JPH0795126A - 受信装置 - Google Patents

受信装置

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JPH0795126A
JPH0795126A JP5236082A JP23608293A JPH0795126A JP H0795126 A JPH0795126 A JP H0795126A JP 5236082 A JP5236082 A JP 5236082A JP 23608293 A JP23608293 A JP 23608293A JP H0795126 A JPH0795126 A JP H0795126A
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JP
Japan
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path
sequence
phase
searcher
control
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JP5236082A
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English (en)
Inventor
Jun Iwasaki
潤 岩崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電力を低減する。 【構成】 サーチャ15は、値が1の判定ビットを受信
した場合、逆拡散器5a乃至5cそれぞれが備えるTT
L(Time Tracking Loop)回路24a乃至24cのうち
の少なくとも1つとしてのTTL回路24aを除いて、
その動作を停止させるとともに、動作しているTTL回
路24aが制御しているPN系列の位相から、マルチパ
スを構成するパス間の遅延時間単位でシフトした位置に
一致するように、動作を停止させたTTL回路24bま
たは24cが制御していたPN生成回路23bまたは2
3cが生成するPN系列の位相を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばセルラ電話機な
どの移動端末における、信号を受信し、復調する受信部
分に用いて好適な受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において、情報の帯域幅より数百乃
至数千倍もの広いスペクトラム帯域に被変調波を拡散さ
せて通信を行う様なスペクトラム拡散通信方式(以下、
SS(Spectrum Spread)方式という)が注目されてい
る。このSS方式では、送信機側で、搬送波(キャリ
ア)がPN系列(PNコード)(疑似雑音符号)により
変調されることで周波数スペクトラムが拡散され、この
スペクトラム拡散信号が、受信機に送信されるようにな
されている。そして、受信機においては、送信機と同一
構造の符号発生器により発生されるPN系列を用いた逆
拡散(相関)過程を経た後、復調(ベースバンド復調)
されて、デ−タが得られるようになされている。
【0003】SS方式において、受信機で信号を復調す
るためには、上述のようにPN系列のパタ−ンが一致す
る必要がある他、その位相も一致していなければならな
い。即ち、通信を確立することができるのは、送受信機
側で用いられるPN系列が、同一系列で、且つ位相が一
致した場合のみである。この性質を利用すると、同一の
周波数帯域を用いてPN系列の違いにより、多数のチャ
ンネル(回線)を使うことが可能となる。PN系列によ
ってチャンネルの識別を実現し、多元接続(多重化)を
行う方法はCDMA(符号分割多元接続:Code Devisio
n Multiple Access)方式と呼ばれる。
【0004】図10は、CDMA方式を適用した、従来
のセルラ電話機の一例の構成を示すブロック図である。
乗算器1および2には、基地局の送信機からの信号を、
その周波数を、IF周波数(中間周波数)に変換した信
号Sinが、入力端子を介して供給される。ここで、この
IF周波数をfinとする。
【0005】一方、電圧制御発振器(VCO)3から
は、周波数誤差検出部9から、ローパスフィルタでなる
ループフィルタ(LF)13を介して供給される、後述
する周波数誤差△fに対応して、IF周波数finとほぼ
等しい周波数fVCOの信号Svcoが、乗算器1および位相
器4に出力される。位相器4は、VCO3からの信号S
vcoの位相をπ/2だけシフト(回転)し、乗算器2に
出力する。
【0006】乗算器1は、信号SinとSVCOを乗算し、
位相基準点と同相の信号成分(以下、Iチャネルの信号
という)を出力する。同時に、乗算器2は、信号S
inと、位相がπ/2だけシフトされた信号SVCOを乗算
し、位相基準点と直交する信号成分(以下、Qチャネル
の信号という)を出力する。即ち、乗算器1,2、およ
び位相器4によっては、直交検波がなされる。
【0007】IおよびQチャネルの信号は逆拡散器31
に入力され、送信機側と同一のPN系列により逆拡散さ
れる。逆拡散器31で逆拡散されたIおよびQチャネル
の信号(逆拡散データ)は、デ−タ復調部6および周波
数誤差検出部9に供給される。デ−タ復調部6では、I
およびQチャネルの信号を用いて、データの復調がなさ
れ、データ処理部11に出力される。
【0008】データ処理部7では、データ復調部6より
出力されたデータから、あらかじめ決められたフォ−マ
ットに基づいて、送信機側から送られてきた音声情報と
制御情報を抜き出す。音声情報は、図示せぬ後段の回路
に供給され、所定の処理が施される。また、制御情報
は、制御回路8に供給され、制御回路8は、この制御情
報に基づいて所定の処理を行う。さらに、制御回路8
は、逆拡散器31、データ復調部6、および周波数誤差
検出部9を制御する。
【0009】ここで、乗算器1または2から出力された
IまたはQチャネルの信号それぞれは、VCO3が出力
する信号SVCOの周波数fVCOと、入力信号Sinの周波数
(IF周波数)finとが同一であれば、ベースバンドの
信号(IF周波数が0Hzの信号)となる。
【0010】しかしながら、セルラ電話機は、例えば走
行中の自動車内や電車内などで使用される場合が多く、
この場合、ドップラー効果によって、信号Sinの周波数
inは、本来の値からずれる。これにより、周波数f
VCOとfinとが同一でなくなり、その差、つまり周波数
誤差△f(=fin−fVCO)の分だけ、乗算器1または
2から出力されるIまたはQチャネルの信号それぞれ
は、本来のベースバンドの位置からずれる。
【0011】そして、このずれが大きくなると、データ
復調部6では、正確なデータの復調が行われなくなる。
【0012】そこで、周波数誤差検出部9は、逆拡散器
31で逆拡散されたIおよびQチャネルの信号から、周
波数誤差△fを検出し、これを0Hzとするように、L
F13を介して、VCO3が出力する信号SVCOの周波
数fVCOを制御する。
【0013】即ち、乗算器1および2、位相器4、逆拡
散器31、周波数誤差検出部9,LF13、並びにVC
O3でなるループは、いわゆるPLLを形成しており、
この系では、周波数誤差△fが0Hzとなるように、V
CO3が制御され、これにより、データ復調部6で、正
確なデータの復調が行われるようになされている。
【0014】なお、基地局の送信機から伝送されている
信号は、音声情報などの通信データからなるデータチャ
ネルと、所定の固定値からなるパイロットチャネルとか
らなり、周波数誤差検出部9での周波数誤差△fの検出
には、通常パイロットチャネルの信号が用いられる。
【0015】ところで、セルラ電話機においては、近傍
の1つの基地局の送信機から送信された電波が、直接受
信されたり、また建物などの反射物によって反射されて
受信されるなど、複数の経路(パス)のものが受信され
る(以下、パスが形成されるという)。
【0016】さらに、セルラ電話機が、複数の基地局か
らほぼ等しい距離に位置している場合には、その複数の
基地局それぞれとパスが形成される。
【0017】図10に示すセルラ電話機においては、上
述した複数のパスのうち、例えば最も受信レベルの大き
いものを選択するようになされていた。
【0018】しかしながら、セルラ電話機が、基地局か
ら離れたところに位置している場合には、最も受信レベ
ルの大きいパスを選択しても、充分なS/Nが得られな
いときがあった。
【0019】そこで、複数のパス(1つの基地局からの
複数のパスと、複数の基地局それぞれからのパス)のう
ち、1つだけではなく、2つ以上の複数のパスを復調
し、その復調結果を合成して、S/Nを向上させる方式
(以下、ダイバーシティRAKE受信方式という)が提
案されている。
【0020】図11は、ダイバーシティRAKE受信方
式を適用したセルラ電話機の構成例を示している。な
お、図中、図10における場合と対応する部分について
は、同一の符号を付してある。
【0021】図11のセルラ電話機においては、図10
で点線で囲んだ逆拡散器31、データ復調部6、データ
処理部7、制御回路8、および周波数誤差検出部9から
なるブロックを複数有し、各ブロックから出力される復
調データまたは周波数誤差をそれぞれ合成するようにな
されている。
【0022】即ち、フィンガ(finger)42a乃
至42cそれぞれは、図10で点線で囲んだ部分(逆拡
散器31、データ復調部6、データ処理部7、制御回路
8、および周波数誤差検出部9、)と同様に構成されて
いる。
【0023】なお、乗算器1または2それぞれからのI
またはQチャネルの信号は、フィンガ42a乃至42c
の他、サーチャ41にも供給されるようになされてい
る。サーチャ41では、IおよびQチャネルの信号と、
PN系列とを、その位相をPN系列の1周期の範囲でず
らして乗算することにより、即ちIおよびQチャネルの
信号と、PN系列との相関を、PN系列の1周期の範囲
でとることにより、セルラ電話機で受信された複数のパ
スそれぞれの大まかな位置が検索、識別され、フィンガ
42a乃至42cそれぞれに復調させるパスが決定され
る。そして、その決定されたパスの大まかな位置がフィ
ンガ42a乃至42cに供給される。これにより、フィ
ンガ42a乃至42cそれぞれにおいては、サーチャ4
1より出力されたパスの大まかな位置に基づいて、その
微細な位置が検出され、パスが復調される。
【0024】具体的には、フィンガ42a乃至42cを
構成する逆拡散器31(図10)は、図12に示すよう
になされており、サーチャ41からの信号、即ち大まか
なパスの位置は、TTL(Time Tracking Loop)回路2
4に供給される。TTL回路24は、IおよびQチャネ
ルの信号(これも、上述した周波数誤差を検出する場合
と同様に、パイロットチャネルの信号)を用いて、サー
チャ41からの大まかなパスの位置に対応する位相の前
後の範囲で、PN生成器23が出力するPN系列の位相
の微細な制御(細かい精度での制御)を行う(例えば、
TTL回路24は、サーチャ41より復調を決定(指
定)されたパスのエネルギが等しくなる、1チップ分だ
け離れた2つの位置をPLL系などにより検索し、その
2つの位置の中点をパスのエネルギのピークの位置とし
て、その位置に対応する位相と同一になるように、PN
生成器23が生成するPN系列の位相を制御する)。
【0025】これにより、PN生成器23においては、
復調するパスの位置(遅延時間)に正確に対応した位相
のPN系列が生成され、乗算器21および22に出力さ
れる。乗算器21または22では、IまたはQチャネル
の信号に、PN生成器23からのPN系列(IまたはQ
チャネル用のPN系列)がそれぞれ乗算されて両者の相
関がとられ、これによりサーチャ41により決定された
復調すべきパスを逆拡散したデータ(逆拡散データ)が
出力される。
【0026】ここで、セルラ電話機が、屋外で使用され
る場合には、マルチパスを構成するパスそれぞれは、様
々な伝搬経路をとり得るので、その位置(遅延時間)
は、あらかじめ知ることができない。また、セルラ電話
機が、例えば走行中の自動車内や電車内などで使用され
る場合には、パスの位置(遅延時間)は、時間とともに
変化する。
【0027】そこで、図11に示すセルラ電話機では、
常時、サーチャ41で大まかなパスの位置を検索すると
ともに、TTL回路24で、サーチャ41からの大まか
なパスの位置の前後を、細かい精度で検索することによ
り、正確なパスの位置が得られるようになされている。
【0028】以下、図10で説明した場合と同様にし
て、フィンガ42a乃至42cそれぞれにおいて復調処
理が行われ、復調データが出力される。このフィンガ4
2a乃至42cからそれぞれ出力された復調データは、
データコンバイナ11に供給され、そこで合成(加算)
されて出力される。以上により、S/Nの向上した復調
データが得られるようになされている。
【0029】また、フィンガ42a乃至42cを構成す
る周波数誤差検出部9(図10)から出力された周波数
誤差△fそれぞれは、周波数誤差コンバイナ12に供給
されるようになされており、周波数コンバイナ12は、
これらの周波数誤差△fを合成(加算)した周波数誤差
Σ△fを、LF13を介してVCO3に出力するように
なされている。
【0030】ところで、最近では、上述したようなCD
MA方式を用いたセルラ電話機システムの応用として、
屋外だけでなく、基地局からの電波(信号)が、直接届
きにくい、例えばビル等の屋内でも、セルラ電話機を使
用することのできるシステムが提案されている。例え
ば、PCS(Personal Communication Services)や、
ディストリビューティッドアンテナ(Distributed Ante
nna)を使用した方式は、その1つである。
【0031】ここで、ディストリビューティッドアンテ
ナ(Distributed Antenna)を使用した方式のシステム
の構成例を、図13に示す。このシステムにおいては、
基地局の送信機からの信号が、電波としてアンテナより
出力されるとともに、ケーブルを介して、ビル内に設置
されたディストリビューティッドアンテナに出力される
ようになされている。
【0032】そして、セルラ電話機が屋外に位置してい
る場合には、基地局のアンテナより出力された電波が受
信され、またセルラ電話機がビル内に位置している場合
には、送信機からの信号が、ディストリビューティッド
アンテナを介して受信される。
【0033】なお、ディストリビューティッドアンテナ
は、図13に示すように、ビル内の必要な位置に取り付
けられた複数の室内アンテナと、それらを接続する、P
N系列を構成するビット間の時間間隔(PN系列のビッ
トレート(例えば、8Mbpsや16Mbps)の逆
数)より長い時間τだけパスを遅延する遅延回路からな
る。
【0034】このようなディストリビューティッドアン
テナが設置されたビル内(屋内)においては、複数の室
内アンテナからの直接のパス(以下、直接パスという)
の他、それらが、例えば壁などのビル内の障害物で反射
されたパス(以下、反射パスという)も形成されるが、
室内アンテナからセルラ電話機までの距離が短いので、
屋外における場合と異なり、直接パスに対する反射パス
の遅延時間(直接パスの位置と反射パスの位置との間
隔)は、上述の時間τより短くなる。
【0035】このため、直接パスと反射パスとは、位相
の異なるPN系列により分離(識別)することはできな
い。従って、ディストリビューティッドアンテナによれ
ば、室内アンテナの数と同一の数の分離可能なパスから
なる、各パスどうしの遅延時間がτのマルチパスが、ビ
ル内に実質的に形成されることになる。
【0036】よって、図11に示したセルラ電話機が、
そのフィンガの数以下の数の室内アンテナからなるディ
ストリビューティッドアンテナが設置されたビル内で使
用される場合においては、室内アンテナからのエネルギ
を、ほとんど損失することなく、パスを受信することが
でき、良好なS/Nが得られることになる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、図11に示したダイバーシティRAKE受信方式の
セルラ電話機が屋内で使用される場合には、走行中の自
動車や電車内などの屋外で使用される場合と異なり、パ
スの遅延時間(パスの位置)の変動はほとんどないと考
えられる。
【0038】即ち、セルラ電話機が、図13に示したデ
ィストリビューティッドアンテナが設置されたビル内
(屋内)で使用される場合においては、PN系列の周期
をTとすると、図14に示すように、時間0乃至T−1
の範囲には、各室内アンテナより出力された、分離可能
なパスP1,P2,P3,・・・からなるマルチパスが形
成される。そして、この場合、各パスP1,P2,P3
・・・の位置をt1,t2,t3,・・・とし、パスP1
時間的に最も早く受信されるパスであるとすると、パス
1以外のパスP2,P3,・・・の位置は、パスP1の位
置t1に、室内アンテナを接続する遅延回路(図13)
の遅延時間τの整数倍を加算したt1+τ,t1+2τ,
・・・と表現することが可能と考えられる。
【0039】このように、マルチパスの各パスの位置が
変動せず、そのパス間の遅延時間τが一定である場合、
図11のセルラ電話機のように、複数のフィンガすべて
において、図12で説明したように、パスの遅延時間
(パスの位置)の変動に追従するようにPN生成器23
が生成するPN系列の位相の微細制御を行うことは、不
可欠な制御ではなく、むしろ不必要な制御であり、また
このような必要でない制御のために、TTL回路24な
どを動作させるのは、無駄な電力を費やすことになる。
【0040】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、無駄な制御を削減し、消費電力を低減す
ることができるようにするものである。
【0041】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の受信装
置は、PN系列によってスペクトラム拡散信号とされ、
マルチパスとなっている受信信号から、個々のパスを検
索する検索手段としてのサーチャ16と、サーチャ16
により検索されたパスそれぞれを復調し、復調データを
出力する複数の復調手段としてのフィンガ10a乃至1
0cと、フィンガ10a乃至10cそれぞれから出力さ
れる復調データを合成する合成手段としてのデータコン
バイナ11を有する受信装置であって、フィンガ10a
乃至10cには、PN系列を生成する生成手段としての
PN生成回路23bまたは23cと、PN生成回路23
bまたは23cにより生成されたPN系列によって、パ
スを逆拡散する逆拡散手段としての乗算器21bおよび
22b、または21cおよび22cを備える第1の復調
手段としてのフィンガ10bまたは10cと、PN生成
回路23aおよび乗算器21aおよび22bに加え、P
N生成回路23aが生成するPN系列の位相の微細制御
を行う制御手段としてのTTL回路24aをさらに備え
る第2の復調手段としてのフィンガ10aとがあり、サ
ーチャ16は、第2の復調手段が備える制御手段のうち
の少なくとも1つとしてのフィンガ10aが備えるTT
L回路24aが制御しているPN系列の位相から、マル
チパスを構成するパス間の遅延時間単位でシフトした位
置に一致するように、フィンガ10bまたは10cが備
えるPN生成回路23bまたは23cが生成するPN系
列の位相を制御することを特徴とする。
【0042】請求項2に記載の受信装置は、PN系列に
よってスペクトラム拡散信号とされ、マルチパスとなっ
ている受信信号から、個々のパスを検索する検索手段と
してのサーチャ15と、サーチャ15により検索された
パスそれぞれを復調し、復調データを出力する複数の復
調手段としてのフィンガ10a乃至10cと、フィンガ
10a乃至10cそれぞれから出力される復調データを
合成する合成手段としてのデータコンバイナ11とを有
する受信装置であって、フィンガ10a乃至10cそれ
ぞれは、PN系列を生成する生成手段としてのPN生成
回路23a乃至23cと、PN生成回路23a乃至23
cにより生成されたPN系列によって、パスを逆拡散す
る逆拡散手段としての乗算器21aおよび22a、21
bおよび22b、または21cおよび22cと、PN生
成回路23a乃至23cが生成するPN系列の位相の微
細制御を行う制御手段としてのTTL回路24a乃至2
4cとを備え、サーチャ15は、所定の制御信号として
の値が1の判定ビットを受信した場合、フィンガ10a
乃至10cそれぞれが備えるTTL回路24a乃至24
cのうちの少なくとも1つとしてのTTL回路24aを
除いて、その動作を停止させるとともに、動作している
TTL回路24aが制御しているPN系列の位相から、
マルチパスを構成するパス間の遅延時間単位でシフトし
た位置に一致するように、動作を停止させたTTL回路
24bまたは24cが制御していたPN生成回路23b
または23cが生成するPN系列の位相を制御すること
を特徴とする。
【0043】請求項3に記載の受信装置は、サーチャ1
5または16が、受信信号から、最初のパスを検索した
後、マルチパスの数に対応する遅延時間の範囲内のみパ
スの検索を行うことを特徴とする。
【0044】
【作用】請求項1に記載の受信装置においては、フィン
ガ10bまたは10cが、PN系列を生成するPN生成
回路23bまたは23cと、PN生成回路23bまたは
23cにより生成されたPN系列によって、パスを逆拡
散する乗算器21bおよび22b、または21cおよび
22cを備え、フィンガ10aが、PN生成回路23a
および乗算器21aおよび22aに加え、PN生成回路
23aが生成するPN系列の位相の微細制御を行うTT
L回路24aをさらに備える。そして、サーチャ16
は、フィンガ10aが備えるTTL回路24aが制御し
ているPN系列の位相から、マルチパスを構成するパス
間の遅延時間単位でシフトした位置に一致するように、
フィンガ10bまたは10cが備えるPN生成回路23
bまたは23cが生成するPN系列の位相を制御する。
従って、装置を構成するすべてのフィンガ10a乃至1
0cにTTL回路を設けずに、PN系列の位相制御がで
きるので、装置の小型化および低消費電力化を図ること
ができる。
【0045】請求項2に記載の受信装置においては、サ
ーチャ15が、値が1の判定ビットを受信した場合、フ
ィンガ10a乃至10cそれぞれが備えるTTL回路2
4a乃至24cのうちの少なくとも1つとしてのTTL
回路24aを除いて、その動作を停止させるとともに、
動作しているTTL回路24aが制御しているPN系列
の位相から、マルチパスを構成するパス間の遅延時間単
位でシフトした位置に一致するように、動作を停止させ
たTTL回路24bまたは24cが制御していたPN生
成回路23bまたは23cが生成するPN系列の位相を
制御する。従って、消費電力を低減することができる。
【0046】請求項3に記載の受信装置によれば、サー
チャ15または16が、受信信号から、最初のパスを検
索した後、マルチパスの数に対応する遅延時間の範囲内
のみパスの検索を行う。従って、マルチパスの検索を、
PN系列の1周期分の範囲すべてに対して行わずに済む
ので、サーチャ15または16にかかる負荷を軽減する
ことができる。
【0047】
【実施例】図1は、本発明の受信装置を適用したセルラ
電話機の一実施例の構成を示すブロック図である。な
お、図中、図11における場合と対応する部分について
は、同一の符号を付してある。
【0048】即ち、このセルラ電話機は、フィンガ42
a乃至42cまたはサーチャ41にそれぞれ代えて、フ
ィンガ10a乃至10cまたはサーチャ15が設けら
れ、さらにデータコンバイナ11の後段にビット検出部
14が設けられている他は、図11に示すセルラ電話機
と同様に構成されており、ダイバーシティRAKE受信
方式で、送信されてきた信号の受信、復調が行われるよ
うになされている。
【0049】さらに、図1においては、図10で点線で
囲んだ部分(逆拡散器31、データ復調部6、データ処
理部7、制御回路8、および周波数誤差検出部9)と同
様に構成されるフィンガ42a乃至42cに代えて設け
たフィンガ10a乃至10cの内部構成を図示してあ
る。
【0050】フィンガ10a乃至10cは、逆拡散器5
a乃至5c、データ復調部6a乃至6c、データ処理部
7a乃至7c、制御回路8a乃至8c、および周波数誤
差検出部9a乃至9cからそれぞれ構成されている。な
お、データ復調部6a乃至6c、データ処理部7a乃至
7c、制御回路8a乃至8c、または周波数誤差検出部
9a乃至9cは、図10に示すデータ復調部6、データ
処理部7、制御回路8、または周波数誤差検出部9とそ
れぞれ同様に構成されるものである。
【0051】以上のように構成されるセルラ電話機を用
いたシステムにおいては、前述した図13のビル内に設
置されたディストリビューティッドアンテナから出力さ
れる信号に、その信号が屋内アンテナからのものである
ことを示す情報を入れておくようにする。
【0052】即ち、具体的には、例えば図2に示すよう
に、フレーム単位とされた送信信号の所定の位置として
の、例えばフレームの先頭の1ビットを判定ビットと
し、この判定ビットを、送信信号が、屋外のアンテナか
ら出力される場合には0および1のうちの、例えば0
に、屋内のアンテナ(ディストリビューティッドアンテ
ナ)から出力される場合には0および1のうちの、例え
ば1にセットするようにする。
【0053】一方、図1に示すセルラ電話機では、まず
マルチパスでなる受信信号が、図10で説明したよう
に、乗算器1および2で検波され、これによりIおよび
Qチャネルの信号とされる。IおよびQチャネルの信号
は、フィンガ10a乃至10cに入力されるとともに、
サーチャ15に入力される。
【0054】サーチャ15は、IおよびQチャネルの信
号とPN系列とを、その位相を、PN系列の1周期の範
囲で1チップずつずらしながら乗算し、即ちIおよびQ
チャネルの信号と、PN系列との相関を、PN系列の1
周期の範囲でとり、その相関値(乗算値)が比較的高い
位置としての各パスの大まかな位置を検出(検索)す
る。この各パスの大まかな位置は、各パスを復調するた
めのPN系列の位相に対応し、サーチャ15は、PN系
列の1周期の範囲内で位置を検出したパスの中から、フ
ィンガ10a乃至10cそれぞれに復調させるべきパス
(この場合、3つのパス)を決定し、そのパスの大まか
な位置、即ちそのパスを復調するためのPN系列の大ま
か位相を、フィンガ10a乃至10c(後述する逆拡散
器5a乃至5c)に出力する。
【0055】フィンガ10a乃至10cでは、まず逆拡
散器5a乃至5cで、サーチャ15から出力されたPN
系列の位相に基づいて、IおよびQチャネルの信号が逆
拡散処理され、逆拡散データとされる。
【0056】即ち、逆拡散器5a乃至5cは、図3に示
すように、乗算器21aおよび22a,21bおよび2
2b、または21cおよび22c、PN生成回路23a
乃至23c,TTL回路24a乃至24c、並びにスイ
ッチSW1乃至SW3よりそれぞれ構成される。なお、
乗算器21aおよび22a,21bおよび22b、また
は21cおよび22c、PN生成回路23a乃至23
c,TTL回路24a乃至24cは、図12で説明した
乗算器21および22,PN生成回路23、またはTT
L回路24とそれぞれ同様に構成されるものである。
【0057】スイッチSW1乃至SW3は、サーチャ1
5からの制御信号によって制御され、装置の起動直後に
おいては、端子a1乃至a3側をそれぞれ選択するように
なされる。
【0058】これにより、逆拡散器5a乃至5cでは、
図12で説明した場合と同様の処理が行われる。即ち、
サーチャ15からの、3つのパスの大まかな位置は、T
TL回路24a乃至24cにそれぞれ供給される。TT
L回路24a乃至24cでは、IおよびQチャネルの信
号を用いて、サーチャ15からの大まかなパスの位置に
対応する位相の前後の範囲で、PN生成器23a乃至2
3cが出力するPN系列の位相の微細な制御(細かい精
度での制御)が、スイッチSW1および端子a1、スイ
ッチSW2および端子a2、またはスイッチSW3およ
び端子a3を介してそれぞれ行われる。
【0059】PN生成器23a乃至23cからの、位相
の微細な制御がなされたPN系列は、乗算器21aおよ
び22a,21bおよび22b、または21cおよび2
2cに供給され、そこでPN系列と、IおよびQチャネ
ルが乗算されて、各パスの逆拡散データがそれぞれ出力
される。
【0060】図1に戻り、逆拡散器5a乃至5cより出
力された逆拡散データは、データ復調部6a乃至6cお
よび周波数誤差検出部9a乃至9cに供給され、以下、
データ復調部6a乃至6c、データ処理部7a乃至7
c、制御回路8a乃至8c、または周波数誤差検出部9
a乃至9cにおいて、図10に示したデータ復調部6、
データ処理部7、制御回路8、または周波数誤差検出部
9とそれぞれ同様の処理が行われる。
【0061】その結果、各フィンガ10a乃至10cか
らは、3つのパスそれぞれに対応する復調データと、周
波数誤差△fが出力される。周波数誤差△fは、周波数
コンバイナ12に供給され、以下図11における場合と
同様にして、VCO3の出力する信号の周波数の制御が
行われる。
【0062】また、フィンガ10a乃至10cそれぞれ
からの復調データは、データコンバイナ11を介して合
成復調データとされ、ビット検出部14に出力される。
ビット検出部14は、フレームの先頭にある判定ビット
(図2)を検出し、サーチャ15に供給する。
【0063】なお、合成復調データから判定ビットが検
出された残りのデータは、ビット検出部14の後段の、
図示せぬ所定の処理回路に出力される。
【0064】サーチャ15に対して、ビット検出部14
からの判定ビットの供給が開始されると、以下図4に示
すフローチャートにしたがった処理が行われる。即ち、
まずステップS1において、サーチャ15により判定ビ
ットが監視され、ステップS2に進み、判定ビットが1
であるか否かが判定される。ステップS2において、判
定ビットが1であると判定された場合、即ちセルラ電話
機が、図13に示したようなパス間の遅延時間がτであ
るマルチパスを形成するディストリビューティッドアン
テナが設置された屋内で使用されている場合、ステップ
S3に進み、サーチャ15は、自身の動作モードを屋内
モードにし、ステップS4に進む。
【0065】ステップS4においては、屋内モードとな
ったサーチャ15によって、図3に示す逆拡散器5a乃
至5cのうちの、例えば時間的に最も早く受信されたパ
スを逆拡散している逆拡散器(本実施例では、逆拡散器
5aとする)の有するTTL回路24a以外のTTL回
路、即ち逆拡散器5bまたは5cがそれぞれ有するTT
L回路24bまたは24cが動作している場合には、そ
の動作が停止される。
【0066】同時に、動作の停止されたTTL回路24
bまたは24cを有する逆拡散器5bまたは5cを構成
するスイッチSW2またはSW3が、端子a2またはa3
側を選択している場合には、端子b2またはb3側にそれ
ぞれ切り換えられ、ステップS5に進む。
【0067】ステップS5では、まず、屋内モードとな
ったサーチャ15によって、動作しているTTL回路2
4aが出力(制御)している、PN生成回路23aによ
り生成されているPN系列の位相、即ち逆拡散器5aが
逆拡散処理を行っているパスの位置(これはTTL回路
24aにより制御されているので、精度の高い位置)が
受信される。
【0068】さらに、ステップS5において、サーチャ
15にって、逆拡散器5aが逆拡散処理を行っているパ
スの位置から、ディストリビューティッドアンテナによ
り付加されるパス間の遅延時間τだけ遅れた位置、また
はその遅延時間τの2倍の時間だけ遅れた位置に一致す
るように、PN生成回路23bまたは23cが出力して
いるPN系列の位相が、スイッチSW2および端子
2、またはスイッチSW3および端子b3を介してそれ
ぞれ制御され、ステップS1に戻る。
【0069】以上のように、セルラ電話機が屋内で使用
されている場合には、逆拡散器5a乃至5cがそれぞれ
備えるTTL回路24a乃至24cのうち、TTL回路
24bおよび24cの動作を停止させるようにしたの
で、装置の消費電力を低減することができる。
【0070】さらに、この場合、動作しているTTL回
路24aが制御している時間的に最も早いパスの位置か
ら、ディストリビューティッドアンテナにより付加され
るパス間の遅延時間τだけ遅れた位置、またはその遅延
時間τの2倍の時間だけ遅れた位置に一致するように、
PN生成回路23bまたは23cが出力するPN系列の
位相を制御するようにしたので、TTL回路24bおよ
び24cを動作させている場合と同様に、正確な逆拡散
データを得ることができる。
【0071】なお、屋外および屋内に関わらず、前述し
たように、VCO3が出力する信号Svcoの周波数fVCO
は、その精度の範囲内でIF周波数finに対して誤差を
有するので、パスの位置は、通常、このVCO3の精度
に対応して、本来の位置からずれる。しかしながら、こ
のようにVCO3の精度に起因してパスの位置がずれる
場合においては、マルチパスを構成する各パスの位置
が、同一方向に、ほぼ同一の量(時間)だけシフトされ
る。
【0072】従って、上述のように、TTL回路24a
の動作を停止させずに、マルチパスのうちの少なくとも
1つのパスの正確な位置を得るようにしておくことによ
り、そのパス以外のパスの正確な位置も、その位置がV
CO3の精度によって本来の位置からずれていたとして
も、得ることができる。
【0073】一方、ステップS2において、判定ビット
が1でないと判定された場合、即ちセルラ電話機が屋外
で使用されている場合、ステップS6に進み、サーチャ
15は、自身の動作モードを屋外モードにし、ステップ
S7に進む。
【0074】ステップS7においては、屋外モードとな
ったサーチャ15によって、図3に示す逆拡散器5a乃
至5cのうちの、例えば時間的に最も早く受信されたパ
スを逆拡散している逆拡散器(本実施例では、上述した
ように逆拡散器5aとする)の有するTTL回路24a
以外のTTL回路、即ち逆拡散器5bまたは5cがそれ
ぞれ有するTTL回路24bまたは24cが動作を停止
している場合には、その動作が開始される。
【0075】同時に、動作の開始されたTTL回路24
bまたは24cを有する逆拡散器5bまたは5cを構成
するスイッチSW2またはSW3が、端子b2またはb3
側を選択している場合には、端子a2またはa3側にそれ
ぞれ切り換えられ、ステップS1に戻る。
【0076】従って、屋外でセルラ電話機が使用されて
いる場合には、図11に示したセルラ電話機と同様に、
フィンガ10a乃至10c(逆拡散器5a乃至5c)そ
れぞれにおいては、その内蔵するTTL回路24a乃至
24cによって、PN生成回路23a乃至23cが出力
するPN系列の位相の微細な制御が行われる。
【0077】なお、図13に示したディストリビューテ
ィッドアンテナにより形成されるマルチパスのパス間の
遅延時間τは、あらかじめ規格化しておくのであれば、
サーチャ15に記憶させておくようにすることができ
る。
【0078】また、例えば図5に示すように、フレーム
単位とされた送信信号の所定の位置としての、例えばフ
レームの先頭の判定ビットに続く8ビットを遅延量ビッ
トとし、送信信号がディストリビューティッドアンテナ
から出力される場合には、この遅延量ビットに遅延時間
τをセットするようにすることができる。
【0079】即ち、図6に示すように、ディストリビュ
ーティッドアンテナ(図13)より形成されるマルチパ
スのパス間の遅延時間が、例えば16nsであれば、8
ビットの遅延量ビット(図5)に、”0001000
0”(=16)をセットしておくようにすることができ
る。
【0080】この場合、図1に示すビット検出部14に
は、判定ビットの検出とともに、遅延量ビットの検出を
行わせるようにすれば良い。
【0081】また、図1においては、フレームの先頭に
セットされた判定ビット(図2)を、ビット検出部14
に検出させ、その値が1の場合には、サーチャ15のモ
ードを屋内モードとするようにしたが、これに限られる
ものではなく、例えば周波数誤差コンバイナ12の出力
する周波数誤差に基づいて、サーチャ15のモードを、
屋内モードまたは屋外モードに切り換えるようにするこ
とができる。
【0082】即ち、ディストリビューティッドアンテナ
が設置された屋内においては、周波数誤差は小さくな
る。そこで、周波数誤差が、所定の値より大きい場合に
は、サーチャ15のモードを屋外モードとし、所定の値
より小さい場合には、サーチャ15のモードを屋内モー
ドとするようにすることができる。
【0083】さらに、図1に示すセルラ電話機に、例え
ば機械的なスイッチや音声によってON/OFF可能な
電子的なスイッチなどの操作部を設け、この操作部のO
N/OFFに対応して、サーチャ15の動作モードを、
屋内モード/屋外モードにするようにすることができ
る。
【0084】この場合、使用者によって操作部を、セル
ラ電話機を屋内で使用する場合にはONにさせ、屋外で
使用する場合にはOFFにさせるようにすれば良い。
【0085】ところで、セルラ電話機が、ディストリビ
ューティッドアンテナの設置された屋内で使用されてい
る場合には、前述したように、マルチパスの各パス間の
遅延時間τは一定であり、さらに、マルチパスの数は、
PN系列のビットレートの逆数より遅延時間τが長けれ
ば、ディストリビューティッドアンテナが備える室内ア
ンテナの数に等しいので、屋内でマルチパスを構成する
パスは、(室内アンテナの数−1)×τの時間の範囲に
しか存在しない。
【0086】従って、セルラ電話機を屋内で使用する場
合、装置の起動時に、サーチャ15には、時間的に最も
早いパスを検索させた後、(室内アンテナの数−1)×
τの時間の範囲まで、さらにパスを検索させれば良いこ
とになる。
【0087】しかしながら、判定ビットや周波数誤差に
対応してサーチャ15の動作モードを変える場合には、
セルラ電話機の起動後、フィンガ10a乃至10cによ
り復調がなされるまでは、セルラ電話機が屋内または屋
外で使用されているのか、サーチャ15は認識すること
ができない。
【0088】従って、この場合には、サーチャ15によ
って、図11に示した従来のセルラ電話機と同様に、I
およびQチャネルの信号と、PN系列とを、その位相を
PN系列の1周期の範囲でずらして乗算することによ
り、セルラ電話機で受信された複数のパスそれぞれの大
まかな位置を検索、識別し、フィンガ10a乃至10c
に復調させるパスを決定する必要がある。
【0089】即ち、この場合、図7に示すように、パス
がCD間にのみ存在する場合でも、PN系列の1周期で
あるAB間全体にわたって相関を計算し、パスの検索を
行なわなければならない。
【0090】一方、操作部を設けた場合には、判定ビッ
トや周波数誤差に対応してサーチャ15の動作モードを
変える場合と異なり、サーチャ15は、セルラ電話機の
起動後即座に、屋内で使用されているのか、また屋外で
使用されているのかを認識することができる。
【0091】そこで、この場合には、装置の起動直後、
サーチャ15を、図8のフローチャートに示すように動
作させるようにすることができる。但し、ディストリビ
ューティッドアンテナが備える室内アンテナの数は、例
えば3つ、即ちマルチパスを構成するパスの数は3つと
し、これは、例えば規格化されてあらかじめ決定されて
いるか、または上述した判定ビット、遅延量ビットと同
様に、フレームの先頭部分に記述されているものとす
る。
【0092】即ち、サーチャ15では、まず最初にステ
ップS11において、操作部がON状態であるか否かが
判定される。ステップS11において、操作部がON状
態でないと判定された場合(セルラ電話機の起動が屋外
でなされた場合)、ステップS12に進み、セルラ電話
機15は、自身のモードを屋外モードにして、ステップ
S13に進む。
【0093】ステップS13においては、屋外モードと
なったサーチャ15によって、図11に示した従来のセ
ルラ電話機と同様にして、PN系列の1周期の範囲全体
にわたってパスの検索がなされ、処理を終了する。
【0094】一方、ステップS11において、操作部が
ON状態であると判定された場合、即ちセルラ電話機の
起動が屋内でなされた場合、ステップS14に進み、セ
ルラ電話機15は、自身のモードを屋内モードにして、
ステップS15に進む。
【0095】ステップS15では、屋外モードとなった
サーチャ15によって、パスの検索が開始され、ステッ
プS16に進み、時間的に最も早いタイミングで受信さ
れたパス(例えば、図7に示すパスP1)が検出された
か否かが判定される。ステップS16において、パスが
検出されていないと判定された場合、ステップS15に
戻る。
【0096】また、ステップS16において、時間的に
最も早いタイミングで受信されたパスが検出されたと判
定された場合、ステップS17に進み、時間(遅延時
間)をカウントするための変数tに、初期値としての0
がセットされ、ステップS18に進む。
【0097】ステップS18において、ステップS16
で検出されたパスの直後から、そのパスより、時間tだ
け遅延されているパス(例えば、図7に示すパスP2
3)の検索が開始され、ステップS19に進む。ステ
ップS19において、変数tが、PN系列の1チップ分
に対応する時間だけインクリメントされ、ステップS2
0に進み、変数tが、(室内アンテナの数−1)×τの
時間、即ち時間2τを超えたか否かが判定される。ステ
ップS20において、変数tが時間2τを超えていない
と判定された場合、ステップS18に戻り、ステップS
20で変数tが時間2τを超えたと判定されるまで、ス
テップS18乃至S20の処理を繰り返す。
【0098】一方、ステップS20において、変数tが
時間2τを超えたと判定された場合、パスの検索処理を
終了する。
【0099】以上のように、セルラ電話機を屋内で使用
する場合には、装置の起動時に、時間的に最も早いパス
の検索してから、時間2τ((室内アンテナの数−1)
×τの時間)の範囲までをパスの検索対象とすれば良い
ので、サーチャ15の負荷を軽減することができる。さ
らに、この場合、装置を起動してから復調処理開始まで
の時間を短縮することができる。
【0100】次に、セルラ電話機を、屋内専用のコード
レス電話機として使用する場合には、図3に示した逆拡
散器5a乃至5cおよびサーチャ15は、例えば図9に
示すように構成することができる。
【0101】図9においては、図3と比較して、逆拡散
器5a乃至5cが、スイッチSW1乃至SW3をそれぞ
れ削除して構成され、さらに逆拡散器5bまたは5c
は、TTL回路24bまたは24cをそれぞれ削除して
構成されている。また、図3のサーチャ15は、図9に
おいてサーチャ16とされ、このサーチャ16は、サー
チャ15の屋内モードの処理(図4のステップS5の処
理)のみ行うようになされている。
【0102】従って、図9では、サーチャ16は、マル
チパスの大まかな検索を行い(この検索は、従来の場合
のように、PN系列の1周期全体にわたって行うように
しても良いし、上述したように、時間的に最も早いパス
を検出し、それから、(室内アンテナの数−1)×τの
時間の範囲までを行うようにしても良い)、フィンガ1
0a乃至10cそれぞれに復調させるパスを決定した
後、TTL回路24aが制御している、PN生成回路2
3aより出力されているPN系列の位相、即ち逆拡散器
5aが逆拡散処理を行っているパスの位置を受信する。
【0103】そして、サーチャ16は、逆拡散器5aが
逆拡散処理を行っているパスの位置から、ディストリビ
ューティッドアンテナにより付加されるパス間の遅延時
間τだけ遅れた位置、またはその遅延時間τの2倍の時
間だけ遅れた位置に一致するように、PN生成回路23
bまたは23cが出力しているPN系列の位相をそれぞ
れ制御する。
【0104】以上のように、セルラ電話機を、屋内専用
のものとする場合には、TTL回路24b,24cを設
けずに装置を構成することができるので、装置を小型
化、軽量化、低価格化することができる。また、この場
合、サーチャ16の処理は、図3のサーチャ15に比較
して、簡単なものとなるので、サーチャ16を実現する
ためのICは、処理速度のそれほど速くない安価なもの
を使用することができる。
【0105】以上、本発明の受信装置を、セルラ電話機
に適用した場合の実施例について説明したが、本発明
は、セルラ電話機以外の、信号を受信し、復調する受信
装置に適用可能である。
【0106】なお、本実施例においては、装置に設ける
フィンガの数を、フィンガ10a乃至10cの3つとし
たが、これに限られるものでなく、フィンガの数は、例
えばコストと性能とのバランスを考慮した2以上の数と
することができる。
【0107】また、本実施例においては、判定ビット
(遅延量ビットも同様)をフレームの先頭に入れるよう
にしたが、その他の位置に入れるようにすることができ
る。さらに、判定ビット(遅延量ビットも同様)は、送
信信号中に、所定のユニークなビット列とともに入れる
ようにすることもできる。
【0108】さらに、判定ビットの検出は、実際の通話
時の他、例えばセルラ電話機に、定期的に通信を行うよ
うにさせるようにし、この定期通信のときに行うように
することができる。
【0109】
【発明の効果】請求項1に記載の受信装置によれば、第
1の復調手段は、PN系列を生成する生成手段と、生成
手段により生成されたPN系列によって、パスを逆拡散
する逆拡散手段を備え、第2の復調手段は、生成手段お
よび逆拡散手段に加え、生成手段が生成するPN系列の
位相の微細制御を行う制御手段をさらに備える。そし
て、検索手段は、第2の復調手段が備える制御手段が制
御しているPN系列の位相から、マルチパスを構成する
パス間の遅延時間単位でシフトした位置に一致するよう
に、第1の復調手段が備える生成手段が生成するPN系
列の位相を制御する。従って、装置を構成するすべての
復調手段に制御手段を設けずに、PN系列の位相制御が
できるので、装置の小型化および低消費電力化を図るこ
とができる。
【0110】請求項2に記載の受信装置によれば、検索
手段が、所定の制御信号を受信した場合、複数の復調手
段それぞれが備える制御手段のうちの少なくとも1つを
除いて、その動作を停止させるとともに、動作している
制御手段が制御しているPN系列の位相から、マルチパ
スを構成するパス間の遅延時間単位でシフトした位置に
一致するように、動作を停止させた制御手段が制御して
いた生成手段が生成するPN系列の位相を制御する。従
って、消費電力を低減することができる。
【0111】請求項3に記載の受信装置によれば、検索
手段が、受信信号から、最初のパスを検索した後、マル
チパスの数に対応する遅延時間の範囲内のみパスの検索
を行う。従って、マルチパスの検索を、PN系列の1周
期分の範囲すべてに対して行わずに済むので、検索手段
にかかる負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受信装置を適用したセルラ電話機の一
実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】判定ビットを説明する図である。
【図3】図1の実施例の逆拡散器5a乃至5cのより詳
細な構成を示すブロック図である。
【図4】図1の実施例の動作を説明するフローチャート
である。
【図5】遅延量ビットを説明する図である。
【図6】屋内に形成されたマルチパスを示す図である。
【図7】屋内に形成されたマルチパスの遅延量を説明す
る図である。
【図8】セルラ電話機の起動時の動作を説明するフロー
チャートである。
【図9】逆拡散器5a乃至5cの他の構成例を示すブロ
ック図である。
【図10】従来のセルラ電話機の一例の構成を示すブロ
ック図である。
【図11】従来の、ダイバーシティRAKE受信方式の
セルラ電話機の一例の構成を示すブロック図である。
【図12】従来の逆拡散器の一例の構成を示すブロック
図である。
【図13】ディストリビューティッドアンテナを説明す
る図である。
【図14】図13のディストリビューティッドアンテナ
により形成されるマルチパスを説明する図である。
【符号の説明】
1,2 乗算器 3 VCO(電圧制御発振器) 4 位相器 5,5a乃至5c 逆拡散器 6,6a乃至6c データ復調部 7,7a乃至7c データ処理部 8,8a乃至8c 制御回路 9,9a乃至9c 周波数誤差検出部 10a乃至10c フィンガ 11 データコンバイナ 12 周波数誤差コンバイナ 13 LF(ループフィルタ) 14 ビット検出部 15,16 サーチャ 21,21a乃至21c,22,22a乃至22c 乗
算器 23,23a乃至23c PN生成回路 24,24a乃至24c TTL回路 31 逆拡散器 41 サーチャ 42a乃至42c フィンガ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PN系列によってスペクトラム拡散信号
    とされ、マルチパスとなっている受信信号から、個々の
    パスを検索する検索手段と、 前記検索手段により検索されたパスそれぞれを復調し、
    復調データを出力する複数の復調手段と、 前記複数の復調手段それぞれから出力される前記復調デ
    ータを合成する合成手段とを有する受信装置であって、 前記複数の復調手段には、 前記PN系列を生成する生成手段と、 前記生成手段により生成された前記PN系列によって、
    前記パスを逆拡散する逆拡散手段とを備える第1の復調
    手段と、 前記生成手段および逆拡散手段に加え、前記生成手段が
    生成する前記PN系列の位相の微細制御を行う制御手段
    をさらに備える第2の復調手段とがあり、 前記検索手段は、前記第2の復調手段が備える前記制御
    手段のうちの少なくとも1つが制御している前記PN系
    列の位相から、前記マルチパスを構成するパス間の遅延
    時間単位でシフトした位置に一致するように、前記第1
    の復調手段が備える前記生成手段が生成する前記PN系
    列の位相を制御することを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 PN系列によってスペクトラム拡散信号
    とされ、マルチパスとなっている受信信号から、個々の
    パスを検索する検索手段と、 前記検索手段により検索されたパスそれぞれを復調し、
    復調データを出力する複数の復調手段と、 前記複数の復調手段それぞれから出力される前記復調デ
    ータを合成する合成手段とを有する受信装置であって、 前記複数の復調手段それぞれは、 前記PN系列を生成する生成手段と、 前記生成手段により生成された前記PN系列によって、
    前記パスを逆拡散する逆拡散手段と、 前記生成手段が生成する前記PN系列の位相の微細制御
    を行う制御手段とを備え、 前記検索手段は、所定の制御信号を受信した場合、前記
    複数の復調手段それぞれが備える制御手段のうちの少な
    くとも1つを除いて、その動作を停止させるとともに、
    動作している前記制御手段が制御している前記PN系列
    の位相から、前記マルチパスを構成するパス間の遅延時
    間単位でシフトした位置に一致するように、動作を停止
    させた前記制御手段が制御していた前記生成手段が生成
    する前記PN系列の位相を制御することを特徴とする受
    信装置。
  3. 【請求項3】 前記検索手段は、受信信号から、最初の
    パスを検索した後、前記マルチパスの数に対応する遅延
    時間の範囲内のみパスの検索を行うことを特徴とする請
    求項1または2に記載の受信装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09200177A (ja) * 1996-01-16 1997-07-31 Kokusai Electric Co Ltd 相関フィルタ及びcdma受信装置
JP2001007732A (ja) * 1999-05-19 2001-01-12 Motorola Inc スペクトル拡散無線電話受信機を起動する方法および装置
US6944207B2 (en) 2000-01-26 2005-09-13 Nec Corporation CDMA receiver having a searcher intermittently operable

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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