JPH0796502B2 - アミド基の加水分解方法 - Google Patents

アミド基の加水分解方法

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JPH0796502B2
JPH0796502B2 JP61138213A JP13821386A JPH0796502B2 JP H0796502 B2 JPH0796502 B2 JP H0796502B2 JP 61138213 A JP61138213 A JP 61138213A JP 13821386 A JP13821386 A JP 13821386A JP H0796502 B2 JPH0796502 B2 JP H0796502B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アミド基の加水分解方法に関する。さらに詳
しくは試薬、薬品類の合成や生理活性物質固定化物およ
びそれらの製造中間体の製造に応用できるアミド基の加
水分解方法に関する。
(従来技術) アミド基の加水分解反応は有機合成における最も基本的
な反応の一つである。アミド基は安定な結合であるた
め、その加水分解には強酸や強アルカリ中での加熱を必
要とする。加水分解処理する物質が強酸や強アルカリに
対し弱い結合を含んでいないときは良いが、含んでいる
ときは困る。
例えばペプチド合成のとき、アミノ基の保護が必要であ
るが、そのために普通に用いられるのがウレイド基を形
成するものであり、アセチル基などのアミド基を形成す
るものは除去が難しいためほとんど使われない。最もよ
く用いられるのが、カルボベンゾキシル基やt−ブチル
ジカルボニル基である(「ペプチド合成の基礎と実験」
泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著 1985.1.2
0)。これらは接触還元で除去できるので便利である
が、何といっても特殊で高価な試薬の使用を必要とする
欠点がある。また接触還元のような反応はポリマを固体
のまま反応させたりするときには効率が悪い。
(本発明が解決しようとする問題点) 本発明はかかる従来技術の問題点の解消を計るべく鋭意
検討を行った結果、疎水性固体中に存在し、かつ通常で
は安定なグリシルアミド結合が、エチレンオキサイドや
プロピレンオキサイドで第4級アンモニウム化すること
により、容易に加水分解されることを発見し、本発明に
到達した。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、次の構成を有する。
下記一般式(I)で表わされるグリシルアミド基を、エ
チレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドもしくは
対応するハロヒドリン化合物で処理することにより、下
記一般式(II)で表わされる構造に変換したのち、塩基
性の水と接触させることを特徴とするアミド基の加水分
解方法。
上式中、R1、R2、R3、R5は水素原子または低級アルキル
基を示し、R4は、アルキル基、アリール基を示し、その
中アミド基を含んでいても良い。
上式中、R1、R2、R3、R5は水素原子または低級アルキル
基を示し、R4は、アルキル基、アリール基を示し、その
中にアミド基を含んでいても良い。R6は、水素原子また
はメチル基を示す。Xはハロゲン原子または水酸基を示
す。
本発明でいう低級アルキル基とは炭素数が4以下のアル
キル基を意味する。一般式(I)および(II)中のR
4は、本発明の条件下でオキシラン化合物と反応せず、
また、弱アルカリ性条件下で分解しないものであれば何
でも良く、特に限定はない。従って、R4にはアミド基が
含まれていても良い。
本発明の化合物(I)から化合物(II)への変換は、化
合物(I)をエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド等で代表されるオキシラン化合物と接触させることに
より進行する。オキシラン化合物の代りに、対応するハ
ロヒドリン、例えば、エチレンヨードヒドリン、エチレ
ンブロモヒドリンもしくはエチレンクロルヒドリン等と
水酸化アルカリの混合液を用いることもできる。
本発明の方法における反応機構は、まず、グリシルアミ
ド基がオキシラン化合物と反応して、ヒドロキシエチル
基をもつ第4級アンモニウムアセトアミドメチル基に変
化し、次に、これらが水溶液中、塩基性条件下では水酸
化アンモニウム塩の形に変るとともに、アミド基が自己
加水分解する。即ち、ベタインが脱離するとともに、ア
ミノ化合物HNR4R5が生成すると考えられる。前半の反応
は室温でよく進む。また、後半の自己加水分解の反応は
pHが10以上で進行するので、必ずしも、カセイソーダな
どの水酸化アルカリの使用を必要としない。
オキシラン化合物が存在しているときに上記アミノ化合
物HNR4R5が生成すると、オキシラン化合物と反応して、
ヒドロキシエチル誘導体HOCHR6CHNR4R5が生成する。ベ
タインが目的物であるときは良いが、アミノ化合物HNR4
R5が目的物であるときは好ましくないので、2段にわけ
た方が良い。即ち、化合物Iから化合物IIへの転換は非
水溶媒で行い、化合物IIの加水分解は水溶液で行うのが
良い。
一般式(I)でR3が水素原子であるとき、化合物Iから
化合物IIへの転換が最も進みやすく、また、R1、R2が共
にメチル基であるとき、化合物Iはオキシラン化合物と
反応しやすい。また、一般式(II)でR6水素原子である
とき、化合物Iから化合物IIへの転換が最も進みやす
い。化合物IIの自己加水分解は、R1、R2、R3、R6のアル
キル基が短いほど進みやすい。従って、一般式(I)中
のR1R2NCHR3CO基がHNR4R5基の保護基としてつかわれて
いる場合はR1、R2がメチル基で、R3が水素原子であるの
が、最も良い。
本発明で用いるオキシラン化合物の量は、グリシルアミ
ド基に対し等モル以上、用いればよい。
反応の溶媒は必須ではないが、グリシルアミド基を持つ
化合物がオキシラン化合物に溶解もしくは膨潤しない場
合には使用した方がよい。溶媒としては、オキシラン化
合物の重合を起さないものが良い。メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、スルホラン、ジオキサンなど
が良い。とりわけ、アルコール類が良い。DMF、DMSO、
酢酸エチル、クロロホルムは良くない。
反応温度には特に制限が無いが、低いほど副反応が少な
い。通常0〜100℃の温度が用いられる。化合物IからI
Iへの転換反応は室温で行われる。
また、反応の溶媒、オキシラン化合物の濃度、反応温度
および反応時間などの組み合せ条件は化合物Iの化学構
造により適宜選択されるべきであるが、化合物Iが高分
子である場合、特に、不溶性の高分子である場合に重要
である。
また、この重合体が成型されていて、その成型品が厚い
ものであるときは、膨潤が問題になるので、溶媒の使用
が望ましい。このときの溶媒としてメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、スルホラン、ジオキサンなど
があげられる。とりわけ、アルコール類が良い。
本発明の実施は、エチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイドで代表されるオキシラン化合物のガスまたは液体
またはこれらを溶解した溶液中に、室温で、一般式
(I)で表わされるグリシルアミド基を持つ化合物もし
くはその成型品を溶解または浸漬したのち、水中に浸漬
することにより達成される。この際、温水を用いると、
反応時間が短縮できる。
(発明の応用) 本発明の方法は第1級アミノ基または第2級アミノ基を
持つ化合物の取扱におけるアミノ基の保護基として用い
られたN,N−ジアルキルグリシル基の除去に、あるい
は、ペプチド等の固相合成におけるペプチド等の化合物
の切り離しに応用できる。その他、機能性高分子の合成
において末端にアミノ基を持つポリマの合成にも応用で
き、その利用範囲は非常に広い。
以下に実施例を示す。
(実施例) 実施例中の評価方法は、以下に従った。
1.中性塩分解容量 試料約3〜4gを内径25mmのクロマトカラムにつめ、100
〜200ml/hrの流速で200mlの1N−NaOHを流したあと、溶
出液がフェノールフタレイン中性になるまで、水を流
す。500ml容の三角フラスコで受けながら、400mlの1M−
食塩水を流し、溶出液中のアルカリ量を1N−HClで滴定
し、これを中性塩分解容量とする。
2.弱塩基交換容量 中性塩分解容量測定後のカラムに、500ml容の三角フラ
スコで受けながら、20mlの1N−HClを流し、つぎに、400
mlの水を流す。溶出液中の酸の量を1N−NaOHで滴定し、
注入塩酸量との差を弱塩基交換容量とする。
3.全交換容量 中性塩分解容量と弱塩基交換容量の和を全交換容量とす
る。
4.第1級アミノ基量 全交換容量のわかっている2〜4gの試料を、新たに調製
した150mlの無水酢酸・ピリジン(1:4)混合液に浸し、
室温で24hr静置したのち、水洗し、全交換容量を測定
し、この無水酢酸・ピリジン処理による全交換容量の減
少量を第1級アミノ基量とする。
5.加水分解率 処理後試料中の第1級アミノ基量を処理前試料中の全交
換容量で除して100を乗じたものを加水分解率とする。
実施例1. ポリプロピレン(三井“ノーブレン"J3HG)50部を島成
分とし、ポリスチレン(“スタイロン"666)46部、ポリ
プロピレン(住友“ノーブレン"WF−727−F)4部の混
合物を海成分とする海島型複合繊維(島数16、単糸繊度
2.6デニール、引張強度2.9g/d、伸度50%、フィラメン
ト数42)100gを、N−メチロール−α−クロルアセトア
ミド100g、ニトロベンゼン800g、硫酸800gおよびパラホ
ルムアルデヒド1.70gからなる混合溶液中に浸し、20℃
で1時間反応させた。繊維を反応液から取り出し、0℃
の氷水10l中に投じて、反応停止させたのち、水で洗浄
し、次に、繊維に付着しているニトロベンゼンをメタノ
ールで抽出除去した。この繊維(繊維A)を50℃で真空
乾燥して、原料成型品であるクロルアセトアミドメチル
化繊維140g(繊維A)を得た。
上記で得た繊維A50gを、1lの50%ジメチルアミン水溶液
中に浸し、室温で24hr静置したのち、50℃で4時間加熱
し、次いで、洗浄液がフェノールフタレイン中性になる
まで水洗後、乾燥して、一般式(I)の官能基をもつN,
N−ジメチルグリシルアミドメチル化繊維(繊維B)を
得た。この繊維(塩酸塩型)の全交換容量は2.43meq/g
であった。
繊維B2.8gをプロピレンオキサイド5mlと各種溶媒95mlの
混合液に浸して、室温で7day静置した。次に、生成した
化合物IIの自己加水分解反応を促進するため、10%ジメ
チルアミノエタノール水溶液(pH11.5)中、80℃で6hr
加熱した。得られた繊維中に含まれるアミノメチル基を
定量し、第1表の結果を得た。この量は加水分解したア
ミド基の量に相当する。
比較例として、繊維B2.8gをプロピレンオキサイド処理
せず、10%ジメチルアミノエタノール水溶液中80℃で6h
r加熱した。
第1表から比較例では化合物IからIIになる反応および
加水分解が全く進まないので、本発明例ではよく進んで
いること、および、溶媒としてアルコール類とスルホラ
ンがよいことがわかる。表中比較例で重量が6%増えて
いるのはジメチルアミノ基がフリー型から塩酸塩に変化
したためであり、反応したためではない。
実施例2 繊維B2.8gをプロピレンオキサイド5mlと各種溶媒95mlの
混合液に浸して、40℃で6hr加熱した。次に、生成した
化合物(II)の自己加水分解反応を促進するため、1N−
NaOH水溶液中40℃で3hr加熱した。得られた繊維中に含
まれるアミノメチル量を定量し、第2表の結果を得た。
この量は加水分解したアミド基の量に相当する。
比較例として、繊維B2.8gをプロピレンオキサイド処理
せず、1N−NaOH水溶液中40℃で3hr加熱した。
第2表から比較例では化合物IからIIになる反応および
加水分解が全く進まないので、本発明例ではよく進んで
いること、および、溶媒としてエタノールのよいことが
わかる。
実施例3 繊維A27gを6N−塩酸1l中、4hr還流加熱したのち、水洗
し、乾燥して、24gのアミノメチル化繊維塩酸塩(繊維
C)を得た。
この繊維C 9.6gを、クロルアセチルグリシン8.3gを溶
解した水200mlに浸し、液の温度を0〜5℃に保ちつ
つ、かつ、1N−NaOHおよび1N−HClで液のpHを4.5〜6に
調整しながら、10.5gの1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を1hrかけて
加えた。さらに、室温で24hr振盪した後、繊維を取り出
し、カラムにつめて、4lの水で洗浄後、乾燥して11.4g
のクロルアセチルグリシルアミノメチル化繊維を得た
(繊維D)。
この繊維Dを50%ジメチルアミン水溶液中に室温で24hr
浸漬した後、水洗して、一般式(I)の官能基をもつN,
N−ジメチルグリシルアミノメチル化繊維を得た。次
に、未反応のアミノ基をアセチル化するため、この繊維
を400mlの1N−NaOH、ついで、2lの水で洗った後、600ml
の無水酢酸・ピリジン(1:4)中に室温で24hr浸漬し
た。この繊維を水洗後、乾燥して、11.4gの繊維(繊維
E)を得た。この繊維Eの全交換容量は9.20meqであっ
た。
この繊維E2.8gをプロピレンオキサイド5mlと各種溶媒95
mlの混合液に浸して、室温で24hr静置した後、40℃で2h
r加熱した。
次に、生成した化合物IIの自己加水分解反応を促進する
ため、10%ジメチルアミノエタノール水溶液中80℃で6h
r加熱した。得られた繊維中に含まれる第1級アミノ基
を定量したところ、2.80meqであった。
この結果、繊維E中のN,N−ジメチルグリシル基が100%
除去されたことがわかる。
(発明の効果) 本発明の方法は、安定なグリシルアミド基を温和な条件
で加水分解できるので、グリシルアミド基と一緒に存在
する他の官能基、とりわけ、他種のアミド基に変化をも
たらさないで、グリシル基のみを除去できる特徴があ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされるグリシルア
    ミド基を、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサ
    イドもしくは対応するハロヒドリン化合物で処理するこ
    とにより、下記一般式(II)で表わされる構造に変換し
    たのち、塩基性の水と接触させることを特徴とするアミ
    ド基の加水分解方法。 上式中、R1、R2、R3、R5は水素原子または低級アルキル
    基を示し、R4は、アルキル基、アリール基を示し、その
    中アミド基を含んでいても良い。 上式中、R1、R2、R3、R5は水素原子または低級アルキル
    基を示し、R4は、アルキル基、アリール基を示し、その
    中アミド基を含んでいても良い。R6は、水素原子または
    メチル基を示す。Xはハロゲン原子または水酸基を示
    す。
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