JP6886184B2 - 塗装用ロール及びその製造方法並びにその塗装用ロールを備えたペイントローラ - Google Patents

塗装用ロール及びその製造方法並びにその塗装用ロールを備えたペイントローラ Download PDF

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Description

本発明は、塗装用ロール及びその製造方法並びにその塗装用ロールを備えたペイントローラに関する。
従来建物の外壁などの塗装に用いる、ペンキなどの塗材を塗布するペイントローラは、均一に塗材を塗布することを目的とするものが一般的であった(特許文献1)。
上記ペイントローラは、把手と、把手と一体に形成された軸棒を備え、当該軸棒へ刷毛などを植毛された筒状の塗装用ロールを装着して使用する。
特許文献1には、ローラと、該ローラを回転自在に支持するローラーフレームと、該ローラーフレームに取り付けられた柄とを有し、該ローラの表面には該表面の外側空間を多数の部分に区画する隔壁が配置されていて、該隔壁及び該表面によって多数の凹みが形成されていることを特徴とする塗り床材の塗布厚を一定にするための塗り床材用流しのべ施工具が示され(請求項1)、またその図1乃至図3へ規則的に配列された複数の凹みが示され、複数の凹み同士は、連続しない独立したものである。
特許文献1によれば、上記塗り床材用流しのべ施工具を用いることにより、液状の反応硬化性組成物からなる塗り床材を用い、流しのべ工法によって継ぎ目なし樹脂製床を施工する際に、熟練を必要とすることなしに塗り床材の塗布厚がほぼ均一で表面が水平になるように流動させることができるとされる。
その一方で近年建物の外壁の装飾性を高めるために、不規則な模様を建物の外壁へ付すことが行われる。上記不規則な模様の形成は、上記のペイントローラで均一な下塗りをした後、下塗りと異なる色のペンキを下塗りの全てを覆わないようロールを傾けて断続的に塗装面へ当てるなど、職人技を生かして行われるものであった。
特に最近では、熟練した職人でなくとも、当該不均一な塗材の塗布を迅速に行えるように上記塗装用ロールに対する種々の工夫が提案されている(特許文献2〜5)。
特許文献2には、立毛布帛よりなる塗工表面を有する模様付け塗装具であって、塗工表面が、地組織の片面に湿熱接着性繊維を50質量%以上の割合で含む繊維から形成した立毛繊維層を有し、前記立毛繊維層を形成する繊維同士が立毛繊維層表面から外方に向かって開放した多数の不揃いなセル状空孔を立毛繊維層内に形成すると共にそれによって該立毛繊維層の表面に多数の不揃いな凹凸模様を形成した状態で前記湿熱接着性繊維の接着作用により立毛繊維層部分で互いに網状に接着している海綿状の立毛繊維層を有する立毛布帛から形成されていることを特徴とする模様付け塗装具が示されている(請求項1、図1及び図2)。
特許文献2によれば、塗装具の塗工表面をなす立毛布帛が表面に凹凸模様を有する海綿状の立毛繊維層を地組織の少なくとも一部に有しているため、被塗装面に美麗な模様を形成することができるとされる。
特許文献3には、回転自在に軸着されたローラの表面に、適宜形状に形成された多数の弾性シートの一端を夫々取り付けたことを特徴とする模様付けローラが示されている(請求項1、第1図及び第6図)。
特許文献3によれば、上記構成により、高度な技術を駆使することなく、複雑多彩な繰り返し模様を簡単に施工できるとされる。
特許文献4には、発泡高分子材料で構成される外層を有し、外径が55〜75mmであり、前記外層の表面に凸部が平坦な凹凸部が形成され、前記凹凸部の凸部間の距離が5.0〜30mmであり、前記凹凸部における凹部の傾斜部と凸部のなす角度が、20〜80°であり、前記外層の空隙率が70〜90%であることを特徴とする、塗装用ローラが示されている(請求項1及び図4)。
特許文献4によれば、油彩などの絵画の制作においても、塗布後の乾燥が不十分な状態の絵具の上に、別の色彩の絵具を塗ると、既に塗布した絵具と、重ね塗りした絵具が混ざり合うことで、中間の発色が見られたり、斑模様が形成されたりすることがあるとのことである。
特許文献5には、塗料付着層を外周面に備えるローラ本体と、該ローラ本体を覆う筒状部材とを有し、前記筒状部材は、その周壁に複数の貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記筒状部材の少なくとも一方端に形成されており、前記貫通孔から前記塗料付着層が突出して刷毛部を形成している、塗装用ローラが示されている(請求項1、図2及び図3)。
特許文献5によれば、上記構成を採る塗装用ローラは、複数の貫通孔を有する筒状部材をローラ本体に被せるだけなので、容易に凹凸形状を形成できるとされ、このとき、斑模様を形成するのは貫通孔から突出したローラ本体の塗料付着層(刷毛部)であり、筒状部材では塗料を塗布しないとされ、したがって、筒状部材の形成材料は特に制限されないとされ、生産性の高い射出成形により筒状部材を製造することも可能であるとされ、さらに、貫通孔から突出した刷毛部によって斑模様を形成するため、筒状部材の貫通孔の数、大きさ、及び形状等の自由度が高い、種々の斑模様をはっきりと形成することができるとされ、異なる貫通孔形状の筒状部材を交換するだけで異なる斑模様を形成することができるので汎用性も高いとされ、筒状部材をローラ本体に被せるだけで多数の凹凸を容易に形成できるため、組立作業も簡便とされる。
特開平11−207245号公報 特開2005−288275号公報 実開平2−19572号公報 特許第5626671号公報 特許第5905632号公報
特許文献1に示されたものは、上記の通り均一な塗材の塗布を目的とするものであり、複数の凹みを備えるも、複数の凹みは規則的に配列され、隣接する凹み間の領域即ち凸部は連続するのであり複数に分離したものではない。
特許文献2には、不規則に配列された複数のセル状空孔を備えた塗装用ロールが示されているが、立毛繊維層の表面において複数のセル状空孔同士は分離しており、立毛繊維層表面のセル状空孔が設けられていない即ち隣接するセル状空孔の間の領域は連続するものとなっている。
このため、当該塗装用ロールにて下塗りの色(第1の色)と異なる色(第2の色)で、模様を塗装する場合、均一な下塗りと同様の動作で塗装用ロールを塗装面にて転がすと、第2の色で着色される領域は連続したものとなり、遠目には第1の色と第2の色による2色の配色が識別し難く、面白みに欠ける。このような塗装用ロールで、遠目にも無模様単色に塗装された壁面と区別できる際立つ配色を施そうとすれば、熟練した職人の高度な技術に頼る他ない。
また特許文献3でも、多数の弾性シートの一端をローラ表面へ取り付けるなどの工夫がみられるが、その第1図〜第3図へ示される通り、弾性シートの植毛領域と弾性シートが植毛されていない非植毛領域とは明確に区別できるものではなく、単純に塗装面にローラを転がしても、この場合も遠目には2色の配色が識別し難く、面白みに欠ける。このような塗装用ロールで、遠目にも無模様単色に塗装された壁面と区別できる配色を施そうとすれば、やはり熟練した職人の高度な技術に頼る他ない。
更に特許文献4についても、その図4に示される通り発泡高分子材料で構成される外層の凹凸において、凹領域と凸領域とは明瞭に領域分けされたものではなく、塗装面へグラデーションを有する塗装パターンを付すことができるとしても、遠目には2色の配色が識別し難く、面白みに欠ける。このような塗装用ロールで、遠目にも無模様単色に塗装された壁面と区別できる配色を施そうとすれば、やはり熟練した職人の高度な技術に頼る他ない。
一方特許文献5では、既存の塗装用ローラへ、所々に穴(貫通孔)のあいたマスク(筒状部材)を被せることによって、不規則な模様を塗布できるものとするため、マスクされて刷毛部のない塗材の非付着部は連続し、穴から刷毛部が突出する塗材の各付着部間を明確に画する。従って上記穴を不規則な形状や大きさに形成すると共に隣接する穴間の間隔を開けるなどの各穴の配置の工夫によって、下塗りを見せる領域と上塗りされた領域の色の違いを遠目にも認識できる塗装が、下塗り同様簡単に行えるものと考えられる。
しかし、特許文献5に示された手法では、刷毛を植毛されたロール本体へ一々マスクを装着するのが面倒である。具体的には、ペイントローラの軸へ表面全体を刷毛部とする塗装用ロールを装着し、更に塗装用ロールと別体に形成された筒状部材を当該塗装用ロールに被せるという手間を採る必要があった。
また、刷毛部の毛足が短いものでは、マスクの厚みに邪魔され刷毛部に十分な塗材の付着が行えず、意図した仕上げ模様を形成するのが困難となる場合もある。
本発明は、上記特許文献5の問題を解決し、熟練した職人に頼らずとも、簡単に且つ遠目にも従来の無模様単色の塗装と異なることが認識できる、新たな塗装を可能とする塗装用ロールを提供する。
本発明では、把手を備えたペイントローラの軸に装着して使用する筒状の塗装用ロールについて次の構成を採るものを提供する。
即ちこの塗装用ロールは、前記軸へ装着される筒状のロール本体と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成されて当該外周面を覆う複数の塗材付着部と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成された塗材非付着部とを備え、前記塗材付着部は、塗装に用いる塗材を主として保持する領域であり、前記ロール本体の外周面へ2種以上の形状又は大きさの異なる前記塗材付着部が備えられ、複数の前記塗材付着部同士は、互いの間隔を開けて前記ロール本体の外周面に分散配置されたものであり、前記塗材非付着部は、前記塗材付着部のない領域であり且つ前記塗材付着部よりも前記ロール本体の中心に向け後退するものであり、前記塗材非付着部は、前記各塗材付着部間に配されて前記塗材付着部の夫々を取り囲む連続した領域である。
上記の分離不能とは、固着されて通常の使用においては取り外しできないという意味である。従って例えば廃棄する際などに引き剥がすなど破壊すれば分離できる場合もここでいう分離不能に含む。
尚、上記塗材非付着部には、塗材を全く付着させないもののみならず、上記塗材付着部より塗材を付着し難いものであれば塗材を付着するものも含む。またここで付着し難いとは、素材による他、塗材非付着部が塗布面に対し上記塗材付着部より後退しているなど物理的な配置によるものも含む。
また本発明では、前記塗材非付着部は、複数の前記塗材付着部間から露出するロール本体の前記外周面であり、前記塗材付着部は、ベルベット等のパイル地とフェルトと化繊綿の少なくとも何れかであり、前記ロール本体の少なくとも前記外周面は、樹脂、紙、布又はフェルトである塗装用ロールを提供できた。
尚、上記ベルベット等のパイル地には、ベルベットの他、ベロア、ベッチン、コーデュロイを含む。また上記化繊綿には、ポリエステル綿を含む他、綿状に形成された他の化学繊維も含む。
更に本発明では、前記塗材付着部において、複数のフェルトのシート片が重なって前記ロール本体を覆う複数の層をなすものであり、直接重なり合う前記シート片間において、上層のシート片は、下層のシート片よりも小片であり、前記塗材付着部が前記ロール本体の径外方向に向けて先細りとなるように前記各シート片が重なっており、ローラ本体の前記外周面からの前記塗材付着部の突出幅を2〜4mmとする塗装用ロールを提供できた。
また更に本発明は、上記塗装用ロールを備えたペイントローラを提供できた。
更にまた本発明は、把手を備えたペイントローラの軸に装着して使用する筒状の塗装用ロールの製造方法について次の構成を採るものを提供できた。
即ち、前記塗装用ロールは、前記軸へ装着される筒状のロール本体と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成されて当該外周面を覆う複数の塗材付着部と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成された塗材非付着部とを備えるものとし、前記塗材付着部は、塗装に用いる塗材を主として保持する領域とし、前記ロール本体の外周面へ2種以上の形状又は大きさの異なる前記塗材付着部を備えるものとし、複数の前記塗材付着部同士を、互いの間隔を開けて前記ロール本体の外周面に、分散配置するものとし、前記塗材非付着部は、前記ロール本体表面を部分的に露出させる前記塗材付着部のない領域とし、前記塗材非付着部は、前記各塗材付着部間に配されて前記塗材付着部の夫々を取り囲み、前記各塗材付着部同士を不規則な飛石状に離間させる連続した領域とするものであり、ロール本体の少なくとも前記外周面全体をフェルトとし、前記フェルトと別体に形成された複数のフェルト製又は化繊綿製のシート片を、接着剤にて前記ロール本体の外周面へ貼り付けることにより前記塗材付着部の夫々を形成する。
また本発明は、把手を備えたペイントローラの軸に装着して使用する筒状の塗装用ロールの製造方法について次の構成を採るものを提供できた。
即ち、前記塗装用ロールは、前記軸へ装着される筒状のロール本体と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成されて当該外周面を覆う複数の塗材付着部と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成された塗材非付着部とを備えるものとし、前記塗材付着部は、塗装に用いる塗材を主として保持する領域とし、前記ロール本体の外周面へ2種以上の形状又は大きさの異なる前記塗材付着部を備えるものとし、複数の前記塗材付着部同士は、互いの間隔を開けて前記ロール本体の外周面に、分散配置するものとし、前記塗材非付着部は、前記ロール本体表面を部分的に露出させる前記塗材付着部のない領域とし、前記塗材非付着部は、前記各塗材付着部間に配されて前記塗材付着部の夫々を取り囲み、前記各塗材付着部同士を不規則な飛石状に離間させる連続した領域とするものであり、ロール本体の少なくとも前記外周面全体を樹脂又は紙にて形成し、前記外周面全体は分離不能にベルベット等のパイル地で覆われたものとし、前記パイル地を部分的に除去することにて、残ったパイル地の領域を前記塗材付着部とし、パイル地が除去された領域を前記塗材非付着部とする。
本発明では、塗装の経験の浅い者でも、下地の上に下地と異なる色を塗布して簡単に塗装面に模様を施すことができる塗装用ロールを提供できた。
特に遠目にも無模様単色の従来の塗装と区別できる模様を塗装面へ施すことができる塗装用ロールを提供できた。
また、上記効果を得るために、本発明は、塗装時にローラ本体へマスクを被せるなどの手間を必要としない。このため例えば、本発明では、塗材付着部として、毛足の短いベルベット、ベロア、ベッチン、コーデュロイ、フェルト、更にポリエステル綿などの化繊綿といった素材を採用することができる。
また、実施の形態レベルにおいては、塗材付着部に関し複数のフェルトのシート片を重ねた複数の層としつつ、重ねたシート片がロール本体の径外に向けて先細りとなるよう形成することによって、例えばレンガ造りを模した起伏のある壁面に対して、塗材を塗布する際、塗材付着部が、目地を模した窪みにもより確実に入り込み、当該窪み内にも適切に塗装を施すことができる。
また、本発明では、面倒な準備なく使用でき下地の上に異なる色を塗布して簡単に塗装面に模様を施すことができるペイントローラを提供できた。
更に、本発明は、上記塗装用ロールを簡単に形成できる具体的な製造方法を提供できた。
本発明に係るペイントローラの斜視図。 (A)は図1のペイントローラへ装着して使用する塗装用ロールの分解斜視図、(B)は完成後の(A)の塗装用ロールの一部切欠断面図。 ペイントローラの軸へ図2(B)の塗装用ロールを装着する直前の状態を示す斜視図。 (A)は図2(B)の塗装用ロールの変更例を示す一部切欠断面図、(B)は(A)の塗装用ロールの斜視図、(C)は(A)(B)の変形例に係る塗装用ロールの使用状態を示す説明図、(D)は(A)(B)の塗装用ロールの使用状態を示す説明図。 本発明の更に他の実施の形態に係るペイントローラの斜視図。 (A)及び(B)は図5のペイントローラに用いる塗装用ロールの製造工程を示す斜視図、(C)は図5のペイントローラに用いる塗装用ロールの完成した状態を示す斜視図。 ペイントローラの軸へ図6(C)の塗装用ロールを装着する直前の状態を示す斜視図。 (A)は本発明に係るペイントローラによる塗装前の下地ベースを施工された壁面を示す正面図、(B)は本発明に係るペイントローラを用いて(A)の壁面へ第1彩色を塗装する状態を示す正面図。 (A)は図8(B)の塗装後の壁面へ第2彩色を塗装する状態を示す正面図、(B)は(A)の塗装後クリヤー仕上げ面を形成した壁面の正面図。 図8及び図9の塗装の概念を示す説明図。 (A)は市販されている既成の塗装用ロールを備えたペイントローラの斜視図、(B)は(A)の塗装用ロールへフェルトシートの被覆部を形成する途中の状態を示す前記塗装用ロールの斜視図。 (A)は図11(B)に示す工程を経てフェルトシートの被覆部を形成されたロール本体の斜視図、(B)は(A)のロール本体へ塗材付着部を設けて完成させた状態の塗装用ロールの斜視図。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
(ペイントローラの基本構成)
このペイントローラ1は、把手2と、軸部3と、塗装用ロール4とを備える(図1及び図3)。軸部3は、金属製の棒材であり、軸31と、当該軸31と把手2とを繋ぐ中間部32とにて構成される。この例では、上記中間部32が屈曲し、把手2の伸びる方向(長手方向)に対し軸31の伸びる方向(長手方向)が略直角をなす。
軸部3の上記軸31には、ロール嵌合部5を介して上記塗装用ロール4が装着される(図3)。軸31は、塗装用ロール4の回転の中心軸である。
具体的には、軸31には、軸31に対して回動自在に筒状の上記ロール嵌合部5が嵌められている(図3)。この例では、筒状のロール嵌合部5の両端には、筒状のロール嵌合部5の他の部分よりも径の大きなエンドキャップ部51が設けられている。エンドキャップ部51はプラスチック製の部材である。エンドキャプ部51へ塗装用ロール4が力嵌めされ、塗装用ロール4は、軸31に対しロール嵌合部5と共に回動自在に軸支される。
この例では、エンドキャップ部51は筒状の塗装用ロール4の両端の開口部を塞ぐ蓋体となっている。但し、ロール嵌合部5はエンドキャップ部51を備えないものとし、例えばロール嵌合部5の外周面全体が直接塗装用ロール4の内周面へ当接するものとしても実施できる。即ち、ロール嵌合部5は、塗装用ロール4の内径と対応する外径を備えた円柱状体として、当該円柱状体の外周面へ塗装用ロール4を強制的に嵌め合わせるのである。
軸31の先端即ち、軸31の中間部32と反対側の端部には、上記ロール嵌合部5を回転軸から脱落しないよう抜け止めが形成されている(図示しない)。当該抜け止めには、軸31先端側外周面へ突起を設けたり当該先端側の径を軸31の長手方向の他の部位よりも径の大きな部分を形成したり或いはフランジ状の部材をネジ止めするなど周知の手段を採用することができる。
軸31へ装着された塗装用ロール4の外周面へペンキなどの塗材を付着させて、把手2を持って塗装する面即ち塗装面で塗装用ロール4を転がし、塗装面へ塗材を塗ることができる。
塗装用ロール4は、外周面へ塗材を主として付着させる複数の塗材付着部41と、塗材付着部41よりも塗装用ロール4の中心側へ後退して塗材を塗材付着部41ほど付着させない塗材非付着部42とを備える。
以下、塗装用ロール4の構成を中心に更に詳しく説明する。
(塗装用ロール4)
塗装用ロール4は、筒状のロール本体40と、上記塗材付着部41とを備える。
ロール本体40は、この例では、筒状の芯部材40bと、芯部材40の外周面全体を覆う被覆部40aとにて構成されている。具体的には、芯部材40bには紙管を採用する。この他芯部材40bにはプラスチック製の筒状体を採用することができる。
また、被覆部40aには表面へフェルトが張られたフェルトシートを採用する。当該フェルトシートは、接着剤にて芯部材40bの外周面へ貼られている。当該接着剤は被覆部40aを芯部材40b表面から分離させないように固定できる、周知のものを採用する。
尚、ロール本体40は、被覆部40aを備えないものとしても実施できる。
上記塗材付着部41の夫々は、フェルトの小片即ちフェルト製のシート片41pにて構成される(図2(A))。複数の上記シート片41pをロール本体40の被覆部40aの表面へ接着剤で貼ることにより、ロール本体40表面へ複数の塗材付着部41を形成する。接着剤については、塗材付着部41となるシート片41pを被覆部40aの表面へ分離しないように貼り付けることができる、周知のものを採用する。
塗材付着部41となるシート片41pの夫々は互いに間隔を開けてロール本体40の被覆部40a表面へ貼られ、塗材付着部41はロール本体40外周面へ点在する。
上記の通り塗材付着部41をフェルトにて構成することにより、塗材付着部41の表面は、起伏の無い滑らかなものとすることができる。また、フェルトは液状の塗材離れがよく、例えば芯部材40bにプラスチックを採用することにより、洗浄することで塗装用ロール4を繰り返し使用することができる。
但し、塗材付着部41を上記フェルトに代えて、パイル地即ち、毛足の短いベルベットや、ベロア、ベッチン、コーデュロイ、ポリエステル綿などの化繊綿の何れかを採用しても同様のフェルトと同様の上記効果を得ることができる。塗材付着部41として特に上記のポリエステル綿即ち綿状のポリエステルを採用する場合、ロール本体40表面に対し約5mm程度の厚さを持つように形成するのが好ましい。但し、目的とする塗装を行うことができれば、ポリエステル綿による塗材付着部41を上記厚み以外の厚みに形成して実施してもよい。
互いに離間した状態にロール本体40(被覆部40a)の外周面へ設けられた複数の塗材付着部41間から露出する被覆部40aの表面(フェルト)が塗材非付着部42となる。塗材付着部41が点在する即ち塗材付着部41同士が離間して(分散)配置される。塗材非付着部42の各部は一続きの連続したものとして、塗材付着部4の夫々を取り囲む。この例では、塗材付着部41もフェルトであり塗材非付着部42もフェルトといことになるが、塗材非付着部42は、塗材付着部41(シート片41p)の厚み分塗材付着部41によりも、凹んだ、ロール本体40の中心側へ後退する領域であり、その分塗材付着部41よりも塗材が付着し難い。
尚ロール本体40は被覆部40aを備えないものとし、芯部材40bの塗材付着部41間から露出する部位を塗材非付着部42とするものであってもよい。例えば芯部材40bを紙管とするこの例では、紙管表面の塗材付着部41間から露出する部位が塗材非付着部42である。また、芯部材40bをプラスチックの筒状体とする場合、塗材付着部41間から露出する当該プラスチック表面が塗材非付着部42となる。
複数の塗材付着部41は、2種以上の形状又は2種以上の寸法の異なるものを混在させたものである。最も好ましくは、全ての塗材付着部41は、形状又は寸法の異なるものとする。個々の塗材付着部41は、多角形や円などの幾何学的な輪郭を備えない非幾何学的な形状とする。塗材付着部41の輪郭は非幾何学的な曲線にて象られたものとするのが好ましい。但し、当該曲線中一部直線や円弧が含まれるものを排除するものではない。尚一部の塗材付着部41は幾何学的な輪郭を備えるものであってもよい。
塗材付着部41(展開状態のシート片41p)を上記の通り非幾何学的な輪郭を備えるものとすることにより、熟練を要さずとも壁面へ人工的な無機質な印象とならない味わい深い塗装を施すことができる。
また、塗材付着部41や塗材非付着部42に上記の通りフェルトやベロア等の毛足の短いパイル地或いはポリエステル綿等の化繊綿を採用することにより、塗材付着部41や塗材非付着部42の表面を凹凸のない平滑なものとでき、塗材付着部41においては均一に塗材を付着させることができる。一方塗材非付着部42については、突出するところなく均一に後退するものとなるので部分的な塗材の付着が生じ難い。従って、塗装用ロール4の一回の転動で、当該塗装用ロール4を用いて塗装を行った塗装面は、塗材付着部41と接触した領域内ではムラのない均一な塗材の塗布がなされ、塗材非付着部42と対面した領域内では意図しない塗材の付着を排除でき、遠目にも視認し易いメリハリのある即ちコントラストの利いた配色が可能である。
この例では、ロール本体40の直径(外径)は、1cm以上5.5cm未満とするのが好ましく特に3.5cm以上5cm以下とするのが好ましい。そして、ロール本体40表面に対する塗材付着部41の突出幅即ちシート片41pの厚みは、0.5mm以上5mm以下とするのが好ましく、特に2mm以上4mm以下とするのが好ましい。図1〜図3へ示す塗装用ロール4のロール本体40の外径は約4cmである。
また、ロール本体40の軸方向の長さは、10cm〜30cmが好ましく特に13cm〜23cmが好ましい。この例では、ロール本体40の軸方向の長さは約18cmである。
塗材付着部41をフェルトとする場合上記突出幅は0.5mm以上4mm以下とするのが特に好ましく、塗材付着部41をベルベット、ベロア、ベッチン又はコーデュロイとする場合上記突出幅は、2mm以上4mm以下とするのが特に好ましい。塗材付着部41をポリエステル綿とする場合、上記突出幅は、8mmを超えないものとするのが好ましく特に5mm前後とするのが好ましい。
分散配置される塗材付着部41同士の間は、最も近接する部位間においても、3mmを下回らないものとするのが好ましく、5mm以上の間隔を隔てるものとするのがより好ましい。
上記にて塗材非付着部42は、各塗材付着部41間に配されて塗材付着部41の夫々を取り囲み、各塗材付着部41同士を不規則な飛石状に離間させる連続した領域とされる。
また、複数の塗材付着部41(シート片41p)の表面積の合計は、塗材非付着部42の表面積(芯部材40bの露出表面積)と同じか、塗材非付着部42の表面積よりも小さいものとし、塗材非付着部42の表面積の半分を下回らないものとするのが好ましい。
但し、塗装面を複数の色に適切に塗り分けることができるものであれば、塗装用ロール4の各部の寸法は上記寸法範囲を外れるものであっても、これを除外するものではない。
塗材付着部41の素材は、上記に限定するものではないが、既に述べた通り、ベルベット、ベロア、ベッチン、コーデュロイといったパイル地や、フェルトは毛足が短く表面が平滑で変形する厚みも少ないので、塗材非付着部42に対し、塗材付着部41を明確に画することができる。即ち、上記素材にて構成された塗材付着部41において、使用中も刷毛が寝たり、塗材を保持する部分が伸縮など変形することが少ない。このため、塗材非付着部42により上記塗材付着部41を飛石状に離間させる構成が容易に採れ、また当該塗装用ロール4を用いて行った塗装は、多色間でメリハリの利いた彩色を施すことが容易にできる。遠目にも、多色により塗装面が彩色されたことを認識することができるのである。
塗材付着部41の素材をポリエステル綿などの綿状の化学繊維とする場合も、5mm以下或いは5mm前後の厚みのものを採用することにより、塗装において上記と同様の効果を得ることができる。
また、各塗材付着部41をより小さく形成したり、塗材付着部41の突出幅(厚み)をより小さくすること、塗材付着部41間の間隔をより小さく設計すること、或いは塗装回数を増やして彩色数を増加させることで、上記とは対照的にグラデーションの効果を高めることも可能である。
(ペイントローラ1の使用方法)
ここで上記ペイントローラ1を用いた塗装方法について説明する。
先ず、一般的な塗装用ロールが装着されたペイントローラにて塗装面tとなる壁面へ塗装を下地ベース塗装として行う(図示しない。)。この一般的な塗装用ロールを用いた塗装により塗装面は無模様単色を呈する(図8(A))。尚図8に示す例では、複数のブロック状の石材を組み上げた状態を模した凹凸を備えた壁面(サイディングボード)を塗装面tとする。
上記の下地ベース塗装としては、防水性能を有するシーラー(水性のハイブリットシーラー)を用いるのが好ましい。
本発明に係る上記塗装用ロール4を前述の通り、ペイントローラ1の構成部材である軸部3の上記ロール嵌合部5へ嵌め込む(図3及び図1)。そして把手2を掴んで、上記下地ベース塗装後の塗装面(下地ベースt1と呼ぶ。)に対して(図8(A)及び図10)、当該下地ベースt1と異なる色(第1彩色)の塗材を収容するトレイへ塗装用ロール4を浸し、塗装用ロール4の塗材付着部41へ塗材を付着させる(図示しない)。
上記にて塗装用ロール4へ塗材を付着させたペイントローラ1を上記塗装面t上にて転がし塗材付着部41に付着した塗材を上記無模様単色の下地ベースt1上に塗布する(図8(B))。当該塗布にて、塗装面tの所々に上記下地ベースt1と異なる色の塗材で覆う第1彩色塗装面t2を形成することができる(図10)。図8(B)に示す例では第1彩色塗装面t2は、淡色の下地ベースt1上に暗色の上記第1彩色を所々に施された面となっている。
上記の通り塗材付着部41に付着した塗材は、離間し点在する非幾何学的な複数の塗材付着部41により、熟練者でなくとも単に塗装面上にて塗装用ロール4を転がすだけで、塗材の付着領域と塗材を付着させない非付着領域間でメリハリのある遠目にも風合いを感じることができる塗装を施すことができる。
この例では斜めに即ち垂直方向(上下方向)に対し30度〜60度の夾角を持つ方向に塗装用ロール4を転がすことにて、第1彩色塗装面t2を形成している(図8(B))。特に上記垂直方向対しほぼ45度の夾角を持つ方向へ塗装用ロール4を転がして塗装を行っている。これは石材調の凹凸の伸びる縦方向や横方向と塗装方向を整合させないことによって、人工的ではないより自然な風合いを出すためである。
但し、塗装面t上、上記言及した方向に塗装用ロール4を転がすことに限定するものではなく、目的とする風合いを創出できるものであれば、縦横に伸びる石材調の凹凸に沿って垂直方向又は水平方向に塗装用ロール4を転がすものとしてもよい。
更にこの例では、第1彩色塗装面t2の上に本発明に係る上記塗装用ロール4を取り付けたペイントローラ1で上記第1彩色と異なる色を第2彩色として施す(図9(A))。
この例では第2彩色は下地ベースよりも淡色の色である。
上記第2彩色を施すことにより形成された第2彩色塗装面t3は、更に多色を生かした石材調の風合いを増したものである(図10)。
尚図面をグレースケールで示す都合上、下地ベースや上記第1彩色及び第2彩色を濃淡でのみ説明したが、色み(色彩)が異なるものとして実施できることは勿論であり、濃淡も図8〜図10へ示すものに限定するものではなく、図8〜図10は単なる例示である。
また、需要により或いは納期短縮やコストを優先するために、第2彩色を施さないものとしてもよい。
また第1彩色及び第2彩色と同様の手法にて、塗装面tへ更に他の彩色を施すものとしても実施できる(図示しない)。
特にサイディングボードへの塗装において、上記にて形成された第2彩色塗装面t3に対し、耐候性及び低汚染性に優れたシリコン変性樹脂を塗布して、クリヤー仕上げ面t4を形成するのが好ましい(図9(B)及び図10)。
但し、サイディングボード以外の塗装では、上記クリヤー仕上げ面t4を形成しないものであってもよいし、またサイディングボードの塗装においてもクリヤー仕上げ面t4の形成を行わないことを排除するものではない。
(他の実施の形態)
図1〜図3へ示す塗装用ロール4において、複数の塗材付着部41は、夫々一枚のフェルトのシート片にて構成されたものであった。この他、複数のシート片を重ねて塗材付着部4を構成するものとしても実施できる(図4(A)(B)(D)及び図4(C))。
この例では、塗材付着部4の夫々は、ロール本体40の被覆部40aに接着剤にて直接貼り付けられる基片41aと、基片40aの上に接着剤にて貼り付けられる中間片41bと、中間片41bの上に接着剤にて貼り付けられる先片41cの、3枚のフェルトのシート片にて構成される。最下層となる基片41aに対しロール本体40の径方向外側に位置する中間片41bが上層のシート片となり、中間層41bに対してロール本体40の径方向外側に位置する先片41cが中間層41bを下層のシート片とする上層のシート片となる。
但し、塗材付着部4は、フェルトのシート片を3枚重ねするものに限定するものではなく、2枚重ねやフェルトのシート片を4枚以上重ねて塗材付着部4を形成するものとしても実施できる。
上記の通りフェルトの複数のシート片を重ねて塗材付着部41を形成する場合、塗材付着部41の突出幅(上記各シート片の厚みの合計)は、2mm〜4mmとするのが好ましい。
但し、本発明の効果を奏するものであれば、塗材付着41の上記突出幅は、2mm〜4mmの範囲外であってもよい。
また、基片41aと中間片41bと先片41cの夫々は、互いに同じ形状・寸法として実施してもよいが(図4(C))、中間片41bは基片41aによりも小片とし、先片41cは中間片41bよりも小片とし、塗材付着部4がロール本体40の径外方向に向けて先細りとなるように基片41aと中間片41bと先片41cを重ねて固定するものとするのが好ましい。詳しくは、ロール本体40の軸方向と交差する方向の断面において、基片41aと中間片41bと先片41cとが階段状の複数(3段)の段差を呈するように、当該各シート片を配置するのである(図4(A)(B)(D))。特に塗材付着部41の頂点(先片41c)から麓の各方向に向けて階段を呈するピラミッド状に、基片41aと中間片41bと先片41cとを配置するのが好ましい。
上記のように基片41aと中間片41bと先片41cの夫々を互いに同じ形状・寸法とした場合、塗装用ロール4を塗装面t上にて転がし図4(C)へ示すように塗装面t上の窪み(凹部k)に掛かった時、塗材非付着層42であるロール本体40表面と塗材付着面41とがなす隅と凹部kとの間に大きな隙間s(空隙)ができ、凹部kに対して塗材を予定通りに付着できない危惧がある。しかし、図4(A)(B)へ示す通り、塗材付着部4がロール本体40の径外方向に向けて先細りとなるように基片41aと中間片41bと先片41cを形成することにより、凹部kにおいて上記隙間sを小さくすることができ、予定通りの塗装を行うことが可能となる。
図4へ示す実施の形態において、特に言及しなかった事項については、図1〜図3へ示す実施の形態と同様である。
(変更例)
図1〜図4には、塗材付着部4を特にフェルトにて形成した塗装用ロール4を例示した。この他、上記のベルベットや、ベロア、ベッチン、コーデュロイ、ポリエステル綿などの化繊綿にて塗料付着部4を形成することができるのは既に述べた通りである。
そこで図5〜図7へ塗材付着部4にベルベットを用いた変更例を示す。
図5〜図7へ示す例では、ロール本体40は直径約1.5cmとする。また、塗材付着部4のロール本体40表面からの突出幅は2mm〜4mmとする。
図7へ示す通り、この例では、ペイントローラ1の軸部3の軸31は、ロール嵌合部5を備えない。回転軸3に対し塗装用ロール4(ロール本体40)が回転自在に嵌められる。図7の33は回転軸3へ装着した塗装用ロール4の抜け止めを示している。この例では、抜け止め33は、軸31先端に嵌められるキャップである。
図5〜図7に示す例では、ロール本体40の芯部材40bはプラスチック製の棒材であり、中心に軸31を通す貫通部40cが形成されている(図7)。
ロール本体40には、接着剤による接着などにて表面にベルベットが植毛された樹脂製の
シート材(必要に応じてベルベットシート40rと呼ぶ。)をプラスチック製の上記芯部材40bの外周面へ固定したものを使用する。尚一例としてベルベットを除いた上記樹脂製のシート材には、ポリプロピレンを採用することができる。
上記ベルベットシート40r表面には一様にベルベットが設けられており(図6(A)の濃灰部分)、芯部材40bへ固定した後、塗材付着部41となる領域のベルベットを残して塗材非付着部42となる領域のベルトベットを除去するのである(図6(C))。
図5及び図7へ示す塗装用ロール4の製造方法の例としては、図6(A)へ示す通り、上記ベルベットを一様に植毛したベルベットシート40rが接着剤にて上記芯部材40bの表面へ固定された、非塗材付着部42の形成されていない塗装用ロール4を用意する。このような塗装用ロール4として市販のものを利用することができる。
図6(A)に示す上記塗装用ロール4の表面へ塗材付着部41とする領域を油性ペンなどのマーカーにてマーキングして囲む(図6(B))。
そして、当該マーキングされた領域の外側の領域を焼き鏝で焼き払い、塗材非付着部42を形成する(図6(C))。焼き鏝には、ハンダ付け用の電気鏝を用いることができる。
焼き鏝にてベルベットと共にベルベットシート40rの(ベルベットを除いた)上記樹脂製のシート材も除去してもよいが、この例ではベルベットシート40rの上記樹脂製のシート材は芯部材40bの外周面を覆う被覆部40aとして残存させている。従って図5〜図7へ示す例では、上記樹脂製のシート材の表面、又はベルベットを当該樹脂製のシート材へ固定していた硬化した接着剤の表面が、塗材非付着部42を構成する。
特許請求の範囲の樹脂には、芯部材40bを構成する筒状のプラスチックの他、上記ベルベットシートの接着剤や上記樹脂製のシート材も含むのである。また、ベルベットを焼き取る以外の周知の方法で除去する場合、芯部材40bを紙管としてもよい。
図5〜図7へ示す実施の形態において、特に言及しなかった事項については、図1〜図3へ示す実施の形態と同様である。
図8〜図10へ示す塗装において、図1〜図3又は図4へ示す大径の塗装用ロール4にて塗装を行うと共に、図5〜7へ示す小径の塗装用ロール4を併用するものとすることができる。特に、上記大径の塗装用ロール4にて塗装した後、上記小径の塗装用ロール4にて目地を模した凹部への塗装を行うものとすることができる。また、第1彩色塗装面t2を上記大径の塗装用ロール4で形成し、第2彩色塗装面t3を上記小径の塗装用ロール4にて形成するものとすることができる。
図11及び図12を用いて更に他の実施の形態について説明する。
この例では、市販されている既成のペイントローラ1(図11(A))の塗装用ロール14を利用して、ロール本体40を形成する(図12(A))。
即ち、上記塗装用ロール14の外周面をフェルトで被覆してロール本体40とする(図11(B))。当該被覆により上記塗装用ロール14の備える刷毛部14aは完全に覆い隠される(図12(A))。
具体的には、この例では帯状のフェルトシートfを上記塗装用ロール14の表面へ巻き付ける(図11(B))。当該巻き付けにおいて、接着剤にて上記フェルトシートfを刷毛部14aの上へ貼り付けるのである。塗装用ロール14表面へ巻き付けられた上記フェルトシートfが被覆部40aを構成する(図12(A))。
そして上記被覆部40aの表面へ複数の化繊綿のシートを貼り付けて塗材付着部41とする(図12(B))。この例では、上記化繊綿はポリエステル綿である。
上記化繊綿のシートにて構成された塗材付着部41の夫々も、図1〜図3へ示す塗材付着部41と同様飛石状に被覆部40aの表面へ配置される。
また、この図12(B)へ示す例においても、被覆部40aの、塗材付着部41である化繊綿の間から露出する部分が非塗材付着部42とされる。
尚、図11(B)及び図12(A)へ示す例において、上記塗装用ロール14をペイントローラ1の軸31へ装着した状態にてフェルトシートfを塗装用ロール14の表面へ巻き付け、更に塗材付着部41となる化繊綿を貼り付けるものとした。この他フェルトシートfの上記巻き付けや化繊綿の上記貼り付けについて、上記塗装用ロール14をペイントローラ1の軸31から取り外して行うものとしてもよい。
また、図11及び図12へ示す実施の形態においても、塗材付着部41について、上記化繊綿以外に、フェルトや、ベルベット、ベロア、ベッチン、コーデュロイを採用して実施することができる。図11及び図12へ示す実施の形態においても、特に言及しなかった事項については、図1〜図3へ示す実施の形態と同様である。
1 ペイントローラ
2 把手
3 軸部
4 塗装用ロール
5 ロール嵌合部
31 (軸部3の)軸
32 (軸部3の)中間部
33 抜け止め
40 (塗装用ロール4の)ロール本体
40a (ロール本体40の)被覆部
40b (ロール本体40の)芯部材
40c (変更例としたロール本体40の)貫通部
41 (塗装用ロール4の)塗材付着部
41a (塗材付着部41の)基片
41b (塗材付着部41の)中間片
41c (塗材付着部41の)先片
41p (塗材付着部41を構成する)シート片
42 (塗装用ロール4の)塗材非付着部
f フェルトシート
t 塗装面
t1 下地ベース
t2 第1彩色塗装面
t3 第2彩色塗装面
t4 クリヤー仕上げ面t4

Claims (5)

  1. 把手を備えたペイントローラの軸に装着して使用する筒状の塗装用ロールにおいて、
    前記軸へ装着される筒状のロール本体と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成されて当該外周面を覆う複数の塗材付着部と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成された塗材非付着部とを備え、
    前記塗材付着部は、塗装に用いる塗材を主として保持する領域であり、前記ロール本体の外周面へ2種以上の形状又は大きさの異なる前記塗材付着部が備えられ、
    複数の前記塗材付着部同士は、互いの間隔を開けて前記ロール本体の外周面に分散配置されたものであり、
    前記塗材非付着部は、前記塗材付着部のない領域であり且つ前記塗材付着部よりも前記塗装用ロールの中心に向け後退するものであり、
    前記塗材非付着部は、前記各塗材付着部間に配されて前記塗材付着部の夫々を取り囲む連続した領域であり、
    前記塗材非付着部は、複数の前記塗材付着部間から露出するロール本体の前記外周面であり、
    前記塗材付着部は、ベルベット等のパイル地とフェルトと化繊綿の少なくとも何れかであり、前記ベルベット等のパイル地は、ベルベット、ベロア、ベッチン、コーデュロイの何れかであり、
    前記ロール本体の少なくとも前記外周面は、布又はフェルトであり、
    前記塗材付着部は、接着剤にてロール本体の前記外周面へ貼り付けられたものである塗装用ロール。
  2. 前記塗材付着部において、複数のフェルトのシート片が重なって前記ロール本体を覆う複数の層をなすものであり、
    直接重なり合う前記シート片間において上層のシート片は下層のシート片よりも小片であり、前記塗材付着部が前記ロール本体の径外方向に向けて先細りとなるように前記各シート片が重なっており、
    ローラ本体の前記外周面からの前記塗材付着部の突出幅を2〜4mmとする請求項1記載の塗装用ロール。
  3. 請求項1又は2に記載の塗装用ロールを備えたペイントローラ。
  4. 把手を備えたペイントローラの軸に装着して使用する筒状の塗装用ロールの製造方法において、
    前記塗装用ロールは、前記軸へ装着される筒状のロール本体と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成されて当該外周面を覆う複数の塗材付着部と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成された塗材非付着部とを備えるものとし、
    前記塗材付着部は、塗装に用いる塗材を主として保持する領域とし、前記ロール本体の外周面へ2種以上の形状又は大きさの異なる前記塗材付着部を備えるものとし、
    複数の前記塗材付着部同士を、互いの間隔を開けて前記ロール本体の外周面に、分散配置するものとし、
    前記塗材非付着部は、前記ロール本体表面を部分的に露出させる前記塗材付着部のない領域とし、
    前記塗材非付着部は、前記各塗材付着部間に配されて前記塗材付着部の夫々を取り囲み、前記各塗材付着部同士を不規則な飛石状に離間させる連続した領域とするものであり、
    ロール本体の少なくとも前記外周面全体をフェルトとし、前記フェルトと別体に形成された複数のフェルト製又は化繊綿製のシート片を、接着剤にて前記ロール本体の外周面へ貼り付けることにより前記塗材付着部の夫々を形成する塗装用ロールの製造方法。
  5. 把手を備えたペイントローラの軸に装着して使用する筒状の塗装用ロールの製造方法において、
    前記塗装用ロールは、前記軸へ装着される筒状のロール本体と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成されて当該外周面を覆う複数の塗材付着部と、前記ロール本体の外周面へ当該外周面と分離不能に形成された塗材非付着部とを備えるものとし、
    前記塗材付着部は、塗装に用いる塗材を主として保持する領域とし、前記ロール本体の外周面へ2種以上の形状又は大きさの異なる前記塗材付着部を備えるものとし、
    複数の前記塗材付着部同士を、互いの間隔を開けて前記ロール本体の外周面に、分散配置するものとし、
    前記塗材非付着部は、前記ロール本体表面を部分的に露出させる前記塗材付着部のない領域とし、
    前記塗材非付着部は、前記各塗材付着部間に配されて前記塗材付着部の夫々を取り囲み、前記各塗材付着部同士を不規則な飛石状に離間させる連続した領域とするものであり、
    ロール本体の少なくとも前記外周面全体を樹脂又は紙にて形成し、前記外周面全体は分離不能にベルベット等のパイル地で覆われたものとし、前記ベルベット等のパイル地は、ベルベット、ベロア、ベッチン、コーデュロイの何れかであり、
    前記パイル地を部分的に除去することにて、残ったパイル地の領域を前記塗材付着部とし、パイル地が除去された領域を前記塗材非付着部とする塗装用ロールの製造方法。
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