JPH0791553B2 - 多孔質滑り軸受の製造方法 - Google Patents

多孔質滑り軸受の製造方法

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JPH0791553B2
JPH0791553B2 JP2174024A JP17402490A JPH0791553B2 JP H0791553 B2 JPH0791553 B2 JP H0791553B2 JP 2174024 A JP2174024 A JP 2174024A JP 17402490 A JP17402490 A JP 17402490A JP H0791553 B2 JPH0791553 B2 JP H0791553B2
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勝昭 吉田
容敬 伊藤
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エヌティエヌ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、多孔質滑り軸受の製造方法に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
精密小型モータの軸受に用いられている多孔質滑り軸受
は、その多孔質基材の細孔内にグリースを含有させ、こ
の保有したグリースを滑り面に供給することにより滑り
面の潤滑を行なうようになっている。
この多孔質滑り軸受に含有されるグリースは、潤滑油の
基油に各種の添加剤と増稠剤を加え、これを相転移温度
まで加熱溶融した後、冷却して半固体状グリースにした
ものが用いられる。
ところが、グリースに加えられる増稠剤は、基油中に分
散してミセル構造をとり、半固体または固体の状態にす
る機能をもつため、冷却工程において増稠剤の結晶体が
配向したり、バルク(ダンゴ)状になる。このため、含
浸工程において、グリースの軸受基材の細孔内に対する
浸入性が悪くなり、高圧下で強制的に圧入させても基油
のみが分離して増稠剤は浸透せず、十分な量のグリース
を軸受内に含有できない問題があった。
これを受けて、本出願人は、グリースを短時間で効率良
く軸受の細孔内に含浸させるようにした軸受の製造方法
を、特願平−222660号により提案している。
この製造方法は、半固体状グリースに均質化処理を施
し、増稠剤の結晶体を微細粒子化すると共に、均一に分
散化して軸受の細孔への浸入性を良くして軸受内部に含
有させるものであり、グリース含浸量の増大と含浸時間
の大幅な低下を図ることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記のようにグリースに均質化処理を施した
場合、グリースが液体状になって確かに浸透性を向上さ
せる利点はあるが、その反面、分散化によるせん断作用
によって増稠剤の繊維が短かくなり、見かけ粘度が低下
する。このため、含有されたグリースが軸受から漏れや
すくなり、軸受の耐久性が低下する不具合がある。
そこで、この発明は、上記提案の製造方法にさらに工夫
を加えて、含浸させたグリースの漏れを防止して優れた
耐久性を得ることができる多孔質滑り軸受の製造方法を
提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するため、この発明は、半固体状のグ
リースに、増稠剤の結晶体を微細粒子化すると共に均一
に分散化させる均質化処理を施し、このグリースを100
℃以下の温度に保持した状態で多孔質滑り軸受の細孔内
に含浸させ、次に、その多孔質滑り軸受をグリースの相
転移温度以上に加熱した後、グリースの増稠剤が結晶化
するように徐々に冷却し、含浸したグリースを半固体状
にする方法を採用したのである。
〔作用〕
上記の方法においては、均質化処理を施した液体状のグ
リースを、100℃以下の温度で軸受内部に含浸させるこ
とで、グリースの酸化等による劣化を防止し、効率のよ
い含浸作業を可能にする。次に、この軸受を相転移温度
以上に加熱して含浸したグリースを溶融し、それを徐々
に冷却してグリース内の増稠剤を結晶化して半固体状の
グリースにする。このように半固体状にすることによ
り、グリースは、見かけ粘度が上昇し、軸受内の細孔内
に保持されるため、漏れが防止される。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図のように、この発明における製造方法は、半固体
状グリースを製造するグリース製造工程1と、半固体状
グリースをせん断加工して液状グリースにする均質化処
理工程2と、液状グリースを加熱して焼結軸受内に含浸
させる真空含浸工程3と、このグリースを含浸させた焼
結軸受を加熱してグリースを溶融させる加熱工程4と、
加熱した焼結軸受を冷却して含浸したグリースを半固体
状にする冷却工程5とから構成される。
上記グリース製造工程1は、基油に増稠剤と添加剤を混
合する混合工程6と、この混合したグリースを相転移温
度以上で加熱溶融させて液状のグリースとする加熱溶融
工程7と、その液体状のグリースを冷却させて半固体状
のグリースを形成する冷却工程8とを順次経過させて行
なわれる。
上記混合工程6においては、石油系潤滑油、合成潤滑油
(たとえばシリコーン油・ポリ−α−オレフィンなど)
から成る基油に、通常の潤滑グリースに使用される各種
添加剤(たとえば酸化防止剤・清浄分散剤・極圧剤・摩
耗防止剤・油性向上剤・摩擦調整剤・粘度指数向上剤・
流動点硬化剤・さび止め剤・泡止め剤など)を必要に応
じて共存させながら増稠剤を加えて混合し、混合液(分
散液)を形成する。
上記の増稠剤には、石けん系又は非石けん系のいずれの
ものを用いることができ、特に高級脂肪酸の金属塩であ
るリチウム塩やマグネシウム塩等が多く使用される。
上記のグリース製造工程1において製作された半固体状
グリースは、次に均質化処理工程2において、せん断加
工による均質化処理が施される。この処理により、配向
性とバルク状を有していた増稠剤からなる結晶体が微細
粒子になると共に均一分散化される。
このため、半固体状グリースは、液状グリースになって
見かけ粘度が低下すると共に、焼結軸受の細孔に対する
グリースの浸入性がよくなる。
上記のように均質化処理を施した液状グリースは、次に
焼結軸受に対して真空含浸させる。
この真空含浸工程3は、真空容器内に焼結軸受を配置し
た後、容器内を真空にして上記液状グリースを注入し、
容器内を70℃〜100℃の温度で加熱して液体グリースに
した状態で焼結軸受内に含浸させ、含浸完了後に大気圧
とした容器内から残量の液体グリースを回収し、焼結軸
受を取り出す方法で行なわれる。
この場合、グリースを含浸させる焼結金属は、鉄・銅・
亜鉛・すず・黒鉛・ニッケル等またはこれらを組み合せ
た合金の微粉粒に、混合・圧縮成形、焼成、整形等の処
理をして形成される。このようにして得られる多孔質組
織には、通常約50μm以下(多くは10μm以下)の細孔
が分布した状態になっている。
上記の真空含浸工程3においてグリースを含浸させた焼
結軸受を、次に加熱工程4においてグリースの相転移温
度以上に再加熱する。この加熱により、軸受内に含浸さ
れたグリースは、溶融して潤滑油粘度の液体状グリース
になる。
ついで、その焼結軸受を冷却工程5において室温まで冷
却(徐冷)させると、含浸したグリースの増稠剤が結晶
化し、グリースは液状から半固体状になる。このような
増稠剤の結晶化により、増稠剤繊維につながって見かけ
粘度が上がるため、その粘度によりグリースは軸受の細
孔内に保持され、軸受からの漏れが効果的に防止される
ことになる。
つぎに、この発明の製造方法により製作した多孔質滑り
軸受の効果をみるため、従来品との比較テストを行なっ
た。
発明の試作品は、酸化防止剤を添加した基油に、増稠剤
として3%重量のリチュームステアレートを混合し、そ
の混合液を第2図に示すような焼結合金製ブッシュ10
(内径6.0mm、外径12.0mm、長さ8.0mm)に、第1図に示
す各処理工程を順次施すことにより含浸させて形成し
た。
一方、比較の対照品としては、同じ寸法の焼結合金製ブ
ッシュに鉱油系潤滑油を含浸させた通常の含油軸受と、
均質化処理を施したグリースを真空含浸により含浸させ
て、加熱処理や冷却処理を行なわないグリース含有軸受
とを用いた。
比較テストは、第2図に示すように、焼結合金製ブッシ
ュ10を回転軸11とハウジング12の間に取付け、ハウジン
グ12の外周に設けたバンドヒータ13で加熱して100℃の
雰囲気温度に設定した状態で、回転軸11を3600rpmの回
転数で回転させ、時間経過によるグリース残存率の変化
を比較した。
そのテスト結果を第3図に示す。
図に示すように、通常の含油軸受は、時間経過と共にグ
リース残存率が大きく低下し、油の漏れが大きく増大し
ているが、グリース含有軸受は、グリース残存率の低下
が緩やかであり、グリースのもつ保油効果が示されてい
る。
これに対して、この発明の試作品は、時間の経過によっ
てほとんどグリース残存率が低下せず、グリース含有軸
受に比べても明らかな保油効果が見られる。これは、含
浸したグリースを半固体状にしたことにより、大きな保
持作用が得られることを示している。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、均質化処理を
して液体状にしたグリースを100℃以下の温度で軸受に
含浸するため、酸化等の高温度処理によるグリースの劣
化を防止でき、効率のよいグリースの含浸を可能にす
る。また、軸受に含浸させたグリースを加熱した後、徐
冷して増稠剤を結晶化し、半固体状にするものであるか
ら、軸受内部でのグリースの見かけ粘度が上昇し、軸受
からの漏れを防止することができる。
したがって、この発明の製造方法を用いれば、良品質の
グリースを効率よく軸受内に含浸させることができると
共に、含浸したグリースの漏れ出しを確実に防止するこ
とができ、長期にわたる安定した潤滑状態を維持できる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る製造方法を示す工程図、第2図
は比較テストを実施した軸受構造を示す断面図、第3図
は同上の比較テストの結果を示す図である。 1……グリース製造工程、 2……均質化処理工程、3……真空含浸工程、 4……加熱工程、5……冷却工程、 10……焼結合金ブッシュ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 50:10 70:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半固体状のグリースに、増稠剤の結晶体を
    微細粒子化すると共に均一に分散化させる均質化処理を
    施し、このグリースを100℃以下の温度に保持した状態
    で多孔質滑り軸受の細孔内に含浸させ、次に、その多孔
    質滑り軸受をグリースの相転移温度以上に加熱した後、
    グリースの増稠剤が結晶化するように徐々に冷却し、含
    浸したグリースを半固体状にすることを特徴とする多孔
    質滑り軸受の製造方法。
JP2174024A 1990-06-29 1990-06-29 多孔質滑り軸受の製造方法 Expired - Lifetime JPH0791553B2 (ja)

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