JPH0794135B2 - 強化ポリプロピレン樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

強化ポリプロピレン樹脂成形品の製造方法

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JPH0794135B2
JPH0794135B2 JP63092093A JP9209388A JPH0794135B2 JP H0794135 B2 JPH0794135 B2 JP H0794135B2 JP 63092093 A JP63092093 A JP 63092093A JP 9209388 A JP9209388 A JP 9209388A JP H0794135 B2 JPH0794135 B2 JP H0794135B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,低温から高温に至るまで広い温度範囲におい
て優れた制振性能を有し,かつ高い機械的強度と耐熱性
を有する,強化ポリプロピレン樹脂成形品に関する。
〔従来技術〕
近年,自動車に関しては,燃費向上という社会的要請に
応えて,その構成部品を金属からプラスチックに変える
ことにつき研究が活発になされており,その実用化も進
んでいる。
プラスチック材料のうちポリプロピレン樹脂は,各種の
物性バランスがとれた材料であり,かつ比較的安価であ
るため自動車の内装用,外装用の部品に大量に使用され
ている。そして,特にタルク,ガラス繊維,炭酸カルシ
ウム等のフィラー及びこれらの混合物を,ポリプロピレ
ン樹脂に充填した強化ポリプロピレン樹脂は,強度,耐
熱性に優れていることから,タイミングベルトカバー,
ギヤカバー,ファンシュラウド,エアクリーナーケース
など使用条件が比較的高温雰囲気下であるエンジンルー
ム内の各種成形品へ積極的に適用されている。
一方,最近では自動車に対して軽量化の他に騒音の低減
が求められており,その中でも特にエンジン騒音の低減
が強く望まれている。騒音の対策法としては制振,遮
音,防振,吸音等があり,エンジン騒音が固体伝搬音の
寄与が大きいか或いは空気透過音の寄与が大きいかによ
って対策法が異なる。特に,タイミングベルトの外側を
覆うタイミングベルトカバー,或いはギヤカバー等のエ
ンジン周辺部品では,車種,エンジン形式によっても異
なるが,一般的に固体伝搬音の寄与に基づく騒音が主で
あることが多い。そこで,材料置換によって騒音低減を
図るためには材料の制振性能を向上させることが必要で
ある。
従来,制振性能を向上させたポリプロピレン樹脂成形品
としては,特開昭62−43443号公報に記載された発明が
ある。このものは,クマロン・インデン樹脂等の粘着性
付与剤樹脂,熱可塑性エラストマー,ポリプロピレン樹
脂を混合したものである。
〔解決しようとする課題〕
しかしながら,上記公開公報に記載された強化ポリプロ
ピレン樹脂成形品も,40〜100℃という比較的高温度にお
いて使用されるエンジン周辺部品に適用する際には,そ
の機械的強度,耐熱性及び制振性能は未だ不十分であ
る。
そして,一般に,樹脂材料は金属材料に比べて分子構造
が不規則でありまた鎖間の結合力が弱いため,著しい粘
弾性的性質を示し制振性能を保有する。しかし,反面温
度依存性が大きく,制振性能が主として樹脂材料のガラ
ス転移に基づく力学分散の損失正接の極大温度前後にお
いて最も高く,それ以外の実用領域内の温度では,一般
に著しく制振性能が低下する。ポリプロピレン樹脂の粘
弾性的挙動は測定法,樹脂の組成等により異なるが,一
般のポリプロピレン樹脂のガラス転移に基づく損失正接
のピークは,通常,−30℃〜25℃前後の範囲に現れ,損
失正接の値はこのピーク温度を境に著しく低下し,50℃
前後で極小となる。
この特性はフィラーを充填した強化ポリプロピレン樹脂
についても同様に現れ,損失正接の絶対値はフィラーの
充填により測定温度範囲全域に渡って更に低下する。こ
のような,損失正接の低下が,おもに40℃〜100℃程度
の温度領域で使用される製品について充分な制振性能が
得られない主たる原因となっている。
また,強化ポリプロピレン樹脂成形品には曲げ強度等の
機械的強度が高いことが要求される。
本発明は,上記問題点に鑑み鋭意研究を重ねた結果なさ
れたもので,低温から高温に至るまでの広い温度範囲で
優れた制振性能を有し,かつ常用40℃〜100℃の温度雰
囲気下で使用するのに十分な機械的強度,耐熱性を有す
る,強化ポリプロピレン樹脂成形品を提供しようとする
ものである。
〔課題の解決手段〕
本発明は,下記の第1及び第2工程により強化ポリプロ
ピレン樹脂組成物を作製し,これを第3工程により成形
することを特徴とする,強化ポリプロピレン樹脂組成物
を用いた成形品に関する。
「(A)メルトフローインデックス5〜50の結晶性ポリ
プロピレン樹脂28.5〜73重量%, (B)エチレン−αオレフィン共重合体(X)と芳香族
炭化水素樹脂(Y)からなり,かつこの(X):(Y)
の配合割合〔重量比〕が1:4〜4:1である混合物B2.5〜28
重量%, (C)平均粒径1〜20μmのタルク15〜45重量%, の3成分を混合し,これを溶融混練して第1粒状体とす
る第1工程と, 上記第1工程で得た第1粒状体50〜95重量%と,(D)
ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂の第2粒状体5〜50
重量%とを100℃以下において混合して強化ポリプロピ
レン樹脂組成物を作製する第2工程と, 上記第2工程で得た強化ポリプロピレン樹脂組成物を射
出成形機等により所望形状に成形する第3工程とよりな
り, かつ前記ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂はガラス繊
維を20〜40重量%含有するものであって,またタルクと
ガラス繊維の合計量が全組成物中に50重量%以下である
ことを特徴とする強化ポリプロピレン樹脂成形品の製造
方法。」 即ち,本発明は,上記の(A)成分28.5〜73%(重量
比,以下同じ)と,(B)成分2.5〜28%と,(C)成
分15〜45%とを用いて第1粒状体となし(第1工程),
次いでこの第1粒状体50〜95%と別途作成したガラス繊
維強化ポリプロピレン樹脂の第2粒状体(D成分)5〜
50%とを混合して強化ポリプロピレン樹脂組成物となし
(第2工程),然る後該強化ポリプロピレン樹脂組成物
を用いて所望形状の成形品に成形する(第3工程)もの
である。なお,上記各成分の比率は第2工程で得られる
強化ポリプロピレン樹脂組成物中に占める割合である
(但し,ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂中のガラス
繊維20〜40%は除く)。そして,各成分は前記のごとく
それぞれ特有のものである。
以下,これらにつき説明する。
本発明においては,メルトフローインデックスが5〜50
の結晶性ポリプロピレン樹脂を用いる。この結晶性ポリ
プロピレン樹脂としては,いわゆるポリプロピレン樹脂
と変性ポリプロピレン樹脂とがある。前者のポリプロピ
レン樹脂としてはホモポリプロピレンの他にプロピレン
−エチレンランダム共重合体,プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体及びこれらの混合物が用いられる。ま
た,後者の変性ポリプロピレン樹脂はポリプロピレン樹
脂を不飽和カルボン酸またはその誘導体及び有機過酸化
物で変性したものである。
しかして,結晶性ポリプロピレン樹脂としては,このポ
リプロピレン樹脂と変性ポリプロピレン樹脂とを混合し
て用いることが好ましい。この際,変性ポリプロピレン
樹脂は,樹脂成分(前記A成分とB成分)中に1〜20%
含まれていることが好ましい。上記のメルトフローイン
デックスが5未満の場合には成形加工性及び成形品の外
観が悪くなり,50を越える場合は耐衝撃性の低下が著し
くなる。
結晶性ポリプロピレン樹脂は,強化ポリプロピレン樹脂
組成物中において28.5〜73%となるよう配合する。この
配合量は,次に述べるエチレン−αオレフィン共重合
体,芳香族炭化水素樹脂,タルク,ガラス繊維強化ポリ
プロピレン樹脂の最適配合量から決定される。
次に,エチレン−αオレフィン共重合体とは,プロピレ
ン,ブテン−1,ヘキセン−1,デセン−1,4−メチルブテ
ン−1,4−メチルペンテン−1などのαオレフィンを共
重合成分としたものである。この中,αオレフィンがプ
ロピレンの場合,特に優れた制振性能を発揮する。
また,芳香族炭化水素樹脂とは,次式で示される石油樹
脂であり, (上式において,R,R1は,H又はCH3を示す。nは重合度を
示す。) 通常軟化点が80℃〜170℃を示す重合度のものが用いら
れる。
上記エチレン−αオレフィン共重合体と芳香族炭化水素
樹脂とは,少なくとも部分的に相溶し,その混合物の損
失正接の極大値或いはガラス転移温度が使用温度範囲内
にあることが重要である。そのためには,両者の相溶性
を調整することが必要である。エチレン−αオレフィン
共重合体の種類と使用量,及び芳香族炭化水素樹脂の軟
化点と使用量を制御することにより,温度条件に対して
最適な制振性能状態を得ることができる。
前記エチレン−αオレフィン共重合体(X)と芳香族炭
化水素樹脂(Y)との組成比は,重量比で(X):
(Y)=1:4〜4:1とする。芳香族炭化水素樹脂が前記範
囲未満の場合は,制振性能改良効果が小さく,逆に前記
範囲を越えると脆くなり耐熱性の低下をきたす。
上記エチレン−αオレフィン共重合体と芳香族炭化水素
樹脂との混合物である「混合物B」は,2.5〜28%用い
る。上記混合物Bが,2.5%未満では制振性能の改良効果
が少なく,28%を越えると強度,耐熱性が低下する。
上記タルクとは,構造式が3MgO・4SiO2・H2Oで示される
板状のフィラーであり,機械的強度,耐熱性,及び加工
性の点から平均粒径が1〜20μmのものを用いる。20μ
mを越えるとタルクの分散性が不充分となり,十分な補
強効果が得られず,一方1μm未満では嵩高となり,ポ
リプロピレン樹脂との混合性が低下する。また,好まし
くは1〜15μmのものを用いる。更に,特に高強度,高
剛性が要求される場合は1.5〜5μmのものを用いるこ
とが好ましい。ここでいう平均粒径とは,遠心沈降式粒
度分布測定装置を用いて測定した粒度分布曲線におい
て,積算フルイ下の50%交差線上の粒径(D50)を以て
定義された値である。
しかして,タルクは15〜45%用いる。15%未満では十分
な機械的強度耐熱性を得難く,また45%を越えると制振
性能の低下,或いは成形品の外観品質の低下を招く。
以上の3成分は,第1工程において溶融混練して,第1
粒状体とする。この第1粒状体は,例えば直径1〜3mm,
長さ2〜5mmの小柱状の粒状体としたものである。そし
て,この第1粒状体においては,前記A,B,Cの3成分の
合計量が,強化ポリプロピレン樹脂組成物全量中におい
て50〜95%を占めるよう調整する。
次に,第2工程で用いるガラス繊維強化ポリプロピレン
樹脂とは,結晶性ポリプロピレン樹脂とガラス繊維とか
らなる第2粒状体である。この結晶性ポリプロピレン樹
脂としては,前記と同様のものを用いる。そして,この
ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂中におけるガラス繊
維量は20〜40%とする。20%未満では,強化ポリプロピ
レン樹脂成形品の機械的強度,耐熱性が低く,一方40%
を越えると制振性能が低下する。
上記第2粒状体は,下記のガラス繊維と結晶性ポリプロ
ピレン樹脂とを,結晶性ポリプロピレン樹脂を溶融させ
た状態で,後述する第1粒状体作成の場合と同様に混練
し,例えば直径1〜3mm,長さ2〜5mmの小柱状の粒状体
としたものである。
上記ガラス繊維としては,ポリプロピレン樹脂の補強剤
として用いられているものであれば良く,長繊維タイプ
(ガラスロービング)から短繊維タイプ(チョップドス
トランド,ミルドファイバー)のものまで任意の形状の
ものが適用可能である。また,この中チョップドストラ
ンドが最も好ましく,特に表面がシランカップリング剤
で処理された,長さ3〜6mmのものがより好ましい。ま
た,シランカップリング剤で表面処理されたチョップド
ストランドを用いる場合,前記結晶性ポリプロピレン樹
脂として変性ポリプロピレン樹脂1〜20%(強化ポリプ
ロピレン樹脂組成物中の含有量)を用いると機械的強
度,耐熱性が向上する。
次に,前記タルクとガラス繊維の合計量は,全組成物
(強化ポリプロピレン樹脂)中に,50%以下であるよう
調整する。この合計量が50%を越えると,機械的強度,
耐熱性は十分なレベルにあるが,制振性能の低下あるい
は製品の外観品質の低下を招くため好ましくない。
次に,各工程につき述べる。
第1工程は,前記(A)〜(C)の3成分を混合し,溶
融混練して第1粒状体を作製する工程である。この溶融
混練は,少なくとも結晶性ポリプロピレン樹脂が溶融す
る温度以上に加熱して行う。
上記第1粒状体は,一軸押出機,二軸押出機,ニーダ
ー,ブラベンダー,バンバリーミキサー等の通常の混練
機を用いて製造することができる。通常は,各配合成分
を所定の割合にてタンブラー式ブレンダー,ヘンシェル
ミキサー,リボンミキサー等で混合し,押出機等で混練
してペレット状のコンパウンドとする。また,この混練
に当たっては,予めエチレン−αオレフィン共重合体と
芳香族炭化水素樹脂を押出機で溶融混練し,その後その
混練物と結晶性ポリプロピレン樹脂とタルクとを混練押
出する2ステージ法を用いることもできる。また,タル
クの一部または全量を,押出機のシリンダーの中間にお
いて途中供給してもよい。
次に第2工程においては,第1工程で作成した第1粒状
体50〜95%と前記第2粒状体(ガラス繊維強化ポリプロ
ピレン樹脂)5〜50%とを,100℃以下において混合して
強化ポリプロピレン樹脂組成物を作成する。
ここに,第1粒状体が50%未満では制振性能が不充分で
あり,95%を越えると機械的強度,耐熱性が低下する。
また,混合は100℃を越えると粒状体のブロッキング,
溶融等の不具合が発生する。なお,好ましくは20〜50℃
である。
また,上記混練は,前記第1粒状体の場合と同様に前記
ミキサー,押出機等により行う。しかして,このように
して得られた強化ポリプロピレン樹脂組成物は,上記第
2粒状体(ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂)が前記
(A)〜(C)成分からなるマトリックス中に点在した
状態のものである。なお,この第2粒状体は当初に比べ
て若干崩れた状態になっていることもある。
次に,第3工程においては,上記強化ポリプロピレン樹
脂組成物を,前記タイミングベルトカバー,ギヤカバー
等の所望成形品の形状に成形する。成形方法としては,
射出成形,押出成形,ブロー成形等がある。
また,本発明においては,前記成分以外に酸化防止剤,
紫外線吸収剤,滑剤,帯電防止剤,核剤,顔料,難燃
剤,増量剤,加工助剤等の添加剤を混合してもよい。
〔作用及び効果〕
本発明は,前記工程により得られた強化ポリプロピレン
樹脂組成物を用いて,所望成形品に成形している。
そのため,本発明の成形品は,従来問題とされていた比
較的高温度(40〜100℃)における制振性能に関して,
高い性能(損失正接約0.03以上)を発揮する。また,か
かる温度下においても曲げ弾性率約32,000kg/cm2以上,
曲げ強度約500kg/cm2以上,熱変形温度約90℃以上とい
う優れた性能を有する。
したがって,本発明の強化ポリプロピレン樹脂成形品
は,自動車のエンジンルーム内の部品,内装品,外装
品,その他電気,機械部品に使用することができる。ま
た,特に自動車のエンジンルーム内において振動騒音が
発生する部品,例えばタイミングベルトカバー,ギヤカ
バー,エアクリーナーケース等に好適である。
以上のごとく,本発明によれば,制振性能に優れ,高い
機械的強度及び耐熱性を有する強化ポリプロピレン樹脂
成形品を提供することができる。
〔実施例〕
以下,本発明にかかる実施例及び比較例につき説明す
る。
諸物性の測定は,以下の方法により行った。また,各例
における成分の配合割合,試験片(成形品)の測定結果
は各表に示した。上記配合割合は,強化ポリプロピレン
樹脂組成物中における各重量%で示す。
○ 曲げ弾性率,曲げ強度 ASTM D790に従って試験を行った。
○ 熱変形温度 ASTM D648に従い,18.6kg/cm2荷重にて試験を行った。
○ 損失正接 縦,横がともに150mm,厚さ3mmの正方形の平板を射出成
形にて作製し,室温から100℃まで昇温可能な恒温槽中
で平板の中心部を0.1Gで加振させ,伝達関数を測定し
た。そして,1次共振点から半値幅法にて損失正接ηを計
算した。
また,実施例,比較例に掲げる試験片の作製は,次のご
とく若干その原料の混合方法を異にしている。
まず,実施例1,3〜9においては,ガラス繊維強化ポリ
プロピレン樹脂を除く配合成分をタンブラー式ブレンダ
ーにて5分間混合し,得られた混合物を長さL/直径D=
27mm,30mmの異方向回転2軸押出機で溶融混練し第1粒
状体とした(第1工程)。次に,この第1粒状体と,別
途作製したガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂である第
2粒状体とをタンブラー式ブレンダーにて,25℃で5分
間混合し,強化ポリプロピレン樹脂組成物のペレットを
作成した(第2工程)。更に,第3工程として,上記強
化ポリプロピレン樹脂組成物のペレットを80℃,3時間乾
燥した後,5oz射出成形機にて成形し,試験片を作製し
た。
実施例2,比較例3においては,第1表に示すごとく,両
者は強化ポリプロピレン樹脂組成物中の配合割合が同じ
であるが,実施例2はポリプロピレン樹脂5.8%と変性
ポリプロピレン樹脂7%とガラス繊維2.5%の合計15.3
%(いずれも強化ポリプロピレン樹脂組成物中の割合と
して)の第2粒状体を用い,これを第1粒状体と混合し
たものである。一方,比較例3は,( )内に示すごと
く,ポリプロピレン樹脂5.8%と変性ポリプロピレン樹
脂7%とエチレン−αオレフィン共重合体4.2%と芳香
族炭化水素樹脂2.8%とガラス繊維2.5%の合計22.3%
(いずれも強化ポリプロピレン樹脂組成物中の割合とし
て)により作製した粒状体を用い,これを(A)及び
(C)成分のみの粒状体と混合したものである。上記混
合は上記各2種類の粒状体をタンブラー式ブレンダーに
て5分間行い,強化ポリプロピレン樹脂組成物のペレッ
トとした。その後は,実施例1と同一処法(第3工程)
にて試験片を作製した。
比較例1においては,全配合成分をタンブラー式ブレン
ダーにて5分間混合した。以後の処法(第3工程)は,
上記に同じ。
比較例2及び4は,ガラス繊維を単独で混合したもの
で,ガラス繊維を除く全配合成分をタンブラー式ブレン
ダーにて4分間混合し,次いでガラス繊維を加えて1分
間混合し強化ポリプロピレン樹脂組成物とした。以後の
処法(第3工程)は上記に同じ。なお,該比較例2,4で
はガラス繊維の補強効果向上のため,変性ポリプロピレ
ン樹脂を混合した。
次に,各実施例,比較例につき,第1表,第2表及び第
1図を用いて説明する。
「実施例1及び3,比較例2及び4」 (第1表及び第1図) 実施例1は,結晶性ポリプロピレン樹脂,エチレン−α
オレフィン共重合体,芳香族炭化水素樹脂,タルクを溶
融混練して得た第1粒状体と,予めガラス繊維が30%混
合されたガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂(以下,PPG
という)の第2粒状体8.3%とを混合したもので,全組
成物中にガラス繊維が2.5%含まれている。ガラス繊維
を直接添加してすべての原材料を一度に溶融混練した比
較例2に対して,実施例1は機械的強度,耐熱性の向上
が認められる。
また,実施例1の制振性能は,比較例2とほぼ同程度で
あるが,タルクのみを配合した比較例1に対しては十分
に高いレベルにある。更に,結果的にガラス繊維を5%
含む実施例3,比較例4については,制振性能は比較例4
の方が少し高いが,曲げ強度,耐熱性は実施例3の方が
優れており,ガラス繊維をガラス繊維強化ポリプロピレ
ン樹脂の状態で用いる方が優れていることが分る。
「実施例2,比較例3」(第1表) 実施例2は,前記のごとく,結晶性ポリプロピレン樹
脂,変性ポリプロピレン樹脂及びガラス繊維を溶融混練
してPPGの第2粒状体を作製し,このものと別途作製し
た第1粒状体とを混合したもので,その成形品の物性は
実施例1とほぼ同等である。一方,前記のごとくエチレ
ン−αオレフィン共重合体及び芳香族炭化水素樹脂をPP
G第2粒状体側に混合した比較例3は,著しく機械的強
度,耐熱性が低下している。
以上の結果から,エチレン−αオレフィン共重合体と芳
香族炭化水素樹脂を結晶性ポリプロピレン樹脂及びタル
クと共に溶融混練して作製した第1粒状体と,PPG第2粒
状体とを混合する本発明の製造方法によれば,広い温度
範囲で優れた制振性能,機械的強度及び耐熱性を有する
成形品が得られることが分る。
また,図には,上記第1表に示した実施例及び比較例に
つき,その制振性能と曲げ強度を図示した。同図より,
本発明にかかる実施例品は優れた制振性能及び曲げ強度
を有することが分る。
「実施例4〜9,比較列1」(第2表) 実施例4〜9は各々,軟化温度の異なる芳香族炭化水素
樹脂を用いた例(実施例4は80℃,実施例5〜9は120
℃),粒径の異なるタルクを用いた例(実施例5は2μ
m,実施例4,6〜9は8μm),全組成物中のガラス繊維
の含有量が10%,20%の例(実施例6は10%,実施例7
は20%),エチレン−αオレフィン共重合体と芳香族炭
化水素樹脂を合計で21%混合した例(実施例8),タル
クとガラス繊維の合計量が40%の例(実施例9)を示す
ものである。
いずれの実施例においても結果は良好であり,本発明の
構成条件により,優れた制振性能,機械的強度,耐熱性
を有する成形品が得られることが分る。
「実施例10」 次に,本発明にかかる強化ポリプロピレン樹脂組成物を
用いて成形したギヤカバーについて述べる。
適用したギヤカバーは,2ガソリンエンジン用で,前記
実施例2と比較例1の各組成物及び工程を用いて,シリ
ンダ温度220〜230℃,金型温度60℃にて射出成形した。
このギヤカバーの大きさは,縦15cm,横30cm,深さ3cm,厚
み0.25cmであった。
両者のギヤカバーを同一条件でエンジンに組み付けてベ
ンチテストを行い,ギヤカバーから30cm離れた位置にマ
イクを設置して音圧レベルを測定した。測定時のギヤカ
バーの温度は約60℃であった。その結果,本例にかかる
ギヤカバーは,比較例1のそれに対して約1〜1.5dB
(デシベル)の騒音低減効果を示した。
さらに,本実施例10のギヤカバーについて,ベンチによ
る長期耐久性試験,実車走行試験を行ったところ何ら異
常は認められなかった。
以上より,本発明によれば,騒音低減効果に優れ,かつ
十分な機械的強度,耐熱性を有する強化ポリプロピレン
樹脂成形品が得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
図は,実施例1〜3,比較例1〜3における,制振性能
(損失正接)及び曲げ強度を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/12 KFT LCD B29K 23:00 B29L 31:30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)メルトフローインデックス5〜50の
    結晶性ポリプロピレン樹脂28.5〜73重量%, (B)エチレン−αオレフィン共重合体(X)と芳香族
    炭化水素樹脂(Y)からなり,かつこの(X):(Y)
    の配合割合〔重量比〕が1:4〜4:1である混合物B2.5〜28
    重量%, (C)平均粒径1〜20μmのタルク15〜45重量%, の3成分を混合し,これを溶融混練して第1粒状体とす
    る第1工程と, 上記第1工程で得た第1粒状体50〜95重量%と,(D)
    ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂の第2粒状体5〜50
    重量%とを,100℃以下において混合して強化ポリプロピ
    レン樹脂組成物を作製する第2工程と, 上記第2工程で得た強化ポリプロピレン樹脂組成物を射
    出成形機等により所望形状に成形する第3工程とよりな
    り, かつ前記ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂はガラス繊
    維を20〜40重量%含有するものであって,またタルクと
    ガラス繊維の合計量が全組成物中に50重量%以下である
    ことを特徴とする強化ポリプロピレン樹脂成形品の製造
    方法。
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