JPH079668Y2 - ファイルボックス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ボックスの前面に、収容した書類等を表示す
る表示板を取付け、これを、透明な表示板カバーによっ
て覆うようにしたファイルボックスに関する。

〔従来の技術〕

プラスチックにより一体に成型され、かつ上面を開口し
たファイルボックスの前面には、一般に、収容した書類
の内容を表示する表示板が取付けられている。

この表示板は汚れ易く、またデザイン上の面から、表示
板は透明な表示板カバーで覆われる。

従来、表示板カバーの取付けに際し、ファイルボックス
前面の左右両側縁より前向きに突設したリブの対向面
に、互いに向き合うように上下方向に案内溝を設け、こ
の案内溝に、上方から透明なプラスチックの表示板カバ
ーを嵌入していた。

しかし、一体成型によって案内溝を形成しようとする
と、案内溝が下方に向かって細くなり、リブの対向面の
上下全長に亘って、長くかつ充分な幅の溝を形成するこ
とはできない。

この対策として、ファイルボックスの前面の左右両側縁
に、内向き鉤状の縁片を接着して案内溝を形成すること
も考えられるが、鉤状の縁片が剥離して破損し易い。

そのため、従来、表示板カバーとしては薄いものを使用
せざるを得ず、その結果、表示板カバーに波打ちが生じ
たり、光が乱反射して、表示板が見難くなる等の問題点
があった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、ファイルボックスを、厚手の表示板カバーを
装着し易い一体成型のものとすることにより、従来の問
題点を解決しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

プラスチックにより一体に成型され、かつ上面を開口し
たファイルボックスにおいて、ファイルボックス前面の
左右両側縁より前向きに突設したリブの上部に、互いに
対向する案内溝を形成し、透明なプラスチック製の表示
板カバーの上部の左右両側縁に設けた支持突片を、前記
案内溝の上方より嵌合するとともに、ファイルボックス
の前面下部に設けた手掛け部の上端に、左右方向の保持
孔を穿設し、前記表示板カバーの下端より垂設した手掛
け部の上下方向の寸法より短かい突片を、前記保持孔に
挿通するようにしたことを特徴とするファイルボック
ス。

〔作用〕

ファイルボックス前面の左右両側縁より前向きに突設し
たリブの対向面上部に短く形成した案内溝に、厚みのあ
る表示板カバーの上部左右の支持突片を上方より嵌合す
る。

続いて、ファイルボックスの前面下部に設けた手掛け部
の上端の保持孔に、表示板カバーの下端より垂設した突
片を挿通する。

これにより、厚手の表示板カバーの上端および下部がと
もに支持され、表示板カバーは、ファイルボックスの前
面に強固に支持される。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は、本考案の第１実施例を示し、プ
ラスチックで一体成型されたファイルボックス（１）
は、上部の開口部（２）から書類等を入れて保管する形
式のものであり、その周囲は、前面板（３）と両側面板
（４）（４）、そして後面板（図示せず）からなってい
る。

ファイルボックス（１）は、机上もしくは棚上等に、前
面板（３）を手前にして、複数個並設して利用されるも
ので、前面板（３）の下部に形成した手掛け部（５）に
指を掛けて引出せるようになっている。

ファイルボックス（１）の前面板（３）の左右縁には、
その全高に亘って前方へ突出する厚肉のリブ（６）
（６）が設けられている。リブ（６）（６）上部には、
互いに対向する上下方向の案内溝（７）（７）が形成さ
れている。

手掛け部（５）は、前面板（３）の下部より前下向きに
傾斜するように一体成型した手掛け片（８）を備え、手
掛け片（８）の下部は、上向きの手掛け穴（９）となっ
ている。

手掛け片（８）の上方には、後面が前面板（３）とほぼ
同一面をなし、かつ前方を向くとともに、下部が手掛け
片（９）と連通する保持孔（10）が設けられている。

表示板カバー（11）は、透明でやや厚めのプラスチック
板からなり、その上部両側には、前述のファイルボック
ス（１）に形成された案内溝（７）（７）に嵌入しうる
支持突片（12）（12）が、側方へ向けて突設されてい
る。

表示板カバー（11）の下端には、舌状の突片（13）が突
設され、突片（13）の表面には、左右方向を向く係止突
起（14）が形成されている。突片（13）の上下方向の長
さは、手掛け片（８）のそれよりも小である。

表示板カバー（11）を取付るには、第１図の２点鎖線の
矢印で示すように、ファイルボックス（１）のリブ
（６）（６）の間へ、表示カバー（11）を上方から挿入
し、案内溝（７）（７）へ支持突片（12）（12）を嵌入
する。

支持突片（12）の嵌入途中、表示カバー（11）の下方へ
突出する舌状の突片（13）が、手掛け部（５）における
保持孔（10）へ嵌入し始める。

第２図は、表示カバー（11）を、ファイルボックス
（１）に取付け終った状態を示し、第３図示のように、
表示カバー（11）の係止突起（14）は、手掛け片（８）
の上縁下側に軽く係合している。

表示板カバー（11）を取外すには、手掛け穴（９）へ指
を挿入し、突片（13）を前面板の方へ押し付けるように
して、表示板カバー（11）を持ち上げればよい。

第４図ないし第６図は、本考案の第２実施例を示し、表
示板カバー（11）の下方へ突出する突片（13）をファイ
ルボックス（１）の保持孔（10）に嵌入する第１実施例
のものと相違し、両者間に取付具（15）が介設されてい
る。

取付具（15）は、前下方へ傾斜して、ファイルボックス
（１）の手掛け片（８）を覆う覆部（16）と、その裏面
両側上部から垂下する弾性係止片（17）（17）とからな
っており、両弾性係止片（17）（17）の対向面には、係
止爪（18）（18）が突設されている。

覆部（16）の上端には、後方を向く頂片（19）が設けら
れ、頂片（19）の中央には、表示板カバー（11）の突片
（13）を挿入しうる保持孔（20）が設けられている。

一方、ファイルボックス（１）の手掛け部（５）に設け
られた保持孔（10）の両側方には、取付具（15）の弾性
係止片（17）（17）を嵌入しうる係止孔（21）（21）が
設けられている。

前記係止孔（21）（21）に、取付具（15）の弾性係止片
（17）（17）を嵌入すると、弾性係止片（17）（17）の
係止爪（18）（18）が手掛け片（８）の裏面に軽く係止
して、取付具（15）は固定される。

この際、取付具（15）の保持孔（20）と、手掛け部
（５）の係止孔（10）とは、上下方向に整合する。

第１実施例と同様に、表示カバー（11）をファイルボッ
クス（１）の上方から嵌入すると、舌状の突片（13）
は、取付具（15）の保持孔（20）に嵌入する。

第５図は、表示カバー（11）と取付具（15）をともにフ
ァイルボックス（１）に取付けた状態を示し、第６図に
示すように、表示カバー（11）の係止突起（14）は、取
付具（15）における頂片（19）の下面に軽く係合してい
る。

表示カバー（11）を取外すには、手掛け穴（９）に指を
挿入し、両側から垂下している弾性係止片（17）（17）
を、指で両側方へ押し開くようにして、上方に持ち上げ
れば、取付具（15）とともに表示板カバー（11）は簡単
に外される。

なお、係止爪（18）（18）は、半球状の凸部のように係
合を容易に解けるものにしてもよい。

第１実施例のものでは、表示板カバー（11）の舌状の突
片（13）が手掛け穴（９）内の中央に位置するが、第２
実施例のように取付具（15）を使うと、手掛け穴（９）
内を広く使え、不快感がなくなる。

なお、取付具（15）を着色することによって、ファイル
ボックス（１）の収容物を識別するためのカラーサイン
として使用できる。

〔考案の効果〕

本考案は、次の効果を奏しうる。

（ａ） 表示板カバーの上部を案内溝で、下部を保持孔
で支持するようにしたので、厚みのある表示カバーを確
実に固定でき、表示板カバーの波打ち、反乱射を効果的
に排除できる。

（ｂ） 表示板カバーの固定部である下向きの突片を、
手掛け部の手掛け片で覆い隠すことがでるので、デザイ
ン的に好ましいものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示すものであり、 第１図は、第１実施例の組立分解斜視図、 第２図は、第１図の組立完了斜視図、 第３図は、第２図のIII-III断面矢視図、 第４図は、第２実施例の組立分解斜視図、 第５図は、第４図の組立完了斜視図、 第６図は、第５図のVI-VI断面矢視図である。 （１）ファイルボックス、（２）開口部 （３）前面板、（４）側面板 （５）手掛け部、（６）リブ （７）案内溝、（８）手掛け片 （９）手掛け穴、（10）保持孔 （11）表示板カバー、（12）支持突片 （13）突片、（14）係止突起 （15）取付具、（16）覆部 （17）弾性係止片、（18）係止爪 （19）頂片、（20）保持孔 （21）係止孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチックにより一体に成型され、かつ
   上面が開口するファイルボックスにおいて、ファイルボ
   ックスの前面板の左右両側縁より前向きに突設したリブ
   の上部に、互いに対向する案内溝を形成し、かつ透明な
   プラスチック製の表示板カバーの上部の左右両側縁に設
   けた支持突片を、前記案内溝へ上方より嵌合し、ファイ
   ルボックスの前面板の下部に前下向きに傾斜する手掛け
   部を設けるとともに、この手掛け部の上端に、左右方向
   の保持孔を穿設し、前記表示板カバーの下端より垂設し
   た、手掛け部の上下方向の寸法よりも短かい突片を、前
   記保持孔に挿通するようにしたことを特徴とするファイ
   ルボックス。
2. 【請求項２】手掛け部が、ボックスの前面下部より前下
   向きに傾斜して一体に突設した手掛け片と、手掛け片を
   覆うように取付けられる取付具とからなり、取付具と手
   掛け片とを貫通する保持孔を設けるとともに、表示板カ
   バーの突片に設けた係止突起を、取付具の保持孔に弾性
   係止してなる請求項（１）記載のファイルボックス。
3. 【請求項３】取付具の両側より突設した弾性係止片を、
   手掛け片に穿設した係止孔に嵌合して取付具を手掛け片
   に係止してなる請求項（２）記載のファイルボックス。