JPH1178508A - 車両用冷凍サイクル装置 - Google Patents

車両用冷凍サイクル装置

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JPH1178508A
JPH1178508A JP24306797A JP24306797A JPH1178508A JP H1178508 A JPH1178508 A JP H1178508A JP 24306797 A JP24306797 A JP 24306797A JP 24306797 A JP24306797 A JP 24306797A JP H1178508 A JPH1178508 A JP H1178508A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの冷凍サイクル内に主、副の2つの蒸発
器5、6を並列に設置するものにおいて、エコノミー制
御の実施に伴う副蒸発器6側の冷え不足を解消する。 【解決手段】 前席用空調ユニットの主蒸発器5の冷却
度合の目標温度が、主蒸発器5のフロスト防止のために
必要な低温側の目標温度と、この低温側の目標温度より
高い高温側の目標温度との間で補正可能になっており、
主蒸発器5の冷却度合が目標温度に維持されるように、
圧縮機2の容量を制御するとともに、副蒸発器6の作動
時には、エコノミー制御のための高温側の目標温度を所
定レベルまで引き下げるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つの冷凍サイク
ル内に主、副の2つの蒸発器を並列に設置する車両用冷
凍サイクル装置に関するもので、例えば、車室内の前方
側に主蒸発器を収容する前席用空調ユニットを配置し、
車室内の後方側に副蒸発器を収容する後席用空調ユニッ
トを配置する車両用空調装置に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、車室内の前方側に主蒸発器を収容
する前席用空調ユニットを配置し、車室内の後方側に副
蒸発器を収容する後席用空調ユニットを配置する車両用
空調装置が、近年、車室内空間の居住性向上のために多
く採用されるようになっている。この場合、前席用空調
ユニットには温度調整手段、例えば、冷風と温風の風量
割合を調整するエアミックスドアを備え、このエアミッ
クスドアの開度調整により、前席用空調ユニットからの
吹出空気温度を制御している。
【0003】また、後席用空調ユニットにおいては、構
成の小型、簡素化のために、風量制御による能力制御が
一般的であるが、前席用空調ユニットと同様の温度調整
手段を備えて、吹出空気温度の制御を行うものも知られ
ている。ところで、前席用空調ユニットには主蒸発器の
冷却度合(具体的には、主蒸発器の吹出直後の空気温
度)を検出する温度センサを設置して、この温度センサ
の検出温度が予め設定した目標温度(蒸発器のフロスト
防止温度、具体的には0〜3°C付近)に維持されるよ
うに、圧縮機の作動を断続したり、圧縮機の吐出容量を
制御している。これにより、蒸発器のフロストを防止し
て、蒸発器の冷却性能の低下を防止している。
【0004】また、春秋の中間シーズン等には上記目標
温度を夏期の低温側の目標温度より所定値だけ高めの温
度に補正して、圧縮機稼働率を低下したり、圧縮機を低
容量で運転させる、いわゆるエコノミー制御(省動力制
御)を実施するようにしている。これにより、圧縮機の
消費動力を低減できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、冷凍サイクル
内に主、副の2つの蒸発器を並列に設置して、1つの圧
縮機の吐出冷媒を2つの蒸発器に循環させるサイクル構
成であるので、上記のエコノミー制御のために、圧縮機
稼働率の低下や、圧縮機の低容量運転を行うと、これに
連動して、副蒸発器での冷媒蒸発圧力が上昇して冷媒蒸
発温度が上昇する。この場合、前席側の蒸発器に比し
て、後席側の副蒸発器への冷媒通路圧損が大きく、後席
側の副蒸発器への冷媒循環量が少ないので、冷媒蒸発温
度が上昇すると、後席用空調ユニットの冷え不足が発生
することになる。
【0006】なお、このような不具合は、副蒸発器の冷
却作用により冷蔵庫機能を得るようにした場合でも、同
様に発生する。そこで、本発明は上記点に鑑みて、1つ
の冷凍サイクル内に主、副の2つの蒸発器を並列に設置
するとともに、主蒸発器の冷却度合が目標温度に維持さ
れるように、圧縮機の作動制御を行う車両用冷凍サイク
ル装置において、エコノミー制御(省動力制御)の実施
に伴う副蒸発器側の冷え不足を解消することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述したように、エコノ
ミー制御時には主蒸発器の冷却度合の目標温度を引き上
げることに起因して、副蒸発器側の冷え不足が発生する
ことに着目して、請求項1〜12記載の発明では、主空
間側を冷却する主蒸発器(5)と、副空間側を冷却する
副蒸発器(6)とを並列に設け、主蒸発器(5)の冷却
度合が目標温度に維持されるように、圧縮機(2)の作
動を制御する車両用冷凍サイクル装置において、主蒸発
器(5)の冷却度合の目標温度が、主蒸発器(5)のフ
ロスト防止のために必要な低温側の目標温度(T0
と、この低温側の目標温度(T0 )より高い高温側の目
標温度(T1 )との間で補正可能になっており、副蒸発
器(6)の作動時には、高温側の目標温度(T1 )を所
定レベルまで引き下げるようにしたことを特徴としてい
る。
【0008】これによると、主蒸発器(5)のみ作動し
ているときに、エコノミー制御を行うときは、従来通
り、主蒸発器(5)の冷却度合の目標温度を高温側の目
標温度(T1 )に補正することにより、圧縮機(2)を
低容量運転させたり、圧縮機(2)断続作動の稼働率を
低下させて、エコノミー制御(省動力制御)を実施し、
圧縮機(2)の消費動力を低減できる。
【0009】これに対し、主蒸発器(5)と同時に副蒸
発器(6)も作動させるときは、エコノミー制御のため
の高温側の目標温度(T1 )を所定レベルまで引き下げ
ることにより、副蒸発器側の冷媒蒸発温度を低下させ
て、副蒸発器側の冷え不足を防止できる。請求項3記載
の発明のように、主蒸発器(5)は、具体的には、車室
内の前席側の空間を空調する前席用空調ユニット(4
0)に配置されて使用され、また、副蒸発器(6)は、
具体的には車室内の後席側の空間を空調する後席用空調
ユニット(40)に配置されて使用される。
【0010】これによれば、エコノミー制御時に車室内
の後席側の冷房不足を効果的に解消できる。また、請求
項4記載の発明のように、後席用空調ユニット(40)
に隣接して冷蔵庫(70)を配置し、この冷蔵庫(7
0)内に副蒸発器(6)により冷却された冷風の一部が
循環するようにすれば、エコノミー制御時に車室内の後
席側の冷房不足および冷蔵庫(70)の冷却不足を効果
的に解消できる。
【0011】また、請求項5記載の発明のように、主蒸
発器(5)を、車室内空間を空調する空調ユニット(4
0)の冷却源として配置し、副蒸発器(6)を冷蔵庫
(70)の冷却源として配置すれば、副蒸発器(6)を
冷蔵庫(70)専用の冷却源として使用する場合に、冷
蔵庫(70)の冷却不足を効果的に解消できる。また、
本発明において、主蒸発器(5)の冷却度合が目標温度
に維持されるように、圧縮機(2)の作動を制御する具
体的手段としては、請求項6記載の発明のように、圧縮
機(2)に、外部からの制御信号により容量を可変する
容量可変機構(13、16)を備え、この容量可変機構
(13、16)により圧縮機(2)の容量を可変するよ
うにしたり、あるいは、請求項7記載の発明のように、
圧縮機(2)を電磁クラッチ(10)を介して車載のエ
ンジン(12)に連結し、電磁クラッチ(10)により
圧縮機(2)の作動を断続するようにしてもよい。
【0012】また、副蒸発器(6)の作動有無を判定す
る判定手段(S110)は、請求項8記載の発明のよう
に、後席用空調ユニット(42)の作動スイッチ(6
7)の開閉に基づいて判定を行うものでよい。また、請
求項9記載の発明のように、目標温度の補正は具体的に
は外気温に応じて行うのがよい。
【0013】また、請求項10記載の発明のように、外
気温の所定領域において、高温側の目標温度(T1
を、高温側の目標温度(T1 )と低温側の目標温度(T
0 )との中間温度まて引き下げるようにすれば、副蒸発
器(6)の作動時に、圧縮機(2)のエコノミー制御
(省動力制御)による消費動力低減効果と、副蒸発器
(6)側の冷却効果の確保とを両方とも発揮できる。
【0014】また、請求項11記載の発明のように、外
気温の所定領域において、高温側の目標温度(T1
を、低温側の目標温度(T0 )と同等レベルまで引き下
げるようにすれば、副蒸発器(6)の作動時に、副蒸発
器(6)側の冷却効果を最大に発揮できる。また、請求
項12記載の発明のように、外気温が第1の所定領域に
あるときは、高温側の目標温度(T1 )を、高温側の目
標温度(T1 )と低温側の目標温度(T0 )との中間温
度(T2 )まで引き下げるとともに、外気温が第1の所
定領域よりも高温側の第2の所定領域にあるときは、高
温側の目標温度(T1 )を、低温側の目標温度(T0
と同等レベルまで引き下げるようにすれば、副蒸発器
(6)の作動時に、第1の所定領域では圧縮機(2)の
エコノミー制御(省動力制御)による消費動力低減効果
と、副蒸発器(6)側の冷却効果の確保とを両方とも発
揮でき、一方、高温側の第2の所定領域では、副蒸発器
(6)側の冷却効果を最大に発揮できる。
【0015】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態の全体構
成図である。本実施形態は車両用空調装置に適用される
冷凍サイクル装置を示しており、冷凍サイクル1には冷
媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機2が備えられている。
この圧縮機2から吐出された高温、高圧の過熱ガス冷媒
は凝縮器3に流入し、ここで、図示しない冷却ファンよ
り送風される外気と熱交換して冷媒は冷却されて凝縮す
る。
【0017】この凝縮器3で凝縮した冷媒は次に受液器
(気液分離器)4に流入し、受液器4の内部で冷媒の気
液が分離され、冷凍サイクル1内の余剰冷媒(液冷媒)
が受液器4内に蓄えられる。この受液器4の出口側には
主蒸発器5と副蒸発器6の冷媒通路が並列に設けられて
いる。すなわち、受液器4からの液冷媒は、主膨張弁
(減圧手段)7により低圧に減圧され、気液2相状態と
なった後に、主蒸発器5に流入し、ここで空調空気から
吸熱して蒸発する。
【0018】また、受液器4の出口側には、電磁弁8と
副膨張弁9と副蒸発器6が直列に設けられ、この直列回
路が主膨張弁7と主蒸発器5に対して、並列に設けられ
ている。なお、上記の両膨張弁7、9は両蒸発器5、6
の出口冷媒の温度を感知する感温部を有する温度式膨張
弁であり、蒸発器5、6の出口冷媒の過熱度を所定値に
維持するように弁開度(冷媒流量)を調整するものであ
る。上記したサイクル構成部品(2〜9)の間はそれぞ
れ冷媒配管によって結合されている。また、圧縮機2は
電磁クラッチ10、ベルト11等を介して車両走行用エ
ンジン12により駆動される可変容量型のものであっ
て、可変容量機構の電磁式圧力制御装置13を備えてい
る。
【0019】上記した電磁弁8、電磁クラッチ10、お
よび電磁式圧力制御装置13はいずれも空調用電子制御
装置(以下ECUという)14に接続されており、EC
U14は図示しないCPU、ROM、RAM等からなる
周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成
されるものであって、予め設定されたプログラムに従っ
た演算処理を行って、上記の機器の作動を制御する。
【0020】電磁クラッチ10はECU14からの制御
信号に基づいて通電されると接続状態になって、圧縮機
2に車両エンジン12の動力が伝達されて、圧縮機2は
運転状態となる。これに反し、電磁クラッチ10の通電
が遮断されると、電磁クラッチ10が開離状態になっ
て、圧縮機2は停止する。次に、図2は上記圧縮機2お
よひ電磁クラッチ10の具体的構造の一例を示すもの
で、圧縮機2はワッブルタイプの周知のものである。圧
縮機2の回転軸15には電磁クラッチ10を介して車両
エンジン12の動力が伝達され、回転軸15が回転す
る。この回転軸15には斜板16が一体に回転可能に連
結され、この斜板16が回転することによりピストン1
7が軸方向に往復動する。
【0021】さらに、斜板16の傾斜角の変化により複
数のピストン17のストロークを変化させて、圧縮機2
の吐出容量(以下、単に容量という)を可変するように
なっている。このため、斜板16は回転軸15に対して
揺動可能に連結され、具体的には、球面状支持部18に
て斜板16が揺動可能に支持されている。斜板16の傾
斜角は、ピストン17の前後に作用する圧力、すなわ
ち、ピストン17の背面に作用するクランク室19内の
圧力、すなわち制御圧Pcと、ピストン17が往復動す
るシリンダ20内の圧力(吐出圧Pdおよび吸入圧P
s)との釣り合いにより変化する。従って、クランク室
19内の制御圧Pcを調整することにより、斜板16の
傾斜角を変化させることができる。
【0022】圧縮機2のシリンダ20で圧縮されたガス
冷媒は吐出室21に吐出され、ここから吐出口(図示せ
ず)を経て図1の凝縮器3側にガス冷媒が吐出される。
また、圧縮機2のシリンダ20には吸入室22を通して
冷媒が吸入される。この吸入室22は、吸入口22aを
介して図1の主蒸発器5および副蒸発器6の冷媒出口側
に通じている。
【0023】そして、上記したクランク室19の圧力
(制御圧力)Pcは、吐出室21の冷媒吐出圧Pdと吸
入室22の冷媒吸入圧Psを利用して、電磁式圧力制御
装置13により変化させるようになっている。この電磁
式圧力制御装置13には、吐出室21に連通している吐
出圧力室24と、吸入室22に連通している吸入圧力室
25と、クランク室19に連通する制御圧力室26が備
えられている。そして、吐出圧力室24は制御圧力室2
6に、弁体27により開度が調整される可変絞り28を
介して連通している。本例では、弁体27と可変絞り2
8とにより可変絞り機構を構成している。また、吸入圧
力室25は固定絞り29を介して制御圧力室26に連通
している。これら各室の連通関係は図3、4に分かりや
すく示している。
【0024】また、吸入圧力室25の内部には伸縮可能
な材料からなるベローズ(圧力応動機構)30が配設さ
れており、このベローズ30内には予め所定圧の内圧P
bが設定されており、この内圧Pbに対する吸入圧Ps
の変化により、ベローズ30は伸縮する。このベローズ
30の伸縮によりロッド31を介して弁体27が変位す
るようになっている。このベローズ30および弁体27
には電磁機構の電磁力も作用するようになっている。
【0025】すなわち、本例の電磁機構は、電磁コイル
32と、固定磁極部材33と、電磁コイル32の電磁力
により固定磁極部材33の方向(ベローズ30が伸びる
方向)に吸引される可動磁極部材(プランジャ)34
と、可動磁極部材34にバネ力を作用するコイルスプリ
ング35とから構成されている。可動磁極部材34の中
心部にはロッド36が連結され、このロッド36と弁体
27とロッド31は一体に連結され、一体に変位する。
【0026】図3、4は上記の電磁式圧力制御装置13
による作用を説明する模式図であり、電磁式圧力制御装
置13の各部の配置状態は図示の簡略化のために図2と
は異なっている。図3は圧縮機2の容量が大きくなって
いる状態を示しており、冷房負荷の増大により吸入圧P
sがベローズ30の内圧Pbよりも上昇すると、ベロー
ズ30が収縮するので、ロッド31、36が図3(a)
において矢印方向へ移動し、これにより、弁体27が
同方向へ変位して可変絞り28の開度を減少させる。従
って、吐出圧力室24と制御圧力室26との間の圧損が
増大して、制御圧力室26内の制御圧Pcが低下する。
【0027】この制御圧Pcの低下によりクランク室1
9の圧力が低下して、ピストン17の背圧が低下するの
で、図3(b)の矢印に示すように、斜板16が傾い
て、斜板16の傾斜角θが増大する。その結果、ピスト
ン17のストロークが増大して圧縮機2の容量が増大す
る。これにより、サイクル循環冷媒流量が増加して、冷
房能力が増大するので、吸入圧Psが次第に低下する。
【0028】そして、吸入圧Psが逆にベローズ30の
内圧Pbよりも低下すると、ベローズ30が伸長するの
で、ロッド31、36が図4(a)において矢印方向
へ移動し、これにより、弁体27が同方向へ変位して可
変絞り28の開度を増加させる。従って、吐出圧力室2
4と制御圧力室26との間の圧損が減少して、制御圧力
室26の制御圧Pcが上昇する。
【0029】この制御圧Pcの上昇によりクランク室1
9の圧力が上昇すると、図4(b)の矢印に示すよう
に斜板16が立って、斜板16の傾斜角θが減少するの
で、ピストン17のストロークが減少して圧縮機2の容
量が減少する。これにより、サイクル循環冷媒流量が減
少して、冷房能力が減少するので、吸入圧Psが次第に
上昇する。
【0030】このように、吸入圧Psの変化に対応して
ベローズ30が伸縮することにより、制御圧Pcを調整
して圧縮機2の容量を可変制御するものにおいて、電磁
機構部は、ベローズ30の内圧Pbによる吸入圧Psの
設定圧を可変するものである。電磁コイル32の電磁力
の方向は、ベローズ30が伸長する方向であり、従っ
て、電磁コイル32の電磁力は弁体27に対して可変絞
り28の開度を増加させる方向に作用する。
【0031】一方、電磁コイル32の電磁力は、電磁コ
イル32に流れる制御電流Inに比例するので、この制
御電流Inが増加するにつれて、可変絞り28の開度を
増加させて、制御圧Pcを増大させ、圧縮機容量を減少
させる。従って、図5に示すように制御電流Inの増加
とともに吸入圧Psの設定圧が上昇することになる。こ
れにより、制御電流Inを変えることにより、吸入圧P
sが変化して蒸発器吹出空気温度を調整できるのであ
る。
【0032】上記した容量可変の作用説明から理解され
るように、本実施形態では、斜板16が容量可変部材と
しての役割を兼ねており、この斜板(容量可変部材)1
6と電磁式圧力制御装置13とにより、容量可変機構が
構成されている。次に、図6は本実施形態の冷凍サイク
ル装置を備えた車両空調装置の車両搭載状態を示す全体
配置図であり、車両前方のエンジンルーム37内に上記
したエンジン12、圧縮機2、凝縮器3、受液器4等が
搭載されている。
【0033】一方、車室38内の前方側の計器盤39の
内側部位に前席用空調ユニット40が配置され、車室3
8後方のトランクルーム41内に後席用空調ユニット4
2が配置されている。前席用空調ユニット40および後
席用空調ユニット42はいずれも公知の構成であるの
で、その概要を簡単に説明する。前席用空調ユニット4
0は図7に示すように、空調ケース43の入口側に遠心
式送風機44が備えられており、周知の内外気切替箱4
5から吸入された車室内の空気(内気)または車室外の
空気(外気)は送風機44により空調ケース43内を送
風される。この送風空気は、主蒸発器5を通過して冷却
された後に、エアミックスドア(温度制御手段)46に
より暖房用熱交換器47を通過する温風と、バイパス通
路47aを通過する冷風とに振り分けられ、温風と冷風
との風量割合をエアミックスドア46により調整して、
車室内への吹出空気温度を制御する。
【0034】この温風と冷風は空気混合室48にて混合
され、所望温度の空気となって、吹出モードドア49〜
51により選択された1つまたは複数の吹出開口部52
〜54を通して車室内に吹き出す。暖房用熱交換器46
は車両エンジン12からの温水(冷却水)を熱源として
空気を加熱するものである。また、上記吹出開口部52
〜54のうち、デフロスタ吹出開口部52は図6のデフ
ロスタダクト52aを介して車両のフロントガラス内面
に空気を吹き出すためのもので、フェイス吹出開口部5
3は図6のフェイスダクト53aを介して車室内乗員の
上半身に空気を吹き出すためのもので、フット吹出開口
部54は車室内の乗員足元部に空気を吹き出すためのも
のである。
【0035】また、空調ケース43内のうち、主蒸発器
5の空気吹出直後の部位には、蒸発器6を通過した直後
の吹出空気温度を検出するサーミスタからなる蒸発器吹
出温度センサ(冷却度合検出手段)55が設けられてい
る。図8は後席用空調ユニット42の概要を示してお
り、後席用空調ユニット42の空調ケース56の出口部
には遠心式送風機57が備えられており、空調ダクト5
6の一端側に設けられた吸入口58から車室38内後部
の空気を吸入し、この吸入空気を空気清浄フィルタ59
および副蒸発器6を通過させる。従って、吸入空気は空
気清浄フィルタ59にて脱臭、除塵された後に、副蒸発
器6で冷却、除湿される。
【0036】副蒸発器6を通過した冷風は、吹出開口部
60から車両後部のピラーに沿って配置された車両後部
のピラーダクト61(図6)に導入され、このピラーダ
クト61により車両後部の天井部から下方へ向かって吹
出される。次に、本実施形態の制御系を前述の図1に基
づいて説明すると、ECU14の入力端子には、蒸発器
吹出温度センサ55の他に、空調制御に必要な情報を検
出する各種センサが接続される。具体的には、車室内に
入射する日射量の検出手段である日射センサ62、車室
内の温度(内気温度)の検出手段である内気センサ6
3、車室外の温度(外気温度)の検出手段である外気セ
ンサ64等が接続されている。また、この他にも、EC
U14の入力端子には、車室内乗員が自分の希望する設
定温度を手動にて設定するための前席用温度設定器6
5、前席用空調ユニット40の作動スイッチ(オートエ
アコンスイッチ)66、後席用空調ユニット42の作動
スイッチ67等が接続されている。
【0037】そして、このようなセンサ55、62〜6
4、前席用温度設定器65、両作動スイッチ66、67
等からの信号は、ECU14内の図示しない入力回路に
よってA/D変換された後、マイクロコンピュータへ入
力されるように構成されている。なお、ECU14は、
エンジン12の図示しないイグニッションスイッチがオ
ンされ、かつ前席用空調ユニット40の作動スイッチ
(オートエアコンスイッチ)66がオンされたときに、
図示しない車載バッテリーから電源が供給される。
【0038】次に、本実施形態の作動を説明すると、車
両エンジン12のイグニッションスイッチがオンされ
て、車両エンジン12が運転状態にあるときに、前席用
空調ユニット40の作動スイッチ66がオンされると、
ECU14により電磁クラッチ10が接続状態となり、
圧縮機2がエンジン12により駆動されて作動状態とな
る。前席用空調ユニット40の送風機44もECU14
により作動状態となるので、送風機44の送風空気は前
席用空調ユニット40の主蒸発器5により冷却されて冷
風となる。
【0039】この冷風をエアミックスドア46の開度に
より決定される量だけ暖房用熱交換器47にて再加熱す
ることにより、車室内への吹出空気温度を目標温度(後
述の目標吹出空気温度TAO)に調整できる。この温度
調整された空気は、吹出開口部52〜54のいずれか1
つまたは複数から車室内へ吹き出す。そして、この状態
において、後席用空調ユニット42の作動スイッチ67
がオンされると、ECU14により電磁弁8が開弁され
て、副蒸発器6に冷媒が循環するとともに、ECU14
により送風機57が作動状態となり、副蒸発器6により
冷却された冷風が車室内後部へ吹き出す。
【0040】次に、本実施形態において、ECU14の
マイクロコンピュータにより行われる制御処理を図9の
フローチャートに基づいて具体的に説明する。まず、車
両エンジン12のイグニッションスイッチがオンされ、
かつ、前席用空調ユニット40の作動スイッチ66がオ
ンされると、図9の制御ルーチンが起動される。そし
て、ステップS100にて各センサ55、62〜64の
各値を読み込むとともに、前席用温度設定器65、後席
用空調ユニット42の作動スイッチ67等からの信号を
読み込む。
【0041】次のステップS110にて後席用空調ユニ
ット42の作動スイッチ67がON(閉)状態にあるか
どうか判定し、作動スイッチ67がON状態にあるとき
は、ステップS120に進み、図10の破線で示す特性
(マップ)aから定まる第1目標蒸発器吹出空気温度T
EO1 を決定する。また、作動スイッチ67がOFF状
態にあるときは、ステップS130に進み、図10の実
線で示す特性(マップ)bから定まる第1目標蒸発器吹
出空気温度TEO1 を決定する。
【0042】ここで、図10の破線特性aおよび実線特
性bはマイクロコンピュータのROMに予め設定、記憶
されているものであって、第1目標蒸発器吹出温度TE
1は、外気温度Tamに対応して決定される。すなわ
ち、後席用空調ユニット42の非作動時(前席用空調ユ
ニット40のみ作動)の特性である実線特性bは、外気
温度Tamの中間温度域(図10の例では、17°C〜2
5°C)では冷房、除湿の必要性が低下するので、第1
目標蒸発器吹出温度TEO1 を高温側の目標温度T
1 (図10の例では12°C)に補正してしている。こ
れは、後述するように、圧縮機2の容量低減によるエコ
ノミー制御(省動力制御)を行うためである。
【0043】一方、外気温度Tamが25°Cを越える夏
期の高温時には冷房能力確保のため、第1目標蒸発器吹
出温度TEO1 は外気温度Tamの上昇に反比例して高温
側の目標温度T1 から次第に低下する。一方、外気温度
Tamが17°Cより低くなる低温域では、窓ガラス曇り
防止のための除湿能力確保のために、第1目標蒸発器吹
出温度TEO1 は外気温度Tamの低下とともに低下す
る。
【0044】これに反し、後席用空調ユニット42の作
動時の特性である破線特性aは、外気温度Tamの中間温
度域(図10の例では、10°C〜25°C)におい
て、上記実線特性bよりも第1目標蒸発器吹出温度TE
1 を所定値だけ低くしている。なお、図10の特性に
おいて、主蒸発器5のフロスト防止のために、TEO1
の低温側の最低目標温度T0 は0°Cにしてある。
【0045】以上のごとくして、後席用空調ユニット4
2の作動スイッチ67のオン、オフ、すなわち、後席用
空調ユニット42の作動有無に対応して、第1目標蒸発
器吹出温度TEO1 が図10の破線特性aまたは実線特
性bのいずれか一方により決定される。次に、ステップ
S140に進み、上記ステップS100にて読み込まれ
たセンサ値に基づいて、下記の数式1により車室内前席
側へ吹き出す空調空気の目標温度である目標吹出温度T
AO(以下TAOという)を算出(決定)する。
【0046】
【数1】TAO=Tset *Kset −Tr *Kr −Tam*
Kam−Ts *Ks +C 但し、Tset :前席用温度設定器65の設定温度 Tr :内気センサ63の検出する内気温 Tam :外気センサ64の検出する外気温 Ts :日射センサ62の検出する日射量 Kset 、Kr 、Kam、Ks :制御ゲイン C :定数 次のステップS150にて第2目標蒸発器吹出温度TE
2 を決定する。この第2目標蒸発器吹出温度TEO2
は図11に示すように、上記TAOに基づいて行う。
【0047】すなわち、図11はマイクロコンピータの
ROMに予め設定され、記憶されている特性(マップ)
であり、このマップに基づいて、TAOが高くなる程、
第2目標蒸発器吹出温度TEO2 が高くなるように決定
する。TAOが26°Cより高い領域では、TAOを1
2°C一定の高温側目標温度T1 に保つようにしてあ
る。なお、図11の特性においても、主蒸発器5のフロ
スト防止のためにTEO 2 の低温側の最低目標温度T0
は0°Cにしてある。
【0048】そして、 次のステップS160にて上記
第1、第2目標蒸発器吹出温度TEO1 、TEO2 の大
小を比較し、小さい方の目標蒸発器吹出温度を最終的な
目標蒸発器吹出温度TEOとして選択する。すなわち、
TEO1 がTEO2 より小さいときは、ステップS17
0に進み、主蒸発器吹出温度センサ55により検出され
る実際の主蒸発器吹出温度TEと、第1目標蒸発器吹出
温度TEO1 とに基づいて、TE=TEO1 となる制御
電流値Inを決定する。
【0049】具体的には、ステップS170では、下記
の数式2および数式3に基づいて、電磁式圧力制御装置
13の電磁コイル32の制御電流値Inが算出され、出
力される。この数式2、3によるフィードバック制御は
比例積分制御(PI制御)である。
【0050】
【数2】En=TE−TEO1
【0051】
【数3】In=In−1−Kp{(En−En−1)+
θ/Ti・En} 但し、En :蒸発器吹出温度偏差 Kp :比例定数 θ :サンプリング・タイム Ti :積分時間 電磁式圧力制御装置13では、上記のようにして算出さ
れた制御電流値Inに応じて吸入圧Psの設定圧が定ま
り、この設定圧となるように圧縮機2の容量が可変制御
され、その結果、実際の蒸発器吹出温度TEが第1目標
蒸発器吹出温度TEO1 に維持される。
【0052】ステップS160の判定において、TEO
1 よりもTEO2 の方が小さいときは、ステップS18
0に進み、実際の主蒸発器吹出温度TEと、第2目標蒸
発器吹出温度TEO2 とに基づいて、TE=TEO2
なる制御電流値Inを決定する。そして、この制御電流
値Inに基づいて圧縮機2の容量が可変制御され、その
結果、実際の蒸発器吹出温度TEが第2目標蒸発器吹出
温度TEO2 に維持される。
【0053】ところで、図10に示すように、外気温度
の中間温度域(17°C〜25°C)において、前席用
空調ユニット40のみ作動しているときは、実線特性b
により第1目標蒸発器吹出温度TEO1 を高温側の設定
温度T1 (例えば、12°C)に補正しており、これに
より、圧縮機2の容量を小容量として、エンジン12の
圧縮機駆動動力を低減できる。
【0054】一方、後席用空調ユニット42も作動して
いるときは、図10の破線特性aにより、外気温度の第
1所定温度域(10°C〜23°C未満)において、第
1目標蒸発器吹出温度TEO1 を高温側の設定温度T1
と低温側の設定温度T0 との間の中間温度T2 (例え
ば、5°C)まで引き下げている。このTEO1 の引下
げにより、圧縮機2の容量が増加するので、実線特性b
の場合よりも両蒸発器5、6における冷媒蒸発圧力(吸
入圧Ps)が低くなる。これにより、両蒸発器5、6に
おける冷媒蒸発温度が低くなるので、後席用空調ユニッ
ト42における冷房能力不足を防止できる。
【0055】さらに、上記第1所定温度域より高温の第
2所定温度域(25°C〜35°C)においては、第1
目標蒸発器吹出温度TEO1 を低温側の設定温度T0
同一レベル(0°C)まで引き下げている。これによ
り、高温側での後席用空調ユニット42の冷房能力をさ
らに高めることができる。なお、図1中、ECU14内
には、図9に示すフローチャートの各ステップと対応す
る機能実現手段をブロック図として示している。
【0056】(第2実施形態)図12は第2実施形態で
あり、第1目標蒸発器吹出温度TEO1 の後席用空調ユ
ニット作動時の破線特性aを図12に示すように変更し
たもので、第1目標蒸発器吹出温度TEO1 を5°Cの
レベルまで引き下げる範囲を外気温の中間温度域におい
て10°C〜30°Cの範囲に拡大したものである。
【0057】第1実施形態によると、外気温の高温側の
第2所定温度域(25°C〜35°C)において、第1
目標蒸発器吹出温度TEO1 を低温側の設定温度T0
同一レベル(0°C)まで引き下げているので、圧縮機
2の容量が増加して、圧縮機駆動動力が増大するが、第
2実施形態によると、外気温が上記第2所定温度域(2
5°C〜35°C)の全範囲にあるとき、第1目標蒸発
器吹出温度TEO1 を5°Cの中間温度T2 に補正して
いるので、第1実施形態に比して圧縮機2の容量が減少
して、圧縮機駆動動力を減少できる。
【0058】つまり、外気温の変化に対して、エンジン
12の省動力を図ることができる期間が長くなって、省
動力効果を増大できる。 (第3実施形態)図13は第3実施形態であり、第1目
標蒸発器吹出温度TEO1 の後席用空調ユニット作動時
の破線特性aを図13に示すように変更したもので、外
気温度の5°C〜35°Cの全範囲において、第1目標
蒸発器吹出温度TEO1 を低温側の目標温度T0 と同一
レベル(0°C)まで引き下げている。従って、後席用
空調ユニット作動時には、エコノミー制御による省動力
効果を発揮できないものの、後席用空調ユニット42の
冷房能力を常に最大限発揮できる。
【0059】(第4実施形態)図14は第4実施形態で
あり、外気温の低温域から中間温度域(例えば、20°
C)までの第1所定温度域では、第1目標蒸発器吹出温
度TEO1 の後席用空調ユニット作動時の破線特性a
を、実線特性b(前席用空調ユニット40のみの作動
時)と同じ特性にして、エコノミー制御による省動力効
果を発揮する。
【0060】一方、外気温の中間温度域から高温域(例
えば、外気温=20°C〜35°Cの範囲)の第2所定
温度域では、破線特性aを実線特性bより引き下げてい
る。これによると、外気温の中間温度域から高温域にか
けての第2所定温度域では、両蒸発器5、6における冷
媒蒸発温度が低くなり、特に、後席用空調ユニット42
における冷房能力不足を効果的に防止でき、高温時にお
ける車室内冷房フィーリングを向上できる。
【0061】(第5実施形態)図15、図16は第5実
施形態を示している。前述の第1実施形態では、図8に
示すように、後席用空調ユニット42において副蒸発器
6を車室内へ吹き出される冷風の冷却のためのみに用い
ているが、第5実施形態では、副蒸発器6を冷蔵庫70
の冷却のために兼用している。
【0062】すなわち、第5実施形態では、後席用空調
ユニット42の側方(車両左右方向の側方)に冷蔵庫7
0を隣接配置している。この冷蔵庫70の吸気側ダクト
71は、遠心式送風機57の吹出側に連通させるととも
に、冷蔵庫70の排気側ダクト72は、送風機57の吸
入側に連通させている。これにより、図15の矢印Aで
示す経路にて送風機57の送風空気が冷蔵庫70内を循
環する。
【0063】ここで、矢印Aの経路は後席用空調ユニッ
ト42内の副蒸発器6をバイパスして流れるが、送風機
57において、冷蔵庫70からの還流空気と、副蒸発器
6を通過した冷風とが混合されるので、冷蔵庫70内に
矢印Aの経路で低温空気を循環して、冷蔵庫70内を冷
却できる。なお、排気側ダクト72の出口部にはドア7
3が回動可能に設けてあるので、冷蔵庫61を使用しな
いときは、ドア73を排気側ダクト72の閉塞位置73
a(図16)に操作して、矢印Aの経路による空気循環
を停止すればよい。
【0064】また、本例では、送風機57の吹出側に設
けられる吹出開口部として、第1吹出開口部60と第2
吹出開口部60aを設けて、車室内の2箇所(例えば、
車両後部の天井側と後席のシート部)に冷風を吹き出す
ようにしている。 (他の実施形態) 上記第5実施形態では、後席用空調ユニット42に冷
蔵庫70を隣接配置し、後席用空調ユニット42の副蒸
発器6を冷蔵庫70の冷却のために兼用しているが、後
席用空調ユニット42を廃止して、副蒸発器6を冷蔵庫
70の冷却専用に設置してもよい。すなわち、本発明
は、空調用の主蒸発器5と冷蔵庫用の副蒸発器6とを並
列設置する冷凍サイクル装置においても同様に実施でき
る。
【0065】上記第1実施形態では、主蒸発器5の吹
出空気温度(冷却度合)の制御のために圧縮機2の容量
を制御する場合について説明したが、圧縮機2として固
定容量タイプのものを用い、電磁クラッチ10を断続制
御して圧縮機2の作動を断続することにより、主蒸発器
5の吹出空気温度(冷却度合)を制御するようにしても
よい。このような温度(冷却度合)制御方式は周知であ
るため、詳細な説明は省略する。
【0066】上記第1実施形態では、主蒸発器5の冷
却度合に関連する物理量として、蒸発器吹出温度TEを
検出しているが、蒸発器吹出温度TEの代わりに、圧縮
機2の吸入圧力Ps、あるいは主蒸発器5の表面温度、
主蒸発器5の冷媒蒸発温度等を検出して、図9のフロー
チャートの制御を行うこともできる。 上記第1実施形態では、圧縮機2の容量可変機構とし
て電磁式圧力制御装置13を使用しているが、電磁式圧
力制御装置13を使用せずに、サーボモータ等のアクチ
ュエータを使用して、容量可変部材を直接駆動制御する
機構とすることも可能である。また、圧縮機2の容量可
変機構として、斜板16の傾斜角を変化させるものに限
らず、周知の種々な機構のものにも本発明を同様に適用
できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の車両空調用冷凍サイク
ル装置の全体構成図である。
【図2】第1実施形態における可変容量圧縮機の縦断面
図である。
【図3】図2の圧縮機の大容量時の作動説明用模式図で
ある。
【図4】図2の圧縮機の小容量時の作動説明用模式図で
ある。
【図5】図2の圧縮機に装備される電磁式圧力制御装置
の制御電流Inと吸入圧Psの設定圧との関係を示す特
性図である。
【図6】第1実施形態における車両空調装置の車両搭載
状態を示す斜視図である。
【図7】図6の前席用空調ユニットの概要断面図であ
る。
【図8】図6の後席用空調ユニットの概要断面図であ
る。
【図9】第1実施形態の制御処理を示すフローチャート
である。
【図10】第1実施形態における第1目標蒸発器吹出温
度TEO1 と外気温Tamとの相関関係を示す特性図で
ある。
【図11】第1実施形態における目標吹出温度TAOと
第2目標蒸発器吹出温度TEO1との相関関係を示す特
性図である。
【図12】第2実施形態における第1目標蒸発器吹出温
度TEO1 と外気温Tamとの相関関係を示す特性図で
ある。
【図13】第3実施形態における第1目標蒸発器吹出温
度TEO1 と外気温Tamとの相関関係を示す特性図で
ある。
【図14】第4実施形態における第1目標蒸発器吹出温
度TEO1 と外気温Tamとの相関関係を示す特性図で
ある。
【図15】第5実施形態における後席用空調ユニットの
概要上面図で、一部を断面図示している。
【図16】第5実施形態における後席用空調ユニットの
概要縦断面図である。
【符号の説明】
2…圧縮機、5…主蒸発器、6…副蒸発器、13…電磁
式圧力制御装置、16…斜板、40…前席用空調ユニッ
ト、42…後席用空調ユニット、55…蒸発器吹出温度
センサ(冷却度合検出手段)。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主空間側を冷却する主蒸発器(5)と、 この主蒸発器(5)と並列に設けられ、副空間側を冷却
    する副蒸発器(6)と、 前記主蒸発器(5)および前記副蒸発器(6)で蒸発し
    たガス冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)とを備え、 前記主蒸発器(5)の冷却度合が目標温度に維持される
    ように、前記圧縮機(2)の作動を制御する車両用冷凍
    サイクル装置において、 前記主蒸発器(5)の冷却度合の目標温度が、前記主蒸
    発器(5)のフロスト防止のために必要な低温側の目標
    温度(T0 )と、この低温側の目標温度(T0)より高
    い高温側の目標温度(T1 )との間で補正可能になって
    おり、 前記副蒸発器(6)の作動時には、前記高温側の目標温
    度(T1 )を所定レベルまで引き下げるようにしたこと
    を特徴とする車両用冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 主空間側を冷却する主蒸発器(5)と、 この主蒸発器(5)と並列に設けられ、副空間側を冷却
    する副蒸発器(6)と、 前記主蒸発器(5)および前記副蒸発器(6)で蒸発し
    たガス冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)と、 前記主蒸発器(5)の冷却度合を検出する冷却度合検出
    手段(55)と、 前記主蒸発器(5)の冷却度合の目標温度を決定する目
    標温度決定手段(S120、S130、S150、S1
    60)と、 前記主蒸発器(5)の実際の冷却度合が前記目標温度に
    維持されるように、前記圧縮機(2)の作動を制御する
    制御手段(S170、S180)と、 前記副蒸発器(6)の作動有無を判定する判定手段(S
    110)とを備え、 前記目標温度決定手段は、前記目標温度を前記主蒸発器
    (6)のフロスト防止のために必要な低温側の目標温度
    (T0 )と、この低温側の目標温度(T0 )より高い高
    温側の目標温度(T1 )との間で補正可能になってお
    り、 前記判定手段(S110)により前記副蒸発器(6)の
    作動状態が判定されたときは、前記目標温度決定手段に
    よる、前記高温側の目標温度(T1 )を所定レベルまで
    引き下げるようにしたことを特徴とする車両用冷凍サイ
    クル装置。
  3. 【請求項3】 前記主蒸発器(5)は、車室内の前席側
    の空間を空調する前席用空調ユニット(40)に配置さ
    れ、 前記副蒸発器(6)は、車室内の後席側の空間を空調す
    る後席用空調ユニット(42)に配置されていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の車両用冷凍サイク
    ル装置。
  4. 【請求項4】 前記後席用空調ユニット(42)に隣接
    して冷蔵庫(70)が配置され、この冷蔵庫(70)内
    に前記副蒸発器(6)により冷却された冷風の一部が循
    環するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の車
    両用冷凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】 前記主蒸発器(5)は、車室内空間を空
    調する空調ユニット(40)の冷却源として配置され、 前記副蒸発器(6)は冷蔵庫(70)の冷却源として配
    置されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    の車両用冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】 前記圧縮機(2)は、外部からの制御信
    号により容量を可変する容量可変機構(13、16)を
    備えており、 この容量可変機構(13、16)により前記圧縮機
    (2)の容量を可変することにより、前記主蒸発器
    (5)の冷却度合が前記目標温度に維持されるようにし
    たことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに
    記載の車両用冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】 前記圧縮機(2)は電磁クラッチ(1
    0)を介して車載のエンジン(12)に連結されてお
    り、 前記電磁クラッチ(10)により前記圧縮機(2)の作
    動を断続することにより、前記主蒸発器(5)の冷却度
    合が前記目標温度に維持されるようにしたことを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用冷
    凍サイクル装置。
  8. 【請求項8】 前記判定手段(S110)は、前記後席
    用空調ユニット(42)の作動スイッチ(67)の開閉
    に基づいて前記副蒸発器(6)の作動有無を判定するこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載の車両用冷凍サ
    イクル装置。
  9. 【請求項9】 前記目標温度の補正を外気温に応じて行
    うことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに
    記載の車両用冷凍サイクル装置。
  10. 【請求項10】 前記外気温の所定領域において、前記
    高温側の目標温度(T1 )を、前記高温側の目標温度
    (T1 )と前記低温側の目標温度(T0 )との中間温度
    (T2 )まで引き下げるようにしたことを特徴とする請
    求項9に記載の車両用冷凍サイクル装置。
  11. 【請求項11】 前記外気温の所定領域において、前記
    高温側の目標温度(T1 )を、前記低温側の目標温度
    (T0 )と同等レベルまで引き下げるようにしたことを
    特徴とする請求項9に記載の車両用冷凍サイクル装置。
  12. 【請求項12】 前記外気温が第1の所定領域にあると
    きは、前記高温側の目標温度(T1 )を、前記高温側の
    目標温度(T1 )と前記低温側の目標温度(T0 )との
    中間温度(T2 )まで引き下げるとともに、 前記外気温が前記第1の所定領域よりも高温側の第2の
    所定領域にあるときは、前記高温側の目標温度(T1
    を、前記低温側の目標温度(T0 )と同等レベルまで引
    き下げるようにしたことを特徴とする請求項9に記載の
    車両用冷凍サイクル装置。
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