JPH0792421B2 - 高感度二次微分装置、この装置を用いたアナログ信号の折点検出用特徴抽出装置及び光導波路試験装置 - Google Patents

高感度二次微分装置、この装置を用いたアナログ信号の折点検出用特徴抽出装置及び光導波路試験装置

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JPH0792421B2
JPH0792421B2 JP4445689A JP4445689A JPH0792421B2 JP H0792421 B2 JPH0792421 B2 JP H0792421B2 JP 4445689 A JP4445689 A JP 4445689A JP 4445689 A JP4445689 A JP 4445689A JP H0792421 B2 JPH0792421 B2 JP H0792421B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は比較的ゆっくりと変化するアナログ信号の変
化の開始(折点)を精度よく検出することができる高感
度二次微分装置と、この二次微分装置から出力された二
次微分波形から特徴とする波形を抽出する特徴抽出装置
及びこれらの装置を用いた光導波路試験装置に関する。
「従来の技術」 従来の光導波路試験装置を第14図に示す。光パルス発生
器11よりの光パルスは光方向性結合器12を介して被試験
光導波路13に入射される。被試験光導波路13としては一
般に光ファイバが考えられる。被試験光導波路13から戻
って来る後方散乱光は光方向性結合器12を介して光−電
気変換器14に入射されて電気信号に変換される。
この電気信号はA/D変換器15でデジタル信号に変換さ
れ、そのデジタル信号は加算器(アベレージャ)16でS/
Nを向上するために平均化処理が施され、対数変換部17
で対数変換されて表示器18に表示される。
被試験光導波路13の長さl、単位長さ当りの光ファイバ
の損失をαとすると、後方散乱光のレベルはexp(−2
αl)に比例する。表示器18に表示される損失対距離特
性は第15図及び第16図に示すようになる。第15図に示し
た特性は光導波路13に融着型接続点Aを持つ場合を示
す。また第16図に示した特性はコネクタ型接続点Cを持
つ場合を示す。
つまり光ファイバの融着型接続点Aでは光ファイバの損
失より大きい損失を発生する。この損失の発生は伝播特
性の傾斜角度の異いによって表される。
コネクタ型接続点Cでは光導波路13を構成する光ファイ
バの端面において反射が発生する。この反射が後方散乱
光に重畳して戻って来るため比較的レベルが大きいパル
ス状の検出波形が観測される。
「発明が解決しようとする課題」 ところでこの種の光導波路試験装置において接続点の位
置及び接続種、破断点とコネクタ型接続点との判別等を
操作者が行なっている。このため測定値に個人差が生じ
精度が悪い欠点がある。
特に融着型接続点では光パルスがその接続点を通過する
時間に対応して後方散乱光の波形になまりが生じる。こ
のなまりのために後方散乱光の波形の折点PAを精度よく
特定することができない。つまり折点PAの位置は光導波
路の接続点を指すものであるから融着型接続点の位置を
精度よく検出できないことになる。
ここでなまりの発生理由について説明する。
光導波路に光パルスを入射しその後方散乱光を測定する
と、第15図及び第16図に示したような後方散乱光の減衰
特性が得られる。ここで言うなまりとは第3図に示した
融着型接続点における傾斜の緩慢な立下りの区間B−C
を指す。
この区間B−Cに対応する距離L2−L1と、光の伝播速度
から時間を求めると光導波路に入射した光パルスのパル
ス幅にほぼ近似する。
このことから光パルスが融着型接続点を通過する際、後
方散乱光のレベルは本来A−B−B′−C−Dと変化す
べきがA−B−C−Dのように変化していることにな
る。この点から光パルスが融着型接続点を通過する場合
その光パルスのパルス幅に対応する時間だけ後方散乱光
のレベルを示す信号の波形になまりが発生すると見るこ
とができる。
このような理由からこの明細書では区間B−Cをなまり
発生期間Tと称することにする。
なまり発生期間Tを短くするには光パルスのパルス幅を
短くすればよいが、それには限界がある。通常光パルス
のパルス幅は200ナノ秒程度に選定される。
もし、なまりの発生期間Tが反射波の波形のように短い
場合はその二次微分結果は大きなレベルの信号で取出す
ことができる。
然し乍ら現実には後方散乱光のレベル変化はなまりの発
生のために緩慢に変化するため通常の二次微分回路によ
って二次微分したとすると、小さな微分出力しか得られ
ない。このために微分出力信号はノイズにうもれてしま
い信号折点Bを、つまり接続点の位置を正確に検出でき
ないことになる。
つまり第15図及び第16図に示した後方散乱光の減衰特性
はAD変換器15のサンプル周期毎に取込まれたデータの配
列によって表示されている。よってAD変換器15のサンプ
ル周期の1点間隔が距離の最小分解能となる。
この結果AD変換器15のサンプル周期を可及的に短かく採
れば距離の分解能を向上させることができるが、それに
は限界がある。よって一般的には距離の最小分解能は数
メートル乃至数10メートルに採られる。このためにマー
カMの指示点がAD変換器15のサンプルデータの1サンプ
ル分ずれただけでも数メートル乃至数10メートルの誤差
が発生することになる。
その上に折点PAにおける波形のなまりが加わるため、折
点PAを特定する精度も悪くなるため融着型接続点Aの位
置を精度よく測定することはむずかしいことである。
この発明の目的は波形になまりが生じ、折点の位置で波
形の変化が比較的緩慢に変化してもレベルが大きい二次
微分信号を得ることができる高感度二次微分装置と、こ
の高感度二次微分装置から出力される二次微分波形から
信号の変化開始点を特定する特徴抽出装置とを提案する
と共に、これらの装置を利用して自動測定が可能な光導
波路試験装置を提供しようとするものである。
「課題を解決するための手段」 この出願の第1発明では入力されるアナログ信号の値を
逐次検出する第1検出手段と、 この第1検出手段からアナログ信号のなまり発生期間に
対応する距離だけ遅れた位置の信号の値を検出する第2
検出手段と、 この第2検出手段の検出位置から更になまり発生期間に
対応する距離だけ遅れた位置の信号の値を検出する第3
検出手段と、 第1検出器手段と第3検出手段の検出結果の和を求める
加算手段と、 この加算手段の加算結果から第2検出手段の検出結果の
2倍値を減算し、アナログ信号の二次微分信号を出力す
る減算手段と、 によって高感度二次微分装置を構成したものである。
この出願の第2発明では先の高感度二次微分装置が出力
する二次微分信号が与えられ、この二次微分信号の値を
検出する第4検出手段と、 この第4検出手段の検出位置からなまり発生期間に対応
した距離遅れた位置の二次微分信号の値を検出する第5
検出手段と、 第4検出手段の検出値に負符号を乗算し、この乗算結果
と第5検出手段の検出値とを加算して上記アナログ信号
の変化の開始点にピークを持つ信号を出力する演算手段
と、 によって構成した特徴抽出装置を提案する。
この出願の第3発明では所定の時間間隔で発光する光パ
ルスを被試験光導波路に与え、被試験光導波路で反射し
て戻される後方散乱光を電気信号に変換し、この電気信
号を第1発明で提案した高感度二次微分装置に与え、そ
の二次微分出力を第2発明で提案した折点検出用特徴抽
出装置に与え、特徴抽出装置の出力が正のピークの両側
に負のピークが配置された波形であることを検出し、被
試験光導波路の融着型接続点であることを特定するよう
に構成した光導波路試験装置を提案する。
この出願の第4発明では第3発明で提案した光導波路試
験装置において検出したアナログ信号の変化開始点か
ら、なまり発生期間に対応した時間以上遅れた時点に得
られる後方散乱光の減衰量を表わす直線の傾斜を求める
手段と、この傾斜の値からその直線上の変化開始時点に
おける値を算出する演算手段と、 この演算手段で求めた値と変化開始点における後方散乱
光の値から融着型接続点における減衰量を計測する光導
波路試験装置を提案する。
上述の第1発明で提案した高感度二次微分装置によれ
ば、アナログ信号の変化が緩慢な変化であっても振幅が
大きい二次微分信号を得ることができ、SN比のよい二次
微分信号を得ることができる。
更に第2発明で提案した特徴抽出装置は第1発明で提案
した高感度二次微分装置からSN比のよい二次微分信号が
与えられるから、この二次微分信号を利用することによ
ってアナログ波形の折点を精度よく特定することができ
る。
よってこれら高感度二次微分装置と特徴抽出装置を用い
ることによって第3発明で提案する光導波路試験装置の
試験精度を高めることができ、第4発明で接続点におけ
る減衰量を計測することができる。
「実施例」 第1図にこの出願の第1発明で提案した高感度二次微分
装置の実施例を示す。図中100はこの出願の第1発明で
提案した高感度二次部分装置を示す。
第1発明で提案した高感度二次微分装置は、入力端子10
1に入力されたアナログ入力信号の値を逐次検出する第
1検出手段103と、 この第1検出手段103の検出時点から入力されたアナロ
グ信号のなまり発生期間に対応する距離だけ離れた位置
の信号の値を検出する第2検出手段104と、 この第2検出手段の検出位置から更に入力アナログ信号
のなまり発生期間に対応する距離だけ離れた位置の信号
の値を検出する第3検出手段105と、 第1検出器手段103と第3検出手段105の検出結果の和を
求める加算手段108と、 この加算手段108の加算結果Mから第2検出手段104の検
出結果の2倍値2Nを減算し、入力アナログ信号の二次微
分信号を出力する減算手段111とによって構成される。
この実施例では入力端子101に入力されたアナログ信号
をAD変換器102でAD変換し、そのAD変換出力を高感度二
次微分装置100に入力するように構成した場合を示す。
従ってこの例では高感度二次微分装置100はデジタル回
路で構成した例を示す。
つまり第1検出手段103は例えばデータラッチ回路によ
って構成することができ、AD変換器102とクロックCLKに
よって同期してラッチ動作を繰返す。よって第1検出手
段103はAD変換器102がAD変換信号を出力する毎にその出
力信号をラッチする。
第1検出器手段103のラッチ出力は第23検出手段104と加
算手段108に与えられる。第2検出手段104は例えばシフ
トレジスタのような遅延手段104Aとデータラッチ回路10
4Bとによって構成することができる。
遅延手段104Aは入力された信号を入力アナログ信号のな
まり発生期間に対応する時間だけ遅らせる動作を行な
う。つまり融着型接続点におけるなまり発生期間Tは光
パルスのパルス幅に対応する。この結果AD変換周期をT
AD、光パルスのパルス幅をWLするとディジタル遅延手段
104Aの遅延量Dは で規定する。つまりなまり発生期間中のAD変換回数が遅
延量Dに対応する。
従ってなまり発生期間がAD変換動作の例えば5回分に対
応する時間であれば遅延手段104Aを構成するシフトレジ
スタは5段のシフトレジスタを用いればよい。
遅延手段104Aで遅延されたAD変換データはデータラッチ
104Bに取出され、そのラッチ出力は第3検出手段105と
2倍演算手段109に与えられる。
第3検出手段105は第2検出手段104と同様に遅延手段10
5Aとデータラッチ回路105Bとによって構成することがで
きる。第3検出手段105を構成する遅延手段105Aの遅延
量も第2検出手段104の遅延手段104Aの遅延量と同じに
光パルスのパルス幅中のAD変換回数と同等に採られ、そ
の遅延出力はデータラッチ回路105Bでラッチされ、その
ラッチ出力が加算手段108に与えられる。
加算手段108では第1検出手段103で検出したAD変換デー
タと、第3検出手段で検出したAD変換データとを加算す
る動作を行なう。
一方第2検出手段104で検出したAD変換データは2倍演
算手段109で2倍値に変換されて減算手段111に送られ
る。
減算手段111では加算手段108で加算した加算値から2倍
値演算手段109で求めた2倍値を減算し結果Kを得る。
この結果Kは連続的にAD変換操作毎に得られ、なまった
波形から高感度に取出した二次微分出力となる。
高感度となる理由を以下に説明する。
一般に二次微分演算は次式によって行なわれる。
この二次微分式にAD変換データをあてはめると、AD変換
回数番号Nの前後(N−1)(N+1)のデータ値をそ
のまま加算し、この加算値から回数番号Nのデータ値を
2倍した値を差し引いた演算を行なうことと等価にな
る。
この演算処理形式を第2図Aに示す第1テンプレートと
称することにする。
この第1テンプレートを実現するには第1図に示した回
路構成中遅延手段104Aと105Aをそれぞれ1段の遅延量に
設定すればよいことになる。
第1テンプレートは通常の二次微分式そのものであるた
め、大きくなまった波形をこの第1テンプレートに通し
たとしても、その微分出力は小さい。つまり第3図に示
すA−B−C−Dの波形を第1テンプレートによって微
分した場合、サンプル番号Nが折点Bに位置状態にあっ
てもサンプル番号N−1とN+1のデータ値E-1とE+1
E-1≒E+1で、然もサンプル番号Nのデータ値E0もE0≒E
-1≒E+1の関係にあるから、このため(E-1+E+1)−
(2E0)は0に近い値となる。結局その微分波形は第4
図Bに示すように振幅が小さい波形となる。
これに対し、この出願の第1発明では第2図Bに示す第
2テンプレートによって二次微分を行なうものである。
つまり第1検出手段104と第2検出手段105に設けた遅延
手段104Aと105Aにはなまり発生期間Tに対応した遅延量
を持たせたから、第2検出手段104からサンプル番号N
のデータE0(第3図)が取出されたとき、第3検出手段
105からはサンプル番号N+5のデータE+5が取出され
る。このデータE+5は例えば第3図の例では折点Cのデ
ータに対応し、第1検出手段103で取出されるデータE-5
より充分小さい値となる。
つまり|E-5+E+5|<|2E0|となるから、この結果(E
-5+E+5)−(2E0)は大きく負に振れる値となり第2
検出手段104からサンプル番号NのデータE0が取出され
た負の最大ピークとなり、第3検出手段105からサンプ
ル番号NのデータE0が取出されたとき正の最大ピークと
なる第4図Cに示すような大きな振幅の微分波形を取出
すことができる。
以上の説明によってこの出願の第1発明によればなまっ
た波形から感度よく微分信号を取出すことができること
が理解されよう。
ここで第2検出手段104と第3検出手段105の遅延量はな
まり発生期間Tと同等かそれ以上に採ればよいことが理
解されよう。但し遅延量をなまり発生期間Tよりあまり
大きく採ると二次微分出力波形のすそが広がり、ピーク
点に尖鋭度が悪化し、折点B及びCの特定精度が悪くな
る。この結果なまり発生期間Tと等しいとき理想的と言
える。
第5図は上述した第1発明の変形実施例を示す。
この変形実施例では各検出手段103,104,105からN+5,
N,N−5の各サンプル点毎に、その各サンプル点N+5,
N,N−5の前後の数サンプル分の平均値VE+5,VE0,VE-5
を求め、この平均値VE+5,VE0,VE-5を使って(VE+5
VE-5)−(2VE0)を算出するよう構成した場合を示
す。
このため各検出手段103,104,105は全てシフトレジスタ
によって構成することができ第1検出手段103からサン
プル番号N−5を中心にN−3,N−4,とN−6,N−7のデ
ータを取出し、この5個のデータを平均化手段113で平
均化処理して平均化値VE-5を得る。
また第2検出手段104からはサンプル番号Nを中心にN
+1,N+2とN−1,N−2のデータを取出し、この5個の
データを平均化手段114で平均化処理し平均値VE0を得
る。
更に第3検出手段105からはサンプル番号N+5を中心
にN+6,N+7とN+4,N+3を取出し、この5個のデー
タを平均手段115で平均化処理し平均値VE+5を得る。
これらの平均値VE-5,VE0,VE+5はそれぞれ第1図の実施
例を同様に加算と減算処理し、出力端子112に二次微分
信号を得る。
このように各サンプル点の前後のデータの平均値を用い
て二次微分処理を行なうことによってノイズの除去率が
高い二次微分信号を得ることができる。
第6図は第1発明の更に他の実施例を示す。この例では
AD変換器102でAD変換したディジタルデータを記憶器116
に書込み、この記憶器116に書込んだデータの中からサ
ンプル番号がNを中心に+Tと−Tずつ離れた点のデー
タを第1検出手段103と、第2検出器手段104と、第3検
出器手段105に読出し、この読出したデータを加算手段1
08と、減算手段111で加算と減算処理を行ない出力端子1
12に二次微分信号を得るように構成した場合を示す。
尚この場合も第5図で説明したノイズ除去手段を施した
構成にすることもできる。また第6図で説明した構成に
おいて第1、第2、第3検出手段103,104,105と、加算
手段108、減算手段111はコンピュータのソフトウエアに
よって構成することができる。
第7図はこの出願の第2発明の実施例を示す。
この出願の第2発明では第1発明の高感度二次微分装置
100で得られた二次微分信号から原波形の折点を規定す
るための信号を取出す折点検出用特徴抽出装置を提案す
る。
図中200は特徴抽出装置を示す。この特徴抽出装置200は
入力端子201に入力された二次微分波形データE0を取出
す第4検出手段202と、この二次微分波形データをなま
り発生期間Tに対応する時間だけ遅れさせる遅延手段20
3と、この遅延手段203で遅延された二次微分波形データ
を取出す第5検出手段204と、第4検出手段202で取出し
た二次微分波形データに−1を乗算する乗算手段205
と、この乗算手段205と第5検出手段204の検出信号を加
算する加算手段206とによって構成することができる。
つまりこの構成は第8図に示す第3テンプレートを実行
する回路構成である。この第2発明の構成によればサン
プル番号NのデータE0に乗算手段205で−1を乗算し、
そのデータE0をなまり発生期間Tに対応する時間前のサ
ンプル点N+TのデータE+Tに加える処理を行なう。
この処理を行なうことによって第9図Bに示す二次微分
波形の負のピーク点において正のピークを持つ折点検出
信号Pを得ることができる。
この折点検出信号Pのピーク点は元の波形の折点Bに対
応し、折点Bを検出することできる。
この第2発明の特徴抽出装置200におても各サンプル点
N及びN+Tの前後の数サンプルの平均を求め、その平
均値を−1の乗算と加算処理を行なうことによってノイ
ズに影響されることなく、正しく折点の位置を示す折点
検出信号を得ることができる。この処理を行なうための
テンプレートを第4テンプレートとして第10図に示す。
以上説明した高感度二次微分装置100と、折点検出装置2
00を用いることによって光導波路の融着型接続点を精度
よく自動的に判定することができる光導波路試験装置を
構成することができる。
第11図にこの出願の第3発明及び第4発明で提案した光
導波路試験装置の実施例を示す。第11図に示す実施例に
おいて第14図に示した従来の光導波路試験装置と対応す
る部分には同一符号を付して示している。
この出願の第3発明では第1発明で提案した高感度二次
微分装置100によって算出した二次微分出力を第2発明
で提案した特徴抽出装置200に与え、この特徴抽出装置2
00の検出信号を波形判定装置300に与える。
波形判定装置300は特徴抽出装置200の出力波形を取込ん
で波形分析を行なう。
第3発明では波形判定装置300において特徴抽出装置200
から与えられる波形データが正のピークの両側の負のピ
ークを持つ波形であることを検出すると、この波形発生
部分は融着型接続点であると判定する。
この波形判断動作のフローチャートを第12図に示す。第
12図においてステップは後方散乱光の波形データDA
(X)を取込む動作部分、 ステップは高感度二次微分装置100で後方散乱光の波
形データを二次微分し、二次微分波形データY(X)を
求めている部分を示す。
ステップは特徴抽出相当200で二次微分波形から融着
型接続点における特徴抽出データYY(X)を抽出する動
作部分を示す。
ステップは特徴抽出装置200から出力される折点検出
信号の互に隣り合うサンプル毎の差DYY(X)を求める
動作部分を示す。
ステップはステップで求めた特徴波形データYY
(X)が所定値以上(この例では0.05以上としている)
で隣接するサンプルデータとの差が所定値以下(この例
では0.04以下)であることを検出する動作部分を示す。
つまりこのステップでは特徴抽出装置200から出力さ
れる特徴抽出データYY(X)の概略のピーク点を検出し
ている。
ステップはステップで規定したピーク点の前後数サ
ンプル中の最大値(この例では5サンプル)を検出し、
このサンプルを正規のピーク点YY(Peak)と規定する
(この点が折点に対応する)。
ステップではYY(Peak)前後の二つの負のピークの値
を加えた値Z(Peak)を算出し、YY(Peak)/−Z(Pe
ak)を求め、この演算値が0.7以上1.3以下であるか否か
を判定し、この範囲に入っているとき融着型接続点であ
ると判定する。範囲外のときステップに限りステップ
,,,を繰返す。
この波形判定動作によれば正のピーク点の両側に、この
正のピーク値の1/2以下の値を持つ負のピーク点が存在
するとき、融着型接続点と判定する。この判定結果は表
示器18に表示される。
この出願の第4発明では融着型接続点における接続損失
を自動的に算出する光導波路試験装置を提案する。
つまりこの出願の第2発明で提案した特徴抽出措置200
によれば後方散乱光の減衰波形おいて折点BとCの位置
を正確に検出できる。融着型接続点における接続損失は
第13図に示すLsで規定される。
この接続損失の算出をするには折点Bの位置(距離Lb
を検出するための特徴抽出装置200と、折点Bからなま
り発生期間Tに対応する距離以上離れた位置に得られる
後方散乱光の減衰量を表わす直線C−Dの傾斜を求める
手段と、この直線C−D上の折点Bの位置LbにおけるEe
を算出する演算手段と、この演算手段で算出した値Ee
折点Bにおける値Ebとから接続損失Ls=Lb−Eeを算出す
る手段によって構成することできる。
直線C−Dの傾斜を求める手段と直線C−D上の折点の
位置における値Eeを算出する演算手段と、EbとEeとの値
から接続損失を算出する演算手段は波形判定装置300内
に設けられる。
つまり第3発明の特徴抽出装置200の出力信号によって
波形判定装置300は折点Bの位置Lbを検出する。折点B
の位置Lbを検出する。折点Bの位置Lbが決定されると、
波形判定装置300は直線C−Dの傾むきを算出し、この
傾むきから直線C−Dの延長上の位置LbにおけるE点の
値Eeを求める。
このE点の値Eeと折点Bの値Ebとから接続損失Ls=Eb
Eeを算出し、その値を表示器18に表示する。
この第4発明によれば第3発明で提案した折点検出用特
徴抽出装置200の働きによって折点Bの位置Lbが正確に
求められる。よってこの第4発明でもE点の位置を正確
に求めることができ、この結果融着型接続点の接続損失
を正確に算出することができる利点が得られる。
「発明の効果」 以上説明したようにこの出願の第1発明によればなまっ
たアナログ波形の変化を感度よく取り出すことができる
高感度二次微分装置を得ることができる。従ってこの高
感度二次微分装置を用いることによって光導波路の融着
型接続点の存在をノズル等に影響されることなく信頼性
よく検出することができる。
更にこの出願の第2発明によれば二次微分波形から融着
型接続点が持つ独特の波形を生成することができる。こ
の結果融着型接続点の検出精度を更に高めることがで
き、然も接続点の位置を精度よく測定することができ
る。
またこれら第1発明と第2発明で提案した高感度二次微
分装置及び折点検出用特徴抽出装置を利用することによ
って第3発明で提案する光導波路試験装置の信頼性を高
めることができ、第4発明で融着型接続点の接続損失も
自動的に算出することができるから、全自動の光導波路
試験装置を構成することができる。
よって数10本〜数100本も光ファイバを束ねた光ケーブ
ルを自動的に試験することに用いてその効果は頗る大で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの出願の第1発明の一実施例を説明するため
のブロック図、第2図はこの第1発明で用いたテンプレ
ートの概念を説明するための図、第3図及び第4図は第
1発明の動作を説明するための波形図、第5図及び第6
図は第1発明の変形実施例を示すブロック図、第7図は
この出願の第2発明の一実施例を説明するためのブロッ
ク図、第8図はこの第2発明で用いたテンプレートを説
明するための図、第9図は第2発明の動作を説明するた
めの波形図、第10図は第2発明に用いたテンプレートの
変形例を示す図、第11図はこの出願の第3発明及び至第
4発明の実施例を示すブロック図、第12図はこの出願の
第3発明の動作を説明するためのフローチャート、第13
図はこの出願の第4発明の動作を説明するための波形
図、第14図は従来の技術を説明するためのブロック図、
第15図及び第16図は従来の技術の動作を説明するための
波形図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 卓三 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 柳川 久治 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 桜井 孝夫 東京都練馬区旭町1丁目32府1号 株式会 社アドバンテスト内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.入力されるアナログ信号の値を逐次検出
    する第1検出手段と、 B.この第1検出手段の検出位置から上記アナログ信号の
    なまり発生期間に対応する距離だけ遅れた位置の信号の
    値を検出する第2検出手段と、 C.この第2検出手段の検出位置から更に上記なまり発生
    期間に対応する距離だけ遅れた位置の信号の値を検出す
    る第3検出手段と、 D.上記第1検出手段と第3検出手段の検出結果の和を求
    める加算手段と、 E.この加算手段の加算結果から上記第2検出手段の検出
    結果の2倍値を減算し、上記アナログ信号の二次微分信
    号を出力する減算手段と、 によって構成した高感度二次微分装置。
  2. 【請求項2】A.請求項1記載の高感度二次微分装置が出
    力する二次微分信号が与えられ、この二次微分信号の値
    を検出する第4検出手段と、 B.この第4検出手段の検出時点から上記なまり発生期間
    に対応した時間遅れた時点の上記二次微分信号の値を検
    出する第5検出手段と、 C.上記第4検出手段の検出値に負符号を乗算し、この乗
    算結果と上記第5検出手段の検出値とを加算して上記ア
    ナログ信号の折点に対応する位置にピークを持つ信号を
    出力する演算手段と、 によって構成した折点検出用特徴抽出装置。
  3. 【請求項3】所定の時間間隔で発光する光パルス被試験
    光導波路に与え、被試験光導波路で反射して戻される後
    方散乱光を電気信号に変換し、この電気信号を上記高感
    度二次微分装置に与え、その二次微分出力を上記特徴抽
    出装置に与え、折点検出用特徴抽出装置の出力が正のピ
    ークの両側に負のピークが配置された波形であることを
    検出し、被試験光導波路の融着型接続点であることを特
    定する光導波路試験装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光導波路試験装置において
    検出したアナログ信号の変化開始点から、なまり発生期
    間に対応した距離以上離れた位置に得られる後方散乱光
    の減衰量を表す直線の傾斜を求める手段と、この傾斜の
    値から上記直線上の上記折点における値を算出する演算
    手段と、 この演算手段で求めた値と上記折点における後方散乱光
    の値から融着型接続点における減衰量を計測する光導波
    路試験装置。
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