JPH079590A - 自動製箱用ブランクの斜方折り曲げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】折畳箱用ブランクの斜方折り曲げ部を、ブラン
クに損傷を与えることなく確実に折り曲げることができ
る自動製箱用ブランクの斜方折り曲げ装置を提供するこ
とを目的とする。 【構成】一対の搬送ベルトからなる搬送体の複数組によ
りブランクが挟持されて搬送され、かつブランクの搬送
方向に対してブランクの前端部が所定の傾斜角で上方に
折り曲げられる自動製箱用ブランクの斜方折り曲げ装置
において、搬送路中のブランク上面より上方でその折り
曲げ部と対応する位置に、前記所定折り曲げ角度と同一
角度からなる折り曲げ部材が設けられると共に、ブラン
クの折り曲げ部分を前記折り曲げ部材に載せるための昇
降部材が前記折り曲げ部材の上流下方に配設され、この
昇降部材のさらに上流には、ブランクが検出された時に
その検出信号により自動制御装置を介して昇降部材を昇
降させるブランク検出センサが設置された構成からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動製箱機における製
箱用ブランクの斜方折り曲げ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動製箱用ブランク（以下 ブ
ランク）を搬送しつつその折曲部から折り曲げて折畳箱
を自動的に形成させるには、たとえば長方形の無蓋箱の
場合、図１イ乃至ホに示されるように、折曲げと糊付け
が行なわれる。すなわち、まずブランクＡにおける一方
の長辺側の側面板１の両端部に形成された糊代を兼ねた
４５°斜の折り曲げ片１ａ，１ｂが、その折目１１ａ，
１１ｂから内側へ１８０°折り曲げられ、つぎに他方の
長辺側の側面板２の両端部に形成された糊代を兼ねた４
５°斜の折り曲げ片２ａ，２ｂが、その折目２１ａ，２
１ｂから内側へ１８０°折り曲げられ、つぎに各折り曲
げ片１ａ，１ｂ、２ａ，２ｂにおける糊代部分に糊３が
付着され、つぎに両方の短辺側の側面板４，５が底板６
との折目４ａ，５ａから内側へ１８０°折り曲げられ
て、各側面板１，２，４，５，が相互に糊付けされ、折
畳まれた状態の箱（以下 折畳箱）Ｂが形成される。

【０００３】折畳箱Ｂの使用時には、図１のヘに示され
るように、短辺側の側面板４，５をその折目４ａ，５ａ
から９０°立上らせ、長辺側の側面板１，２をその折目
１ｃ，２ｃから９０°折り曲げて立上らせることによ
り、無蓋箱Ｃを形成する。ここで、各折目には折り曲げ
が容易になるように、折目溝が形成されていることは勿
論である。

【０００４】このようにしてブランクＡを自動製箱機で
搬送しながら各折り曲げ部から折り曲げて折畳箱Ｂを形
成するに際しては、ブランクＡの搬送方向と平行な方向
の折目、および搬送方向と直交する方向の折目の折り曲
げ機構は格別、搬送方向と斜交する折目の折り曲げ機
構、特にブランクの前方の斜交する折目から折り曲げ片
を上方へ折り曲げるための折り曲げ機構は複雑となりが
ちであり、しかも折り曲げに際して折目以外の個所で折
り曲げられたり、高速で折り曲げると折り曲げ端部が破
損して製品ロスを生じさせるなどの問題点があった。

【０００５】この問題点を解決するため、近時は前記同
様のブランクＡを折り畳む装置として、たとえば図４お
よび図５に示されているような、ブランクの斜方折り曲
げ装置が用いられている。すなわち、上下一対の搬送ベ
ルトからなる２組の搬送体７，７ａ、８，８ａによりブ
ランクＡが挟持されて搬送されている搬送路中に、ブラ
ンクＡの前方の折り曲げ片１ａ，１ｂが上方へ折り曲げ
られるブランクＡの斜方折り曲げ装置において、搬送路
中のブランクＡ上面よりやや上方でブランクＡの折目１
１ａ，１１ｂと対応する位置に、ブランクＡの折目１１
ａ，１１ｂと同一角度、すなわちブランクＡの搬送方向
と４５°の角度からなる折り曲げ部材９，１０が設けら
れている。

【０００６】この折り曲げ部材９，１０は、ブランクＡ
の折り曲げ片１ａ，１ｂが折り曲げられる折り曲げ部９
ａ，１０ａと、この折り曲げ部９ａ，１０ａで折り曲げ
られた折り曲げ片１ａ，１ｂが、その折り曲げられた状
態を維持するため、ブランクの搬送方向に延成された折
り曲げ維持部９ｂ，１０ｂとからなり、これらは１本の
バーにより構成されている。折り曲げ部材９，１０のや
や上流で、搬送されるブランクＡの下方には、ブランク
の折り曲げ片１ａ，１ｂの隅角部を折り曲げ部材９，１
０の折り曲げ部９ａ，１０ａ上面に載せるための板バネ
１２，１３が配設されている。

【０００７】ブランクＡの折り曲げ片１ａ，１ｂが折り
曲げられる工程範囲における搬送体７，７ａ、８，８ａ
の外側には、ブランクＡの両側端部下面を支えるため
の、下側搬送体７ａ，８ａ，と同一平面に設けられた下
部挟持体１４，１５と、その上方に配設され、ブランク
Ａの折り曲げ片１ａ，１ｂが折り曲げられる際、ブラン
クＡが浮上しないようにブランクＡを下部挟持体１４，
１５と共に挟持するための上部挟持杆１６，１７とが配
設されている。

【０００８】このように構成された装置によりブランク
Ａの折り曲げ片１ａ，１ｂが折り曲げられる工程を説明
すると、搬送体７，７ａ、８，８ａで下部挟持体１４，
１５と上部挟持杆１６，１７の位置まで搬送されてきた
ブランクＡは、その両側端部が下部挟持体１４，１５と
上部挟持杆１６，１７との間に挟入され、その浮上が防
止された状態で搬送される。ブランクＡが板バネ１２，
１３の位置まで搬送されると、その折り曲げ片１ａ，１
ｂは板バネ１２，１３により次第に扛上させられ、つい
にはその隅角部が折り曲げ部材９，１０の折り曲げ部９
ａ，１０ａに載せられる。折り曲げ部９ａ，１０ａに載
せられたブランクＡの折り曲げ片１ａ，１ｂは、ブラン
クＡが搬送されるに伴ない、次第に折り曲げ部材９，１
０の折り曲げ部９ａ，１０ａによりその折目１１ａ，１
１ｂから上方に１８０°折り曲げられる。この折り曲げ
られたブランクＡの折り曲げ片１ａ，１ｂは、折り曲げ
部材９，１０の折り曲げ維持部９ｂ，１０ｂによりその
折り曲げ状態が維持された状態で搬送が続けられ、次工
程へと送られる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】このような構成および
工程からなる従来技術によれば、高速による折畳箱の成
形に際しても折目以外の個所で折り曲げられたり、高速
折り曲げに際して折り曲げ端部が破損する等の問題点は
ある程度解消されるものの、板バネ１２，１３によるブ
ランクの損傷を生じて折畳箱の商品価値を低減させ、ひ
いては製品ロスとなる新たな問題を生じている。

【００１０】すなわち、ブランクＡの素材が単葉の厚紙
である場合は、板バネ１２，１３の弾性は弱くてもブラ
ンクＡの折り曲げ片１ａ，１ｂは折り曲げ部材９，１０
の折り曲げ部９ａ，１０ａ上に容易に載せられるが、ブ
ランクＡの素材が複葉からなるダンボール等のように、
紙厚が厚い場合は、折目部分に折目溝が形成されていて
も、折り曲げ片１ａ，１ｂの両側は搬送体７，７ａ、
８，８ａと下部挟持体１４，１５、上部挟持杆１６，１
７とにより挟持されているため、ある程度バネ圧が強い
板バネ１２，１３でないと折り曲げ片１ａ，１ｂを折り
曲げ部材９，１０の折り曲げ部９ａ，１０ａ上に載せる
ことができない。

【００１１】板バネ１２，１３のバネ圧を強くすれば、
ブランクＡの折り曲げ片１ａ，１ｂを折り曲げ部材９，
１０の折り曲げ部９ａ，１０ａ上に載せることは容易と
なるが、その反面、折り曲げ片１ａ，１ｂが折り曲げら
れた後、折り曲げ片１ａ，１ｂより後方のブランクＡの
下面は板バネ１２，１３で強く摺擦されながら搬送され
ることになる。そして折り曲げ片１ａ，１ｂの折り曲げ
硬度が高ければ高い程、それに応じて板バネ１２，１３
のバネ圧を高めなければならないから、一層ブランクＡ
の摺擦傷を深めることになり、折畳箱Ｂの商品価値を低
減し、あるいは摺擦傷による製品ロスを発生させること
になる。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
における課題を解決し、作動が確実で商品価値を下落さ
せることなく、かつ製品ロスの生じない自動製箱機にお
ける製箱用ブランクの斜方折り曲げ装置を提供するもの
で、一対の搬送ベルトからなる搬送体の複数組によりブ
ランクが挟持されて搬送され、かつブランクの搬送方向
に対してブランクの前端部が所定の傾斜角で上方に折り
曲げられる自動製箱用ブランクの斜方折り曲げ装置にお
いて、搬送路中のブランク上面より上方でその折り曲げ
部と対応する位置に、前記所定折り曲げ角度と同一角度
からなる折り曲げ部材が設けられると共に、ブランクの
折り曲げ部分を前記折り曲げ部材に載せるための昇降部
材が前記折り曲げ部材の上流下方に配設され、この昇降
部材のさらに上流には、ブランクが検出された時にその
検出信号により自動制御装置を介して昇降部材を昇降さ
せるブランク検出センサが設置されたことを特徴とす
る。

【００１３】

【作用】ブランクの先端縁がブランク検出センサの位置
まで搬送されると、ブランク検出センサがこれを検出
し、その検出信号を自動制御装置へ送る。自動制御装置
では、この信号に基づいて昇降部材に作動指令信号を送
り、これを上昇させ、搬送されてきたブランクの折り曲
げ部の下面に当接させる。ブランクがさらに搬送される
と、その折り曲げ部は昇降部材により次第に上昇させら
れ、ついには折り曲げ部材に載せられる。自動制御装置
では、前記作動指令信号の発信時からブランクの折り曲
げ部が折り曲げ部材上に載せられた時までの時間経過
後、昇降部材に復帰指令信号が発信される。この復帰指
令信号が発信されると、昇降部材は下降させられ、元位
置に復帰する。昇降部材の昇降タイミングは、ブランク
の搬送速度に応じて適宜定められる。

【００１４】

【実施例】以下、図１乃至図３に基づいて本発明に係る
自動製箱用ブランクの斜方折り曲げ装置の実施例を説明
する。本発明は、前記従来例における板バネ１２，１３
によるブランクＡの折り曲げ片１ａ，１ｂの扛上に際し
て生じる問題点を解消するために案出された装置であ
り、前記従来側とは該折り曲げ片１ａ，１ｂの扛上装置
部分のみが相違し、他の部分は同一構成からなる装置を
使用するので、ここではこの相違する装置部分のみを説
明する。したがって、図２および図３において、図１、
図４および図５と同一符号は同一構成からなり、同一作
用を有するものを示す。

【００１５】折り曲げ部材９，１０のやや上流で、搬送
されるブランクＡの下方には、ブランクの折り曲げ片１
ａ，１ｂを折り曲げ部材９，１０の折り曲げ部９ａ，１
０ａ上面に載せるための昇降部材１８が配設されてい
る。昇降部材１８は、エアーシリンダ１８ａのロッド１
８ｂの昇降端が軸１８ｃを中心として回動する回転板１
８ｄの一側に枢着され、回転板１８ｄの他側に、上側部
が略逆Ｌ字形に折り曲げられた昇降杆１８ｅの下端が固
定された構成からなるとともに、エアーシリンダ１８ａ
のロッド１８ｂが下降すると回転板１８ｄが回転して昇
降杆１８ｅを上昇させ、その上側部がブランクＡの折り
曲げ片１ａ，１ｂの下面に当接してこれを上昇させ、ブ
ランクＡの搬送に伴なってその隅角部が折り曲げ部材
９，１０上に載ると同時に、エアーシリンダ１８ａのロ
ッド１８ｂが上昇し、回転板１８ｄが逆回転して昇降杆
１８ｅを下降させるものが用いられる。

【００１６】昇降杆１８ｅの配設位置よりやや上流の所
定位置にはブランク検出センサ１９が設置されており、
該センサ１９はブランクＡの先端を検出するとその検出
信号を自動制御装置２０に送り、この自動制御装置２０
では、該検出信号を受けるとエアーシリンダ１８ａに作
動指令と所定時間経過後に復帰指令信号が与えられ、エ
アーシリンダ１８ａのロッド１８ｂの昇降のタイミング
が調整される公知のものが用いられる。

【００１７】このように構成された装置によりブランク
Ａの折り曲げ片１ａ，１ｂが折り曲げられる工程を説明
すると、搬送体７，７ａ、８，８ａで下部挟持体１４，
１５と上部挟持杆１６，１７の位置まで搬送されてきた
ブランクＡは、その両側端部が下部挟持体１４，１５と
上部挟持杆１６，１７との間に挟入され、その浮上が防
止された状態で搬送される。ブランクＡの先端縁がブラ
ンク検出センサ１９の位置まで搬送されると、ブランク
検出センサ１９がこれを検出し、その検出信号を自動制
御装置２０へ送る。自動制御装置２０は、この信号に基
づいてエアーシリンダ１８ａに作動指令信号を送り、そ
のロッド１８ｂを下降させ、回転板１８ｄを回転させて
昇降杆１８ｅを上昇させ、搬送されてきたブランクＡの
折り曲げ片１ａ，１ｂの下面に当接する。

【００１８】ブランクＡがさらに搬送されると、その折
り曲げ片１ａ，１ｂは昇降杆１８ｅに沿って次第に上昇
し、ついにはその隅角部が折り曲げ部材９，１０の折り
曲げ部９ａ，１０ａに載せられる。自動制御装置では、
前記作動指令信号の発信時からブランクＡの折り曲げ片
１ａ，１ｂの隅角部が折り曲げ部材９，１０の折り曲げ
部９ａ，１０ａ上に載せられた時までの時間経過後、エ
アーシリンダ１８ａに復帰指令信号が発信される。この
復帰指令信号が発信されると、エアーシリンダ１８ａの
ロッド１８ｂが上昇して回転板１８ｄを介して昇降杆１
８ｅを下降させ、元位置に復帰する。ここで、エアーシ
リンダ１８ａのロッド１８ｂの昇降タイミングは、ブラ
ンクＡの搬送速度に応じて適宜定められる。

【００１９】一方、折り曲げ部９ａ，１０ａに載せられ
たブランクＡの折り曲げ片１ａ，１ｂは、ブランクＡが
搬送されるに伴ない、次第に折り曲げ部材９，１０の折
り曲げ部９ａ，１０ａによりその折目１１ａ，１１ｂか
ら上方に１８０°折り曲げられる。この折り曲げられた
ブランクＡの折り曲げ片１ａ，１ｂは、折り曲げ部材
９，１０の折り曲げ維持部９ｂ，１０ｂによりその折り
曲げ状態が維持された状態で搬送が続けられ、次工程へ
と送られる。

【００２０】なお、この実施例では上記のように構成さ
れたものが示されているが、これらの構成に限定される
ものではなく、たとえば昇降部材１８として電磁石の消
磁、励磁により昇降する電磁コアを用いてもよいし、前
記エアーシリンダ１８ａの昇降杆１８ｅは回転式のもの
ではなくエアーシリンダ１８ａのロッド１８ｂに直結さ
れた垂直昇降杆を用いてもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上記構成よりなるので、以下に
記載されるような効果がある。ブランクの折り曲げ部分
は昇降部材の上昇により折り曲げ部材上に載せられ、ブ
ランクの折り曲げ部分が折り曲げ部材上に載せられた後
昇降部材は下降するので、ブランクの厚み如何にかかわ
らず、ブランクの下面に昇降部材の摺擦による摺擦傷が
発生せず、折畳箱の品質を損なったり、あるいは製品ロ
スを発生させることがない。ブランクの折り曲げ部分の
扛上には昇降部材が用いられるので、ブランクの厚み、
あるいは折り曲げ硬度に応じて板バネのバネ圧を考慮す
る必要のある板バネ使用方法に比し、確実なブランクの
折り曲げ部分の扛上を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】イ乃至ホは無蓋折畳箱の成形工程説明図、へは
無蓋折畳箱の使用時の斜視図である。

【図２】本発明に係る自動製箱用ブランクの斜方折り曲
げ装置の実施例を示す要部の平面図である。

【図３】図２に示す装置の正面図である。

【図４】従来における自動製箱用ブランクの斜方折り曲
げ装置の一例を示す要部の平面図である。

【図５】図４に示す装置の正面図である。

【符号の説明】

Ａ・・・・・・・製箱用ブランク １ａ，１ｂ・・・折り曲げ片（折り曲げ部分） ２ａ，２ｂ・・・折り曲げ片（折り曲げ部分） ７，７ａ，・・・搬送体 ８，８ａ・・・・搬送体 ９，１０・・・・折り曲げ部材 ９ａ，１０ａ・・折り曲げ部 ９ｂ，１０ｂ・・折り曲げ維持部 １８・・・・・・昇降部材 １８ａ・・・・・エアーシリンダ １８ｂ・・・・・ロッド １８ｃ・・・・・軸 １８ｄ・・・・・回転板 １８ｅ・・・・・昇降杆 １９・・・・・・ブランク検出センサ ２０・・・・・・自動制御装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の搬送ベルトからなる搬送体の複数組
   によりブランクが挟持されて搬送され、かつブランクの
   搬送方向に対してブランクの前端部が所定の傾斜角で上
   方に折り曲げられる自動製箱用ブランクの斜方折り曲げ
   装置において、搬送路中のブランク上面より上方でその
   折り曲げ部と対応する位置に、前記所定折り曲げ角度と
   同一角度からなる折り曲げ部材が設けられると共に、ブ
   ランクの折り曲げ部分を前記折り曲げ部材に載せるため
   の昇降部材が前記折り曲げ部材の上流下方に配設され、
   この昇降部材のさらに上流には、ブランクが検出された
   時にその検出信号により自動制御装置を介して昇降部材
   を昇降させるブランク検出センサが設置されたことを特
   徴とする自動製箱用ブランクの斜方折り曲げ装置。