JPH0768976B2 - 多孔質滑り軸受の製造方法 - Google Patents

多孔質滑り軸受の製造方法

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JPH0768976B2
JPH0768976B2 JP1222660A JP22266089A JPH0768976B2 JP H0768976 B2 JPH0768976 B2 JP H0768976B2 JP 1222660 A JP1222660 A JP 1222660A JP 22266089 A JP22266089 A JP 22266089A JP H0768976 B2 JPH0768976 B2 JP H0768976B2
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容敬 伊藤
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/102Construction relative to lubrication with grease as lubricant

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、多孔質滑り軸受の製造方法、更に詳しく
は、多孔質滑り軸受の細孔内にグリースを含浸させる方
法に関する。
〔従来の技術〕
多孔質滑り軸受はその細孔(空孔、気孔などとも呼ばれ
る)にグリースを保有し、滑り面にグリースを少しずつ
供給することによって軸受の長期使用を可能にしてい
る。
多孔質滑り軸受の基材は、通常、鉄・銅・亜鉛・すず・
黒鉛・ニッケル等またはこれを組み合わせた合金の微粉
粒に、混合・圧縮成形、焼成、整形等の処理を施して得
られる均一な多孔質組織を有する焼結体であって、およ
そ50μm以下(多くは10μm以下)の細孔が分布してい
るのが一般的である。
ところで、このような多孔質滑り軸受の長期間の使用を
可能にするためには、その細孔内に十分な量のグリース
を含浸させておく必要がある。
通常半固体状のグリースは、基油すなわち石油系潤滑
油、合成潤滑油(たとえばシリコーン油・ポリ−α−オ
レフィンなど)に、通常の潤滑グリースに使用される各
種添加剤(たとえば酸化防止剤・清浄分散剤・極圧剤・
摩耗防止剤・油性向上剤・摩擦調整剤・粘度指数向上剤
・流動点硬化剤・さび止め剤・泡止め剤など)を必要に
応じて共存させながら増稠剤を加えて混合し、これを相
転移温度にまで加熱溶融させて液体グリースにした後、
冷却して製作される。
上記増稠剤は、石けん系及び非石けん系の何れでもよい
が、中でも高級脂肪酸の金属塩、特にリチウム塩または
マグネシウム塩が用いられ、そして、これら増稠剤は基
油中に分散してミセル構造をとり、半固体の状態にする
役割を果たすものである。
通常半固体状のグリースは製造工程における冷却速度
(温度)により程度の差はあるものの、主として増稠剤
からなる結晶体が配向したり、バルク(ダンゴ)状にな
り、軸受素材の細孔内に対する浸入性が悪く、加圧手段
を用いても十分な量のグリースを軸受内に含浸させるこ
とができない。
このため、本出願人は、半固体状のグリースを加熱と真
空含浸によって軸受に含浸させる多孔質滑り軸受の製造
方法を特開昭63−195416号によって提案した。
上記製造方法は、第3図の工程図に示すように、基油と
増稠剤及び添加剤を混合し、これを相転移温度以上で加
熱溶融させて液状のグリースとした後、冷却させて半固
体状のグリースを製作するグリース製造工程1と、次に
半固体状のグリースを相転移温度以上に加熱した状態で
焼結軸受に含浸させる真空含浸工程2を行なうものであ
る。
上記真空含浸工程2は、以下の順序で行われる。
(I)真空容器内に焼結軸受を配置した後、該軸受内の
空気を取り除くため、10-2torr程度の真空状態とする。
(II)半固体状のグリースをポンプにて容器内に注入す
る。
(III)真空容器内を上記グリースの相転移温度まで加
熱する。
(IV)加熱により液体になったグリースを焼結軸受内に
含浸させる。
(V)含浸完了後、真空容器内に空気を吸入させる。
(VI)真空容器内から残量の液体グリースをポンプにて
回収する。
(VII)グリースを含浸させた焼結軸受を真空容器内か
ら取り出す。
以上の作業(I)乃至(VII)を繰り返して行なう。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前記した真空含浸工程は、真空容器内を真空
状態にするまでに約40分程度の時間を要するため、一旦
回収したグリースは再度真空容器内に注入する際、冷却
されて元の半固体のグリース状態になっている。
そのため、グリースを再度高い相転移温度まで加熱しな
ければならず、このようにグリースの加熱と冷却を繰り
返すことにより、半固体状のグリースが徐々に酸化さ
れ、グリース性状が劣化し、長期の再利用ができないと
いう問題がある。
また、相転移温度が高いため、加熱するための設備が大
がかりとなると共に、液体グリースとするまでに長い時
間が必要であるため、作業性が悪く、作業コストが高く
なるという問題がある。
更に、グリースを含浸させた多孔質滑り軸受の耐久性を
向上させるため、第4図のように、回転軸11を回転自在
に支持する滑り軸受12に対して、潤滑油を含浸させたフ
エルト13を接触状に配置し、フエルト13の潤滑油を滑り
軸受12に供給する構造が提案されている。
しかし、フエルト13に潤滑油を含浸させると、使用中の
温度上昇などにより必要以上に油が滲出し、その結果軸
受寿命を短縮したり、滲出油により周辺の汚染を起こし
たりする。
また、フエルト13にグリースと異質の潤滑油を含浸させ
た場合などは、グリースの性能が低下し、起動トルクを
増大させるという問題もある。
そこで、この発明の課題は、半固体状グリースを液体グ
リースにさせ、加熱設備の簡略化と作業コストの低減を
図ることができ、しかもグリース性状の劣化を防ぐこと
ができる多孔質滑りの軸受の製造方法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記のような課題を解決するため、この発明は、半固体
状グリースに、せん断加工によって、含有する増稠剤か
らなる結晶体を微細粒子にすると共に均一分散させて見
かけ粘度を低下させる均質化処理を施し、このグリース
を多孔質滑り軸受の細孔内に真空含浸させるという方法
を採用したものである。
〔作用〕
半固体状グリースに均質化処理を施し、増稠剤からなる
結晶体を微細粒子とすると共に均一分散化させ、これに
より液状グリースとなって見かけ粘度が低下し、真空含
浸時間の短縮が図れる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を添付図面の第1図と第2図に
基づいて説明する。
第1図のように、この発明における製造方法は、従来と
同様の半固体状グリースを製造するグリース製造工程1
と、半固体状グリースをせん断加工して液状グリースに
する均質化処理工程21と、液状グリースを加熱して液状
グリースにした状態で焼結軸受内に含浸させる真空含浸
工程22とを順次経て行なわれる。
先ず、グリース製造工程1において製作された冷却後の
半固体状グリースにせん断加工による均質化処理を施す
と、配向性とバルク状を有していた増稠剤からなる結晶
体が微細粒子になると共に均一分散化されることにな
る。
これにより半固体状グリースは液状グリースになって見
かけ粘度が低下すると共に、焼結軸受の細孔に対するグ
リースの浸入性がよくなる。
上記のように均質化処理を施した液状グリースは、次に
焼結軸受に対して真空含浸させる。
真空含浸工程22は、従来と同様に、真空容器内に焼結軸
受を配置した後、容器内を真空にして上記液状グリース
を注入し、容器内を加熱して液状グリースにした状態で
焼結軸受内に含浸させ、含浸完了後に大気圧とした容器
内から残量の液体グリースを回収し、焼結軸受を取り出
す。
上記の真空含浸工程22において使用するグリースは、半
固体状のグリースに均質化処理を施し、液状グリースに
して見かけ粘度を低下させているため、真空含浸工程時
に液状グリースにするため含浸温度は70℃〜100℃と従
来の約半分以下に低下させることができる。
また、この発明の製造方法は、上記した焼結軸受に対す
るグリースの含浸と同様に、フエルトに対してもグリー
スの含浸が可能になる。
第2図はグリースを含浸させた多孔質の滑り軸受31にグ
リース含浸フエルト32を組合せた構造を示し、回転軸33
を支持する滑り軸受31の球状外周面をユニットフレーム
34とスプリングリティーナー35で保持し、グリース含浸
フエルト32を滑り軸受31の外面に接触するようユニット
フレーム34とスプリングリティーナー35間に挾み込んで
保持している。
このように、グリースを含浸させたフエルト32は、温度
変化に対するグリース保持力が高く、雰囲気温度が高く
なってもグリースの漏れが少なく、グリースを含浸した
滑り軸受31に対して同質のグリースを補給でき、グリー
スの性能低下がなく、軸受の耐久性を向上させることが
できる。
上記のように、フエルト32にグリースを含浸させた場
合、グリースの保持力が高く漏れがないので、滑り軸受
との組合せにより、立形モータ用軸受として有効であ
る。
〔効果〕
以上のように、この発明は、半固体状グリースに均質化
処理を施した後、多孔質滑り軸受に真空含浸させるよう
にしたので、半固体状のグリースの増稠剤からなる結晶
体をせん断加工による均質化処理によって微細粒子とす
ると共に均一分散化させることができ、これにより、多
孔質滑り軸受への浸入性が良くなると共に、見かけ粘度
が低下し、真空含浸工程における軸受へのグリース含浸
が効率よく行なえる。
また、真空含浸工程時に液体グリースに加熱するための
含浸温度が従来に比べて約半分以下に低下し、加熱設備
の簡略化と含浸時間の短縮化を図ることができ、作業コ
ストが低減できる。
更に、グリースの含浸温度を低下させることができるの
で、加熱によるグリースの酸化発生を少なくし、グリー
ス性状の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る製造方法の順序を示す工程図、
第2図はこの発明による多孔質滑り軸受の使用例を示す
縦断面図、第3図は従来の製造方法を示す工程図、第4
図は従来の多孔質滑り軸受の使用例を示す縦断面図であ
る。 1……グリース製造工程、 21……均質化処理工程、 22……真空含浸工程、31……滑り軸受、 32……グリース含浸フエルト、 33……回転軸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半固体状グリースに、せん断加工によっ
    て、含有する増稠剤からなる結晶体を微細粒子にすると
    共に均一化分散させて見かけ粘度を低下させる均質化処
    理を施し、このグリースを多孔質滑り軸受の細孔内に真
    空含浸させることを特徴とする多孔質滑り軸受の製造方
    法。
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