JPH0796322B2 - 印字開始行管理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、単票，通帳等の媒体に印字するときの印字開
始行管理方法に関するものである。

（背景技術） 印字装置により、単票，通帳等の媒体に印字を行う場
合、既に印字されている行の次の行に印字出来る様に、
印字開始行のセットを行う必要がある。

従来このような印字開始行のセットは（１）オペレータ
の目視により、既に印字されている行を確認し、インジ
ケータを用いて手動で行うもの、（２）印字済行読取り
手段により読取った印字済行を計数することにより印字
開始行を決定し、該印字開始行に自動的にセットするも
の、（３）貼付等により媒体上に設けられた磁気ストラ
イプ、又は、中央処理装置の記憶手段に印字開始行を記
憶させ、該記憶された印字開始行データに従って自動的
にセットするもの、（４）印字済行読取り手段により読
取った印字済行を計数することにより出力された印字行
データと磁気ストライプ又は中央処理装置の記憶手段に
記憶された印字開始行データとを比較し、一致した場合
のみ該印字開始行に自動的にセットするもの、等が提案
され実用化されて来ている。

しかし、上記方法には次の如き欠点があった。すなわ
ち、（１）の方法においては、オペレータの操作による
ため、印字位置ずれを生じ易く、既に印字された行に再
び印字される所謂二重印字や、行をとばす危険性が大き
い。（２）の方法においては、前回印字行の印字が薄い
場合には読取りレベルが低下し、印字無しと判断されて
二重印字を行う危険性がある。

又、前回印字行の下方に汚れ等のある通帳の場合には該
汚れを印字と読取り、行をとばして印字を行う危険性が
ある。（３）の方法においては記憶手段に記憶された印
字開始行データに従って自動的にセットするため、既に
印字済のページを挿入した場合には二重印字することに
なる。また逆に印字すべきページ以降の新しいページを
挿入した場合には行及びページをとばして印字すること
になる。（４）の方法においては印字行データと印字開
始行データの一致した場合のみ印字開始行に自動的にセ
ットするため、前記印字行の印字が薄く印字有りと判断
されるレベルにない場合には、印字行データと印字開始
行データとは一致せず取引が出来ないことになる。ま
た、前回印字行の印字が、本来の印字位置に対して、上
下方向にずれて印字されており、印字済行読取り手段に
より読取った印字済行が本来の印字済行に対して＋1,−
１された行に読取られた場合には、同様に印字行データ
と印字開始行データとは一致せず取引が出来ないことに
なる。

（発明の構成及び作用） 本発明はこれら従来の欠点を除去することを目的とし、
予め記録或は記憶手段に印字媒体の印字開始行に関する
印字開始行データを記録し、その印字開始行データと印
字済み行の読取りによる印字行データ発生手段からの印
字行データとを比較し、両者の差が所定行を越える場合
は印字済行の光学的読取りを所定回数実行し、両者が一
致するか又は両者の差が所定行以下の場合は印字開始行
データに従って印字媒体の印字開始行を決定している。
このように、記憶されている印字開始行データと光学的
読取りから得られる印字行データとの差が所定行を越え
る場合は印字済行の光学的読取り及び上述の比較を所定
回数実行するようにしているので、不完全な光学的読取
りにより通帳を返却したり利用者を窓口へ誘導する等の
不都合発生を減少でき、利用者サービスの向上となる。
もちろん、二重印字や行とび印字をも防止することがで
きる。さらに、印字済行の光学的読取り及び上述の比較
を所定回数実行しても両者の差が所定行を越える場合は
セットページ不良として印字媒体の返却を行うようにし
ているので、印字すべきページと異なるページを開いて
セットした場合にもそれが指摘でき利用者サービスの向
上となる。

以下本発明について詳細に説明する。

（実施例） 第１図は、通帳１を開いた状態で示すものであり、裏表
紙の一部に磁気ストライプ２が貼付等により設けられて
いる。

本発明は、該磁気ストライプ２等の磁気記録媒体或は端
末装置等に設けられた記憶手段に予め印字開始行に関す
る行データを記憶或は記憶しておき、端末装置には、磁
気記録媒体の記録内容の読取りを行なう磁気ヘッドと、
印字済みの印字行の読取りを光学的に行なう光学読取部
とが設けられているものである。そして磁気記録媒体か
ら読取った印字開始行の行データ或は、記録媒体から読
取られたデータを基に上述の記憶手段に記憶せしめた行
データを読出し、このデータと、印字済みの印字行によ
り検出された印字開始行の行データとを比較し、両者が
不一致であれば、両者の差があらかじめ定めた行数（例
えば２行）以内の場合のみ前述の磁気記録媒体或は記憶
手段に記憶或は記憶された行データに従って印字開始行
を自動的にセットするものである。

第２図は本発明の実施例のブロック図であり、通帳１が
挿入されると、ストッパ３が後退し、主制御回路４から
送り駆動回路５に信号が加えられて、パルスモータ等
（図示なし）の回転機構を動作させることにより、ロー
ラ６が回転して通帳１は図の実線に沿って送られる。そ
のときフォトセンサ等公知の検知手段で構成された光学
読取部７により第１図に示す印字済行８の年月日欄のハ
イフォン又は金額欄の＊印を読み取り、検出回路９によ
り、印字済行を検出し、印字開始行判定回路10により印
字開始行を判定し、その行データを光学読取バッファ11
にセットする。

また通帳１上の磁気ストライプ２の記録内容を磁気ヘッ
ド12により読み取り、読取回路13によりデータを検出し
て磁気ストライプバッファ14にセットする。このデータ
には口座番号，銀行コード，残高等の取引データと印字
開始行の行データとが含まれており、主制御回路４から
比較指令信号が比較回路15に加えられると、光学読取バ
ッファ11及び磁気ストライプバッファ14の行データの比
較が行なわれ、比較結果は主制御回路４に通知される。
比較回路15は磁気ストライプ２から読取られたデータを
蓄積した磁気ストライプバッファ14から、行データのみ
を読み出し、比較回路15内に設けられたバッファ手段に
蓄積し、この行データと光学読取バッファ11に蓄積され
ているデータとが特定の関係になる事を論理回路等で構
成された公知の比較手段により比較，検知する。比較結
果が、不一致となり、両者の差があらかじめ定めた行数
以内の場合、印字ヘッド16とプラテン17とによる印字部
に印字開始行が対向するよう磁気ストライプ２の行デー
タに従って通帳１の位置決めが行なわれる。通帳１の印
字開始行の位置決めは、例えば通帳１の磁気ストライプ
及びハイフォンマークを全て読み取った後、通帳１を読
取りの初期位置に戻し、この位置から、１個のパルスで
所定ピッチだけ通帳１を移動させるが如き公知のパルス
モータを移動機構であるローラに連結しておき、通帳１
の印字開始行と通帳の端部との距離だけ、媒体を移動さ
せるために必要なパルス数を主制御回路４の演算手段
（図示なし）により算出し、算出されたパルスをパルス
モータに印加することにより、通帳の印字開始行を印字
ヘッド16の位置にセットすることが可能となる。

行データの比較結果があらかじめ定めた行数以内の場合
磁気ストライプバッファ14の取引データが読み取られ
て、現取引の預金，払出等の取引種別，金額等のデータ
と共に中央処理装置18に転送されて処理が行なわれ、そ
の処理結果に基づいて、印字部において印字が行なわれ
る。又、主制御回路４から加算指令信号が加算回路19に
加えられ、磁気ストライプバッファ14にセットされた行
データに＋１されて磁気ストライプライトバッファ20の
行データの領域にセットされる。

前述の一連の動作終了により主制御回路４は書込指令信
号をアンド回路に加え磁気ストライプライトバッファ20
の内容を書込回路22に加えて磁気ヘッド12に書込信号を
加え、主制御回路４からの駆動信号により送り駆動回路
５が動作して通帳１の送りが行なわれ、それによって通
帳１の磁気ストライプ２に取引データと行データとが書
込まれる。

行データの比較結果があらかじめ定めた行数を越える場
合は、主制御回路４から再読取動作を行なわせるため送
り駆動回路５に駆動信号を加えパルスモータを逆転し通
帳１を光学読取部による読取開始前の位置に戻し再度上
述の如く読取，比較を行う。再読取時の行データの比較
結果があらかじめ定めた行数以内の場合は前述の動作が
行なわれ、あらかじめ定めた行数を越える場合は、所定
回数まで再読取を行う。

所定回数まで再読取を行っても行データの比較結果があ
らかじめ定めた行数を越える場合には、セットページ不
良として通帳を返却する。行データの比較結果が一致の
場合は磁気ストライプの行データに従って印字開始行を
決定してもよいし、印字済み行の読取りで検知した印字
行に従って決定してもよい。

前述の実施例は通帳の場合であるが、磁気ストライプ等
の磁気記録媒体を有し、且つ印字済み行の検出が可能な
印字媒体について総て適用し得るものである。又印字開
始行データの記憶は磁気的手段に限らず、例えば干渉縞
による光学的記憶も可能である。又印字行の光学的読取
りによる印字済み行の検出は、印字媒体への印字様式に
応じて種々の手段を採用することができるものである。
更には、印字済最終行或は印字開始行の行データを前述
の中央処理装置において記憶せしめ、記憶せしめた行デ
ータと、通帳から検出された行データとを比較し、比較
結果があらかじめ定めた行数以内の場合には中央処理装
置に記憶せしめた行データに応じた印字開始行を印字位
置にセットせしめることも上述と同様にして可能とな
る。

このように本実施例の装置は、磁気通帳等の印字媒体の
印字開始行を示す印字開始行データを、磁気ストライプ
等の磁気記録媒体或は端末装置の記憶装置等に記憶して
おく記憶手段と、前記印字媒体の印字済行に印字された
特定記号を読取る光学読取部等の読取手段と、該読取手
段により読取った前記特定記号を計数することにより印
字開始行を示す印字行データを出力する印字開始行判定
回路等の印字行データ発生手段と前記記憶手段から読出
した印字開始行データと前記印字行データ発生手段から
の印字行データとを比較する論理回路等の比較手段とを
有し、前記印字開始行データと前記印字行データとを比
較し、両者の差が、あらかじめ定めた行数以内の場合の
み、前記印字開始行データに従って次に印字する行を決
定するものであり、印字部を有する端末装置に、印字媒
体の印字開始行のセットを自動的に行うことができるも
のである。従って、オペレータの目視による手動セット
に比べてオペレータの負担が軽減される。又、いずれか
一方の印字開始行の行データでセットする場合に比べ
て、重ね印字，行とびを防止することが可能となる。

又、両者の行データが一致した場合のみ印字位置にセッ
トする場合に比べて、最終印字行の印字濃度の低下した
通帳や未印字行部に汚れのある通帳に対して、又、最終
印字行が上下方向にずれて印字されており印字済行読取
り手段により読取った印字済行が本来の印字済行に対し
て＋1,−１された行に読取られる通帳に対して取引を実
行することが可能となる。

（発明の効果） 以上説明したように本発明では、記憶されている印字開
始行データと光学的読取りから得られる印字行データと
の差が所定行を越える場合は印字済行の光学的読取り及
び比較を所定回数実行するようにしている。一般に通帳
等の印字濃度はインクリボンの濃度等に応じてばらつい
ていることが多く、印字が薄いと不完全な光学的読取り
が行われて通帳の返却及び再挿入要求が行われてしまう
恐れがある。しかしながら本発明のように、差が所定行
を越える場合は印字済行の光学的読取り及び比較を所定
回数実行するように構成すれば、不完全な光学的読取り
に基づく通帳の返却及び再挿入要求や利用者の窓口への
誘導等の不都合の発生を減少でき、利用者サービスを一
段と向上することができる。

また、記憶されている印字開始行データと光学的読取り
から得られる印字行データとの差が所定行以下の場合
は、印字開始行データに従って印字媒体の印字開始行を
決定するようにしているので、印字ずれや印字が薄い場
合の二重印字の防止を図ることももちろんできる。印字
すれば、通帳がその先端から挿入されて奥側に配置され
ている印字部に搬送されることから印字位置が上側にず
れる傾向があり、印字が重なってしまうために生じる。
二重印字は、印字濃度が薄く印字なしと判断されるため
に生じる。逆に濃度の高いインクリボンで印字が行われ
ると、裏面に透過して印字ありと判別され印字ずれの生
じることもある。光学的読取りから得られる印字行デー
タを用いずに、印字開始行データを用いれば、このよう
な不都合は全く生じない。

さらに、印字済行の光学的読取り及び上述の比較を所定
回数実行しても両者の差が所定行を越える場合はセット
ページ不良として印字媒体の返却を行うようにしている
ので、印字すべきページと異なるページを開いてセット
した場合にもそれが指摘でき利用者サービスの向上とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の適用される通帳を示す図、第２図は本
発明による実施例の装置のブロック図である。 1;通帳、2;磁気ストライプ、8;印字済行、11;光学読取
バッファ、14;磁気ストライプバッファ、15;比較回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印字媒体に記憶されている印字開始行デー
   タを読取り、印字媒体の印字済行を光学的に読取って印
   字済行を計数することにより印字開始行を示す印字行デ
   ータを発生し、読取った印字開始行データと光学的読取
   りから得られる印字行データとを比較し、両者の差が所
   定行を越える場合は印字済行の光学的読取り及び前記比
   較を所定回数実行し、両者が一致するか又は両者の差が
   所定行以下の場合は前記印字開始行データに従って前記
   印字媒体の印字開始行を決定し、印字済行の光学的読取
   り及び前記比較を所定回数実行しても両者の差が所定行
   を越える場合はセットページ不良として該印字媒体の返
   却を行うことを特徴とする印字開始行管理方法。