JPH079461U - 塗装用ローラーブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹凸部を有する被塗装面の凹部に対しても，
塗料を均一に塗布することが可能であると共に，塗装表
面に立体的な曲線模様（レリーフ）を顕現させることが
可能な塗装用ローラーブラシを提供する。 【構成】 熱可塑性合成樹脂製の多数条のフィラメント
を夫々コイル状に捲回してその下面を横倒し向きの重合
密集層に形成し，ループの交差部分を熔着して上てを不
規則状態に起立開放させて成形したコイル状ループの集
合体から成るマット状の塗料含浸体を，芯管の外周面に
捲着接合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は，建造物の壁面を塗装する際に使用するローラーブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】

建造物の壁面を塗装する際に，片手で簡単に操作できる従来の塗装用ローラー ブラシは，塗料を含ませる部分（ナップ）と，該部分を保持するコアー部（芯） と，ホルダー部（ハンドル）とによって構成される。

【０００３】 しかして，従来の塗装用ローラーブラシの塗料を含ませる部分（ナップ）は， 用途に従って，合成樹脂繊維，純毛，原皮，スポンジ，ゴム等が使用される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来使用されている上記のナップは，いずれも平坦な被塗装面を美麗に塗装す ることを目的とするものであるため，凹凸面で形成される壁面の凹部に塗料を確 実に塗布すること，更には，塗装表面に立体的な線模様を付加する考案構想は一 切採用されていない。

【０００５】 本願考案は，塗装表面が凹凸面である場合でも，凹部に対し塗料を斑なく均一 に塗布することが可能で，且つ，塗布面に立体的な曲線模様を顕現させることが できる塗装用ローラーブラシを提案するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために創作された本願考案に係る塗装用ローラーブラシ は，熱可塑性合成樹脂製の多数状のフィラメントを夫々コイル状に捲回してその 下面を横倒し向きの重合密集層に形成し，ループの交差部分を熔着して上面を不 規則状態に起立開放させて成形したコイル状ループの集合体から成るマット状の の塗料含浸体を，芯管の外周面に捲着接合する構成を要旨とする。

【０００７】

【作用】

本願考案塗装用ローラーブラシは，塗料含浸体が，熱可塑性合成樹脂製フィラ メンをコイル状ループの集合体に成形し，且つ，その上面を起立開放し，下面を 横倒し向きの重合密集層に構成してあるため，適度の弾性と可撓性を有する。 従って，使用時には，被塗装面に凹凸があっても，ローラーブラシの塗料含浸 体はその凹部の形態に対応して変形密接するので，凹部に対しても確実に塗料を 塗布する。 また，塗料含浸体の起立するコイル状ループ群は，一旦，塗布した塗装面の仕 上げ塗り（重ね塗り）を行う場合，塗装面上を転動して立体的な曲線条溝を刻設 する。

【０００８】

【実施例】

以下に，本願考案の具体的構成を添付図面に基づき詳述する。 図中，１は本願考案ローラーブラシ２の構成主体となる塗料含浸体で，熱可塑 性合成樹脂製フィラメントを夫々コイル状に捲回し，その下面１ａを横倒し向き の重合密集層に形成し，ループの交差部分を熔着して上面１ｂを不規則状態に起 立開放させて成形したコイル状ループの集合体から成るマット状構造に形成され る。（図５参照）

【０００９】 上記塗料含浸体１は，その下面の重合密集層１ａの平坦な裏面に接着剤を塗布 し，厚紙製の芯管３の外周面に捲着接合してローラーブラシ２を構成する。

【００１０】 塗料含浸体１を芯管３の外周面に捲着接合する場合，螺旋状に捲着することが 強力な接合状態を確保する上で効果的である。

【００１１】 上記芯管３は，厚紙以外に，合成樹脂，金属その他適宜の材料で成形した芯管 を使用し得ることは勿論である。

【００１２】 ４はホルダーで，５はグリップ，６はアーム，７はローラーブラシ２の芯管３ が嵌合する支持体で，その内部を貫通するアーム６を中心に回転自在に構成して ある。 ８及び９は支持体７の両端に設けた軸受け，１０は支持体７にローラーブラシ ２が嵌合した際にローラーブラシ２を保持するバネである。

【００１３】 ローラーブラシ２は，図４に示すように，グリップ５，アーム６，支持体７か ら成るホルダー４と結合する。即ち，ローラーブラシ２の芯管３にホルダー４の 支持体７を装嵌すると，ローラーブラシ２は，ホルダー４に設けた軸受け８及び ９，バネ１０により回転自在に結合する。

【００１４】 上述の構成から成る本願考案塗装用ローラーブラシは，ローラーブラシ２の塗 料含浸態１にに塗料を含浸させ，グリップ５を握持して壁面等の塗装部位に当接 し，ローラーブラシ２を転動させて該部位に塗装を行う。

【００１５】 塗料含浸体１の構成素材である熱可塑性合成樹脂製フィラメントの材質の一例 を付記する。 ポリ塩化ビニール １００部 可塑剤 ５０部 安定剤 ２部 着色剤 ０．１部 上記配合のコンパウンド材を押出成形機によってフィラメントを製造し，更に ループ状に成形する。

【００１６】

【考案の効果】

上述した構成からなる本願考案塗装用ローラーブラシによれば，凹凸面を有す る壁面であっても，その凹部に対して，塗料を均一に塗布することがてきると共 に，仕上げ塗りの際，塗装表面に立体的なレリーフを付与することができる著効 を発揮する。 更にまた，本願考案における塗料含浸体は，従来公知のローラーブラシに比し 耐久性に優れ，且つ，使用後の水洗いが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案塗装用ローラーブラシの正面図。

【図２】本願考案塗装用ローラーブラシにおける塗料含
浸体の斜視図。

【図３】本願考案塗装用ローラーブラシにおける塗料含
浸体の縦断面図。

【図４】本願考案塗装用ローラーブラシにおける塗料含
浸体とホルダーの分離状態を示す説明図。

【図５】本願考案塗装用ローラーブラシにおける塗料含
浸体の一部切欠平面図。

【符号の説明】

１ 塗料含浸体 １ａ 塗料含浸体の下面 １ｂ 塗料含浸体の上面 ２ ローラーブラシ ３ 芯管 ４ ホルダー ５ グリップ ６ アーム ７ 支持体 ８ 軸受け ９ 軸受け １０ バネ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱可塑性合成樹脂製の多数条のフィラメ
   ントを夫々コイル状に捲回してその下面を横倒し向きの
   重合密集層に形成し，ループの交差部分を熔着して上面
   を不規則状態に起立開放させて成形したコイル状ループ
   の集合体から成るマット状の塗料含浸体を，芯管の外周
   面に捲着接合したことを特徴とする塗装用ローラーブラ
   シ。
2. 【請求項２】 請求項１の塗料含浸体の厚さが，約１０
   ｍｍである請求項１記載の塗装用ローラーブラシ。
3. 【請求項３】 請求項１の塗料含浸体のフィラメントル
   ープの太さが，０．３ｍｍ乃至１．５ｍｍである請求項
   １記載の塗装用ローラーブラシ。
4. 【請求項４】 請求項１の塗料含浸体を，芯管の外周面
   に螺旋状に捲着接合した請求項１記載の塗装用ローラー
   ブラシ。
5. 【請求項５】 請求項１記載の芯管が，厚紙製である請
   求項１記載の塗装用ローラーブラシ。