JPH0794827B2 - スクリュ圧縮機 - Google Patents

スクリュ圧縮機

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JPH0794827B2
JPH0794827B2 JP10202890A JP10202890A JPH0794827B2 JP H0794827 B2 JPH0794827 B2 JP H0794827B2 JP 10202890 A JP10202890 A JP 10202890A JP 10202890 A JP10202890 A JP 10202890A JP H0794827 B2 JPH0794827 B2 JP H0794827B2
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pressure
rotor
discharge
control valve
valve
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晧 松井
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Kobe Steel Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、内部容積比可変のスクリュ圧縮機に関するも
のである。
(従来の技術) 従来、第12図に示すように内部容積比調節弁61を備えた
スクリュ圧縮機が公知である。
このスクリュ圧縮機は、一方に吸込口62を、他方に吐出
口63を有するケーシング64内に互いに噛み合う雌雄一対
のスクリュロータ65を回転可能に収納して形成してあ
る。また、ケーシング64には内部を仕切り壁66によりロ
ータ側の第1室67と反ロータ側の第2室68に分け、この
第1室67,第2室68に圧油用の流出入口69X,69Y,および7
0X,70Yを設けたシリンダ71が固定してあり、仕切り壁66
は両側のC形止め輪72により固定してある。
ロータ側の第1室67内には摺動可能に第1ピストン73
を、反ロータ側の第2室68内には摺動可能に第2ピスト
ン74を設け、第1ピストン73により第1ピストンロッド
75を介して上記内部容積比調節弁61を上記ロータ65とケ
ーシング64の内壁との間で進退させる一方、第2ピスト
ン74により第2ピストンロッド76を介してスライド弁77
を上記ロータ65とケーシング64の内壁との間で進退させ
るように形成してある。また、内部容積比調節弁61の後
退位置規制はケーシング64の一部をなすストッパ78によ
り行っている。さらに、第2ピストンロッド76は第1ピ
ストンロッド75内を相対移動可能に貫通しており、スラ
イド弁77は内部容積比調節弁61の作動空間、或はその延
長空間内を作動し、スライド弁77の後退位置規制を内部
容積比調節弁61により行うように形成してある。
ところで、スクリュ圧縮機においては、Vi=V1/V0(Vi;
内部容積比,V1;閉込み後の理論最大容積,V0;吐出直前の
理論最小容積)であり、比熱比をκ,外部圧縮比をPd/P
s(Pd;吐出圧力,Ps;吸込圧力)と表わすと、 Viκ=Pd/Ps となる場合に、断熱効率が最大となる。
そこで、この最大効率の状態にするために、圧縮機の内
部容積比Viを大きくする場合には、第12図において内部
容積比調節弁61を右進させ、逆に内部容積比Viを小さく
する場合には内部容積比調節弁61を左進させて内部容積
比Viの制御が行われている。またこれとは別に、全負荷
運転する場合には第12図に示すようにスライド弁77を内
部容積比調節弁61に当接させて、両弁間に隙間を設けな
い状態にして吸込口62より吸込んだガスを全量圧縮して
吐出口63へ吐出する一方、部分負荷或は無負荷運転の場
合には第12図においてスライド弁77だけを右進させて、
これと内部容積比調節弁61との間に隙間を生じさせて、
吸込口62より吸込んだガスを一部、或は全量圧縮するこ
となく上記隙間より吸込口62に逃がせるようになってい
る。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の装置の内部容積比調節弁61はスライド弁方式
のものであり、一定の範囲内においては内部容積比Viを
無段階に調節することができるという長所を有してい
る。
一方、この装置では容量調節用スライド弁77と内部容積
比調節弁61は同一摺動空間内に配置してあり、容量調節
時にはスライド弁77のみを移動させれば良いが、内部容
積比Viを変化させたい時は、スライド弁77と内部容積比
調節弁61とを連動させる必要がある。即ち、この場合に
は第1ピストン73,第2ピストン74のおのおのの両側の
空間への油圧流路を開閉して各弁を操作しなければなら
ない。
このようにスライド弁方式の内部容積比調節弁61はスラ
イド弁77とともに設けられることが多く、構造が極めて
複雑になり、作動が不安定である。また、スクリュロー
タ65と弁の接触,固着,ピストン摺動部のトラブル,シ
リンダ封入油による液圧縮に起因するケーシング破壊
等、装置の故障が生じ易い。
また、内部容積比調節弁61の制御が難しく、マニュアル
操作で運転条件の圧力比に略見合った内部容積比Viにそ
の都度調節しているのが現状である。
さらに、この装置では内部容積比Viを大きくした場合、
内部容積比調節弁61が吐出側に移動しているため、無負
荷運転時でもスクリュロータにより吸込んだガスの圧縮
を完全になくすことはできず、このため動力損失が発生
する等、種々の問題がある。
本発明は、上記従来の問題点を課題としてなされたもの
で、単純な構造で、故障原因も最小限に止め、かつ取扱
いが容易な内部容積比調節弁を備えたスクリュ圧縮機を
提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために、第1発明は、一方が吸込口
に、他方が吐出口に開口し、互いに噛み合う雌雄一対の
スクリュロータを回転可能に収納したロータ室を有する
ケーシングの上記吐出側の内壁面の一部を形成する弁で
あって、上記スクリュロータの側面に対向した端面を備
え、上記スクリュロータの最外周面に向かう方向、或は
これから遠ざかる方向に進退可能に設けられ、上記端面
がロータ側移動限界にある場合には、ロータ室の円筒状
の壁面の一部となり、上記ロータ室から上記吐出口への
開口部の輪郭で定まる吐出ポートを最小面積とし、反ロ
ータ側移動限界にある場合には、上記端面と上記スクリ
ュロータとの間に上記吐出口の一部となる空間を生じさ
せ、上記吐出ポートの面積を大きくする一方、上記端面
とは反対側の端面が、上記吐出口の圧力を受ける箇所に
連通した圧力室に面した昇降式の内部容積比調節弁と、
両側の差圧により作動する部材により隔離された2空間
を備えるとともに、その内の一方の空間が上記吐出口
に、他方の空間が上記ロータ室内の吐出直前空間に連通
し、上記吐出直前空間の圧力である吐出直前圧力が上記
吐出口の圧力よりも高い場合には、この両圧力の差圧に
より上記部材が一方の方向に作動することにより上記圧
力室を上記吸込口に連通させる流路を開き、上記吐出直
前圧力が上記吐出口の圧力よりも高くない場合には、上
記部材が上記一方の方向とは逆の方向に作動することに
より上記流路を閉じる制御弁とを設けて形成した。
また、第2発明は、上記内部容積比調節弁の弁部が、断
面V字形で、このV字の各辺を上記ロータの歯先線に沿
わせて形成したもので、上記内部容積比調節弁のピスト
ン部が上記弁部より外側に張出した反吐出側の断面輪郭
部を円弧形状に形成した。
(作用) 上記第1発明のように構成することにより、内部容積比
調節弁は外部からの操作なしで装置の運転中の吐出圧
力,吐出直前圧力に適合した内部容積比Viの状態を作り
出すように自動的に作動し、また昇降式の内部容積比調
節弁を用いているため、弁座で弁のロータ側への移動限
を確実かつ容易に定めることができ、弁とロータとの接
触,摩耗等の不具合はなくなる。
さらに、ロータの歯溝圧力が異常に高くなると内部容積
比調節弁は自動的かつ速やかに全開となるので、例えば
ロータ室内に液体(例:冷媒液,油等)が入り液圧縮が
発生した場合の異常圧による装置の損傷事故の発生を未
然に回避できるようになる。
また、第2発明のように構成することにより、必要とす
る弁座面積の確保が容易となり、かつ内部容積比調節弁
およびその摺動空間の高精度の加工が容易になる。
(実施例) 次に、本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。
第1図は第1発明の第1実施例に係るスクリュ圧縮機を
示し、一方が吸込口1に、他方が吐出ポート2を介して
吐出口3に開口し、互いに噛み合う雌雄一対のスクリュ
ロータ4を回転可能に収納したロータ室5を有するケー
シング6の吐出側に昇降式の内部容積比調節弁7が設け
てある。この内部容積比調節弁7は、弁部8とピストン
部9とからなり、ばね10により常時ロータ側に付勢さ
れ、ロータ側への移動時にはピストン部9がケーシング
側の弁座11に当接するようになっている。そして、内部
容積比調節弁7のロータ側の端面である一端12は、ロー
タ側移動限界にあるときにはロータ室5の円筒状の内壁
面の一部となり、反ロータ側移動限界にあるときには吐
出口3の壁面の一部となり、一端12とスクリュロータと
の間に吐出口3の一部となる空間を生じる。吐出口3に
続く吐出流路13には、例えば図示しない油分離回収器が
設けてあり、ここで吐出ガスは油分を除かれて送り出さ
れ、除かれた油は油分離回収器下部の油溜め部に一旦溜
められるようになっている。さらに、この油溜め部には
図示しない油クーラ,油フィルタ等を経てロータ室5、
軸受,軸封部等の給油箇所に至る油流路が接続してあ
る。
内部容積比調節弁7の反ロータ側の圧力室14には流路1
5,流路16が連通させてあり、流路15は内部が吐出圧力Pd
を受け、これに略等しい上記油分離回収器の油溜め部に
連通するとともに、中間部に急激な油の流動による内部
容積比調節弁7のハンチングを防止するための絞り弁17
を備えており、流路16は制御弁21を介して吸込口1に連
通している。
この制御弁21はダイヤフラム22により仕切られた第1室
23と第2室24とを備え、第1室23は流路25によりX点に
てロータ室5内の吐出直前空間に連通し、第2室24は流
路26により吐出流路13に連通している。また、ダイヤフ
ラム22には流路16を開閉する弁体27を作動させる弁棒28
を第2室24と流路16との間の仕切り壁を貫いて取付ける
とともに、第2室24内に設けたばね29によりダイヤフラ
ム22,弁棒28を介して弁体27を流路16が閉じる側へ常時
付勢するように形成してある。
次に、上記装置の作動について説明する。
吸込圧力Psのガスが回転中のスクリュロータ4により吸
込口1から吸込まれ、圧縮されて、吐出ポート2を経
て、吐出口3より吐出圧力Pdの吐出流路13に吐出され
る。また、吐出直前空間に連通する第1室23は吐出直前
圧力P0,吐出流路13に連通する第2室24は吐出圧力Pdと
なる。
そして、P0>Pd(厳密には、ばね29による圧力をαとす
るとP0>Pd+α)の場合には、ダイヤフラム22とともに
弁棒28が流路16側に移動させられて、弁体27が流路16を
開く。このため、流路15により圧力室14に導かれた吐出
圧力Pdに略等しい圧力の油は吸込圧力Psに略等しい流路
16の方へ抜けて、圧力室14内の圧力は吸込圧力Psに近づ
く。
一方、内部容積比調節弁7の一端12には、ロータ側移動
限にある時には吐出圧力Pdに略等しい圧力が作用してい
るから、内部容積比調節弁7は反ロータ側へ移動させら
れる。この結果、吐出ポート2の吸込側は、第1図に示
すように内部容積比調節弁7のロータ側移動限にある時
にはAの位置であったのがBの位置となり、内部容積比
ViはAの位置でVi最大(以下、Vimaxという)であった
のが、Vi最小(以下、Viminという)となる。
これに対して、上記以外の場合には、内部容積比調節弁
7は流路16を閉じ、圧力室14内の圧力は吐出圧力Pdに略
等しく、内部容積比調節弁7はロータ側移動限の位置に
保たれ、上述したように吐出ポート2の吸込側の位置は
Aとなり、Vimaxの状態(第1図に示す状態)となる。
そして、このように吐出圧力Pdが変化する場合、無駄な
動力を消費しないように吐出圧力Pdに合わせて自動的に
内部容積比Viの調節が行なわれる。
なお、吸込圧力Psが一定の場合は吐出圧力Pdの変化は、
そのまま外部圧縮比の変化を意味している。第2図は、
この外部圧縮比と断熱効率との関係を示し、実線による
曲線Iが本装置の場合、二転鎖線による曲線II,IIIが、
内部容積比Vi固定の装置で、Vimax,Viminの場合で、本
装置では断熱効率の高い状態が維持されることを示して
いる。
また、このように昇降式の内部容積比調節弁7を用い
て、弁座11によりロータ側への移動限を確実に定めるこ
とにより、内部容積比調節弁7とスクリュロータ4との
接触,摩耗等の不具合も生じないようになっている。
さらに、万一ロータ室5内に液体(例:冷媒液,油等)
が入って、液圧縮が発生し、歯溝空間の圧力が異常に高
くなっても、制御弁21が自動的に作動して、吐出ポート
2をB点まで拡げて歯溝空間を速やかに吐出口3側に開
口させて、液圧縮によるスクリュロータの破損事故を防
ぐようになっている。
ここで、内部容積比調節弁7の大きさはVimax,Viminの
値により定まる。また、流路25のロータ側の位置Xは、
第1図に示すように最も吐出側の歯先線(本明細書で
は、スクリュロータの歯の頂部に沿った螺線を意味す
る)が点Bに達した場合において、スクリュロータ4の
歯先部の一歯分の軸方向の間隔をLとすると、B点より
距離(L−β)(βの意味については後述する)だけ吸
込側の位置が望ましい。吐出直前空間が吐出ポート2に
開口した瞬間に吐出圧力Pdに等しくなろうとする現象が
表われる理想的な条件下では上記βは零となる。しかし
ながら、現実には流動抵抗があり、吐出直前空間が吐出
ポート2に開口した後、さらに吐出側へ少し進んだ時点
で上記現象が表われ始める。上記βはこの少し進んだ距
離を意味している。
さらに、ばね10を設けてあるのは現実にはVimaxの状態
において吐出直前圧力P0は吐出圧力Pdより若干高くなる
ので、この高くなる圧力を打消すためである。
第3図〜第5図は第1発明の第2実施例に係るスクリュ
圧縮機を示し、第1図に示す装置とは、制御弁21に代え
て制御弁21aを設けた点およびこれに接続した流路構成
を除き、他は実質的に同一であり、互いに対応する部分
には同一番号を付して説明を省略する。
本実施例における制御弁21aは対向する2面にa,b,cポー
ト、およびこの2面に直交する2面に第1駆動流体流出
入口y,第2駆動流体流出入口zを有するケーシング31内
に摺動可能にスプール32を嵌挿して形成してある。この
スプール32には常時cポートに連通する長溝33およびこ
の長溝33を介して、aポート或はbポートをcポートに
連通させる貫通孔34が形成してあり、aポートは流路35
により吸込口1に、bポートは流路36により上記油分離
回収器に、cポートは流路37により圧力室14に連通する
とともに、第1駆動流体流出入口yは流路38により吐出
流路13に、第2駆動流体流出入口zは流路39により吐出
直前空間に連通している。
そして、P0>Pd(厳密には、P0>Pd+α)の場合には、
第4図に示すように、スプール32は同図中左側に移動さ
せられて、aポートとcポートとが連通状態となり、圧
力室14内の圧力は略吸込圧力Psに略等しくなる。このた
め、第1実施例の場合と同様に内部容積比調節弁7が反
ロータ側に移動して、装置はViminの状態となる。
これに対して、P0<Pdの場合には第5図に示すように、
スプール32は同図中右側に移動させられて、bポートと
cポートとが連通状態となり、圧力室14内の圧力は吐出
圧力Pdに略等しくなる。
このため、第1実施例の場合と同様に内部容積比調節弁
7がロータ側に移動して装置はVimaxの状態(第3図に
示す状態)となる。
なお、本実施例においてはP0=Pdの場合はスプール32は
移動しない故に、装置は直前の状態をそのまま維持する
ことになる。
第6図,第7図は第1発明の第3実施例に係るスクリュ
圧縮機を示し、第1図に示す装置とは新たに第1容量制
御弁41,第2容量制御弁42を設けた点およびそれらに接
続した流路構成を除き、他は実質的に同一であり、互い
に対応する部分には同一番号を付して説明を省略する。
なお、第6図に示すように、スペース上互いに干渉する
ことがないように内部容積比調節弁7,第1容量制御弁4
1,第2容量制御弁42をそれぞれ適宜位置をずらして設け
てあるため、正確には第6図中のVII−VII線断面におい
て各弁のロータ側の面は、それぞれ異なった高さで表わ
れるが、図面が複雑になる故、第7図では便宜上上記各
面の高さを同一とし、簡単化して表わしてある。
本実施例は一例として、3段階に容量制御可能としたも
ので、第1容量制御弁41,第2容量制御弁42はそれぞれ
一端がロータ室5に開口した貫通孔内に摺動可能に設け
てあり、その反ロータ側の圧力室43,44は流路45,46を介
して第1三方切換47のhポート,第2三方切換弁48のe
ポートに連通している。また、第1三方切換弁47のgポ
ート,第2三方切換弁48のdポートは流路49を介して吐
出圧力Pdに略等しい上記油回収分離の油溜め部に連通
し、第1三方切換弁47のiポート,第2三方切換弁48の
fポートは流路50を介して吸込口1に連通している。
また、上記各貫通孔の下方側部に開口したバイパス流路
51を設けて各貫通孔同志を連通させるとともに、第1容
量制御弁41の貫通孔を吸込口1に連通させてある。
そして、例えば吐出流路13に圧力スイッチ或は温度スイ
ッチ等の検出器を設けて、これによる検出信号に基づい
て第1三方切換弁47,第2三方切換弁48を制御するよう
になっている。
さらに具体的に、全負荷状態(100%)に対して例えば6
5%,30%負荷の状態で運転させるようになっている場合
について説明する。
全負荷運転状態のときは、第1三方切換弁47のg,hポー
ト,第2三方切換弁48のd,eポートが連通して、圧力室4
3,44内の圧力は吐出圧力Pdに略等しく、対応するロータ
室内の歯溝空間の圧力より高く、第1容量制御弁41,第
2容量制御弁42はロータ側移動端まで押しやられた状態
にあって、ロータ室5とバイパス流路51とは遮断されて
いる。
このため、スクリュロータ4により吸込口1から吸込ま
れたガスはバイパスさせられることなく全量圧縮され
る。
そこで、本実施例ではこの場合にはX点での歯溝空間の
圧力が吐出圧力Pdより若干高くなるようにスクリュロー
タ4の寸法等を定めて、内部容積比調節弁7が反ロータ
側に移動してViminの状態になるように形成してある。
第8図は、この全負荷運転状態における指圧線図で、過
圧縮を殆ど行っていないことを示している。
ついで、65%負荷の運転状態のときは、第1三方切換弁
47のh,iポート,第2三方切換弁48のd,eポートが連通し
て、圧力室43内の圧力は吸込圧力Psに略等しく、第1容
量制御弁41は反ロータ側に移動し、圧力室44内の圧力は
吐出圧力Pdに略等しく、対応するロータ室内歯溝空間内
の圧力に略等しく、ロータ側に移動した状態となる。こ
の結果、第2容量制御弁41の位置にて吸込ガスはバイパ
ス流路51から吸込口1に戻され、65%の部分負荷運転が
行われる。
また、この場合にはX点での歯溝空間の圧力は吐出圧力
Pdより低く、内部容積比調節弁7はロータ側に移動して
Vimaxの状態にあって吸込ガスは吐出圧力Pdに近い圧力
まで圧縮されて吐出される。
第9図は、この65%負荷の運転状態における指圧線図
で、殆ど過圧縮は行われないことを示している。
さらに、35%負荷の状態のときは、第1三方切換弁47の
h,iポート,第2三方切換弁48のe,fポートが連通して、
圧力室43,44内の圧力は吸込圧力Psに略等しくなり、第
1容量制御弁41,第2容量制御弁42とも反ロータ側に移
動して、それぞれの位置から吸込ガスはバイパス流路51
を介して吸込口1に戻され、35%負荷の運転が行われ
る。
また、この場合には内部容積比調節弁7はロータ側に移
動してVimaxの状態にあって、吸込ガスは吐出圧力Pdの
近くまで圧縮された後、吐出される。
第10図は、この35%負荷の運転状態における指圧線図
で、圧縮ガスが吐出圧力Pdより低い圧力で吐出される破
線で示す場合に比べて本装置の方がハッチングを付した
IV部だけ動力低減になることを示している。
即ち、この種の装置では100%負荷の運転状態を基準に
して形成されるのが一般的であるため、内部容積比調節
弁7を備えていない装置では、第7図を基にして説明す
ると、第1容量制御弁41,第2容量制御弁42がロータ側
に移動した100%負荷の運転状態で、吐出ポート2の吸
込側端部のB点より若干吸込側に寄った位置での吐出直
前圧力P0が吐出圧力Pdに略等しくなるようになる。この
ため、例えば第1容量制御弁41,第2容量制御弁42が反
ロータ側に移動した35%負荷の運転状態では、第10図中
破線で示すように吸込ガスは殆ど圧縮されず、この吐出
直前圧力P0がかなり低い状態で吐出されることになり、
動力消費が増大する。
これに対して、本実施例では第1容量制御弁41,第2容
量制御弁42とともに内部容積比調節弁7を併用している
ため、部分負荷運転時にはVimaxの状態となり、吸込ガ
スを吐出圧力Pdに略等しい圧力まで圧縮後、吐出するよ
うになり、部分負荷運転時の高効率運転が可能となる。
また、第1容量制御弁41は内部容積比調節弁7がなけれ
ば運転圧力条件によってはこの第1容量制御弁41に対応
する位置の歯溝空間の圧力が吐出圧力Pdを上まわり、第
1容量制御弁41のハンチング現象が発生する可能性があ
るが、本実施例の場合は内部容積比調節弁7を併用して
いるため、斯る現象の発生は防止される。
これに対して、内部容積比調節弁7を備えていない装置
を上記の場合とは異なり、部分負荷運転時の状態を基準
にして形成すると、全負荷運転時に過圧縮となり、無駄
な動力消費が生じることになる。
なお、上記実施例では内部容積比調節弁7を制御するた
め制御弁21を用いたものを示したが、これに代えて第3
図に示す流路構成のもとで制御弁21aを用いてもよい。
また、上記各実施例において吐出圧力Pdに略等しい弁作
動用の流路は油分離回収器に代えて吐出口3或は吐出流
路13に連通させてもよく、吸込圧力Psに略等しい弁作動
用流路は吸込口1に代えて、ガス閉込み直後即ち圧縮を
開始した直後の歯溝部に連通させてもよい。
さらに、上記各実施例では油入りスクリュ圧縮機の場合
について説明したが、本発明はこれに限ることなくオイ
ルフリー式スクリュ圧縮機にも適用できるものである。
但し、この場合には吐出圧力Pdに略等しい弁作動用の流
路は吐出口3或は吐出流路13に連通させることになる。
次に、第2発明について説明する。
上記第1発明の説明は第2発明についてもそのまま当て
はまる。したがって、第1図〜第10図も第2発明を示す
ものとして流用する。
さらに、第11図に示すように第2発明に係るスクリュ圧
縮機では、内部容積比調節弁7の弁部8は断面V字形
で、このV字形の各辺52a,52bをスクリュロータ4の歯
先線に沿わせて形成してあり、ピストン部9は弁部8よ
り外側に張出した吸込側の断面輪郭部53を円弧形状に形
成してある。
ここで、ピストン部9は圧油または圧縮ガスによる圧力
が作用する受圧部であるので、高い寸法精度が要求され
る。したがって、円筒状のピストンが考えられるが、構
造上、スペース上、作用上好ましい形状のものとは言え
ない。これに対して、本発明ではピストン部9を輪郭円
弧状にしてあるので、高精度の加工が可能になるととも
に、内部容積比調節弁7が下降した状態でVimin時の吐
出ポート2まで完全に塞ぎ、かつ弁座11の面積も十分に
確保でき、ピストンの機能を問題なく果たせるようにな
っている。
なお、本実施例では上記βとして、上記境界線上におけ
るロータ軸方向の内部容積比調節弁7の厚みをM(第11
図参照)とした場合、(1/2)Mにしてある。
(発明の効果) 以上の説明より明らかなように、第1発明によれば、一
方が吸込口に、他方が吐出口に開口し、互いに噛み合う
雌雄一対のスクリュロータを回転可能に収納したロータ
室を有するケーシングの上記吐出側の内壁面の一部を形
成する弁であって、上記スクリュロータの側面に対向し
た端面を備え、上記スクリュロータの最外周面に向かう
方向、或はこれから遠ざかる方向に進退可能に設けら
れ、上記端面がロータ側移動限界にある場合には、ロー
タ室の円筒状の壁面の一部となり、上記ロータ室から上
記吐出口への開口部の輪郭で定まる吐出ポートを最小面
積とし、反ロータ側移動限界にある場合には、上記端面
と上記スクリュロータとの間に上記吐出口の一部となる
空間を生じさせ、上記吐出ポートの面積を大きくする一
方、上記端面とは反対側の端面が、上記吐出口の圧力を
受ける箇所に連通した圧力室に面した昇降式の内部容積
比調節弁と、両側の差圧により作動する部材により隔離
された2空間を備えるとともに、その内の一方の空間が
上記吐出口に、他方の空間が上記ロータ室内の吐出直前
空間に連通し、上記吐出直前空間の圧力である吐出直前
圧力が上記吐出口の圧力よりも高い場合には、この両圧
力の差圧により上記部材が一方の方向に作動することに
より上記圧力室を上記吸込口に連通させる流路を開き、
上記吐出直前圧力が上記吐出口の圧力よりも高くない場
合には、上記部材が上記一方の方向とは逆の方向に作動
することにより上記流路を閉じる制御弁とを設けて形成
してある。
このため、内部容積比調節弁は外部からの操作なしで装
置の運転中の吐出圧力,吐出直前圧力に適合した内部容
積比Viの状態を作り出すようになり、簡単な構成で内部
容積比Vi調節の自動制御が可能となり、また昇降式の内
部容積比調節弁を用いているため、弁座で弁のロータ側
への移動限を確実かつ容易に定めることができ、弁とロ
ータとの接触,摩耗等の不具合も解消できる。
さらに、ロータの歯溝圧が異常に高くなると内部容積比
調節弁は自動的かつ速やかに全開となるので、例えばロ
ータ室内に液体油が入り液圧縮が発生した場合の異常圧
による装置の損傷事故もなくせる。なお、現状の圧縮機
の損傷の80〜90%は液圧縮が原因になっている。
また、第2発明によれば、上記内部容積比調節弁の弁部
が、断面V字形で、このV字の各辺を上記ロータの歯先
線に沿わせて形成したもので、上記内部容積比調節弁の
ピストン部が上記弁部より外側に張出した反吐出側の断
面輪郭部を円弧形状に形成してある。
このため、必要とする弁座面積の確保が容易となり、か
つ内部容積比調節弁およびその摺動空間の加工精度の向
上も可能となり、装置の性能を改善することができる等
の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1発明の第1実施例,第2発明に係るスクリ
ュ圧縮機の断面図、第2図は外部圧縮比と断熱効率との
関係を示す図、第3図は第1発明の第2実施例,第2発
明に係るスクリュ圧縮機の断面図、第4図,第5図は第
3図に示す装置の制御弁の断面図、第6図は第1発明の
第3実施例,第2発明に係るスクリュ圧縮機の断面図、
第7図は第6図のVII−VII線断面図、第8図〜第10図
は、第6図,第7図に示す装置における歯溝部のガス吸
込容量と圧力との関係を示す指圧線図、第11図は第2発
明に係る装置の断面図、第12図は従来のスクリュ圧縮機
の断面図である。 1……吸込口、3……吐出口、4……スクリュロータ、
5……ロータ室、6……ケーシング、7……内部容積比
調節弁、8……弁部、9……ピストン部、21,21a……制
御弁。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方が吸込口に、他方が吐出口に開口し、
    互いに噛み合う雌雄一対のスクリュロータを回転可能に
    収納したロータ室を有するケーシングの上記吐出側の内
    壁面の一部を形成する弁であって、上記スクリュロータ
    の側面に対向した端面を備え、上記スクリュロータの最
    外周面に向かう方向、或はこれから遠ざかる方向に進退
    可能に設けられ、上記端面がロータ側移動限界にある場
    合には、ロータ室の円筒状の壁面の一部となり、上記ロ
    ータ室から上記吐出口への開口部の輪郭で定まる吐出ポ
    ートを最小面積とし、反ロータ側移動限界にある場合に
    は、上記端面と上記スクリュロータとの間に上記吐出口
    の一部となる空間を生じさせ、上記吐出ポートの面積を
    大きくする一方、上記端面とは反対側の端面が、上記吐
    出口の圧力を受ける箇所に連通した圧力室に面した昇降
    式の内部容積比調節弁と、両側の差圧により作動する部
    材により隔離された2空間を備えるとともに、その内の
    一方の空間が上記吐出口に、他方の空間が上記ロータ室
    内の吐出直前空間に連通し、上記吐出直前空間の圧力で
    ある吐出直前圧力が上記吐出口の圧力よりも高い場合に
    は、この両圧力の差圧により上記部材が一方の方向に作
    動することにより上記圧力室を上記吸込口に連通させる
    流路を開き、上記吐出直前圧力が上記吐出口の圧力より
    も高くない場合には、上記部材が上記一方の方向とは逆
    の方向に作動することにより上記流路を閉じる制御弁と
    を設けたことを特徴とするスクリュ圧縮機。
  2. 【請求項2】上記内部容積比調節弁の弁部が、断面V字
    形で、このV字の各辺を上記ロータの歯先線に沿わせて
    形成したもので、上記内部容積比調節弁のピストン部が
    上記弁部より外側に張出した反吐出側の断面輪郭部を円
    弧形状に形成したものであることを特徴とする請求項1
    に記載のスクリュ圧縮機。
JP10202890A 1990-04-18 1990-04-18 スクリュ圧縮機 Expired - Lifetime JPH0794827B2 (ja)

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