JPH0791450B2 - 広い温度範囲で使用可能な制振材 - Google Patents

広い温度範囲で使用可能な制振材

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JPH0791450B2
JPH0791450B2 JP4250574A JP25057492A JPH0791450B2 JP H0791450 B2 JPH0791450 B2 JP H0791450B2 JP 4250574 A JP4250574 A JP 4250574A JP 25057492 A JP25057492 A JP 25057492A JP H0791450 B2 JPH0791450 B2 JP H0791450B2
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JP
Japan
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damping material
parts
polynorbornene
added
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JP4250574A
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三郎 窪田
徳光 早苗
敬一 鈴木
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Toyama Prefecture
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Toyama Prefecture
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上利用分野】この発明は、振動の減衰が必要と思
われる電動機器、自動車部材、住宅、工場の脚材、ジョ
イント材、床材などに用いて、振動による悪影響をより
低減させるための素材として利用する。
【0002】
【従来の技術】制振材は、振動を内部摩擦による熱とし
て吸収し、制振能力は通常損失係数で示され、値が大き
い程、制振性は良好とされている。又、損失係数は、温
度により大きく変動する場合が多い。
【0003】従来品の場合、ウレタン系や非晶オレフィ
ン系は損失係数が大きくなく、ピークがシャープなため
使用温度範囲も狭い。シリコン系は、広い温度範囲で比
較的大きな損失係数を保持しているが、成形性が極めて
悪く単独では使用できない。ポリノルボルネンを応用し
たものも存在するが、ピーク損失係数は極めて大きい
が、半値幅が小さく、ピークから外れると制振性は悪
い。これらの改良として、ブレンドしたものもあるが、
制振材として必要な性能は必ずしも充分とは言えない。
【0004】充分な制振性能を具備して、且つ引張強さ
や硬度などが満足するものもなく、特に、ポリノルボル
ネンの場合、柔らかいため適用範囲が限られる。カーボ
ンブラックの添加量の増大や過加硫にして対応している
が、制振性能が大きく低減する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の制振
材(ウレタン、オレフィン、シリコン、ポリノルボルネ
ン)で達成できなかった低温(−10℃前後)から高温
(35℃前後)まで大きな損失係数を保持し、且つ引張
強さや硬さが大きく、成形加工性が良好な制振材を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】ポリノルボルネンの損失
係数は、ピークでは大きな値を示すがシャープなため幅
広い温度域で制振性は良好でない。この場合、ピークの
温度は配合剤、特にプロセスオイルの種類と量により大
きく変化する。従って単一な配合系による制振材では解
決できない。
【0007】本発明で用いたポリノルボルネンは34℃
にガラス転移点が存在し、単身な樹脂ではこの近傍に損
失係数のピークが存在する。このポリノルボルネン−ア
ロマティックオイル配合量とピーク温度の特性に着眼
し、オイル量が異なる3種類の配合系を別々に混練、成
形し、シート状になった成形品を最後に積層させた3層
構造からなる複合制振材を提供する。
【0008】即ち、ポリノルボルネンと相溶性が良好で
大きな制振性を発現するアロマティックオイルの添加量
が、A.小量(40〜60部)、B.中量(100〜1
20部)、C.大量(150〜250部)の3種類にお
いて、Aは損失係数のピーク温度が25〜35℃、Bは
ピーク温度が10〜25℃、Cは0〜10℃に存在す
る。ピーク値は1.5〜1.8となり、いずれも良好な
制振性を示すが、シャープなため半値幅が小さく、上記
温度範囲以外では急激に性能は低下する。3種類からな
るサンドウィッチ構造の複合品では各々の層で、最適な
制振温度領域を有しているため、通常、使用する温度範
囲で大きな制振性能を発揮できることになる。
【0009】別々に加工して積層した三層構造は、制振
性能以外にも各層に独自な特徴を具備させることも可能
である。中間層にガラス短繊維やカーボン繊維を均一に
分散させ、引張強度、弾性率を増大させることもでき
る。表層には、金属亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、チタン酸カリウムウィスカ等を配合し、表面硬度の
増大や加工時における離型性も改良できる。積層加工
は、本樹脂は熱融着性を有するので、熱ロールやホット
プレスで容易に加工できる。
【0010】配合系には、通常のゴムにおける混練、成
形と同様に加硫剤、加硫促進剤、カーボンブラック、老
化防止剤が配合されているのでプレス時に架橋が起こり
安定な成形品となる。
【0011】
【作用】本発明の三層構造制振材は、各層が独自な配合
系として独立しているので、層の機能もそれぞれ独自性
を持たせることができる。これらを複合体にしたため、
多くの機能が相加的に働き、多くの特徴を具備した制振
材と言える。異なるプロセスオイル配合量により、損失
係数のピーク温度を0℃以下の低温から30℃前後まで
シフトさせる。これらを積層することにより、この範囲
の温度に対し、0.8以上の損失係数が維持できる。配
合剤が損失係数のピーク温度に及ぼす因子は、カーボン
ブラック添加量もあるが、影響の大きさはプロセスオイ
ルの比ではなく、加工上、添加量範囲も限定される。
【0012】繊維、ウィスカ、フィラーの配合は、オイ
ルが配合されているため30部程度までは表面処理をし
なくてもバンバリ型ミキサー、ロール等の混練装置で均
一分散が容易に可能である。ポリノルボルネンは、添加
したプロセスオイルにより成形品は柔らかいので弾性率
や引張強度が小さい。プレス時の架橋により多少改善す
ることはできるが、応用面を考慮した機械的物性を満た
すためには、かなりの架橋密度にしなければならない。
この場合、逆に制振性能は半減する。制振性能を大きく
維持して、且つ機械的物性も満足するにはこれらの配合
系の他に繊維状物質を添加することにより解決できる。
本発明では2〜3mm長のガラス繊維やカーボン繊維、
0.1mm長程度のウィスカを配合させ強度や弾性率、更
に金属亜鉛粉、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの添加
により硬さの増大や加工時における離型性の向上に寄与
できる。
【0013】これら3層の積層において、各層はプロセ
スオイルの異なった添加量にするのは、広い温度範囲に
おいて制振制を高く維持するために必然であるが、ガラ
ス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウムウィスカ、金
属亜鉛、炭酸カルシウムの添加は、制振材の用途に合致
した機能目的を考慮して添加の有無や量を決定すること
が望ましい。
【0014】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
又、本発明はこれら実施例に限定されない。表1に示す
原材料をその重量割合でドライミキシングし、ニーダも
しくはロールにより100〜130℃で溶融混練後、1
50℃、数分間平板式加硫プレスにより、シート状に成
形した。この工程で架橋が進み過ぎると次工程の積層が
不十分になる恐れがあり、比較的低温で短時間で処理す
るのが望ましい。未加硫成形品でも差し支えない。成形
品の厚さは、平板の間隔により調整できる。仕上げロー
ルにより同様な条件により成形することも可能である。
【0015】表1に示した各配合材からなるシート状の
成形品を、170℃程度でホットプレスを行って積層す
る。この場合、プレス圧は低く(数kg/cm2 )して
各層に保持されているオイルのマイグレーションを防が
なければならない。
【0016】図1に積層前の各成形品における損失係数
の温度分散を示す。オイル添加量により、ピーク温度が
顕著に変化している。即ち、オイル添加量とともにピー
クは、低温に大きくシフトし、ピーク値も大きくなる。
【0017】図2に積層した複合品における損失係数の
温度分散を示す。ピークは顕著なブロードになり、損失
係数が0.8以上となる温度領域が広く、従来品で見ら
れない高性能な制振材であることが分かる。
【0018】ガラス繊維を配合した場合、50部以上で
は大きな損失係数の低減を招くが、30部程度では引張
強度で2〜3倍、弾性率は3倍程度増大する。
【0019】硬さについてみると、アルミナ、ガラス繊
維、炭酸カルシウムなどの添加により効果を認め、JI
Sに準拠した硬度をみると10〜15増大し、充分、架
橋させた試料では90程度を有し、本樹脂系のコンパウ
ンドにおいて大きな改善が達成された。ポリノルボルネ
ン−アロマティックオイル配合系は、粘着性が大きくブ
ロッキングをおこし易いが、これらの添加により加工
性、離型性が良好になる。
【0020】チタン酸カリウムウィスカの添加効果をみ
ると、機械物性の向上は小さいが、上記添加物に比べ損
失係数の低減割合が小さいので、制振性能を重点に置く
場合有効である。
【0021】金属亜鉛粉、金属鉛粉の添加効果は、ウィ
スカと同様に制振性を大きく損なわない。これらの添加
により混練物の密度が増大し、振動の伝達防止のほか同
時に発生することが多い音響の透過防止にも応用が考え
られる。
【0022】
【発明の効果】本発明は、ポリノルボルネン−アロマテ
ィックオイル添加系において、オイル量を変えた3種類
を別々に混練、成形し最後に積層したため、より広範囲
の温度において、高い制振性を有する素材である。また
用途上から望まれる機械物性や硬さ、音響の透過防止、
更に加工性の向上等に対応した複合制振材である。これ
らにより機械装置の振動防止や集合住宅の床材などの制
振材として利用できる。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】A、B、C各配合系で混練、成形した試料にお
ける損失係数の温度分散
【図2】混練、成形した試料における損失係数の温度分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリノルボルネンにアロマティックオイル
    の配合量を変化させた成形体を複数積層させ広い温度範
    囲で大きな制振性能を持たせたことを特徴とする制振
    材。
  2. 【請求項2】アロマティックオイルをポリノルボルネン
    100重量部に対し40〜60重量部、100〜120
    重量部、150〜200重量部配合した3種類の成形品
    を積層させたことを特徴とする請求項1記載の制振材。
  3. 【請求項3】積層する中間層には引張り強さ、弾性率を
    増大させるため、ガラス繊維を添加し、表層には硬さを
    高めるため、チタン酸カリウムウィスカ、亜鉛粉、炭酸
    カルシウム、酸化チタンを配合させた請求項1、2記載
    制振材。
  4. 【請求項4】積層する中間層に遮音を目的とした金属鉛
    粉末を添加し高密度化により音響を低減させることを特
    徴とする請求項1、2記載の制振材
JP4250574A 1992-08-25 1992-08-25 広い温度範囲で使用可能な制振材 Expired - Lifetime JPH0791450B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108883547A (zh) * 2016-02-04 2018-11-23 捊广科技有限公司 包含加重体的合成树脂混合材料及其制造方法

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