JPH0795010A - ディジタルフィルタ - Google Patents

ディジタルフィルタ

Info

Publication number
JPH0795010A
JPH0795010A JP5256311A JP25631193A JPH0795010A JP H0795010 A JPH0795010 A JP H0795010A JP 5256311 A JP5256311 A JP 5256311A JP 25631193 A JP25631193 A JP 25631193A JP H0795010 A JPH0795010 A JP H0795010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
filter
adder
multiplier
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5256311A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Iwabayashi
誠 岩林
Mitsuru Fukui
満 福井
Yoshio Fujita
佳生 藤田
Atsumi Kato
充美 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP5256311A priority Critical patent/JPH0795010A/ja
Publication of JPH0795010A publication Critical patent/JPH0795010A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 S−Z変換によって得られたディジタルフィ
ルタの閉ループ中に遅延回路を挿入しなくてもディレイ
フリーループの形成を避けることができるようにする。 【構成】 単位フィルタは、第1の信号に第1の係数を
乗じたものを第2の信号として出力する第1の演算手段
と、第2の信号と第3の信号とを加算したものを第4の
信号として出力する第2の演算手段と、第3の信号と第
4の信号とを加算したものを第5の信号として出力する
第3の演算手段と、第4の信号を1サンプリング周期だ
け遅延させたものを第3の信号として出力する遅延手段
とからなる。遅延手段から出力される第3の信号に第2
の係数を乗じたものをフィードバック信号とし、入力信
号から減算する。減算された信号に第2の係数に応じた
第3の係数を乗じ、それを第1の信号として単位フィル
タに入力する。これによって、閉ループ中に遅延手段が
常に存在するようになり、新たに遅延手段を設けなくて
もディレイフリーループの形成を避けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディジタルの楽音信
号に所望のフィルタリング処理を施すディジタルフィル
タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子楽器等で使用されているVC
F(ボルテージコントロールドフィルタ)等のアナログ
フィルタの伝達関数を双一次変換等のS−Z変換を用い
て同じ周波数特性を有するディジタルフィルタの伝達関
数に変換することが行われている。このようにS−Z変
換を用いることによって、すでに設計理論の確立したア
ナログフィルタの設計手続きを利用できるので、所望の
周波数特性を持ったディジタルフィルタを容易に構成す
ることができるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、S−Z変換
を用いて単純にアナログフィルタをディジタルフィルタ
に変換すると、変換されたフィルタ構成中に遅延回路を
含まない閉ループが存在することがある。このように遅
延回路を含まない閉ループを有するディジタルフィルタ
をDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)等を用いて
ソフトウェア的に実現すると、計算順序が定まらなくな
るという問題を有する。このように計算順序の定まらな
い閉ループのことをディレイフリーループという。従来
はディレイフリーループの形成を避けるために特開平3
−124111号公報に示されるように閉ループ中に遅
延回路を強制的に挿入することが行われていた。しかし
ながら、遅延回路を挿入することによってディジタルフ
ィルタの周波数特性がもともと実現しようとしたアナロ
グフィルタの周波数特性から微妙に変化してしまうとい
う問題があった。
【0004】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
であり、S−Z変換によって得られたディジタルフィル
タの閉ループ中に遅延回路を挿入しなくてもディレイフ
リーループの形成を避けることのできるディジタルフィ
ルタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るディジ
タルフィルタは、第1の信号に第1の係数を乗じたもの
を第2の信号として出力する第1の演算手段と、前記第
2の信号と第3の信号とを加算したものを第4の信号と
して出力する第2の演算手段と、前記第3の信号と前記
第4の信号とを加算したものを第5の信号として出力す
る第3の演算手段と、前記第4の信号を1サンプリング
周期だけ遅延させたものを前記第3の信号として出力す
る遅延手段と、前記第3の信号に第2の係数を乗じたも
のを第6の信号として出力する第4の演算手段と、入力
信号から前記第6の信号を減算したものを第7の信号と
して出力する第5の演算手段と、前記第7の信号に前記
第2の係数に応じた第3の係数を乗じたものを前記第1
の信号として出力する第6の演算手段とから構成される
ものである。
【0006】第2の発明に係るディジタルフィルタは、
第1の信号に第1の係数を乗じたものを第2の信号とし
て出力する第1の演算手段と、前記第2の信号と第3の
信号とを加算したものを第4の信号として出力する第2
の演算手段と、前記第3の信号と前記第4の信号とを加
算したものを第5の信号として出力する第3の演算手段
と、前記第4の信号を1サンプリング周期だけ遅延させ
たものを前記第3の信号として出力する遅延手段とから
なる単位フィルタを、前記第5の信号が前記第1の信号
となるように少なくとも2個直列に接続して構成された
ディジタルフィルタであって、第1段目の単位フィルタ
においては第1段目の単位フィルタの遅延手段から出力
される第3の信号を第1段目の単位フィルタから出力さ
れるフィードバック信号とし、第2段目以降の単位フィ
ルタにおいては前段の単位フィルタから出力されるフィ
ードバック信号に前記第1の係数を乗じたものと現段の
単位フィルタの遅延手段から出力される第3の信号とを
加算したものを現段の単位フィルタから出力されるフィ
ードバック信号とし、それぞれの単位フィルタから出力
されるフィードバック信号にそれぞれのフィードバック
係数を乗じたものを出力する第4の演算手段と、この第
4の演算手段から出力されるフィードバック信号を全て
加算し、それに係数2を乗じたものを第6の信号として
出力する第5の演算手段と、入力信号から前記第6の信
号を減算したものを第7の信号として出力する第6の演
算手段と、前記第7の信号に前記第4の演算手段で乗じ
られたそれぞれのフィードバック係数に対応した係数を
乗じたものを前記第1段の単位フィルタの第1の信号と
して出力する第7の演算手段と、前記フィルタ群を構成
する各単位フィルタの第1の信号及び第5の信号にそれ
ぞれのフィードフォワード係数を乗じ、これらの信号を
全て加算したものをフィルタリング信号として出力する
第8の演算手段とから構成されるものである。
【0007】
【作用】第1の発明に係るディジタルフィルタにおいて
は、閉ループは第1の演算手段と、第2の演算手段と、
遅延手段と、第4の演算手段と、第5の演算手段と、第
6の演算手段とから構成される。従って、第1の発明に
係るディジタルフィルタの閉ループ中には遅延手段が存
在するので、新たに遅延手段を設けなくてもディレイフ
リーループの形成を避けることができる。また、第2の
発明に係るディジタルフィルタにおいては、単位フィル
タを構成する遅延手段によって1サンプリング周期だけ
遅延した信号をフィードバック信号としているので、閉
ループ中に遅延手段が常に存在することとなり、閉ルー
プ中に遅延手段を新たに設けなくてもディレイフリール
ープの形成を避けることができる。
【0008】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に従って
詳細に説明する。図1はこの発明に係るディジタルフィ
ルタの構成を示す図である。図1のディジタルフィルタ
は2個の加算器と遅延回路とからなる単位フィルタを2
個直列に接続して構成された2次のディジタルフィルタ
であり、信号Xを入力してフィルタリング処理された信
号Yを出力するものである。
【0009】図1のディジタルフィルタは、加算器1
A,1Bと遅延回路1Cとからなる第1の単位フィルタ
と、加算器2A,2Bと遅延回路2Cとからなる第2の
単位フィルタとを、乗算器2Dを介して直列接続した2
次のディジタルフィルタである。加算器1Aは、乗算器
1Dからの乗算信号と遅延回路1Cからの遅延信号とを
加算し、その加算信号を加算器1B及び遅延回路1Cに
出力する。遅延回路1Cは、加算器1Aからの加算信号
を1サンプリング周期だけ遅延させた遅延信号を加算器
1A及び加算器1Bに出力する。加算器1Bは加算器1
Aからの加算信号と遅延回路1Cからの遅延信号とを加
算し、その加算信号を乗算器1J及び乗算器2Dに出力
する。
【0010】加算器1Aと遅延回路1Cとで再帰型ディ
ジタルフィルタを構成し、加算器1Bと遅延回路1Cと
で非再帰型ディジタルフィルタを構成している。従っ
て、遅延回路1Cを2個設けて、再帰型ディジタルフィ
ルタと非再帰型ディジタルフィルタとを別々に設けても
よいことはいうまでもない。
【0011】乗算器1Dは、乗算器2からの乗算信号に
乗算係数Txを乗じ、その乗算信号を加算器1Aに出力
する。乗算器1Dの乗算係数Txはtan(π・fc/
fs)である。ここで、fcは中心周波数であり、fs
はサンプリング周波数である。乗算器1Eは、遅延回路
1Cからの遅延信号に乗算係数qdを乗じ、その乗算信
号を加算器2Hに出力する。乗算係数qdは、q、2、
2k、2/k又はk・qの値に設定される。ここで、q
は共振の鋭さを示す量Qの逆数(1/Q)であり、kは
Kのルートである。Kは10の(|Gain|/20)
乗である。
【0012】乗算器2Fは、遅延回路1Cからの遅延信
号に乗算器1Dと同じ値の乗算係数Txを乗じ、その乗
算信号を加算器2Gに出力する。加算器2Gは、乗算器
2Fからの乗算信号と第2の単位フィルタの遅延回路2
Cからの遅延信号とを加算し、その加算信号を乗算器2
Eに出力する。乗算器2Eは、加算器2Gからの加算信
号に乗算係数pdを乗じ、その乗算信号を加算器2Hに
出力する。乗算係数pdは、1、K又は1/Kの値に設
定される。加算器2Hは、乗算器1Eからの乗算信号と
乗算器2Eからの乗算信号とを加算し、その加算信号を
乗算器3に出力する。
【0013】乗算器3は、加算器2Hからの加算信号に
乗算係数2を乗じ、その乗算信号を加算器1に出力す
る。加算器1は、入力信号Xと乗算器3からの乗算信号
とを加算し、その加算信号を乗算器2に出力する。乗算
器2は、加算器1からの加算信号に乗算係数1/(1+
qd・Tx+pd・Tx・Tx)を乗じ、その乗算信号
を乗算器1D及び乗算器4に出力する。乗算器4は乗算
器2からの乗算信号に乗算係数sを乗じ、その乗算信号
を加算器1Lに出力する。乗算係数sは、0又は1の値
に設定される。乗算器1Jは加算器1Bからの加算信号
に乗算係数qnを乗じ、その乗算信号を加算器1Lに出
力する。乗算係数qnは、0、q、2k、2、2/k又
はk・qの値に設定される。加算器1Lは乗算器4から
の乗算信号と乗算器1Jからの乗算信号とを加算し、そ
の加算信号を加算器2Lに出力する。
【0014】乗算器2Dは加算器1Bからの加算信号に
乗算係数Txを乗じ、その乗算信号を加算器2Aに出力
する。加算器2Aは、乗算器2Dからの乗算信号と遅延
回路2Cからの遅延信号とを加算し、その加算信号を加
算器2B及び遅延回路2Cに出力する。遅延回路2C
は、加算器2Aからの加算信号を1サンプリング周期だ
け遅延させた遅延信号を加算器2A及び加算器2Bに出
力する。加算器2Bは加算器2Aからの加算信号と遅延
回路2Cからの遅延信号とを加算し、その加算信号を乗
算器2Jに出力する。
【0015】乗算器2Jは加算器2Bからの加算信号に
乗算係数pnを乗じ、その乗算信号を加算器2Lに出力
する。乗算係数pnは、1、0、K又は1/Kの値に設
定される。加算器2Lは加算器1Lからの加算信号と乗
算器2Jからの乗算信号とを加算し、その加算信号を乗
算器5に出力する。乗算器5は加算器2Lからの加算信
号に乗算係数rを乗じ、その乗算信号をフィルタリング
処理された信号Yとして出力する。乗算係数rは1、k
又は1/kの値に設定される。
【0016】図2は図1のディジタルフィルタの周波数
特性を特定するために各乗算器に設定される乗算係数の
値を示すフィルタ特性選択表を示す図である。図1のデ
ィジタルフィルタを構成する各乗算器の乗算係数、すな
わち乗算器1Jの乗算係数qn、乗算器1Eの乗算係数
qd、乗算器2Jの乗算係数pn、乗算器2Eの乗算係
数pd、乗算器4の乗算係数s及び乗算器5の乗算係数
rを図2のフィルタ特性選択表のように設定することに
よって、図1のディジタルフィルタをいろいろな周波数
特性のフィルタに設定することができる。なお、図2の
フィルタ特性選択表には、0〜9のモード番号Mが割り
当てられているので、このモード番号Mを適宜選択する
ことによって対応する周波数特性のディジタルフィルタ
を選択設定できるようにしてある。
【0017】例えば、図1のディジタルフィルタをモー
ド番号M=0の低域通過フィルタ(Low Pass
Filter)として動作させるには、qnを0に、q
dをqに、pnを1に、pdを1に、sを0に、rを1
に設定すればよい。モード番号M=1の高域通過フィル
タ(High Pass Filter)として動作さ
せるには、qnを0に、qdをqに、pnを0に、pd
を1に、sを1に、rを1に設定すればよい。モード番
号M=2の帯域通過フィルタ(Band Pass F
ilter)として動作させるには、qnをqに、qd
をqに、pnを0に、pdを1に、sを0に、rを1に
設定すればよい。モード番号M=3の帯域除去フィルタ
(Band Eliminate Filter)とし
て動作させるには、qnを0に、qdをqに、pnを1
に、pdを1に、sを1に、rを1に設定すればよい。
【0018】モード番号M=4の低域ブーストフィルタ
(Low Boost Filter)として動作させ
るには、qnを2kに、qdを2に、pnをKに、pd
を1に、sを1に、rを1に設定すればよい。モード番
号M=5の低域減衰フィルタ(Low Attenua
te Filter)として動作させるには、qnを2
に、qdを2kに、pnを1に、pdをKに、sを1
に、rを1に設定すればよい。モード番号M=6の高域
ブーストフィルタ(High Boost Filte
r)として動作させるには、qnを2/kに、qdを2
に、pnを1/Kに、pdを1に、sを1に、rをkに
設定すればよい。モード番号M=7の高域減衰フィルタ
(High Attenuate Filter)とし
て動作させるには、qnを2に、qdを2/kに、pn
を1に、pdを1/Kに、sを1に、rを1/kに設定
すればよい。
【0019】モード番号M=8のピーク指定パラメトリ
ックイコライザ(Parametric Equali
zer(peak))として動作させるには、qnをk
・qに、qdをqに、pnを1に、pdを1に、sを1
に、rを1に設定すればよい。モード番号M=9のディ
ップ指定パラメトリックイコライザ(Parametr
ic Equalizer(dip))として動作させ
るには、qnをqに、qdをk・qに、pnを1に、p
dを1に、sを1に、rを1に設定すればよい。
【0020】図3は2個の加算器と遅延回路とからなる
単位フィルタをn個直列接続したN次のディジタルフィ
ルタの構成を示す図である。図3のN次のディジタルフ
ィルタは、2個の加算器と遅延回路とからなるn個の単
位フィルタが乗算係数Txの乗算器2D,3D,・・
・,nDを介して順番に直列に接続されている。加算器
1Aは、乗算器1Dからの乗算信号と遅延回路1Cから
の遅延信号とを加算し、その加算信号を加算器1B及び
遅延回路1Cに出力する。遅延回路1Cは、加算器1A
からの加算信号を1サンプリング周期だけ遅延させた遅
延信号を加算器1A、加算器1B、乗算器1E及び乗算
器2Fに出力する。加算器1Bは加算器1Aからの加算
信号と遅延回路1Cからの遅延信号とを加算し、その加
算信号を乗算器1J及び乗算器2Dに出力する。
【0021】乗算器1Dは、乗算器2からの乗算信号に
乗算係数Txを乗じ、その乗算信号を加算器1Aに出力
する。乗算器1Dの乗算係数Txはtan(π・fc/
fs)である。乗算器1Eは、遅延回路1Cからの遅延
信号に乗算係数b1を乗じ、その乗算信号を加算器2H
に出力する。
【0022】乗算器2Dは加算器1Bからの加算信号に
乗算係数Txを乗じ、その乗算信号を加算器2Aに出力
する。加算器2Aは、乗算器2Dからの乗算信号と遅延
回路2Cからの遅延信号とを加算し、その加算信号を加
算器2B及び遅延回路2Cに出力する。遅延回路2C
は、加算器2Aからの加算信号を1サンプリング周期だ
け遅延させた遅延信号を加算器2A、加算器2B及び加
算器2Gに出力する。加算器2Bは加算器2Aからの加
算信号と遅延回路2Cからの遅延信号とを加算し、その
加算信号を乗算器2J及び乗算器3D(図示せず)に出
力する。
【0023】乗算器2Fは、遅延回路1Cからの遅延信
号に乗算器1Dと同じ値の乗算係数Txを乗じ、その乗
算信号を加算器2Gに出力する。加算器2Gは、乗算器
2Fからの乗算信号と第2の単位フィルタの遅延回路2
Cからの遅延信号とを加算し、その加算信号を乗算器2
E及び乗算器3Fに出力する。乗算器2Eは、加算器2
Gからの加算信号に乗算係数b2を乗じ、その乗算信号
を加算器3Hに出力する。乗算器3Fは、加算器2Gか
らの加算信号に乗算係数Txを乗じ、その乗算信号を加
算器3G(図示せず)に出力する。
【0024】加算器n−1Aは、乗算器n−1D(図示
せず)からの乗算信号と遅延回路n−1Cからの遅延信
号とを加算し、その加算信号を加算器n−1B及び遅延
回路n−1Cに出力する。遅延回路n−1Cは、加算器
n−1Aからの加算信号を1サンプリング周期だけ遅延
させた遅延信号を加算器n−1A、加算器n−1B及び
加算器n−1Gに出力する。加算器n−1Bは加算器n
−1Aからの加算信号と遅延回路n−1Cからの遅延信
号とを加算し、その加算信号を乗算器n−1J及び乗算
器nDに出力する。
【0025】加算器n−1Gは、乗算器n−1F(図示
せず)からの乗算信号と第n−1番目の単位フィルタの
遅延回路n−1Cからの遅延信号とを加算し、その加算
信号を乗算器n−1E及び乗算器nFに出力する。乗算
器n−1Eは、加算器n−1Gからの加算信号に乗算係
数bn−1を乗じ、その乗算信号を加算器nHに出力す
る。乗算器nFは、加算器n−1Gからの加算信号に乗
算係数Txを乗じ、その乗算信号を加算器nGに出力す
る。
【0026】乗算器nDは加算器n−1Bからの加算信
号に乗算係数Txを乗じ、その乗算信号を加算器nAに
出力する。加算器nAは、乗算器nDからの乗算信号と
遅延回路nCからの遅延信号とを加算し、その加算信号
を加算器nB及び遅延回路nCに出力する。遅延回路n
Cは、加算器nAからの加算信号を1サンプリング周期
だけ遅延させた遅延信号を加算器nA、加算器nB及び
加算器nGに出力する。加算器nBは加算器nAからの
加算信号と遅延回路nCからの遅延信号とを加算し、そ
の加算信号を乗算器nJに出力する。
【0027】加算器nGは、乗算器nFからの乗算信号
と第n番目の単位フィルタの遅延回路nCからの遅延信
号とを加算し、その加算信号を乗算器nEに出力する。
乗算器nEは、加算器nGからの加算信号に乗算係数b
nを乗じ、その乗算信号を加算器nHに出力する。加算
器nHは、乗算器n−1Eからの乗算信号と乗算器nE
からの乗算信号とを加算し、その加算信号を加算器n−
1H(図示せず)に出力する。加算器3Hは、乗算器2
Eからの乗算信号と加算器4H(図示せず)からの加算
信号とを加算し、その加算信号を加算器2Hに出力す
る。加算器2Hは、乗算器1Eからの乗算信号と加算器
3Hからの加算信号とを加算し、その加算信号を乗算器
3に出力する。
【0028】乗算器3は、加算器2Hからの加算信号に
乗算係数2を乗じ、その乗算信号を加算器1に出力す
る。加算器1は、入力信号Xと乗算器3からの乗算信号
とを加算し、その加算信号を乗算器2に出力する。乗算
器2は、加算器1からの加算信号に乗算係数Dを乗じ、
その乗算信号を乗算器1D及び乗算器0Jに出力する。
乗算器2の乗算係数Dは図3に示す通りであり、乗算器
1E,2E,・・・,nEの乗算係数b1,b2,・・
・,bnと乗算係数Txとから求まる値である。
【0029】乗算器0Jは乗算器2からの乗算信号に乗
算係数a0を乗じ、その乗算信号を加算器1Lに出力す
る。乗算器1Jは加算器1Bからの加算信号に乗算係数
a1を乗じ、その乗算信号を加算器1Lに出力する。乗
算器2Jは加算器2Bからの加算信号に乗算係数a2を
乗じ、その乗算信号を加算器2Lに出力する。乗算器n
−1Jは加算器n−1Bからの加算信号に乗算係数an
−1を乗じ、その乗算信号を加算器n−1Lに出力す
る。乗算器nJは加算器nBからの加算信号に乗算係数
anを乗じ、その乗算信号を加算器nLに出力する。
【0030】加算器1Lは乗算器0Jからの乗算信号と
乗算器1Jからの乗算信号とを加算し、その加算信号を
加算器2Lに出力する。加算器2Lは加算器1Lからの
加算信号と乗算器2Jからの乗算信号とを加算し、その
加算信号を加算器3L(図示せず)に出力する。加算器
n−1Lは加算器n−2L(図示せず)からの加算信号
と乗算器n−1Jからの乗算信号とを加算し、その加算
信号を加算器nLに出力する。加算器nLは加算器n−
1Lからの加算信号と乗算器nJからの乗算信号とを加
算し、その加算信号をフィルタリング処理された信号Y
として出力する。
【0031】なお、図3のN次のディジタルフィルタの
nを2にすると、図1の2次のディジタルフィルタとな
る。また、図3のN次のディジタルフィルタのnを1と
することによって、加算器1Bからの出力は低域通過フ
ィルタによってフィルタリング処理されたものとなり、
乗算器2からの出力は高域通過フィルタによってフィル
タリング処理された信号となる。
【0032】図4は図1のディジタルフィルタを電子楽
器に適用した場合のハードブロックを示す図である。図
4の実施例において、電子楽器全体の制御は、図示して
いないマイクロプロセッサユニット(CPU)、プログ
ラムメモリ及びデータ及びワーキングメモリを含むマイ
クロコンピュータによって行われる。
【0033】鍵盤10は、発音すべき楽音の音高を選択
するための複数の鍵を備えており、各鍵に対応したキー
スイッチを有しており、また必要に応じて押圧力検出装
置等のタッチ検出手段を有している。鍵盤10は音楽演
奏のための基本的な操作子であり、これ以外の演奏操作
子でもよいことはいうまでもない。
【0034】押鍵検出回路11は、発生すべき楽音の音
高を指定する鍵盤10のそれぞれの鍵に対応して設けら
れた複数のキースイッチからなる回路を含んで構成され
ており、新たな鍵が押圧されたときは、その押圧された
鍵のキーコードKCを含むキーオンイベント情報KON
を出力し、鍵が新たに離鍵されたときはその離鍵された
鍵のキーコードKCを含むキーオフイベント情報KOF
Fを出力する。また、鍵押し下げ時の押鍵操作速度又は
押圧力等を判別してタッチデータを生成する処理を行
い、生成したタッチデータをキーベロシティデータKV
として出力する。
【0035】発音割当回路12は、押鍵検出回路11か
らのキーコードKC及びキーオンイベント情報KONの
入力に基づいて、そのキーコードKCの発音を行うチャ
ンネルを割り当てたり、キーコードKC及びキーオフイ
ベント情報KOFFの入力に基づいてそのキーコードK
Cの割り当てを解除したりして、その内容を楽音合成回
路12及びフィルタ制御回路18に出力する。なお、図
4においてデータ名の後に付与された『*』は、時分割
多重で動作しており、そのデータが複数チャンネルの中
の1つのデータであることを示す。
【0036】音色設定回路17は、楽音の音色を選択・
設定するための音色選択操作子(図示せず)の操作内容
に応じた音色データTCを楽音合成回路13及びフィル
タ制御回路18に出力する。従って、この実施例では、
音色設定回路17によって選択された音色データTCに
応じてフィルタ回路14の周波数特性等(特性変化周波
数及び減衰特性等)が設定される。
【0037】データ入力装置19は、フィルタ制御回路
18が出力するフィルタパラメータFPS*の値を適宜
変更するための各種操作子を含むものであり、そのフィ
ルタ制御情報FIをフィルタ制御回路18に出力する。
また、データ入力装置19から出力されるフィルタ制御
情報FIはシーケンサ20に取り込まれ、第16番目の
チャンネルにシーケンサデータとして記録される。
【0038】楽音合成回路13は、複数のチャンネルで
楽音信号の同時発生が可能であり、発音割当回路12か
ら与えられたキーオンイベント情報KON*、キーオフ
イベント情報KOFF*、キーコードKC*及びキーベ
ロシティKV*に基づいて、ディジタルの楽音波形信号
W*を発生し、フィルタ回路14に出力する。この楽音
合成回路13における楽音波形信号の発生方式はいかな
るものを用いてもよい。例えば、発生すべき楽音の音高
に対応して変化するアドレスデータに応じて波形メモリ
に記憶した楽音波形サンプル値データを順次読み出すメ
モリ読み出し方式、又は上記アドレスデータを位相角パ
ラメータデータとして所定の周波数変調演算を実行して
楽音波形サンプル値データを求めるFM方式、あるいは
上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所
定の振幅変調演算を実行して楽音波形サンプル値データ
を求めるAM方式等の公知の方式を適宜採用してもよ
い。
【0039】フィルタ制御回路18は、データ入力装置
19からのフィルタ制御情報FI、音色設定回路17か
らの音色データTC及び発音割当回路12からのキーオ
ンイベント情報KON*、キーオフイベント情報KOF
F*、キーコードKC*及びキーベロシティKV*を入
力し、これらのデータに基づいたフィルタパラメータF
PS*をフィルタ回路14に出力する。
【0040】フィルタ回路14は、フィルタ制御回路1
8からのフィルタパラメータFPS*に基づいて楽音合
成回路13からの楽音波形信号W*に所望のフィルタリ
ング処理を施し、フィルタリング処理された楽音波形信
号FW*をエンベロープ制御回路15に出力する。フィ
ルタ回路14は図1のディジタルフィルタの複数個の組
み合わせからなる。なお、このフィルタ回路14の詳細
構成については後述する。
【0041】エンベロープ制御回路15は、フィルタリ
ング処理された楽音波形信号FW*を入力し、その振幅
や音量等を制御し、制御された楽音波形信号EFW*を
サウンドシステム16に出力する。サウンドシステム1
6はエンベロープ制御回路15からの楽音波形信号EF
W*をアンプ及びスピーカを介して発音する。なお、サ
ウンドシステム16はこの他にも楽音発生時のボリュー
ムや定位等を制御したりする。
【0042】シーケンサ20は、鍵盤10から出力され
る演奏データ、すなわちキーオンイベント情報KON、
キーオフイベント情報KOFF、キーコードKC及びキ
ーベロシティKVをイベント方式で順次入力し、これら
のデータを第1番目から第15番目までの15個のチャ
ンネルに順次記録しておき、これらのデータを順次読出
しては発音割当回路12に出力する。また、シーケンサ
20は、データ入力装置19から出力されるフィルタ制
御情報FIを同じくイベント方式で順次入力し、このフ
ィルタ制御情報FIを第16番目の1個のチャンネルに
順次記録しておき、これらのデータを順次読出してはフ
ィルタ制御回路18に出力する。
【0043】図5は、シーケンサ20に記録されるデー
タの記録フォーマットを示す図である。記録フォーマッ
トは16個のチャンネルからなり、各チャンネルの先頭
にはヘッダが記録され、それに続いてイベント方式で1
5個のチャンネルにそれぞれ演奏データが記録され、1
個のチャンネルにフィルタ制御情報FIが記録されてい
る。
【0044】演奏データはキーオンイベント情報KON
とキーコードKCとキーベロシティデータKVとの組み
合わせからなるキーオンデータか、又はキーオフイベン
ト情報KOFFとキーコードデータとの組み合わせから
なるキーオフデータが、イベント間の時間間隔を示すデ
ュレーションデータDに続いて記録されている。フィル
タ制御情報FIはデュレーションデータD、イコライザ
ー指定番号iEQ、中心周波数データfc、ゲインデー
タG、共振の鋭さを示すデータ(レゾナンス係数)Q及
びモード番号Mの組み合わせがシーケンスの順番で記録
されている。
【0045】図6は図4のフィルタ回路14とフィルタ
制御回路18の詳細構成の一例を示す図である。図6の
フィルタ回路14は、図1のディジタルフィルタがn個
カスケードに接続されたものである。なお、各ディジタ
ルフィルタにはPEQ1、PEQ2、・・・、PEQn
の符号を付して示してある。図6のフィルタ制御回路1
8は、n個のディジタルフィルタPEQ1〜PEQnに
対応して設けられたn個のフィルタ制御部FC1〜FC
nで構成されている。
【0046】図6のフィルタ制御回路18は、データ入
力装置19又はシーケンサ20からのフィルタ制御情報
FI、音色設定回路17からの音色データTC及び発音
割当回路12からのキーコードKC*及びキーベロシテ
ィKV*を入力し、これらのデータに基づいたフィルタ
パラメータFPS1*〜FPSn*をフィルタ回路14
の各ディジタルフィルタPEQ1〜PEQnに出力す
る。フィルタ制御部FC1は、中心周波数データfc
1、ゲインデータG1、レゾナンス係数Q1及びモード
番号M1からなるフィルタパラメータをディジタルフィ
ルタPEQ1に出力する。フィルタ制御部FC2〜FC
nも同様に対応するディジタルフィルタPEQ2〜PE
Qnに対して中心周波数ディジタルfc2〜fcn、ゲ
インデータG2〜Gn、レゾナンス係数Q2〜Qn、モ
ード番号M2〜MnからなるフィルタパラメータFPS
*を出力する。
【0047】図6のディジタルフィルタPEQ1はフィ
ルタ制御部FC1から中心周波数データfc1、ゲイン
データG1、レゾナンス係数Q1及びモード番号M1を
入力し、それに基づいて楽音合成回路13からの楽音波
形信号W*にフィルタリング処理を施し、フィルタリン
グ処理された楽音波形信号を次段のディジタルフィルタ
PEQ2に出力する。以下、ディジタルフィルタPEQ
2〜PEQn−1はフィルタ制御部FC2〜FCn−1
から中心周波数データfc2〜fcn−1、ゲインデー
タG2〜Gn−1、レゾナンス係数Q2〜Qn−1及び
モード番号M2〜Mn−1を入力し、それに基づいて前
段のディジタルフィルタからの楽音波形信号にフィルタ
リング処理を施し、フィルタリング処理された楽音波形
信号をそれぞれの次段のディジタルフィルタに出力す
る。そして、最終段のディジタルフィルタPEQnはフ
ィルタ制御部FCnから中心周波数データfcn、ゲイ
ンデータGn、レゾナンス係数Qn及びモード番号Mn
を入力し、それに基づいて前段のディジタルフィルタP
EQn−1からの楽音波形信号にフィルタリング処理を
施し、フィルタリング処理された楽音波形信号FW*を
エンベロープ制御回路15に出力する。
【0048】自然楽器では音量の大きさに応じて振幅は
それほど大きく変化しないが、楽音スペクトルの構成す
なわち音量に対する倍音構成が非線型な挙動を示すこと
が知られている。例えば、図7に示すように通常の音量
(中音)の場合に比べて、音が強い(キーベロシティK
Vの値が大きい)場合には周波数f1,f2付近の倍音
が大きくなり、音が弱い(キーベロシティKVの値が小
さい)場合には逆に周波数f1,f2付近の倍音が小さ
くなったりする。
【0049】そこで、図6の各ディジタルフィルタPE
Q1〜PEQnに供給されるフィルタパラメータFPS
を制御して、フィルタ回路14全体の周波数特性を図8
のようにすることによって、上述のような自然楽器特有
の挙動を実現することができる。すなわち、音量(キー
ベロシティデータKVの値)が大きい強音の場合には周
波数f1及びf2付近で増幅度を局所的に増加し、逆に
音量が小さい弱音の場合には周波数f1及びf2付近で
増幅度を局所的に減少し、通常の音量(中音)の場合に
は周波数とは無関係にほぼ増幅度を一定とするように、
フィルタ制御回路18の各フィルタ制御部FC1〜FC
nが各ディジタルフィルタPEQ1〜PEQnに供給す
るフィルタパラメータFPSを制御する。一般には、フ
ィルタパラメータFPSのゲインデータG1〜Gnを可
変制御することによって、図8のようなフィルタ特性を
得ることができるが、この実施例ではさらに中心周波数
データfc1〜fcn、レゾナンス係数Q1〜Qnを可
変制御することによってよりリアルな表現力を得るよう
にしている。
【0050】図9は図4のフィルタ回路14とフィルタ
制御回路18の詳細構成の別の例を示す図である。図9
のフィルタ回路14は、ディジタルフィルタとエンベロ
ープ発生器と乗算器とからなるフィルタブロックがn個
並列に接続されたものである。ディジタルフィルタには
PEQ1、PEQ2、・・・、PEQnの符号が付して
ある。ディジタルフィルタPEQ1〜PEQnはそれぞ
れの周波数帯域に対応した通過域を有し、ディジタルフ
ィルタPEQ1が最も低周波側に通過域を有し、ディジ
タルフィルタPEQnが最も高周波側に通過域を有す
る。
【0051】エンベロープ発生器EG1〜EGnは、発
音割当回路12からのキーオンイベント情報KON*を
入力し、それに応じたエンベロープ波形を各乗算器に出
力する。各エンベロープ発生器には、ディジタルフィル
タPEQ1〜PEQnに対応してEG1、EG2、・・
・、EGnの符号が付してある。図10は、各エンベロ
ープ発生器EG1〜EGnのエンベロープ波形を示す図
である。各エンベロープ発生器EG1〜EGnのエンベ
ロープ波形は、図10に示すように低周波側に通過域を
有するディジタルフィルタPEQ1に比べて、高周波側
に通過域を有するディジタルフィルタPEQnの方が早
く減衰するようになっている。これは、自然楽器におい
て一般に高次倍音ほど早く減衰するという挙動に合わせ
たためである。
【0052】図9では、フィルタ制御回路18の詳細構
成については図示しないが、図6のものと同様にn個の
ディジタルフィルタPEQ1〜PEQnに対応して設け
られたn個のフィルタ制御部FC1〜FCnで構成され
ており、データ入力装置19又はシーケンサ20からの
フィルタ制御情報FI、音色設定回路17からの音色デ
ータTC及び発音割当回路12からのキーコードKC*
及びキーベロシティKV*を入力し、これらのデータに
基づいたフィルタパラメータFPS1*〜FPSn*を
フィルタ回路14の各々のディジタルフィルタPEQ1
〜PEQnに出力する。
【0053】図11は、高次倍音ほど早く減衰するとい
う自然楽器特有の挙動を実現するためのフィルタ回路1
4の別の構成例を示す図である。図11のフィルタ回路
14は、ディジタルフィルタとエンベロープ発生器とか
ら構成されるフィルタブロックがn個並列に接続された
ものである。ディジタルフィルタPEQ1〜PEQnは
図9のものと同様にそれぞれの周波数帯域毎の通過域を
有し、ディジタルフィルタPEQ1が最も低周波側に通
過域を有し、ディジタルフィルタPEQnが最も高周波
側に通過域を有する。
【0054】エンベロープ発生器EG1〜EGnは、発
音割当回路12からのキーオンイベント情報KON*を
入力し、それに応じたエンベロープ波形(図10のエン
ベロープ波形)をゲインデータG1〜Gnとして対応す
るディジタルフィルタPEQ1〜PEQnに出力する。
図11において、フィルタ制御回路18は、図6のもの
と同様にn個のディジタルフィルタPEQ1〜PEQn
に対応して設けられたn個のフィルタ制御部FC1〜F
Cnで構成されており、データ入力装置19又はシーケ
ンサ20からのフィルタ制御情報FI、音色設定回路1
7からの音色データTC及び発音割当回路12からのキ
ーコードKC*及びキーベロシティKV*を入力し、こ
れらのデータに基づいたフィルタパラメータFPS1*
〜FPSn*をフィルタ回路14の各々のディジタルフ
ィルタPEQ1〜PEQnに出力する。なお、図11に
おいて、フィルタ制御回路18から出力されるフィルタ
パラメータは中心周波数データfc、レゾナンス係数Q
及びモード番号Mである。このように、ディジタルフィ
ルタPEQ1〜PEQnのゲインデータG1〜Gnをエ
ンベロープ波形のような時変信号によって制御すること
によって、図9の場合と同様に高次倍音ほど早く減衰す
るという自然楽器特有の挙動を示すフィルタ回路14を
実現することができる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、この発明によればS−Z
変換によって得られたディジタルフィルタの閉ループ中
に遅延回路を挿入しなくてもディレイフリーループの存
在しないディジタルフィルタを形成することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るディジタルフィルタの構成を
示す図である。
【図2】 図1のディジタルフィルタの周波数特性を特
定するために各乗算器に設定される乗算係数の値を示す
フィルタ特性選択表を示す図である。
【図3】 2個の加算器と遅延回路とからなる単位フィ
ルタをn個直列接続したN次のディジタルフィルタの構
成を示す図である。
【図4】 図1のディジタルフィルタを電子楽器に適用
した場合のハードブロックを示す図である。
【図5】 図4のシーケンサに記録されているデータの
記録フォーマットを示す図である。
【図6】 図4のフィルタ回路とフィルタ制御回路の詳
細構成の一例を示す図である。
【図7】 自然楽器において音が強いとき及び弱いとき
の楽音スペクトルの変化のようすを示す図である。
【図8】 図7の楽音スペクトルを実現するためにフィ
ルタ回路に必要なフィルタ特性を示す図である。
【図9】 高次倍音ほど早く減衰するという自然楽器特
有の挙動を実現するためのフィルタ回路の構成例を示す
図である。
【図10】 図9のフィルタ回路を構成する各エンベロ
ープ発生器のエンベロープ波形を示す図である。
【図11】 高次倍音ほど早く減衰するという自然楽器
特有の挙動を実現するためのフィルタ回路の別の構成例
を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1L,2A,2B,2L,2E,2
G,2H…加算器、1D,1E,1J,2,2D,2
E,2F,2J,3,4,5…乗算器、1C,2C…遅
延器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 充美 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の信号に第1の係数を乗じたものを
    第2の信号として出力する第1の演算手段と、 前記第2の信号と第3の信号とを加算したものを第4の
    信号として出力する第2の演算手段と、 前記第3の信号と前記第4の信号とを加算したものを第
    5の信号として出力する第3の演算手段と、 前記第4の信号を1サンプリング周期だけ遅延させたも
    のを前記第3の信号として出力する遅延手段と、 前記第3の信号に第2の係数を乗じたものを第6の信号
    として出力する第4の演算手段と、 入力信号から前記第6の信号を減算したものを第7の信
    号として出力する第5の演算手段と、 前記第7の信号に前記第2の係数に応じた第3の係数を
    乗じたものを前記第1の信号として出力する第6の演算
    手段とから構成されることを特徴とするディジタルフィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 第1の信号に第1の係数を乗じたものを
    第2の信号として出力する第1の演算手段と、前記第2
    の信号と第3の信号とを加算したものを第4の信号とし
    て出力する第2の演算手段と、前記第3の信号と前記第
    4の信号とを加算したものを第5の信号として出力する
    第3の演算手段と、前記第4の信号を1サンプリング周
    期だけ遅延させたものを前記第3の信号として出力する
    遅延手段とからなる単位フィルタを、前記第5の信号が
    前記第1の信号となるように少なくとも2個直列に接続
    して構成されたディジタルフィルタであって、 第1段目の単位フィルタにおいては第1段目の単位フィ
    ルタの遅延手段から出力される第3の信号を第1段目の
    単位フィルタから出力されるフィードバック信号とし、
    第2段目以降の単位フィルタにおいては前段の単位フィ
    ルタから出力されるフィードバック信号に前記第1の係
    数を乗じたものと現段の単位フィルタの遅延手段から出
    力される第3の信号とを加算したものを現段の単位フィ
    ルタから出力されるフィードバック信号とし、それぞれ
    の単位フィルタから出力されるフィードバック信号にそ
    れぞれのフィードバック係数を乗じたものを出力する第
    4の演算手段と、 この第4の演算手段から出力されるフィードバック信号
    を全て加算し、それに係数2を乗じたものを第6の信号
    として出力する第5の演算手段と、 入力信号から前記第6の信号を減算したものを第7の信
    号として出力する第6の演算手段と、 前記第7の信号に前記第4の演算手段で乗じられたそれ
    ぞれのフィードバック係数に対応した係数を乗じたもの
    を前記第1段の単位フィルタの第1の信号として出力す
    る第7の演算手段と、 前記フィルタ群を構成する各単位フィルタの第1の信号
    及び第5の信号にそれぞれのフィードフォワード係数を
    乗じ、これらの信号を全て加算したものをフィルタリン
    グ信号として出力する第8の演算手段とから構成される
    ことを特徴するディジタルフィルタ。
JP5256311A 1993-09-21 1993-09-21 ディジタルフィルタ Pending JPH0795010A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5256311A JPH0795010A (ja) 1993-09-21 1993-09-21 ディジタルフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5256311A JPH0795010A (ja) 1993-09-21 1993-09-21 ディジタルフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0795010A true JPH0795010A (ja) 1995-04-07

Family

ID=17290907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5256311A Pending JPH0795010A (ja) 1993-09-21 1993-09-21 ディジタルフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0795010A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5910995A (en) * 1995-11-22 1999-06-08 Sony Corporation Of Japan DSP decoder for decoding analog SR encoded audio signals

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5910995A (en) * 1995-11-22 1999-06-08 Sony Corporation Of Japan DSP decoder for decoding analog SR encoded audio signals

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5270954A (en) Filter device and electronic musical instrument using the filter device
US4227435A (en) Electronic musical instrument
US4939973A (en) Tone signal generation device having waveshape changing means
JP2833403B2 (ja) 電子楽器の音源装置
JPS6140119B2 (ja)
US5245127A (en) Signal delay circuit, FIR filter and musical tone synthesizer employing the same
JPH05181485A (ja) 電子楽器
JP3037861B2 (ja) 波形形成装置およびこの出力波形を用いた電子楽器
US5691496A (en) Musical tone control apparatus for filter processing a musical tone waveform ONLY in a transient band between a pass-band and a stop-band
JPH0795010A (ja) ディジタルフィルタ
JP2759163B2 (ja) ペダル効果付加装置を内蔵した電子楽器
JPH0535277A (ja) 電子楽器
JP2663496B2 (ja) 楽音信号発生装置のための信号補間器
JP3538908B2 (ja) 電子楽器
JP2699570B2 (ja) 電子楽器
JPH0131638B2 (ja)
JP3525482B2 (ja) 音源装置
EP4216205A1 (en) Electronic musical instrument, method of generating musical sound, and program
JP2933186B2 (ja) 楽音合成装置
JP3430578B2 (ja) 電子楽器の音源装置
JP2778233B2 (ja) 楽音波形信号形成装置
JP3339082B2 (ja) 音源装置
JP2897680B2 (ja) 楽音信号発生装置
JP3217739B2 (ja) デジタルフィルタ装置及びデジタルフィルタ方法
JPS61110199A (ja) 楽音信号発生装置