JPH0794524A - 半導体積層結晶およびヘテロ接合バイポーラトランジスタ - Google Patents

半導体積層結晶およびヘテロ接合バイポーラトランジスタ

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JPH0794524A
JPH0794524A JP23283093A JP23283093A JPH0794524A JP H0794524 A JPH0794524 A JP H0794524A JP 23283093 A JP23283093 A JP 23283093A JP 23283093 A JP23283093 A JP 23283093A JP H0794524 A JPH0794524 A JP H0794524A
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JP
Japan
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semiconductor layer
semiconductor
layer
gaas
carbon
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Application number
JP23283093A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Fujisaki
芳久 藤崎
Kiyoshi Ouchi
潔 大内
Toshimitsu Miyata
敏光 宮田
Toru Haga
芳賀  徹
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素ドープベース・ヘテロ接合バイポーラト
ランジスタにおいて、ベースに1×1021cm-3の不純
物ドーピングを行っても、このベースとそれの下地層と
の界面に転位が発生しないベースの形成を可能にする。 【構成】 ベースと同一母材の半導体層との間に本来生
じていた転位を、両層の間に別の半導体層を介在させる
ことにより、転位を他の場所に移す。 【効果】 転位を移動させることは、ヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタ等の半導体素子において素子性能の劣
化抑制に特に有効である。また、転位を特定の場所に閉
じ込めた半導体積層結晶として利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体積層結晶およびヘ
テロ接合バイポーラトランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタのベースを薄くする動きがある。その一例とし
て、日本応用物理学会誌第59巻第1号47頁から53
頁に、炭素ドーピングしたp+型GaAs膜をベースと
して用い、これをn−型GaAsコレクタ上に直接エピ
タキシャル成長したヘテロ接合バイポーラトランジスタ
が開示されている。このトランジスタでは、炭素ドーピ
ングを用いてベースの不純物濃度を1×1021cm-3
高くすることにより、ベースの厚さを10〜30nmと
薄くしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、G
aAsは炭素をドーピングすることにより、その格子定
数が小さくなるという性質をもつため、p+型GaAs
ベースはn−型GaAsコレクタと格子整合していな
い。すなわち、図2に示したベガード則によれば、炭素
濃度1×1021cm-3のGaAs膜の格子定数は、図中
実線で示したベガード則を表す曲線に従って減少し、ア
ンドープGaAsに対し0.83%の格子不整合が生じ
る。
【0004】そして、この0.83%の格子不整合によ
り、p+型GaAsベースとn−型GaAsコレクタの
界面に転位が発生する。これは、ジャーナル オブ ク
リスタル グロウス 27巻 1974年 118頁か
ら125頁(Journalof Crystal G
rowth,vol.27(1974)pp118−1
25)の式(5)に記載されたマシューズの式から明ら
かである。
【0005】この転位発生の状態を図3により説明す
る。符号41がn−型GaAsコレクタ、42がp+型
GaAsベースであり、43がこれらの界面に発生した
転位である。
【0006】このように、従来のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタには、転位により素子性能が著しく劣化す
るという問題があった。
【0007】本発明の第1の目的は、炭素のような特定
の導電型決定不純物原子を添加すると格子定数が導電型
決定不純物原子濃度に対し線形に変化する半導体材料を
母材とする半導体層(以下単に、半導体層と称す)と、
この半導体層上に形成された同一母材で特定の導電型決
定不純物原子が添加された半導体層(以下、不純物ドー
プ層と称す)を有し、不純物ドープ層をベースとするヘ
テロ接合バイポーラトランジスタにおいて、ベースに1
×1021cm-3の不純物ドーピングを行っても、このベ
ースとそれの下地層との界面に半導体層と不純物ドープ
層の歪に起因する転位が発生しないベースの形成を可能
にすることにある。
【0008】本発明の第2の目的は、炭素のような特定
の導電型決定不純物原子を添加すると格子定数が導電型
決定不純物原子濃度に対し線形に変化する半導体材料を
母材とする半導体層(以下単に、半導体層と称す)と、
この半導体層上に形成された同一母材で特定の導電型決
定不純物原子が添加された半導体層(以下、不純物ドー
プ層と称す)を有する半導体積層結晶において、この不
純物ドープ層とそれの下地層との界面に半導体層と不純
物ドープ層の歪に起因する転位が発生しない不純物ドー
プ層の形成を可能にすることにある。
【0009】本発明の第3の目的は、炭素のような特定
の導電型決定不純物原子を添加すると格子定数が導電型
決定不純物原子濃度に対し線形に変化する半導体材料を
母材とし、かつ特定の導電型決定不純物原子が添加され
た半導体層(以下、不純物ドープ層と称す)と、この不
純物ドープ層上に形成された同一母材の半導体層(以下
単に、半導体層と称す)を有する半導体積層結晶におい
て、半導体層とそれの下地層との界面に不純物ドープ層
と半導体層との歪に起因する転位が発生しない半導体層
の形成を可能にすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、半導
体層を第1の半導体層とし、不純物ドープ層を第3の半
導体層としたとき、この2つの半導体層の間にエピタキ
シャル成長膜である第2の半導体層を次のような構成の
もとに介在させることにより達成できる。すなわち、第
1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層の
格子定数の大小関係を、各々の格子定数をd1、d2およ
びd3としたとき、 d1>d2≧d3 ………(1) の関係にあり、かつ第1の半導体層と第2の半導体層の
界面に転位が存在する構成となすことにより達成でき
る。
【0011】上記第2の目的は、半導体層を第1の半導
体層とし、不純物ドープ層を第3の半導体層としたと
き、この2つの半導体層の間にエピタキシャル成長膜で
ある第2の半導体層を次のような構成のもとに介在させ
ることにより達成できる。すなわち、第1の半導体層、
第2の半導体層および第3の半導体層の格子定数の大小
関係を、各々の格子定数をd1、d2およびd3としたと
き、 d1>d2≧d3またはd1<d2≦d3 ………(2) の関係にあり、かつ第1の半導体層と第2の半導体層の
界面に転位が存在する構成となすことにより達成でき
る。
【0012】上記第3の目的は、不純物ドープ層を第1
の半導体層とし、半導体層を第3の半導体層としたと
き、この2つの半導体層の間にエピタキシャル成長膜で
ある第2の半導体層を次のような構成のもとに介在させ
ることにより達成できる。すなわち、第1の半導体層、
第2の半導体層および第3の半導体層の格子定数の大小
関係を、各々の格子定数をd1、d2およびd3としたと
き、 d1>d2≧d3またはd1<d2≦d3 ………(2) の関係にあり、かつ第1の半導体層と第2の半導体層の
界面に転位が存在する構成となすことにより達成でき
る。
【0013】
【作用】上記第1の目的の達成手段は、第1の半導体層
と第2の半導体層の界面に転位が存在する構成となした
ので、第2の半導体層中の第1の半導体層による歪みは
緩和され、その結果、第2の半導体層と第3の半導体層
の界面における、第1の半導体層と第3の半導体層との
格子定数差による歪みに起因する転位(以下、問題とな
る転位と称す)を抑制できる。しかも、第2の半導体層
と第3の半導体層とは格子定数の差は、第1の半導体層
と第3の半導体層とは格子定数の差に比べて小さいの
で、第3の半導体層に加わる歪は大幅に緩和される。し
たがって、問題となる転位の影響のない状態での、第3
の半導体層への1×1021cm-3の不純物ドーピングが
可能となる。
【0014】上記第2の目的の達成手段は、第1の半導
体層と第2の半導体層の界面に転位が存在する構成とな
したので、第2の半導体層中の第1の半導体層による歪
みは緩和され、その結果、第2の半導体層と第3の半導
体層の界面における、第1の半導体層と第3の半導体層
との格子定数差による歪みに起因して本来発生する転位
(以下、問題となる転位と称す)を抑制できる。しか
も、第2の半導体層と第3の半導体層とは格子定数の差
は、第1の半導体層と第3の半導体層とは格子定数の差
に比べて小さいので、第3の半導体層に加わる歪は大幅
に緩和される。
【0015】上記第3の目的の達成手段は、第1の半導
体層と第2の半導体層の界面に転位が存在する構成とな
したので、第2の半導体層中の第1の半導体層による歪
みは緩和され、その結果、第2の半導体層と第3の半導
体層の界面における、第1の半導体層と第3の半導体層
との格子定数差による歪みに起因して本来発生する転位
(以下、問題となる転位と称す)を抑制できる。しか
も、第2の半導体層と第3の半導体層とは格子定数の差
は、第1の半導体層と第3の半導体層とは格子定数の差
に比べて小さいので、第3の半導体層に加わる歪は大幅
に緩和される。
【0016】また、問題となる転位の影響のない状態
は、問題となる転位を移動させることができたと言い替
えることができる。このことは、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタ等の半導体素子において特に有効である。
すなわち、問題となる転位を素子性能の劣化の少ない場
所に移動させることが可能となるからである。
【0017】ここで、第2の半導体層と第3の半導体層
の格子整合は必ずしも必要ではなく、格子不整合を緩和
するような値ならば本発明の効果がある。すなわち、式
(1)または式(2)に示したように、第1の半導体層
の格子定数が第3の半導体層の格子定数より大きい場合
には、第2の半導体層の格子定数が第3の半導体層の格
子定数より大きくても良い。また、第1の半導体層の格
子定数が第3の半導体層の格子定数より小さい場合に
は、第2の半導体層の格子定数が第3の半導体層の格子
定数より小さくても良い。また、式(1)または式
(2)中の格子整合を表すd2=d3なる条件式の等号
は、一般に格子整合しているとして許容されている誤差
を含んだ状態を意味している。すなわち、等号は、 −0.001≦(d2−d3)/d3≦0.001 を含んでいる。
【0018】また、高濃度の不純物を添加した結果格子
定数が減少する材料に限らず増大する材料においても式
(1)または式(2)の関係が同様に成立つ。
【0019】
【実施例】実施例1 本発明の実施例1の半導体積層結晶を図4により説明す
る。符号51はアンドープGaAs基板層、52はGa
AsPバッファ層、53は炭素ドープGaAs層である
(各々、本発明の第1、第2および第3の半導体層に相
当)。
【0020】図2に示したベガード則によれば、例え
ば、炭素ドープGaAs層53の炭素ドーピング濃度が
1.0x1021cm-3の場合、アンドープGaAs基板
層51に対する格子不整合は0.8%にもなる。
【0021】ところで、GaAsP層52の格子定数
は、V族の砒素と燐の割合によって、GaAsの格子定
数0.5653nmから、GaPの0.54495nm
まで任意に変えることができる。いま、GaAsPバッ
ファ層52の組成、即ち結晶中の砒素原子数と燐原子数
の比率を (砒素原子数):(燐原子数)=(1−x):x と定義する。
【0022】本実施例では、この燐組成xがx=0.2
3(GaAs(1−x)Px)となるように結晶成長条
件を選んだ。これにより図2に従えば、炭素ドープGa
As層53とGaAsPバッファ層52は格子整合す
る。また基板結晶51との歪みはGaAsPバッファ層
52と基板結晶51との界面に発生する転位54により
解消され、炭素ドープGaAs層53に加わる歪を緩和
するため薄膜で高濃度の炭素ドーピングに有効である。
【0023】上記構造の作製に用いた材料及び装置の構
成は以下の通りである。成長には到達真空度1×10-8
Paのステンレス製成長室を持つMOMBE(Metal Org
anics MolecularBeam Epitaxy)装置を用いた。原料ボン
ベから成長室に至る経路にもステンレス製の配管材を用
い、1×10-8Paの到達真空度が得られる構造とし
た。GaAsP成長のGaの原料にはトリエチルガリウ
ムを、AsとPの原料には、流量比1対10でアルシン
(AsH3)、ホスフィン(PH3)をそれぞれ用いた。
またp+型炭素ドープGaAs層53の成長にはトリメ
チルガリウムとアルシンを用いた。トリエチルガリウム
及びトリメチルガリウムは成長室に送気するために充分
な圧力を得る目的で、原料ボンベを60℃に、原料ボン
ベから成長室に至る経路をむらなく70℃に加熱した。
アルシン及びホスフィンは結晶成長室に導入する直前に
1000℃以上の高温で熱分解し、As2,P2の分子に
した後基板結晶に噴射した。基板温度は裏面近傍に設置
したTa線ヒータからの熱輻射により加熱した。
【0024】成長の手順は以下の通りである。まず、
(100)鏡面仕上げで450μm厚のアンドープGa
As基板51をメチルアルコール及びアセトンを用いて
充分に脱脂し、次に硫酸,過酸化水素水,水を4対1対
1の比率で混合した20℃の溶液にて約1μmエッチン
グする。この処理は基板結晶表面に付着した不純物の除
去と、基板結晶表面を鏡面仕上するために発生した歪み
や欠陥を除去する目的で行なうもので、同等の効果が得
られる場合には他の薬品を用いた方法で代用できる。こ
のように前処理を行なった基板結晶を充分に乾燥した後
結晶成長室に導入し、真空度が1×10-6Pa程度に回
復するまで加熱せずに結晶成長位置に保持する。その後
基板結晶を20℃/min以下の昇温速度で加熱し、6
50℃で10分間保持する。この時基板結晶表面からの
Asの昇華を抑制するために、基板温度が500℃以上
となった時点から5cc/minのアルシンを結晶成長
面である鏡面に照射する。以上述べた熱処理は基板結晶
表面に成長した酸化物を熱昇華させ清浄なGaAs面を
露出させるためのものであり、同等の効果が得られる場
合には上記手法とは異なる方法を用いても良い。その後
基板結晶の温度を成長温度である550〜600℃迄下
げ、安定するまでしばらく保持する。
【0025】次いで、GaAsPバッファ層52を9n
m成長するために、GaAs(1−x)Px(x=0.
23、格子定数0.5604nm)を2cc/minの
アルシン,20cc/minのホスフィン及び1cc/
minのトリエチルガリウムを、予め測定した成長率に
基づき所定の時間基板結晶の成長面である鏡面に噴射す
る。本実施例で用いた装置の場合、GaAsPバッファ
層52を9nmの厚さエピタキシャル成長するために要
した時間は20秒であった。
【0026】GaAsPバッファ層52の成長完了後ト
リエチルガリウム及びホスフィンの供給を止め、基板結
晶の温度を高濃度炭素ドープp+型GaAs層53の成
長温度である450−500℃に下げた。温度が安定す
るまで基板結晶は成長室内で待機する。この待機状態の
間、GaAsPバッファ層52表面からのAs及びPの
昇華を防ぐため、成長表面にはアルシンを5cc/mi
nの流量で噴射し続けた。この時ほぼ同量のホスフィン
を同じに噴射しても良い。温度が安定した後アルシンの
供給を止め、4秒後に4cc/minのトリメチルガリ
ウムを6秒間噴射し、4秒経過した後2cc/minの
アルシンを2秒間噴射する。このように4秒の間を置い
てトリメチルガリウムとアルシンを交互に噴射する手順
を多数回繰返し行なうことで、トリメチルガリウムから
の炭素の分解を抑制することができるため、格子定数が
GaAsP層52の0.5604nmとほぼ等しく高濃
度の炭素ドープp+型GaAs層53を成長することが
可能である。本実施例の作製に用いた装置の場合、トリ
メチルガリウムの供給(4cc/min,6秒),ガス
供給停止(4秒),アルシンの供給(2cc/min,
2秒),ガス供給停止(4秒)からなる1サイクルで約
0.283nmの炭素ドープGaAsが成長する。所定
の厚みd(nm)を得るためには(d/0.283)サ
イクルの原料供給操作を行なえば良い。本実施例では2
0サイクルの原料供給を行なった結果、厚み5.7n
m,キャリア濃度3.0x1021cm-3の炭素ドープp
+型GaAs層53が形成できた。
【0027】次に、本発明の特徴であるGaAsPバッ
ファ層52を用いた効果を確かめるために、比較例とし
て、バッファ層の材料に高純度のGaAsを用いて半導
体積層結晶を次のようにして作製した。高純度GaAs
バッファ層成長直前迄のプロセスは本実施例と全く同一
とした。次に、基板結晶の温度を成長温度である550
〜600℃迄下げ安定した後、高純度GaAsバッファ
ー層を成長するために5cc/minのアルシン0.5
cc/minのトリエチルガリウムを、予め測定した成
長率に基づき所定の時間基板結晶の成長面である鏡面に
噴射した。本実施例で用いた装置の場合、GaAs層を
9nm成長するために要した時間は18秒であった。高
純度GaAsバッファー層成長完了後トリエチルガリウ
ムの供給を止め、基板結晶の温度をp+型高濃度炭素ド
ープGaAs層の成長温度である450−500℃に下
げた。温度が安定するまで基板結晶は成長室内で待機す
る。この待機状態の間、成長したGaAs層表面からの
Asの昇華を防ぐため、成長表面にはアルシンを5cc
/minの流量で噴射し続けた。温度が安定した後は、
本実施例と全く同一の工程で高濃度炭素ドープp+型G
aAs層を成長した。
【0028】以上の工程で作製した比較例の炭素ドープ
p+型GaAs層の厚み及びキャリア濃度を測定した結
果、厚みは5.7nmでキャリア濃度は7.8x1020
cm-3であった。同じ厚みで本実施例の場合のキャリア
濃度は3.0x1021cm-3であり、本実施例はキャリ
ア濃度を約4倍迄高める効果があった。これはGaAs
Pバッファ層52が格子不整合を緩和するためである。
【0029】また、本実施例における炭素ドープp+型
GaAs層53の作製条件を変えることにより、1.0
x1020cm-3以上の任意のキャリア濃度の膜が成長可
能であった。
【0030】本実施例では、MOMBE法で結晶成長を
行なったが、MOCVD法などの他の結晶成長方法を用
いても高濃度の炭素ドーピングが可能である。
【0031】実施例2 本発明の実施例2のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を図5により説明する。図5において、符号61は半絶
縁性GaAs基板、62はn+型GaAs層(サブコレ
クタ層)、63はn−型GaAs層(コレクタ層)、6
4はGaAsPバッファ層、65はp+型GaAs層
(ベース層)、66はn型AlGaAs層(エミッタ
層)、67はn+型GaAs層、68はエミッタ電極、
69はベース電極、60はコレクタ電極である。
【0032】まず、面方位(100)の半絶縁性GaA
s基板61上に、MOMBE法によりn型ドーパントの
Siを5x1018cm-3含有するn+型GaAs層62
を500nmエピタキシャル成長し、次いで本発明の第
1の半導体層であるSiを5x1016cm-3含有するn
−型GaAsコレクタ層63を400nm形成する。
【0033】次に本発明の第2の半導体層であるGaA
sPバッファー層と、第3の半導体層の炭素ドープGa
As膜をエピタキシャル成長させる。Siを5x1016
cm-3含有するGaAsPバッファ層64をGaAs
(1−x)Px(x=0.23)の組成で9nm成長
し、p+型GaAsベース層65はGaAsPバッファ
ー層64と同じ格子定数となる炭素濃度、1.0x10
21cm-3として20nm形成した。
【0034】次にSiを1.0x1018cm-3含有した
Al組成y=0.3のn型AlyGa(1−y)As
(y=0.3)層をエミッタ層66として膜厚150n
m成長し、さらにオーミックコンタクトを取り出し用に
Siを5.0x1018cm-3含有したn+型GaAs層
67を膜厚200nm形成した。
【0035】上記構造の作製に用いた材料及び装置の構
成は以下の通りである。成長には到達真空度1×10-8
Paのステンレス製成長室を持つMOMBE(Metal Or
ganics MolecularBeam Epitaxy)装置を用いた。原料ボ
ンベから成長室に至る経路にもステンレス製の配管材を
用い、1×10-8Paの到達真空度が得られる構造とし
た。前記GaAsP成長のGaの原料にはトリエチルガ
リウムを、AsとPの原料には、流量比1対10でアル
シン(AsH3)、ホスフィン(PH3)をそれぞれ用い
た。またp+型炭素ドープGaAs層65の成長にはト
リメチルガリウムとアルシンを用いた。AlGaAs層
のAlの原料にはトリエチルアルミニウムを用いた。ま
たAlGaAs,GaAs,GaAsP層のn型のドー
パントとしてはジシラン(水素で濃度1%に希釈)を用
いた。トリエチルアルミニウム,トリエチルガリウム及
びトリメチルガリウムは成長室に送気するために充分な
圧力を得る目的で、原料ボンベを60℃に、原料ボンベ
から成長室に至る経路をむらなく70℃に加熱した。ア
ルシン及びホスフィンは結晶成長室に導入する直前に1
000℃以上の高温で熱分解し、As2,P2の分子にし
た後基板結晶に噴射した。基板温度は裏面近傍に設置し
たTa線ヒータからの熱輻射により加熱した。
【0036】MOMBE法を用いた結晶成長方法は以下
の通りである。まずn+型GaAs層62を成長する前
に基板結晶をメチルアルコール及びアセトンを用いて充
分に脱脂し、次に硫酸,過酸化水素水,水を4対1対1
の比率で混合した20℃の溶液にて約1μmエッチング
する。この処理は基板結晶表面に付着した不純物の除去
と、基板結晶表面を鏡面仕上するために発生した歪みや
欠陥を除去する目的で行なうもので、同等の効果が得ら
れる場合には他の薬品を用いた方法で代用できる。この
ように前処理を行なった基板結晶を充分に乾燥した後結
晶成長室に導入し、真空度が1×10-6Pa程度に回復
するまで加熱せずに結晶成長位置に保持する。その後基
板結晶を20℃/min以下の昇温速度で加熱し、65
0℃で10分間保持する。この時基板結晶表面からのA
sの昇華を抑制するために、基板温度が500℃以上と
なった時点から5cc/minのアルシンを結晶成長面
である鏡面に照射する。以上述べた熱処理は基板結晶表
面に成長した酸化物を熱昇華させ清浄なGaAs面を露
出させるためのものであり、同等の効果が得られる場合
には上記手法とは異なる方法を用いても良い。その後基
板結晶の温度を成長温度である600℃迄下げ、安定す
るまでしばらく保持する。次いで、n+型GaAs層6
2を500nmエピタキシャル成長するために、5cc
/minのアルシン,5cc/minのジシラン及び1
cc/minのトリエチルガリウムを、予め測定した成
長率に基づき所定の時間基板結晶の成長面である鏡面に
噴射する。本実施例で用いた装置の場合、n+型GaA
s層62を500nm成長するために要した時間は16
分30秒であった。次にジシランの流量を0.1cc/
minに絞り13分20秒保持し、400nmのn−型
GaAsコレクタ層63を形成した。次いでGaAs
(1−x)Px(x=0.23)を成長するために2c
c/minのアルシン,20cc/minのホスフィ
ン,0.1cc/minのジシラン及び1cc/min
のトリエチルガリウムを、予め測定した成長率に基づき
所定の時間噴射した。本実施例で用いた装置の場合、G
aAs(1−x)Px(x=0.23)層を9nm成長
するために要した時間は20秒であった。GaAsP層
成長完了後トリエチルガリウム及びホスフィンの供給を
止め、基板結晶の温度をp+型高濃度炭素ドープGaA
s層65の成長温度である500℃に下げた。温度が安
定するまで基板結晶は成長室内で待機する。この待機状
態の間、GaAsP層表面からのAs及びPの昇華を防
ぐため、成長表面にはアルシンを5cc/minの流量
で噴射し続けた。この時ほぼ同量のホスフィンを同じに
噴射しても良い。温度が安定した後アルシンの供給を止
め、4秒後に4cc/minのトリメチルガリウムを6
秒間噴射し、4秒経過した後2cc/minのアルシン
を2秒間噴射する。このように4秒の間を置いてトリメ
チルガリウムとアルシンを交互に噴射する手順を多数回
繰返し行なうことで、トリメチルガリウムからの炭素の
分解を抑制することができるため高濃度の炭素ドープG
aAsを成長することが可能である。本実施例の作製に
用いた装置の場合、トリメチルガリウムの供給(2cc
/min,4秒),ガス供給停止(4秒),アルシンの
供給(2cc/min,2秒),ガス供給停止(4秒)
からなる1サイクルで約0.283nmの炭素ドープG
aAsが成長する。所定の厚みd(nm)を得るために
は(d/0.283)サイクルの原料供給操作を行なえ
ば良い。本実施例では71サイクルの原料供給を行なっ
た結果、厚み20nm,キャリア濃度1.0x1021
m ̄3の炭素ドープGaAsベース層が形成できた。次
にAl組成y=0.3のn型AlyGa(1−y)As
(y=0.3)エミッタ層66を成長するために、基板
結晶温度を650℃に上げた。この時温度が安定するま
での間、GaAs層表面からのAsの昇華を防ぐため、
成長表面にはアルシンを5cc/minの流量で噴射し
続けた。温度が安定した後、5cc/minのアルシ
ン,2cc/minのジシラン,0.08cc/min
のトリエチルガリウム及び0.12cc/minのトリ
エチルアルミニウムを、予め測定した成長率に基づき所
定の時間基板結晶の成長面である鏡面に噴射する。本実
施例で用いた装置の場合、n型AlyGa(1−y)A
s(y=0.3)層をエミッタ層66を150nm成長
するために要した時間は5分30秒であった。その後S
iを5.0x1018cm-3含有したn+型GaAs層6
7を連続的に形成するため、トリエチルアルミニウムの
供給を止めジシランの供給料を5cc/minに、トリ
エチルガリウムの供給料を1cc/minに変更し、7
分間供給して膜厚200nmのn+型GaAs層67を
成長した。
【0037】次に、通常のホトリソグラフィーおよびエ
ッチング法を用いて、n+型GaAs層67、n+型G
aAs層62をパターニングした後、AuGe/Ni/
Au層を蒸着し、それぞれエミッタ電極68とコレクタ
電極60を形成した。続いて、通常のホトリソグラフィ
ーでp+型GaAsベース層65をパターニングした
後、Au/AuZn/Au層からなるベース電極65を
形成し、400℃、2分間のアロイによりオーミック接
触を得て、ヘテロ接合バイポーラトランジスタを完成し
た。
【0038】本実施例では、本発明の半導体積層を用い
ることにより、高濃度炭素ドープGaAsベース層が得
られるため、従来以上にベース層を薄膜化した構造が可
能となり、ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース
走行時間の短縮が可能と成った。また、基板結晶61と
高濃度炭素ドープGaAsベース層65との格子定数の
不一致により発生する転位が、n型GaAsPバッファ
層64の無い従来構造ではn−型GaAsコレクタ層6
3とp+型GaAsベース層65の界面、即ちp−n接
合面に発生しベース層内での少数キャリア寿命が短くな
っていたため、素子性能が著しく劣化していた。しか
し、本実施例の構造であるn型GaAsPバッファ層6
4を用いることで、基板結晶61と高濃度炭素ドープG
aAsベース層65との格子定数の不一致による歪みは
n型GaAsPバッファ層64とn−型GaAsコレク
タ層63との界面に発生する転位で解消されるため、n
−型GaAsコレクタ層63とp+型GaAsベース層
65の界面には質の良いp−n接合が形成され、素子性
能の劣化を抑制するという効果も認められた。
【0039】また、本実施例における炭素ドープp+型
GaAsベース層65の作製条件を変えることにより、
1.0x1020cm-3以上の任意のキャリア濃度の膜が
成長可能である。また、本実施例ではMOMBE法で結
晶成長を行なったが、MOCVD法などの他の結晶成長
方法を用いても高濃度の炭素ドーピングが可能である。
【0040】実施例3 本発明の実施例3のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を図6により説明する。図6において、符号71は半絶
縁性GaAs基板、72はn+型GaAs層(サブコレ
クタ層)、73n−型GaAsP層(コレクタ層)、7
4はp+型GaAs層(ベース層)、75はn型AlG
aAs層(エミッタ層)、76はn+型GaAs層、7
7はエミッタ電極、78はベース電極、79はコレクタ
電極である。
【0041】図6において、n+型GaAs層72、n
−型GaAsPコレクタ層73、p+型GaAsベース
層74が、それぞれ本発明の半導体積層結晶の第1、第
2、第3の半導体層に相当する。
【0042】次に作製方法を示す。まず半絶縁性GaA
s基板71上に,MOMBE法によりSiを5x1018
cm-3含有するn+型GaAs層72を500nmエピ
タキシャル成長し、次いでSiを5x1016cm-3含有
するn−型GaAs(1−x)Px(x=0.23)層
73をコレクタ層として400nm、形成する。次に炭
素濃度1.0x1021cm-3のp+型GaAs膜74を
エピタキシャル成長させる。結晶成長は、実施例2の作
製方法を用いる。
【0043】また、実施例2のヘテロ接合バイポーラト
ランジスタでは、歪みに基づく転位はn型GaAsPバ
ッファ層64とn−型GaAsコレクタ層63との界面
に発生したが、本実施例では転位はn+型GaAs層7
2とn−型GaAs(1−x)Px(x=0.23)コ
レクタ層73の界面に発生する。このように、本実施例
では、転位が存在する場所がヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの能動領域であるエミッタ・ベース間にないた
め、転位に起因する素子特性の劣化は実施例2のヘテロ
接合バイポーラトランジスタの場合より一層低減される
ことが確認された。
【0044】実施例4 本発明の実施例4のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を図7により説明する。図7において、符号81は半絶
縁性GaAs基板結晶,82はn+型GaAsP層(サ
ブコレクタ層),83はn−型GaAsP層(コレクタ
層),84はp+型GaAs層(ベース層),85はn
型AlGaAs層(エミッタ層),86はn+型GaA
s層,87はエミッタ電極,88はベース電極,89は
コレクタ電極である。
【0045】図7において、半絶縁性GaAs基板結晶
が本発明の半導体積層結晶の第1の半導体層に、n+型
GaAsP層82およびn−型GaAsPコレクタ層8
3が第2の半導体層に、p+型GaAsベース層84が
第3の半導体層に相当する。
【0046】次に作製方法を示す。まず、半絶縁性Ga
As基板81上に,MOMBE法によりSiを5x10
18cm-3含有するn+型GaAs(1−x)Px(x=
0.23)層を5000Åエピタキシャル成長し、次い
でSiを5x1016cm-3含有するn−型GaAs(1
−x)Px(x=0.24)層をコレクタ層として40
0nm、形成する。次に炭素濃度1.0x1021cm-3
のp+型GaAs膜84をエピタキシャル成長させる。
結晶成長は、実施例2の作製方法を用いる。
【0047】また、実施例3のヘテロ接合バイポーラト
ランジスタでは、歪みに基づく転位はn+型GaAs層
72とn−型GaAs(1−x)Px(x=0.23)
コレクタ層73の界面に発生していたが、本実施例では
転位はn+型GaAsP層82と半絶縁性GaAs基板
結晶81の界面、即ちヘテロ接合バイポーラトランジス
タのキャリアの走行に係わらない領域に発生する。した
がって、転位に起因する素子特性の劣化ほぼ完全に解消
されることが確認された。
【0048】また、実施例2、3、4のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタにおいて、p+型GaAs膜65、
74、84と、GaAsP層64、73、83との格子
整合は必ずしも必要ではなく、GaAsP層の格子定数
が格子不整合を緩和するような値ならば本発明は有効で
ある。また実施例1、2、3、4において本発明の第2
の半導体層としてGaAsPを用いたが、高濃度炭素ド
ープGaAs膜とGaAs基板結晶との格子不整合を緩
和できるAlAsPまたはGaAlAsP,InGaA
sPでも代用が可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、不純物ドープ層のエピ
タキシャル成長を、基板と格子定数の異なるバッファ層
上にエピタキシャル成長することにより、高濃度で極薄
膜の不純物ドーピングが実現された。また、本発明の高
濃度炭素ドープGaAs膜をベース層に用いて、ベース
層を薄膜化することにより、従来以上の高速動作が可能
となったヘテロ接合バイポーラトランジスタが実現し
た。更に、本発明の構造を用いることで高濃度不純物層
と下地の結晶との格子不整合に基づく転位の発生位置を
高濃度不純物層に接する領域以外の任意に移動させるこ
とが可能となったため、転位起因で起こる素子性能の劣
化を回避することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示す半導体積層結晶の断面図で
ある。
【図2】炭素ドープGaAsにおけるベガード則に従つ
た格子定数と炭素濃度の関係を示す図である。
【図3】従来技術のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
のベース・コレクタ接合部の断面図である。
【図4】本発明の実施例1の半導体積層結晶の断面図で
ある。
【図5】本発明の実施例2のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの断面図である。
【図6】本発明の実施例3のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの断面図である。
【図7】本発明の実施例4のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの断面図である。
【符号の説明】
11,41・・・基板結晶(第1の半導体層)、12・
・・格子歪みを緩和する半導体層(第2の半導体層)、
13,42・・・不純物ドープ層(第3の半導体層)、
14,43・・・転位、51・・・アンドープGaAs
層、52・・・GaAsPバッファ層、53・・・炭素
ドープp+型GaAs層、61,71,81・・・半絶
縁性GaAs基板、62,72・・・n+型GaAs層
(サブコレクタ層)、63・・・n−型GaAs層(コ
レクタ層)、64・・・GaAsPバッファ層、65,
74,84・・・p+型GaAs層(ベース層)、6
6,75,85・・・n型AlGaAs層(エミッタ
層)、67,76,86・・・n+型GaAs層、6
8,77,87・・・エミッタ電極、69,78,88
・・・ベース電極、60,79,89・・・コレクタ電
極、73,83・・・n−型GaAsP層(コレクタ
層)、82・・・n+型GaAsP層(サブコレクタ
層)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/22 C 9278−4M 29/205 (72)発明者 芳賀 徹 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所光技術開発推進本部内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の半導体層上に、第2の半導体層、第
    3の半導体層がこの順序でエピタキシャル成長により積
    層された半導体積層結晶において、上記第1の半導体層
    は特定の導電型決定不純物原子を添加すると格子定数が
    導電型決定不純物原子濃度に対し線形に変化する第1の
    半導体材料を母材としており、上記第3の半導体層は上
    記第1の半導体材料を母材とし、さらに上記特定の導電
    型決定不純物原子を含んでおり、上記第1の半導体層、
    上記第2の半導体層および上記第3の半導体層の格子定
    数の大小関係は、各々の格子定数をd1、d2およびd3
    としたとき、 d1>d2≧d3またはd1<d2≦d3 の関係にあり、かつ上記第1の半導体層と上記第2の半
    導体層の界面に転位が存在することを特徴とする半導体
    積層結晶。
  2. 【請求項2】上記第1の半導体層、上記第2の半導体層
    および上記第3の半導体層の格子定数の大小関係は、 d1>d2≧d3 の関係にあり、上記第3の半導体層が含んでいる上記特
    定の不純物原子は炭素である請求項1記載の半導体積層
    結晶。
  3. 【請求項3】上記第1の半導体材料はGaAsである請
    求項2記載の半導体積層結晶。
  4. 【請求項4】上記第2の半導体層は、IIIAs1-x
    x(ここで、元素IIIはIn,Ga,Al,GaとAl,
    InとGaの何れかであり、組成比xは0.23≦x≦
    0.28の範囲にある。)からなり、上記第3の半導体
    層中の炭素の濃度は1x1020cm-3以上である請求項
    3記載の半導体積層結晶。
  5. 【請求項5】第1の半導体層上に、第2の半導体層、第
    3の半導体層がこの順序でエピタキシャル成長により積
    層された半導体積層結晶において、上記第1の半導体層
    は特定の導電型決定不純物原子を添加すると格子定数が
    導電型決定不純物原子濃度に対し線形に変化する第1の
    半導体材料を母材とし、かつ上記特定の導電型決定不純
    物原子を含んでおり、上記第3の半導体層は上記第1の
    半導体材料を母材としており、さらに上記第1の半導体
    層、上記第2の半導体層および上記第3の半導体層の格
    子定数の大小関係は、各々の格子定数をd1、d2および
    3としたとき、 d1>d2≧d3またはd1<d2≦d3 の関係にあり、かつ上記第1の半導体層と上記第2の半
    導体層の界面に転位が存在することを特徴とする半導体
    積層結晶。
  6. 【請求項6】上記第1の半導体層、上記第2の半導体層
    および上記第3の半導体層の格子定数の大小関係は、 d1>d2≧d3 の関係にあり、上記第1の半導体層が含んでいる上記特
    定の不純物原子は炭素である請求項5記載の半導体積層
    結晶。
  7. 【請求項7】上記第1の半導体材料はGaAsである請
    求項6記載の半導体積層結晶。
  8. 【請求項8】上記第2の半導体層は、IIIAs1-x
    x(ここで、元素IIIはIn,Ga,Al,GaとAl,
    InとGaの何れかであり、組成比xは0.23≦x≦
    0.28の範囲にある。)からなり、上記第1の半導体
    層中の炭素の濃度は1x1020cm-3以上である請求項
    7記載の半導体積層結晶。
  9. 【請求項9】第1の半導体層上に、第2の半導体層、第
    3の半導体層がこの順序でエピタキシャル成長により積
    層された半導体積層結晶を有する半導体装置において、
    上記第1の半導体層は特定の導電型決定不純物原子を添
    加すると格子定数が導電型決定不純物原子濃度に対し線
    形に変化する第1の半導体材料を母材としており、上記
    第3の半導体層は上記第1の半導体材料を母材とし、さ
    らに上記特定の導電型決定不純物原子を含んでおり、上
    記第1の半導体層、上記第2の半導体層および上記第3
    の半導体層の格子定数の大小関係は、各々の格子定数を
    1、d2およびd3としたとき、 d1>d2≧d3 の関係にあり、かつ上記第1の半導体層と上記第2の半
    導体層の界面に転位が存在することを特徴とするヘテロ
    接合バイポーラトランジスタ。
  10. 【請求項10】上記第1の半導体層はコレクタを構成し
    ており、上記第2の半導体層はバッファを構成してお
    り、上記第3の半導体層はベースを構成している請求項
    9記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
  11. 【請求項11】上記第1の半導体層はサブコレクタを構
    成しており、上記第2の半導体層はコレクタを構成して
    おり、上記第3の半導体層はベースを構成している請求
    項9記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
  12. 【請求項12】上記第1の半導体層は基板を構成してお
    り、上記第2の半導体層はサブコレクタおよびコレクタ
    を構成しており、上記第3の半導体層はベースを構成し
    ている請求項9記載のヘテロ接合バイポーラトランジス
    タ。
  13. 【請求項13】上記第2の半導体層はGaAsPであ
    り、上記第3の半導体層は炭素ドープGaAs層である
    請求項9乃至12のいずれか一項に記載のヘテロ接合バ
    イポーラトランジスタ。
  14. 【請求項14】上記第2の半導体層はIIIAs(1−
    x)Px(元素IIIはIn,Ga,Al,GaとAl,
    InとGaの何れかであり、組成比xは0.23≦x≦
    0.28の範囲にある。)であり、上記第3の半導体層
    は1x1020cm-3以上の炭素がドープされたGaAs
    層である請求項9乃至12のいずれか一項に記載のヘテ
    ロ接合バイポーラトランジスタ。
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US6768137B2 (en) 2002-03-29 2004-07-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Laminated semiconductor substrate and optical semiconductor element
US7276735B2 (en) 2002-03-29 2007-10-02 Kabushiki Kaisha Toshiba Laminated semiconductor substrate and optical semiconductor element

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