JPH0794816B2 - アキシャルピストンポンプのストローク調整装置 - Google Patents

アキシャルピストンポンプのストローク調整装置

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JPH0794816B2
JPH0794816B2 JP1112954A JP11295489A JPH0794816B2 JP H0794816 B2 JPH0794816 B2 JP H0794816B2 JP 1112954 A JP1112954 A JP 1112954A JP 11295489 A JP11295489 A JP 11295489A JP H0794816 B2 JPH0794816 B2 JP H0794816B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、アキシャルピストンポンプのストローク調
整装置に係り、特に斜板構成体を駆動軸軸線に対し傾斜
平面で第1斜板と第2斜板に2分割し、この一対の斜板
を駆動軸軸線方向に移動する軸推力で第2斜板を第1斜
板に対し相対回転させることにより、プランジャのスト
ロークを調節するアキシャルピストンポンプのストロー
ク調整装置に関する。
[従来の技術] 一般に、この種のアキシャルピストンポンプは、第4図
および第5図に示すような、斜軸式アキシャルピストン
ポンプおよび回転式アキシャルピストンポンプが知られ
ている。
すなわち、前者は、駆動軸10に対し内部に複数のピスト
ン12を配設したシリンダブロック14を所定の角度(25
゜)傾斜させて設け、シリンダブロック14内に摺動可能
に挿嵌されたピストン12のロッド16側は、前記駆動軸軸
線と直交する固定側の平面内で係合し、駆動軸の回転に
よりシリンダブロック14を旋回させ、ピストン12を進退
移動させることにより送液を行うよう構成したものであ
り、この場合、ピストン12は運転中にストロークの調整
が可能な構成となっている。
なお、参照符号18は駆動軸の回転により送液を行う制御
用歯車ポンプである。
また、後者は、シリンダブロック22内に摺動可能に挿嵌
されているピストン24が、その一端においてピストンシ
ュー28を介して駆動軸20の端部に設けられているカムプ
レート30と係合し、前記駆動軸20の回転によりピストン
24を進退移動させて送液を行うよう構成されたものであ
り、この場合、ピストン全体は小形に構成される。
なお、参照符号32は前記駆動軸20に形成されたスラスト
プレートであり、34はシリンダブロック22内に前記ピス
トン24と対向して挿着されたバランスシューであり、36
は吐出ポートに設けられたチェックバルブである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前者の斜軸式アキシャルピストンポンプ
は、シリンダブロック全体が旋回するため、その構造が
大形化する難点を有する。また、後者の回転斜板式アキ
シャルピストンポンプは、ピストンのストロークの調節
は運転中には行うことができない難点を有する。
そこで、本発明の目的は、斜板構成体を駆動軸軸線に対
し傾斜平面で第1斜板と第2斜板に2分割し、この一対
の斜板を駆動軸軸線方向に移動する軸推力で第2斜板を
第1斜板に対し相対回転させるよう構成することによ
り、ポンプ運転中においても、プランジャのストローク
を調節することができ、コンパクトに構成することがで
きるアキシャルピストンポンプのストローク調整装置を
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため、本発明に係るアキシャルピ
ストンポンプのストローク調整装置は、駆動軸と一体的
に設けられた斜板構成体の回転により円周方向に配設さ
れた複数のプランジャを順次軸方向に進退移動させて流
体の送液を行うアキシャルピストンポンプにおいて、 斜板構成体)軸線に対し所定の角度で横切る傾斜平面で
分割してなる回転可能な第1斜板と、一端にこの第1斜
板の傾斜平面と相互に接触する傾斜平面を有すると共
に、この傾斜平面の反対平面において円周方向に離間配
置されてそれぞれ固定されたシリンダブロック内に挿通
した複数のプランジャと係合する係合シューを摺動可能
に内挿し、前記第1斜板と一体的に回転し得る第2斜板
とから構成し、 前記第1斜板の外周部に対しキー結合すると共に、前記
第2斜板の外周部に対し駆動軸の軸方向の直進動作で回
転し得るように螺合して、前記第1斜板からの回転動力
を第2斜板へ伝達する動力伝達部材としてのストローク
調節リングを設け、 前記ストローク調節リングを前記駆動軸の軸線方向に移
動する調節部材を設けて、前記第1斜板の移動に対し第
2斜板を回転させながら移動させて相互に接触する傾斜
平面の傾斜角度位置を変更してプランジャのストローク
調節を行うように構成することを特徴とする。
この場合、前記ストローク調節リングは、その内部に前
記第1斜板と第2斜板とを内挿すべく形成された斜軸を
中心とする傾斜穴と、この傾斜穴内に前記第1斜板を前
記斜軸の軸線方向に摺動可能にかつ回転方向に係合する
係合部と、前記第2斜板の外周に形成した多条螺子と螺
合する多条螺子溝とを設け、さらに外周に前記駆動軸の
軸線と直交する平面上に縁部を形成した構成とすること
ができる。
また、前記調節部材は、その内周に前記ストローク調節
リングを回転可能に案内するため、前記ストローク調節
リングの前記縁部(フランジ)を駆動軸の軸方向に移動
し得るように保持するスライドベアリングを設けた構成
とすることができる。
[作用] 本発明に係るアキシャルピストンポンプのストローク調
整装置は、斜板構成体を駆動軸軸線に対し傾斜平面で第
1斜板と第2斜板に2分割し、この一対の斜板を駆動軸
軸線方向に移動する軸推力で第2斜板を第1斜板に対し
相対回転させるよう構成することにより、ポンプ運転中
でもプランジャのストローク調節を容易に達成すること
ができる。
[実施例] 次に、本発明に係るアキシャルピストンポンプのストロ
ーク調整装置の実施例につき添付図面を参照しながら以
下詳細に説明する。
第1図および第2図は、本発明の一実施例を示すアキシ
ャルピストンポンプの断面図であり、第1図はプランジ
ャストロークを最大に調節した状態を示し、第2図はプ
ランジャストロークを最少(零)に調節した状態を示
す。
すなわち、第1図において、40はハウジング80前部のベ
アリング44に回転自在に支持された駆動軸を示し、前記
ハウジング80内には斜板構成体46が収容されている。
この斜板構成体46は、この斜板構成体46を前記駆動軸軸
線に対し所定角度で横切る平面で駆動側の第1斜板48と
従動側の第2斜板50とに分割構成される。
そして、この第1斜板48は前記駆動軸40の一端に一体的
に形成され、この第1斜板48の一端は分割された傾斜平
面52で形成される。
さらに、前記傾斜平面52の中心には面直角に斜軸54が突
出し、この斜軸54上に斜軸軸線と前記駆動軸軸線との交
点56を支点とする自在継手部が形成される。
また、第2斜板50はその中央に前記斜軸54を挿通する貫
通傾斜穴58が穿設され、内部に前記斜軸54に自在継手部
60の支点56を含み、前記斜軸と直交する平面内に前記支
点を中心とする円周方向に複数のプランジャ62の一端と
係合する係合シュー64が配設される。
さらに、前記第2斜板50の外周には多条螺子66が刻設さ
れると共にその端部には前記第1斜板48と接触する傾斜
平面53が形成される。
そして、前記第1、第2斜板48、50は、動力伝達部材で
あるストローク調節リング70の内部に形成された前記斜
軸54を中心とする傾斜穴68内周にそれぞれ係合し、それ
ぞれの傾斜平面52、53同士が互いに接触し、一体化され
る。
この場合、動力伝達部材(ストローク調節リング70)の
傾斜穴68内の一方には、キー溝72が軸線方向に刻設され
ると共に、その他方にはリード角の大きな多条螺子溝73
が螺設される。すなわちこのキー溝72には第1斜板48の
外周に固定されたキー74が係合し、前記第1斜板48を軸
線方向に移動可能とする。
また、前記多条螺子溝73には前記第2斜板50の外周に螺
接した多条螺子66が螺合する。
さらに、前記ストローク調節リング70の外周には前記駆
動軸軸線と直交する平面上に縁部であるフランジ76が形
成され、このフフランジ76の両面は後述する環状部材と
してのスライドリング78に挿着されたスラストベアリン
グ77により支持される。
すなわち、環状部材はスライドリング78からなり、この
スライドリング78の端部にはねじ穴82が螺設され、この
ねじ穴82には前記ハウジング80の前端壁部に挾持された
ストローク調整手段である頭部にダイヤル84を備えたス
トローク調整ねじ86が螺合している。
このようにして、ダイヤル84の回転により、スライドリ
ング78をキー74に沿って軸線方向に進退移動させること
ができる。
このように構成された斜板構成体を収納したハウジング
80の後方にはポンプ部81が設けられる。
すなわち、ポンプ部81は、前記ハウジング80の後方にア
ダプタ88を介して固定されたシリンダブロック90と、こ
のシリンダブロック90内の円周方向に配設された複数の
シリンダ室92内に前記駆動軸70の軸線方向に摺動可能に
挿嵌された複数のプランジャ62とで基本的に構成されて
いる。
さらに、前記各プランジャ62の先端は、前記第2斜板50
内の係合シュー64にそれぞれ係合される。
従って、前記駆動軸40の回転により斜板構成体46が回転
すると、第2斜板50内の係合シュー64がこの第2斜板50
内の傾斜面53に沿って軸線方向に変位し、各プランジャ
62を傾斜角度に比例した量のストロークで進退移動さ
せ、これにより送液量の調整ができる。
そして、前記シリンダブロック90の中央に挿着された軸
受部94a,94bには、前記斜軸54上の自在継手部から、さ
らに前記駆動軸軸線方向に延在する軸94が支持される。
この場合、前記軸96には幅広の平歯車98が設けられ、さ
らに前記アダプタ88内に形成された円形の歯車室99に
は、リングギヤ100が回転可能に挿嵌されている。
また、前記各プランジャ62に、薄幅の平歯車102がそれ
ぞれ設けられ、これらの歯車102は駆動軸40の回転によ
り前記平歯車98を介して同期回転される。
ここで、前記各プランジャの後端部側面には切欠部104
が形成され、この切欠部104はプランジャ62の進退動作
による吸入、吐出作用を行うため吸入ポート106および
吐出ポート108に対し開閉する弁作用を行っている。
次に、プランジャ62のストローク調整方法を、第1図お
よび第2図を基づいて説明する。
すなわち、ダイヤル84を回転させるとスライドリング78
が駆動軸軸線方向に移動する。これにより、ストローク
調節リング70は、駆動側の第1斜板48のキー74に沿って
駆動軸40と所定の角度をもって移動する。
一方、このストローク調節リング70は、従動側の第2斜
板50とリード角の大きな多条螺子溝73と螺合しているた
め、このストローク調節リング70の直進動作で、前記第
2斜板50は回転する。従って、第2斜板50は、キー74に
よって回転を阻止されている第1斜板48に対する相対回
転により、前記各プランジャ62と円周上で係合している
係合シュー64の仮想円周面の傾斜角度が変位する。
すなわち、前記第2斜板50の傾斜が第1斜板48の傾斜と
同方向に傾斜した場合、前記係合シュー64の仮想円周面
の傾斜角度は最大となり、また、前記第2斜板50の傾斜
が第1斜板48の傾斜と相反する方向に同方向に傾斜した
場合は相互に相殺され、第2図に示すように前記係合シ
ュー64の仮想円周面の傾斜角度は零となり、駆動軸軸線
に対し、直角な平面上に位置する。
これにより、プランジャ62のストロークは、ダイヤル84
の回転操作で最大から零まで、運転中においても調整す
ることができる。
ここで、分割斜板によるプランジャストロークの調整原
理を、第3図に基づいて説明する。
すなわち、第3図(a)および(b)は、第1斜板48に
対し、これと同一傾斜面を有する第2斜板50を相対回転
させて傾斜角度を相殺する方向に向き合わせた場合で、
この場合の第2斜板50の係合シューの傾斜は零となり、
従って、斜板構成体が回転を継続しても第1斜板48の基
準位置からの距離S0は変位せず、プランジャ62のストロ
ークは零となる。
また、第3図(c)および(d)は、第1斜板48に対
し、これと同一傾斜面を有する第2斜板50を相対回転さ
せて傾斜角度を同方向に向き合わせた場合で、この場合
の第2斜板50の係合シューの傾斜は最大となり、斜板構
成体が回転を継続すると、第1斜板48の基準位置からの
距離はS1〜S2の範囲で変位し、プランジャ62はこの範囲
で進退移動し、最大送液量を得ることができる。
このようにして、アキシャルピストンポンプの運転中に
おいても、ストローク長の調整を容易に実現することが
できる。
[発明の効果] 前述した実施例から明らかなように、本発明に係るアキ
シャルピスシトンポンプのストローク調整装置は、スト
ローク調節リング70が、従動側の第2斜板50とリード角
の大きな多条螺子溝73と螺合しているため、ストローク
調節リング70の直進動作で、前記第2斜板50が回転する
ことにより、前記第2斜板50は、キー74によって回転を
阻止されている第1斜板48に対して相対回転し、これに
よりプランジャ62と円周上で係合している係合シュー64
の仮想円周面の傾斜角度が変位して、前記プランジャ62
のストローク長を調節することができる。
このようにして、本発明によれば、ポンプ運転中におい
てもプランジャのストローク長を調節することができ、
ポンプ送液量の調節を自由に行うことができ、ポンプの
運転効率を容易に向上させることができる。
特に、本発明によるストローク調節装置の構成によれ
ば、比較的コンパクトに形成し得るため、据付面積の省
スペース化を実現できると共に、その操作性も改善され
る等、多くの優れた利点が得られる。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発
明のアキシャルピストンポンプの構造は前述の実施例に
限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内
において種々の設計変更をなし得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明のアキシャルピストンポン
プのストローク調整装置の一実施例を示す本発明のアキ
シャルピストンポンプの断面図、第3図はストローク調
節原理を示し、第3図(a),(b)はストローク零の
状態を示す動作説明図、第3図(c),(d)はストロ
ーク最大の状態を示す動作説明図、第4図は従来の斜軸
式アキシャルピストンポンプの断面図であり、第5図は
従来の回転斜板式アキシャルピストンポンプの断面図で
ある。 10……駆動軸、12……ピストン 14,22……シリンダブロック 16……ロッド 18……制御用歯車ポンプ、20……駆動軸 22……マグネットカップリング 24……ピストン、28……ピストンシュー 30……カムプレート 32……スラストプレート 34……バランスシュー、36……チェックバルブ 40……駆動軸 44……ベアリング、46……斜板構成体 48……第1斜板、50……第2斜板 52……傾斜平面、54……軸 53……傾斜平面 56……支点、58……貫通傾斜穴 60……自在継手部、62……プランジャ 64……係合シュー、66……多条螺子 68……傾斜穴 70……ストローク調節リング(動力伝達部材) 72……キー溝、73……多条螺子溝 74……キー、76……フランジ(縁部) 77……スラストベアリング 78……スライドリング(環状部材) 80……ハウジング、81……ポンプ部 82……ねじ穴、84……ダイヤル 86……ストローク調整ねじ 88……アダプタ 90……シリンダブロック、92……シリンダ室 94a,94b……軸受部、96……軸 98,102……平歯車、99……歯車室 100……リングギヤ、104……切欠部 106……吸入ポート、108……吐出ポート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸と一体的に設けられた斜板構成体の
    回転により円周方向に配設された複数のプランジャを順
    次軸方向に進退移動させて流体の送液を行うアキシャル
    ピストンポンプにおいて、 斜板構成体は、駆動軸と結合されてその軸線に対し所定
    の角度で横切る傾斜平面で分割してなる回転可能な第1
    斜板と、一端にこの第1斜板の傾斜平面と交互に接触す
    る傾斜平面を有すると共に、この傾斜平面の反対平面に
    おいて円周方向に離間配置されてそれぞれ固定されたシ
    リンダブロック内に挿通した複数のプランジャと係合す
    る係合シューを摺動可能に内挿し、前記第1斜板と一体
    的に回転し得る第2斜板とから構成し、 前記第1斜板の外周部に対しキー結合すると共に、前記
    第2斜板の外周部に対し駆動軸の軸方向の直進動作で回
    転し得るように螺合して、前記第1斜板からの回転動力
    を第2斜板へ伝達する動力伝達部材としてのストローク
    調節リングを設け、 前記ストローク調節リングを前記駆動軸の軸線方向に移
    動する調節部材を設けて、前記第1斜板の移動に対し第
    2斜板を回転させながら移動させて相互に接触する傾斜
    平面の傾斜角度位置を変更してプランジャのストローク
    調節を行うように構成することを特徴とするアキシャル
    ピストンポンプのストローク調整装置。
  2. 【請求項2】ストローク調節リングは、その内部に前記
    第1斜板と第2斜板とを内挿すべく形成された斜軸を中
    心とする傾斜穴と、この傾斜穴内に前記第1斜板を前記
    斜軸の軸線方向に摺動可能にかつ回転方向に係合する係
    合部と、前記第2斜板の外周に形成した多条螺子と螺合
    する多条螺子溝とを設け、さらに外周に前記駆動軸の軸
    線と直交する平面上に縁部を形成してなる請求項1記載
    のアキシャルピストンポンプのストローク調整装置。
  3. 【請求項3】調節部材は、その内周に前記ストローク調
    節リングを回転可能に案内するため、前記ストローク調
    節リングの前記縁部を駆動軸の軸方向に移動し得るよう
    に保持するスライドベアリングを設けてなる請求項2記
    載のアキシャルピストンポンプのストローク調整装置。
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