JPH0794799A - 積層型電気・歪変換素子およびその製造方法 - Google Patents

積層型電気・歪変換素子およびその製造方法

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JPH0794799A
JPH0794799A JP25634193A JP25634193A JPH0794799A JP H0794799 A JPH0794799 A JP H0794799A JP 25634193 A JP25634193 A JP 25634193A JP 25634193 A JP25634193 A JP 25634193A JP H0794799 A JPH0794799 A JP H0794799A
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JP
Japan
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laminated
inert liquid
fluorine
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laminated body
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JP25634193A
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English (en)
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Shunji Watanabe
俊二 渡辺
Kenichi Muramatsu
研一 村松
Tetsuo Hattori
徹夫 服部
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層型電気・歪変換素子の内部および表面の
湿気(水分)、空隙を完全に取り除くことができ、電極
間でのセラミック素材表面上におけるマイグレーショ
ン、沿面放電の発生等を軽減防止し、信頼性および耐久
性を向上させる。 【構成】 表裏面にそれぞれ電極2,2’が形成された
セラミック素材1を、外部電極板3を介して複数枚積層
接着して積層体11を製作する。この積層体11を密封
容器14内に収納し、フッ素系不活性液体15を封止し
真空脱泡することにより、セラミック素材1の内部およ
び表面の湿気(水分)、空隙を取り除き、その空隙をフ
ッ素系不活性液体15で置換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印加電圧に応じて伸縮
する積層型電気・歪変換素子およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光または磁気ディスクヘッド、各
種光学装置、精密工作機械等の精密位置決め装置におい
ては、大きな発生力と速い応答性が要求されることか
ら、積層型アクチュエータが注目されている。この積層
型アクチュエータは、例えば特開昭63−136581
号公報「積層型圧電体」、特公昭63−17354号公
報「電歪効果素子」等に開示されているように、圧電素
子を多数積層して形成したもので、印加する電圧に応じ
て圧電素子を伸縮させることにより装置可動部を微小駆
動するものである。
【0003】図3はこのような積層型アクチュエータと
して用いられる積層型電気・歪変換素子の基本的構成を
示す断面図で、表裏面にそれぞれ内部電極2,2’がス
クリーン印刷等によって形成された複数枚の薄膜状セラ
ミック圧電体1を銅製の金属板等からなる外部電極板3
を介して積層接着し、これら外部電極板3を一つおきに
リード線4,5を介して電源に接続することにより各セ
ラミック圧電体1を電気的に並列に接続して積層型電気
・歪変換素子6を構成し、これに高電圧(例:1KV/
mm以上)を印加することにより各セラミック圧電体1
に歪みを発生させ、逆に外力を加えて変形させると外力
に比例して各圧電体1の表面に電荷を生じて電圧を発生
させるようにしたものである。このような性質を圧電と
呼んでいる。
【0004】なお、図3において7は絶縁体である。ま
た、図における各部の厚み、大きさは理解を容易にする
ため誇張して示しており、実際の寸法とは異なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような積層型電気
・歪変換素子においては、圧電素子または電歪素子から
なるセラミック素材に大変位量を与える場合、素子の両
端に1KV/mm以上の大きな電界をかける必要があ
り、その大電界がかかるセラミック素材の側面に水分や
導電性のゴミが付着していると、短絡・沿面放電が起こ
り易く、長時間通電使用していると印加電圧に対しての
変化量が適正値から大きく異なってしまい信頼性が著し
く低下するという問題があった。すなわち、セラミック
素材の電極膜として通常、銀・ニッケルなどが用いられ
るが僅かでも湿気が存在すると、電界がかかっている素
材側面において、正電極から金属イオンが生成し、それ
が電気的に引き寄せられ負電極で電子をもらい金属が析
出する。このような現象をマイグレーションと呼んでい
る。マイグレーションが起こると電極間距離が短くなっ
てゆき、絶縁性が低下する。それが原因で短絡・沿面放
電が起き易くなる。また、マイグレーションが生じた部
分に空隙が存在すると短絡・沿面放電は特に起き易くな
る。
【0006】そこで、その対策として、例えば絶縁性
を有する樹脂・グリースなどで被覆したり、密封容器に
入れて外部の湿気の侵入を防止する方法、セラミック
圧電素子間の空隙およびセラミック圧電素子の側面に粘
稠性の絶縁物質を配設する方法(上記特開昭63−13
6581号公報)、積層チップの一方の側面において
内部電極の端面に一層おきに絶縁物質が塗布された上か
ら一方の電極となる導電性物質を形成し、他方の側面に
おいて前記一方の側面において絶縁物質が塗布されなか
った内部電極板の端面に一層おきに絶縁物質が塗布され
た上から他方の電極となる導電性物質を形成する方法
(上記特公昭63−17354号公報)等が提案実施さ
れている。
【0007】しかし、上記の方法は沿面放電をなくす
根本的な解決法ではなく、また通常樹脂は吸湿性、透湿
性を有するため、僅かな湿気も問題となるマイグレーシ
ョンの防止に対しては十分とは云えず、また有機物であ
る樹脂と無機物であるセラミックスとの界面は化学結合
ができにくいため、接着強度が弱く空隙ができ易いとい
う欠点を有する。一方、上記,の方法はいずれも絶
縁物質を薄い圧電素子の側面に部分的に塗布形成する必
要があるため、高い位置決め精度が要求され、作業が面
倒であるという問題があった。
【0008】したがって、本発明は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、積層型電気・歪変換素子の内部および表面の湿気
(水分)、空隙を完全に取り除くことができ、電極間で
のセラミック素材表面上におけるマイグレーション、沿
面放電の発生等を軽減防止し、信頼性および耐久性を向
上させるようにした積層型電気・歪変換素子およびその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係る積層型電気・歪変換素子は、表裏面にそれ
ぞれ内部電極が形成された圧電材料または電歪材料から
なるセラミック素材と外部電極板を複数枚交互に積層接
着して積層体を形成し、この積層体を密封容器内に封止
した積層型電気・歪変換素子において、前記密封容器に
フッ素系不活性液体を封止したものである。また、本発
明に係る積層型電気・歪変換素子の製造方法は、表裏面
にそれぞれ内部電極が形成された圧電材料または電歪材
料からなるセラミック素材と外部電極板を複数枚交互に
積層接着して積層体を形成する工程と、この積層体を密
封容器内に収納してフッ素系不活性液体を封入し真空脱
泡する工程とを備えたものである。
【0010】
【作用】本発明において、密封容器内に封入されるフッ
素系不活性液体は水分溶解量が小さく、表面張力も小さ
い絶縁性液体であるため、セラミック素材の内部および
表面の湿気(水分)、空隙を取り除き、その空隙をフッ
素系不活性液体で置換する。したがって、マイグレーシ
ョン、沿面放電の発生が少ない。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明に係る積層型電気・歪変
換素子の一実施例を示す断面図、図2は要部拡大断面図
である。なお、図中図3と同一構成部材のものに対して
は同一符号をもって示す。これらの図において、本実施
例は表裏面にそれぞれ内部電極2,2’が形成されたジ
ルコニウム酸チタン鉛系圧電材料からなる厚さ0.4m
mのセラミック素材1と銅板等からなる外部電極板3を
交互に所要枚数積層接着して積層体11を形成し、外部
電極板3を一つおきに同電位になるようリード線4,5
によってそれぞれ接続すると共に、積層体11の上下面
に金属部材12,13を外部電極板3を介してそれぞれ
設け、かつ積層体11とリード線4,5を密封容器14
に収納して前記金属部材12,13を容器外部に露呈さ
せ、さらに密封容器14の内部に高沸点のフッ素系不活
性液体15を封入して積層型電気・歪変換素子16を製
作したものである。そして、このような構成からなる積
層型電気・歪変換素子16は、前記金属部材12,13
が不図示の外部リード線を介して電源に接続され、高電
圧が印加されることで伸縮し、装置可動部を微小駆動さ
せる積層型アクチュエータとして用いられる。
【0012】フッ素系不活性液体15とは、商品名フロ
ン,フレオン,フロリナート等の名称で呼ばれるポリフ
ッ化炭化水素をいう。フッ素系不活性液体15は、水分
溶解量がきわめて小さく、表面張力も小さい絶縁性液体
であるため、セラミック素材1の内部および表面の湿気
(水分)、空隙を取り除き、その空隙を完全に絶縁体で
あるフッ素系不活性液体15で置換する。そのため、マ
イグレーション、沿面放電の発生を防止することができ
る。
【0013】本発明の効果を知るために上記積層型電気
・歪変換素子16を雰囲気が温度40°C、湿度90%
R.H.中で加速耐久試験を行った。積層型電気・歪変
換素子16の長さは50mmで、外部電極板3,3間に
電圧DC560Vを印加して使用した。なお、ジルコニ
ウム酸チタン鉛系圧電材料からなるセラミック素材1の
表裏面に内部電極2,2’としてニッケルメッキを施し
たものを、外部電極板3としてりん青銅板を使用して積
層体11を作製した。この積層体11を密封容器14の
中に入れ、フッ素系不活性液体15に完全に溶浸し2時
間真空脱泡を施し、セラミック素材1の内部および表面
の湿気(水分)、空隙を完全に取り除いた。
【0014】一般に、フッ素系不活性液体15は沸点が
低く、真空脱泡は難しいが、本実施例で使用したフッ素
系不活性液体15は住友スリーエム社製フロリナートF
C−70で、これは沸点が215°Cと高く、25°C
における蒸気圧が0.1Torr以下であるため真空脱
泡が容易である。同じ積層型電気・歪変換素子をエポキ
シ樹脂で厚さ0.5mm被覆したものと比較するため加
速耐久試験を行った。フッ素系不活性液体15を溶浸し
た試験とエポキシ樹脂で被覆した試験、それぞれ5個ず
つについて行なった。その結果は、エポキシ樹脂で被覆
した試験は460〜530時間で短絡もしくは放電して
しまったのに対し、フッ素系不活性液体15に溶漬した
試料は3000時間の段階でも短絡もしくは放電したも
のは1つもなかった。なお、40°C−90%R.H.
において3000時間耐久したという結果は、25°C
−40%R.H.の場合、約3年間の寿命があることに
なる。
【0015】なお、上記実施例はセラミック素材1とし
てジルコニウム酸チタン酸鉛系圧電材料を用いたが、本
発明はこれに何等特定されるものではなく、例えばマグ
ネシウム酸ニオブ酸鉛系電歪材料を用いてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る積層型
電気・歪変換素子およびその製造方法は、表裏面に内部
電極が設けられた複数枚のセラミック素材と外部電極板
を交互に積層接着して積層体を作製し、この積層体を密
封容器内に収納して絶縁性液体であるフッ素系不活性液
体を封入し真空脱泡したので、セラミック素材の内部お
よび表面の湿気(水分)、空隙を取り除き、その空隙を
フッ素系不活性液体で置換することができる。したがっ
て、樹脂で被覆した場合に比べてセラミック素材表面で
のマイグレーション、沿面放電等の発生を軽減防止する
ことができ、素子自体および積層型アクチュエータの信
頼性および耐久性を著しく向上させることができる。ま
た、フッ素系不活性液体の封入はセラミック素材の側面
の一部に絶縁物質を塗布する方法に比べて簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型電気・歪変換素子の一実施
例を示す断面図である。
【図2】同素子の要部拡大断面図である。
【図3】従来の積層型電気・歪変換素子の基本構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック素材 2,2’ 内部電極 3 外部電極板 4 リード線 5 リード線 6 積層型電気・歪変換素子 11 積層体 12 金属部材 13 金属部材 14 密封容器 15 フッ素系不活性液体 16 積層型電気・歪変換素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏面にそれぞれ内部電極が形成された
    圧電材料または電歪材料からなるセラミック素材と外部
    電極板を複数枚交互に積層接着して積層体を形成し、こ
    の積層体を密封容器内に封止した積層型電気・歪変換素
    子において、 前記密封容器にフッ素系不活性液体を封止したことを特
    徴とする積層型電気・歪変換素子。
  2. 【請求項2】 表裏面にそれぞれ内部電極が形成された
    圧電材料または電歪材料からなるセラミック素材と外部
    電極板を複数枚交互に積層接着して積層体を形成する工
    程と、この積層体を密封容器内に収納してフッ素系不活
    性液体を封入し真空脱泡する工程とを備えたことを特徴
    とする積層型電気・歪変換素子の製造方法。
JP25634193A 1993-09-21 1993-09-21 積層型電気・歪変換素子およびその製造方法 Pending JPH0794799A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003009400A3 (de) * 2001-07-12 2003-11-06 Ceramtec Ag Monolithischer vielschichtaktor in einem gehäuse
WO2007107595A1 (de) * 2006-03-23 2007-09-27 Siemens Aktiengesellschaft Aktoreinheit für ein hochdruckeinspritzventil

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003009400A3 (de) * 2001-07-12 2003-11-06 Ceramtec Ag Monolithischer vielschichtaktor in einem gehäuse
US6943482B2 (en) 2001-07-12 2005-09-13 Ceramtec Ag Innovative Ceramic Engineering Monolithic multilayer actuator in a housing
WO2007107595A1 (de) * 2006-03-23 2007-09-27 Siemens Aktiengesellschaft Aktoreinheit für ein hochdruckeinspritzventil

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