定する温度設定手
段56を備える。
【0026】吹出モード切替スイッチ52は、乗員の上
半身へ向けてダクト2内の空気を吐出させるフェイスモ
ードスイッチ52a、乗員の上半身へ比較的冷たい空
気、乗員の足元へ温かい空気を吐出させるバイレベルモ
ードスイッチ52b、乗員の足元へ温かい空気を吐出さ
せるフットモードスイッチ52c、主にフロントガラス
の曇りを抑えるためのデフモードスイッチ52dからな
る。
【0027】なお、制御装置50は、冷凍サイクル32
の冷房運転中に除湿スイッチ55が選択された場合と、
冷房運転中にデフモードスイッチ52dが選択された場
合は除湿冷房運転を行い、暖房運転中に除湿スイッチ5
5が選択された場合と、暖房運転中にデフモードスイッ
チ52dが選択された場合は除湿暖房運転を行うように
設けられている。
【0028】本実施例に示す制御装置50は、温度設定
手段56によって設定された温度に車室内が保たれるよ
うに各電気部品を制御するもので、図4に示すように、
操作パネル51からの信号の他に、内気温度を検出する
内気センサ60、外気温度を検出する外気センサ61、
日射量を検出する日射センサ62、冷媒蒸発器23を通
過した直後の空気の温度を検出するエバ後温度センサ6
3、冷媒凝縮器24を通過した直後の空気の温度を検出
するコン後温度センサ64からの信号を入力する。そし
て、操作パネル51のオートエアコンスイッチ54が操
作されると、次に示すフローチャートに従い、車室内の
温度を温度設定手段56で設定された温度に自動制御す
る。
【0029】制御装置50による自動温調制御の作動を
図5のフローチャートを用いて説明する。初めに、イグ
ニッションスイッチ(図示しない)がONされたか否かの
判断を行う(ステップS1 )。この判断結果がNOの場合
は、ステップS1 へ戻り、YES の場合はステップS2 へ
進む。ステップS2 では、操作パネル51や各センサ等
からの信号を入力し、設定温度Tset、内気温度T
r、外気温度Tam、日射量Ts、エバ後温度Te、コ
ン後温度Tc等を入力する。次に、目標吹出温度TAO
を次式に基づいて算出する(ステップS3 )。
【数1】 TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C なお、上記Kset、Kr、Kam、Ksは、各センサ
の係数、Cは定数である。
【0030】次に、算出された目標吹出温度TAOを基
に、図6に示す目標吹出温度TAOと、送風機3の風量
との関係から、送風機3の風量を設定する(ステップS
4 )。続いて、算出された目標吹出温度TAOを基に、
図7に示す目標吹出温度TAOと内外気切替手段10の
内外気切替ダンパ13の切替状態の関係から、第1送風
機3が吸引する空気が内気か外気かを判定する(ステッ
プS5 )。続いて、算出された目標吹出温度TAOを基
に、図8に示す目標吹出温度TAOと吹出モード(フェ
イスモード、バイレベルモード、フットモード)との関
係から、吹出モードを判定する(ステップS6 )。続い
て、吹出モードに応じてクールダンパ25および連通ダ
ンパ31の開閉状態を判定する(ステップS7 )。
【0031】続いて、目標吹出温度TAOに応じて、冷
凍サイクル32の運転状態を決定する(ステップS8
)。この運転状態の判定は、図9に示すフローチャー
トによって決定される。まず、ステップS81において、
除湿スイッチ55あるいはデフモードスイッチ52dが
ON状態であるか否かを判断し、判断結果がNO(OFF )の
場合はステップS82に、判断結果がYES (ON)の場合は
ステップS83へ進む。ステップS82では、目標吹出温度
TAOと吸込空気温度(外気温度Tamと内気温度T
r)を比較し、TAO−(α・Tam+β・Tr)>0
{ただし、αとβは、外気と内気との吸込割合を示す係
数で、α+β=1である}の場合は、暖房運転に決定し
(ステップS84)、TAO−(α・Tam+β・Tr)
≦0の場合は、冷房運転に決定する(ステップS85)。
同様に、ステップS83では、TAO−(α・Tam+β
・Tr)>0の場合は、除湿暖房運転に決定し(ステッ
プS86)、TAO−(α・Tam+β・Tr)≦0の場
合は、除湿冷房運転に決定する(ステップS87)。
【0032】次に、ステップS4 の判定結果に応じて、
送風機3の通電電圧を制御し(ステップS9 )、ステッ
プS5 の判定結果に応じて内外気切替ダンパ13を制御
して内外気を切り替え(ステップS10)、ステップS6
の判定結果に応じてセンタフェイスダンパ20、デフロ
スタダンパ21、フットダンパ22を制御して吹出モー
ドを設定し(ステップS11)、ステップS7 の判定結果
に応じてクールダンパ26および連通ダンパ31を制御
する(ステップS12)。そして、ステップS8の判定結
果に応じて冷凍サイクル32の運転状態を制御し(ステ
ップS13)、その後リターンする。
【0033】次に、除湿開始時における冷媒蒸発器23
の温度制御(本発明の特徴)を含む冷媒蒸発器23およ
び冷媒凝縮器24の温度制御(冷凍サイクル32の冷媒
圧縮機34の容量制御)について、図10のフローチャ
ートを用いて説明する。まず、ステップS100 で、運転
モードが、冷房運転、暖房運転、除湿運転(除湿冷房運
転、除湿暖房運転)かの判定を行い、冷房運転の場合は
ステップS101へ進み、暖房運転の場合はステップS102
へ進み、除湿運転の場合はステップS103 へ進む。
【0034】冷房運転のステップS101 では、温度偏差
n を(目標吹出温度TAOn −エバ後温度Ten )よ
り算出して、ステップS104 へ進む。なお、添字n は、
各入力信号のn回目のサンプリング値を意味する。ま
た、暖房運転の場合はステップS102 で温度偏差en
(目標吹出温度TAOn −コン後温度Tcn )より算出
して、ステップS104 へ進む。ステップS104 では、イ
ンバータ42の目標周波数偏差Dfn を次式より算出す
る。
【数2】 Dfn =Kp{(en −en-1 )+θ・en /Ti} なお、Kpは比例ゲイン、θはサンプリング時間、Ti
は積分時間である。次に、ステップS105 へ進み、イン
バータ42の目標周波数fn を(前回の周波数fn-1
+(偏差Dfn )より決定し、インバータ42を制御す
る。
【0035】除湿運転のステップS103 では、除湿運転
が開始されてからの時間が所定時間T(例えば3分)に
達したか否かの判断を行う。なお、除湿の開始の判断
(本発明の除湿判定手段の作動)は、ステップS81で示
したように、除湿スイッチ55あるいはデフモードスイ
ッチ52dがONされることにより判断する。そして、除
湿開始後、所定時間以内の場合は、除湿優先(曇り防
止)と判断し、ステップS106 へ進む。ステップS106
では、温度偏差en を(最大除湿温度TAE−エバ後温
度Ten )より算出する。なお、最大除湿温度TAE
は、フロスト限界の0℃一定に設定されている。このよ
うに、除湿開始初期において、冷媒蒸発器23の空気の
冷却能力を、フロスト限界の最大の冷却能力に設定する
ことにより、最大の除湿能力を発揮し、窓ガラスの曇り
を確実に防止することができる(本発明の除湿優先手段
の作動)。温度偏差en を算出した後は、上述のステッ
プS104 へ進み、目標周波数偏差Dfn を求め、ステッ
プS105 でインバータ42の目標周波数fn を(前回の
周波数fn-1 )+(偏差Dfn )で制御する。
【0036】ステップS103 の判断結果により、除湿運
転時間が所定時間Tを越えていると判断した場合は、ス
テップS107 において除湿冷房運転か否かの判断を行
う。そして、除湿冷房運転の時は上述のステップS101
へ進み、インバータ42の周波数を制御して冷房運転に
応じた所要の吹出温度を作り出す。また、除湿暖房運転
の時は上述のステップS102 へ進み、インバータ42の
周波数を制御して暖房運転に応じた所要の吹出温度を作
り出す。このように、除湿運転の際、冷媒蒸発器23の
必要以上の除湿を防止し、冷媒凝縮器24の再加熱量を
低減することにより、冷媒圧縮機34を駆動するモータ
40にかかる電力消費を低減することができる。
【0037】〔実施例の作動〕次に、上記実施例の作動
を説明する。車両用空気調和装置1に除湿スイッチ55
あるいはデフモードスイッチ52dによって除湿指示が
与えられると、制御装置50が所定時間、冷媒圧縮機3
4による空気の冷却能力を優先して、冷媒蒸発器23を
フロスト限界の0℃となるように冷媒圧縮機34を制御
する。この結果、車室内に吹き出す空気が、冷媒蒸発器
23を通過する際に最大能力で除湿される。冷媒蒸発器
23で冷却、除湿された空気は、その後、冷媒凝縮器2
4で再加熱されて車室内に吹き出す。このように、除湿
開始初期における所定時間は、車室内に最大除湿された
空気が吹き出すため、窓ガラスの曇りの発生を確実に防
止することができる。
【0038】除湿開始後、所定時間が経過すると、吹出
温度が目標吹出温度TAOとなるように冷媒圧縮機34
を制御する。これにより、車室内の温度低下が防がれ、
車室内が快適な温度に維持されるとともに、上述のよう
にモータ40の電力消費を低減することができる。
【0039】〔実施例の効果〕本実施例では、除湿指示
が与えられると、所定時間、最大能力で除湿を行うた
め、除湿開始時に窓ガラスの曇りを確実に防止すること
ができる。除湿開始後、所定時間が経過すると、吹出温
度を目標吹出温度TAOとして車室内を快適な温度に維
持するとともに、モータ40の電力消費を低減し、バッ
テリ消費を抑えて車両走行距離を延ばすことができる。
【0040】〔第2実施例〕図11に第2実施例のフロ
ーチャートを示す。本実施例は、第1実施例と基本構成
は同一であり、第1実施例に用いた符号を用いて説明す
る。本実施例は、除湿運転時において、車速や外気温度
によって変化しやすい吹出温度の変動を、室外ファン3
8の回転速度を変化させることにより制御するもので、
その一例を図11のフローチャートを用いて説明する。
なお、このフローチャートは、第1実施例のステップS
106 、S107 に追加される制御である。
【0041】まず、ステップS107 において、除湿冷房
運転か否かの判断を行い、除湿冷房運転と判断された場
合はステップS110 へ進み、除湿暖房運転と判断された
場合はステップS111 へ進む。
【0042】除湿冷房運転の場合は、室外熱交換器33
がコンデンサーとして作動する。そして、冷媒凝縮器2
4を通過した空気の温度Tcは、室外熱交換器33の放
熱量を変化させることによって変化する。したがって、
ステップS110 では、コン後温度Tcn と目標吹出温度
TAOn とを比較し、コン後温度Tcn が高いとき(T
n >TAOn )、室外ファン38を風量アップして、
室外熱交換器33の放熱量を増加させることにより、冷
媒凝縮器24を通過した空気の温度Tcを低くすること
ができ、結果的に吹出温度を低くして目標吹出温度TA
Oに近づけることができる(ステップS112 )。逆に、
コン後温度Tcn が目標吹出温度TAOと同じか低いと
き(Tcn ≦TAOn )、室外ファン38を風量ダウン
して、室外熱交換器33の放熱量を減少させることによ
り、冷媒凝縮器24を通過した空気の温度Tcを高くす
ることができ、結果的に吹出温度を高くして目標吹出温
度TAOに近づけることができる(ステップS113 )。
【0043】除湿暖房運転の場合は、室外熱交換器33
がエバポレータとして作動する。そして、冷媒蒸発器2
3を通過した空気の温度Teは、室外熱交換器33の吸
熱量を変化させることによって変化する。したがって、
ステップS111 では、エバ後温度Ten と目標エバ温度
TAEa (例えば5℃)とを比較し、エバ後温度Te n
が高いとき(Ten >TAEa )、室外ファン38を風
量アップして、室外熱交換器33の吸熱量を増加させる
ことにより、冷媒蒸発器23を通過した空気の温度Te
を低くすることができ、結果的に除湿不足を防止するこ
とができる(ステップS114 )。逆に、エバ後温度Te
n が目標エバ温度TAEa と同じか低いとき(Ten
TAEa )、室外ファン38を風量ダウンして、室外熱
交換器33の吸熱量を減少させることにより、冷媒蒸発
器23を通過した空気の温度Teを高くすることがで
き、結果的に除湿過多を防止することができる(ステッ
プS115 )。
【0044】除湿開始後の所定時間内で、ステップS10
6 の実行後は、除湿冷房運転であるか否かの判断を行い
(ステップS116 )、除湿冷房運転の場合は、上述のス
テップS110 へ進み、除湿暖房運転の場合、冷媒蒸発器
23の温度は室外熱交換器33の状態によらず、インバ
ータ42の周波数により一定に制御できるため、室外フ
ァン38の運転を停止する(ステップS117 )。
【0045】〔第3実施例〕図12ないし図14は第3
実施例を示すもので、図12は空気調和装置のダクトの
概略構成図である。本実施例は、フット吹出口19に通
じる空気通路内に、通電により発熱する電熱ヒータ65
を搭載したもので、除湿暖房運転の除湿優先時に作動さ
せて、フット吹出口19より吹き出される吹出温度の低
下を防ぐものである。
【0046】電熱ヒータ65の制御の具体的な一例を図
13のフローチャートを用いて説明する。第1実施例の
ステップS103 で除湿優先が判定された時は、目標吹出
温度TAOn とコン後温度Tcn とを比較し(ステップ
S120 )し、コン後温度Tc n が目標吹出温度TAOn
よりも低いときは(TAOn >コン後温度Tcn )は、
次のステップS121 へ進み、コン後温度Tcn が目標吹
出温度TAOn と同じか高いときは(TAOn ≦コン後
温度Tcn )は、ステップS106 へ進む。ステップS12
1 では、実際の吹出温度が低下しないように、図14に
示す偏差(TAOn −コン後温度Tcn )と印加電圧と
の関係に従って、電熱ヒータ65を通電し、その後、ス
テップS106 へ進む。
【0047】〔変形例〕上記実施例の空気調和装置は、
ダクト内を複数層に仕切った例を示したが、本発明は複
数層のダクトに限定されるものではなく、例えば単層ダ
クトに本発明を適用しても良い。上記の実施例では、除
湿スイッチあるいはデフモードスイッチの操作によって
除湿運転の判定を行ったが、外気湿度あるいは車室内湿
度を検出する湿度センサを設けて除湿判定を行い、検出
湿度が所定値以上の時に除湿運転を行うように制御して
も良い。上記実施例の空気調和装置は、電気自動車に適
用した例を示したが、ガソリン車やディーゼル車の空気
調和装置に適用しても良い。
【0048】上記実施例では、冷媒蒸発器と冷媒凝縮器
を通過した空気の温度を検出する温度センサをそれぞれ
設けて、各温度センサの検出値から各通過温度を制御す
るように設けた例を示したが、冷媒の温度を検出してイ
ンバータ周波数を制御しても良い。上記の実施例では、
除湿開始後、所定時間除湿優先運転となるように設けた
例を示したが、乗員数に応じて除湿優先時間を変化させ
たり、車室内の湿度の減少や、デフモードスイッチや除
湿スイッチがOFF された時に、除湿優先を解除するよう
に設けても良い。また、第3実施例では、補助加熱手段
の一例として電熱ヒータ65を例示したが、燃焼ヒータ
や内燃機関車両においては温水式ヒータなど、他の空気
加熱手段を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和装置のダクトの概略構成図である(第
1実施例)。
【図2】冷凍サイクルの冷媒回路図である(第1実施
例)。
【図3】操作パネルの平面図である(第1実施例)。
【図4】制御装置のブロック図である(第1実施例)。
【図5】温調制御のフローチャートである(第1実施
例)。
【図6】目標吹出温度と送風機の風量との関係を示すグ
ラフである(第1実施例)。
【図7】目標吹出温度と内外気切替状態の関係を示すグ
ラフである(第1実施例)。
【図8】目標吹出温度と吹出モードとの関係を示すグラ
フである(第1実施例)。
【図9】冷凍サイクルの運転状態を決定するフローチャ
ートである(第1実施例)。
【図10】インバータの周波数を決定するフローチャー
トである(第1実施例)。
【図11】室外ファンの回転制御を行うフローチャート
である(第2実施例)。
【図12】空気調和装置のダクトの概略構成図である
(第3実施例)。
【図13】電熱ヒータの制御フローチャートである(第
3実施例)。
【図14】電熱ヒータの印加電圧を決定するグラフであ
る(第3実施例)。
【符号の説明】
1 車両用空気調和装置 2 ダクト 3 送風機 23 冷媒蒸発器 24 冷媒凝縮器 32 冷凍サイクル 33 室外熱交換器 50 制御装置(除湿判断手段、除湿優先手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野々山 浩司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 鈴木 忠 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)空気を車室内に向かって送るダクト
    と、 (b)このダクトにおいて車室に向かう空気流を生じさ
    せる送風機と、 (c)前記ダクト内に配置された冷媒蒸発器、前記ダク
    ト内において前記冷媒蒸発器の下流に配置された冷媒凝
    縮器、前記ダクトの外部において室外空気と冷媒の熱交
    換を行う室外熱交換器を備え、少なくとも前記冷媒蒸発
    器によって前記ダクト内の空気を冷却し、冷却した空気
    を前記冷媒凝縮器によって加熱する除湿運転が可能な冷
    凍サイクルと、 (d)除湿開始を判断する除湿判断手段を備えるととも
    に、 この除湿判断手段によって除湿開始を判断した除湿開始
    初期時に、前記冷媒蒸発器による空気の冷却能力を優先
    して前記冷凍サイクルを制御する除湿優先手段を備えた
    制御装置とを備えた車両用空気調和装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012176659A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Sanden Corp 車両用空気調和装置
JP2014088970A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 車両用冷凍サイクルシステム、冷凍サイクルシステム
CN111806193A (zh) * 2020-06-24 2020-10-23 江永县元杰科技有限公司 一种汽车空调的报警方法和装置

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CN111806193B (zh) * 2020-06-24 2024-02-20 江永县元杰科技有限公司 一种汽车空调的报警方法和装置

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